第二条

日経DI9月号:特定看護師制度の議論の基礎知識。

日経DI9月号。

InsideOutsideのコラムに対する編集者のチェック不足については毎度のこと。

今回は、このブログでたびたび読んでいる『チーム医療推進会議』関連のネタ。

薬業界に精通した薬剤師』さんが自由に論じたことではありますが、フリーダムすぎる論について、あれこれ書いておきます。

コラムのタイトルは「特定看護師が処方するのも悪くない」。

あのコラムを読んで信じ込んじゃう人が出たとき、「誰も反論してなかったじゃん」ってなると、薬剤師倫理規定第二条・第六条的に、後悔しそう。日経DIのネタコラムを信じる人はいない…と言い切れないんですよね。読者コーナーあたりを読んでいると。

というわけで、今回の記事は、日経DI9月号を読むことができる人向けです。

内容は、転載・引用関係が面倒だから、あとで読んでおいてください。

日経DIを読めない環境の方にとっては、プチ「基礎知識講座」にしてみますが、いつもどおり、主観はいりこみすぎですから、ほどほどに活用してください。

  ☆

まずは、大前提。

特定看護師(仮称)とNPを混同している人が多すぎるので、最初に書いておきます。

まず、医療法・医師法などを改正しない限り、「処方箋を書くことができる唯一の職能は、医師である」のは、理解できますよね? 看護師さんについては、保助看法の第37 条で、医師の指示がなければ「診療機器を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をする」ことが禁止されています。つまり、「特定看護師(仮称)が処方箋を書く」ことは、該当する法律を変えない限り、絶対にありません。

更に。

特定看護師(仮称)の議論において、

「患者の状態に応じた薬剤の選択・使用」の「薬剤」は「すでに調剤された薬剤」です。

「選択・使用」は「医師の包括的指示のもとでの、すでに調剤された薬の、選択と使用」です。

これらの、審議会で何度も確認された基本がわかっている人なら、「特定看護師(仮称)が処方箋を書く」「特定看護師(仮称)が調剤をする」ことは絶対にないとわかりますよね?

『特定看護師(仮称)』は、「診察しない」「処方箋を書かない」「調剤をしない」という基本をおさえたうえで、「医師の包括的指示にしたがって動く」ものです。仮に医師が診察しろとか処方箋を書けとか調剤しろとか「指示」をしたとしても、できません。

仮に特定看護師(仮称)制度が実行されたとしても、特定看護師(仮称)制度は、『現状のグレー分類かつ安全度が高い医行為の追認を目的としている』ので、【すでにやっている、安全な医行為(白)】を一般看護師が行い、【すでにやっている、医師が監督指導すれば安全と言える医行為(グレー)】を特定看護師(仮称)だけが行うという話。

問題は、「白やグレーや黒の医行為の内容整理をしていない」こと。(あるいは、「内容整理をしたつもりになっていること」)

医行為の話の原点は、『現在すでに現場で行われている行為のうちで、はっきり白だといえないものについて、安全である行為ならば白と言おう。グレーと言われていても黒なものも黒と言おう。国が、責任を持って、そう言おう』という話です。そういった基準があれば、看護師さん全員が心配せずに動けますし、医師が無茶を言っても断れます。原点は、現場の看護師さんを守るための、とても優しい視点なのです。

真っ先にやるべき内容整理なしに、資格の議論ばかりをして、資格の範囲を当初の想定よりもどんどん広げていき、「行為自体が安全かどうか」ではなく「トライアルをやった一部の人材が行為を安全にできたかどうか」とか「自分でやったことはなくても誰かがやっているのを知っている人たちが【あれならできそう】と言った率が高いなら安全」という視点で試行事業を前のめりに進めていく…とやっていたのですから、医師会じゃなくても断固反対の姿勢を崩さないでしょう。

大事なのは、「今やっていることの、安全性の整理」。

看護師さんたちが、医師の業務範囲に今以上食い込んでいくような話ではありません。

ついでに言うと、

「特定看護師(仮称)」を「日本版NP」と解説するのは「Pharm.D(JPEC)」を「日本版Pharm.D」と解説するようなもの。

【「特定看護師(仮称)」がいる施設の報酬額が増える制度】という、報酬と絡めた理解も、現時点では誤り。

  ☆

前提が済んだので、いちいち指摘しなくてもコラムの内容の誤りは明らかだと思いますが、念のため、細かいことにもツッコミをいれておきます。

  ☆

誤りA.「3年ほど前から検討が進められている(十分議論をしたんだよ、的な)」

 「チーム医療推進会議」は平成22年度から。
 前身の、「チーム医療の推進に関する検討会(全11回)」は平成21年から。
 「チーム医療の推進に関する検討会」で特定看護師の議論がはじまったのはラスト三回前、平成22年1月から。

 → 『特定看護師(仮称)』については、三年も検討していない。一年半程度。それも平成23年6月のワーキンググループでは、委員ですら未だにイメージがバラバラだったことが露呈。
 → NP関連と混同している?

  ☆

誤りB.「特定看護師の原型はNP(だからNPのようなことができるはず)」

 米国のNPと、日本で使われるNPという呼称は、名称が同じでも違う意味。
 特定看護師の原型はNPだけではない。
 看護協会は「専門看護師の高度化」を要望していた。
 「専門看護師の延長線上の資格」「NPのような独立した新規のもの」「医師の小間使いのなんでも屋」など、バラバラなイメージのもとで一年ちかく議論をしていたが、看護ワーキンググループの合意として『NPにしない』『なんでも屋にしない』『業務独占・名称独占はしない』といったことは確定済み
 看護師側の『専門看護師の高度化』の流れと、一部医師側の『NP・PA創設』の流れとが、整理されないままに、『特定看護師(仮称)』という名称だけが独り歩きしている。
 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会の連名の要望書は、『外科医の不足といったことを背景として、外科医とともに周術期管理を協働する、医師と看護師の中間レベルの非医師高度診療師であるnurse practitioner(NP)、およびphysician assistant(PA)の養成』。診療行為を前提としていない、周術期管理に特化した、「協働」の仕事なので、最初の要望段階から、米国のNPとは大きく違う。
 日本NP協議会の要望書ですら、米国のNPと同じ行為ができるような業務拡大(※NP自体が存在しないけれど業務拡大って書いてあるんですよ)までは書かれていない。

 → 診察処方を行う米国型NPを紹介しても特定看護師(仮称)とは異なる。
 → 特定看護師によって書かれた処方箋を妄想するのは自由。
 → 米国のNPを紹介することで特定看護師(仮称)の仕事を想起させるのは不適切

  ☆

誤りC.「特定看護師制度が実現しないのは日本医師会が反対するから」

 議論当初の、日本医師会の羽生田常務理事の発言によれば、「特定看護師(仮称)を一般の看護師と区分して位置づけた上で、「例えば『診療の補助』として行われる行為のうち特定の医行為については、特定看護師(仮称)のみが実施し得るものとする等の方向で法制化すべきである」と。この文言からすると、もう法制化が目の前にあって、それに向かって話を進めていくということになる。ここで報告書を書いていただくためには、こういったものを法制化も含めて検討するとか、いろいろなことを検討した上で、やはり法制化が必要だという結論になれば当然法制化ということも考えなければいけないですが、いちばん最初の括りのところから来た場合には、ここでいきなり「法制化すべきである」という文言は書きすぎではないかと考えております。また、特定看護師というものを一般看護師と区別してと言っている意味はよくわかりますが、資格として動いた場合には、各地域で医療行為ができなくなる場所がいっぱい出てくる。特定看護師不足が起きます。いままではチーム医療の中で医師の包括的指示の下にチーム医療の中で行われた行為が、特定看護師という資格を持っていなければできないことになったら、特定看護師の不足で医療行為が実際にできなくなるという問題がいっぱい起きてくる。これは必然的に起きてくるということで、この辺を考えていただきたいと思っております。以上です。」(第10回 チーム医療の推進に関する検討会議事録より)とある。
 その後の議論でも、『そんな特別なモノをつくらなくても、グレーな部分を(通知等で)ある程度白くしてもらえればいいし、チーム医療であるのだから看護師だとグレーなものを他の専門職に任せれば白くなるならそれでいいし、ダメな部分、濃いグレーや黒の部分は医師がやるし。それとも、法律を変えるつもりなの? 法律を変えるという前提が無いのに、法律に違反することを言わないでよ』という、当たり前のことを言っているだけ。
 『法律は変えないけれど、濃いグレーや黒の部分もなんとかして看護師にやらせたい』と考える医師の考え方と、『法律を変えないなら、責任を重視して、職能の当然の行為として自らやろう』と考える医師の差。

 → 『特定看護師(仮)』が実現しないのを≪議論開始当初から日本医師会が断固反対の姿勢を崩していないから≫と、素晴らしい制度に対して既得権益者が私益だけで反対するような表現をするのは不適切。制度設計そのものに、かなり問題がある。つまり「素晴らしいと言える制度になっていない」。
 → 厚労省や議事運営側の『資格創設ありき』な姿勢にも問題がある。

  ☆

誤りD.「特定看護師が増えることで、特定看護師は医師の業務に食い込む。今後余っていく薬剤師が、現在看護師が肩代わりしている薬剤業務に参画できる」

 薬剤師が余っていくのなら、「専門家の人手不足により現在看護師がやむなく行っている専門家が行ったほうが良い業務」は、特定看護師とは関係なく、各種専門家の手に渡る。
 チーム医療推進会議の議論のひとつは、「専門家の活用により、医師・看護師の過剰な業務範囲を改める」こと。そのために薬剤師も含めた各種専門職が行う業務範囲の拡大も答申されている。
 また、前提でも述べたように、医行為については現状の追認がされるだけなので、特定看護師は医師の業務に今以上食い込むことはない。特定看護師(仮称)が生まれても、「空いたスペースに薬剤師が自動的に入れてもらえる」ようなことはない。

(そもそもコラムの書き手は特定看護師(仮称)の増え方をどの程度だと想定しているのか、不安です。経験年数がある程度ある熟練者が大学院卒業相当のカリキュラムを二年近く受ける設定(六月のワーキンググループ座長案では8か月案もあります。二通りのなり方あるような事態が認められるかどうかは今後の議論次第)なので、専門看護師と同等かそれ以上の少数精鋭にしかなりえないのでは? また、薬剤師が余っていくという話も、六年制薬学生の六年生在籍人数=現役で国家試験受験をする可能性のある最大数を確認してから…ね)

 → 特定看護師が全く生まれなくても、薬剤師業務は拡大する。
 → 看護業務の担い手不足の補完ではなく、本来業務の引き受け。
 → 薬剤師が余るかどうかは不明。

  ☆

誤りF.「看護師の配置カウント数に薬剤師を入れると病院の薬剤師配置基準見直しよりも断然話が早くすすむ」

 この提案は、様々な法律を根本的に変えないと実現しない。
 他の専門職に、この提案を当てはめてみれば、想像できるはず。
 また、他職種の配置基準数に含められることを自ら求めるのは、職能独立の放棄。
 看護師さん側にも、ものすごく失礼な話。

 → この提案を薬剤師がするという時点で驚き。
 → 書き方の問題ではない。これは職能の矜持を捨てる意見。

  ☆

誤りG.「薬剤師は「調剤(調剤だけで)」で医療を支えることを求められている」

 (これは、『調剤だけで』と読める論調なので、あえて挙げてみました)

 薬剤師しか調剤はできませんが、調剤以外のこともできるのが薬剤師。
 「調剤以外のことも含めて、医療を支える」。
 OTC販売では処方箋による調剤行為は存在しない。でも、これも仕事の一つ。
 薬剤師倫理規定第一条、薬剤師法第一条を参照のこと。

 「薬剤師が処方しない」ことは「看護師が処方していい」ことには、つながらない。
 医師しか処方できない。

 → コラムの理屈が通るなら、薬剤師以外なら、誰が処方しても良いことになります。
 → 「調剤をはじめ、医薬品の供給、その他薬事衛生」。

  ☆

どうでもいいツッコミも混ぜちゃいましたけれど、

だいたい、このあたりが、「基礎知識」、議論の前提になるかと思います。

足りない部分は、各自補完してくださいませ~。

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日薬雑誌二月号:薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究の考察部分の不思議

このブログは「薬剤師倫理規定を擬人化して遊ぶブログ」なので、薬剤師倫理規定の話には食いつきます。ぱくりっ。

『医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業』、つまり研究に対して補助金出すよ、という国の企画がありまして、その中に、

『薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究』

がありました。補助金額は200万円。成果はだいぶ前に発表されています。

今回は、その成果について、日薬雑誌に「社団法人日本薬剤師会策定倫理規定条項と薬剤師の行動に対する国民の認識について考察した部分を抜粋して紹介」されたことについて。

とくに、その「考察」内容について、みていきます。

日薬雑誌がこれを載せたということは、この主張に対しての反論がなく、この主張を日薬会員に示したい!ということだと思い込んで。

日薬は厚労省とか総務省とかの役所が補助金を出した研究結果に関してはなんの検証もせずにそのまま「有難い経文」として受け取る傾向が強いので、リテラシーなんていう横文字とは無縁なんだなー、と感じているわけですが…。

  ☆

日薬雑誌の二月号51ページに「倫理規範」関連の記事があります。

ちょっとまとめると、

1.今(平成20年ごろ)は、「薬剤師倫理規定」の課題について、早急に検討する時期である。

2.この研究の目的は、『薬剤師が薬剤師法第一条に掲げられている薬剤師の任務を確実に遂行し、質の高い医療を担うとともに患者・国民から信頼されるための要素、特に倫理面の基本的要素を探り、薬学教育の中での医療専門職倫理に関する教育や行政処分を受けた薬剤師の再教育、さらに時代に即応する薬剤師の在り方等を考える際の参考となる基礎資料の作成』である。(長ッ!)

