ぷろ☆すた

J-PALS:水曜夜に、どうでせう。

あけましておめデパス!(ぱくり)

放置しすぎて、もう春ですが、気にしないですよー。

『ちびまる向ちゃん』が完売というニュースに対して、倫理規定擬人化本は在庫ありですから、興味がある方は通販どーぞー。

放置のあいだブログを全く見ていなかったのですが、「24時間開局」とか「消費税」あたりの検索だと数年前の記事に到達してしまうので、ちょっと申し訳ない感じです。

今回はつれづれに。

   ☆

診療・調剤報酬etc改定については、もう終わったことなのでスルーしたい気持ちでいっぱいですが、

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000036577.pdf

のよーにパブコメ結果が出ています。薬剤師40人くらいが意見を出しているようです。

・・・が、中医協で三浦委員がとりあげて議論になったのかどうかは不明(おそらく議論になっていないと予想)。ジャイアンの「おれのものはおれのもの、おまえのものはおれのもの」理論に対抗するひみつ道具はなさそうですし。

精神科領域の意見がいろいろありますが、薬局の「24時間」関係については「大手じゃなきゃ無理」という意見がひとつあるだけのようで。

ひとつの薬局に保険薬剤師がどれくらいいれば24時間開局できるのか」という問題は、そのまま「ネット販売の24時間開局は、ひとつの薬局に薬剤師が何人いれば可能なのか」という問題の解答になってしまいますので、うかつに少ない人数で可能だとしてしまうと、ドツボにはまりそうです。世の中には、「2人いれば24時間365日できる」と言い切れる脳味噌を持った愉快な方がそれなりにいそうですので、くれぐれも、そういう方の妄想を基準にした解答にはしないことをお勧めします。

「ひとつの薬局に薬剤師が大勢いても維持できる」≒「お給金が極端に少ない」「処方箋枚数が4000枚(とか2500枚とか)を超える」「一日5件以上の在宅訪問あり」「労働基準法違反が常態」といった想像が浮かびますが、処方箋枚数と在宅訪問に関しては今回改定でキャップがかかりましたし、基本料や基準調剤のマイナスにもひっかかるわけで、ほかの業種(製造業とか施設運営とか)もやっていてスケールメリットでどうにかできてしまうのでもなければ、24時間には手を出さないのが賢い感じ。

テロリスト「こんなの労働基準法違反だ。大統領の恩赦をもってこい!」

ジャック・バウアー「死にたくなければ言うとおりにしろ!」

テロリスト「言うとおりにしたら社会的に死ぬだろーがーっ」

ジャック・バウアー「本当にすまないと思っている。だが、唯一の手ががりなんだ」

テロリスト「お前が言う『唯一』が正しかったためしがないし、どう見てもすまないと思っていないだろがー」

議事録まだかなー。

  ☆

あ、「薬剤師法施行規則の一部改正(案)に関するご意見の募集について」のようなパブコメ募集も3/14までやってます。

在宅訪問先で残薬を見つけたら、そのときの処方箋の内容からその場で疑義照会して(薬局に戻らなくても)減らせるよん、という改正です。以前、日薬の安部さんが審議会に資料を出していたような。

Facebookで「いいね」にぽちっとする感覚で、パブコメに意見を送ってみてはどーでしょうか。「件名:薬剤師法施行規則の一部改正(案)に関するご意見の募集について」「本文:いいね!」とかで構わないようですから。

  ☆

今回の本題。

日薬の生涯学習委員会の放送があるそうですよー。

http://www.nichiyaku.or.jp/yakuzaishi.php?global_menu=日本薬剤師会の取り組み&side_menu=JPALS

日薬HPから引用。

3月12日(水)20:00~21:30、下記URLにてLIVE配信します。
どなたでも、無料でご視聴いただけます。
番組では、JPALSの利用者が出演し、生涯学習の必要性やJPALSの目的、これまでの日本薬剤師会に寄せられた質問などから現状の問題点などを議論していきます。JPALSの利用者の方、今後利用を検討されている方、今年卒業の薬学生の方、是非ご覧ください。
日時 : 2014年3月12日(水) 20:00~21:30
URL : http://www.pharmastream.net/pslive.html
ログインパスワード : utv706028
番組名 : 「JPALSの実施と問題点」(提供:ファーマストリーム)

以上。

注:筆者はJ-PALSに1万円払って非会員登録して1本ちょいポートフォリオ登録して、あとはほったらかしです。ものすごく使いにくいので。もう、何が使いにくかったのか思い出せないくらいに。

番組を提供している「ファーマストリーム」のほうは、(企画担当の皆様の行動力的に)面白そう。

http://www.pharmastream.net/phs-wbt5/about/abou_commission.html

日薬運営のJ-PALS本体と、薬剤師研修センター運営のeラーニングとを分離するのは正しい選択。

薬剤師倫理規定を中心としたこのブログ的にも、ファーマストリームには倫理のプログラムがあるので、気になるところ。

講義名  薬剤師の倫理
講師 富田基郎先生
(社)日本薬剤師会常任理事
講義時間>45分
取得単位 >0.5単位

この0.5単位を受けるためだけに入会金込みで6000円を出すかどうか、悩みます。

6000円…プロレスのリングサイドチケットと同額…。

(※悩んだ結果、6000円は、プロレスのリングサイドチケットになりました)

これ、会員なら誰でもアップロードできる仕組みにしてもいいんじゃないかと思ったり。要審査で、審査に通ったら単位化。聴講回数などに応じて報酬が出る仕組みで。(どこかで聞いたようなビジネスモデル)

そういう仕組みなら、「頼まれたらどこにでも行って講演します」という方たちが、自由にアップロードしてくれるんじゃないかと思うんですよ。たぶん、きっと。

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日薬の学校薬剤師アンケートに勝手に記入してみる遊び。

日薬ホームページの公開情報に、各都道府県薬剤師会向けの、学校薬剤師関連のアンケートが掲載されています。

今回は、勝手に記入してみる遊びです。

いえ、記入するだけで、送ったりしません。

記入する立場は…えーと、都薬さんあたりを想定してみます。

  ☆

日 薬 業発第172号 平成24年9月12日
都道府県薬剤師会会長 殿
日本薬剤師会 会長 児玉 孝

学校薬剤師の組織状況等に係るアンケート調査について(依頼)

謹啓 平素より本会会務に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
また、本会学校薬剤師部会の業務につきましてご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、本会では今年度より学校薬剤師組織を統合し、それを踏まえた学校薬剤師活動の支援について学校薬剤師部会を中心に検討し、具体的に学校薬剤師活動の充実と徹底を図るための事業を実施していく予定です。

つきましては、今後、係る事業を実践するために、直近の各都道府県薬剤師会における学校薬剤師の組織状況等を把握するため「学校薬剤師の組織状況等に係るアンケート調査」を実施いたしますので、業務ご繁多の折誠に恐縮ではございますが、別添の調査票にご記入の上、FAX あるいはメールにて下記宛9月24日(月)迄ご回答下さいますようお願い申し上げます。

なお、学校薬剤師組織が別にございます場合は、何卒ご配慮をいただきますとともに、ご回答は誠に勝手ながら貴会の学校薬剤師担当役員に、ご記入下さいますよう重ねてお願いいたします。

敬具

【学 校 薬 剤 師 の 組 織 状 況 等 に 係 る 調 査 票】

該当する記号を○で囲み、「その他」の場合は具体的にご記入下さい。

①-1 日本薬剤師会(以下、日薬)は今年の4月より学校薬剤師組織を統合しました。同様に、貴都道府県の学校薬剤師会と貴都道府県薬の学校薬剤師部会等の組織を統合するお考えがあるかどうか、状況をお聞かせ下さい。

A 統合することを検討している
B 統合することに問題がある
C 既に統合済みである
D その他(具体的に )

回答:B 昨年別組織になったばかり。

① -2 設問①-1 においてBを回答された都道府県にお聞きします。

 組織統合する上で、どのような問題がありますか。できるだけ具体的にお書き下さい。

回答:昨年別組織になったばかり。これは日薬にも伝えてあります。日薬が組織を統合するよりも前の話です。

② 学校薬剤師の(部)会員名簿について

A ある B ない C その他(具体的に )

回答:B

③-1 学校薬剤師である貴都道府県内の非会員の入会について

A 積極的に入会促進を行っている
B 任意加入なので特別な事はしていない
C 支部や地域の薬剤師会に任せている
D その他(具体的に )

回答:BでC

③-2 設問③-1 においてAを回答された都道府県にお聞きします。

具体的にどのような入会促進を行っていますか。また、効果等は実感されて
いますか。

回答:なし

④ 学校薬剤師の会費徴収について

A 県薬会費として通常会費と併せて徴収している
B 県学薬会費として県薬会費とは別に徴収している
C 学校薬剤師の会費としては原則徴収していない
D 事業費や活動費として必要な時、適宜徴収している
E その他(具体的に )

回答:C

④-1 日薬の学校薬剤師部会の負担金について

A 負担金の納入に問題なく協力できる
B 負担金の納入に協力するには条件等がある
C その他(具体的に)

回答:C 協力できない。協力しない。条件以前の問題。

④-2 設問④-1 においてBを回答された都道府県にお聞きします。

納入について条件やご意見がある場合は、できるだけ具体的にお書き下さい。

回答:なし

⑤ 学校薬剤師の会員に向けて、具体的にどのような活動を行っていますか。または、これから行う予定でいますか。

回答:職域組織との連携はとりますが、職能組織である薬剤師会は、職能の面について広範に活動を行うものです。定款に目的及び事業が明記されていますので、そちらをご覧ください。また、本年度の事業計画についてもホームページで公開しております。都の職域組織にもご確認ください。

⑥ 日薬の学校薬剤師部会にこれから期待することは何ですか。

部会のくせに「日本学校薬剤師会」のように振舞うのは、やめてください。それとも、日薬の病院薬剤師部会は「日本病院薬剤師会」のように振舞っているのでしょうか。

日薬は職能の組織であって、「職域の連合体」ではありません。それは日薬の定款に明記されていることですから、執行部の行っている行動は、定款に反します。公益法人になる前の、社団法人日本薬剤師会の執行部が駆け込みで行った事業が残ってしまうのは仕方がありませんが、公益法人日本薬剤師会として、適切に、定款に沿った方向へと動くことを宣言していただきたいと思います。

部会は、定款第45条にあるとおり、職域を同じくする会員(有志)による起案によって理事会の承認を得て設置されるものです。職能組織内の、いわゆる同好会組織であり、部会予算に関する明文化された規定が存在しない以上、その運営予算等は部会に所属する有志によって自ら集金され自ら決算を行うべきであると考えます。これは学校薬剤師部会以外のすべての部会にもいえることです。公益社団法人日本薬剤師会は、各会員に対して、部会への参加意志の確認を行っていませんから、現時点において、部会参加者はゼロであり、部会自体が存在できないものと考えられます。公益社団法人日本薬剤師会の理事会において、個々の部会が承認されたのでしょうか。部会員名簿は存在しますか。部会費はどのように徴収しているのでしょうか。

