第十条

日薬雑誌:視点。「会長就任にあたってのご挨拶」がフライングにしかみえない。

理事会報告が復活したけれど質疑に「小田常務理事より、次期理事の選任方法について質問され、意見が交わされた」なんていう『どんな意見が交わされたのかわからんやん!』とツッコミたくなる内容もあったので驚いた、日薬雑誌7月号

理事会報告の部分で大事なのは「協議」なので、常務会のところに詳細?が載っている『三浦常務理事による中医協見学報告』のようなものは「○月○日常務会議事録参照」と書いて省略しては、ダメなんですかね。協議は、意見の責任理事を明確にします。以前、会話調で面白かった回もあったので、前例はありますし、ぜひ復活を。

理事会議事録といえば、平成24年5月15日の項目に、児玉会長のあいさつがあります。

【「本日は来る6月の定時総会に」提出する議案等について承認いただくことが大きな目的である。同総会は公益社団法人移行後初めてのものであるのでよろしく審議願いたい。なお、次期専務理事候補について新しい体制作りに間に合うよう人選を進め、現在製薬企業勤務の寺山善彦氏にお願いすることにした。正式には6月の総会で代議員に選任いただくことではあるが、医薬分業が進展し、薬剤師の活動範囲が広がる中、社会的にいろいろな角度から見てもらうことが大事になってきている。寺山氏は薬学出身ではないが一般社会からの視点で、本会の運営に協力いただきたいと考えている」旨述べられ、寺山氏が紹介された。】

とのこと。「謎の男、寺山さん登場回」ですね。

理事の中から誰かを専務理事に選任するのは「会長」の役割です。

理事を選任するのは代議員の役割です。

したがって、「会長」が決まってからならともかく、「会長候補」でしかない時点での「次の専務理事候補の推薦」を、暫定的な執行部で行うのは議事妨害。理事会の議長は定款によれば会長なので、議長が議事妨害。

そこへの、出席理事からのツッコミや協議はゼロ。

さすがは、自分でつくった定款を守らない方々。

また、議事録の「出席者」欄には寺山さんの名前はありませんが、どうしたことなんでしょうね。「特別出席」欄にも書いてないようですけど。

一般社会からの視点で見れば、「おい、児玉さん、この紹介自体がおかしいぜよ」と寺山さん自身が言うべき。それができないような「一般社会の視点」って、かなり不安です。「一般社会」と書いて「長いものには巻かれにょろ~ん」とか「会長のいうことにはイエス・ユア・ハイネス」とか、そういったルビを振りましょうか・・・。

  ☆

で、本題。

表紙をひらいて最初のコーナー、「視点」。

毎回、エライ人たちによる愉快な文章が載っている、ある種、辱めの罰ゲームにしか思えないページです。

そこにも、児玉会長のあいさつが。

その冒頭。

【私儀(わたくしぎ)、公益社団法人としての初めての第79回定時総会にて、会長に再任されました】

とのこと。

同日の、総会終了後の、「理事会」で再任されたんじゃ、なかったんですかね?

日薬総会は、「会長候補者を決める」「理事者を決める」ことができるだけで、「会長を決める」権限はないんですけれどね。

まだ「第78回臨時総会にて」と書いてないだけ、マシですけど。

そうそう、

「第79回定時総会」のあとの理事会は「平成24年6月24日」の夕方です。

日薬雑誌7月号の印刷は、奥付によると、「平成24年6月25日」です。

ギリギリ入稿、お疲れ様です。

いえ、ギリギリ入稿だったなんて、ぜーんぜん、信じてませんけれどね。

『総会の前に』原稿を書いてあって、最悪、総会の前に「視点」の原稿も入稿済みだったんじゃないかという疑惑が晴れません。

常務会議事録によれば、粟野常務理事が7月号以降の企画案を出して、【「視点」については本会新会長と関係団体代表に執筆を依頼することが確認された】となっています。新会長が正式に決定してから「依頼」するわけですから、通常、7月号には間に合いません。

「締め切り明日ですけど、新会長のあいさつをお願いします」なんて依頼をする気でいたというのですから、誰か「それ、間に合わないから企画としてどうよ」とツッコミをいれるところなんですけれどね。印刷屋さんが可哀想だし。

本題のほうが短いのですが、とりあえず、気になったので。

  ☆

おまけ 【今回の日薬雑誌の、みどころ】

1.常務会議事録「会員キット」進捗状況。

 会員キットに、「会員シール、会員バッジ、会員手帳、会員証」がつくようです。

 会員証をつけられるということは、会員管理がしっかりしているということですから、都道府県薬に集金を任せないで、自前で集金金額の管理をすることを、希望。

2.日薬連盟に、企画実行委員会創設。

 連盟もようやく動き出すのでしょうか。がんばれー。

3.日薬学術大会の分科会15は「ディベート」。

 これは面白そうです。

4.トピックス。松島さんに「応援金」。

 四月の常務会の議題にはないので、それ以降に支出が決まったと想像します。来月以降の議事録が楽しみです。(「応援金」基準って、ありましたっけ?)

5.学校薬剤師の歴史。

 「今月の情報」コーナーは、学校薬剤師がテーマです。

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公益法人の日薬の役員の決め方がおかしい件。

今回は、ルールの問題。

「自らが決めたルールを守ることができない、いい年したダメなオトナたち」という、とてもシンプルな話。

  ☆

公益社団法人の日本薬剤師会の、理事選任を行う、総会の開催が近づいてまいりました。

ここでは、一部を除いて会員の選挙で選ばれているわけではない代議員さんたちが、日薬の役員である「理事」さんを選びます。

日薬の定款には、いろいろなルールが書いてあります。

http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2012/04/1204_teikan.pdf

当然、そのルールに従って、役員は選ばれるはずです。

まずは、総会のルールを、定款で確認しましょう。

(権限)
第15条 総会は、次に掲げる事項について決議する。
(1)正会員の除名及び代議員の除名
(2)理事及び監事の選任又は解任
(3)理事及び監事の報酬等の総額及びその支給の基準
(4)事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類の承認
(5)貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)並びにこれらの附属明細書の承認
(6)定款の変更
(7)会員規程及び会費規程の制定及び改廃
(8)解散及び残余財産の処分
(9)その他総会において決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項

総会でできることは、以上です。

選任の方法は、非公開です。

理事の立候補のルールは、ありません。

よくわかりませんが、世界の隅っこの穴にでも「ワシは理事に立候補するぞい」と呟けば、不思議パワーで受理されるのでしょうかね。

もう、この一点だけでも、定款不備なわけですが…。

定款で

第4章代議員
(代議員の選出)
第12 条 本会は、代議員をもって法人法上の社員とする。

代議員は正会員の中から選ばれることを要する。正会員は前項の代議員選挙に立候補することができる。ただし、代議員は本会の役員を兼ねることはできない

5 第3項の代議員選挙において、正会員は他の正会員と等しく代議員を選挙する権利を有する。理事又は理事会は、代議員を選出することはできない

と書いてありますから、代議員は、正会員限定です。

でも、理事者の規程には、理事者が正会員でなければならないという項目はありません

理事者は正会員でなくてもいいの?と。

公益社団法人ですから、外部理事を入れるケースも想定できます。

それならそれで、理事は代議員による選挙で決まりますから、正会員以外が理事に立候補する際のルールが必要です。そんなルールは今のところありませんから、正会員ではない外部理事を入れる気はないわけですよね。つまり、、今のところ、少なくとも今回の理事選挙に関しては、「日薬の正会員のみで理事選挙を行う」ということになります。

会長・副会長・専務理事・常務理事・理事。全員が、日薬の正会員。つまり「薬剤師」。

ここが、基本になります。

今回は、薬剤師以外の役員は、ひとりとして認めない。そういうことです。

それ以外の、立候補資格や、立候補の方法については、さっぱりわかりません。

(役員の選任等)
第27 条理事及び監事の選任は、総会の決議によって行う。
2 会長、副会長、専務理事及び常務理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。
3 前項の会長は、総会の決議によって推薦のあった会長候補者の中から選定することができる。

4 理事のうち、理事のいずれか1名と、その配偶者又は三親等内の親族、その他法令で定める特別の関係のある者の理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。
5 監事には、理事(親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び使用人が含まれてはならない。また、各監事は、相互に親族その他特殊な関係があってはならない。
6 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものは除く。)の理事又は使用人である者、その他これに準ずる相互に密接な関係にある理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。監事においても同様とする。

理事の選任は、「総会の決議によって行う」(第27条第一項)としか、書いてありません。

定款をみてのとおり、まず、「理事」でなければ、会長・副会長・専務理事・常務理事にはなれません。代議員による投票(理事選挙)にて、理事として当選することが絶対条件です。総会の決議によって「推薦」があった会長候補者が何名いようとも、彼らが理事に当選しなければ、もっと言えば理事選挙に立候補しなければ、推薦は無効です。それは推薦者が1名であったとしても、同じことです。

「生徒会長を生徒会役員の中から互選で選ぶ」ときには、どんなに強い推薦状を持った学生がいたとしても、生徒会役員に立候補すらしなければ、会長にはなれないのです。絶対的センターとされるアイドルだって、総選挙に出なければ、センターにはなれないのです。これは全国民が知っているレベルの基本です。

なお、現在「会長候補者のひとり」として二月の総会で選ばれた児玉さんですが、あくまでも現在は「会長候補のひとり」でしかありません

ついでに言うと、現在の「会長候補者のひとり」の選定は、公益社団法人としての、『正式な選挙の結果選ばれた代議員』による決議ではありません。公益社団法人移行前の代議員による勇み足です。

もっと言えば、公益社団法人移行前の代議員は、二月の総会において、【公益社団法人移行後の定款によれば】「総会の決議」が必要である「総会が推薦する会長候補者の選定」の際に、「反対者を起立させる」という方式を採用しました。これは定款における「決議」の定義に反します。(後述)

正しい「決議」をせずに、「総会が推薦する会長候補者を決議によって選定しました」などと、よく言えたものだと感じますが・・・・・・・・代議員さんたち、今の話、通じてます? みなさん、ちゃんと、新しい定款を読んだんですよね?

いいですか?

総会でできるのは、「理事を決める」ことと、「会長として推薦する人たちを選定する」ことなんですよ。

二月の総会の議案に、書いてありますよね。

『【議案第10号】 公益社団法人日本薬剤師会会長候補者選挙の件』と。

「会長選挙の件」じゃないんですよ。

「会長候補者選挙の件」ですからね。

この違い、わかってましたか?

議事録を読むと、小野議長も、児玉さんも、全然わかってないようですけど。

  ☆

小野議長 議案第10号会長候補者選挙の件を表決する。本日、岩本研代議員から申し入れのように起立をもって、議決を決める。会長候補者選挙について、候補者である児玉孝代議員を当選者とすることに反対の方の起立を求める。

 (反対者 起立)

小野議長 賛成多数と認める。よって、議案第10号公益社団法人日本薬剤師会会長候補者選挙の件は、児玉孝会長が当選された。

 (拍手)

小野議長 選挙施行細則の規定により、議長から当選状を交付する。

 (拍手)

小野議長 児玉孝会長候補者当選の挨拶をお願いする。

児玉会長 全国を代表する代議員の皆様から当選状をいただいた。非常に重く受け止めている。反対も賛成も大変大事なことはよく承知している。しっかりと受け止めて、オール薬剤師と会員のための軸はぶれることなく、この2年間を努めていきたいと思っている。よろしくお願い申し上げる。

 (拍手)

  ☆

小野議長の間違えっぷりは、些細なことなんだか大事なことなんだか…。

1.児玉孝さんは「代議員」ではありません。

2.児玉孝さんは現会長ですが、公益社団法人における会長には当選していません。

3.従って、当選状は交付できません。(それとも、「会長候補者」の当選状ってあるんですかね? 『貴方が総会推薦会長候補者のひとりに当選したことを認めます』みたいな)

4.「会長候補者」に当選のあいさつをさせるということは、それが複数でるケースにおいても挨拶をさせるということでしょうか。

挨拶をする児玉さんも、まだ理事会決議もなく、理事者すら決まっていないにもかかわらず、「2年間を努めていきたい」と、コメント。

オリンピックの代表「候補」者になった時点で「金メダルとります」と、意気込みを語ってくれたというところでしょうか。

比較のために、平成22年2月の会長選挙の際の議案を探してみると、議事録には、『議案6号 会長選挙の件』と書いてありました。

「候補」って、書いてないですよね。

今年2月の選任は、あくまでも、『総会が推薦する会長候補』を選ぶ場であったことが確認できると思います。

理事が、理事会で、互選によって選ぶのが基本です。理事者の中から、総会推薦候補者とは別の人を選ぶことも、十分に可能です。特に、今回は、正式な決議をせずに選任された候補者ですから、今後100年の正常な議事運営を考慮すれば、「推薦されても、推薦候補者の選定方法に瑕疵があった場合は無効と考え、考慮しない」という正論であたってほしいものです。

  ☆

さて、さきほど「後述」と先送りした「決議」についてです。

理事立候補の方法はわかりませんが、理事立候補者選任の決議の方式は決まっています。

(決議)
第22 条

 総会の決議は、総代議員の議決権の過半数を有する代議員が出席し、出席した当該代議員の議決権の過半数をもって行う。

2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、総代議員の半数以上であって、総代議員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
(1)正会員の除名及び代議員の除名
(2)監事の解任
(3)定款の変更
(4)解散
(5)その他法令で定められた事項

理事又は監事を選任する議案を決議するに際しては、候補者ごとに第1項の決議を行わなければならない。理事又は監事の候補者の合計数が第26 条第1項に定める定数を上回る場合には、過半数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数の枠に達するまでの者を選任することとする。

つまり、ひとりひとりの理事候補に対して、ひとり一回ずつ、選任するかどうかを諮るわけです。

「決議」ですからね。

「過半数の賛成」があるかどうか、きっちり人数を確認していき、理事候補者を、獲得賛成票の多い順に採用していき、最終的には最大30名まで選任可能…ということです。

理事の最少人数は20名ですから、少なくとも20回は、起立or着席。

「得票数」が関係しますから、「挙手」は不可ですし、起立した数をきっちり数える必要があります。「過半数の賛成」を得た候補者の中から、という記載がありますので、「反対者起立」によるカウントは無効です。(反対しない人は賛成である、とはなりません。これ、基礎の基礎)

うわー、時間かかりそー。

150人近い代議員の起立を数えるのですから、日本野鳥の会のみなさんでも呼んできたほうが良さそうです。日薬会館(仮称)の大ホールで総会を行えるようになったら、まっさきに、電子投票システムを導入しないと大変です。

もちろん、そういうシステムであることは、定款をつくって承認した方々は、承知のことと思いますので、30回以上も立ち座りを繰り返した結果として腰痛が悪化したり筋肉痛や軽い貧血状態になったりといった事態も想定しているものと思います。代議員さんは、体力勝負だったんですね。1候補に対して起立から数え終わりまでで1分程度としても、20~30分間続きます。がんばれ、代議員さんたち!