3.研究協力者は5名。研究者を含めた6名中、日薬雑誌編集担当者が3名。

ということです。

目的がこんがらがっているうえになんかヘンなので、これも整理しないとダメかなぁ…

  ☆

【目的の整理。ステップ1】

薬剤師が

薬剤師法第一条(薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする)に掲げられている

薬剤師の任務(=薬剤師法第一条)を

確実に遂行し、

質の高い医療(薬剤師倫理規定第4,5,7条)を担うとともに

患者・国民から信頼される(薬剤師倫理規定第10条)ための要素(謎)、

特に

「倫理面の基本的要素」(謎)を探り、

「薬学教育の中での医療専門職倫理に関する教育」

「行政処分を受けた薬剤師の再教育」

さらに

「時代に即応する薬剤師の在り方」(謎)

等を

(誰かが)考える際の

参考となる

基礎資料の作成

  ☆

【目的の整理。ステップ2】

薬剤師が

国民の健康な生活を確保し、

患者・国民から信頼されるための

『要素』があるはずだが、何かわからない。

大学と行政の倫理教育を調べて資料化して、

『要素』がわかった気になってみるのが目的。

  ☆

【目的の整理。ステップ3】

薬剤師が

「薬剤師倫理規定」を守るのに必要なことを調べ、

文書にする。

  ☆

うーん、なんか違うー。

整理しようとして、失敗したようです。

たぶん、この整理は正しくない・・・

  ☆

「調査結果」の考察は、『薬剤師倫理規定が望む薬剤師像と国民の認識とのギャップについて』おこなわれています。

「薬剤師倫理規定が望むというフレーズに、「擬人化」ブログとしては感慨深いものがあります。「薬剤師倫理規定が望む薬剤師像」というもの自体、薬剤師間でも認識のギャップが存在するのですが、そちらについては考慮されていないようです。学生実務実習の手引にある「注釈」を引用しているので、この研究グループにおいては、「注釈」の解釈が基本になっているようですね。

「注釈」についての疑問は昨年あれこれ書きました(→”『薬剤師倫理規定の注釈』の考察””10しす”、でググる)ので、ベースが「注釈」だと知った段階で、この記事を真剣に読むモチベーションがあやしくなってきました。いつもどおり、客観性皆無でお送りします。

なんで「薬剤師倫理規定で描かれている薬剤師像」と「国民の認識する薬剤師像」とのギャップではなく、「薬剤師倫理規定が望む薬剤師像」と「国民の認識」とのギャップを調べているのかなー、という疑問が、さっきからクルクルクルクル黄金の回転をしているのですが…まだ答はでてきません。

  ☆

【第三条】

薬剤師の厚労省への副作用報告制度の認知度の低さは、薬害防止への貢献に対する評価の低さとも関連すると思われた」と、この記事は述べています。

どう「関連すると思われる」のか、疑問。

別分野を想定した似たような設問をして、「航空会社の航空局への航空機材不具合報告制度の認知度の低さは、航空機事故防止への貢献に対する評価の低さとも関連すると思われた」という考察?が出てくるとは思えなくて。

いろいろな専門家の「報告制度」の有無を一般の方が知っているかどうかという設問ですからね…。知らないのが普通かと…。

第77条の4の2 医薬品、医薬部外品、化粧品若しくは医療機器の製造販売業者又は外国特例承認取得者は、その製造販売をし、又は承認を受けた医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器について、当該品目の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生、当該品目の使用によるものと疑われる感染症の発生その他の医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の有効性及び安全性に関する事項で厚生労働省令で定めるものを知つたときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に報告しなければならない。
 薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品又は医療機器について、当該品目の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害若しくは死亡の発生又は当該品目の使用によるものと疑われる感染症の発生に関する事項を知つた場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない

・・・で、報告「制度」が一般に知られていなくても、『副作用報告制度だけが、「薬害に貢献した」かどうかを認知する手段である』とはならないわけで・・・。

学校の教科書に、「薬剤師の○○な活動によって、○○による薬害は未然に防がれたのであった」という物語が書いてあったら、「ああ、薬害防止に貢献しているんだなぁ」と認知しますし、テレビドラマや映画で「薬剤師が薬害防止に貢献している」場面があっても認知します。たぶん。そうしたとき、報告制度を知らなくても、「薬剤師はこれまで薬害防止に貢献してきてるよね」と答えることができそうです。

また、「薬害防止に貢献したかどうか」と「副作用防止に貢献しているかどうか」では、だいぶニュアンスが異なります。中学生向け薬害資料の作成についての検討会議事録でも、薬害と副作用とはイコールではないと、はっきり明言されています。

  ☆

【第三条・その二】

「薬剤師は誠実な行動をしているか」というストレートな質問の考察として『「どちらともいえない」という答が五割弱を占めたが、第二条で謳われている「薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情をもって職能の発揮に努める』を肝に銘じて各種法規に精通し、遵守に努めることは最低限の義務である』と、この記事は述べています。(あれ? 「遵守に努める」って、何故か努力目標に変換してますが…薬剤師倫理規定第三条は「遵守する」ですよね…?)

「誠実な行動」って、迷います。「どちらともいえない」じゃ、ダメですか?

 誠実:私利私欲をまじえず、真心をもって人や物に接すること。

薬剤師って誠実だと思っていたのに裏切られた! という経験があれば、「誠実じゃない」と言いきれますが、そういう答は、6%くらい。「だいたい誠実ですよ」という印象の持ち主が50%ほど。残りが「どちらともいえない」。裏切られたこともなければ、信頼できると言えるほどの付き合いもない。ニュートラル。

おおざっぱに言えば、1000人中の94%の人たちは、『薬剤師は【不誠実ではない】、かな』と回答したということ。【不誠実だ】と言い切ったのが、6%。

記事では、「誠実な行動をしているように見えている」ことと「法規遵守」が関連するように書いてあります。

【法規を守っていない】ことは、不誠実に見える原因なのでしょうか。不誠実であれば、法規を守っていないのでしょうか。

「政治家は誠実な行動をとっていますか」という設問があったら、「どちらともいえない」と回答しますが、「どちらともいえない」という回答は「政治家は法規を遵守していないと思う」という意味になるのでしょうか。

法規を守ってさえいれば、誠実に見えるのでしょうか。

「土曜日曜に薬店に行ったら、『薬剤師不在のため第一種医薬品は販売できません』と書いてあった。」 これ、法規は守っていますけど、「誠実」にみえますか? (→答:「どちらともいえない」)

  ☆

【第四条】

近年薬剤師の認定制度は充実しつつあり、これらの制度に積極的に参加してその存在をアピールすることも認知・評価を高める上で重要であると思われた」と、この記事では述べています。

えーと、それって、たとえば、「日本薬剤師研修センターの認定薬剤師」だよ、とアピールしたらいいよね♪という話でしょうか…?

自己PRタイムかと思いました。

「認定制度」って、病院薬剤師会などの「専門」薬剤師制度や、他の研修プロバイダの研修制度のことですよね、きっと。

薬剤師みんなの胸に「○○認定薬剤師」と書いてあるからといって、一般の方から見たときの「専門知識と技能の習得に努めているね! 素晴らしい!」との評価につながるのかは・・・、「どちらともいえない」です。

薬局の看板に『世界チャンピオンの店』と書いてあったら、見てみたいな、とは思います。そこの薬剤師みんなが胸に称号をつけていたら、何かそういう制度があるのだろうな、とは感じます。そんな光景を見た直後に、「薬剤師は、専門知識と技能の習得に努めていると思いますか」という質問をされたら、「そう思う」と書きそうです。でも、なにか違わないですか、それ。

「薬剤師みんなが、専門知識と技能の習得に努めている」という印象を目指すのなら、「薬剤師の中で、認定制度に参加していない薬剤師は、専門知識と技能の習得に努めていない」かのように見える方向へ誘導するのは、まずくないですか?

  ☆

【第五条、第八条】

福祉・介護に関して薬剤師に相談したことのある人が1割だったから、福祉の領域において薬剤師の役割が発揮されていない」とか、「『薬剤師は病気の治療に取り組む時に支援してくれる』『他の医療職と連携している』の回答で「どちらともいえない」が4割前後あるから、【薬剤師が医療の担い手として職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない】」とか、「病院薬剤師が他の医療関係者と協力して薬の使用を考えていることを認知している人が3割だから、【薬剤師が医療の担い手として職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない】」筆者のアタマではついていけない結論ばかりが並びます。

薬剤師は福祉・介護に特化した「専門家」ではないので、相談するならケアマネさんとかになると思うんですが。王道ルートがあるのに薬剤師に相談するとしたら、1割もの方が相談してくれているなら「だいぶ貢献している」かもしれませんよ。

『支援してくれている』に対しての回答は、「そう思う」5%「まあそう思う」40%「どちらともいえない」45%「あまりそう思わない」8%「全くそう思わない」2%といったところ。

『連携している』に対しての回答は、「そう思う」8%「まあそう思う」45%「どちらともいえない」40%「あまりそう思わない」6%「全くそう思わない」1%といったところ。

支持してくれている人が支持してくれない人の4倍以上いて、支持してくれている人が全体の4割以上なのですが、これで『職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない』という結論に至るのは、どうしたことなんでしょうか。内閣支持率(日本的な支持率)で、支持率45%、不支持率10%、わからない45%だったら、『わりと高い支持率』になると思うんですが…。

病院薬剤師の具体的な職務はなぁに?と訊かれても、同じ薬剤師であっても、その病院にいないと詳しくは知らない【機密事項】っぽいもの。その一般認知度が三割だと『職能の最善を尽くしていると考えている人が多くない』という結論に至るのは、どうしたことなんでしょうか。「あなたは、【執事】が他の使用人と協力して家の運営を考えていることを認知しているか」と訊かれたとき、「うーん、そうかもしれないけど、よくわからないなぁ」って、なりませんか?

薬剤師は、「治療の支援、医療連携」を「患者の目に見えないところで行う」場合が多い職能です。「患者の目に見えない」のが普通なのに、患者の目に見えないことが、「職能の最善を尽くしていないと考えている理由」になるというのでは、最初から、かなり不利な戦いです。情報が漏れたら国家の一大事だからとステルスの限りを尽くしているソリッド・スネークさんが完全ステルスで仕事を成し遂げたときに、『スネークさんがどんな仕事をしているか、見たことが無いから、スネークさんは職能の最善を尽くしていないと思いまーす』といった言われ方で「改善しろ」と迫られたら、次回からは、人質の安全など顧みず、ハリウッドスター並みの正面突破を選んじゃいそうです。「患者の目に見えるところで仕事を披露すること」って、薬剤師倫理規定第五条、第八条が薬剤師に求めていることなんでしょうか。

  ☆

【第六条】

記事では、「後発医薬品の選択(の説明)」を「今後貢献すべき事項」としていますが、これは「有効性及び安全性の確保」を求める第六条の趣旨とは異なるものです

また「お薬手帳の常時携帯」にからめて「患者の薬歴を一元的に管理する上で重要なツールであり、安全性確保の点からは(常時携帯の指導が)今後さらに注力すべき事項と考えられた」と、この記事は述べていますが、これ、「薬歴の一元的管理」を行うのは誰だと想定しているのでしょうか。患者さんですか? 薬剤師ですか?

市販薬購入経験者に対する『薬剤師が適切な市販薬を選択してくれた』割合が60%であることについては述べられていないのも、すごく気になります。薬剤師が「適切な」市販薬を選択してくれなかったと、40%の方が感じたとしたら…? あるいは「薬剤師以外が」適切な市販薬を選択してくれたと、40%の方が感じたとしたら…?

  ☆

【第七条】

「学校薬剤師の存在を知らず、薬剤師が災害時の救援にかかわっていることを知らない」という層が多いと、『薬剤師が未だに地域に密着した業務を行っているとは認識されていない』と示唆されるのだそうです。

薬剤師倫理規定第七条って、「地域密着」だけをすすめているわけではなくて、「地域医療の向上」に役に立つことならなんでもいいからやってみよう、ということなので、地域に密着しているかどうかだけを見て評価するのは、ヘンだと思います。(学校薬剤師や災害時活動も裏方的黒子的な仕事ですよね…わざわざ目に見えない貢献ばかりを尋ねる設問って、なにかを誘導していませんか?)

  ☆

【第九条】

薬剤師がプライバシーを保護していると考えている人は半数に達していない』ことが、『刑法134条や個人情報保護法に課せられた基本である』という薬剤師倫理規定第九条(守秘義務)に反しているような論調の短い記事。

守秘義務における「職務上知りえた秘密」と、条件付けのない「プライバシー」とを比較するのは、なんだか変。しかも、設問「薬剤師は、あなたのプライバシーを保護している」の答は、「そう思う」8%「まあそう思う」35%「どちらともいえない」50%「あまりそう思わない」5%「全くそう思わない」2%といったところ。「プライバシーを保護していない」という印象は、10%以下です。これは、なにか問題になるのでしょうか。個人情報保護法に対する薬局のスタンスは、各薬局に掲示してありますよね?