なお、定款の規定に従うならば、職域を同じくする会員は、すでに同じ職域の部会が存在していたとしても、理事会の承認さえ得られれば、第二第三の部会を設置できることになります。(同職域部会は禁止されていないので
第一部会のやっていることに反対する第二部会が定款上存在できる以上、国内唯一の全国規模の職域組織であるかのようなふるまいはできないはずです。

(旧)日本学校薬剤師会のホームページには、「日本学校薬剤師会は平成24年4月1日より日本薬剤師会と一体化することにより、公益社団法人日本薬剤師会学校薬剤師部会として活動することとなりました。準備移行期間は、本ページで情報提供を続けて参ります。」と記載がありますが、全ての旧・日本学校薬剤師会会員が各都道府県薬剤師会に入会しているのでしょうか。また、この記載からは、日本学校薬剤師会は平成24年3月31日付けで解散したようですが、国際的に認知された日本の学校薬剤師の職域全国規模団体は存在しないということでよろしいでしょうか。

「公益法人」の日薬の定款では第六条の会員資格において正会員資格に「本会が承認した都道府県薬剤師会会員であること」とあります。日薬の公益法人化の日をもって、都道府県薬剤師会会員ではない学校薬剤師は、全員日薬会員になれず、従って、旧・日本学校薬剤師会を除名された、あるいは脱退したということになります。

また、学校薬剤師業務は、定款の第四条にある事業に明記されていません。

  ☆

以上。

都薬さんという架空の団体の立場を想定してみました。

なお、「部会」なるものがどういったものであるのかは不明です。

「会員が議事録を読めない」、「有志の申請でつくるのに部会長を日薬会長が指名して理事会で決議する」、「誰が部会員なのかわからない」、「どうやって部会員になるのかがわからない」といったものですし。

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世界薬剤師デーだよ。世界薬剤師デーなんだってば。

9月25日は世界薬剤師デーですよー。

まずはFIPのアナウンスをどうぞー。

  ☆

World Pharmacists Day 25 September

As designated by the FIP Council several years ago at the FIP Congress in Istanbul, 25 September marks the annual World Pharmacists Day. For this day, FIP is encouraging the world's pharmacists to organise activities that promote and advocate for the role of the pharmacist in improving health in every corner of the world.

This year the theme of World Pharmacists Day is Pharmacists – your partners in using medicines responsibly, which directly complements the theme of the upcoming FIP Centennial Congress and coinciding Summit for Ministers of Health on the Added Value of Responsible Medicines Use.

Show the world how pharmacists can help everyone use medicines to their healthiest potential!

【へっぽこ訳】

 世界薬剤師デーは9月25日だぜ。

 イスタンブールのFIPの評議会は、数年前(2009年)に、9月25日を、毎年恒例の世界薬剤師デーに制定したのさ。

 この日を、(中略)

 みんなの潜在的な健康のために、薬剤師が薬を使用してどのように貢献できるかってことを、世界に見せてやろうぜベイベー!

  ☆

アラブでも世界薬剤師デー。

http://www.cpd-pharma.ae/index.php?view=details&id=45:world-pharmacists-day

日本薬剤学会のFIP会長スピーチ。

http://www.apstj.jp/information/FIP%20President%20message.pdf

http://www.apstj.jp/events/others/complete-separation

みんな、トップページに載せて祝っています。

で、日本薬剤師会は、トップページに、

「10月10日は目の愛護デー」。

・・・せっかくノブさんがいなくなったのに、なんで世界薬剤師デーを祝わないんでしょうね、この国の職能団体は。

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クレデンシャル:指導薬剤師のための薬局実務実習ワークノート、倫理編

クレデンシャル、2012july No.46。

みなさま、しも先生の連載、「指導薬剤師のための薬局実務実習ワークノート」をご存知でしょうか。

イラストのしも先生が妙に似ている(特にまゆげ)ので有名な、あのコーナーです。

そこに、薬剤師倫理規定の関係する部分が、ようやく登場です。

LS番号P201、という、あれです。

P201

 薬剤師の心構え

 到達目標

  医療の担い手が守るべき倫理規範を遵守する。(態度)

  職務上知り得た情報について守秘義務を守る。(態度)

 学習方法:討議

しも先生には、2009年の学術大会の際にも同人誌【薬剤師倫理規定 萌えて覚える薬剤師の基本】を押し付けてありますし、先月作った同人誌【てんしす! 完全版】も誰かに押し付けられていると予想されますので、この分野に関する洗脳は完璧…じゃない、おばかな視点については百も承知(な、はず)。

…と、思っていたのですが。

ワークノートの虫食いクイズは、『医療と薬剤師(医療法)』『薬剤師綱領』『守秘義務』『個人情報保護法』の四つを出してきました。

むむ。

これは、日薬の「薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」に沿った感じ?

手元に2007年版しかないのですが、その20~21ページがベースのようです。

学生さんが手に入れられないであろう「日本薬剤師会雑誌 平成17年2月号」の記事を『薬剤師の倫理をもっとよく知るには』と参考文献に挙げているあたり、2007年版と全く同じ。「薬剤師の倫理」というより、個人情報保護法についての記事ばかりですけど

そこは、『個人情報保護法』の原文を読んでもらうとかでいいんじゃないかと思いますが。利用目的を示して同意を得ているならば個人情報を使用していい、とか、そういう基本的なことくらいは、読めばわかるかと。

薬剤師の倫理について、(悪い見本も含めて)「もっと」知るなら、このブログの過去記事を読んでもらえばいいんじゃないかという気もしなくもないのですが、しも先生的に、このブログは学生さんの教育に悪いからNGなのかも・・・。まあ、ここがダメでも、せめて「手に入る範囲の書籍」を紹介するのが親切なのになー・・・と思いました。

えーと、たとえば、「薬学生のための医療倫理」とか、佐谷先生の「若き薬剤師への道標」とか、「石巻赤十字病院の100日間」とか、薬剤師の倫理をもっとよく知るための教材は、たくさんありますしね。

  ☆

ワークノートの2ページ目には、「解説」があります。

1ページ目で薬剤師倫理規定についてスルーしていたので、こちらでがっつり濃い目の説明が入るのかとおもいきや、このページの主役は刑法上の守秘義務と個人情報保護法。

法律は、読めばわかるんだから、省略してよ~・・・と言いたくなりますが、薬剤師倫理規定のほうも、10条もありますから、とても一回では説明しきれないし、スルーされるのもやむなし。実際、守秘義務と個人情報保護の違いについては、うまーく解説されています。

「保険薬剤師の倫理」という項目があるのですが、ここで「薬剤師免許を取得すれば自費の調剤や病院での調剤はできますが、保険調剤はできません。これは何を意味しているのでしょうか」という話が出てきます。ここは結構大事なところで、「病院の薬剤部の薬剤師は、保険薬剤師であるべきではないか」というテーマに繋がりそうです。(でも、そういう点はスルー。まあ、「薬局」側の実習用のワークノートだからといえばそれまでですが、その部分を認識したうえで病院での実習に挑むほうが、いろいろと面白いと思うのです)。

ワークノートの元ネタともいえる「薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」には、指導薬剤師が行うこととして5つのネタが書いてあります。

1.薬剤師綱領、薬剤師倫理規定を薬局内に掲示する。

2.薬剤師綱領、薬剤師倫理規定について説明する。

3.守秘義務について説明する。

4.個人情報保護法について説明し、薬局における対応について説明する。

5.他の医療スタッフと意見(情報)交換しているところを見学させる。

これらを指導薬剤師が行うのですから、「指導薬剤師のためのワークノート」には、そのためのヒントがちりばめられているはず。

「掲示」は簡単。コピペコピペ。薬剤師倫理規定の文言は全部、このブログのトップページの「ようこそー」に書いてあります。薬剤師綱領は正直どーでもいいのですが、ググればあちこちにあります。

薬剤師倫理規定を説明すると、自然と、様々な法律(倫理規定第一条、第三条)と守秘義務(第九条)について学ぶことになりますから、実質的には2~4は、ひとつの項目。

残るは、「5」の、意見交換・情報交換の見学

この部分こそ、ワークノートで解説したほうが良いネタです。

運営ガイドラインや薬剤師綱領や薬剤師倫理規定の項目をざっくり捨てて、余った半ページに書いてあったなら、役に立ったはずのネタです。倫理ディスカッションのススメ。議論がきらーい、という方のために、「6.倫理規定を踏み外さない生きざまで魅せる」なんていう項目も欲しいところです。背中を見て育て、的な。

フェイスブック中心の方々にとっては、この部分は案外ラクチンなところかもしれません。自分の発言歴や「いいね!」歴を学生に見せてあげれば、どれほどの意見交換をしているのかは一目瞭然。(たぶん。筆者はフェイスブックやってないので、正直ぜーんぜんわかりません)

ブログの場合は、意見や情報の「提供」がめだって、「交換」には見えないので、読んでもらっても『そんなこと考えてるアホは指導薬剤師のアンタだけやん』とツッコミが入っておしまいです。ブログは指導者に不利なようです(泣)

  ☆

ワークノートのまとめ部分は、以下の通り。

 倫理の語源はギリシャ語の「ethos」(習慣)に由来するといわれます。倫理規定は飾られているものをただ見ているだけでは意味を成しません。薬剤師個人が任務を通じて規範となる行為を繰り返して実践し、人格として身につけることによって、初めて倫理と成るといえるでしょう。

倫理(Ethic)の語源の話をもってきて、なんだかうまいことまとめています。(でも、この発想は、日薬がまとめた薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究の考察部分に『薬剤師倫理規定が現存のままであったとしても、今後改訂されるとしても、各条の内容が確実に薬剤師に理解され、それに沿った行動を薬剤師が行えなければ真の意味での倫理規定にはなりえないことを付け加えたい。そのためには、今後、薬剤師の間で医療専門職としての倫理に関する議論が活発に行われることを期待したい』と書いてあったのと近い考え方なので、筆者はキライ。倫理規定は「行動指針」なので、誰ひとり実行しなくても、意味はあるのですから)

ethos、初心忘るべからず。つまり、「いつもここから」です。

「悲しいとき~」

「悲しいとき~」

「指導薬剤師向けのワークノートなのに指導者に対して『薬剤師倫理規定を守れよ』とはどこにも書いてないのに気付いたとき~」

「指導薬剤師向けのワークノートなのに指導者に対して『薬剤師倫理規定を守れよ』とはどこにも書いてないのに気付いたとき~」

「悲しいとき~」

「悲しいとき~」

「ワークノート2ページ目の左下の堀籠さんのコラムのほうが簡潔かつ実践的で役に立つのに気付いたとき~」

「ワークノート2ページ目の左下の堀籠さんのコラムのほうが簡潔かつ実践的で役に立つのに気付いたとき~」

「悲しいとき~」

「悲しいとき~」

「薬剤師個人が任務を通じて規範となる行為を繰り返して実践し、人格として身につけることによって、初めて倫理と成るとしたら、筆者の場合は倫理と成らない可能性が高いことに気付いたとき~」