  ☆

あ、そーいえば。

理事の立候補方法が分からないのに、なにやら、「総会推薦の会長候補者のひとり」でしかない児玉さんが、理事候補の推薦をはじめたとのこと。

とりあえず、薬事日報さんによれば、六月からは、「専務理事候補」を勝手に会長付きにしているご様子。

「総会推薦の会長候補者のひとり」が、「現在暫定的に会長職をやっている」からといって、なにやってるんでしょうね。

薬事日報さんによれば、児玉さんが専務理事候補として考えているという方は、北海道大学農学部出身の方で、薬学部出身ではないようですが、外部理事を想定していない今回の理事者選挙の前提となるはずの「日薬正会員」ではないのなら、当然、理事にはなれませんし、専務理事にもなれません。

また、「会長候補者のひとり」が、理事候補者リストを代議員に送りつけるらしいときこえてきますが、そのなかで、『この人は副会長』『この人は常務理事』なんて役職を勝手につけているとの噂もあり。(どーも医薬経済社のニュースはイマイチ信用してない筆者)

まさか噂どおりに「三浦副会長」みたいな「理事候補者に役職を約束して立候補させる」と宣言する内容を代議員会に出したりは、さすがにしないと思いますが…。過去の行状から考えると、絶対にしないとは言い切れないのが怖いです。まわりのアタマいい人たちが、なんとか止めてくれることを祈ります。

まだ理事会で会長に選任されたわけでもなく、ましてや自身が理事に当選したわけでもない段階で、内閣総理大臣か何かのごとくに組閣に御熱心になるなんて、自分たちで決めた定款を、自分で蔑ろにする行為ですからね。

過去の代議員会で、あれほど「この定款でいいんじゃー! 何が問題なんじゃー! わしには全くわからんーっ! このまま通すーっ!」くらいの勢いでギャーギャー言ってた方たちが、それほどまでして通した定款を守らないという、呆れたお話。

そんな定款を通した代議員の方たちが、理事選挙について『会長「候補」者が理事候補を決めるのが当たり前』なんていうバカ丸出しの勘違いを許したままにしているのも不思議。

そして、定款担当役員の曽布川さんは、ここまで自分の仕事を馬鹿にされて、なんとも思わないんですかねー?

  ☆

さて、そんなこんなな状況なのですが、次の代議員会までを、現在代議員として活動している方々が、ぽけーっと見守るなんてことはないと信じたいです。

ものすごく逃げ腰で、児玉さんに足を向けて寝られないとか児玉さんを見ただけでガクガクふるえちゃうとか、そういうある種の病気にでもかかっていない限りは、代議員の基本的な役割である「理事の選出」を、真剣に考えていただきたいわけですよ。(ここで挙げたような病気にかかっているのなら、おからだのためにも、代議員なんかすぐに辞任したほうがよろしいかと。辞任はいつでもできると定款に書いてありますし)

代議員会議事録によれば、一部では、「ブロック理事を廃止するのか!」みたいなことを質問している方もいましたけれど、別に、地方の代表っぽい主張をする理事候補を、その地方がどんどん立候補させればいいだけのことです。各県が二人ずつくらい立候補者を出せば、ほら、かーんたん。自分の県の代表者の投票の際に起立してもらえないことを考えたら、まあ、ほんの少しの打ち合わせだけで、特に言葉を交わしたり書面の談合をしたりしなくても、それなりに票が入るんじゃないですかね。

こーゆーブロック理事当選用シフトって、児玉さんの地元の大阪周辺は参加してくれないかもしれませんが、地方にとってはとっても大事な話ですので、案外、やってみれば、それなりの理事が受かるんじゃないですかね。すでに日薬連盟の理事になっている方には投票しない、というカンタンな手法だけで、余裕で6~8人ほどの理事枠が空きますし

起立の回数はガンガン増えて行くと思いますけれど、それが、この定款の正常な運用です。

総会当日になって慌てるだけの姿勢よりは、とにかく定款に基づいて、代議員らしく、会員の意見をとりいれられるように動いていただくと、楽しくなると思いますよ~。

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倫理規定擬人化キャラによる、今年の10大ニュース2011

水野むつき(第六条娘)「こんばんは。2011、今年の10大ニュースのお時間です」

白峰とうあ(第十条娘)「今年もいろいろな事件がありました」

むつき「では、さっそく、発表しましょう」

とうあ「なお、このネタは、くま☆さんの『薬局のオモテとウラ』のネタのパクリです」

むつき「あの…オマージュとか、そのくらいでお願いします…」

  ☆

【10大ニュース】

1.日薬児玉会長が「薬剤師倫理規定」の見直しを指示

2.埼玉県薬剤師会会長の薬局で調剤事故。自動調剤の機械の使用ミスによる誤調剤が発覚したにもかかわらず管理薬剤師が黙殺。患者死亡。事件後も県薬会長を辞任せず、日薬理事(関東ブロック)に就任。

3.日薬児玉会長、七海副会長に、相談役三人から公開質問状。世間的には完全無視。日薬総会一日目に代議員に対してのみ釈明したはずが、総会議事録には「議事録から削除」という発言がないのに掲載されず。

4.日本新薬の女性MRがバカ発見器で社員の薬物乱用を暴露。厳しく処分すべき日本新薬は、「他人に飲ませる目的で、向精神薬を所持し、使用した」社員および薬物乱用行為を見て見ぬふりした社員、遵法意識がない表現で晒した社員についての処分を一切公表せず。

5.薬剤師国家試験問題の倫理例題は示されず。

6.ドラッグストアでの「OTC情報提供不要カード」発行。

7.日薬代議員が新定款を採択。代議員18名が反対。

8.中医協で「調剤ポイント問題」が厚労省主導で議題となり、原則禁止になったところ、チェーンドラッグ協会が「禁止反対署名活動」を開始、法廷闘争も辞さずの構え。

9.三浦委員、中医協委員まさかの続投

10.東日本大震災被災地への薬剤師の支援と、支援のバックアップ。

【番外】

・たぶん薬剤師は誰もやっていないと思うけれど、エンタメ的に「薬剤師体操」。

・薬経連。外部の「職域機関」が出そろったことにより、日薬内の「職域部会」の価値が急落するも、日薬は気付かず。

・クリニカルラダー制度、ようやく、どうにかこうにか、船出予定。あくまで予定。

・神奈川県薬剤師連盟が日薬連盟を脱退。 その日薬連盟は次期参院選候補者を選ぶそぶりなし。

・六年制薬科大学卒業生の人数が一万人を下回りそう。入学時の三千人は、どこへ。

・小学生ばかり相手にしている薬剤師が主人公の漫画「くすりのマジョラム」が二巻以上の刊行になりそう。

・「ちびまる向ちゃんD、冬コミで発表」

  ☆

むつき「以上が、今年の10大ニュースです。偏ってますね」

とうあ「それでは、上位から解説してみますね」

  ☆

1.児玉会長が「薬剤師倫理規定」の見直しを指示

むつき「大変な事態です。日本薬剤師会の会長で、薬剤師倫理規定的には『ちゃんと守っているのか疑わしい』度で日本屈指の実力者である児玉会長が、薬剤師倫理規定を見直すと言い始めました」

とうあ「ポーズだけです。この方は、御自分の発言に責任をもたない率が高めですから。というより、御自分が何を言っているのかすら、正しく認識していない様子ですから。おそらく、見直しの指示を正式に受けた方は誰もいないと思います」

むつき「最初から毒舌すぎてフォローに困ります」

とうあ「見直す理由が見当たりませんが、児玉会長はなんとおっしゃって?」

むつき「総会議事録によれば、『我々の任務は明確であるし、又、それだけの業務を行える体制も整ってきたことから、日薬内部では「薬剤師綱領」や「薬剤師倫理規定」を見直す議論を始めているところである』とのことです」

とうあ「つまり、見直す理由は、『薬剤師の任務が明確である』ことと『任務を達成する体制が整っている』ことなのですか」

むつき「それ以外、何も言っていませんね」

とうあ「失礼ながらお嬢様、お嬢様は、アホでございますか。お嬢様の目は節穴でございますか。やはりしばらくの間ひっこんでいてもらえますか。このまま逮捕され、少々反省していただけませんか。相変わらずアホでいらっしゃいますね、いい意味で。こんな簡単な事がお分かりにならないなんてそれでもお嬢様はプロでございますか。正直ずぶの素人よりもレベルが低くていらっしゃいます。ちゃんちゃらおかしくて笑いが止まりません。おほほほほほほ」

むつき「全て、本屋大賞のドラマのセリフですけれど、児玉会長は、心は乙女な『おとこの娘』かもしれませんが、お嬢様ではないですよ」

とうあ「執事の方がいなくなったら、お嬢様は無能ですわね。事件が解決しないのも道理です」

むつき「専務理事は執事さんではないですよ」

とうあ「百歩譲りまして…、『第一条の任務および第九条の守秘義務については法律条文であって、守って当然であり、敢えて倫理規定内に書きこむのは無粋である故に削除する』…という見直しでしたら、今すぐでも議論なしにおやりになればよろしいかと」

むつき「法と良心・愛情との優先順位付けがありますから、第二条と第三条は削れませんしね」

ここの「御薬学園中等部一年生コンビは要らない子なんだ…」

ひとみ「ふたばおねーちゃーん、たすけてーっ」

  ☆

2.埼玉県薬剤師会会長の薬局で調剤事故。自動調剤の機械の使用ミスによる誤調剤が発覚したにもかかわらず管理薬剤師が黙殺。事件後も県薬会長を辞任せず、日薬理事(関東ブロック)に就任。

むつき「ヒヤリハット事業などを推進している日薬の理事が、自らの経営する薬局における重大な調剤事故については棚上げしていたという、薬剤師倫理的に重要なニュースです」

とうあ「業界誌は、当事者にインタビューを行っているにもかかわらず全文掲載せず、日薬は当事者に事情を聞くことすらせず。信用とは何か、品位とは何か。拱手傍観。走尸行肉。実に嘆かわしい話ですわ」

むつき「薬剤師倫理規定的には、調剤事故を『起こした』ことで倫理規定第一条および第六条に反していて、調剤事故を当初『隠蔽した』ことで倫理規定第二条、第五条、第八条、第九条、第十条に反しています。第一条は薬剤師法第一条類似ですから倫理規定第三条にも反しています。そのうえ地域医療の要である県薬会長を続けたのですから、倫理規定第七条にまで反します。薬剤師倫理規定の全ての条文に反する行為を行った薬剤師に対する日薬からの処分は公表されていません

とうあ「総会において、除名採決をとる予定がなかったのですから、日薬には倫理というものが存在しないのではないかとの印象をうけますし、除名採決前に自ら会を退会することによって問責が発生しないという処理だった場合、なにをもって職能の過ちをただすのかがわかりません。そして、誰ひとり、『すでに重大な事故を起こしていたことが判明しているにもかかわらず、日薬理事に任命した児玉会長の任命責任はどうなっているのか』と問うこともなく…」

むつき「詳細は、対応する記事をご覧ください。あと、難しい四文字熟語はググってください」

  ☆

3.日薬児玉会長、七海副会長に、相談役三人から公開質問状。世間的には完全無視。日薬総会一日目に代議員に対してのみ釈明したはずが、総会議事録には「議事録から削除」という発言がないのに掲載されず。

むつき「はい、議事録に載らない議事が発生してしまいました。密室政治です。日薬が公益法人化で目指すと言っている代議員のありかたからすると、この様子を地域会員に伝えた『代議員』が大半でなければなりませんが、そういった動きはありません。これは、公益法人化後の代議員選挙に影響を与えてもよい事態ですが、おそらく選挙制度がアレですから、代議員による情報公開には今後も期待できないかと…」

とうあ「会員向けのeラーニングの第一回は、総会質疑にしていただければよろしいのですわ。代議員による伝達では、おかしなノイズが入るようですし」

むつき「ニコニコ動画的なツッコミ可能動画がほしいですね。やはり、一次資料は大事です」

とうあ「総会での会長発言の公表は守秘義務違反にあたりませんから、心優しい代議員さんたち以外の会員の目で、その釈明の妥当性を判断してもらいましょう」

むつき「総会といえば、この回の総会では『議事録から削除』の発言もあったようです。どうも『日薬が研修プロバイダ化すればいい』という趣旨であったようなのですが…、『薬剤師の倫理規定を決める唯一の国際関係機関にして、クリニカルラダーによって職位認定する機関である日薬が、研修プロバイダになる』という話の矛盾点に気がついたということであれば、議事録からの削除ではなく、きっちりと、議論によって『日薬が研修プロバイダ化することはありえない』と結論付ける必要があると思います」

とうあ「自らの事業の整合性をとるだけのお話ですのに…」

  ☆

4.日本新薬の女性MRがバカ発見器で社員の薬物乱用を暴露。厳しく処分すべき日本新薬は、「他人に飲ませる目的で、向精神薬を所持し、使用した」社員および薬物乱用行為を見て見ぬふりした社員、遵法意識がない表現で晒した社員についての処分を一切公表せず。

むつき「バカ発見器、すごいですね。このつぶやきを「事件性のあるもの」としてトピック化した方々の直感も。ただ、この事件の幕引きは、気持ちの悪いものでした」

とうあ「事件の犯人を捕まえようとしたら、FBI捜査官と軍がやってきて『我々に引き渡してもらおう。きみたちは何も見なかった。見なかったんだ』という…」

むつき「それどんなMIBですか」

とうあ「企業の体質が問われたわけですが、結局、『薬を扱う企業内における薬物乱用に対して、どう考えるのか』という問いに対して、『社員のやったことは企業とは関係ない』という態度で広報し、かといって該当する社員の行動責任のあり方も示さないままという、気持ち悪い対応で済ませたわけです…」

むつき「こういったことは、『薬科大学内で痩身用と称する違法ドラッグが蔓延していたら、大学はどのように処分するのか』といったテーマにも通じるのですが、この件についてのコメントを、各学会や日薬、製薬協などが出したという話はなさそうです…」

とうあ「知らぬ存ぜぬと、見て見ぬふり、恥を恥だと感じない。薬剤師倫理規定第十条、信用と品位が、崩れていっているようです。とても残念です」

  ☆

5.薬剤師国家試験問題の倫理例題は示されず。

むつき「例題なしに、基準も不確かなまま。倫理の問題を解く側は、勉強のしようがありませんね。行動倫理よりも研究倫理を重点的に述べさせるような『職能資格試験』ができてしまうかも…と、心配になります」

とうあ「これは、倫理の問題を出す気がないのでしょう。定款の目的に『倫理の高揚』を掲げながら、事業に『倫理高揚に関する事業』を入れない日薬のように、名前だけ挙げて、実質は何もない…」

むつき「六年制の国家試験の特徴は、『倫理』の追加。これははっきりしています。にもかかわらず、追加された『倫理』のあり方を示すことができないようです。カリキュラム上、誰かが倫理を教えているはずなのですが、倫理を教えている方々が、誰ひとりとして、倫理の例題を提示できないのだとすると、いったい、何をもって基準とするのでしょうか」

とうあ「これは、試験問題が楽しみですね。どれだけレベルの低い倫理が示されるのかという意味で」

むつき「ジュネーブ宣言を知っていますか? とか 薬剤師倫理規定を知っていますか? といった問題ですか? 知らなくてもいいと思いますけれど。倫理は、知識ではなく、思考と行動ですよね?」

  ☆

6.ドラッグストアでの「OTC情報提供不要カード」発行。

むつき「制度趣旨に対して実際の制度設計がおかしいために運用が困難である…という状況は、よくあることです。こういったとき、制度を整えて修正する方向で運動するのが王道なのですが、特にそういったコメントをだすでもなく、問題提起をするでもなく、とりあえず不満解消を目的としてカードを発行してしまう…というチキンな点が、薬剤師倫理規定第三条、五条、七条、八条的にダメなのだと思います」

とうあ「チキンでないのなら、大手としての誇りが奢りに変化したのかもしれません。誇りは『責任』にかえましょう」

  ☆

7.日薬が新定款を採択。代議員18名が反対。

むつき「不思議な定款が採択されました」

とうあ「はい。別団体の業務義務を定款に書きこむという、信じがたい定款です」

むつき「ここでは、代議員のうち18名が、きちんと反対の意を示したということを重要視しました。逆に言うと、別団体の業務義務について書かれた定款でも良いと考える方が大半だったということで、これはゆゆしき事態です。『うちの団体は、キミの団体に、こういう仕事をさせるからね』と勝手に宣言されても良いという考え方の方が、それだけいた(ように、外部からは見える)ということですから」

とうあ「責任重大な投票なのですが、賛成した人、反対した人の公表はされていません」

むつき「なんと、記名投票ではないのです。起立させて、賛成者数を数えただけのようですからね。つくづく、穴のあることばかりする組織です。みずからの代弁者としての代議員が、一大事において、どのような行動をしたのかすら、会員には公表されないのです」

