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パブコメ:「延長」するなら「前提」を守ろう♪

「薬事法施行規則の一部を改正する省令案について」のパブコメをやっているとアポネットさんで知りましたので、ちょっと見てみて…なんだかおかしいと思ったので、パブコメを送ってみました。「てにをは」が抜けているのは脱字ですが、もう4月16日に送っちゃったので、そのまんま載せます。

  ☆

〔意見]該当箇所:「概要」

意見内容

「新たなルールが策定されるまで」という改正理由との整合性をとるために、「現在郵便等販売を行う権利が確認された二社(ケンコーコム社等)について、新たなルールが策定されるまで、郵便等販売を控えることの確認すること」を、省令案改正の前提とすることを求めます。

理由

平成25年1 月17日付事務連絡、厚生労働省医薬食品局総務課による「医薬品のインターネット販売訴訟(最高裁判決)を受けた対応について」において、問4の回答に『このため、郵便等販売については、新たなルールを作る必要があると考えており、制度を整備する上では、新たなルールが決まるまでの間は、現行の省令を何らかの形で改めることは難しく、そのままにしておかざるを得ないと考える。』とあり、省令が撤回されていない点が確認されました。また、問7の回答4に『しかしながら、厚生労働省としては、郵便等販売に関する新たなルールが決まるまでの間は、関係者には慎重な対応をお願いしている。具体的には、第1類・第2類医薬品については、新しい販売のルールが出来るまでの間、郵便等販売による販売を控えていただくようお願いするものである。』との具体例が示されています。「新しい販売のルールが出来るまでの間、郵便等販売による販売は控える」ことが守られていることを前提として、今回の解説の骨子である「ルールが策定されるまでの当面の処置としての期間の延長」がありうるのであって、「販売を控える」ことが守られなくても良い場合、期間延長の必要がありません(販売を控えなくてもいいのですから、すでに無効な項目とみなされます)。少なくとも、『郵便等販売の権利を確認された二社は、今回の処置を肯定するのならば販売を控える』べきで、その前提が確認できない状態で、現状の処置の延長を行うことは、妥当でないと考えます。

「自由に販売できるはずの薬を「特別な人・地域に販売できる」と定義するルールを定めるためには、「自由に販売できない薬である」という前提が必要なはずですが、それが確認されていないので、目に見える形で確認できるようにしてほしい」ということです。

  ☆

 電車の特定路線にローカルルールがあったとして。

 【全車両禁煙だけど、喫煙車両だけはOK】という特例ルールの期限を「平成25年五月まで」としていたのを、「車両内の新しい喫煙ルールについては、現在策定中につき、特例ルールを平成25年12月まで延長したいです。」と言えるのは、【全車両禁煙】という前提が変わっていない場合だけ。

 「平成25年1月に【全車両で喫煙する権利が、特定のふたりに認められた】」ことで、前提となっていた【全車両禁煙】というルールがなくなったとみなせます。

 前提となるルールが変わったのなら、【喫煙車両だけOK】というルールは『延長』する必要がありません。延長しなくても、全車両喫煙OKなんですから、喫煙車両も喫煙OKに決まっています。喫煙車両を決める必要がないのです。

 もし「延長する必要がある」のなら、前提となるルールが変わっていないのですから、【全車両禁煙】のルールは生きていることになります。従って、【権利を認められたふたりは、新ルールが決まるまで、今まで通り、喫煙車両以外では喫煙できない】ことが証明されなければなりません。

 「前提となるルールが変わったのかどうか」が、問題なんですね。

 前提が変わったのなら、延長の必要なし。

 前提が変わっていないのなら、延長しなければならない。

  ☆

 郵便等販売の件に関しては、

 いわゆる「原告側」は、すでに郵便等販売を再開していますから、前提が変わったという立場をとっているようです。

 厚労省は、省令を撤回していませんし、郵便等販売はルール策定まで控えるようにとの文書を出していますから、前提が変わっていないという立場のようです。

 今回の「省令改正案」は、厚労省の「前提は変わっていない」という立場から発想されていますから、「延長の必要がある」となるわけですね。

 「変わった」という立場の「原告側」は、この案に対して、「延長の必要はない」と言わなければ、自らのとっている行動(販売を控えろと厚労省に言われているのに販売を再開したこと)を説明できません。

 延長しないことになれば、「厚労省の主張する」ルール通りに省令を守る多くの薬局は、特例による郵便等販売を六月以降打ち切るしかありません。厚労省が考える適切な流通とは、そういうもののようなんですが、それって、「利便性」を徹底追及するはずの「原告側」のフライング行動によって、利便性を損なう人が多く出るということなのでは???

 これで利便性を損なうのは、これまで特例でもらっていた方たちですから、判決以降の新規顧客と違って、『その利便性がないと立ち行かない』方々です。

 「延長しない」ってことは、そういう方々から利便性を奪うことになります。

 「自分の顧客以外はどーでもいいや」という考え方なら、「原告側」は、【自らは販売を控えない。かつ、延長には反対する】という行動をとりそうです。

 そういった行動は、『適切な流通』を考えたことがあるなら、変な感じ。

 薬剤師法第一条:『薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする』を実践するなら、国民全体への医薬品供給を考える会合の席で、「うちの客以外はどーでもいいです」という意見が薬剤師の口からでるとは思えませんが…。

 オンラインドラックストア協会が自分で決めた「一般用医薬品のインターネット販売に関するガイドライン」 http://www.online-drug.jp/files/20130111final.pdf の「責務」には、「適切な流通」に関する文言がありませんし、「原告側」が、そういう考え方をしても、「原告側」が自分で決めたガイドライン上は、問題ありません。

第1条(責務)
1 薬局又は店舗は、薬剤師又は登録販売者による必要な情報提供及び販売を通して、購入者が主体となった病気の予防及び治療に寄与し、もって購入者の健康な生活の実現に努めることとします。
2 薬局又は店舗は、改正薬事法の趣旨(一般用医薬品の販売に関しリスクの程度に応じて薬剤師又は登録販売者が関与し適切な情報提供等がなされる実効性のある制度を国民にわかりやすく構築することを目的としたもの)を踏まえ、必要な責務を全うしていくこととします。

 で、今回のパブコメは、「お互い、それでいいんですか?」と、確認するための意見です。 

 「延長しない」場合

  延長前提は「現時点では省令は無効であり」「原告二社は郵便等販売を行う」。

  なので、「現在特例を受けている方々への、原告二社(および、勝手に追随しているタダ乗り企業さんたち)以外からの供給がストップされる」

  あるいは「全ての薬局・薬店は、省令が無効であることから、郵便等販売をルール無しで行っても良い」という新ルールが今すぐ確定される(←無理)。

 「延長する」場合

  延長前提は「現時点では省令は有効であり」「原告二社は郵便販売等を控える」。

  なので、「現在特例を受けている方々への、特例供給はストップされない」

 といったパターン。

 「省令が無効なのに延長する」のは、矛盾します。

 新ルール策定中なのに「ルール無用で販売していい」というルールは出せません。

 「新ルールができるまでは省令が有効なら、原告二社が郵便販売等を控えないのはおかしい」です。

 で、今回の「延長したいんだけれど、どうよ」という提案に対するパブコメは、

 『延長したいんだったら、前提条件を整えなさい』

 というものにしました。

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