「薬剤師個人が任務を通じて規範となる行為を繰り返して実践し、人格として身につけることによって、初めて倫理と成るとしたら、筆者の場合は倫理と成らない可能性が高いことに気付いたとき~~、って、長っ。しかもどーでもよすぎっ? しも先生は人格として身につけてるから、マジメな話をするときは顔つきが劇画調になるとの噂を流しましょうっ」

「嬉しいとき~」

「まだやんのか~」

「遠く輝く夜空の星にぼくらの願いが届くとき~」

「太陽がまた輝くとき~」

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JPALS:稼働前の感想。未来日記。

日薬の、生涯学習用ポートフォリオシステムが四月から稼働するようです。

いくつかの紹介記事を読んでいて、気になることがいろいろあるのですが、とりあえず本稼働前ということで、ほんの少しだけ感想を。

  ☆

1.JPALSっていったらThe Joint Precision Approach and Landing System (JPALS)らしい。

 JPALSというと、

 GPSの位置情報から、悪天候でも離着陸がスムーズ♪とかいうもののようです。

 「略語が同じだと紛らわしい」ですよね。

 Japan Pharmaceutical Association Life Long Learning Support Systemの略なら、別の略語もありえたのではないかと。

 「Pharm.L」とか。「薬剤師SS」とか。

 「JPA3L2S」、「じゃぱさんえるつーえす」とか。

 …あ、ごめんなさい、むりでした。略すの、むり。

 Nihon Yakuzaishikai Syougai Gakusyuu Sien Sisutemuを略して、

 「薬生姜」。

 生姜だから「ヤク・ジンジャー」と読んだり。

 薬ジンジャーだから「薬神社」と書いたり。

 なんだかマジメなひとから怒られそうなので、遊びはこのくらいで。

  ☆

2.「CLレベル」の導入

 「画面イメージ」に書いてあるだけなので、実際にどうなるのかはよくわかりませんが、

 「ぷろ☆すた」ことプロフェッショナル・スタンダードの表における「難易度」が、「CLレベル」と名前を変え、そのレベルに微調整を加えて登場です。

 そう。クリニカルラダーの「ジェネラリストとして要求するレベル」と、ぷろ☆すたの「自己確認のために勉強する際のおおざっぱな難易度」とは、イコールではありません

 「一般名に対応する後発医薬品について列挙できる(PS難易度1)」のように、「国家試験合格レベルのひよっこ薬剤師だよね」、と職位認定するには、難易度が高いものもあります。管理薬剤師でも、一般名対応で数十種類の後発医薬品が存在する現状では、厳しいチャレンジだと思いますし。ロキソプロフェンナトリウムの後発品名を挙げてね、と言われても、ケンタンとロキフェンとロキソマリンとEMECと、えーと、えーと…(←不合格)。

 「ぷろ☆すた」の難易度は、職位認定の「ジェネラリストとしての能力」に、対応していません。

 「薬剤師倫理規定を概説できる」が、「ぷろ☆すた」の難易度レベル1ですけれど、これをそのまま適用するのなら、六年制で実務実習を受けた薬剤師や、その指導をしていた薬剤師を除くと「薬剤師倫理規定を概説できない薬剤師」が大半である以上、かなりの人数の薬剤師が、クリニカルラダーのレベル1すらクリアできないということになります

 一方で、「ぷろ☆すた」難易度レベル5の項目に「医師法の重要項目について説明できる」とあります。それ、「ジェネラリスト」の薬剤師にとって、そんなにムズカシイことなんでしょうか。(クリニカルラダーの難易度として「5」といえるのかどうかというお話なので、これはすでに微調整されているかもしれません)

 「医療連携」である「3.患者の利益を最大限守るために、重篤な副作用や相互作用について理解する」というカテゴリのなかで、医療スタッフとの情報交換を「ぷろ☆すた」難易度レベル2に設定しているのですが、相手の身分法上の「できること、できないこと」を知らないのに情報交換して連携って、「ジェネラリスト薬剤師」を名乗るのなら、ありえない展開でしょうし、微調整されて「CLレベル1」になることを期待。

 そんなわけで、微調整が加わる展開は、良い話なのですが。

 「薬剤師倫理規定」擬人化のブログとしては、一ヶ所だけ、どうにも納得できない部分があります。

 「薬剤師綱領を概説できる」のCLレベルが「3」で、

 「薬剤師倫理規定を概説できる」のCLレベルが「2」なんですよ。

 逆じゃないのかなー。

 薬剤師綱領って、書いてある内容は「目的」で、それと同じことを言い方を変えて書いてあるのが、薬剤師倫理規定の「前文」なんですけれど。

 単純化するなら、「目的」単品と、「目的」に「行動指針」がくっついているセットとがあって、後者のほうが「かんたん」だと言い張っているのが、このCLレベルってことで。

 「先に目的と行動を理解した。完璧だ。では、これから、目的を理解しよう」なんていうセリフは、どんなアホキャラでもギャグ漫画でなければ言わないわけですが、そういうことを、平気で言っちゃったことになるんですよね、これ。

 「どこをめざすのか」が先で、「じゃあ、そのために、どうするのか」が後。

 四月からの本稼働でどういった「CLレベル」が展開されるのかは謎ですが、現在公開されている画面イメージを前提にするなら、

 薬剤師綱領と薬剤師倫理規定の「CLレベル」は、改善してほしいです。ぜひ。

  ☆

【2の補完】

※ 「ぷろ☆すた」難易度レベル5にあるような「未知(未経験)の症例に対し、知識と経験と最新の医薬品情報に基づいて、具体的方策を提案できる」「医薬品適正使用の観点から、未知(未経験)の症例に対する薬物使用に関する最善の策を、知識と経験に基づいて提案できる」「相互作用と副作用の観点から、未知(未経験)の症例に対する最善の策を、知識と経験に基づいて提案できる」といった項目まで、383項目を全部含めて「CLレベル」を構築することは明らかに「ジェネラリスト」の認定としては不適切かと思いますけど、生涯学習委員会ではどんな議論をしたのでしょうか。

  ☆

3.過渡的認定でレベル5の薬剤師がいたら、その薬局はアブナイ。

 誰が言い始めて誰が賛同したのかは知りませんが、

 「15年以上、薬剤師免許をはく奪されていない人」と「薬剤師認定制度認証機構の認証した生涯学習制度の実施母体の認定を受けている人」は、いきなりレベル5なのだそうです。

 この制度を考えた人、再考しないのかなぁ…。

 こんなアホ要件で過渡的認定なんかやったとたんに、この職位認定の価値は、ほぼ、ゼロですよ。

 だって、この要件だと、「実務経験が15年ある」あるいは「日本薬剤師研修センターのシールをいっぱい集めた」というだけで、レベル4までの重要な項目を一切チェックしないままに『管理薬剤師相当のジェネラリストである』と認めることになりますよね。

 『薬剤師倫理規定を概説できる』とか、飛ばされちゃいます。

 また、各認定プロバイダの認定内容はバラバラなのですから、それらをひとまとめにして過渡的な職位認定要件にしてしまうのは大問題です。あちらはあちら。こちらはこちら。

 「日本薬剤師研修センターの認定はたいしたことないけれど、○○の認定はハイレベル。じゃあ、日本薬剤師研修センターの認定は過渡的認定要件から外そう」といった仕分けが日薬にできるはずがありません(それをやったら、日薬が研修プロバイダの優劣を公式に認定することになる)から、『薬剤師認定制度認証機構の認証した生涯学習制度』の『実施母体』の認定を全て「同じレベル」とみなす、非常におかしな認定になってしまいます。(注:例文なので、日本薬剤師研修センターの認定が本当にたいしたことないのだと錯覚しないこと。これは、「お約束」というアレです)

 「居酒屋店員レベル5」なんてものがあったとして、『居酒屋に15年以上勤めているか、様々な居酒屋組合の認定のどれかに合格していれば、過渡的に居酒屋店員レベル5にします』と言われるようなもので、居酒屋組合の中に「あきらかにゆるい認定」があったとしても、関係なく平等に扱ってしまうわけですね。

 さらに。

 薬剤師の生涯学習制度の「認定制度の認証」を行うのが薬剤師認定制度認証機構なのですが、ここで過渡的認定の条件に書かれている「制度の実施母体の認定」が、薬剤師認定制度認証機構に認証された認定である必要はなさそうなんですよね、これ。だって、実施母体は、認証された以外のいろいろな認定をしても、いいのですから。

 薬剤師認定制度認証機構は「制度」を認証するのであって、「制度を実施している母体」が良いとか悪いとかいう話はしていないわけで…。慶応義塾大学薬学部の実施している制度のひとつを認証しているからといって、慶応義塾大学薬学部の行う認定全てが素晴らしいと言ったりはしないし、慶応義塾大学薬学部が、認証を受けていない東京薬科大学薬学部や東京理科大学薬学部と比較してスゴイと言ったりもしないはず。

 「制度の認証」と「母体の認証」を混同しているような気がするのが、とても心配。

 うーん。

 同じ「レベル5」であっても、『いや、どうみても同じ程度の職位レベルはないっしょ』という方が参入しますよね、これ。

 なんとゆーか、

「もう既に十分に自己研鑽をつまれた方」なんて人が存在しない職能だということを、理解していないようで。そんな方がいらっしゃるのなら、そもそも「生涯学習」なんて概念は、いらないでしょ。

 学んでも学んでも、まだ学ぶことがあって、学びなおすことがあって、だから、生涯学習なんですよね? 15年で、もうOK? 認定薬剤師になったら、5~6年で、もうOK? 「十分に自己研鑽を積まれた方」になってしまいますか?