とうあ「『薬剤師の倫理の高揚』『学術の振興』を目的としているにもかかわらず、『薬剤師の倫理に関する事業』『学術の振興に関する事業』は行わないという点…話になりませんわ」

  ☆

8.中医協で「調剤ポイント問題」が厚労省主導で議題となり、原則禁止になったところ、チェーンドラッグ協会が「禁止反対署名活動」を開始、法廷闘争も辞さずの構え。

むつき「チェーンドラッグ協会は、シーシェパードか、あるいはプロ市民かなにかですか。ポーズだけの署名活動なのがみえみえで、これ、恥の上塗りです」

とうあ「コメントを控えさせていただきます」

  ☆

9.三浦委員、中医協委員まさかの続投

むつき「まさかの、って、どういう意味なんでしょう」

とうあ「辞任するものと思っていましたので」

  ☆

10.東日本大震災、被災地への薬剤師の支援と、支援のバックアップ。

むつき「この話題、もっと上位でないとおかしいというご意見もあるかもしれません」

とうあ「みなさんが専門職として当たり前のことをするのが、なぜ、ニュースになるほど『意外』なのでしょうか?」

むつき「ランキングの上下以前に、そこにツッコミですか」

とうあ「自明ではありますが、一応、解説をお願い致します」

むつき「ああ、そういうことですね。今回は、「当たり前」以上の驚くべき行動をした方々がたくさんいらした事実を踏まえて、ニュースということなのです。底力です」

とうあ「現地支援、支援者の援護、支援者がいない間の地域医療の保持。みなさんがチームとして機能したのは、日頃の鍛錬と、日々の信用が実ったのだと思います」

むつき「全員が、それぞれに頑張ったなかで、日薬の対応はどうでしたか…」

とうあ「理事のみなさんは頑張ったと思いますが、情報発信担当者を(以下略)」

むつき「役員の方たちが『我々は、まさしく薬剤師法第一条の任務を遂行したのであります』と繰り返していたのが印象的でした」

とうあ「情けないかぎりです。『薬剤師倫理規定に従った行動をしていたのです』と、胸を張って宣言してほしいものです。未曾有の事態において『自律』的に動き、『良心』に従い、『法の趣旨』を守って阪神大震災などでの『先人の知恵』を糧とし、『引き継ぎ』を徹底し、『医療関係者と協力』し、『供給にあたって十分な説明』を行い、『地域医療向上』につとめ、『関係職能と協力』し、『秘密を漏らさず』『品位と信用を保った』ことは明らかではありませんか。それらがあってはじめて、薬剤師倫理規定第一条の任務を適切に実践でき、前文の目的を果たすことができたのです」

むつき「実際のところ、それが薬剤師倫理規定の条文に沿った行動であるかどうかを考えながら活動した方は皆無かと思いますが、内容について『薬剤師法第一条』であると言うのもどうせ後付けですから、身についているであろう行動倫理の『薬剤師倫理規定』に従ったのだと考えてもよさそうですね」

とうあ「『我々は、我々が決めた行動倫理にしたがって行動できることが証明された』のです。『職能人として自らが心に決めたものに従った』のと、『国がそうしろという任務に従った』のとを比べれば、専門家の守るべきは、自ら決めた職能倫理です。そして、ほぼすべての薬剤師が、そのように、自律的に行動したのです(以下略)」

  ☆

むつき「さて、総括です。今年は、なぜか児玉会長関係が多くランクインしていますね」

とうあ「そう聞いただけで、なぜか、良い意味でのランクインを想像できないのですが…」

むつき「来年は、日薬会長が改選になりますから、良い意味でのニュースが増えるかもしれません」

とうあ「みえます…2012年の10大ニュース…『児玉会長… また当選…』『日薬… 崩壊…』」

むつき「非科学的ではありますが、神憑りな巫女さんの予言は当たる確率が高そうです。今のは聴かなかったということで…」

とうあ「いえ、あの、いまのは、年に一回しか言わない冗談ですよ」

むつき「純真な天然さんなのか、黒くて計算高い毒舌家なのか、どっちなんですか」

とうあ「コメントを控えさせていただきます」

 (おしまい)

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実録もの風味の、仁義なき戦い サークル頂上決戦。

えーと、今回は、古いニュースを参考にしてはいますが、完全にフィクションです。

  ☆

♪ちゃららーん、だだだだだだだだだ…

「コント 仁義なき戦い サークル頂上決戦」

(キャスト)

 会長(タカシ)

 副会長(アキラ)

 前会長(トシオ)

 ピエロ三人衆(ヤス、タツ、ヨシ)

 THK6(トーホクシックス)

 端役:数名

 666人を代表する人たち:百人くらい。

  ☆

(開幕)

どこかの街並み。

連れだって歩く、タカシ(会長)とアキラ(副会長)。

タカシ「(櫛で髪を整えながら)いやー、今日もいい天気じゃのう」

アキラ「(落ちてくるメガネを気にしつつ)いやー、タカシさんのいうとおり、ワシら、日頃の行いがいいですからねー」

タカシ「これも人徳っちゅーやつや。わしら、人相的にイケメンボーイズじゃき」

アキラ「まったくでやんす」

機嫌良く会話する二人の前を、三人組がふさぐ。

ヤス「おうおうおう。タカシ。ひさぶりやな。アキラもか。アキラは、あいかわらずタカシの腰ぎんちゃくかいのぅー」

アキラ「ふん、タカシさんはなー、世界腰ぎんちゃくにつきたい男ランキングで、常にナンバーワンの色男なんじゃいっ。タカシさんも、ワシのことを、世界一腰ぎんちゃくにつけたい男として認識しているんじゃいっ」

タカシ「正直言うと、おまえ役立たずの足引っ張りだから、おまえが側にいるだけで優秀な連中が逃げていくし、踏んだり蹴ったりになりがちなんだが、まあ、この際仕方がない」

タツ「おまえらホントに仲が良いのぉー。で、タカシー、おまえ、NMB(なんば)におったころ、NRA(なら)のアキラとふたりでやんちゃしとったって、街の噂で聞いたぞ。これまで聖人君子みたいな顔しといて、なんじゃ、ありゃあ」

ヨシ「わしらOBや、サークルの後輩どもを、騙しとったんかい。サークル会長選挙のときも、清廉潔白純真無垢な顔しておったしのー」

タカシ「なにゆーてんねん、OBのみなさん。誤解ですわ、誤解」

タツ「なんじゃ、シラきるんかい。そこいらで噂になっとるで」

アキラ「そんなもん、ガセじゃ、ガセ。風評被害はこわいのー。噂なんぞ、イケメンのワシらに嫉妬した連中の仕業に違いないわー」

ヨシ「ふっ。証拠はあがっとンのじゃ。このコピーみさらせいっ」

アキラ「な、ななな、なんじゃこりゃーっ。タカシさん、こりゃあ、ワシらがやんちゃやってセンコーに呼び出されたあとに、サークルへ出した反省文のコピーですよーっ」

タカシ「なんじゃとーっ! 反省文っていうたら、ワシとアキラがやんちゃやったことを、サークル内でバラさんでくれっちゅー顔してトシオさんに会ったときの、あれかーっ!」

ヤス「言い逃れできんのか、こらー」

タツ「なんか釈明するなら、さっさとせんかいっ」

ヨシ「このドへたっぴいな字は、アキラ、おまえんじゃないんかいっ」

タカシ「だーっ。NMBにNRA、関西のセンコーは、日本一厳しいんじゃーっ。ワシらだけが悪いんと違うんじゃいーっ」

アキラ「そーじゃそーじゃ、OBさんたちのなわばりでは、センコーが必要以上のガサ入れをせんだけじゃろーっ。ワシらんとこのセンコーは、アリエナイ細かさで指導するように教育された指導サイボーグなんじゃいーっ!」

ヤス「呼び出しくらって『悪質』言われとるんじゃろがーっ! 根本的に細かいことと違うで。おまえのやったやんちゃはなー、最低最悪、絶対にやったらあかんことのひとつなんじゃーっ! 悪党を自覚しとるアウトローが、組織に迷惑かけずに一匹狼でやってすら後ろ指さされることなんじゃーっ!」

ヨシ「そうじゃそうじゃ、このやんちゃがほんまやったら、性根が腐っとるっちゅー話や!」

アキラ「そこまでゆーか! ワシらかて、少しは悪いと思うたから反省文書いたんじゃろがっ」

タカシ「そうじゃ、そうじゃー。ワシらのやんちゃを、前の会長のトシオさんは全部水に流してくれたんじゃー。もうすんだ話じゃー」

タツ「なに自分から白状しとんねん」

アキラ「今のどこが白状やねん」

ヨシ「往生際わるいでー。さっさと腹きめんかい」

タカシ「ふん。サークルのOBが、今更、昔のことで、何ゆーてんねん。ロートルは黙って隠居しとき」

ヤス「あーん? ワシら相談役じゃーっ。相談せいやーっ」

タカシ「ここ10年、相談なんかしたことないっちゅーに、なにをいまさら相談なんかするかーっ」

タツ「どうなんじゃいっ、結局、このコピーの内容は、事実なんか、事実でないんか!」

タカシ「じ、事実ともいえなくもなく、事実でないということであっていいのかどうか検討中ということで、どうぞよろしくお願いしたいと思っております」

ヨシ「あー? きこえんなーっ」

ヤス「トシオ呼んできて洗いざらい白状させてもええんやでー」

タカシ「こーやって真摯に反省しとるのに、くどいのぅ」

タツ「なんじゃとー、もういっぺんゆーてみい」

アキラ「おう、やるかーっ」

ヨシ「上等じゃ、こらー」

THK6「まてーい。まてまてまてーい」

六人組の派手な衣装の人たちがローラースケートで乱入。

ヤス「なんじゃ、おまえら。タカシの取り巻きかい」

THK6「ぼくたち、スーパーアイドルグループ、THK6ですーっ! ぼくらはタカシさんに恩があるんですー。タカシさんにどこまでもついていきますー」

タカシ「ノーコメントや」

アキラ「ワシは? ワシには恩はないんかいっ」

THK6「特にないですー」

ヤス「おまえら、恩も何も、お前らが食うや食わずで困っとったときは、わしらも後輩たちも総出で、仲良う汗かいて頑張ったのを、もう忘れたんかっ」

ヨシ「まだまだ、これからも一緒に頑張ろう言うてたのを、『サークルとしての支援はもう辞める』って総会(サークル会議)の決議もなく決めたのは、タカシやろっ」

タツ「そーじゃそーじゃ」

THK6「いいえっ。なにもかも、ひとえにタカシさんのおかげですっ。これからもついていきますっ。タカシさんが辞めるなら、ぼくたち、サークル活動、サボっちゃうかもっ☆」

タカシ「ノーコメントや。(いらんことすんなや)」

アキラ「ワシは? ワシは?」

THK6「だいたい、仮にやんちゃやってたとしても、反省文を書いてトシオさんが黙認したのなら、もうどうでもいい話じゃないですかーっ。退学になったわけでもないんですしー」

タツ「あほーっ! おまえらもタカシらも、どんだけ世の中甘く見てるんじゃーっ! ワシらのサークルの定款読んだことないんかーっ」

ヨシ「見てみい、『サークルの体面を汚したもんは、除名。ただしサークル会議で弁明可能』って書いてあるじゃろーっ! 体面汚すようなマネしたもんが、会長に反省文一枚出して済ますんやったら、こんな条文はいらんのじゃー。そのうえ、反省文まで出しておいて、そのまんま会長だの副会長だのの要職に就いてええんじゃったら、ワシらは、どんな真似しくさった外道でも除名できんっちゅー、腰ぬけ組織だと指さされるんじゃい!」

ヤス「先代の会長が個人的に許しても、サークルっちゅう組織の問題は、ワシらも含めたサークル会員全体の問題なんじゃ。うちうちで済ませたうえ、そのことをサークル役員会で一切報告せんで三人だけで揉み消したっちゅーのが事実なら、もう信頼できんわっ」

アキラ「そんなんいうなら、サークル会議で議題にすればよかろうもん。なんでこんな往来のど真ん中で拡声器持って話しちょるんよ」

ヤス「ワシらはピエロじゃけん」

タツ「ピエロじゃけん」

ヨシ「じゃけん」

THK6「超ウケルー。ぱちぱちぱちぱちっ」

アキラ「まあ、リアルに笑われちょるよね」

タカシ「いくらでもピエロやっとったらええ。やればやるほど、事情を知らん連中が『内ゲバすんなや』ゆうて、ワシらに有利じゃ」

ヤス「内ゲバ? なに言っとるんじゃい。だいたい、今の、おまえらが運営するサークル会議で話しても、おまえら、まともにとりあわんじゃろーが!」

アキラ「心の底からまともに取り合う思いはありますよ」

タツ「おまえらの『思い』が実行に移されたことなんか、一度もないじゃろが」

アキラ「自分の弁明タイムだけは、十分すぎるくらいにとりますよ。OBさんたちに、話す機会は与えませんけどね。へっへっへっ」

ヨシ「もーええ。こいつら壊れとる。トシオ呼べば済む話じゃ。電話電話」

ただいまおかけになった電話番号は現在使われておりません。

ヨシ「トシオのやつ、逃げおった!」

タツ「トシオの居所は見当ついとる。あとでしばいちゃる」

ヤス「まあ、ええ。タカシ、ワシらは、事の詳細を、じっくりきかせてもらわんことには、引き下がれん。往来ではなんだし、文書で、二週間後までにもってこいや」

アキラ「タカシさん、ワシらも逃げましょう。どうせ、こんなマイナーサークルの話なんか、世間では噂にすらなりませんから。文書なんかで回答しないで、誤魔化しましょうよ」

タカシ「そーじゃのー。では、ほな、さいなら。来月のサークル会議で弁明しますわ。そこで会いましょー。ま、サークル会議の出席者は、ワシらが首根っこ押さえておきますけどねっ」

逃走するタカシとアキラ。

ヤス「なんじゃい、結局、回答拒否かいっ」

タツ「後輩たちに囲まれて、偉そうなこと言ってたくせに」

ヨシ「こいつらみたいな取り巻きをつくりたいだけじゃ」

ピエロの三人から、鋭い眼光で睨まれるTHK6。

THK6「ひっ、ひいいっ。た、タカシさーん、待ってくださーい」

タカシを追いかけるTHK6。

取り残されたピエロたちも、よろよろと舞台袖へ。

舞台に最初から置いてあった、大きなごみ箱が開く。

ゴミ箱から、トシオが顔を出す。

トシオ「あ、こんにちは、ぼく、トシオです。反省文を書かせたのは、ぼくなんですけれどね。まあ、それはそうと、四期目の選挙のとき、タカシが対立候補として立候補したんですよ。おくさん、どう思います? 普通、反省文まで書いたなら、粛々と辞めますよね? なのに、副会長やるわ、対抗馬になるわ。いや、まあ、一瞬だけ、後継者にしよっかなーって、魔がさしこともあるんですけど。対抗馬はないよね。とにかく、ぼく、落選です。そこから二期、タカシが会長やってますけれど、三期目をやる気満々。ぼくと並ぶ三期目ですよ。三期目。あ、ちょっと愚痴になっちゃいましたけど、きいてくれてありがとう。それにしても、反省文のコピーひとつで、こんなにもめるとはねー。反省文は、書いた人と、受け取った人しか、入手できないけど、いったい、どうやってコピーしたんでしょうねー。まあ、ぼくは、よくわからないけど、とりあえず、もう少し雲隠れしておきます。え? サークル会議への出席ですか? しませんよ。なんでぼくが会議に出なくちゃいけないんですか」