  ☆

【第十条】

今後、コミュニケーション技術をさらに向上させ、国民に「自分はいつでも相談できる薬剤師がいる」と言葉にしてもらえる薬剤師を一人一人が目指して努力することにより、品位ある行動及び誠実な行動を「どちらともいえない」とした層が「そう思う」層に変わるのではないかとの希望が見えた』のだそうです。

それ、たぶん、幻覚です。

記事では、前提として、「コミュニケーション技術の向上」を挙げています。

これは、「コミュニケーション技術」のようなもので「品位・誠実さ」があるように誤魔化そうという、品位が無い発想です。

全体的に、「とにかくアピールしないと、品位があるとか、誠実だとか、言われないよ!」と言いたそうです。黙って誠実にやっていた結果として、五割近い人からは、「だいたい誠実なんじゃないの?」という言葉をもらっているのですが…。何が不満なんでしょうか。(ここでも、記事では、品位・誠実さについて、「約半数がどちらともいえないと答えたが…」といった分析をしています)

  ☆

・・・と、まあ、ここまで一通り読んできて、すでに「この研究ってなんか意味あるのかな?」「設問と薬剤師倫理規定の対応がおかしくないか?」といった言葉が脳内を飛び交っています。

ここからは、「薬剤師専門職倫理とその規範に関する考察」に入ります。

まず、『我々は、現時点では薬剤師の役割として社会から認知されていることはその一部に限られており、倫理規範と薬剤師の社会に向けた行動とが一致していない可能性を感じた』と記事は述べています。

「倫理規範」って、「薬剤師の活動・役割の全てが社会的に認知されること」によって、「薬剤師の社会に向けた行動」と、一致するんですか? この判断基準、おかしくないですか? ものすごく優秀な教頭先生がいたとして、その役割の認知度次第で、「教頭先生の倫理規範と教頭先生の社会に向けた行動とが一致していない可能性を感じられる」…と断言されちゃうんでしょうか。

『平成9年に策定された現在の倫理規定は、当時予測されうる薬剤師の環境の変化を見据えた規定として、画期的なものであった』とのことですが、F.I.Pの倫理規定との関係については一切述べられていません。日薬が独自に「画期的」なものを創造したかのような書き方なのが気になります。平成9年以前の倫理規定についても触れないし。

考察は、こうまとめられます。

『薬剤師倫理規定が現存のままであったとしても、今後改訂されるとしても、各条の内容が確実に薬剤師に理解され、それに沿った行動を薬剤師が行えなければ真の意味での倫理規定にはなりえないことを付け加えたい。そのためには、今後、薬剤師の間で医療専門職としての倫理に関する議論が活発に行われることを期待したい』

・・・・・・・・・・・・・・・。

「関連法規を遵守し(第三条)、先人の業績を顕彰し(第四条)、品位と信用を損なう行為をせず、信義にもとる行為もしない(第十条)」という内容を、この記事の著者(研究者)である久保さんが常務理事をつとめる「日本薬剤師研修センター」が確実に理解し、それに沿った行動を行っていたならば、「Pharm.D(JPEC)」なんていう話は絶対に出ないと思うんですが・・・。少なくとも、久保さんが「確実に理解し、それに沿った行動を行って」いたならば、大反対するはずなんですが・・・。でも、そうしない・・・。

「薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」に載っている「薬剤師倫理規定の注釈」をベースにしていては、「各条の内容が確実に薬剤師に理解され」ないってことでしょうか。そういう注釈を、これからも実務実習生に読ませようというのですから、久保さんが提唱する『真の意味での倫理規定』への道を、久保さん自ら閉ざしている気が…。

更に。

「今後、薬剤師の間で倫理に関する議論が活発に行われることを期待」・・・っていう言葉が、あまりにも、「研究者」としての認識不足じゃなイカと思うのでゲソ。

この研究が開始された2008年の時点でも、薬剤師の間で、かなり、活発な議論は存在しました。その議論の成果として、例えば、日薬総会における代議員による質問があります。2010年の代議員会ではついに、誰にでもわかるように、「倫理倫理」と連呼されました。これでも、活発じゃないんでしょうか…。理想、高いなぁ…。あ、そうか、理想が高いということは、「認識不足」なのは、筆者ですね。孔明先生にはかないません。

・・・あれ? でも、そんなに高水準な議論をしたいのなら、日本薬剤師研修センター主催で、「倫理の議論をする勉強会」を開催すればいいのにね。

  ☆

【おまけ】

薬剤師倫理規定擬人化プロジェクト」が日薬の学術大会(滋賀)でポスター発表したのが2009年10月。そのときの「倫理」カテゴリーの発表はふたつでしたが、薬剤師倫理規定のド真ん中をとりあげたタイトルをつけてみた薬剤師倫理規定擬人化プロジェクトの「示説」の際に、日本薬剤師研修センターの人間は誰もこなかったし、特に質問もなかった記憶が・・・。「薬剤師倫理規定 議論」でググると出てくる「10しす」に、日本薬剤師研修センターの方からコメントをいただいたこともなさそうですし・・・。いえ、「議論しようぜ!」と、「デュエルしようぜ!」と同じノリでこられても、困っちゃいますけど。

【おまけ2】

「図7」の「コンピテンス(適格性・能力)」という文に、なんとなく違和感。

Competence(Knowledge,Skill,Attitude)って書いてあるのに、なんで「有能性(知識・技術・態度)」って書かないのカナ。

【おまけ3】

日薬雑誌には、「論文等投稿規定」があります。二月号では96ページ。

投稿原稿の種類に「To Editor(編集者への手紙)」というものがあり、『投稿原稿に対する意見などを述べる場合に投稿する。和文のみとし、600字以内(参考文献は3編以内)』となっています。「掲載料」として、「投稿した側」が1ページあたり2100円支払います。

今回の記事「薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究報告より」は、投稿原稿かどうかは不明(おそらくは編集委員会による依頼)です。

仮に投稿原稿であったとしても、意見を述べるとしたら、「審査結果の詳細については知らせない」という「編集委員会での採否」を経なければなりません。

・・・なんだか、すごく、面倒です。600字以内。大阪教育大学の【池田清彦・養老孟司「ほんとうの環境問題」を読んで、筆者の意見に対し、600字以内で反論する。】という小論文問題並みに難しいです。『読者コーナー』くらいの敷居の低さをプリーズ…。

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夏の日薬代議員会議事録その1「薬剤師の仕事量」

日薬雑誌で一番面白いコーナーの季節がやってきました。

日薬代議員会(総会)議事録。

今回は、平成22年8月分です。

議論中心は「公益法人改革」なんですが、

それはそのうち読むとして、

まずは肩慣らしに、

【薬剤師の仕事量と配置基準】という項目を見てみましょう。

いつもどおり、長い質問&回答は、超意訳。

  ☆

加地代議員の質問。

『現実に、一人の薬剤師が一日40枚の調剤をできると考えるかを伺う』

とのこと。

小田常務理事は「できるんじゃね?」と回答。

加地代議員が「私はできないと思う」と即答。

その理由として、

一枚の処方せんに対して、調剤5分・服薬指導5~10分・薬歴書き5~10分だから、一枚(ひとりの患者さん)あたり15~25分かかり、8時間労働だと32枚の処方せんしか受け付けられない(32枚×25分/枚=800分=最大15時間?)からだ

といった話に加えて、

「発注業務などを行えば、一日20枚の受付が限界

とまで述べています。

じゃあ、20枚受付で済むように、薬剤師の人数を倍程度に増やせばいいんじゃないの?と現状追認するか、なんとか法律を変えて人数を一人20枚でOKな方向にするとか、考えるところですが…

加地代議員は、何が言いたいのかというと、

「20枚だと経営難になるので、なんとかしろ」

ということらしいです。(そこかい)

  ☆

・・・・・・えーと・・・・・・・・・

これ、「ブロック質問」なんですよ・・・

ようするに、四国ブロックの代表として、四国の薬剤師さんたちが希求していることをまとめて、執行部に議論を挑むという、そういう、地域代表の質問なんですよ。

そこで、こういう意見? 質問?

加地代議員は、四国の薬剤師さんって、みんな、こうだって言いたいの?(ふつーに長時間労働している方etcもいるので、さすがにそれはないと思いますが…)

平均受け付け枚数なんだから、40枚×365=14600枚までは、一年間で受け付けてもいいってことで、薬局自体は365日営業としても、個々の薬剤師はガッチリ休みをとって年240日働いた場合で、一日60枚ペース。その業務量に対していかに効率化するかを常に考えて考えて、省略できるところやメリハリをつけられるところを工夫して、頑張っている人たちがいる一方で、「一日40枚は無理だと思う」と、言い切るだけでなく「経営難を何とかしろ」ですか。

できないのに無理してやったら、クオリティが下がって、みんなに迷惑がかかりますし、本人の健康も害します。「自分には無理だから、人を雇う」とか、「自分には無理だけど、人を雇いたい。でも地方には雇える薬剤師がいない。だから、営業時間を短縮する」とか、そういうローカルな工夫をすれば、いいと思うんですけれどね。何故、全国区で対策を取れという話になるのやら。(地方に人材を充実させようとか、そういう話でもないですよね、これ。)

ちなみに、加地代議員本人が言うとおりなら、

「処方せん1枚につき、『調剤5分』」ですから、

5(分/枚)×40枚=200分。

3時間20分あれば、40枚の『調剤(by加地代議員)』は可能です。

加地代議員の『調剤』の定義って、なに?

  ☆

んで、ノブさん(副会長)が、

「対人業務等が増えた薬剤師の仕事量を考えれば、計算のベースを変えなくてはならないことはよく理解できる」と、何故か理解を示したうえで、

「しかし、御指摘の問題については、薬剤師の配置基準を変えるのではなく、中医協において調剤報酬の点数を増やす方向で議論を行うようにしたい」

と、中医協委員ではないのに明言しました

  ☆

この発言から数カ月。12月時点までで、三浦委員(ノブさんの発言からすると、ノブさんの代わりに、代理として議論する役割の人)が調剤報酬点数を増加させるための発言を中医協総会でしたことは一度もありませんが…。

ノブさん的に、おそらくは、百年後くらいに、議論を行うようにしたいんでしょう。

思うだけなら、自由ですから。

「調剤報酬点数の増額」であって、「員数配置基準の見直し」はしないと明言していることから…「計算のベースを変えなくてはならないことはよく理解できる」という言葉が、すごく浮いています。

いつものノブさん話法。

「Yes,そのとおり、貴方の言う通り。しかし、貴方の言う通りにはしない。これから何か考えるかもしれない。私以外の誰かが。証明終了」

という、あれです。

  ☆

その後、

加地代議員は、

1.「員数制限が議論のベースにあるなら変えてね」

2.「調剤報酬の財源を新たに考えてね」

という二点を要望し、

ノブさんが、

1.「『一人薬剤師の薬局』の問題があるのを忘れるな」

2.「薬剤師の仕事に理解が得られるような仕組みを作って技術料等の議論を行いたい」

と回答。

  ☆

「一人薬剤師の薬局の問題」が何かという共通理解があるのか、ギモン。

議事録担当の方は「唐突に出てきた用語には注釈を入れる」ことを徹底してもらえると、読みやすいんですが…あ、でも、そもそも読んでいる人間の数がとてつもなく少ない気がしなくもなく…いえ、それでも、いれてくださいーっ。

【一人の薬剤師しかいない薬局では、薬局をあけている限り、処方せん応需義務により、一日何枚の処方せんがきても、正当な理由がない限り、全部受け付けなければなりません。従って、加地代議員の質問は、そのまま答えるなら「できるできないではなく、何枚であろうと、受け付けたならば、調剤しなければならない」となる】といった具合(この解釈であっているのかは不明)に、注釈をプリーズ。

ノブさんの回答によれば、「薬剤師の仕事に理解が得られるような仕組み」を創るまでは、技術料等の議論はしなくてもいい、という怖い展開も考えられそうなんですが、仕組みづくり、してるんでしょうか?

質疑全体をシンプルにすると、

「楽してカネ稼げるようにしろ」

「遠い未来に議論してやるよ」

ということなのかな…?

  ☆

以上、かみ合わない質疑の例でした。

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薬剤師国家試験出題基準:その2「奥羽大学に倫理は不要?」

パブコメにはいろいろな団体からいろいろな意見が送られてきます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000t9tm-att/2r9852000000t9wb.pdf

まあ、いろいろな団体っていっても、11団体程度なんですが。

団体さんって、なぜか、FAXor手紙で意見を送って、投稿フォームを使いません

コピペするのが大変だからやめろと、誰も言わないようですから、ここで言っておきます。

「コピペするのが大変だから、やめろ」

投稿フォームを使わないような団体さんなので、インターネットというものも知らなくて、ここに書いても全く意味がないかもしれませんが。

さて、つぎのようなパブコメを提出した大学がありますので、ご紹介します。

  ☆

○意見2

〈該当箇所〉

 留意事項 3.各領域における留意事項【法規・制度・倫理】

『「法規・制度・倫理」は、薬剤師としての業務を遂行するに際して必要な法的知識及びこれらの関連する各種の制度並びに医療の担い手としての任務を遂行するために保持すべき倫理規範的知識や態度について問う問題を出題する。』という文章。

〈意見内容〉

 薬剤師としての業務を遂行するに際して必要な法的知識を問うべきであり、複雑な解釈が必要な実践は必要ない

〈理由〉

 必要な知識は、薬剤師として任務が遂行できる範囲のみで構わなく、実践に関しては合格後に深く勉強すべきである。

  ☆

・・・さすがに、ここまでぶっとんだ意見が「大学」から出てくるとは思わなかったので、実にコメントに困るのですが・・・。

『「薬剤師の任務」が遂行できる範囲でよい』とのこと。

なんじゃそりゃ。

薬剤師法(薬剤師の任務)
第一条
 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

とりあえず、「任務」って、これでしょ。ほぼ薬剤師倫理規定第一条

任務は『薬剤師法』だけではなく『薬剤師倫理規定』でも語られています。

任務遂行は薬剤師の倫理。実務実習カリキュラムでも必修の部分です。

倫理を身につけていない者は、任務を遂行できない。・・・ってことです。

そして、『薬剤師倫理規定第三条』において、法規の遵守という倫理がでてきます。

第3条(法令等の遵守)
 薬剤師は、薬剤師法、薬事法、医療法、健康保険法、その他の関連法規に精通し、これら法令等を遵守する。

「任務を遂行できる程度」の倫理には、「業務を遂行するに際して必要な法規」と「法規に関係する制度」の遵守が、含まれているんですよね・・・。

  ☆

『「法規・制度・倫理」は、薬剤師としての業務を遂行するに際して必要な法的知識及びこれらの関連する各種の制度並びに医療の担い手としての任務を遂行するために保持すべき倫理規範的知識や態度について問う問題を出題する。』

という文章は、分解すると、

1.「法規・制度・倫理」は、次の範囲(2と3)の問題を出題する。

2.「薬剤師としての業務を遂行するに際して必要な法的知識」及び「これらの関連する各種の制度」

3.「医療の担い手としての任務を遂行するために保持すべき倫理規範的知識や態度」

という形になりますよね。

この大学がパブコメで主張するのは、

A.「法規・制度・倫理」は、次の範囲(B)の問題を出題せよ。

B.「薬剤師としての業務を遂行するに際して必要な法的知識」

C.複雑な解釈が必要な実践は必要ない

というもの。

「B(法的知識)を出題せよ、それ以外はいらない」ということですよね、これ。

それ以外=「これらの関連する各種の制度」+「倫理」は、いらないっていう。

違うのかな?

いるともいらないとも明確には書いていないのですけれど、「いると明確に書いてあること」以外の中にしか、「C」にあたる部分は存在できないので・・・どうしましょう。

厚労省解釈をみてみると・・・

えーと・・・厚労省は「倫理」がいらないという解釈を避けたので、

  ☆

法規領域については、薬剤師としての業務を遂行するに際して必要な法的知識を問うべきであり、複雑な解釈が必要な実践は必要ない。

(ご意見に対する考え方)
出題の意図によっては必要であると考え、原案のままといたします。

  ☆

と変換されていました。

これって、「制度」はいらないということでしょうか。

でも、「制度」といっても「法規(これら)に関係する制度」ですから、「法規にくっついてくる」ものですよね、それ。「制度を守ることが、法律を守ること」になり、「制度を守らなければ、法律を守らないこと」になるわけで・・・。別に「現場でどう実践しているのかを問う」なんてことは書いていないのですから、法規とセットで考えますよね、フツー。

「法規」と、「法規に関係する制度」は、セット扱い。

だとしたら、残っているものが、「複雑な解釈が必要な実践」。

それって、「倫理」のこと?