 「ポートフォリオをたくさん提出した」という「自己研鑽の証拠の絶対量」部分を重視するというのですから、過渡的認定の要件が「ポートフォリオをたくさん提出すること」だというのなら、わかります。一気に30本のポートフォリオを提出するとかね。

 「二年間のポートフォリオの提出数が12本に満たない場合はレベルダウン」「三年間のポートフォリオの提出数が18本に満たない場合はレベルダウン」といった仕組みにしているようですから、最初から三年分以上のポートフォリオを提出することで、すくなくとも初年度でのレベルダウンはありえない状況をつくらないとね。

 ポートフォリオの本数を重視している癖に、1レベルあげるのに1年間待たなければならないという仕組みが変なので、それをやめれば、「過渡的認定」などという制度そのものが不要になります。

 Facebookやブログなどで年間に100本以上の記事を書いている薬剤師あたりは、その中からテキトーに「ぷろ☆すた」の項目に合致する記事をピックアップして、urlだけ書いて日薬に提出してもよさそうですけれどね。(とはいってもポートフォリオの書式に合わせるのが意外と面倒な気が…)

 『ポートフォリオという「自己研鑽の証拠(っぽいもの)」の提出の積み重ねに大きな価値を見出す認定なら、過渡的認定においてポートフォリオの(レベル4までの累積相当の)大量提出を求めるべき。そうでないなら、過渡的認定者の価値はゼロ。積み重ねがないのだから、当然』という話ですが…。

 制度の稼働から四年たっていないのに「わたし、CLレベル5です!」なんてことを言っている人たちを見るたびに、『こんな薬剤師がリーダーの薬局は、アブナイ』と(筆者は)思うことにします。

  ☆

4.本数重視だけではジェネラリストは養成できない。

 ジェネラリストを認定するのですから、ポートフォリオの内容が偏っていてはダメだということになりますよね。

 このブログのように、「倫理関係と社会薬学ばかりで、薬理の話が全く出てこない」といった状態では、ジェネラリストとしては、ダメですよね。

 だから、そういう偏ったポートフォリオが何百本と提出されても、「はいはい、貴方がそこを趣味として頑張っているのはよくわかったから、他の『ぷろ☆すた』の項目を提出しなさい」と要求するシステムでなければ、ダメということ。

 でも、四年間で、たったの24本のポートフォリオでも良いのだそうで。それで、レベル5。

 24本のポートフォリオで、勉強の偏りを見抜けるのでしょうか。

 そのあたりの「仕組み」が欲しいところ。認定の際に試験をやるからOK♪というものではないでしょ、と。

 プロフェッショナル・スタンダード(ぷろ☆すた)を半分クリアするだけでも、100本くらいのポートフォリオが必要だと思いますけれど、そういう努力は求めないのでしょうか。

  ☆

5.「レベル6以降でスペシャリスト」というマヌケ設定。

 「専門的に掘り下げる」ことは、ジェネラリストとしてのレベルが著しく低くても、できるんです。

 大学教授はジェネラリストでしょうか。

 【「ジェネラリストとしては全く使い物にならないけど、ものすごくスペシャリストである」という存在は、ジェネラリストとしての「職位」上は、管理薬剤師相当の職務を任せるわけにはいかない】ということを明確にしなければ、この認定は無意味です。

 「ジェネラリストを土台にしてスペシャリストを目指す」のは、「レベル5」までのどの段階でもできるわけで、それは決して「レベル5より上の存在」ではありえないのです。

 「レベル6以降でスペシャリスト」は、「ジェネラリスト養成・認定」とはどういうことなのか、全くわかっていない人の考え方です。

 『ラダー』をイメージし過ぎです。

 「情報量が少ない地域」から、レベルが上がるごとに「情報量の多い地域」に引っ越していく過程を想像してみればいいのに。

 情報量が少ない地域では、それほど多くの問題解決処理を要求されないけれど、情報量の多い地域では、多くの問題解決処理が要求され、それを処理できる能力がなければ生きていけない。

 でも、それぞれの土地の地下に眠っている「専門的」な資源は同じなので、どの土地にいても、地下に掘り進むことはできる。

 『はしご』でなければならないというのなら、各段から「横」にのびる板が、専門。

 はしごの段の上に向って伸びていく専門なんて、ないんですよ。

  ☆

6.「管理薬剤師」がゴールになっている不思議

 レベル5だと、管理薬剤師相当なのだそうです。

 でもね、「管理薬剤師」 だと、もう、そのジェネラリストレベルは、全員一定になってしまうのでしょうか。

 「ジェネラリストレベルが、もっともっと高い管理薬剤師」というのも、存在できるはずなのですが。

 「レベル5以上レベル9までは管理薬剤師相当」でも、いいじゃないですか。

 管理薬剤師レベルのスタートラインにたったら、急に、「ここより上はスペシャリストを目指せ」という考え方って、なんだかおかしい気がするんですよね。

 たとえば、「日本薬剤師会の考え方としては、独立してジェネラリスト開設者になるような薬剤師(児玉会長がインタビューで話しているような「理想的薬剤師」ですよ♪)は、CLレベル8くらいは欲しいよね」といった姿勢だって、示せると思うんですよ。

 なにしろ、経営や地域貢献や政治など、「ジェネラリスト薬剤師」として身につけておかなければならないことが、たくさんあるのですから。

 もちろん、経営のプロフェッショナルという言葉の通り、ジェネラリスト薬剤師としてはCLレベル1であっても、経営という専門性においてものすごくスペシャリストである開設者という存在も、ありですよね。

 「プロフェッショナル・スタンダード」だけでは、「ジェネラリスト」を表現しきれないのではないですか? という話です。

  ☆

と、まあ、いろいろ妄想してみましたが、実際の稼働時にはあれこれと手直しが入っているものと思います。

今回の未来日記で書いた問題点etcが、当たっていないことを祈ります。

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WPD。

9月25日は、世界薬剤師デーです。

覚え方:1890年に「スティール・ボール・ラン」レースがスタートした日。

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日経DI9月号:特定看護師制度の議論の基礎知識。

日経DI9月号。

InsideOutsideのコラムに対する編集者のチェック不足については毎度のこと。

今回は、このブログでたびたび読んでいる『チーム医療推進会議』関連のネタ。

薬業界に精通した薬剤師』さんが自由に論じたことではありますが、フリーダムすぎる論について、あれこれ書いておきます。

コラムのタイトルは「特定看護師が処方するのも悪くない」。

あのコラムを読んで信じ込んじゃう人が出たとき、「誰も反論してなかったじゃん」ってなると、薬剤師倫理規定第二条・第六条的に、後悔しそう。日経DIのネタコラムを信じる人はいない…と言い切れないんですよね。読者コーナーあたりを読んでいると。

というわけで、今回の記事は、日経DI9月号を読むことができる人向けです。

内容は、転載・引用関係が面倒だから、あとで読んでおいてください。

日経DIを読めない環境の方にとっては、プチ「基礎知識講座」にしてみますが、いつもどおり、主観はいりこみすぎですから、ほどほどに活用してください。

  ☆

まずは、大前提。

特定看護師(仮称)とNPを混同している人が多すぎるので、最初に書いておきます。

まず、医療法・医師法などを改正しない限り、「処方箋を書くことができる唯一の職能は、医師である」のは、理解できますよね? 看護師さんについては、保助看法の第37 条で、医師の指示がなければ「診療機器を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をする」ことが禁止されています。つまり、「特定看護師(仮称)が処方箋を書く」ことは、該当する法律を変えない限り、絶対にありません。

更に。

特定看護師(仮称)の議論において、

「患者の状態に応じた薬剤の選択・使用」の「薬剤」は「すでに調剤された薬剤」です。

「選択・使用」は「医師の包括的指示のもとでの、すでに調剤された薬の、選択と使用」です。

これらの、審議会で何度も確認された基本がわかっている人なら、「特定看護師(仮称)が処方箋を書く」「特定看護師(仮称)が調剤をする」ことは絶対にないとわかりますよね?

『特定看護師(仮称)』は、「診察しない」「処方箋を書かない」「調剤をしない」という基本をおさえたうえで、「医師の包括的指示にしたがって動く」ものです。仮に医師が診察しろとか処方箋を書けとか調剤しろとか「指示」をしたとしても、できません。

仮に特定看護師(仮称)制度が実行されたとしても、特定看護師(仮称)制度は、『現状のグレー分類かつ安全度が高い医行為の追認を目的としている』ので、【すでにやっている、安全な医行為(白)】を一般看護師が行い、【すでにやっている、医師が監督指導すれば安全と言える医行為(グレー)】を特定看護師(仮称)だけが行うという話。

問題は、「白やグレーや黒の医行為の内容整理をしていない」こと。(あるいは、「内容整理をしたつもりになっていること」)

医行為の話の原点は、『現在すでに現場で行われている行為のうちで、はっきり白だといえないものについて、安全である行為ならば白と言おう。グレーと言われていても黒なものも黒と言おう。国が、責任を持って、そう言おう』という話です。そういった基準があれば、看護師さん全員が心配せずに動けますし、医師が無茶を言っても断れます。原点は、現場の看護師さんを守るための、とても優しい視点なのです。

真っ先にやるべき内容整理なしに、資格の議論ばかりをして、資格の範囲を当初の想定よりもどんどん広げていき、「行為自体が安全かどうか」ではなく「トライアルをやった一部の人材が行為を安全にできたかどうか」とか「自分でやったことはなくても誰かがやっているのを知っている人たちが【あれならできそう】と言った率が高いなら安全」という視点で試行事業を前のめりに進めていく…とやっていたのですから、医師会じゃなくても断固反対の姿勢を崩さないでしょう。

大事なのは、「今やっていることの、安全性の整理」。

看護師さんたちが、医師の業務範囲に今以上食い込んでいくような話ではありません。

ついでに言うと、

「特定看護師(仮称)」を「日本版NP」と解説するのは「Pharm.D(JPEC)」を「日本版Pharm.D」と解説するようなもの。

【「特定看護師(仮称)」がいる施設の報酬額が増える制度】という、報酬と絡めた理解も、現時点では誤り。

  ☆

前提が済んだので、いちいち指摘しなくてもコラムの内容の誤りは明らかだと思いますが、念のため、細かいことにもツッコミをいれておきます。

  ☆

誤りA.「3年ほど前から検討が進められている(十分議論をしたんだよ、的な)」

 「チーム医療推進会議」は平成22年度から。
 前身の、「チーム医療の推進に関する検討会(全11回)」は平成21年から。
 「チーム医療の推進に関する検討会」で特定看護師の議論がはじまったのはラスト三回前、平成22年1月から。

 → 『特定看護師(仮称)』については、三年も検討していない。一年半程度。それも平成23年6月のワーキンググループでは、委員ですら未だにイメージがバラバラだったことが露呈。
 → NP関連と混同している?

  ☆

誤りB.「特定看護師の原型はNP(だからNPのようなことができるはず)」

 米国のNPと、日本で使われるNPという呼称は、名称が同じでも違う意味。
 特定看護師の原型はNPだけではない。
 看護協会は「専門看護師の高度化」を要望していた。
 「専門看護師の延長線上の資格」「NPのような独立した新規のもの」「医師の小間使いのなんでも屋」など、バラバラなイメージのもとで一年ちかく議論をしていたが、看護ワーキンググループの合意として『NPにしない』『なんでも屋にしない』『業務独占・名称独占はしない』といったことは確定済み
 看護師側の『専門看護師の高度化』の流れと、一部医師側の『NP・PA創設』の流れとが、整理されないままに、『特定看護師(仮称)』という名称だけが独り歩きしている。
 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会の連名の要望書は、『外科医の不足といったことを背景として、外科医とともに周術期管理を協働する、医師と看護師の中間レベルの非医師高度診療師であるnurse practitioner(NP)、およびphysician assistant(PA)の養成』。診療行為を前提としていない、周術期管理に特化した、「協働」の仕事なので、最初の要望段階から、米国のNPとは大きく違う。
 日本NP協議会の要望書ですら、米国のNPと同じ行為ができるような業務拡大(※NP自体が存在しないけれど業務拡大って書いてあるんですよ)までは書かれていない。

 → 診察処方を行う米国型NPを紹介しても特定看護師(仮称)とは異なる。
 → 特定看護師によって書かれた処方箋を妄想するのは自由。
 → 米国のNPを紹介することで特定看護師(仮称)の仕事を想起させるのは不適切