ゴミ箱の蓋が閉まる。

暗転。

舞台が、サークル会議の会場に。

議長「というわけで、本日の質問および議事は終了…」

タカシ「ちょっと待ったぁー!」

議長「なんですか、会長(うちあわせどおり、キター)。なにか発言ですか。今すぐ時間を作りますから、どうぞご発言くださいっ。さあ、みなさん静粛に。咳一つ、埃一つ許しません」

タカシ「弁明したいっ。例の件だが、あれは、反省文は、トシオさんに書けって言われて書いたんじゃ。ワシらは、連れションみたいに、一緒に辞表を提出しに行ったんじゃ。そしたら、トシオさんが、反省文でいいっていうから、従ったまでなんじゃ」

サークル会員A「(なんで従うんじゃ、ぼけーっ)」←無音

サークル会員B「(トシオはなんでおらんのじゃーっ)」←無音

タカシ「とにかく、全てはトシオさんの意向に沿っただけなんじゃ。もう細かいことはええやろ。書けゆーから書きました。それだけじゃ。ワシ、なんも悪くないじゃろ」

アキラ「ワシもなー」

サークル会員「ぽかーん」←無音

サークル会員「ぽかーん」←無音

サークル会員「ぽかーん」←無音

議長「なにか質問ありますかー。ありませんねー。どーしましたー? 質問する気力もないですかー?」

THK6「質問なんて、恐れ多くて、できませーん♪ タカシさん、ついていきますよーっ。ひゅーひゅー♪」

サークル会員「ぽかーん(これ以上喋らせて議事録に残ったら…)」←無音

サークル会員「ぽかーん(うちの地区リーダーが執行部にいるし…)」←無音

サークル会員「ぽかーん(今、THK6を敵に回すと、面倒だし…)」←無音

議長「では、本日のサークル会議は、ここまでー。さっさとおうちに、かえりなさいっ」

解散していく会員たち。

アキラ「質問、ありませんでしたねーっ♪」

タカシ「これで、幕引きじゃろ」

アキラ「約束通り、サークル会議で弁明した、と」

タカシ「禊は済んだ!!! ワシら、清廉潔白じゃなー」

アキラ「まったくですよ、うへへへへへ。次の選挙も安泰でげすな」

有頂天のふたりの背後から…。

ヤス「…おまえら、ワシら舐めとんのか?」

タツ「世間様舐めとんのか?」

ヨシ「ピエロ舐めとんのか? そんなもんが弁明になるか、あほー」

タカシ「あほちゃいまんねん、ぱーでんねん♪」

アキラ「よっ、タカシさん、ギャグさえてますねっ。サイコー!」

隅っこに置かれていた大きなゴミ箱が、そそくさと退場。

ナレーション「銀河の歴史が、また一ページ。」

(閉幕)

   ☆

以下、薬剤師倫理規定擬人化娘たちの会話。

黄土やつね(第八条娘)「…ってな舞台劇の脚本を書いてみた! どや?」

白峰とうあ(第十条娘)「品格のある方が一切描かれない、無粋なお話ですね。誰ひとりとして、自らの責任を果たさない姿には、嫌悪感を感じますわ」

青山みつひ(第三条娘)「全員を新聞部の部室に呼び出して、言い分を文書化して並べ、論理研究会や心理学研究会などに分析させて…」

やつね「あ、これ、別に推理小説と違うし…」

みつひ「ん、そうなのか。では、率直に言おう。つまらん」

やつね「あ…あうう…豪速球すぎてガラスのハートがピンチやぁ…」

とうあ「そんなに悲観しなくても、平凡で素晴らしい出来ですよ。主人公が誰なのか全くわかりませんでしたので、なんの共感も覚えずに済みました。登場人物のみなさんが問題視していることの重要性はわかりませんが、『不快な人物ほど支持を得る組織』というものが存在する世界で、そんな組織が10年以上、不快な人物のもとで運営されている姿を描いた、幻想小説なのですね。でも、これでは、設定がわかりにくいので、夏目漱石先生の『坊ちゃん』という古典をお読みになられてはいかがでしょうか」

やつね「平凡っちゅー時点で、もうあかん…」

みつひ「定款の部分は、気になるな。サークル会議で弁明することの前提は、『サークルの体面を汚した』という事実だろう。体面を汚していないと思っているのなら、自ら弁明する必要はない。まずは、先に「体面を汚した」と主張するものが、その事実を証明すべきだ。また、サークル会議自体が『現会長はサークルの体面を汚している』と訴えていないのに、会長が勝手に弁明を始めているが、それを議長が咎めないのは何故だ。サークル会議の運営上、仮に議長がこれを『弁明の権利を行使している』ととらえたのなら、弁明終了後に即刻決議をとり、除名するかどうかを明確にすればいい。だが、何の決議もとらず、ただ弁明だけさせるとは、一体どういうことだ?」

やつね「あー…そんな細かいとこは、なんも考えてなかったんで…」

とうあ「青山さん、これはきっと、論理軸が狂った世界で生きる人々を描いた、高度な演出なのですわ」

みつひ「こいつ(やつね)に、そんな頭があるわけがないだろう。没だ没」

やつね「み…見せる相手、間違うた…」

 (おしまい)

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日薬の『見解』と、落ち込む「薬剤師倫理規定」擬人化娘たち。

薬剤師倫理規定擬人化のブログなので、

 様々なところで、いろいろな人が書いている

 「埼玉県薬会長書類送検」について、

 薬剤師倫理規定擬人化的に扱います。

  ☆

【擬人化娘たちのトーク】

みつひ(第三条娘)「日本薬剤師会が、埼玉県薬会長の書類送検について『見解』を発表した。書類送検自体は、薬剤師倫理規定第三条、遵法を忘れた結果だ」

むつき(第六条娘)「今日は、事件そのものではなく、『見解』の内容について、考えてみましょう」

とうあ(第十条娘)「そのまえに、まずは静かに、ご冥福をお祈りいたしましょう」

日薬の『見解』はこちら。
http://www.nichiyaku.or.jp/press/wp-content/uploads/2011/08/pr_110822.pdf

むつき「…では続けます。『見解』の名義は日本薬剤師会。問合せ先の代表者名は七海副会長です」

みつひ「児玉会長ではないのか」

むつき「七海副会長は組織・会員委員会や、生涯学習委員会の担当副会長です。県薬という組織の会員が書類送検されていて、それを教訓として生涯学習的に会員への指導を強化するという結論の『見解』を出すのだとしたら、適任とみなされる可能性はあります」

とうあ「すみません、その、『見解』の内容そのものを、要約していただけませんか」

みつひ「そうだな。分解すると、A:警察が書類送検を発表した。B:新聞報道では、患者死亡日は四月七日。C:患者死亡直前に誤調剤を病院が把握し、事態が明らかになった。D:誤調剤の把握は、薬局では四月一日だったが放置した。E:書類送検された薬剤師は、埼玉県薬の【前】会長で、平成23年1月まで日薬の理事であった人物である。F:医薬分業の理念の根幹を揺るがす問題だ。G:これは会員への周知が十分でない証左だ。H:二度とこうした事態を惹起せぬよう、調剤過誤防止に向けた『会員への指導・周知を強化する』。以上」

とうあ「…ひとつ、謎があります」

むつき「なんですか。惹起は『じゃっき』と読みますが、そこではないようですので続けてください」

とうあ「日薬は、なぜ、【すでに誤調剤による死亡事故を起こしているとわかっている方を、一月以上後、平成二十二年五月二十六日の第74回総会において、追加選任にかけたのでしょうか】」

みつひ「?」

むつき「説明します。今回の『見解』において、日薬は【本年一月まで理事であった】と述べていますが、【いつから理事であったか】については述べていません。当該薬剤師が日薬の理事に【新任】で就任したのは、平成二十二年五月二十六日。事件発覚は、その前の平成二十二年四月七日以降。この間、およそ二か月。事件について、日薬が報告を受けていたのかどうか。少なくとも、埼玉県の保険医療部は知っていたはずですが、連絡はなかったのか…」

 ≪年表≫
 平成22年 3月25日 調剤
         4月1日 過誤発覚(薬局)、放置
         4月7日 過誤発覚(入院先)、患者死亡
        4月23日 埼玉県保険医療部長名で
               注意喚起通知(埼玉県薬会長あて)
        5月26日 日薬総会。理事就任。
 平成23年 1月    理事退任
        8月19日 書類送検。県薬会長辞任。

みつひ「つまり、日薬側が、【知らないで】この人事を行ったのなら、『会員管理能力がない』。【知っていて】この人事を行ったのなら、『会員管理能力がない上に、底抜けのバカ』だと?」

むつき「そこまでは言っていません。ただ、情報収集と安全管理、二つの面で、この人事には、薬剤師倫理規定第六条的に、納得がいきません。この人事に対して、本人が辞退を申し出ていないのが不思議です。あるいは、辞退を申し出ていたとしたら、それを日薬が受理しないのが不思議です」

とうあ「日薬の理事は、会長の選任だけでは理事になれません。代議員さんたちの信任投票を経て理事になります」

みつひ「信任、か。そこには、履歴書のような『賞罰』を含めた人物調書はあるのか」

むつき「賞罰については不明です。自らを律すると同時に、事故被害者の心証を考慮し、更には選任に関わる代議員さんたちに嘘をつかない姿勢があれば、書いたと思います」

とうあ「代議員さんたちの『信用』を裏切ることがわかっている状態で、『関東ブロック代表』という肩書きの職責を得た行為は、薬剤師倫理規定第十条を汚すものです」

みつひ「一ブロックを形成している東京を除く、関東の薬剤師の意見代表理事ということだからな。ただでさえ、埼玉県の代表でい続けて、一部地域での信用を低下させているというのに、関東の代表という形で、信用が低下する範囲を自ら広げるとは…」

むつき「日薬の『見解』には、まだ不可解な点があります。書類送検時も事件の起こった日も、当該薬剤師の肩書きは『埼玉県薬剤師会会長』なのですが、『見解』では【前会長】と書かれています」

みつひ「いつ辞任したんだ」

むつき「辞意を表明したのは十九日、実際に辞任したのも同じ日。そのことを業界紙が知ったのは二十二日とのことです」

とうあ「日薬の『見解』の日付もまた、二十二日。その日には、日薬は、『すでに辞任していることを知っていた』わけですね」

みつひ「つまり、辞表を受理した埼玉県薬と連絡が取れていたということか」

むつき「あるいは、業界紙からの連絡でしょうか。どちらにしても、この書き方は、フェアとは言えません。『今の会長ではないので、影響はありません』『事件当時も会長ではありませんでした』という錯覚をおこす表現です。正確さを考慮した情報とは言えません」

とうあ「あの…。もうひとつ、疑問があります」

みつひ「証左は『しょうさ』と読む。あ、そこではないのか。続けてくれ」

とうあ「『見解』には、【会員への指導並びに周知を一層強化する所存】とあります。なぜ、役員のひとりの問題が、いつのまにか、会員の問題にすり替わっているのでしょうか」

みつひ「む。役員も、会員のひとりには違いないが…。何か釈然としないな。会社の執行部役員のひとりに不祥事があった際に『社員への指導を徹底します』と言われている感覚だ」

とうあ「指導以前に、個々の薬局は、安全管理責任者さんを置いております。安全管理に関する講習を毎年受講する義務も課せられております。つまり、会員であってもなくても、薬局には安全管理責任者さんがいらっしゃって、自律的に安全管理を行うのです」

むつき「そして、全ての薬局は、安全管理マニュアル(手順書)を自ら作成し、備えています。安全管理マニュアルの細かい部分の内容は、薬局ごとに違います。その違いによって、環境が異なる個々の薬局において最も安全な状況をうみだそうとしています」

みつひ「法に基づくシステムは、個別に安全を追求する仕組みになっていて、薬局の自律的安全管理を保証しているわけだな。では、指導とは…。指導など、できるのか?」

むつき「わかりません。以前、日薬は、安全管理マニュアルの雛型を参考資料として作成し、配布しました。指導的な役割を果たしたとはいえます。あとは、個々の薬局の安全管理責任者さん次第で…」

ひとみ(第一条娘)「ねーねー、なんか難しいお話ー?(乱入)」

いつめ(第五条娘)「あー、やたら成績よさそうな連中が集まって、暗い顔して話しているから、気になっちゃってさー」

ひとみ「世界が終っちゃうようなことでもあったの?」

みつひ「法が否定された」

とうあ「品格と信頼が失われました」

むつき「安全管理と情報管理が大ピンチです」

ひとみ「うわー、あいでんてぃてぃ?の、そーしつだねっ」

いつめ「おっ、なんか難しいこと知ってるな」

ひとみふたばおねーちゃん(第二条娘)が、そう言ってたのー。なんかぶつぶつ呟きながら、暗い顔でひたすら青汁つくってたけど、大丈夫かなー」

むつき「良心を否定され、自律もできていない話ですから、無理もありませんね」

ひとみ「あとねー、ここのちゃん(第九条娘)が、河原で番長さん(第四条娘)に人生相談してたー」

みつひ「ああ、守秘義務の、最も悪い形の解釈が行われたうえ、後進の育成に努めるべき指導者が後進に悪影響を与え続けていたわけだからなぁ…」

とうあ「そういえば、ななせ会長(第七条娘)は、どちらに?」

いつめ「ちょっとヤバイくらいの規模で殴り込みの支度をしていたから、縛り上げて監禁中だぜ☆」

むつき「殴り込みですか…。そうですよね。この件は、地域医療をダメにする施策を率先して推進する話ですからね。事件だけでも大きなダメージなのに、『見解』で、追い打ちです…」

いつめ「ま、まあ、でも、ほら、全力でやった結果なら、今日がダメでも、明日があるさ!」

ひとみ「元気出そうよー」

とうあ「そうですわね。貴方たちは、そのままでいてくださいね」

いつめ「おうっ」

ひとみ「うんっ。じゃーねー♪(立ち去る)」

みつひ「…これは…とても言える空気ではないな…」

むつき「生命の尊重や、同僚との協力、職能の最善…全部、無視された結果ですからね…」

つかさ先生(倫理違反、のヒト)「(通りすがり)んー…。おまえら、暗いなー。もう、うじうじするなよー。ルールが守れないなら、義務も権利も捨て去って、さっさと自由を手に入れろ! たったそれだけのことだ!(そのまま去る)」

とうあ「相変わらず、刹那的な方ですね…」

みつひ「まったくだ。ん…いや、そんなことより、私はななせ会長を救出してくる。監禁とはただ事ではないぞ!」

むつき「こんなこともあろうかと、会長には発信機をつけてあります。このレーダーで…」

やつね(第八条娘)「(唐突に、乱入)ここで明るい演説をひとつ! 世の中、お互い倒れるまでの喧嘩はあかん。よわっとるモンを殴り過ぎるのもあかん。協調が大事。社会貢献が大事。よーするに、過去を教訓にして未来をよくするのが大事。現在進行形の社会貢献を忘れたらあかん。誰かがダメなら、うちらがフォローする。今日できることが明日できなくても、明日は誰かができるようになっとる。なんでもかんでも自分のとこでやろうっちゅー考えが、余裕をなくすんや。胸を張って、みんなで、地道に信頼を取り戻す。ウチらは何がしたいん? 初心はなんや? 答は、この胸の中にある! それが商い人で、専門家なモンの、矜持っちゅーやつと違いますか? 矜持を捨てたら、つかさ先生のようになりまっせーっ! って、誰も聞いてないんかいっ」

とうあ「ふふふ…。やつねさんは、たまに、まじめなことをおっしゃりますね」

やつね「け、気配消して、背後に立つなーっ! な、なんかしらんがめっちゃ恥ずかしいこと聴かれた気分や! ほ、ほな、さいならーっ(脱兎モード)」

(おしまい)

  ☆

【おまけ】他の番外編から見た「事件」。

キミ教頭(薬剤師綱領原理主義)
 「薬剤師綱領には、揺るぎがありません」

(多様化の否定)
 「外国の倫理規定を導入しなきゃダメだ」

(薬剤師倫理規定、前文娘)
 「確固たる薬の倫理は、どこだおー!」

※「薬剤師綱領」には、倫理や法の話は書いてありません。

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JASDIのJASDIによるJASDIのための「専門薬剤師」認定?