倫理ではないのなら、もう、該当項目が存在しないわけで・・・。

文章内に存在しない言葉を削れと言っているはずがありませんし・・・。

とはいえ、

 必要な知識は、薬剤師として任務が遂行できる範囲のみで構わなく、実践に関しては合格後に深く勉強すべきである。

という理由がコメントされているので、「任務が遂行できる範囲が【必要】なら、法規も法規に関係する制度も倫理も、全部必要な知識」となるわけで・・・。

国家試験合格後に深く勉強するらしい「実践」って、どこに書いてあるんでしょね?

  ☆

文章に文句を言っているのに、「必要ない」と言っている項目が文章内に存在しないという不思議な世界が、筆者の妄想の中で広がっています。

文章のどこかを『削れ』とでも言いたげな(注:削ってほしいのかどうしてほしいのかを具体的に示せない時点で、意見と言えるか微妙…)パブコメを送って、どうにかしろ、と?

『「法規・制度・倫理」は、薬剤師としての業務を遂行するに際して必要な法的知識及びこれらの関連する各種の制度並びに医療の担い手としての任務を遂行するために保持すべき倫理規範的知識や態度について問う問題を出題する。』

という文章は、領域の定義をする「キモ」となるものです。

この大学のパブコメ通りに「法規」を残したとして、

「制度」を削っても、

「倫理」を削っても、

「制度」と「倫理」を削っても、

【法規・制度・倫理】という領域は崩壊します。

特に、倫理が削られた場合、領域関係の他の留意事項に「倫理」に関する記述がありませんから

この項目がなくなったら、倫理の出題、ゼロになるんですが・・・。

【法規・制度】っていう領域だと、元に戻っちゃうわけですが・・・。

イイノカナ・・・?

  ☆

FAXパブコメの提出者名は、【学校法人 晴川学舎】。

どこだろ、そこ? と思った方も多いかもしれませんが、

要するに、奥羽大学薬学部です。(記事タイトルがすでにネタバレ)

奥羽大学薬学部ホームページには、教育理念が書いてあります。

抜粋しますね。

  ☆

http://www.ohu-u.ac.jp/faculty/pharmacy/p-idea.html

「教育理念」

豊かな人間性と医療人としての倫理観を大切に、日々、進歩を続ける医療薬学を通して、広く社会に貢献できる薬剤師をめざします。

教育理念

高度な専門知識と技術を備えた人間性豊かな薬剤師を養成する

教育目標

近年の医療は、医療サイド中心の医療から患者中心の医療に変貌しつつあります。薬剤師も医療現場において、単に調剤し、薬剤を供給するだけでなく、患者はもちろん、医療に直接携わる他の医療従事者にも、薬剤の適正な使用に必要な情報を提供することが義務付けられるなど、薬剤師がチーム医療の一員としての位置づけが明確となり、その果たすべき役割は質・量ともに増大しました。さらに、薬剤師としてのコミュニケーション能力や倫理性、人間性豊かな人材が求められ、本学創立以来の建学の精神である「人間性豊かな医療人の養成」は、まさにそれであります。本薬学部は、このような社会の要請に応えるとともに、医療人として日進月歩の学問に対応しえる柔軟な思考力と、21世紀に必要とされる問題発見・解決能力を併せ持つ病院薬剤師、開局薬剤師の養成を目指します。この教育目標は同時に、将来の製薬企業で医療品の開発、製造及び医薬品情報担当者(MR)となれる薬剤師を養成することにもなり、または薬事行政に携わることの出来る、優れた薬剤師を養成することにもなると考えます。

  ☆

・・・・・・・・・だって。

「倫理観」「倫理性」って、連呼してますねー。

「薬事行政(制度)に携わることのできる優秀な薬剤師を養成」するとも言ってますねー。

この教育理念で、あーゆーパブコメを出せちゃうんですね

我が校に入れば、倫理や法規に関係する制度知識が身に着くよう、がっちりやります」という宣言ですよね、この教育理念。

でも、パブコメでは、「お願いだからうちの学生に倫理とか制度関係の問題は出さないでくれ」と、言ってるわけですよ。

教育理念がバッチリはまっていれば、そこ、得意分野じゃん。

えーと・・・、なにか、しっぱいしちゃった?

それって、教員の責任だよね。

教員の責任を回避するために国家試験問題の項目をいじろうとする・・・?

まさかね・・・。そんな倫理観のないこと、しないよね・・・。

黒い疑念が渦巻いちゃうので、ちょっと切り替えます。

続いての話題。関連して・・・

奥羽大学薬学部は、他にも意見を出しているのですが、その筆頭に来ているのが、こんな意見。

  ☆

意見1:

〈意見内容〉
「必須問題は各領域における基礎的な内容を問うものとする。」とあるが、基礎的な内容の程度(難易度)が分からない状況で、五者択一形式で出題するのであれば、各領域50%、全体で70%という足切りラインを下げるべく検討をお願いしたい。もしくは、足きりラインを変えないのであれば、五者択一形式を見直してもらいたい。

〈理由〉
物理・化学・生物は現行の薬剤師国家試験でも、他の領域に比べて正答率が低く、受験生にとって難しい領域であることを考慮すると、この領域で足きりされる受験生が少なからずでることが危惧される

  ☆

「基礎的な内容」っていうのはね、「これ知らないなら、薬剤師やらないでくれ。患者さんが危険だから」っていう問題のことなんですよ。これまでの議論によれば。

よーするに、ほんとは、正答率100%が当たり前っていう問題なんですよ、「基礎的な問題」は。(実際そうならなかったら、ゴメン☆)

日本に住んでいる日本人に、「あなたの住んでいる国の名前を言ってください」と訊くような、そういう問題だと想像すればいいと思うんですが。(うっかり「答はアメリカ」とか「伊豆の国(市)」とか、裏の裏の裏を書いてしまう人は、たまにいるかも、という問題レベル)

そこで足切りされる受験生が出ることが危惧される?

だから足切りラインを下げろ

そんな受験生は、足切りされて当然でしょ。

いいじゃん、次の年に受験させれば。

ってゆーか、国家試験受験資格があるということは、大学の薬学部を卒業したってことですよね

奥羽大学は、自分のところの学生が少なからず「基礎的な内容」を50%以上間違えるレベルであるにもかかわらず卒業を認める学校なわけ?

そーゆー人材が薬剤師国家試験をクリアできちゃうように、パブコメでお願いするわけ?

あの・・・私学だから、当然、国民の税金が投入されてますよね?

国民の税金を使って、国民の健康を危機に陥らせるような人材を育成して、その人材を国家試験に受からせるために、国家試験のレベルを下げろと国にお願いするんですね?

びっくりです。事業仕分けお願いします。

そんなに、じぶんのところの学生の学力が、信用できないんですかねー。

そりゃあ、偏差値的に、最下位をめぐってデッドヒートを繰り広げているのは事実ですけれど、薬剤師としての質は偏差値とか留年とかで決まるわけではないから、ちまたで言われるような学生さんがバカだという意見を筆者は信用していないんですが、

少なくとも、

このパブコメ(足きりライン下げろ)を出すのに関わった奥羽大学の教員は、全員、間違いなく、倫理観の欠如した大バカだと確信しました。大バカっていうとよくないか。親バカ? モンスターなんとか?

良心が残っている奥羽大学薬学部の教員の方々は、一度じっくりと、教育放棄宣言とも受けとれる今回のパブコメについて、天野学長&影山理事長と、拳で語りあっていただければと思います。

あ、なんだか最後は、倫理部分のパブコメの話から、脱線しちゃいました。

なお、「実際の試験問題を解いてみたら自分が足きりに引っかかっちゃった♪」という事態も想像できますので、言い過ぎなあたりについては脳内ミキサーでガリガリっと砕いてからお召し上がりください。

  ☆

おまけ。

 こういう「試験のレベルを下げろ」系のパブコメは奥羽大学だけかと思っていたら、日本大学薬学部も、「五択は難易度が高すぎないか」という意見をパブコメに提出していました。ぶるうたす、おまえもか。

さらに、第一薬科大学も、「小項目の例示に『代表的な医薬品の商品名と一般名』とあるが『商品名』を削除すべきである」としていますし、松山大学も、「五択ならCBTレベル以下にしてくれ」としています。

うーん・・・

ここででてきた学校、のきなみ偏差値が50以下・・・。

世間様的に「学力がダメな大学生」だという先入観で見られているところが「問題を簡単にしろ」という意見を出すのは、やめておけばいいのに・・・。まあ、足切りラインを下げろと身も蓋もないことを言うとこよりはましですが・・・。

もう少し、偏差値的に上の学校の意見もあると、少しは説得力が増すのですが・・・。

どこか偏差値の高いところが意見を出していないかと探してみると・・・、

おっ、ありました。

偏差値65、トップの大学。

東京理科大学薬学部です。

「薬学6年制の目的は従来では得られなかった高度の知識・技術・態度を身につけることであり、5年次と6年次においても相応のカリキュラムが展開されているので、全体的に国家試験を難しくする必要はないと思われる」

・・・とのこと。

いや、あの、それって、どこをどう直せと・・・?

ってゆーか、超アタマイイということで有名な東京理科大にとっての「難しい国家試験問題」って?

東京理科大的な「難しくない国家試験」って、北里大なら大丈夫なレベルって意味でしょうか。

東大生や京大生が「難しい問題にする必要はないですよ」と言っているのと同じくらいの話として聞かなきゃ、だめですかね、それ(泣)。

他には「国家試験のレベルを下げろ」という意見は謎の大学教員さんくらいしかいないので、他の大学的には、別に難易度の問題はない模様。

こーなってくると、「東京薬科大も便乗しておけばよかったのに」というヨコシマなことを突発的に思ったりもしますが、すぐ反省。

なお、「難易度が高すぎないか」的な話ではなく、「三択のほうがテストには良い」という研究を例示して五択の再考を求める意見がありました。こういう主張なら、ちゃんと議論できますよね、きっと。(注:これ、厚労省の「考え方」には記述がないよーな・・・あれれれれ?)

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薬剤師国家試験出題基準:その1「日薬パブコメの行方」

こっそり。

そう、こっそりと。

とてもひそやかに。

余程興味のある方以外は見ないでくださいという趣で。

10/5の朝に、「薬剤師国家試験出題基準」が、公表されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000tabj.html

日薬の会長&副会長が参加していた薬剤師国家試験出題基準改定部会の「検討しているときの議事録」や「ワーキンググループの作業報告」は、相変わらず公表されません。

そして、出題基準改定部会の委員である会長の名前で出された「日薬からのパブコメ」ですが。

「日本薬剤師会雑誌 10月号」16ページに「日薬、薬剤師国家試験出題基準案のパブコメに意見提出」という記事が出た直後、結果が出るという、面白い展開に。

パブコメの結果は・・・

・・・・

・・・・

・・・・

見事合格

じゃない、新規の項目として、

『一般用医薬品の役割と供給』という項目ができました。

はい、ここで、間違い探し。

日薬が主張した内容と、この結果とで、ちょっとばかり、違うところがあります。

それはどこでしょう?

答:日薬は『一般用医薬品の供給』といれてくれと頼んだ。

そう、「供給」だけです。

でも、でてきた項目は、「役割と供給」。

これってどういうこと?

なにか、おかしくないですか?

なんでこーなったかとゆーと、日本OTC医薬品協会という組織の意見もくっつけたからです。たぶん。

日本OTC医薬品協会の主張していた追加要望は、「一般用医薬品、その役割」という言葉でした。

  ☆

日本OTC医薬品協会

意見:
(該当個所)
 領域「法規・制度・倫理」大項目「薬学と社会」中項目「地域薬局」

(意見内容)
  小項目「セルフメディケーションとOTC 薬」を設け、以下の例示を示す。
或いは、既存の小項目「地域薬局・薬剤師」の例示に、以下を加える。

一般用医薬品(OTC 薬)、その役割、リスク区分」、「漢方薬、伝統薬」、「セルフメディケーションの理念と役割」

(理由)
  領域「実践」において、小項目の例示としてセルフメディケーション、一般用医薬品、漢方薬、等を掲げているが、これに対応した個所が、他の領域に見当たらない。短期間の実務実習においてセルフメディケーションの理念や、そこで中心的な役割を果たすことになるOTC 医薬品の理解を習得するのではなく、大学においてモノ(物)や理念としてのOTC 薬やセルフメディケーションについて学んだ上、実地の場で復習・確認をすることこそが必要である。
 とりわけ、医療保険制度のみに頼る事ではこれからの健康と福祉の確保が困難となる中で、生活者が主体となって健康の確保増進を図るセルフメディケーションの重要性は一層増すこととなる。また、その適正な推進に当って、薬剤師の果たすべき役割は極めて大きい。しっかりと、学び、生活者の支えとなっていただきたい。

  ☆

こういった主張だったわけです。

まあ、それはいいのですが、第四回薬剤師国家試験出題基準改定部会の資料(出題基準案段階)のときには、パブコメへの厚労省からの「考え方」として、こんなことが述べられていました。

  ☆

・小項目薬事法の例示に「店舗販売業」を加える。
小項目「地域薬局・薬剤師」の例示に「医薬品の分類、医療用医薬品、一般用医薬品(OTC医薬品)」を入れる。
・小項目の例示に「公正な治験の推進を確保するための制度を説明できる」および「治験業務に携わる各組織の役割と責任を概説できる」を含めるべき。
・小項目の例示に「SOL」や「医療用医薬品プロモーションコード」が入っていない。
・中項目「医薬品の開発」に小項目「特許」を含めるべき。

(ご意見に対する考え方)
原案のままといたしますが、内容としては出題され得ると考えます。

  ☆

厚労省が「考え方」を示す際には、似た意見は勝手に合体モードになっちゃうのですけれど、「小項目「地域薬局・薬剤師」の例示に「医薬品の分類、医療用医薬品、一般用医薬品(OTC医薬品)」を入れる。」というまとめは、「日薬の主張+日本OTC医薬品協会の主張」ですよね。

で、厚労省は、『原案のままといたします』と、明記しました。

ようするに、「新規項目はつくりません」という宣言です。

通常、これは、覆りません。

パブコメに意見を出した人たちにとっては、ここで「おしまい」です。復活折衝は存在しません。

でも、例外があります。

例外:改定部会の会議中に、委員から異議が出て、その異議が了承されたとき。

そろそろ、気付いた方も多いかと思いますが・・・

日薬会長&副会長は、改定部会の委員です。

ほーら、なにがあったのか、想像できましたか~?

