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2013年1月

第四十六回『教祖様は、カリスマギタリスト』

このブログは、薬剤師倫理規定擬人化のブログです。

倫理規定番外キャラの8人目。No.18。

今回のお題は、「ファーマシューティカル・ケア」

どこかで聞いたことがあるけれど、なんのことだか説明できる方がいないであろう、そんな項目について。

  ☆

番外8 「万能定義、ファーマシューティカル・ケア」
 ファーマシューティカル・ケアの概念そのものが
 否定も肯定もできない以上、

 その実行者の行動は全て、
 ファーマシューティカル・ケアである。

  ☆

018san

『伝統破壊』 天津 傘 (天津 傘/あまつ さん)

 80年代後半にデビューした伝説のロックバンド「ヘプラー&ストランド」。

 そのカリスマギタリストの幽霊。

 PC教の本尊で、幽霊なのに教祖様。信者多数。

 本来は、人との交流が苦手で恥ずかしがり屋のオタク。

 目を瞑り無言で通すストイック風味な演奏は、数々の賞に輝く。

 頂点を極めつくした頃、死亡確認(死亡確認者は王大人)。

 死後、約二十年たった世界に幽霊として復活し、ライブ活動を再開する。

 新曲リリースの予定は、ない。(音が記録できないので)

 幽霊なので、見える人と見えない人とが存在する。

  ☆

ファーマシューティカル・ケアは、その定義がバラバラな、ロックですよー…という話は、このブログでも以前にしていますが、その擬人化です。

ロック思想やラブ&ピース、健康推進活動に親和性の高い人や、なんとなく関係する人にしか見えないという設定です。

擬人化キャラクターの間では、前文オタク娘(虹村零)、第一条(桃園ひとみ)、第二条(緑ヶ丘ふたば)、番外7(鉄湾あま)との親和性が高いです。特に前文とは、それが指し示す目的を実践するための行動指針として、良い感じ。行動指針を伴わない番外2の薬剤師綱領とは相性が悪いかも。

真実を守る第九条(茶森ここの)には、見えるけれど、でも黙っています。

番外3(墨沼けい)は多様性の権化ともいえる概念であるファーマシューティカル・ケアが大嫌い(敵を発見する能力が高いんですね)。でも、ときにファーマシューティカル・ケアは「統一化」の先兵にもなりうるので、うまく使いこなしたい相手といったところ。ゆえに、PC教団に対しては敵対しているのですが、相性は最悪ですから、教祖で御神体な傘さん本体は見えません。

番外1(銀河つかさ)の考えるフリーダムな状態とは「責任も義務も放棄する代わりに、権利も手放せ」というものなので、権利を維持しつつ中途半端に現在の責任と義務を俺流化するタイプの『楽曲』は嫌い。全体的にはロックなので好き。あるいは、最もファーマシューティカル・ケアの血肉を継いでいる存在。

一方、法律関係の第三条(青山みつひ)をはじめとして、エビデンス重視の第六条(水野むつき)や、相互協力系の第五条(赤坂いつめ)、第八条(黄土やつね)、番外6(苗滝かわりめ)には見えません。認定不可能なことから、番外4(紅波かん)にも見えません。倫理規定条文をあらわす番外2(金海きみ)、番外5(桜潟つぐ)にも見えません。

 頭巾姿でギターを弾いているときは無口キャラですが、頭巾を外したら、中二病患者のオタク。ある意味、前文娘の虹村零より重症です。

 自前の自律型スピーカーシステムは『太古の魔導師がエンチャントした音の悪魔の宿るホーリーウェポン』で、その名を『エターナル・ブリザード・シンフォニー with OMPA(オーバーロード・ミラクル・パブリック・アドレス:過負荷不可思議放送設備)』。略して『おんぱ』。全次元世界のどこにでも音を届け、音の指向性を高めればレーザー兵器級の貫通力を誇り、その広過ぎる音域と振動に耐えきれないものには使用できない…という中二病能力があるそうです。

 『おんぱ』は、もともと音響兵器のマイク&スピーカーシステムだったため、アカペラ(ヒューマンビートボックス)で演奏できます。暇なときは散歩しながら延々歌っています。…あれ? 演奏しなくていいならスピーカーのほうが本体? まあ、気にしない。生前は、ちゃんと本人が演奏していたはずですので…。