  ☆

誤りC.「特定看護師制度が実現しないのは日本医師会が反対するから」

 議論当初の、日本医師会の羽生田常務理事の発言によれば、「特定看護師(仮称)を一般の看護師と区分して位置づけた上で、「例えば『診療の補助』として行われる行為のうち特定の医行為については、特定看護師(仮称)のみが実施し得るものとする等の方向で法制化すべきである」と。この文言からすると、もう法制化が目の前にあって、それに向かって話を進めていくということになる。ここで報告書を書いていただくためには、こういったものを法制化も含めて検討するとか、いろいろなことを検討した上で、やはり法制化が必要だという結論になれば当然法制化ということも考えなければいけないですが、いちばん最初の括りのところから来た場合には、ここでいきなり「法制化すべきである」という文言は書きすぎではないかと考えております。また、特定看護師というものを一般看護師と区別してと言っている意味はよくわかりますが、資格として動いた場合には、各地域で医療行為ができなくなる場所がいっぱい出てくる。特定看護師不足が起きます。いままではチーム医療の中で医師の包括的指示の下にチーム医療の中で行われた行為が、特定看護師という資格を持っていなければできないことになったら、特定看護師の不足で医療行為が実際にできなくなるという問題がいっぱい起きてくる。これは必然的に起きてくるということで、この辺を考えていただきたいと思っております。以上です。」(第10回 チーム医療の推進に関する検討会議事録より)とある。
 その後の議論でも、『そんな特別なモノをつくらなくても、グレーな部分を(通知等で)ある程度白くしてもらえればいいし、チーム医療であるのだから看護師だとグレーなものを他の専門職に任せれば白くなるならそれでいいし、ダメな部分、濃いグレーや黒の部分は医師がやるし。それとも、法律を変えるつもりなの? 法律を変えるという前提が無いのに、法律に違反することを言わないでよ』という、当たり前のことを言っているだけ。
 『法律は変えないけれど、濃いグレーや黒の部分もなんとかして看護師にやらせたい』と考える医師の考え方と、『法律を変えないなら、責任を重視して、職能の当然の行為として自らやろう』と考える医師の差。

 → 『特定看護師(仮)』が実現しないのを≪議論開始当初から日本医師会が断固反対の姿勢を崩していないから≫と、素晴らしい制度に対して既得権益者が私益だけで反対するような表現をするのは不適切。制度設計そのものに、かなり問題がある。つまり「素晴らしいと言える制度になっていない」。
 → 厚労省や議事運営側の『資格創設ありき』な姿勢にも問題がある。

  ☆

誤りD.「特定看護師が増えることで、特定看護師は医師の業務に食い込む。今後余っていく薬剤師が、現在看護師が肩代わりしている薬剤業務に参画できる」

 薬剤師が余っていくのなら、「専門家の人手不足により現在看護師がやむなく行っている専門家が行ったほうが良い業務」は、特定看護師とは関係なく、各種専門家の手に渡る。
 チーム医療推進会議の議論のひとつは、「専門家の活用により、医師・看護師の過剰な業務範囲を改める」こと。そのために薬剤師も含めた各種専門職が行う業務範囲の拡大も答申されている。
 また、前提でも述べたように、医行為については現状の追認がされるだけなので、特定看護師は医師の業務に今以上食い込むことはない。特定看護師(仮称)が生まれても、「空いたスペースに薬剤師が自動的に入れてもらえる」ようなことはない。

(そもそもコラムの書き手は特定看護師(仮称)の増え方をどの程度だと想定しているのか、不安です。経験年数がある程度ある熟練者が大学院卒業相当のカリキュラムを二年近く受ける設定(六月のワーキンググループ座長案では8か月案もあります。二通りのなり方あるような事態が認められるかどうかは今後の議論次第)なので、専門看護師と同等かそれ以上の少数精鋭にしかなりえないのでは? また、薬剤師が余っていくという話も、六年制薬学生の六年生在籍人数=現役で国家試験受験をする可能性のある最大数を確認してから…ね)

 → 特定看護師が全く生まれなくても、薬剤師業務は拡大する。
 → 看護業務の担い手不足の補完ではなく、本来業務の引き受け。
 → 薬剤師が余るかどうかは不明。

  ☆

誤りF.「看護師の配置カウント数に薬剤師を入れると病院の薬剤師配置基準見直しよりも断然話が早くすすむ」

 この提案は、様々な法律を根本的に変えないと実現しない。
 他の専門職に、この提案を当てはめてみれば、想像できるはず。
 また、他職種の配置基準数に含められることを自ら求めるのは、職能独立の放棄。
 看護師さん側にも、ものすごく失礼な話。

 → この提案を薬剤師がするという時点で驚き。
 → 書き方の問題ではない。これは職能の矜持を捨てる意見。

  ☆

誤りG.「薬剤師は「調剤(調剤だけで)」で医療を支えることを求められている」

 (これは、『調剤だけで』と読める論調なので、あえて挙げてみました)

 薬剤師しか調剤はできませんが、調剤以外のこともできるのが薬剤師。
 「調剤以外のことも含めて、医療を支える」。
 OTC販売では処方箋による調剤行為は存在しない。でも、これも仕事の一つ。
 薬剤師倫理規定第一条、薬剤師法第一条を参照のこと。

 「薬剤師が処方しない」ことは「看護師が処方していい」ことには、つながらない。
 医師しか処方できない。

 → コラムの理屈が通るなら、薬剤師以外なら、誰が処方しても良いことになります。
 → 「調剤をはじめ、医薬品の供給、その他薬事衛生」。

  ☆

どうでもいいツッコミも混ぜちゃいましたけれど、

だいたい、このあたりが、「基礎知識」、議論の前提になるかと思います。

足りない部分は、各自補完してくださいませ~。

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日薬の「BUNSAKU」を使ってみました。

日本薬剤師会と県薬のDI担当さんとの血と汗と涙の結晶。

それが、

『BUNSAKU』!

漢字にすると、「文索」?

文献書誌情報検索システムの略。

文献管理情報分担入力システム、BUNBUNの後継機とのこと。

PC-6001の後継がWindows3.1になるような、劇的な進化です。

日薬会員向けに、ついに公開されました。

今回は、BUNSAKUをいじってみます。

  ☆

BUNSAKUは、検索システムです。

キーワードで、検索してみましょう。

まずは、このブログではおなじみのノブさんから。

「山本信夫」。

ブンサク!

Records 1 to 1 of 1 

…三十七万件の文献のうち、キーワードに合致するのは1件のみ。

あちこちでインタビューをうけまくっている日薬副会長でも、文献では、なかなかキーワード化されないようです。

では、ここ四年間では敵なしといえるこの方なら、どうでしょうか。

「児玉孝」。

日本薬剤師会の会長さんです。

年頭のあいさつで、どの雑誌にも出てくるはず。

数百ヒットもありうるかも。

ブンサク!

Records 1 to 11 of 11 

…あれ?

11件ですか。

入力の仕方がおかしいのかもしれません。

「児玉 孝」でブンサク!

Records 1 to 11 of 11 

変わりません。

では、役職名をつけましょう。

きっと、フルネームよりも、役職名付きのほうが、多いでしょう。

「児玉会長」で、ブンサク!

Records 1 to 0 of 0 

…ゼロ? ひとつもなし?

じゃあ、前の日薬会長さんはどうでしょうか。

「中西敏夫」でブンサク!

  Records 1 to 4 of 4

その前は?

「佐谷圭一」

  Records 1 to 0 of 0 

うーん。さすがはDI用のデータベースだけあって、人の名前は弱いようです

著者名から文献をひっぱりたいときには、困るんじゃないかなー…と心配になったので、他の名前を試してみます。

ブンサク!

Records 1 to 100 of 101 

100件もヒットする名前がありました。よかったよかった。

ちなみに、入力したのは「澤田康文」。

関連して「CYP」でブンサクすると、

Records 1 to 100 of 1336 

というヒット数。

「禁煙」と入れたら、

Records 1 to 100 of 1318 

「TDM」と入れたら、

Records 1 to 100 of 1889 

「1」と入れたら、

Records 1 to 100 of 18250 

「の」と入れたら、

Records 1 to 100 of 30677 

どんどん増えてきました。もはや単語ではありませんが。

「薬」と入れたら、

  Records 1 to 100 of 88791 

このくらいヒット数があると、だいぶ動作が重たいかんじに…。

「あ」と入れたら、

Records 1 to 100 of 95391

「い」と入れたら、

Records 1 to 100 of 118754 

えーと…。

最もヒット数の多い単語を探す遊びのためにサーバーに負担をかけるのは、よくないことなので、そろそろやめておきます。

注:○キーワード選択時の基準
Bunsaku内のキーワードの選択等は、入力する個々の情報センターに任されています。
各情報センターは、Bunsakuを利用する人の視点に立ち、「この記事は、こんな時に必要とするだろうな。すると、そのような時には多分こんな言葉で探すだろうな?」ということを念頭に置き、入力しています。

  ☆

この検索システムは、担当の方が「DI向きだ!」と思わない限り、記事が登録されない仕様なので、エンタメ系の記事はヒットしません

「石田散薬」と入れてもヒットしません。

「征露丸」と入れてもヒットしません。

ちなみに、「薬剤師倫理規定」と入れたら、

  Records 1 to 29 of 29 

でした。軽い軽い♪

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JASDIのJASDIによるJASDIのための「専門薬剤師」認定?

This Bible is for the government of the people, by the people, and for the people.

Q.バナナは、おやつにふくまれますか?

Q.この認定資格は、医薬品情報を扱う能力の評価に含まれちゃうんですか?

  ☆

毎度おなじみ、『調剤と情報』の五月号。

巻頭のインタビューの感想を、とりとめなくテキトーに書いてみます。

  ☆

「がんや感染など各領域で専門薬剤師制度がつくられるなど、薬剤師の専門性発揮が求められている

という、主語が不明で、誰から「求められている」のかピンとこない、論文の出だしでよく見かける(※おおむね、論文執筆者本人が求めているか、執筆者本人が『世間はそうもとめているはずだ』と思い込んでいるか、回答誘導系アンケートや誰にも検証されていない論文の結果を取捨選択して『○○層は求めている』という結論に合致するようにしているか)自作自演?から始まる時点で、なんだか緊張してしまいます。

震災によって、「薬剤師は、なにもいわれなくても、今いる場所でできる最大の専門性を発揮する生き物である」ことが明らかになったので、

「薬剤師の専門性発揮が求められたとき」に大事なことは「環境への適応」であって、認定されているかどうかではない・・・という結論でいいんじゃないかと思いますが…

昨年の十月の段階では、JASDIは、そう考えなかったらしく。

『医薬品情報専門薬剤師』という民間認定資格をつくると言いだしました。

DI「専門」薬剤師。

まるで「毎月日経DIを読むことを宿命づけられた薬剤師」のようです。(たぶん違う)

インタビュー記事のJASDI会長によれば、「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師が必要」とのこと。

「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」が、「医薬品情報専門薬剤師」の基本形?のようです。

でも、その定義が示すのは、「普通の薬剤師」です。

普通の薬剤師は、医薬品情報全体を扱っています。扱っているんですってば。

大学の先生はどうなのか怖くて訊いたことがありませんが、大学の先生をしている薬剤師さんだって、病院勤務の薬剤師さんだって、映画『おとうと』に出てきた薬剤師さんだって、自宅警護員の薬剤師さんだって、薬剤師ならだれでも、建前上は、医薬品情報全体を扱っているはずです。