『自分(委員)が代表である組織が出したパブコメが厚労省から否定されたら、自分(委員)が改定部会の席で復活折衝を試みる』

という・・・なんともいえない光景が浮かびます・・・。

それ・・・「案」ができる前にやっといてください・・・。

パブコメのあり方に、悪い実例を残してどーするんですか・・・。

いや・・・きっと・・・そういう事態はありえないから・・・議事録に、そんな光景はでてこないはず・・・でてこないことを祈る・・・祈っても無駄かもしれないけど・・・

パブコメって、「審議会の委員だけだと意見が偏る」という話があって、そのあたりを補完するための制度だと思うんですが、審議会の委員自身が提出したパブコメが厚労省に否定されてから、審議会で「否定された意見を通す」のって、他のパブコメ提出者に対して、ものすごく公平感を失わせる行為なんですよね。「俺様の意見だけ特別扱い」って、いわれてもねー。

まあ、自分が出した意見以外にも、いろいろな意見を取り上げて、「これもこれも、大事なのに、厚労省はなにを見てるんだい!」と演説していたというのなら、なかなかカッコイイ姿勢だと思いますが・・・、はてさて、議事録ではどうなっていますやら。

  ☆

おまけ。

【もし現実になったら嫌だなー、という妄想】
 「国家試験問題の出題基準のときに、新規項目を作ってやった貸しを、どう返してくれるのかね?」という、どーでもいい弱みを握られたつもりに本人たちがなってしまってたら、イヤだな~。

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中医協:後発医薬品の使用状況調査(案)だってさ。

25日開催の資料が25日朝に公表されました。

厚労省の担当前任者が大半いなくなったからなのか、新規案件続出。

特に、『後発医薬品の使用状況調査(案)』が、てごわいかんじ。

 ☆

「後発医薬品の使用状況調査」調査の概要(案)

■ 調査目的
・ 保険薬局における後発医薬品の調剤状況の変化等の把握
・ 医療機関における後発医薬品の使用状況や医師の処方に関する意識等の把握
・ 患者における後発医薬品に関する意識等の把握

<調査のねらい>
○ 保険薬局における「後発医薬品への変更不可」とされた処方せんの受付状況等の把握
○ 保険薬局における後発医薬品への変更調剤(含量違い又は類似する別剤形の後発医薬品への変更調剤を含む)の状況、後発医薬品についての患者への説明状況等の把握
○ 保険医療機関(入院・外来)における後発医薬品の使用状況(後発医薬品使用体制加算の算定状況を含む)の把握
・ 外来患者に対する「後発医薬品への変更不可」とする処方せんの発行割合やその理由
・ 入院患者に対する後発医薬品の使用状況
・ 後発医薬品使用体制加算の算定状況
・ 後発医薬品使用を進める上での課題 /等
○ 患者における後発医薬品に対する意識等の把握
・ 後発医薬品の使用経験・意向
・ 後発医薬品の使用に係る患者の意思表示の状況
・ 「ジェネリック医薬品希望カード」等の利用実績・意向 /等

■ 調査対象及び調査方法
<保険薬局調査>
・ 全国の保険薬局の中から無作為抽出した保険薬局を調査対象とする。調査客体数は、1,500施設とする。
<病院調査>
・ 保険医療機関の中から無作為抽出した病院を調査対象とする。調査客体数は、1,500施設とする。
<医師調査>
・ 上記「病院調査」の対象施設で外来診療を担当する医師を本調査の対象とする。1施設につき診療科の異なる医師2名を調査対象とする。
・ 最大客体数は3,000人(2×1,500=3,000人)となる。

  ☆

これがまた、回答項目数が物凄く多い、厚労省のいつものアンケートなんですよね。

まわってきませんように。

まわってきませんように。

まわってきませんように。

保険薬局数万の中の無作為抽出1500ですから、大半は大手チェーン保険薬局に行くんじゃないかと思います。てゆーか行ってください。

大手チェーン保険薬局さんの対応次第で、だいぶ結果が変わるアンケートだということは、厚労省も承知しているはずですが、はてさて。

内容についても述べ・・・って、何ページあるんですかね、この回答票。

泣きそうですが、読み進めていきます。

  ☆

厚生労働省保険局医療課委託事業
平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成22年度調査)
後発医薬品の使用状況調査 調査票(案)

※ 以下のラベルに、電話番号、ご回答者のお名前をご記入ください。また、薬局名、所在地をご確認の上、記載内容に間違いまたは不備がございましたら、赤書きで修正してください。ご記入頂いた電話番号、お名前は、本調査の照会で使用するためのものであり、それ以外の目的のために使用することはございません。また、適切に保管・管理致しますので、ご記入の程、よろしくお願い申し上げます。

薬局名
薬局の所在地
電話番号
ご回答者名

<ご回答方法>
・あてはまる番号を○(マル)で囲んでください。「※○は1 つだけ」という質問については、あてはまる番号を1 つだけ○で囲んでください。
・( )内には具体的な数値、用語等をご記入ください。
・( )内に数値を記入する設問で、該当なしは「0(ゼロ)」を、わからない場合は「-」をご記入ください。

1.貴薬局の状況(平成22 年8 月末現在)についてお伺いします。

①組織形態
※法人の場合は、法人の形態にも○をつけてください
1. 法人 (1.株式会社 2.有限会社 3.合資会社 4.合名会社 5.その他)
2. 個人

②職員数(常勤換算)
※小数点以下第1 位まで
薬剤師 ( . )人 その他(事務職員等) ( . )人
※常勤換算については、以下の方法で算出してください。また、常勤換算後の職員数は、小数点以下第1 位までお答えください。

■1 週間に数回勤務の場合:(非常勤職員の1 週間の勤務時間)÷(貴薬局が定めている常勤職員の1 週間の勤務時間)

■1 か月に数回勤務の場合:(非常勤職員の1 か月の勤務時間)÷(貴薬局が定めている常勤職員の1 週間の勤務時間×4)

③調剤基本料 ※○は1 つだけ
1. 調剤基本料(40 点)
2. 調剤基本料(24 点)

④基準調剤加算 ※○は1 つだけ
1. 基準調剤加算1(10 点)
2. 基準調剤加算2(30 点)
3. 算定していない

⑤後発医薬品調剤体制加算
※○は1 つだけ
1. 後発医薬品調剤体制加算1(6 点)
2. 後発医薬品調剤体制加算2(13 点)
3. 後発医薬品調剤体制加算3(17 点)
4. 算定していない

⑥貴薬局の処方せんの応需状況として、最も近いものは次のうち、どれですか。
※○は1 つだけ
1. 主に近隣にある特定の病院の処方せんを応需している薬局
2. 主に近隣にある特定の診療所の処方せんを応需している薬局
3. 主に同じ医療モール内の保険医療機関の処方せんを応需している薬局
4. 様々な保険医療機関からの処方せんを応需している薬局
5. その他(具体的に )

  ☆

1ページ目から、この調子。

厚労省様が、薬局名でチェックをかけて、大手チェーンの店舗をそれぞれのグループでまとめて考えていただけるのなら、幸いでございますが。

職員数と処方せん受付件数の両方を質問されたら人数規定の良しあしもわかりますが、公表するんでしょうか。この手のアンケートってどこまで分析をやってるのか謎なことが多いです。

このアンケート、薬局名と住所を書かせるくらいですから、記名方式です。

で、後発医薬品の保険調剤についてのアンケートですから、保険薬局にしか送りません。

ってことは、大半の情報は、保険薬局の名前と住所から検索して、わかるはずなんですよね。なんでわざわざ書かせるのか、さっぱりわかりません。

ねんきん定期便だってひとりひとりに送れるのですから、1500程度のアンケートも、ひとりひとり向けにカスタマイズして送ってほしいものです。

  ☆

2.貴薬局の処方せん受付状況(平成22 年8 月1 日~8 月31 日の1 か月間)についてお伺いします。

①上記期間中に受け付けた処方せんの発行医療機関数、また処方せん枚数を( )内にご記入ください。

1)処方せん発行医療機関数
2) 1)のうち、「変更不可」欄に処方医の署名等が9 割以上ある機関数
3) 2)のうち、主として先発医薬品を銘柄指定している機関数
4) 2)のうち、主として後発医薬品を銘柄指定している機関数

② 上記①の医療機関のうち、上記期間中の処方せん枚数の最も多い1医療機関の処方せん枚数 ( )枚

③ 上記期間中の営業日数は何日ですか(半日の開局は、0.5 日として計算してください)。
※小数点以下第1 位まで

  ☆

「変更不可欄に処方医の署名等(よーするに誰が押してるのかわからないハンコとかも含む)が9割以上」というのが、厚労省が心の中で定義する「自動的に変更不可にしている事例」なのでしょう。

発行医療機関で考えると、「ある病院の中で、処方せんシェア85%のA先生だけは全部変更不可で、他の派遣ドクターは変更不可ではない」という事例が多い場所だと、扱いに困りますね。夫婦で開業していて、クリニックの半分は皮膚科で半分は整形外科、妻は後発品推進派で夫は後発品否定派、なんていうとこも、ありそうですし。

ドクター数で考えてほしいところなんですが。

  ☆

3.貴薬局の取り扱い処方せん枚数についてお伺いします。

平成22 年9 月**日(*)~9 月**日(*)の取り扱い処方せん枚数について、( )内に枚数をご記入ください。

① すべての取り扱い処方せん ※③と⑮の合計数になります。ご確認ください。 ( )枚
② ①のうち、1品目でも後発医薬品を調剤した処方せん ( )枚
③ ①のうち、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更がすべて不可」欄に処方医の署名等がない処方せん(後発医薬品への変更が可能な処方せん) ( )枚
④ ③のうち、1品目でも先発医薬品を後発医薬品に変更した処方せん
(初めての変更に限らず、以前に変更し、今回も同様に変更した場合も含む)( )枚
⑤ ④のうち、後発医薬品情報提供料(10 点)を算定した処方せん ( )枚
⑥ ④のうち、後発医薬品分割調剤加算(5 点)を算定した処方せん ( )枚
⑦ ③のうち、今回は、先発医薬品を後発医薬品に変更しなかったが、以前に一度、先発医薬品から後発医薬品に変更し、これを受けて処方医が、当該後発医薬品の銘柄処方に切り替えた処方せん( )枚
⑧ ③のうち、1品目でも、後発医薬品を他の銘柄の後発医薬品に変更した処方せん ( )枚
⑨ ③のうち、1 品目でも、含量違いの後発医薬品に変更した処方せん ( )枚
⑩ ③のうち、1 品目でも、類似した別剤形の後発医薬品に変更した処方せん ( )枚
⑪ ③のうち、処方せんに記載されたすべての先発医薬品について後発医薬品が薬価収載されていないために、後発医薬品に変更できなかった処方せん( )枚
⑫ ③のうち、後発医薬品のみが記載された処方せん(上記⑦に該当するものを除く。) ( )枚
⑬ ③のうち、「後発医薬品についての説明」※1(P.4 参照)を行ったにもかかわらず、患者が希望しなかったために、1品目も後発医薬品に変更できなかった処方せん(過去に説明した際に、患者が希望しない意思を明確にしており、今回も後発医薬品への変更をしなかった場合を含む)( )枚
⑭ ③のうち、外用剤について処方せんに記載された医薬品の剤形※に対応した後発医薬品がなかったため、後発医薬品に変更できなかった処方せん
※クリーム、ローション、軟膏はそれぞれ別剤形となります( )枚
⑮ ①のうち、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更がすべて不可」欄に処方医の署名等がある処方せん ( )枚
⑯ ⑮のうち、後発医薬品を銘柄指定している処方せん ( )枚
⑰ ①のうち、処方せん内容の一部について変更不可としている処方せん ( )枚
⑱ ⑰のうち、一部先発医薬品について変更不可としている処方せん ( )枚
⑲ ⑱のうち、含量規格の変更を不可としている処方せん ( )枚
⑳ ⑱のうち、別剤形への変更を不可としている処方せん ( )枚
○21 ⑰のうち、一部後発医薬品について変更不可としている処方せん ( )枚
○22 ○21のうち、含量規格の変更を不可としている処方せん ( )枚
○23 ○21のうち、別剤形への変更を不可としている処方せん ( )枚
※③+⑮ =①となりますご確認ください

  ☆

どわわわわわっ、と様々ケースを挙げてます。

よーく読まないと、抜けているケースがあるかもしれません。

7と11が多い分には、処方医も薬剤師も協力的♪という分析になります。

13が多くても、薬剤師が責務を果たしているので、それ以上の無理強いはできないと判断されるかも。

16~23が圧倒的に少ない場合は、医師側(というか、病院薬剤部?)に質問が飛びそうです。

  ☆

4.後発医薬品への対応状況についてお伺いします。(平成22 年4 月以降)

(1) 後発医薬品の調剤に関するお考えとして、最も近いものはどれですか。
※○は1つだけ
1. 後発医薬品を積極的に患者に説明して、調剤するように取り組んでいる
2. 薬効によっては後発医薬品を患者に説明して、調剤するように取り組んでいる
3. 後発医薬品の説明・調剤にはあまり積極的には取り組んでいない
4. その他(具体的に )

4-(1)-1(上記で3を選んだ人) どのような理由によるものでしょうか。
※あてはまる番号すべてに○
1. 後発医薬品の品質に疑問があるため
2. 後発医薬品の効果に疑問があるため
3. 後発医薬品の副作用に不安があるため
4. 後発医薬品の安定供給体制が不備であるため
5. 後発医薬品の情報提供体制が不備であるため
6. 後発医薬品に関する患者への普及啓発が不足なため
7. 近隣の医療機関が後発医薬品の使用に消極的なため
8. 後発医薬品の説明に時間がかかるため
9. 後発医薬品の調剤による薬剤料減に不安があるため
10. 後発医薬品の備蓄増に伴う不良在庫の拡大など、在庫管理の負担が大きいため
11. 調剤室での薬の取り揃えの前に後発医薬品を説明する業務手順となっていないため
12. その他(具体的に )