This Bible is for the government of the people, by the people, and for the people.

Q.バナナは、おやつにふくまれますか?

Q.この認定資格は、医薬品情報を扱う能力の評価に含まれちゃうんですか?

  ☆

毎度おなじみ、『調剤と情報』の五月号。

巻頭のインタビューの感想を、とりとめなくテキトーに書いてみます。

  ☆

「がんや感染など各領域で専門薬剤師制度がつくられるなど、薬剤師の専門性発揮が求められている

という、主語が不明で、誰から「求められている」のかピンとこない、論文の出だしでよく見かける(※おおむね、論文執筆者本人が求めているか、執筆者本人が『世間はそうもとめているはずだ』と思い込んでいるか、回答誘導系アンケートや誰にも検証されていない論文の結果を取捨選択して『○○層は求めている』という結論に合致するようにしているか)自作自演?から始まる時点で、なんだか緊張してしまいます。

震災によって、「薬剤師は、なにもいわれなくても、今いる場所でできる最大の専門性を発揮する生き物である」ことが明らかになったので、

「薬剤師の専門性発揮が求められたとき」に大事なことは「環境への適応」であって、認定されているかどうかではない・・・という結論でいいんじゃないかと思いますが…

昨年の十月の段階では、JASDIは、そう考えなかったらしく。

『医薬品情報専門薬剤師』という民間認定資格をつくると言いだしました。

DI「専門」薬剤師。

まるで「毎月日経DIを読むことを宿命づけられた薬剤師」のようです。(たぶん違う)

インタビュー記事のJASDI会長によれば、「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師が必要」とのこと。

「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」が、「医薬品情報専門薬剤師」の基本形?のようです。

でも、その定義が示すのは、「普通の薬剤師」です。

普通の薬剤師は、医薬品情報全体を扱っています。扱っているんですってば。

大学の先生はどうなのか怖くて訊いたことがありませんが、大学の先生をしている薬剤師さんだって、病院勤務の薬剤師さんだって、映画『おとうと』に出てきた薬剤師さんだって、自宅警護員の薬剤師さんだって、薬剤師ならだれでも、建前上は、医薬品情報全体を扱っているはずです。

『医薬品情報の一部分しか扱いたくありません!』なんていう宣言をわざわざするような薬剤師は、まあ、めったにいないかと。

「医薬品情報全体を扱う役割を担っている薬剤師(普通の薬剤師)」であって、かつ「特定の治療領域の、より詳しい知識と技能をもっている(日々頻繁に活用している)」人たちが、『専門薬剤師』なのだと、筆者は思っていたのですが…違うのかな…。

あんまり我流だと、我流ゆえに誰にも読めぬっ、的に一般性がないので、ここは専門家の力を借ります。勉強します。『専門薬剤師』の定義についての、専門家の見解は…。

薬剤師認定制度認証機構(専門家)のホームページにあった議事録によると、

  ☆

2 認証機構が認証の対象とする認定制度の種類は以下の通りである。

【1】生涯研修認定制度(略号G):薬剤師職能の向上を目的とする各種の研修(講 義、実習、遠隔研修など)を企画、実施、及び評価し、成果に対して単位を給付する制度、及び、一定水準の生涯研修の記録に基づき成果の認定を行う制度をいう。実施母体を生涯研修プロバイダーと呼ぶ。

【2】特定領域認定制度(P):薬剤師の職能を高めるために、生涯研修の中で焦点を絞って、特定の分野・領域について適切に計画された学習を修めた成果を認定する制度をいう。実施母体の組織と運営、責任体制、必要な規程類、研修・認定の制度実施条件等については、現行の「薬剤師生涯研修プロバイダー」に求められる要件と同等の要件を満たしていることを原則とする。

【3】専門薬剤師認定制度(S):特定の疾患、診療領域あるいは特定患者領域を対象に、 薬学的専門知識を生かして保健、医療(特にチーム医療)、福祉に貢献できる能力を保証し、専門薬剤師として認定を行う制度をいう。

【4】その他の薬剤師認定制度(E):特定の能力・適性を持つ薬剤師を認定する制度で、上記の各制度に該当しないものをいう。

  ☆

ということなので、

1.「特定疾患」「診療領域」「特定患者領域」を対象にしていること
2.その個人の『能力』を保証すること
・・・が、『専門薬剤師』認定の定義。

『限定された「対象」に、「能力」を発揮できる、薬剤師個人』

それが、専門薬剤師。

インタビュー記事におけるJASDIの『医薬品情報専門薬剤師』は「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」でした。「医薬品情報専門薬剤師」が扱う対象である「医薬品情報全体」は、「特定の疾患、診療領域あるいは特定患者領域」の中に入っている…と言い張るのは、結構苦しいのでは?

【3】『専門薬剤師』の対象外で、「役割を担う」=「能力がある」と考えると、成果認定ではなく能力認定。これ、【4】『その他の薬剤師認定制度』に該当しそう。

…よーするに、「○○専門薬剤師」という名称はそぐわないってゆーか、使っちゃいけないよーな…。

なんとなく気になったので、もう少し、あれこれみてみます。

インタビューに載っていないあたりも。

  ☆

【JASDIによる「医薬品情報専門薬剤師」の定義】

以下の資質を有する薬剤師を医薬品情報専門薬剤師とする。

1.医薬品情報源の特性を理解し、その検索・調査ができ、その指導ができること。
2.医品情報を根拠に基づいて評価し、目的にあわせて加工し、提供ができること。
3.医薬品情報を活用するために必要なコミュニケーション、プレゼンテーション、ライティング能力を有すること。
4.適切な医薬品情報に基づき、医薬品開発、医薬品適正使用のための最適な判断(有効性と安全性を確保するための対策など)ができること。
5.医薬品情報に関連する教育、研究ができること。
6.医薬品情報に関連する医療制度、関連法規、専門用語について十分に理解していること。
7.医療倫理及び情報倫理(プロモーションコード、知的財産権の遵守など)を有していること。

  ☆

JASDI会長のインタビューコメントによれば、「臨床現場では、薬が関わるあらゆる背景を理解したうえで、医薬品情報を適切に収集・評価・加工・提供できる能力が求められています。そういった能力を持つ薬剤師を認定することで、医療に貢献できると考え、新しい専門薬剤師制度を立ち上げることになりました」とのこと。

でも、「薬が関わるあらゆる背景を理解」できる能力を、定義内では求めていません。

JASDI会長の言葉は、会長が本当にそう思っているのだとしたら、JASDIが定義したこと以上の能力を、会長の独断で求めているのかも。

「あらゆる」は、「盛り過ぎ」だと思います。「ちょっと大きな魚」を「世界一のデカイ魚」と言いたくなる気持ちだけ受け取っておきます。

JASDIが公表している『医薬品情報専門薬剤師』の正しい定義は、インタビュー記事における「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」という表現よりも、なんというか、かなりアカデミック寄りです。『初心者歓迎☆』と書かれた求人に魅かれて行ってみたら『いや、初心者っていっても、せめて△■○×(なんか高度な技能を想像してください)くらいはできないと』と真顔で怒られるシーンを想像してしまいました。

「医薬品情報専門薬剤師」が、定義通りの人だと認めることが「認定」。ということは、インタビュー記事の「医薬品情報全体を扱う役割を担う薬剤師」を認定するのではない?

定義通りであるかどうかを認めるために、ある程度客観的に判定する指標が、「認定要件」。インタビュー記事の定義らしきものとは異なっていたとしても、JASDIの「正しい定義」と「認定要件」は、がっちりかみ合っているはずです。

認定要件は、定義通りの人を選別できるのでしょうか。

それとも、「定義を超越した人」「定義に満たない人」を選別するのでしょうか。

  ☆

JASDIの「医薬品情報専門薬剤師」の認定要件は、以下の通り。

1.日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること

2.医薬品情報に関わる業務経験が通算5年以上であること

3.申請時において、日本医薬品情報学会の会員であり、本学会が指定する生涯教育セミナーに参加し、60単位以上(必修40単位以上を含む)を取得していること。

4.全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、医薬品情報領域における学会発表が2回以上(少なくとも1回は発表者であること)および複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に医薬品情報領域の学術論文が1編以上(筆頭筆者)、もしくは、学術論文2編以上(うち1編は筆頭者とする)があること。

5.各職域における医薬品情報に関わる教育、業務実績を証明できること

6.施設長。所属長などの推薦があること

7.上記、1~6)までの条件を満たした後、本学会が実施する認定試験に合格すること。

あるいは、「過渡的認定」(認定試験なし)で

1.日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

2.医薬品情報に関わる業務経験が通算5 年以上であること(所属長の証明が必要)。

3.申請時において、日本医薬品情報学会の会員であり、本学会が指定する生涯教育セミナーに参加し、120単位以上(必修80単位以上を含む)を取得していることこと。

4.全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、医薬品情報領域に関する学会発表が3回以上(すべてにおいて発表者もしくは、指導者であること)、複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に医薬品情報領域の学術論文が3編以上(2編は筆頭著者、もしくは指導者であること)の全てを満たしていること。

5.各職域における医薬品情報に関わる教育、業務実績を証明できること。

6.施設長、所属長等の推薦があること。

  ☆

この認定要件、かなりハードルが高いです。

まず、【要件1】により、『自ら「優れた見識を持っています」と言える薬剤師』でなければ認定されません。発展途上人間ばかりの「専門家」にとっては、ものすごく高いハードルです。(この要件、自薦ですよね?)

常に不安と危機感と自信の無さ(まだまだ知らないことがあるはずだ)の自覚を原動力にして活動している専門家。ふと「自分ってすごい!」と思った瞬間に「現状で満足した自分は、専門家として堕落してしまったのでは…?」とどんより気分になる、不思議な上昇スパイラル。「専門家(=めんどうくさい人たち)」にとっては、要件1のハードルは高すぎます。

そのうえ【要件6】。他人にも、「こいつは見識があるよ」と『こちらから依頼して』言ってもらわなければならないようです。こうなると、専門家は、ツンデレどころか、照れ照れです。恥ずかしくてひきこもりそうです。「お姉ちゃんが勝手に応募したのでオーディションに来ました」という状況でノーベル賞をもらうことには抵抗が無い「専門家」ですが、「自分から言いだして、お姉ちゃんに応募させて、オーディションに行く」ことは、まず、無理。自分で『業績を挙げたんだから、ノーベル賞をくれ』と言いに行きそうな専門家であるエジソンのことはおいとくとして。

【要件6】により、「こっそり持っていたい認定」という形には、させてもらえません。「あいつ、医薬品情報専門薬剤師の認定を受けるために、施設長の推薦を受けたらしいぜ」という話題がついてまわります。そこまでしておいて、認定試験に不合格だったりした場合、どうフォローしたものか、まわりが気遣っちゃいます。(余計な妄想)

【要件6】「施設長の推薦」って、【要件1】での「自称:高い見識を持つ薬剤師」を補完するための項目にも見えます。疑うくらいなら最初から自称させる要素を項目に入れなきゃいいのに。【要件1】って、「日本国の薬剤師である」という事実認定だけじゃ、だめなんでしょうか。

  ☆

【要件5】は、頑張って証明するだけなんでしょうけれど、医薬品情報に関する業績であるかどうかを誰が判断するのか曖昧。JASDIってことでいいんでしょうか。まさか、所属長の判断じゃ、ないですよね?

この認定では、業務の『実績』の「数」が重視されるようです

医薬品情報学会ホームページ上で確認できるQ&Aによれば、「業務経験」としての「実績」内容文書の提出は、10件分が必要とのこと。

実績に値する例示を眺めると、

『医薬品情報室の専任薬剤師として』
『厚生労働科学研究研究班への参画』
『講習会の講師』
『大学の講義』
『教科書』
『博士論文』
『国内外の安全情報の収集』
『インタビューフォーム等の作成』

…って、なんだか、「日常業務として行える人」が限られるキーワードが並びます。

これ、職域間のハードルの差が極端すぎます。同じ「医薬品情報専門薬剤師」の間で、かなりの「本当の専門」の差が生まれそう。

ふたりの「医薬品情報専門薬剤師」がいても、ひとりは「インタビューフォームづくりの専門家」で、もうひとりは「講習会慣れした専門家」。どうやって見分けるんでしょうね。(あ、こーゆーの、『特定看護師(仮称)』の認定要件に似ていますね。ひとつの認定によって全ての領域を網羅しようとしているのに、「認定を受ける人物が全ての領域の知識経験を身につけること」を認定要件から外すと、こうなります)

この「業務経験」は、「担当者に指示してやらせた」場合でもOKっぽいので、薬局長や社長や役員や教員といった「上司さん」に有利にできている感じ。したっぱの業績は偉い人の業績? →ドラマの中だけの話ですよね。

「数」が重要なので、ながーく継続している活動に対する評価はありません。10年間続けている活動も「業績1」とカウントされますし、30分の講演も「業績1」です。(なんちゃって。カウントの方法は、書いてないんですけれどね)

  ☆

【要件3】は、「60単位以上」とか「120単位以上」とかいうので、ものすごくたくさんの講習を受けているという意味かと思ったら、どうも、過渡的認定においては「過去12年」の『日本医薬品情報学会学術大会』に一回参加する度に10~20単位換算になるそうです。10単位×12=120単位。なるほど。

○第3項における本学会が指定するセミナー及び研修単位
1)セミナー
必修:医薬品情報学会主催 生涯教育セミナー受講(1日) 20単位
2)学術集会及び講演会
選択:本学会の主催する年次学術集会 出席(1日) 10単位
本学会の主催するフォーラム 出席5単位
選択:本学会の指定する関連学会の年次学術集会出席2単位

※ ただし、過渡的認定においては、過去12年の日本医薬品情報学会学術大会、フォーラムの出席については、出席を証明するものの添付により、必修単位として認める。

※ 本学会の指定する関連学会とは、以下のものをいう(五十音順)。
日本医療情報学会、日本医療薬学会、日本社会薬学会、日本薬学会、日本薬剤疫学会、日本薬剤師会学術大会、日本臨床薬理学会、Drug Information Association,International Pharmaceutical Federation

関連学会に「日本薬史学会」がないのが残念なのは筆者だけでしょうけれど、医薬品の歴史は医薬品情報にはいらないという判断なのか、単に学会間の仲が悪いだけなのか…。

まあ、それはいいとして。

少なくとも、一年に一回医薬品情報学会の学術大会に「参加(発表しなくてもいいようです)」していればクリア。昔から医薬品情報学会に参加している、いわゆる「古参」様が、俄然有利。【要件2】【要件5】と絡めると、医薬品情報学会学術大会の企画を毎年やっている役員がいたら、事例にも困らない仕様です。

より広い視野で幅広く情報を扱うことを推奨しているわりに、自前の学術大会や講習会の価値は、他の学会主催のものの2倍以上の価値があるという設定です。他の学会にどんどん行っている人のほうが、より広い視野で幅広く情報を扱っているんじゃないかと…違うのかな。

JASDIの学術大会にしか出没しない人(想定研修日数2日)とJASDI以外の関連9学会全部の学術大会に出没した人(想定研修日数20日)とで、研修単位は…ほぼ同じ? あれれれ???