『医薬品情報の一部分しか扱いたくありません!』なんていう宣言をわざわざするような薬剤師は、まあ、めったにいないかと。

「医薬品情報全体を扱う役割を担っている薬剤師(普通の薬剤師)」であって、かつ「特定の治療領域の、より詳しい知識と技能をもっている(日々頻繁に活用している)」人たちが、『専門薬剤師』なのだと、筆者は思っていたのですが…違うのかな…。

あんまり我流だと、我流ゆえに誰にも読めぬっ、的に一般性がないので、ここは専門家の力を借ります。勉強します。『専門薬剤師』の定義についての、専門家の見解は…。

薬剤師認定制度認証機構(専門家)のホームページにあった議事録によると、

  ☆

2 認証機構が認証の対象とする認定制度の種類は以下の通りである。

【1】生涯研修認定制度(略号G):薬剤師職能の向上を目的とする各種の研修(講 義、実習、遠隔研修など)を企画、実施、及び評価し、成果に対して単位を給付する制度、及び、一定水準の生涯研修の記録に基づき成果の認定を行う制度をいう。実施母体を生涯研修プロバイダーと呼ぶ。

【2】特定領域認定制度(P):薬剤師の職能を高めるために、生涯研修の中で焦点を絞って、特定の分野・領域について適切に計画された学習を修めた成果を認定する制度をいう。実施母体の組織と運営、責任体制、必要な規程類、研修・認定の制度実施条件等については、現行の「薬剤師生涯研修プロバイダー」に求められる要件と同等の要件を満たしていることを原則とする。

【3】専門薬剤師認定制度(S):特定の疾患、診療領域あるいは特定患者領域を対象に、 薬学的専門知識を生かして保健、医療(特にチーム医療)、福祉に貢献できる能力を保証し、専門薬剤師として認定を行う制度をいう。

【4】その他の薬剤師認定制度(E):特定の能力・適性を持つ薬剤師を認定する制度で、上記の各制度に該当しないものをいう。

  ☆

ということなので、

1.「特定疾患」「診療領域」「特定患者領域」を対象にしていること
2.その個人の『能力』を保証すること
・・・が、『専門薬剤師』認定の定義。

『限定された「対象」に、「能力」を発揮できる、薬剤師個人』

それが、専門薬剤師。

インタビュー記事におけるJASDIの『医薬品情報専門薬剤師』は「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」でした。「医薬品情報専門薬剤師」が扱う対象である「医薬品情報全体」は、「特定の疾患、診療領域あるいは特定患者領域」の中に入っている…と言い張るのは、結構苦しいのでは?

【3】『専門薬剤師』の対象外で、「役割を担う」=「能力がある」と考えると、成果認定ではなく能力認定。これ、【4】『その他の薬剤師認定制度』に該当しそう。

…よーするに、「○○専門薬剤師」という名称はそぐわないってゆーか、使っちゃいけないよーな…。

なんとなく気になったので、もう少し、あれこれみてみます。

インタビューに載っていないあたりも。

  ☆

【JASDIによる「医薬品情報専門薬剤師」の定義】

以下の資質を有する薬剤師を医薬品情報専門薬剤師とする。

1.医薬品情報源の特性を理解し、その検索・調査ができ、その指導ができること。
2.医品情報を根拠に基づいて評価し、目的にあわせて加工し、提供ができること。
3.医薬品情報を活用するために必要なコミュニケーション、プレゼンテーション、ライティング能力を有すること。
4.適切な医薬品情報に基づき、医薬品開発、医薬品適正使用のための最適な判断(有効性と安全性を確保するための対策など)ができること。
5.医薬品情報に関連する教育、研究ができること。
6.医薬品情報に関連する医療制度、関連法規、専門用語について十分に理解していること。
7.医療倫理及び情報倫理(プロモーションコード、知的財産権の遵守など)を有していること。

  ☆

JASDI会長のインタビューコメントによれば、「臨床現場では、薬が関わるあらゆる背景を理解したうえで、医薬品情報を適切に収集・評価・加工・提供できる能力が求められています。そういった能力を持つ薬剤師を認定することで、医療に貢献できると考え、新しい専門薬剤師制度を立ち上げることになりました」とのこと。

でも、「薬が関わるあらゆる背景を理解」できる能力を、定義内では求めていません。

JASDI会長の言葉は、会長が本当にそう思っているのだとしたら、JASDIが定義したこと以上の能力を、会長の独断で求めているのかも。

「あらゆる」は、「盛り過ぎ」だと思います。「ちょっと大きな魚」を「世界一のデカイ魚」と言いたくなる気持ちだけ受け取っておきます。

JASDIが公表している『医薬品情報専門薬剤師』の正しい定義は、インタビュー記事における「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」という表現よりも、なんというか、かなりアカデミック寄りです。『初心者歓迎☆』と書かれた求人に魅かれて行ってみたら『いや、初心者っていっても、せめて△■○×(なんか高度な技能を想像してください)くらいはできないと』と真顔で怒られるシーンを想像してしまいました。

「医薬品情報専門薬剤師」が、定義通りの人だと認めることが「認定」。ということは、インタビュー記事の「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」を認定するのではない?

定義通りであるかどうかを認めるために、ある程度客観的に判定する指標が、「認定要件」。インタビュー記事の定義らしきものとは異なっていたとしても、JASDIの「正しい定義」と「認定要件」は、がっちりかみ合っているはずです。

認定要件は、定義通りの人を選別できるのでしょうか。

それとも、「定義を超越した人」「定義に満たない人」を選別するのでしょうか。

  ☆

JASDIの「医薬品情報専門薬剤師」の認定要件は、以下の通り。

1.日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること

2.医薬品情報に関わる業務経験が通算5年以上であること

3.申請時において、日本医薬品情報学会の会員であり、本学会が指定する生涯教育セミナーに参加し、60単位以上(必修40単位以上を含む)を取得していること。

4.全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、医薬品情報領域における学会発表が2回以上(少なくとも1回は発表者であること)および複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に医薬品情報領域の学術論文が1編以上(筆頭筆者)、もしくは、学術論文2編以上(うち1編は筆頭者とする)があること。

5.各職域における医薬品情報に関わる教育、業務実績を証明できること

6.施設長。所属長などの推薦があること

7.上記、1~6)までの条件を満たした後、本学会が実施する認定試験に合格すること。

あるいは、「過渡的認定」(認定試験なし)で

1.日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

2.医薬品情報に関わる業務経験が通算5 年以上であること(所属長の証明が必要)。

3.申請時において、日本医薬品情報学会の会員であり、本学会が指定する生涯教育セミナーに参加し、120単位以上(必修80単位以上を含む)を取得していることこと。

4.全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、医薬品情報領域に関する学会発表が3回以上(すべてにおいて発表者もしくは、指導者であること)、複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に医薬品情報領域の学術論文が3編以上(2編は筆頭著者、もしくは指導者であること)の全てを満たしていること。

5.各職域における医薬品情報に関わる教育、業務実績を証明できること。

6.施設長、所属長等の推薦があること。

  ☆

この認定要件、かなりハードルが高いです。

まず、【要件1】により、『自ら「優れた見識を持っています」と言える薬剤師』でなければ認定されません。発展途上人間ばかりの「専門家」にとっては、ものすごく高いハードルです。(この要件、自薦ですよね?)

常に不安と危機感と自信の無さ(まだまだ知らないことがあるはずだ)の自覚を原動力にして活動している専門家。ふと「自分ってすごい!」と思った瞬間に「現状で満足した自分は、専門家として堕落してしまったのでは…?」とどんより気分になる、不思議な上昇スパイラル。「専門家(=めんどうくさい人たち)」にとっては、要件1のハードルは高すぎます。

そのうえ【要件6】。他人にも、「こいつは見識があるよ」と『こちらから依頼して』言ってもらわなければならないようです。こうなると、専門家は、ツンデレどころか、照れ照れです。恥ずかしくてひきこもりそうです。「お姉ちゃんが勝手に応募したのでオーディションに来ました」という状況でノーベル賞をもらうことには抵抗が無い「専門家」ですが、「自分から言いだして、お姉ちゃんに応募させて、オーディションに行く」ことは、まず、無理。自分で『業績を挙げたんだから、ノーベル賞をくれ』と言いに行きそうな専門家であるエジソンのことはおいとくとして。

【要件6】により、「こっそり持っていたい認定」という形には、させてもらえません。「あいつ、医薬品情報専門薬剤師の認定を受けるために、施設長の推薦を受けたらしいぜ」という話題がついてまわります。そこまでしておいて、認定試験に不合格だったりした場合、どうフォローしたものか、まわりが気遣っちゃいます。(余計な妄想)

【要件6】「施設長の推薦」って、【要件1】での「自称:高い見識を持つ薬剤師」を補完するための項目にも見えます。疑うくらいなら最初から自称させる要素を項目に入れなきゃいいのに。【要件1】って、「日本国の薬剤師である」という事実認定だけじゃ、だめなんでしょうか。

  ☆

【要件5】は、頑張って証明するだけなんでしょうけれど、医薬品情報に関する業績であるかどうかを誰が判断するのか曖昧。JASDIってことでいいんでしょうか。まさか、所属長の判断じゃ、ないですよね?

この認定では、業務の『実績』の「数」が重視されるようです

医薬品情報学会ホームページ上で確認できるQ&Aによれば、「業務経験」としての「実績」内容文書の提出は、10件分が必要とのこと。

実績に値する例示を眺めると、

『医薬品情報室の専任薬剤師として』
『厚生労働科学研究研究班への参画』
『講習会の講師』
『大学の講義』
『教科書』
『博士論文』
『国内外の安全情報の収集』
『インタビューフォーム等の作成』

…って、なんだか、「日常業務として行える人」が限られるキーワードが並びます。

これ、職域間のハードルの差が極端すぎます。同じ「医薬品情報専門薬剤師」の間で、かなりの「本当の専門」の差が生まれそう。

ふたりの「医薬品情報専門薬剤師」がいても、ひとりは「インタビューフォームづくりの専門家」で、もうひとりは「講習会慣れした専門家」。どうやって見分けるんでしょうね。(あ、こーゆーの、『特定看護師(仮称)』の認定要件に似ていますね。ひとつの認定によって全ての領域を網羅しようとしているのに、「認定を受ける人物が全ての領域の知識経験を身につけること」を認定要件から外すと、こうなります)

この「業務経験」は、「担当者に指示してやらせた」場合でもOKっぽいので、薬局長や社長や役員や教員といった「上司さん」に有利にできている感じ。したっぱの業績は偉い人の業績? →ドラマの中だけの話ですよね。

「数」が重要なので、ながーく継続している活動に対する評価はありません。10年間続けている活動も「業績1」とカウントされますし、30分の講演も「業績1」です。(なんちゃって。カウントの方法は、書いてないんですけれどね)

  ☆

【要件3】は、「60単位以上」とか「120単位以上」とかいうので、ものすごくたくさんの講習を受けているという意味かと思ったら、どうも、過渡的認定においては「過去12年」の『日本医薬品情報学会学術大会』に一回参加する度に10~20単位換算になるそうです。10単位×12=120単位。なるほど。