【4-(1)-1 にお答えいただいたすべての方にお伺いします】
4-(1)-2 上記の選択肢1~12 のうち、最もあてはまる番号を1 つだけお書きください。

【1~5を選ばれた方】
 根拠となった経験の内容や時期、問題点を具体的にお書きください。

【10を選ばれた方】
 経験や問題点を具体的にお書きください。

※1「後発医薬品についての説明」とは後発医薬品と先発医薬品とが同等であること(例えば、品質、安定性、生物学的同等性試験結果など)の説明に加え、患者の処方せんにおける変更前の薬剤料と変更後の薬剤料の差額等についての説明などを指します。
以下の設問についても同じです。

※2「後発医薬品への変更が可能な処方せん」とは
「後発医薬品が薬価収載されている先発医薬品」を含む処方せんのうち、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更がすべて不可」欄に処方医の署名等がなく、かつ、処方内容の一部に変更不可の指示があるとしても、処方医が変更不可の指示をしていない「後発医薬品が薬価収載されている先発医薬品」が1品目でもあるものを指します。以下の設問についても同じです。

  ☆

なんだか罠が多い仕様です。

とりあえず、『1』は嘘っぽいから、

『2. 薬効によっては後発医薬品を患者に説明して、調剤するように取り組んでいる』

に、○をつけて出しておけばいいと思いますけど。「エビデンス重視なんです、何にも考えないでやってるとことはわけが違います」、という上から目線の言い訳までは、しちゃいけません。ほどほどに。

問題は、何かの間違いで、『3.後発医薬品の説明・調剤にはあまり積極的には取り組んでいない』に丸をつけた場合。

罠だらけです。

『具体的にお書きください』という設問って、フツーの人は、なるべく避けるんですよね。

設問10や5みたいな、答えないほうが自分に有利☆って感じのものからも遠ざかり、設問1~4のような、答えておいたほうがジェネリックメーカーをぎゃふんと言わせられそうな感じのものからも遠ざかり。

かといって設問6、7、8、9、11に丸をつけると、薬剤師は何をヒトのせいにしてるんだとか、薬剤師がまともな仕事をしていないのが悪いんじゃないかとか、叩かれるわけで。

ここはみんなで示し合わせたように「4.供給体制が不備」のみを押し出して、大洋薬品さんをはじめとした最近の事例を書いておくしか、防衛策がないですね。

そうそう、うっかり「届くのに数日かかった」という具体例を書いてしまうと、「在庫していない卸さんが悪い」と受け流されてしまいますから、「届くのに数週間かかった」事例が効果的かと思います。

医薬品の安定供給は、薬剤師の任務的なものなので、お役人さんも納得してくれるのではないでしょうか。

  ☆

(2) 後発医薬品への変更が可能な処方せん※2(p.4 参照)を持参した患者のうち、後発医薬品についての説明※1(p.4 参照)を行った患者は、平成22 年4 月以降、現在までにどの程度いましたか。 ※○は1つだけ

1. 10%未満
2. 10%以上~30%未満
3. 30%以上~50%未満
4. 50%以上~70%未満
5. 70%以上~90%未満
6. 90%以上

(3) 上記(2)で、後発医薬品についての説明をしなかった理由としては、次のうちのどれですか。
※あてはまる番号すべてに○

1. 待っている患者が多く、説明する時間的余裕がなかったから
2. 説明をしようとしたが、患者が急いでおり、説明不要と言われたから
3. 患者が後発医薬品について十分理解していたから
4. 調剤室での薬の取り揃えの前に後発医薬品について説明する業務手順になっていないから
5. システム上、薬剤料の差額がすぐに計算できないので、患者の質問にその場で答えることができないから
6. 後発医薬品の備蓄品目数が少ないから
7. 説明しなければならないという認識が不足していたから
8. その他(具体的に )

(3)-1 上記(3)の選択肢1~8 のうち、最もあてはまる番号を1 つだけお書きください。

  ☆

完全に罠としか思えない設問です。

平成22年4月以降にしか、『「後発医薬品が薬価収載されている先発医薬品」を含む処方せんのうち、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更がすべて不可」欄に処方医の署名等がなく、かつ、処方内容の一部に変更不可の指示があるとしても、処方医が変更不可の指示をしていない「後発医薬品が薬価収載されている先発医薬品」が1品目でもあるもの』は存在しないので、それ以前の取り組みについては完全に無視されます。

そして、『後発医薬品と先発医薬品とが同等であること(例えば、品質、安定性、生物学的同等性試験結果など)の説明に加え、患者の処方せんにおける変更前の薬剤料と変更後の薬剤料の差額等についての説明』の有無だというのですから、困ったもの。

薬価改定があった平成22年4月においては、『変更前の薬剤料と変更後の薬剤料の差額』は平成22年3月以前とは異なるため、厚労省が、『これは「再度差額について説明しなおす」ことを求めているのです』というふざけた見解をした瞬間に、「後発医薬品への変更が可能な処方せん」持参者全員(100%)に対して説明しなければおかしい、という話になってしまいます。

お役人さんの見解がまともなら、ここでの正しい返答は「3. 患者が後発医薬品について十分理解していたから」の、ひとつだけです。他の返答をすると、問題化します。

4・5・6・7のどれかを答えると、薬局側の努力不足として物凄く非難されます。

1・2だと、「処方せん枚数÷薬局人数」の再チェックが入ります。

お役人さんが変な思惑にとりつかれている場合、どこに丸をつけても怒られる仕組みです。

  ☆

(4) 後発医薬品への変更が可能な処方せん※2を持参した患者のうち、後発医薬品について簡潔な説明(後発医薬品に関する説明を記載した文書を患者に手渡し、希望の有無等を確認した場合を含む。)だけを行った患者は、平成22 年4 月以降、現在までにどの程度いましたか。※○は1つだけ

1. 10%未満
2. 10%以上~30%未満
3. 30%以上~50%未満
4. 50%以上~70%未満
5. 70%以上~90%未満
6. 90%以上

(5) 後発医薬品への変更が可能な処方せん※2を持参した患者のうち、後発医薬品への変更をすすめた患者は、平成22 年4 月以降、現在までにどの程度いましたか。 ※○は1つだけ

1. 10%未満
2. 10%以上~30%未満
3. 30%以上~50%未満
4. 50%以上~70%未満
5. 70%以上~90%未満
6. 90%以上

(6) 上記(2)の後発医薬品についての説明※1を行った患者のうち、後発医薬品の使用を希望しなかった患者は、どの程度いましたか。 ※○は1つだけ

0. 希望しなかった患者はいなかった(0%)→質問(8)へ
1. 0%超~10%未満
2. 10%以上~30%未満
3. 30%以上~50%未満
4. 50%以上~70%未満
5. 70%以上~90%未満
6. 90%以上

(7) 上記(6)で、患者が後発医薬品の使用を希望しなかった理由として、最も多いものは、次のうちのどれですか。※○は1つだけ

1. これまでに使っていた薬(ラベルの色や剤形など)を変えることに抵抗があったから
2. 薬剤料等(患者自己負担額)の差額が小さいから
3. 公費負担の患者であるため、経済的インセンティブがないから
4. 過去に後発医薬品を使用したが、体調不良となった経験があるから
5. 後発医薬品に対する不安があるから
6. 具体的な理由は不明(患者が理由を言わなかった)
7. その他(具体的に )

(8) 後発医薬品への変更調剤を行った患者のうち、2回目以降に後発医薬品の使用を希望しなかった患者は、平成22 年4月以降、現在までにどの程度いましたか。 ※○は1つだけ

0. 希望しなかった患者はいなかった(0%)→質問(10)へ
1. 0%超~10%未満
2. 10%以上~30%未満
3. 30%以上~50%未満
4. 50%以上~70%未満
5. 70%以上~90%未満
6. 90%以上

(9) 上記(8)で、患者が2回目以降に後発医薬品の使用を希望しなかった理由として、最も多いものは、次のうちのどれですか。 ※○は1つだけ

1. 使用した後発医薬品の効果に疑問があったため
2. 使用した後発医薬品により体調不良となったため
3. 使用した後発医薬品の使用感が合わなかったため
4. 後発医薬品に対する不安が消えなかったため
5. その他(具体的に )

  ☆

(7)が、くせものです。

模範回答は、「2. 薬剤料等(患者自己負担額)の差額が小さいから」と「4. 過去に後発医薬品を使用したが、体調不良となった経験があるから」のふたつでしょうか。嘘はいけませんから、実際に事例がありそうなのは、そのあたりですし。

1、5、6は、明らかに、薬局側の説明不足等のせいにされる要素ですから、回避するのが得策です。3の公費負担については、ものすごく多くの事例があると、公費患者さんへの強制的後発品調剤政策発動のキーになってしまいますから、やや危険牌。

  ☆

(10) 後発医薬品への変更が可能な処方せん※2を持参した患者のうち、含量違いまたは類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤について説明を行った患者は、平成22 年4 月以降、現在までにどの程度いましたか。※○は1 つだけ

1.10%未満
2.10%以上~30%未満
3.30%以上~50%未満
4.50%以上~70%未満
5. 70%以上~90%未満
6. 90%以上

(11) 上記(10)のうち、実際に、含量違いまたは類似した別剤形の後発医薬品に変更調剤を行った患者は、平成22年4 月以降、現在までにどの程度いましたか。 ※○は1 つだけ

1.10%未満
2. 10%以上~30%未満
3. 30%以上~50%未満
4.50%以上~70%未満
5.70%以上~90%未満
6. 90%以上

(12) 平成22 年4 月以前に後発医薬品への変更調剤を行った患者のうち、医療機関が、薬局で変更した当該後発医薬品の銘柄処方に切り替えた患者数の割合
約( )%

  ☆

(12)は、何を訊きたいのか、よくわからないんですよねー。

「平成22年4月以前」?

昔がんばったかどうか?

後発品変更に地道に取り組んでいた薬局は、個別あるいは地域で、地域の診療所や病院と一緒に、後発品への切り替えを推進してきたわけです。

でもねー。

『薬局で受け付けた処方せんにおいて、その時先発品から変更した結果だけで、採用品目を完全に切り替えた』なんていう事例は、めったにないと思いますが。

厚労省は、なにをしたいんでしょうか。

  ☆

(13) 後発医薬品への変更が可能な処方せんを持参し、変更調剤を希望した患者のうち、当該後発医薬品を直ちに取り揃えることができずに後発医薬品に変更できなかった患者は、平成22 年4 月以降、現在までにどの程度いましたか。 ※○は1 つだけ

1.10%未満
2.10%以上~30%未満
3. 30%以上~50%未満
4. 50%以上~70%未満
5. 70%以上~90%未満
6. 90%以上

(14) 上記(13)の、当該後発医薬品を直ちに取り揃えることができなかった患者に対して、主にどのような対応をしましたか。 ※最も多いケース1 つに○

1. 患者が希望する後発医薬品の備蓄がなかったことを患者に説明し後発医薬品への変更は行わなかった
2. 患者が希望する後発医薬品の備蓄がなかったため、ただちに手配し、後から患者宅等に届けた
3. 患者が希望する後発医薬品の備蓄がなかったため、ただちに手配し、後から再度来局していただいた
4. その他(具体的に: )
5. そのような(当該後発医薬品を直ちに取り揃えることができなかった)ケースはなかった

(15)医薬品の備蓄
状況・廃棄額等
平成21 年8 月 平成22 年8 月
①備蓄
品目
1)全品目 約( )品目 約( )品目
2)うち後発医薬品 約( )品目 約( )品目
②在庫
金額
1)全品目 約( )円 約( )円
2)うち後発医薬品 約( )円 約( )円
③医薬品
廃棄額
1)全品目 約( )円 約( )円
2)うち後発医薬品 約( )円 約( )円
④上記①-1)のうち、複数銘柄の
後発医薬品を備えている先発医薬品の備蓄品目数
※平成22 年8 月
約( )品目

例) 先発医薬品α10mg 後発医薬品A10mg
後発医薬品B10mg
先発医薬品α20mg 後発医薬品A20mg
後発医薬品B20mg
→複数銘柄の後発医薬品を備えている先発医薬品が2 品目なので、「2 品目」と数えます。

⑤上記質問(13)のようなケースがないようにするためには、合計でどの程度の後発医薬品の品目数の備蓄が必要だと思いますか。 約( )品目

  ☆

なかなかハードな質問です。

(13)のようなケースがないように、つまり件数ゼロにするするためには、どの程度の「後発医薬品の品目数」備蓄が必要か、という、トンデモな質問です。

んなことわかるか。

「交通事故件数をゼロにするためにはどの程度の数の標識が必要か」とか、

「薬物乱用逮捕件数をゼロにするためにはどの程度の数の夜回り先生が必要か」とか、

そういう質問ですよ、これ。

まあ、最安値の後発品の絶対的な品目数は限られていますから、その数字です。

品質が同じだって厚労省が言い張っている以上、選択基準は値段しかありません。

かんじゃさんがわに「こうはつひんひんもくをしていできるけんり」があるかのようなかきかたをしているアンケートなので、たんじゅんにかんがえれば、さいやすねのこうはつひんになるにきまってるよー。ふりーあくせすなんだから、どんなせいぶんのくすりがくるかなんかわかんないしー、じゅうねんいじょうつかったことのないくすりをざいこしておくやっきょくなんてまずないしー、そくじにていきょうできなきゃいけないんだったら、こうはつひんのぜんひんもくのさいやすねひんもくをおいておくしてかないじゃん。そんなこともわかんないなんて、おとなって、あたまわるいのかなー。てへっ。(←不穏当な内容のため、一時的に幼児退行しました)

訊く内容、間違ってます。

『後発医薬品の薬価を最安値のひとつに統一したら、後発品への変更は推進すると思うか』

とか

『先発品の価格を後発品の最安値薬価に切り替えることは良いことか』

とか、

中医協で議論していることを、訊いてみないと。

  ☆

(16) 含量違いまたは類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤を行えるようになりましたが、この影響としてあてはまるものに○をつけてください。 ※あてはまる番号すべてに○