プロレスのチャンピオンベルトの価値で考えると、「NoAHの選手だけで2回の防衛戦を行ったベルト」と「インディーもメジャーもごった煮で各団体あわせて20回の防衛戦を行ったベルト」とを比較したときに、前者のほうが価値があると言っているようなものです。仮に小橋選手が言うなら「その通りです」と認めてしまいそうですが、他団体のエース格が特色ある戦いを挑む図式で10倍の選手権試合を行ったとなれば、「ベルトの価値をとんでもなく高めたチャンピオンだ!」という話にならないですかね(←アイアンマンヘビーメタル級王座という例があるので、いまいち自信なし)。

  ☆

【要件4】は、地獄の関門です。

複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に医薬品情報領域の学術論文が3編以上(2編は筆頭著者、もしくは指導者であること)

・・・と言われても。

学会発表程度なら三回くらいちょちょいのちょい。でも、学術雑誌に論文を載せるという段になると、フツーのDI担当者にはハードル高すぎです。(そのくらい高いほうが燃える、という見方もできるので、この要件は、案外ナイスな要件なのかもしれません)

「複数査読制のある国際的・・・」のほうは遠くて諦めモード。「全国的」のほうも、具体的にどのあたりの雑誌のことを指しているのか…という点がはっきりしないのが難点。日経DIに記事(たとえば、DIクイズ)が載ったら、論文ってことにしてもらえるんでしょうか。(さすがにそれはないか)

裏道的には、「1編は、他人の論文に協力者として載せてもらえばOK。」「他の2編は、部下に書かせた論文を指導しましたって言えばOK。」という酷いことができそうな。いえ、当然、「できそうでも酷いことはやらない」のが研究者の矜持というものですから、やるわけがないです。はい。

これ、アンケート集計を手伝ったとか、そういうことでも「協力」、助言すれば「指導」…なのでしょうか?

漫画の編集者が、ちょっとベタを塗るのを手伝って、ちょっとアイデア出しを手伝ったら、「協力者」で「指導者」と言えちゃうかもしれないね、という。

論文すべてを自力で完成させる人と、

論文仲間を募って「一つのテーマを三つにわけて、三人で論文を三つ書こうぜ! それぞれの論文の筆頭と指導と協力者をわけあうんだ」という『三人で組もう! 限定じゃんけんでお互いにあいこを出し合えば必勝だ!』的な人と。(実際、学会発表で、この手の「筆頭者だけ変えて複数の発表だと言い張る」パターンは存在するわけですが…そういうパターンの発表者を全否定するための要件だとしたら、素晴らしい意気込みです)

【要件4】、立場や環境で、だいぶ、ハードルが変わりそうです。

誰を弾いて、誰を受け入れるハードルなのか。

高さがコロコロ変わるかもしれないハードル。安定感のないハードル。そのあたりが、不安です。

  ☆

【要件2】。ちょっと複雑。

細則によると、「医薬品情報に関わる業務」の経験が5年以上あることを記載した履歴書と『所属長の証明(申請者が五年以上医薬品情報に関わる業務をしていたという証明、ですよね?)』を提出するシステムのようです。【要件2】【要件5】は、業務経験の履歴を読んだ現在の所属長が「OKです」とハンコを押すシステム。現在の所属長が、過去の職歴を読んで、「それが正しい」かどうかをどう判断するのかは不明です。探偵の出番?

【要件2】で所属長の「証明」があって、さらに、【要件6】で所属長の「推薦」も必要。所属長がとてつもないキーパーソンであることは間違いありません。

事実認定と人物評価の両方をこなす、所属長。

所属している場所における「専任場所」を決めているのも所属長。学会発表や論文作成などを行える環境を整えているのも所属長。所属長と仲が悪かったら、この認定は申請できません。たぶん。

所属長さんが判断するにあたっての、「医薬品情報に関わる業務」の定義は、JASDIの決めた『細則』に載っています。

  ☆

○第2項における業務経験の範囲

・業務経験の領域は、医療・教育・行政など複数に渡っていてもかまわないこととするが、以下で言う「従事している」とは、専任(半日)以上とする。

・病院・診療所:医薬品情報管理室等において、採用薬評価、治験薬評価、採用薬の院内安全対策などに従事していること。業務の内容の50%相当以上が医薬品情報に関係していること。

・薬局・薬事情報センター:薬局等において医薬品情報担当(医薬品情報に関する教育を含む)を行っていること。また、薬事情報センターにおいて医薬品情報業務を行っていること。

・卸:卸業において、医薬品情報業務(医薬品情報部門、市販後調査部門)に従事していること。

・製薬企業:製薬企業において、医薬品情報業務(安全情報部門、学術・お客様相談部門、医薬品情報に関する教育部門など)に従事していること。

・行政:薬事行政において、医薬品にかかわる安全対策関連業務に従事していること。

・大学:教育現場において、医薬品情報学関連教育(薬学教育コアカリキュラムC15 及びD1 の中の医薬品情報に関する教育)を担当していること。医薬品情報関連実習を担当していること。または、医薬品情報に関する卒業論文、修士論文指導をしていること。

・情報センターなど:(財)日本医薬情報センターや(財)国際医学情報センターなどの情報機関において、医薬品情報に関連する業務に従事していること。

・その他:本学会が認定する職域・団体において医薬品情報に関連する業務に従事していること。

なお、上記の業務経験を記載した履歴書と所属長の証明を提出するものとする。

  ☆

「専任(半日)以上」&「○○していること」が大事な、【医薬品情報に関わる業務】の定義。

「○○していること」という表現は、「完了形」。

『過去に始まり、今現在も、○○している』ことが、必要かどうか。

それとも、『過去の一時期、やってました。今はやってません』でも良いのかどうか。

「○○していること」の定義次第で、この認定制度は「人物の能力認定ではない」ことになります。

仮に、「今現在もなんらかの医薬品情報に関する業務をしていること」を求められたら、現在の職場ありき、現在の職位ありき。…に、なっちゃいます。職場でDI担当からはずされたら、五年後(この認定の期間は五年)に、認定申請資格を失いそうなんですが…更新のときには関係ないのかな? 申請直前に配置換えになったら、申請できない…?

あるいは、昔あれこれと医薬品情報に関わる業務をしていて、「今はやっていなくてもよい」のなら、こんどは、「本当に申請者が医薬品情報に関わる業務をしていたのかどうかを、所属長が証明する」必要がどこにあるのかわかりません。昔は企業の医薬品情報担当者として五年以上辣腕をふるったけれど、今は退職して自宅でのんびりしている薬剤師にとっては、『所属長』なる人物が存在しませんし…。

よーするに、「今いる職場、今の担当業務に関わらず、能力を有する薬剤師を認定する」ことができない要件かなー・・・と。

  ☆

【ここまでのまとめ、プラスアルファ】

JASDIの「医薬品専門薬剤師」認定って、

1.薬剤師認定制度認証機構の「専門薬剤師」の定義とは異なる。

2.(「医薬品情報全体を扱う」わりに)個人個人の能力判定分野が異なっていても良い。

3.(「医薬品情報全体を扱う」のに、)JASDI主催講習の単位価値が飛びぬけて高い。

4.「医薬品情報に関する研究ができること」が「論文を学術雑誌に載せること」と同じ意味になっている。

…という状況っぽい。

「医薬品情報専門薬剤師」の認定要件のうち、

1.【要件1】は、「薬剤師として優れた見識を備えていること」の証明方法を細則に明記するか、「日本国の薬剤師である」という事実判定のみにしないのかな?

2.【要件6】は、必要ないんじゃないの?

3.「医薬品情報専門薬剤師」の『過渡的認定要件』は、撤廃したほうがいいんじゃないの?

  ☆

で、『認定要件は、「正しい定義」通りの人材を選出できるのか』という疑問の答えは…。

答:過渡的ではないほうの「正調」認定試験の内容はこれからつくるので、「認定試験でチェックするから大丈夫」。「今は存在しない理想的な試験が未来に存在すること」を担保にしたら、空論上は全て解決。証明終わり。

…。

「そのうち、ドラえもんが未来から来るから、あやとりばかりやっていて一切勉強をしなくても大丈夫☆」と小学四年生の野比のび太君(仮名)に言われたとき、JASDIの役員の方たちは、「そのとおり! いいこと言った!」と、手放しで肯定するのでしょうか。(いや、さすがに、しないでしょ)

存在しない認定試験のことは忘れます。

チェス盤をひっくり返して、認定される側の視点、『観客(『調剤と情報』のインタビュー記事を読んだ人や、JASDIの公表している定義を読んだ人)を納得させる認定要件かどうか』という視点で考えてみます。

「納得」。プロレスだったら、チャンピオンの勝利までの流れとフィニッシュホールドが説得力を持っている試合かどうか。関節技の女王の異名をとるチャンピオンが、何の意味もなくノーザンライトスープレックスで勝つ試合内容ではダメ。

「特定スタイルのチャンピオン」に必要なのは、「特定の立ち振る舞いと、特定のトークと、特定の試合内容」。お約束の入場、お約束の鉄板フレーズ、お約束のムーブ。そういったものが、【認定要件】。

ビールのがぶ飲みをしないストーンコールドとか、水芸を披露しないトリプルHとか、ダーってやらない猪木とか、そういうのに、観客はブーイングで「それ、キャラが違うーっ!」と示すわけです。

観客に「こういうものだ」と提示したら、観客が「こういうものだ」と言われたとおりに期待しているものを、期待している通りにやるのが大事。

『熊殺しの強豪』だと宣伝してしまったら、実際に殺した熊の毛皮くらいは羽織ってこないと、観客は納得しません。

プロレス的な喩えばかりだと微妙なので、「世界の歌姫来日!」「天才数学者!」「炸裂するハンドパワー!」「5秒に一度のサスペンス」といった謳い文句からイメージするものが、実際に見たら期待はずれだった時を想像してみましょう。

  ☆

【五年以上職場のDI関係担当を専任でしていて、日本医薬品情報学会に属し、講習会に年何回か行って、所属長との仲が悪くなくて、論文を書く薬剤師】

という【認定要件】は、

【医薬品情報源の特性を理解し、その検索・調査ができ、その指導ができ、医品情報を根拠に基づいて評価でき、目的にあわせて加工し、提供ができ、医薬品開発・医薬品適正使用のための最適な判断(有効性と安全性を確保するための対策など)ができ、教育・研究ができ、医療制度・関連法規・専門用語に詳しく、医療倫理及び情報倫理をもった、コミュニケーション・プレゼンテーション・ライティング能力を有する薬剤師】

という【定義】が示す「期待」どおりのものなのでしょうか。

『調剤と情報』のインタビュー記事では、認定要件について述べていますが、肝心の『JASDIの会員になってもらって』という点には、インタビュー内で触れていません。(認定要件の表に書いてあります。記事内に、「医薬品情報専門薬剤師」の正式な定義は、書いてありません。インタビューの発言には、「システム構築能力」「組織の運営に貢献する役割」という、定義から考えるとオーバースペックな能力や、「医薬品情報の扱いのエキスパート」という、あれ、それって普通の薬剤師のことでしょ?とツッコミがはいる新たな定義があるので、そのまま読めば誤解します。)

JASDIの示す『医薬品情報専門薬剤師』の定義には、どこにも、『医薬品情報学会の会員でなければならない』とは書いてありません。

観客は期待します。「なるほど、医薬品情報を、定義通りに扱う能力がある薬剤師なら、誰でも(医薬品情報学会に入っていなくても)、『医薬品情報専門薬剤師』になる資格があるんだ!」…と。

観客の期待を煽りに煽っておいてから、

「会員にならなきゃ、とれない認定です」「認定料は、各自ご確認ください」「古くからの会員は優遇されるシステムです」

…って、ことですよね、これ。

「AKB48のシークレットライブにご招待!」と煽って「当社の会員になっていただかないと」「会場入場料と旅費・宿泊費は別途で、各自ご用意ください」「古くからの会員様優遇です」…という、どっかでありそうな商法っぽく、なってませんか?

  ☆

素直に受け取れば、記事のタイトルにもある通り、「医療への貢献」。定義通りの薬剤師が活躍すれば、素晴らしいことです。

でも、筆者は、素直に受け取らなかったので、これを、「学会の会員増加と、学術大会参加者数の増加と、認定料収入のための認定になってしまった」と読みました。

JASDIの(会員だけが取得する)
JASDIによる(変な認定要件で行われる)
JASDIの(運営の)ための
「専門(といっていいのか疑問な)薬剤師」認定。

…そんな言葉が、浮かびました。

なんてゆーか、「はじめは『頑張っている人に勲章を授ける』程度の良いことをしようと思っていて、議論を始めてみたら、『みんながとれるように、認定の範囲を広げろ』だの、『ついでに自分たちの会が得になるようにしよう』だの、『せっかくだから専門薬剤師と名乗らせよう』だの、当初の理想からかけ離れたわけのわからないものができちゃって、いざ認定しようとしたら『試験をやったら、自分たちが認定されないかもしれない! てゆーか試験問題をつくるの、誰だよ』という空気に流されて『試験なしの過渡的処置の認定でも十分だよ!』というところまで認定の価値を落としても平気になっちゃった。なんでだろ」てなところでしょうか。

神の御子は、使徒である滅びの子(JUDAS)に裏切られ、学問の神は、弟子たちの会(JASDI)に裏切られ…そうな悪い予感。そうなりませんように。

(こーゆー流れで、社会薬学会が『社会薬学専門薬剤師』(←あほか)なんてのに着手しませんように)

  ☆

【おまけ1】

○認定の有効期間
認定の有効期間は、交付の日から5年とする。

○認定にかかわる諸費用
受験料 \10,000
認定審査料 \10,000
認定料 \20,000

  ☆

認定には、すくなくとも四万円かかります。

各種専門医や、「認定心理士」と同額程度だと考えれば安いのか、そうでもないのか、筆者はさっぱりわかりません。

更新料・更新認定基準については記載なし。

五年後に、また四万円かかるのかな…?

  ☆

【おまけ2】

※イギリスの「シニア・ファーマシスト」は病院薬剤師限定のグレード認定、つまり病院薬剤師における職位認定のよーだし、日本の「専門薬剤師」定義とは、考え方が違いますよね。イギリスの高グレード病院薬剤師についても「専門薬剤師」という訳し方になっている文章をいくつか読みましたが、これは、「病院内の各部署の専任薬剤師」と訳したらどうでしょうか。なんか、紛らわしいです。

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日薬→赤十字経由だけが寄付ではなくて。

若手薬剤師有志さんによる、ネット寄付のチャレンジページです。

http://justgiving.jp/c/1890

薬局に詰めていて、遠くの郵便局に行けない方、ご利用ください。

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日薬雑誌二月号:薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究の考察部分の不思議

このブログは「薬剤師倫理規定を擬人化して遊ぶブログ」なので、薬剤師倫理規定の話には食いつきます。ぱくりっ。

『医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業』、つまり研究に対して補助金出すよ、という国の企画がありまして、その中に、

『薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究』

がありました。補助金額は200万円。成果はだいぶ前に発表されています。

今回は、その成果について、日薬雑誌に「社団法人日本薬剤師会策定倫理規定条項と薬剤師の行動に対する国民の認識について考察した部分を抜粋して紹介」されたことについて。

とくに、その「考察」内容について、みていきます。

日薬雑誌がこれを載せたということは、この主張に対しての反論がなく、この主張を日薬会員に示したい!ということだと思い込んで。

日薬は厚労省とか総務省とかの役所が補助金を出した研究結果に関してはなんの検証もせずにそのまま「有難い経文」として受け取る傾向が強いので、リテラシーなんていう横文字とは無縁なんだなー、と感じているわけですが…。

  ☆

日薬雑誌の二月号51ページに「倫理規範」関連の記事があります。

ちょっとまとめると、

1.今(平成20年ごろ)は、「薬剤師倫理規定」の課題について、早急に検討する時期である。

2.この研究の目的は、『薬剤師が薬剤師法第一条に掲げられている薬剤師の任務を確実に遂行し、質の高い医療を担うとともに患者・国民から信頼されるための要素、特に倫理面の基本的要素を探り、薬学教育の中での医療専門職倫理に関する教育や行政処分を受けた薬剤師の再教育、さらに時代に即応する薬剤師の在り方等を考える際の参考となる基礎資料の作成』である。(長ッ!)