○第3項における本学会が指定するセミナー及び研修単位
1)セミナー
必修:医薬品情報学会主催 生涯教育セミナー受講(1日) 20単位
2)学術集会及び講演会
選択:本学会の主催する年次学術集会 出席(1日) 10単位
本学会の主催するフォーラム 出席5単位
選択:本学会の指定する関連学会の年次学術集会出席2単位

※ ただし、過渡的認定においては、過去12年の日本医薬品情報学会学術大会、フォーラムの出席については、出席を証明するものの添付により、必修単位として認める。

※ 本学会の指定する関連学会とは、以下のものをいう(五十音順)。
日本医療情報学会、日本医療薬学会、日本社会薬学会、日本薬学会、日本薬剤疫学会、日本薬剤師会学術大会、日本臨床薬理学会、Drug Information Association,International Pharmaceutical Federation

関連学会に「日本薬史学会」がないのが残念なのは筆者だけでしょうけれど、医薬品の歴史は医薬品情報にはいらないという判断なのか、単に学会間の仲が悪いだけなのか…。

まあ、それはいいとして。

少なくとも、一年に一回医薬品情報学会の学術大会に「参加(発表しなくてもいいようです)」していればクリア。昔から医薬品情報学会に参加している、いわゆる「古参」様が、俄然有利。【要件2】【要件5】と絡めると、医薬品情報学会学術大会の企画を毎年やっている役員がいたら、事例にも困らない仕様です。

より広い視野で幅広く情報を扱うことを推奨しているわりに、自前の学術大会や講習会の価値は、他の学会主催のものの2倍以上の価値があるという設定です。他の学会にどんどん行っている人のほうが、より広い視野で幅広く情報を扱っているんじゃないかと…違うのかな。

JASDIの学術大会にしか出没しない人(想定研修日数2日)とJASDI以外の関連9学会全部の学術大会に出没した人(想定研修日数20日)とで、研修単位は…ほぼ同じ? あれれれ???

プロレスのチャンピオンベルトの価値で考えると、「NoAHの選手だけで2回の防衛戦を行ったベルト」と「インディーもメジャーもごった煮で各団体あわせて20回の防衛戦を行ったベルト」とを比較したときに、前者のほうが価値があると言っているようなものです。仮に小橋選手が言うなら「その通りです」と認めてしまいそうですが、他団体のエース格が特色ある戦いを挑む図式で10倍の選手権試合を行ったとなれば、「ベルトの価値をとんでもなく高めたチャンピオンだ!」という話にならないですかね(←アイアンマンヘビーメタル級王座という例があるので、いまいち自信なし)。

  ☆

【要件4】は、地獄の関門です。

複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に医薬品情報領域の学術論文が3編以上(2編は筆頭著者、もしくは指導者であること)

・・・と言われても。

学会発表程度なら三回くらいちょちょいのちょい。でも、学術雑誌に論文を載せるという段になると、フツーのDI担当者にはハードル高すぎです。(そのくらい高いほうが燃える、という見方もできるので、この要件は、案外ナイスな要件なのかもしれません)

「複数査読制のある国際的・・・」のほうは遠くて諦めモード。「全国的」のほうも、具体的にどのあたりの雑誌のことを指しているのか…という点がはっきりしないのが難点。日経DIに記事(たとえば、DIクイズ)が載ったら、論文ってことにしてもらえるんでしょうか。(さすがにそれはないか)

裏道的には、「1編は、他人の論文に協力者として載せてもらえばOK。」「他の2編は、部下に書かせた論文を指導しましたって言えばOK。」という酷いことができそうな。いえ、当然、「できそうでも酷いことはやらない」のが研究者の矜持というものですから、やるわけがないです。はい。

これ、アンケート集計を手伝ったとか、そういうことでも「協力」、助言すれば「指導」…なのでしょうか?

漫画の編集者が、ちょっとベタを塗るのを手伝って、ちょっとアイデア出しを手伝ったら、「協力者」で「指導者」と言えちゃうかもしれないね、という。

論文すべてを自力で完成させる人と、

論文仲間を募って「一つのテーマを三つにわけて、三人で論文を三つ書こうぜ! それぞれの論文の筆頭と指導と協力者をわけあうんだ」という『三人で組もう! 限定じゃんけんでお互いにあいこを出し合えば必勝だ!』的な人と。(実際、学会発表で、この手の「筆頭者だけ変えて複数の発表だと言い張る」パターンは存在するわけですが…そういうパターンの発表者を全否定するための要件だとしたら、素晴らしい意気込みです)

【要件4】、立場や環境で、だいぶ、ハードルが変わりそうです。

誰を弾いて、誰を受け入れるハードルなのか。

高さがコロコロ変わるかもしれないハードル。安定感のないハードル。そのあたりが、不安です。

  ☆

【要件2】。ちょっと複雑。

細則によると、「医薬品情報に関わる業務」の経験が5年以上あることを記載した履歴書と『所属長の証明(申請者が五年以上医薬品情報に関わる業務をしていたという証明、ですよね?)』を提出するシステムのようです。【要件2】【要件5】は、業務経験の履歴を読んだ現在の所属長が「OKです」とハンコを押すシステム。現在の所属長が、過去の職歴を読んで、「それが正しい」かどうかをどう判断するのかは不明です。探偵の出番?

【要件2】で所属長の「証明」があって、さらに、【要件6】で所属長の「推薦」も必要。所属長がとてつもないキーパーソンであることは間違いありません。

事実認定と人物評価の両方をこなす、所属長。

所属している場所における「専任場所」を決めているのも所属長。学会発表や論文作成などを行える環境を整えているのも所属長。所属長と仲が悪かったら、この認定は申請できません。たぶん。

所属長さんが判断するにあたっての、「医薬品情報に関わる業務」の定義は、JASDIの決めた『細則』に載っています。

  ☆

○第2項における業務経験の範囲

・業務経験の領域は、医療・教育・行政など複数に渡っていてもかまわないこととするが、以下で言う「従事している」とは、専任(半日)以上とする。

・病院・診療所:医薬品情報管理室等において、採用薬評価、治験薬評価、採用薬の院内安全対策などに従事していること。業務の内容の50%相当以上が医薬品情報に関係していること。

・薬局・薬事情報センター:薬局等において医薬品情報担当(医薬品情報に関する教育を含む)を行っていること。また、薬事情報センターにおいて医薬品情報業務を行っていること。

・卸:卸業において、医薬品情報業務(医薬品情報部門、市販後調査部門)に従事していること。

・製薬企業:製薬企業において、医薬品情報業務(安全情報部門、学術・お客様相談部門、医薬品情報に関する教育部門など)に従事していること。

・行政:薬事行政において、医薬品にかかわる安全対策関連業務に従事していること。

・大学:教育現場において、医薬品情報学関連教育(薬学教育コアカリキュラムC15 及びD1 の中の医薬品情報に関する教育)を担当していること。医薬品情報関連実習を担当していること。または、医薬品情報に関する卒業論文、修士論文指導をしていること。

・情報センターなど:(財)日本医薬情報センターや(財)国際医学情報センターなどの情報機関において、医薬品情報に関連する業務に従事していること。

・その他:本学会が認定する職域・団体において医薬品情報に関連する業務に従事していること。

なお、上記の業務経験を記載した履歴書と所属長の証明を提出するものとする。

  ☆

「専任(半日)以上」&「○○していること」が大事な、【医薬品情報に関わる業務】の定義。

「○○していること」という表現は、「完了形」。

『過去に始まり、今現在も、○○している』ことが、必要かどうか。

それとも、『過去の一時期、やってました。今はやってません』でも良いのかどうか。

「○○していること」の定義次第で、この認定制度は「人物の能力認定ではない」ことになります。

仮に、「今現在もなんらかの医薬品情報に関する業務をしていること」を求められたら、現在の職場ありき、現在の職位ありき。…に、なっちゃいます。職場でDI担当からはずされたら、五年後(この認定の期間は五年)に、認定申請資格を失いそうなんですが…更新のときには関係ないのかな? 申請直前に配置換えになったら、申請できない…?

あるいは、昔あれこれと医薬品情報に関わる業務をしていて、「今はやっていなくてもよい」のなら、こんどは、「本当に申請者が医薬品情報に関わる業務をしていたのかどうかを、所属長が証明する」必要がどこにあるのかわかりません。昔は企業の医薬品情報担当者として五年以上辣腕をふるったけれど、今は退職して自宅でのんびりしている薬剤師にとっては、『所属長』なる人物が存在しませんし…。

よーするに、「今いる職場、今の担当業務に関わらず、能力を有する薬剤師を認定する」ことができない要件かなー・・・と。

  ☆

【ここまでのまとめ、プラスアルファ】

JASDIの「医薬品専門薬剤師」認定って、

1.薬剤師認定制度認証機構の「専門薬剤師」の定義とは異なる。

2.(「医薬品情報全体を扱う」わりに)個人個人の能力判定分野が異なっていても良い。

3.(「医薬品情報全体を扱う」のに、)JASDI主催講習の単位価値が飛びぬけて高い。

4.「医薬品情報に関する研究ができること」が「論文を学術雑誌に載せること」と同じ意味になっている。

…という状況っぽい。

「医薬品情報専門薬剤師」の認定要件のうち、

1.【要件1】は、「薬剤師として優れた見識を備えていること」の証明方法を細則に明記するか、「日本国の薬剤師である」という事実判定のみにしないのかな?

2.【要件6】は、必要ないんじゃないの?

3.「医薬品情報専門薬剤師」の『過渡的認定要件』は、撤廃したほうがいいんじゃないの?