1. 後発医薬品の調剤量が増えた
2. 在庫がないため、後発医薬品に変更できないというケースが減った
3. 医薬品の廃棄額(品目)が減った
4. 信頼できる後発医薬品を調剤できるようになった
5. 含量違いまたは類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤を行ったことはない

(16)-1 含量違いまたは類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤を行っていない理由は何ですか。※あてはまる番号すべてに○

1. 処方銘柄の先発・後発医薬品の在庫があり、変更調剤の必要性がないため
2. どのように患者に説明するかなどといった薬局内での変更調剤の手順が整備されていないため
3. 患者に説明しても了解を得られないため
4. 後発医薬品へ変更調剤することに医師の理解が得られないため
5. その他(具体的に )

  ☆

含量違いで安くなればOKっていうのは、緊急回避でしかないはず。

二回目以降は、該当する正しい含量の正しい剤形の品目を在庫して、是正するもんでしょ。

変更調剤の影響としては、

医療機関が休診かつ卸問屋や近隣の薬局が閉じている時間帯に受け付けた処方せんへの緊急対処を行えるようになった

くらいで、厚労省が挙げているようなことになるはずがないと思うんですが。

二回目以降も漫然と含量違い剤形違い品目を出し続けているほうが、変だと思いますけど、世の中では、違うんですかね。

  ☆

(17) 貴薬局で採用している後発医薬品の採用基準は何ですか。 ※あてはまる番号すべてに○

1. 後発医薬品メーカーが品質について情報開示をしていること
2. MRからの情報提供が頻繁にあること
3. 他の後発医薬品よりも薬価が安価であること
4. 大病院で採用されていること
5. 近隣の保険医療機関(病院・診療所)で採用されていること、処方銘柄であること
6. 迅速かつ安定的に製造販売業者や卸業者から入手できること
7. 患者からの評価がよいこと、クレームが少ないこと
8. 調剤がしやすい(例;容易に半割ができる、一包化調剤がしやすい)こと
9. 後発医薬品メーカー本社の問い合わせ窓口における対応が充実していること
10. 信頼できるメーカーの後発医薬品であること
11. 古くから販売されている後発医薬品であること
12. その他(具体的に )

  ☆

基本、先発メーカーが自社先発製品をそのまま後発化してくれれば、それにします。

クラリスDS(薬価104.6)がブランド名を捨てて後発化してクラリスロマイシンDS「タイショー」(空想薬価57×0.8=46.0)にでもなってくれれば、とりあえず採用候補。大正薬品のマインベースと紛らわしいですね。あっちは「あすか」か「タケダ」にしてもらうってことで解決(違う)。

あとは「工夫」の部分次第。味とか形とか。

クラリスDSが後発化しても、クラリスロマイシンDS「○○○」のほうが味がいいし。

比較検討しても、よくわからなくなったら、最後は「仕入れ値」。

・・・って、厚労省の考える採用基準選択肢には、どれも入ってないですよ。

  ☆

(18) 処方せん受付時に、患者に対して、「後発医薬品についての説明」及び「薬剤服用歴を踏まえた服薬状況・副作用発現状況等の確認」の両方を行っていますか。 ※○は1つだけ

1. はい
2. いいえ

(18)-1 説明や確認を行っているのはいつですか。 ※○は1つだけ

1. 「後発医薬品についての説明」及び「薬剤服用歴を踏まえた服薬状況・副作用発現状況
等の確認」のいずれについても、調剤室での薬の取り揃えの後に行っている
2. 「後発医薬品についての説明」は、調剤室での薬の取り揃えの前に行っている
3. 「薬剤服用歴を踏まえた服薬状況・副作用発現状況等の確認」は、調剤室での薬の取り揃えの前に行っている
4. その他(具体的に

  ☆

これ、PMDAに行って笑顔モードらしい磯部っちの、負の置き土産。

「受付時」にやっているかという質問に対して「いいえ」って答えると、「じゃあいつなんだよ、ルール無用のキミのところの薬局に指導に行くから待ってろよ」という背景をもった質問が続くわけです。

まあ、質問(18)には、「毎回」「いつでも」「全ての患者に」といった表現は全く存在しませんから、たまにいらっしゃる方にしっかりやった実績があれば、「はい」と答えて終了ですね。

  ☆

(19) 変更調剤を行う際、先発医薬品と後発医薬品の効能の違いを確認していますか。 ※○は1つだけ

1. 確認している
2. 一部の薬剤についてのみ確認している
3. あまり確認していない
4. 確認していない
5. その他(具体的に )

  ☆

んーと、効能が違うような品目を在庫しないことにすれば確認の必要がないんじゃん?

先発からの変更に際して、医師がカルテにどのような病名をつけたのかは知りようがないので、先発と後発で効能が違う成分に関しては、後発を一切在庫しないのが、保険調剤上の安全策なわけだし。

本来、医師が「変更不可」にハンコを押さないってことは、先発品のみの効能では処方していませんという宣言・保障だと受け取ってもいいんじゃないかと思いもしますが、まあ、某病院での一件がありますから、念のため。

制度上の問題なので、アンケートなんかとるまえに、さっさと厚労省が解決することじゃん♪

  ☆

(20) 後発医薬品への変更が可能な処方せんを受け付けたが、変更しなかった場合について、今後、どのような対応が進めば、薬局の立場として後発医薬品への変更を進めてもよいと思いますか。 ※あてはまる番号すべてに○

1. 医師に対する後発医薬品の品質保証が十分であることの周知徹底
2. 薬剤師に対する後発医薬品の品質保証が十分であることの周知徹底
3. 後発医薬品メーカーによる情報提供体制の確保
4. 後発医薬品メーカーによる安定供給体制の確保
5. 後発医薬品に対する患者の理解
6. 後発医薬品に関する説明の手間や後発医薬品の調剤による薬剤料の減などを考慮した調剤報酬上の一層の評価
7. 調剤室での薬の取り揃えの前に患者に後発医薬品について説明する等、薬局における調剤手順の見直し
8. 特に対応は必要ない
9. その他(具体的に )

(20)-1 上記の選択肢1~9 のうち、最もあてはまる番号を1 つだけお書きください。

  ☆

品質保証が必ずしも「十分」ではないことは証明されているし、情報提供体制っていってももともと情報を生み出さなくても良いという前提で認可されているものをどーすりゃいいのかって話だし、磯部っちの言ってる調剤手順で解決する話じゃないし・・・

って、なんで、厚労省は、自分のところが中医協の会議で不利になりそうな選択肢をいれないんですかね。

ほら、後発品薬価を統一して、先発品薬価を後発品と同じにしてくれれば、進めますとも。

値段の説明がいらなくなるから

え? 後発品にならないって? みんな先発品を選ぶ?

そうですか?

いろいろ工夫しているのですから、そっちで勝負すればいい話じゃないですか。

別に先発品を選んだって、薬価が同じだったら、医療費削減という旗印的には、なんの問題もないでしょ。

そのあたり、中医協でなんとなく議論しているのに、医療関係者には伏して回答させるあたり、かなりひどい話です。いつもの厚労省クオリティ。

  ☆

5.「ジェネリック医薬品希望カード」の提示など、後発医薬品の使用に関する患者からの意思表示の状況等についてお伺いします。

(1) 「ジェネリック医薬品希望カード」を知っていますか。 ※○は1つだけ

1. 知っている
2. 知らない→質問(4)へ

(2) 「ジェネリック医薬品希望カード」を患者から提示されたことがありますか。 ※○は1つだけ

1. 提示されたことがある
2. 提示されたことはない→質問(4)へ

(3)平成22 年4 月以降、 「ジェネリック医薬品希望カード」を提示された患者に対して、先発医薬品から後発医薬品に変更調剤を行った割合は、患者ベースでどのくらいですか。
( )割

(4) 被保険者に「ジェネリック医薬品希望カード」が配布されるようになった平成21 年4 月以降、後発医薬品を希望する患者は増えましたか。 ※○は1つだけ

1. 増えた 2. 変わらない

(5) 貴薬局では、患者が後発医薬品を頼みやすくなるような工夫をされていますか。 ※あてはまる番号すべてに○

1. 薬局内に後発医薬品に関するポスターや案内板等を掲示している
2. 受付窓口に「ジェネリック医薬品希望カード」を用意している
3. 薬局内に後発医薬品の普及啓発に関するリーフレット等を用意し、患者が入手できるようにしている
4. 後発医薬品に関心がある患者のために、専用の相談窓口を設けたり、説明担当の薬剤師を配置している
5. 薬局内で後発医薬品に関するビデオを流している
6. 処方せん受付時に、患者の意向を容易に確認できるような資材を配布している
7. その他(具体的に )
8. 特に工夫していない

  ☆

「ジェネリック医薬品希望カード」を渡されて、

「あのー・・・前にお話しましたが、全部、後発品が存在しません」

とか

「あのー・・・前にお話しましたが、全部、既に後発品です」

とか

そういう会話がほとんどなんですが・・・。

そーゆー薬局だと、この質問の数々は、どう受け取られるんでしょうね。

『カードを知ってるし提示されているけれど、変更調剤に至った患者ベースの割合は、ほぼゼロ%』という答になりますが、数字だけみたら、まるで「後発品への変更をかたくなに拒んでいる薬局」みたいですよね。これ、他の設問をきっちりと参照してくれないと、ダメな質問というわけです。(でも、中医協の委員がそこまで分析するとはとても思えません)

全部後発品でジェネリックだとか全部先発品しかないとか、以前にがっちり説明していても、「カードをもってきたらもっと安くなる」と勘違いして、もってくるようなんですが。

カードの効果の検証だというのなら、もうすこし、違う質問にはできないものですかね。

  ☆

6.後発医薬品の使用にあたっての問題点・課題、要望等についてお伺いします。

(1) 貴薬局で、後発医薬品の使用を進める上で医師に望むことはありますか。 ※あてはまる番号すべてに○

1. 患者への積極的な働きかけ
2. 後発医薬品への変更調剤に関する薬剤師への信頼感
3. 後発医薬品に対する理解
4. 疑義照会への誠実な対応
5. 患者が後発医薬品の使用を希望している場合、処方せんに変更不可の署名を行わないこと
6. その他(具体的に )
7. 医師に望むことは特にない

(1)-1 上記の選択肢1~7 のうち、最もあてはまる番号を1 つだけお書きください。

(2) 貴薬局で、後発医薬品の使用を進める上で後発医薬品メーカーや卸業者に望むことはありますか。
※あてはまる番号すべてに○

1. 患者1人分での量など、分割や少量での販売をしてほしい
2. MRや卸の営業担当者を増やしてほしい
3. 後発医薬品の販売名に一般的名称を使うなど、わかりやすいものにしてほしい
4. DI(DI: Drug Information)業務(副作用や調剤時に必要な品質に関する個別の照会等)に、迅速かつ適切な対応をしてほしい
5. 安定的に供給できる体制としてほしい
6. その他(具体的に )
7. 後発医薬品メーカーや卸業者に望むことは特にない

(2)-1 上記の選択肢1~7 のうち、最もあてはまる番号を1 つだけお書きください。

(3) 上記(1)・(2)以外に、後発医薬品の使用にあたっての問題点・課題、ご要望等がございましたら、自由にお書きください。

  ☆

後発品メーカーに望むことは、新薬開発への資金援助です。

「テレビ宣伝をやめて、そのぶん新薬開発基金で開発研究者を支援したらカッコイイのになぁ・・・」

まあ、「平社員の給料をあげてやってください」、でもいいんですけれど。

  ☆

厚生労働省保険局医療課委託事業
平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成22年度調査)
後発医薬品の使用状況調査 調査票(案)

■ 平成22 年9 月**日(*)から**日(*)までの1週間の状況をご記入ください。

○「後発医薬品への変更がすべて不可」欄に処方医の署名等がなく、かつ実際に後発医薬品に変更したすべての処方せん(1品目でも変更した場合を含む)についてご記入ください。

○上記の処方せんについて、1から番号を振り、「処方せん番号(NO.)」欄にご記入ください。ただし、必ずしも発行の日付順にする必要はありません。(下記に記載した処方せんの合計枚数が、様式1の3.「④ ③のうち、1 品目でも先発医薬品を後発医薬品に変更した処方せん(初めての変更に限らず、以前に一度変更し、今回も同様に変更した場合も含む)」の項の枚数と同じであるかを確認してください。)

○各々の処方せんについては、処方せんに記載された銘柄どおりに調剤した場合の薬剤料を(A)欄に、また、実際に(後発医薬品へ変更して)調剤した薬剤料を(B)欄にご記入ください。薬剤料は処方せん1 枚ごと、単位は「点」でご記入ください。

○各々の処方せんについて、その処方せんを持参した患者の一部負担金の割合を(C)欄にご記入ください(例:組合健保の被保険者3 割の場合→「3」とご記入ください)。患者の一部負担金がない場合は「0」とご記入ください。

  ☆

これが薬局向けの、最後のページ。

お疲れさまでした。

こんな感じで、お医者さん向けと患者さん向けの質問票が続きます。

この質問票はあくまでも「案」なので、最終的には中医協の委員の見識がアンケートをまともなものへと変える・・・といいなぁ。

別の質問票の質問とリンクしている部分も、注意が必要です。

  ☆

【患者さん向けアンケート】
どうすれば、より、「ジェネリック医薬品の処方や調剤」を頼みやすくなると思いますか。

薬局における対応

5. 処方せん受付時に、薬剤師がジェネリック医薬品の使用に関する意向をたずねてくれること
6. 薬局内に、ジェネリック医薬品を希望する患者は薬剤師に相談してほしい旨のポスター等を掲示したり、使用の意思表示ができるカード等を用意していること
7. 薬局内に、ジェネリック医薬品に関する専用の相談窓口があったり、説明担当の薬剤師がいること

  ☆

なんか、すごく誘導している感の漂う選択肢です。

別に「処方せん受付時」じゃなくても、後発品使用に関する意向を尋ねてくれるならいつでもいいよ、という意見は無視する模様。

薬局側に「後発品使用意思表示カード」を負担させる気まんまん。

専用窓口とか、説明担当薬剤師とか、ありえないものを実装させたいようですし。

「後発品数量ベース三割」が実現できないと面子にかかわるヒトが、相当必死になっているんですかね。

こーゆー変な調査を改善するのは、中医協委員である我らが三浦委員のはずです。

25日に開催された会議で、三浦委員はどこまでこの調査票を改善したのでしょうか。

議事録が楽しみです。

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日薬。チリ地震に50万円。ハイチ地震にも50万円。

日薬って、お金が必要な時に、『日薬会員有志! 募金、呼びかけます!』みたいなことを、全然やらないな~・・・と、なんとなく思いました。

会員、信用されていないのかなー。

執行部から、ケチだと思われているのかなー。

  ☆

(日薬発表から引用)

【ハイチ地震】

山本副会長より、先般のハイチでの大地震について、本会では2月3日に救援金として、日本赤十字社へ50万円を送金したことが報告された。
また、過去、本会が海外の災害に対して救援金を贈ったのは、中国の四川大地震、ミャンマーのサイクロンによる災害であることが補足説明された。

※四川大地震は2008年5月。ミャンマーのサイクロンは2008年4月。

【チリ地震】

山本副会長より、去る1月のハイチ大地震に続き、先般2月のチリ大地震についても、本会では3月17日に救援金として、日本赤十字社へ50万円を送金したことが報告された。

  ☆

こんな感じで。

粛々と処理してる感が、なんとなく、つきまとっているのは、なんででしょう。すっきりしないんですよねー。

現地に薬剤師会(あるいは医師会)があるのなら、なにも赤十字に送金しなくても、現地の薬剤師会と連絡をとって、適切な対応を一緒に考えればいいのに、とか、思っちゃうんですよ。

F.I.Pって何のためにあるの? と、素朴な疑問もでてきます。

また、日薬だけじゃなく、鹿児島県薬(三月四日付鹿児島県薬ブログ参照)みたいに・・・、県薬が独自に赤十字に救援金を出しているのが、なんか、謎。

寄附しましたよ~、という姿が写真付きで掲載されているのですが・・・。

郵便振り込みで済むものを、渡しに行って、写真をとって・・・って、何のパフォーマンスなんですかね、これ。

一般の人が『赤十字に寄付しました。支部長に直接お金を渡しました。感謝されました』という記事を写真入りで書いたら、どう思われるんでしょうね。というか、直接支部に行っても、受付窓口で済む話なんですけど・・・。

『団体を代表する偉い人だから』とか『金額が多いから』という理由で『支部長が直接受け取る』のがあたりまえ!みたいな考え方が、見え隠れ・・・するのは、筆者だけですかね?