3.研究協力者は5名。研究者を含めた6名中、日薬雑誌編集担当者が3名。

ということです。

目的がこんがらがっているうえになんかヘンなので、これも整理しないとダメかなぁ…

  ☆

【目的の整理。ステップ1】

薬剤師が

薬剤師法第一条(薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする)に掲げられている

薬剤師の任務(=薬剤師法第一条)を

確実に遂行し、

質の高い医療(薬剤師倫理規定第4,5,7条)を担うとともに

患者・国民から信頼される(薬剤師倫理規定第10条)ための要素(謎)、

特に

「倫理面の基本的要素」(謎)を探り、

「薬学教育の中での医療専門職倫理に関する教育」

「行政処分を受けた薬剤師の再教育」

さらに

「時代に即応する薬剤師の在り方」(謎)

等を

(誰かが)考える際の

参考となる

基礎資料の作成

  ☆

【目的の整理。ステップ2】

薬剤師が

国民の健康な生活を確保し、

患者・国民から信頼されるための

『要素』があるはずだが、何かわからない。

大学と行政の倫理教育を調べて資料化して、

『要素』がわかった気になってみるのが目的。

  ☆

【目的の整理。ステップ3】

薬剤師が

「薬剤師倫理規定」を守るのに必要なことを調べ、

文書にする。

  ☆

うーん、なんか違うー。

整理しようとして、失敗したようです。

たぶん、この整理は正しくない・・・

  ☆

「調査結果」の考察は、『薬剤師倫理規定が望む薬剤師像と国民の認識とのギャップについて』おこなわれています。

「薬剤師倫理規定が望むというフレーズに、「擬人化」ブログとしては感慨深いものがあります。「薬剤師倫理規定が望む薬剤師像」というもの自体、薬剤師間でも認識のギャップが存在するのですが、そちらについては考慮されていないようです。学生実務実習の手引にある「注釈」を引用しているので、この研究グループにおいては、「注釈」の解釈が基本になっているようですね。

「注釈」についての疑問は昨年あれこれ書きました(→”『薬剤師倫理規定の注釈』の考察””10しす”、でググる)ので、ベースが「注釈」だと知った段階で、この記事を真剣に読むモチベーションがあやしくなってきました。いつもどおり、客観性皆無でお送りします。

なんで「薬剤師倫理規定で描かれている薬剤師像」と「国民の認識する薬剤師像」とのギャップではなく、「薬剤師倫理規定が望む薬剤師像」と「国民の認識」とのギャップを調べているのかなー、という疑問が、さっきからクルクルクルクル黄金の回転をしているのですが…まだ答はでてきません。

  ☆

【第三条】

薬剤師の厚労省への副作用報告制度の認知度の低さは、薬害防止への貢献に対する評価の低さとも関連すると思われた」と、この記事は述べています。

どう「関連すると思われる」のか、疑問。

別分野を想定した似たような設問をして、「航空会社の航空局への航空機材不具合報告制度の認知度の低さは、航空機事故防止への貢献に対する評価の低さとも関連すると思われた」という考察?が出てくるとは思えなくて。

いろいろな専門家の「報告制度」の有無を一般の方が知っているかどうかという設問ですからね…。知らないのが普通かと…。

第77条の4の2 医薬品、医薬部外品、化粧品若しくは医療機器の製造販売業者又は外国特例承認取得者は、その製造販売をし、又は承認を受けた医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器について、当該品目の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生、当該品目の使用によるものと疑われる感染症の発生その他の医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の有効性及び安全性に関する事項で厚生労働省令で定めるものを知つたときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に報告しなければならない。
 薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品又は医療機器について、当該品目の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害若しくは死亡の発生又は当該品目の使用によるものと疑われる感染症の発生に関する事項を知つた場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない

・・・で、報告「制度」が一般に知られていなくても、『副作用報告制度だけが、「薬害に貢献した」かどうかを認知する手段である』とはならないわけで・・・。

学校の教科書に、「薬剤師の○○な活動によって、○○による薬害は未然に防がれたのであった」という物語が書いてあったら、「ああ、薬害防止に貢献しているんだなぁ」と認知しますし、テレビドラマや映画で「薬剤師が薬害防止に貢献している」場面があっても認知します。たぶん。そうしたとき、報告制度を知らなくても、「薬剤師はこれまで薬害防止に貢献してきてるよね」と答えることができそうです。

また、「薬害防止に貢献したかどうか」と「副作用防止に貢献しているかどうか」では、だいぶニュアンスが異なります。中学生向け薬害資料の作成についての検討会議事録でも、薬害と副作用とはイコールではないと、はっきり明言されています。

  ☆

【第三条・その二】

「薬剤師は誠実な行動をしているか」というストレートな質問の考察として『「どちらともいえない」という答が五割弱を占めたが、第二条で謳われている「薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情をもって職能の発揮に努める』を肝に銘じて各種法規に精通し、遵守に努めることは最低限の義務である』と、この記事は述べています。(あれ? 「遵守に努める」って、何故か努力目標に変換してますが…薬剤師倫理規定第三条は「遵守する」ですよね…?)

「誠実な行動」って、迷います。「どちらともいえない」じゃ、ダメですか?

 誠実:私利私欲をまじえず、真心をもって人や物に接すること。

薬剤師って誠実だと思っていたのに裏切られた! という経験があれば、「誠実じゃない」と言いきれますが、そういう答は、6%くらい。「だいたい誠実ですよ」という印象の持ち主が50%ほど。残りが「どちらともいえない」。裏切られたこともなければ、信頼できると言えるほどの付き合いもない。ニュートラル。

おおざっぱに言えば、1000人中の94%の人たちは、『薬剤師は【不誠実ではない】、かな』と回答したということ。【不誠実だ】と言い切ったのが、6%。

記事では、「誠実な行動をしているように見えている」ことと「法規遵守」が関連するように書いてあります。

【法規を守っていない】ことは、不誠実に見える原因なのでしょうか。不誠実であれば、法規を守っていないのでしょうか。

「政治家は誠実な行動をとっていますか」という設問があったら、「どちらともいえない」と回答しますが、「どちらともいえない」という回答は「政治家は法規を遵守していないと思う」という意味になるのでしょうか。

法規を守ってさえいれば、誠実に見えるのでしょうか。

「土曜日曜に薬店に行ったら、『薬剤師不在のため第一種医薬品は販売できません』と書いてあった。」 これ、法規は守っていますけど、「誠実」にみえますか? (→答:「どちらともいえない」)

  ☆

【第四条】

近年薬剤師の認定制度は充実しつつあり、これらの制度に積極的に参加してその存在をアピールすることも認知・評価を高める上で重要であると思われた」と、この記事では述べています。

えーと、それって、たとえば、「日本薬剤師研修センターの認定薬剤師」だよ、とアピールしたらいいよね♪という話でしょうか…?

自己PRタイムかと思いました。

「認定制度」って、病院薬剤師会などの「専門」薬剤師制度や、他の研修プロバイダの研修制度のことですよね、きっと。

薬剤師みんなの胸に「○○認定薬剤師」と書いてあるからといって、一般の方から見たときの「専門知識と技能の習得に努めているね! 素晴らしい!」との評価につながるのかは・・・、「どちらともいえない」です。

薬局の看板に『世界チャンピオンの店』と書いてあったら、見てみたいな、とは思います。そこの薬剤師みんなが胸に称号をつけていたら、何かそういう制度があるのだろうな、とは感じます。そんな光景を見た直後に、「薬剤師は、専門知識と技能の習得に努めていると思いますか」という質問をされたら、「そう思う」と書きそうです。でも、なにか違わないですか、それ。

「薬剤師みんなが、専門知識と技能の習得に努めている」という印象を目指すのなら、「薬剤師の中で、認定制度に参加していない薬剤師は、専門知識と技能の習得に努めていない」かのように見える方向へ誘導するのは、まずくないですか?

  ☆

【第五条、第八条】

福祉・介護に関して薬剤師に相談したことのある人が1割だったから、福祉の領域において薬剤師の役割が発揮されていない」とか、「『薬剤師は病気の治療に取り組む時に支援してくれる』『他の医療職と連携している』の回答で「どちらともいえない」が4割前後あるから、【薬剤師が医療の担い手として職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない】」とか、「病院薬剤師が他の医療関係者と協力して薬の使用を考えていることを認知している人が3割だから、【薬剤師が医療の担い手として職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない】」筆者のアタマではついていけない結論ばかりが並びます。

薬剤師は福祉・介護に特化した「専門家」ではないので、相談するならケアマネさんとかになると思うんですが。王道ルートがあるのに薬剤師に相談するとしたら、1割もの方が相談してくれているなら「だいぶ貢献している」かもしれませんよ。

『支援してくれている』に対しての回答は、「そう思う」5%「まあそう思う」40%「どちらともいえない」45%「あまりそう思わない」8%「全くそう思わない」2%といったところ。

『連携している』に対しての回答は、「そう思う」8%「まあそう思う」45%「どちらともいえない」40%「あまりそう思わない」6%「全くそう思わない」1%といったところ。

支持してくれている人が支持してくれない人の4倍以上いて、支持してくれている人が全体の4割以上なのですが、これで『職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない』という結論に至るのは、どうしたことなんでしょうか。内閣支持率(日本的な支持率)で、支持率45%、不支持率10%、わからない45%だったら、『わりと高い支持率』になると思うんですが…。

病院薬剤師の具体的な職務はなぁに?と訊かれても、同じ薬剤師であっても、その病院にいないと詳しくは知らない【機密事項】っぽいもの。その一般認知度が三割だと『職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない』という結論に至るのは、どうしたことなんでしょうか。「あなたは、【執事】が他の使用人と協力して家の運営を考えていることを認知しているか」と訊かれたとき、「うーん、そうかもしれないけど、よくわからないなぁ」って、なりませんか?

薬剤師は、「治療の支援、医療連携」を「患者の目に見えないところで行う」場合が多い職能です。「患者の目に見えない」のが普通なのに、患者の目に見えないことが、「職能の最善を尽くしていないと考えている理由」になるというのでは、最初から、かなり不利な戦いです。情報が漏れたら国家の一大事だからとステルスの限りを尽くしているソリッド・スネークさんが完全ステルスで仕事を成し遂げたときに、『スネークさんがどんな仕事をしているか、見たことが無いから、スネークさんは職能の最善を尽くしていないと思いまーす』といった言われ方で「改善しろ」と迫られたら、次回からは、人質の安全など顧みず、ハリウッドスター並みの正面突破を選んじゃいそうです。「患者の目に見えるところで仕事を披露すること」って、薬剤師倫理規定第五条、第八条が薬剤師に求めていることなんでしょうか。

  ☆

【第六条】

記事では、「後発医薬品の選択(の説明)」を「今後貢献すべき事項」としていますが、これは「有効性及び安全性の確保」を求める第六条の趣旨とは異なるものです

また「お薬手帳の常時携帯」にからめて「患者の薬歴を一元的に管理する上で重要なツールであり、安全性確保の点からは(常時携帯の指導が)今後さらに注力すべき事項と考えられた」と、この記事は述べていますが、これ、「薬歴の一元的管理」を行うのは誰だと想定しているのでしょうか。患者さんですか? 薬剤師ですか?

市販薬購入経験者に対する『薬剤師が適切な市販薬を選択してくれた』割合が60%であることについては述べられていないのも、すごく気になります。薬剤師が「適切な」市販薬を選択してくれなかったと、40%の方が感じたとしたら…? あるいは「薬剤師以外が」適切な市販薬を選択してくれたと、40%の方が感じたとしたら…?

  ☆

【第七条】

「学校薬剤師の存在を知らず、薬剤師が災害時の救援にかかわっていることを知らない」という層が多いと、『薬剤師が未だに地域に密着した業務を行っているとは認識されていない』と示唆されるのだそうです。

薬剤師倫理規定第七条って、「地域密着」だけをすすめているわけではなくて、「地域医療の向上」に役に立つことならなんでもいいからやってみよう、ということなので、地域に密着しているかどうかだけを見て評価するのは、ヘンだと思います。(学校薬剤師や災害時活動も裏方的黒子的な仕事ですよね…わざわざ目に見えない貢献ばかりを尋ねる設問って、なにかを誘導していませんか?)

  ☆

【第九条】

薬剤師がプライバシーを保護していると考えている人は半数に達していない』ことが、『刑法134条や個人情報保護法に課せられた基本である』という薬剤師倫理規定第九条(守秘義務)に反しているような論調の短い記事。

守秘義務における「職務上知りえた秘密」と、条件付けのない「プライバシー」とを比較するのは、なんだか変。しかも、設問「薬剤師は、あなたのプライバシーを保護している」の答は、「そう思う」8%「まあそう思う」35%「どちらともいえない」50%「あまりそう思わない」5%「全くそう思わない」2%といったところ。「プライバシーを保護していない」という印象は、10%以下です。これは、なにか問題になるのでしょうか。個人情報保護法に対する薬局のスタンスは、各薬局に掲示してありますよね?

  ☆

【第十条】

今後、コミュニケーション技術をさらに向上させ、国民に「自分はいつでも相談できる薬剤師がいる」と言葉にしてもらえる薬剤師を一人一人が目指して努力することにより、品位ある行動及び誠実な行動を「どちらともいえない」とした層が「そう思う」層に変わるのではないかとの希望が見えた』のだそうです。

それ、たぶん、幻覚です。

記事では、前提として、「コミュニケーション技術の向上」を挙げています。

これは、「コミュニケーション技術」のようなもので「品位・誠実さ」があるように誤魔化そうという、品位が無い発想です。

全体的に、「とにかくアピールしないと、品位があるとか、誠実だとか、言われないよ!」と言いたそうです。黙って誠実にやっていた結果として、五割近い人からは、「だいたい誠実なんじゃないの?」という言葉をもらっているのですが…。何が不満なんでしょうか。(ここでも、記事では、品位・誠実さについて、「約半数がどちらともいえないと答えたが…」といった分析をしています)

  ☆

・・・と、まあ、ここまで一通り読んできて、すでに「この研究ってなんか意味あるのかな?」「設問と薬剤師倫理規定の対応がおかしくないか?」といった言葉が脳内を飛び交っています。

ここからは、「薬剤師専門職倫理とその規範に関する考察」に入ります。

まず、『我々は、現時点では薬剤師の役割として社会から認知されていることはその一部に限られており、倫理規範と薬剤師の社会に向けた行動とが一致していない可能性を感じた』と記事は述べています。

「倫理規範」って、「薬剤師の活動・役割の全てが社会的に認知されること」によって、「薬剤師の社会に向けた行動」と、一致するんですか? この判断基準、おかしくないですか? ものすごく優秀な教頭先生がいたとして、その役割の認知度次第で、「教頭先生の倫理規範と教頭先生の社会に向けた行動とが一致していない可能性を感じられる」…と断言されちゃうんでしょうか。

『平成9年に策定された現在の倫理規定は、当時予測されうる薬剤師の環境の変化を見据えた規定として、画期的なものであった』とのことですが、F.I.Pの倫理規定との関係については一切述べられていません。日薬が独自に「画期的」なものを創造したかのような書き方なのが気になります。平成9年以前の倫理規定についても触れないし。

考察は、こうまとめられます。

『薬剤師倫理規定が現存のままであったとしても、今後改訂されるとしても、各条の内容が確実に薬剤師に理解され、それに沿った行動を薬剤師が行えなければ真の意味での倫理規定にはなりえないことを付け加えたい。そのためには、今後、薬剤師の間で医療専門職としての倫理に関する議論が活発に行われることを期待したい』

・・・・・・・・・・・・・・・。

「関連法規を遵守し(第三条)、先人の業績を顕彰し(第四条)、品位と信用を損なう行為をせず、信義にもとる行為もしない(第十条)」という内容を、この記事の著者(研究者)である久保さんが常務理事をつとめる「日本薬剤師研修センター」が確実に理解し、それに沿った行動を行っていたならば、「Pharm.D(JPEC)」なんていう話は絶対に出ないと思うんですが・・・。少なくとも、久保さんが「確実に理解し、それに沿った行動を行って」いたならば、大反対するはずなんですが・・・。でも、そうしない・・・。

「薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」に載っている「薬剤師倫理規定の注釈」をベースにしていては、「各条の内容が確実に薬剤師に理解され」ないってことでしょうか。そういう注釈を、これからも実務実習生に読ませようというのですから、久保さんが提唱する『真の意味での倫理規定』への道を、久保さん自ら閉ざしている気が…。

更に。

「今後、薬剤師の間で倫理に関する議論が活発に行われることを期待」・・・っていう言葉が、あまりにも、「研究者」としての認識不足じゃなイカと思うのでゲソ。

この研究が開始された2008年の時点でも、薬剤師の間で、かなり、活発な議論は存在しました。その議論の成果として、例えば、日薬総会における代議員による質問があります。2010年の代議員会ではついに、誰にでもわかるように、「倫理倫理」と連呼されました。これでも、活発じゃないんでしょうか…。理想、高いなぁ…。あ、そうか、理想が高いということは、「認識不足」なのは、筆者ですね。孔明先生にはかないません。

・・・あれ? でも、そんなに高水準な議論をしたいのなら、日本薬剤師研修センター主催で、「倫理の議論をする勉強会」を開催すればいいのにね。

  ☆

【おまけ】

薬剤師倫理規定擬人化プロジェクト」が日薬の学術大会(滋賀)でポスター発表したのが2009年10月。そのときの「倫理」カテゴリーの発表はふたつでしたが、薬剤師倫理規定のド真ん中をとりあげたタイトルをつけてみた薬剤師倫理規定擬人化プロジェクトの「示説」の際に、日本薬剤師研修センターの人間は誰もこなかったし、特に質問もなかった記憶が・・・。「薬剤師倫理規定 議論」でググると出てくる「10しす」に、日本薬剤師研修センターの方からコメントをいただいたこともなさそうですし・・・。いえ、「議論しようぜ!」と、「デュエルしようぜ!」と同じノリでこられても、困っちゃいますけど。

【おまけ2】

「図7」の「コンピテンス(適格性・能力)」という文に、なんとなく違和感。

Competence(Knowledge,Skill,Attitude)って書いてあるのに、なんで「有能性(知識・技術・態度)」って書かないのカナ。

【おまけ3】

日薬雑誌には、「論文等投稿規定」があります。二月号では96ページ。

投稿原稿の種類に「To Editor(編集者への手紙)」というものがあり、『投稿原稿に対する意見などを述べる場合に投稿する。和文のみとし、600字以内(参考文献は3編以内)』となっています。「掲載料」として、「投稿した側」が1ページあたり2100円支払います。

今回の記事「薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究報告より」は、投稿原稿かどうかは不明(おそらくは編集委員会による依頼)です。

仮に投稿原稿であったとしても、意見を述べるとしたら、「審査結果の詳細については知らせない」という「編集委員会での採否」を経なければなりません。

・・・なんだか、すごく、面倒です。600字以内。大阪教育大学の【池田清彦・養老孟司「ほんとうの環境問題」を読んで、筆者の意見に対し、600字以内で反論する。】という小論文問題並みに難しいです。『読者コーナー』くらいの敷居の低さをプリーズ…。

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ぱくり:倫理擬人化キャラによる、今年の業界10大ニュース

水野むつき(第六条)「こんばんは。今年の10大ニュースのお時間です」

白峰とうあ(第十条)「今年もいろいろな事件がありました」

むつき「では、さっそく、発表しましょう」

  ☆

10大ニュース

1.『薬剤師国家試験出題基準に薬剤師倫理規定は記載されず』

2.『日本薬剤師研修センターが偽PharmD養成を電撃宣言』

3.『春発表予定のクリニカルラダー、発表されず』

4.『チーム医療推進会議がチーム医療を崩壊させそう』

5.『2010年調剤報酬改定、急転直下、無駄な明細書義務化』

6.『六年制薬学生実務自習、評価方法未定のまま敢行』

7.『タバコ値上。「国民の健康を守る」日薬はコメントせず』

8.『偏差値的に極端な大学たちが「薬剤師国家試験を簡単にしろ」というパブコメを提出』

9.『内服薬処方せん記載方法変更の指針は総すかん』

10. 『磯部っち、PMDAに異動』

選外

『がっちりアカデミーで露呈した日薬の広報力』

『田辺三菱製薬と大洋薬品が磯部っちを嘘つきにした』

『いまさら配合剤の投与日数変更の議論。去年やっとけ』

『藤井ユッキー、参院選当選しても相変わらず』

『事業仕分けの噂でウルシバタさんが嘘つきに』

『厚生労働省「覆面調査」報告書に反論しない日薬』

  ☆

むつき「以上が、今年の10大ニュースです」

とうあ「それでは、上位から解説してみますね」

1.『薬剤師国家試験出題基準に薬剤師倫理規定は記載されず』

むつき「薬剤師倫理規定擬人化のブログらしく、上位は倫理系の話題ですね」

とうあ「国家試験問題の出題基準に載るということは、必ず授業で教わるということですから、薬剤師倫理規定を授業で教わらなくてもよい、という解釈が可能になりますわ。国家試験に出題されないことを真剣に学ぶ学生さんは、それほどいないようですし…」

むつき「ある意味、薬剤師は、倫理的な質を試すことなく認定されるわけですね」

とうあ「次回の改定で日本薬剤師会がどのような見解をみせるのか、注目です。もっとも、次回改定まで、日本薬剤師会が存続しているかどうかのほうが心配ですが…」

2.『日本薬剤師研修センターが偽PharmD養成を電撃宣言』

むつき「これは大きいニュースが飛び込んできました」

とうあ「大学の先生たちにうかがうと、口をそろえて『クレイジーきわまりない』とおっしゃるのですが、正式に抗議した形跡はありません。みなさん大人なので、『ほんとに始めやがったら戦争ですよ』という覚悟を表に出さないようにつとめているのですわ」

むつき「http://degreemill.exblog.jp/12497947/などでディプロマミル論議が行われていくかもしれませんが、最大の問題点は、日本薬剤師研修センターの理事者に日薬会長がいることです」

とうあ「四年制卒業者が六年制卒業者と比較して同等であることを証明することが狙い…という思考そのものが、愚者の思考。日本薬剤師研修センターの幹部の皆様が「我々幹部は、六年制卒業生に及ばない、非常に低い程度の薬剤師ぞろいです」…と、ご自分で宣言していることに、お気づきでしょうか」

3.『春発表予定のクリニカルラダー、発表されず』

むつき「残念なニュースですね」

とうあ「この件は、夏の代議員会で、まったく触れられなかったようです。自らの立ち位置を自らの基準で明確化する試みなのですから、まずは発表し、その内容に対して日薬の役員がどれほど合致しているのかも含めたデモンストレーションを行うことで、自ら襟を正す姿勢を会員に示せるのですが…。」

4.『チーム医療推進会議がチーム医療を崩壊させそう』

むつき「チーム医療という言葉の定義から始めたほうがいいのではないか、という状況ですね。しかも、みなさん、お金のことは全く考えていないようです」

とうあ「派閥というチームを前提にする高度医療提供病院側が、明らかに勘違いしています。『ジャンプ漫画』と『もしドラ』を読んで、本当のチームというものについて一から勉強してもらいたいと、切に願います」

5.『2010年調剤報酬改定、急転直下、無駄な明細書義務化』

むつき「個人の希望を全人類に押し付けることが正当化される、悪い前例ですね」

とうあ「たとえば、『全ての焼き肉屋で、無料で10円の飴を配ることを義務化すべき』とか、『全てのカラオケボックスで、原価費用一切を明細にして渡すことを義務化すべき』といった個人の意見を通すようなものですわね。人前で裸になれと強要するような、品位のなさを感じます」

6.『六年制薬学生実務自習、評価方法未定のまま敢行』

むつき「とりあえずやってみたら問題が無かったのでメデタシ、という、非常にレベルの低いことを言う偉い方がいるようです。当初の『六年制が必要である理由』に立ち返っていただかないと」

とうあ「それは、一部の偉い方の教育者レベルが低いということでしょうか。残念です」

7.『タバコ値上。「国民の健康を守る」日薬はコメントせず』

むつき「薬剤師会は、過去、一億円以上を使って、タバコに関しての一面広告を出したわけですが…」

とうあ「薬剤師会は、会員とは相談も約束もせずに、勝手に国民と約束をすることが多いですね。執行部だけでも約束通りに行動していただけるのならまだしも、執行部が約束を守らない場合が大半となると、会員の失望はどれほどかと…」

8.『偏差値的に極端な大学たちが「薬剤師国家試験を簡単にしろ」というパブコメを提出』

むつき「東大や京大が試験問題を簡単にしたらどうなるのか、というネタに近いですね」

とうあ「通常は『入学定員に達したら、残りは不合格』ですが、薬剤師国家試験の場合は合格定員が存在しませんね。合格点数を上げるにしても、大きく変える場合は事前にアナウンスがないと、不公平だという声が必ず上がりますし…」

むつき「アナウンスしても不公平だと言われる昨今です」

9.『内服薬処方せん記載方法変更の指針は総すかん』

むつき「間違いが少なくなることを証明できる圧倒的な力をもった理論がないままに、今と異なる処方せん記載方法にすることが良いという思い込みに支配された議論が続きました」

とうあ「すでに記載方法については確定していて、その記載方法を守らない医師が問題であることも明らかであるのに、医師の責任を問わない線で議論された結果が、あの指針です。いまだに推進しようとしている方々は、視野が狭いか、某標準化団体に魂を売ったのか、あるいは…(以下略)」

10. 『磯部っち、PMDAに異動』

むつき「こっそり、出世街道をひたはしる暴れん坊です。PMDA職員に、評判を聞いてみたいところですね」

とうあ「面倒なので、日薬の専務理事にだけはならないで欲しいですね」

  ☆

むつき「以上、今年の10大ニュースでした。来年は倫理的に素敵な一年でありますように」

とうあ「ごきげんよう」

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夏の日薬代議員会その7『OTC調査に【極めて不愉快】』

日薬代議員会議事録読破の遊び。第七回。

今回は『厚労省の一般用医薬品販売制度定着状況調査』について。

  ☆

中島代議員
『覆面調査は信頼関係を損なう。信頼関係を損なわないやり方を提言しろ』

石井専務理事
『本調査の方法については、
極めて不愉快であり、抵抗感がある旨、重要事項経過報告で申し上げた。しかし、行政調査は、日薬と相談してやるものではない。日薬は以前より規制緩和に反対し、行動計画を実践してきて、対応が十分にできているという前提である。調査対象薬局の選び方が偏っている等、調査方法に不適当な点があれば当局に述べたい』

  ☆

「極めて不愉快」とは、なかなか思い切った表現なのか、とりあえず二カ月後には議員秘書に転職するからと観測気球的に言ってみただけなのか、よくわかりませんが…

いや、そんなに不愉快なら、薬事企画官に説教されたときに、もっと反論しておけばいいのにね。代議員の前では、なんか強気。内弁慶ってやつでしょうか。

「本調査の方法が極めて不愉快」という言葉も、なにを指すのか、よくわからないままです。覆面調査自体が悪い、なんてことはないと思いますが…。覆面調査自体がダメっていう意見の方も、代議員にちらほらいそうですし…うーん…。

  ☆

「対応が十分にできているという前提」が日薬側にあるのだから、そこを調査して、お役所に「うちらの会員は大丈夫だったもん!」と証明すればいいんです。でも、そのためには、覆面調査対象薬局がどこだったのかという情報を、厚労省からもらわないとダメです。検証のしようがありません。

検証のための情報をくれないで、反論できないようにしておいて、冤罪かもしれないのに「お前らやってなかったろ? あーん?」と説教する、厚労省。確かに、信頼関係を損ないます。説教するなら情報と時間をくれ。同情するならカネをくれ。

「日本全土の中学校からピックアップして500校に覆面調査を行った結果、校則を全部守ってない(ようにみえる)学校が多かった! だから、私立高校生徒は全員正座して反省文を書け!」と、文科省がやったら、どうなるのかなー、という…。(想像すると、「男組」とか「男大空」のような世界が生まれるイメージしか湧かない…マイナーどころだと番長系漫画あれこれ…)

で、これはいかん、信頼関係を損なわないやり方を提言しなさい、という前向きな意見が、せっかく代議員から出たわけですが…、

「調査方法に不適当な点があれば当局に述べたい」とのこと。

そこなのかなー。

これ、中島代議員の質問には、答えてないですよね。

「覆面調査をしたら、調査結果発表後に、調査内容を関係機関に公表して、検証する」というのが、信頼感を損ねないカタチのひとつですが…厚労省、来年も、同じ形式で、やる気満々ですからねぇ…。(ルールを「定着させたい」のか、「定着してないと文句を言いたい」のか、どっちなんでしょう。<厚労省)

  ☆

中島代議員
『現場では調査員が医薬品購入時に説明は不要とする旨を示唆する等、
「おとり調査」的なケースもあったと聞く。次に、今回の指摘原因は、会員側にあるのか、都道府県薬にあるのかを問う』

藤原常務理事
『今回の調査では、一般用医薬品を一定量取り扱っている店舗が主な対象とされ、調剤が主体の薬局の多くは除外されたと聞いている。会員の薬局以外も様々な店舗が調査されたはずだが、詳細は全く知らされていない(ので、原因を会員や県薬に求められない)。とりあえず、ちゃんとやろうぜ』

児玉会長
『私の薬局は父の代から一般用医薬品を長く取り扱っているが、そのようなモノの視点で捉えれば、
薬局業務が「一般用医薬品の販売」から「調剤」へ移行しすぎたことも、今回の結果の一要因と考える。薬局は、「一般用医薬品の販売」と「調剤」の両方に取り組むべきであることを再認識する必要がある。
 また、日薬と厚労省の信頼関係は大切と考えるが、同様に、消費者・生活者との信頼関係も極めて大切である。生活者から厳しく見られていることが判明したことは重要であり、我々はきちんと対応していることを示さなければならない。そして、
その際には「医薬品の対面販売」に反対している勢力の存在を認識する必要がある』

  ☆

今回の調査は、「調剤」関係の薬局の多くは除外された、と藤原常務理事が言ってます。

従って、児玉会長がいうような、「薬局業務が調剤へ移行しすぎた」ことが今回の結果の一要因である、という分析は、ものすごく的外れだと思いますが、日薬の会長がそういう認識なので、ふりまわされる周りが大変。

バランスの問題として考えるなら、まず「薬局」と「薬店」があるわけで、薬店が一般用医薬品の販売に力を注げば、薬局にのみ認められた「調剤」に力を入れるところが増えるのは当然の展開。国内全体としては、それでバランスがとれているわけですよ。

「薬局」しか見えてないから、躓くんです。

「薬剤師」を見ないと。

「オール薬剤師の組織」を目指すのなら、そういう視点が大事なんじゃないのかな~。

  ☆

それから~、「医薬品の対面販売に反対している勢力」って、なんですかね~。

「医薬品の対面販売はけしからんから、やめさせろ」っていうのが、「反対」ですよねー。

誰も、そんなこと言ってないし~。

「医薬品の対面販売をしないで医薬品を売りたいという勢力」は、まあ、ケンコーコムさんとか、楽天さんとか、わかりやすい感じでいますけどね。彼らだって、「対面販売はやめろ」なんて、言わないわけで。

児玉会長は、どんな謎の勢力とケンカしてるんでしょうか?(中二病的妄想モード)

コドモたちが、

「将来は日薬の会長みたいな素敵な大人になるんだ!」と憧れるような存在でいてほしいんですけれどねー…。

(会長が謎の勢力とバトルするマンガが日薬雑誌に連載されないかと、ワクワクしている筆者です)

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