  ☆

で、『認定要件は、「正しい定義」通りの人材を選出できるのか』という疑問の答えは…。

答:過渡的ではないほうの「正調」認定試験の内容はこれからつくるので、「認定試験でチェックするから大丈夫」。「今は存在しない理想的な試験が未来に存在すること」を担保にしたら、空論上は全て解決。証明終わり。

…。

「そのうち、ドラえもんが未来から来るから、あやとりばかりやっていて一切勉強をしなくても大丈夫☆」と小学四年生の野比のび太君(仮名)に言われたとき、JASDIの役員の方たちは、「そのとおり! いいこと言った!」と、手放しで肯定するのでしょうか。(いや、さすがに、しないでしょ)

存在しない認定試験のことは忘れます。

チェス盤をひっくり返して、認定される側の視点、『観客(『調剤と情報』のインタビュー記事を読んだ人や、JASDIの公表している定義を読んだ人)を納得させる認定要件かどうか』という視点で考えてみます。

「納得」。プロレスだったら、チャンピオンの勝利までの流れとフィニッシュホールドが説得力を持っている試合かどうか。関節技の女王の異名をとるチャンピオンが、何の意味もなくノーザンライトスープレックスで勝つ試合内容ではダメ。

「特定スタイルのチャンピオン」に必要なのは、「特定の立ち振る舞いと、特定のトークと、特定の試合内容」。お約束の入場、お約束の鉄板フレーズ、お約束のムーブ。そういったものが、【認定要件】。

ビールのがぶ飲みをしないストーンコールドとか、水芸を披露しないトリプルHとか、ダーってやらない猪木とか、そういうのに、観客はブーイングで「それ、キャラが違うーっ!」と示すわけです。

観客に「こういうものだ」と提示したら、観客が「こういうものだ」と言われたとおりに期待しているものを、期待している通りにやるのが大事。

『熊殺しの強豪』だと宣伝してしまったら、実際に殺した熊の毛皮くらいは羽織ってこないと、観客は納得しません。

プロレス的な喩えばかりだと微妙なので、「世界の歌姫来日!」「天才数学者!」「炸裂するハンドパワー!」「5秒に一度のサスペンス」といった謳い文句からイメージするものが、実際に見たら期待はずれだった時を想像してみましょう。

  ☆

【五年以上職場のDI関係担当を専任でしていて、日本医薬品情報学会に属し、講習会に年何回か行って、所属長との仲が悪くなくて、論文を書く薬剤師】

という【認定要件】は、

【医薬品情報源の特性を理解し、その検索・調査ができ、その指導ができ、医品情報を根拠に基づいて評価でき、目的にあわせて加工し、提供ができ、医薬品開発・医薬品適正使用のための最適な判断(有効性と安全性を確保するための対策など)ができ、教育・研究ができ、医療制度・関連法規・専門用語に詳しく、医療倫理及び情報倫理をもった、コミュニケーション・プレゼンテーション・ライティング能力を有する薬剤師】

という【定義】が示す「期待」どおりのものなのでしょうか。

『調剤と情報』のインタビュー記事では、認定要件について述べていますが、肝心の『JASDIの会員になってもらって』という点には、インタビュー内で触れていません。(認定要件の表に書いてあります。記事内に、「医薬品情報専門薬剤師」の正式な定義は、書いてありません。インタビューの発言には、「システム構築能力」「組織の運営に貢献する役割」という、定義から考えるとオーバースペックな能力や、「医薬品情報の扱いのエキスパート」という、あれ、それって普通の薬剤師のことでしょ?とツッコミがはいる新たな定義があるので、そのまま読めば誤解します。)

JASDIの示す『医薬品情報専門薬剤師』の定義には、どこにも、『医薬品情報学会の会員でなければならない』とは書いてありません。

観客は期待します。「なるほど、医薬品情報を、定義通りに扱う能力がある薬剤師なら、誰でも(医薬品情報学会に入っていなくても)、『医薬品情報専門薬剤師』になる資格があるんだ!」…と。

観客の期待を煽りに煽っておいてから、

「会員にならなきゃ、とれない認定です」「認定料は、各自ご確認ください」「古くからの会員は優遇されるシステムです」

…って、ことですよね、これ。

「AKB48のシークレットライブにご招待!」と煽って「当社の会員になっていただかないと」「会場入場料と旅費・宿泊費は別途で、各自ご用意ください」「古くからの会員様優遇です」…という、どっかでありそうな商法っぽく、なってませんか?

  ☆

素直に受け取れば、記事のタイトルにもある通り、「医療への貢献」。定義通りの薬剤師が活躍すれば、素晴らしいことです。

でも、筆者は、素直に受け取らなかったので、これを、「学会の会員増加と、学術大会参加者数の増加と、認定料収入のための認定になってしまった」と読みました。

JASDIの(会員だけが取得する)
JASDIによる(変な認定要件で行われる)
JASDIの(運営の)ための
「専門(といっていいのか疑問な)薬剤師」認定。

…そんな言葉が、浮かびました。

なんてゆーか、「はじめは『頑張っている人に勲章を授ける』程度の良いことをしようと思っていて、議論を始めてみたら、『みんながとれるように、認定の範囲を広げろ』だの、『ついでに自分たちの会が得になるようにしよう』だの、『せっかくだから専門薬剤師と名乗らせよう』だの、当初の理想からかけ離れたわけのわからないものができちゃって、いざ認定しようとしたら『試験をやったら、自分たちが認定されないかもしれない! てゆーか試験問題をつくるの、誰だよ』という空気に流されて『試験なしの過渡的処置の認定でも十分だよ!』というところまで認定の価値を落としても平気になっちゃった。なんでだろ」てなところでしょうか。

神の御子は、使徒である滅びの子(JUDAS)に裏切られ、学問の神は、弟子たちの会(JASDI)に裏切られ…そうな悪い予感。そうなりませんように。

(こーゆー流れで、社会薬学会が『社会薬学専門薬剤師』(←あほか)なんてのに着手しませんように)

  ☆

【おまけ1】

○認定の有効期間
認定の有効期間は、交付の日から5年とする。

○認定にかかわる諸費用
受験料 \10,000
認定審査料 \10,000
認定料 \20,000

  ☆

認定には、すくなくとも四万円かかります。

各種専門医や、「認定心理士」と同額程度だと考えれば安いのか、そうでもないのか、筆者はさっぱりわかりません。

更新料・更新認定基準については記載なし。

五年後に、また四万円かかるのかな…?

  ☆

【おまけ2】

※イギリスの「シニア・ファーマシスト」は病院薬剤師限定のグレード認定、つまり病院薬剤師における職位認定のよーだし、日本の「専門薬剤師」定義とは、考え方が違いますよね。イギリスの高グレード病院薬剤師についても「専門薬剤師」という訳し方になっている文章をいくつか読みましたが、これは、「病院内の各部署の専任薬剤師」と訳したらどうでしょうか。なんか、紛らわしいです。

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薬学実務実習生のなく頃に(2周目)

新しい年度が始まりました。

魔女べあとりーちぇ♪主催の宴、

「薬学生実務実習」も、

二回目のゲームが始まります。

世間から隔離された場所で行われる、大量「倫理観」殺人の謎。

その真相は…?

みたいな。

(注:今回は「うみねこのく頃に」のパクリです。地の文はwikipedia)

  ☆

回想:【最初のゲーム】
episode01:Legend of The golden eggs

(第一の晩・六人の生贄)
 調剤室の中で表情を失った6人の死体が発見される。完全に表情を失ってピッキングマシーンと化した死体と、不自然な笑い顔で固定された死体。現場の鍵は指導薬剤師のポケットにあったため、脱出することが不可能だった。調剤室のガラス扉には『君たちは十分な戦力だ!』と書かれていた。

(第二の晩・寄り添う二人)
 ドアチェーンのかかった休憩室の、待合室からは見えない位置で、男女二人の死体が見つかった。セクハラあるいはパワハラかもしれない。

(第四の晩・頭)
 地下の薬品倉庫からホルマリン臭がするので、調べに行くと、初日に薬品補充の手伝いに行ったきり行方不明だった一人が死体で発見された。在庫帳簿の数字は、めちゃくちゃな計算で彩られていた。
(第五の晩・胸)
 高度な薬知識と品格で「犯人」の制圧を試みた者は、返り討ちに遭い、胸に深々と日経DIを刺された死体で発見された。
 残った者たちが、「犯人」の手から逃れるべく薬局内で一番安全だと思われる図書室で籠城学習をしていると、指導薬剤師から「偽造処方箋を気付かずに調剤した者がいる」と告げられる。偽造処方箋の調剤の【責任者】は誰かで論争となり集団内に不和が生まれる。
(第六の晩・腹)
(第七の晩・膝)
(第八の晩・足)
 何らかの理由で使用不能だった電話が鳴り、その受話器から聞こえてきた謎の声が「疑義照会」だと気付いた四人が急いで電話のある部屋に向かったが、そこは一面薬歴の海と化しており、「腹を割って話したい」「膝をついて側で話したい」「足を使って在宅をやりたい」と語っていた三人の実習生が、SOAP形式の薬歴を書きかけた姿で死体になっていた。
 指導薬剤師に「とにかくすぐに疑義照会すれば何が起きても医師のせい」と言われたから、資料なしで疑義照会したと、電話の主は言った。
(第九の晩・魔女復活)
 指導薬剤師からの処方箋を拾った者が待合室に出向き、そこで指導薬剤師と決闘するも、経済理論によって敗北。眉間に保険点数算定要件表を撃ち込まれた形で死ぬ。
(第十の晩・黄金郷)

 後日、現場にやってきた薬学部教授により検証が行われ、実習生のノートの切れ端がいくつか発見されるが、死体は見つからず行方不明である。このような凄惨な現場状況から、最後まで生き残っていた実習生も含めて18人全員の倫理的生存は絶望的だと見られている。

 はたして、この惨劇は、黄金の卵を育て上げる魔女による「魔法」なのか、それともニンゲンによる犯行として説明できるのか…。

  ☆

こんな悲劇的な一周目。

そして、二周目へ。

  ☆

episode2:Turn of The golden eggs

(第一の晩・六人の生贄)
 立入厳禁とされた「開かずの休憩室」で、6名がテーブルについた状態で殺害されているのが発見された。死後テーブルに座らされ腹部を縦に損壊された上、その中にランチョンセミナーの高級弁当10人前を詰められるという快楽殺人。テーブル上には、研修シール三枚と指導薬剤師からの手紙が置かれていた。一本しかない休憩室の鍵が前日から実習生のひとりに託されていたことが分かり、現場は密室であったことが判明する。

(第二の晩・寄り添う二人)
 施錠された部屋で、1名が殺害されているのが発見された。背後から惨殺されたと見られ、その背中には薬品名付き試供品のボールペンが五百本も突き立てられていた。また、その時間行動を共にしていた1名も行方不明になった。

(第七の晩・膝)
(第八の晩・足首)
 行方不明だった実習生が、血塗れで裏口に倒れているのが発見される。「他の実習生にやられた」というが、様子がおかしい。その実習生は二名を指名して『企業の懇親会に参加しなかったら内定取り消すぞ』という残虐な指令で倫理的に殺害するが、三名の実習生に撃退される。二名の死体はとりあえず別室に安置されることになるが、その後、遺体は部屋から消失し、中庭にて、暴虐な人事担当者に膝を折った死体と、足首を刺されて会社につなぎとめられた死体が発見される。

(第四の晩・頭)
(第五の晩・胸)
(第六の晩・腹)
 殺人事件に超常現象(職能組織の思考)が絡んでいる可能性を否定できなくなった三人は、「魔除けの鏡」を手に入れようとするが、指導薬剤師(魔女)とその従者たち(勤務薬剤師)が現れる。一名が従者の指導放棄によりハートを抉られて死亡。残された二名は「魔除けの鏡」を得たものの、抵抗も空しく殺害されてしまう。

(第十の晩・黄金郷)
 碑文に沿って13人を倫理的に殺す儀式により復活した「黄金の卵を育てる魔女」が、その復活を祝う方々の指導薬剤師を招いて魔女の宴を開く。黄金郷への扉が開かれ、二名が宴の生贄(実習薬局への就職)に。
 残った二名は、実習薬局にいる限りは倫理的な死しかないことを悟り、勤務薬剤師たちを撃退しつつ逃げるが、途中で足を折ってしまう。追いつかれるまでの刹那に、薬剤師倫理規定こそが黄金にも勝る真の宝だと悟るが、壮絶な最期を遂げる。

  ☆

…うーん…あんまりおもしろくならなかったです。ごめんなさい。

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