  ☆

薬剤師倫理規定第八条
 薬剤師は、広範にわたる薬剤師職能間の相互協調に努めるとともに、他の関係職能をもつ人々と協力して社会に貢献する。

薬剤師倫理規定第十条
 薬剤師は、その職務遂行にあたって、品位と信用を損なう行為、信義にもとる行為及び医薬品の誤用を招き濫用を助長する行為をしない。

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『薬剤師倫理規定の注釈』の考察。第二条。

「薬剤師倫理規定の注釈」を読んでいくカテゴリ。今回は、第二条です。

第一条の「注釈」では、人権原理主義が唱えられていました。人権の範囲を定めていない話で、薬剤師は人権活動家にでもならなければいけないかのようでした。

  ☆

第二条(の注釈)

薬剤師はファーマシューティカル・ケアの目的に沿って、医療の担い手として、日常から自らを自制する心構えを持たなければならないとしている。

患者とその家族や社会の人々に対して人類愛を持って接して、薬剤師職能を最大限に発揮することを心がけねばならない。人類愛こそ医療の担い手としての薬剤師にとって最も重要な信念であらねばならない。

薬剤師の職能に反する行為と認められるときには、断固として薬剤師の良心と勇気を持ってこのような行為を阻止しなければならない。

  ☆

うわー。

トンデモなキーワードがきちゃいましたよ。

『人類愛』

『職能に反する行為を見かけたら、阻止』

ということです。

「ファーマシューティカル・ケアの目的に沿う」だけでも、わけがわからないのですが。

1. ファーマシューティカルケアを実践する目的

ファーマシューティカルケアを実践する目的は、私たちが患者にサービス(専門的技能)を提供し、そのサービスに対して患者が権限を付与するような信頼関係を薬剤師と患者の間に作ることと考える。つまり、患者に選んでもらえる薬局・薬剤師になることである。

(水野薬局さんのホームページから抜粋しました)

つまり、「注釈」が述べているのは、「患者に選んでもらえる信頼関係の構築」のために「自制しなさい(正確には、心構えだけあれば自制しなくてもいい)」と、薬剤師倫理規定第二条に書いてある・・・ということです。

薬剤師倫理規定第二条

 薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情をもって職能の発揮に努める。

・・・うーん。書いてないと思うんですけれどー。

ファーマシューティカル・ケアも、関係ないですよね。

「常に自らを律し」で止めていますから、

 1.薬剤師は常に自らを律する。

 2.薬剤師は良心と愛情をもって職能の発揮に努める

というふたつの項目が混在しています。

常に自らを律するのは、「心構え」という努力義務ではなく、明確な行動義務です。

そして、自律と自制は異なります。

自律:他からの支配・制約などを受けずに、
    
自分自身で立てた規範に従って行動すること

自制:自分の感情や欲望を抑えること

「人から何と言われようと、自分の道徳規範に従って、行動する」ことと、「内部外部問わずいろいろな理由があれば、行動することをやめる」こととは、全く違います。

キーワード『人類愛』も、困った言葉です。

「人類愛が大事なんですよ。一緒に人類愛を信念として活動しようじゃありませんか」と、鳩山語録的なことを「注釈」は述べているのですが・・・

薬剤師にとっての人類愛って、具体的には、何?

 薬剤師は 良心と愛情をもって職能の発揮に努める

としか、書いてありませんからねー。

「愛情」を「人類愛」にもっていくのは、トンデモさんですよ。

ましてや、それが「信念」だと言うのですから、びっくりです。

セイクリッドセブン(いわゆるパワーストーン)でも身につけていれば、実践したことになるんですかね?

もうひとつのキーワード『職能に反する行為を見かけたら、阻止』も、どうかしています。

「注釈」では曖昧にしていますが、「職能に反する【自分の】行為が認められたら、【自分が】阻止する」ことはありません。

「自分で自分の行為を阻止する」とは、言いませんよね。

「阻止する」と書いてある以上、自分以外の誰かが行っている行為を止める、という意味のはず。

阻止するにあたっての「理由・状況」に挙げられているのが「薬剤師の職能に反する行為と認められたとき」なのですけれど・・・。

薬剤師の職能って、確立しないグレーゾーン的なものが多いし、そういうもののなかから、確立していく職能もあるのですが・・・明確に「反する」というと、たとえば「診断(医師固有の職能)」ですかね? そうなると、証をしっかりみる漢方相談薬局は阻止されちゃうわけですか? なにかおかしくないですか?

 薬剤師は 良心と愛情をもって職能の発揮に努める

と書いてあるのですから、人の行為を阻止するのは、明らかに、いきすぎ。

「信念」をもとに、「断固として人の行為を阻止する」って、どこかで聞いたことがある、迷惑な人たちなんですよね。そこに愛情はあるのでしょうか。

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Re:第二条 緑ヶ丘ふたば

薬剤師倫理規定『第2条』娘

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     御薬学園高等部2年生
     緑ヶ丘ふたば

   いつも忙しい、頼れる保健委員さん。
   基本ほんわかムード。ときおり説教モード。
   趣味は、ボランティアと青汁づくり。

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スポーツファーマシストの基礎知識。「目的」編

スポーツファーマシストの基本的な部分、特に認定関連については前に述べました。

今回は、

「で、スポーツファーマシストっていうけれど、これまで、薬剤師はドーピング問題についてどのくらい関与して、意見発表して、運動選手を守ってきたわけ?」

という、過去の実績部分について考えます。

実績があるからこそ、胸を張って「ドーピング問題のスペシャリストだもん☆」と言えるわけですよね。

そこで、クエスチェンタイム。

2007年、川崎フロンターレ、ドーピング裁定問題』ときいて、わかる方、いますか?

ヒント。「我那覇選手の例の件」。

わかりますよね? スポーツファーマシスト希望なら。

わからないという薬剤師は、スポーツファーマシストになんてならないほうがいいと断言します。しちゃいます。もっと言うと、この事件を知らずに、スポーツファーマシストの資格、とらないでほしいです。

この事件は、日本だけでなく、世界のドーピング問題史上、最大級の事件です。

ことの顛末はググればいいので、かなり省略して書いてみると、

0.事件の前年、横浜FCでの集団ニンニク注射事件があり、『健康なのに点滴することは、ドーピング』であると、Jリーグ内で決めた。同時に、『風邪や下痢などに対する点滴は認める』と確認した。

1.2007年事件当時、Jリーグは、JADA未加入。

2.Jリーグが、川崎フロンターレに所属していた我那覇選手に対するチームドクターの『風邪による発熱に対する緊急処置としての点滴(生理食塩水とビタミンB1のみ)』処置を、ドーピングであるとして、選手に出場停止処分、チームに罰金一千万円を科した。

3.WADA、JADAは「緊急時点滴はドーピングではない」と明言。

4.日本政府は、国際条約上、国内スポーツにおいてWADAの基準を守らせる義務があり、Jリーグ(と上部組織のJFL)に行政指導をしていた。

5.Jリーグの裁定を不服とした選手個人が、名誉回復のため国内裁定を仰ごうとしたら、『(裁定に大金が必要な)CASじゃなきゃダメ。それがルール』と、Jリーグが酷い難癖をつけた。

6.それでもCASに提訴した結果、Jリーグ側が全面敗訴した。

7.JFAは2009年1月にJADAに加盟した。

8.CAS裁定によりJリーグは裁判費用の一部を支払った。出場停止処分への補償、フロンターレの「罰金」一千万円の返還については、Jリーグは行っていない。

というもの。

ワールドカップに出場しようっていう国のプロ機構が、ふだんはWADA基準を無視して活動していたっていう、とても悪い例です。しかも、選手の健康を守るために「アンチ・ドーピング」を行っているのに、選手の健康を守った行為に対して「ドーピングだ」と認定し、CAS裁定が下ってもなお、潔白の相手から得た「罰金」を返さないという、そんな事件です。

最大の問題は『現場の医師が選手の健康を守るためにWADA基準で行った治療を、JADAに加盟していない競技団体が、「内部規定で」「当初の説明とは異なる基準で」ドーピングであると主張し、処分を行った』点です。

これが許されるのなら、誰も選手の健康を守れません。

適切に治療しても、あとづけのルールで恣意的に「ドーピングだ」といわれる可能性が強いのですから。

適切に治療しても、選手に精神的な苦痛を強いて、そのうえ、チームに「罰金」一千万ですから。

そして、身の潔白を証明しようとしたら、とんでもない金額が選手個人の負担となります。

CAS(Court of Arbitration for Sport)裁定にかかった費用は、ちんすこう募金のブルティーダ沖縄FCさんのサイトによると・・・

CAS費用 合計 34,412,268円
内訳:弁護士費用12,009,375円
    申立及び事務経費4,665,173円
    翻訳・通訳等費用17,737,720円

ということです。

三千五百万円。

これを個人負担させるっていう時点で、当時のJリーグのメチャクチャさ加減がわかりますよね?

我那覇選手がCAS裁定を行ったことで、アンチ・ドーピング活動の根幹を揺るがすような事態は、良い方向へと向かいました。深く感謝。

さて、この事件に対して、薬剤師会はなにかしたかというと

なんにもしていません。

目に見える範囲では、本当に、なんにもしていません。

ドーピングの大問題ですよね?

「ドーピングの問題から、選手を守る」なら、ここで動かないはずがありません。

スポーツファーマシスト以前から、薬剤師って、ドーピングに関わってきたのですから。

なんにもしない、何の発言もないって、どういうこと?

※過去の日薬代議員会でも、全く話題になりませんでした

CAS裁定費用のうちいくらかを出してみたり・・・も、せず。

黙りこくったままで、事件が風化するのをじっと待っているという、ドーピングの専門家を養成しようという組織とは思えないへたれっぷりです。

この実績で、「ドーピングのスペシャリストだもん☆」とか言えるのは、恥知らずだけでしょう。

スポーツファーマシスト制度がウソ臭いと思うのは、この辺です。

「国体の実績」も大事です。ええ、とてもとても大事です。でもね、「現場で起きている事件に対して無視を決め込んだ実績」は、無視できません。「組織が個人をいじめたのをみても無視した」のですから。

では、「これまでは恥知らずだった。ごめんなさい。けれど、これからは違うよ!」という姿勢なのかというと、これも、どうも、違うようなんですよね。

スポーツファーマシストの「定義」を読むと、今後も「事件が起きても無視を決め込む」つもりだということがよくわかります。

【スポーツファーマシストの定義】

☆スポーツファーマシストの活動ドーピング防止活動に関する正確な情報・知識を持ち、競技者を含めた一般の人に対しドーピング防止に関する適切な情報を提供することを主な活動とする

・・・よーするに、「予防」のために「事前に」知識を伝達するのが活動であって、「ドーピング全般」の様々な事件・要請には、関与する予定がない、ということです。

『ちゃんと禁止項目については伝えたんだから、守れなかったら全部アンタの責任なんだからね!』とか言う学級委員長的な身分ですね。

情報提供と啓発だけをする存在です。「ダメ。ゼッタイ」と似ています。うっかり「やっちゃった」り「やったと決めつけられたり」した人間には、全く手を差し伸べないのですから

スポーツファーマシストの「目標及び方策」を読めば、勢力拡大以外のなにをやりたいのか、全く分からなくなります。

【スポーツファーマシストの目標及び方策】

薬剤師会とJADAとの協調により、現在の薬剤師会の活動の更なる充実。

薬剤師会とJADAとの協調により、学校薬剤師による認定資格取得を推進。

総合型地域スポーツクラブへの配置を働きかける。

フィットネスクラブ、スポーツジムへの配置を働きかける。

以上。・・・なんですか、この目標は。

『選手の健康を守ること』を目標に活動するんじゃないんですか?

こんな目標を掲げる「スポーツファーマシスト」で、いいんですかね?

みなさん、スポーツファーマシストに認定されたら、この目標に向かって突き進むんですか?

 ☆   ☆   ☆

追記。

サッカーと違って、国際大会であるWBCの優勝選手を抱えるNPB(日本プロ野球組織)は、まだJADA未加盟です。

こちらは逆に、「十数回も点滴しているが、セーフ」という、組織内判定をしています。

「スポーツファーマシスト」が、NPBに、なにか意見表明をするかどうか。四月以降が、楽しみです。

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