  ☆

 デビュー前の傘さんは、ひきこもりのオタク娘でした。

 ある日、謎の組織に誘拐され、隔離された病院に入れられます。

 同じ病室には、両親をテロで亡くした、名もなき実験体の超能力少女。

 癒しの超能力を使うたびに、その体は、治した病に応じて弱っていきます。

 傘さんは、自分が、その少女が「電池切れ」になったときの、予備の部品だと知ります。

 言いだせないまま、共同生活を続けるふたり。

 超能力少女は言います。「想像力がある限り、わたしは自由なのだ」と。 

 それが、後に保険の先生となる銀河士。

 傘さんの死亡後、その臓器を譲り受けて、士先生は自由を手に入れます。

  ☆

【名前関連】

 「天色」は、濃い水色。

 無限、パイオニア、神様的なもの。

 「津」は、渡し場。染み出る液、体液、汗、潤い。

 ここでないどこかへ導く始まりの地。ロックンロールは汗で語る。

 天津→天帝の都。天国的な。天国の住人≒既に死んでいる幽霊。

 「傘」の略字体は「十と八」に分解可能。何かをさえぎるもの。

 傘=アンブレラumbrella。

 「バイオハザード」シリーズの敵組織。ウィルス兵器を開発。表向きは薬品開発企業。その社訓は「人々の健康を庇護する」。

 PAの「OMPA」は、ファーマシューティカル・ケアの強い味方といえばデータですから、データウェポンとして有名なPMDAさん的な名前を。pMDA→oMPA。

 「もともとはマイクとスピーカー」で勝手に歌ばかり歌っている部分が、『出向組』のノリで、役割を果たそうと正しく「演奏」する部分が『技術屋さんたち』のノリです。

  ☆

【デザイン】

 009オマージュは、バン・ボグート。ブラックゴースト団最高幹部。ステルスで加速装置で手が伸びてエネルギーを吸収放射(第四波動っていうアレです)するサイボーグで、表の顔は重工業の社長さん。

 独特の目とほっぺの線はアイシャドウとフェイスペイントに変換。そこに宗教っぽい袈裟とB’zっぽいタンクトップとバン・ボグートの迷彩をミックス。どうせ宗教系なら尼さん的な頭巾もくっつけて…とやっていたら、こうなりました。元ネタが怪人系だと流用パーツが多いデザインになります。

 額のハートマークは「PC」、ファーマシューティカル・ケアをあらわしています。

 「エネルギーの吸収放射=相手の思想を増幅して返す」という部分で、ファーマシューティカル・ケアの抱える問題点である「俺たちがやっていることがファーマシューティカル・ケアなんだ。それでいいよね?」という問いを自己増幅していく流れを反映しています。傘の場合は、「観客それぞれの投影するものを、観客それぞれが勝手に解釈して納得していく」という、ロック歌手らしい部分で表現。夭逝した伝説のロック歌手や石原裕次郎・美空ひばりといった伝説のスターのファンが、故人を通して、それぞれの人生をよりよくしていくような、ちょっといい話。勘違いしてあさっての方向にいってしまう場合もあるのは、ファーマシューティカル・ケアも同じ。

 ステルスなところは、幽霊らしくてぴったりです。ブラック「ゴースト」の部分が、ようやく反映できました。

 三面拳最強の男で盲目のゴルファーとして有名な月光さん(男塾)と同様、盲目を名乗るくせに実は目が見えているというパターンですが、単に目をつぶっているだけであることを強調しているのは「この目が開いた時、俺の中の龍が暴れ出す・・・」という、お約束のせい。かなり中二病です。

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OTC:エパデール問題は「CDTM」でカンタン円満解決。

 さてさて、まずは、前回のおさらい。

  ☆

 生活習慣病のOTC薬について、

1.医師は、自己申告は信用ならんと言っている。

  だったら、セルフチェックシート制をやめて、

  自己申告ではない制度にすべき。

3.医師は、受診と検査が前提だと言っている。

  それなら、医師が、有効期限を明記した受診証明書を出せば良い。

4.医師は、食事療法と運動療法の実施が前提だと言っている。

  それなら、医師が、実施期間を明記した完了証明書を出せば良い。

  ☆

 日本医師会の、生活習慣病OTC薬に関する主張をきっちりと、真面目に取り入れたなら、これが「正しい姿」です。

 「OTC薬のために、お金にならない受診証明書をどうして書かなきゃならないの?」みたいなことを真顔で言う医師はいないと思いますが、万が一、日本医師会のエライ人の中にそういう方がいるならば、答はふたつ。

答A 【じゃあ、フィーをつけてもらえばいいじゃん】

答B 【バイアグラの指示書、なんで書いてるの?】

 つまり、「第一類OTC薬(=要薬剤師薬)の購入を指示した、自費処方せんと同様の様式を持った指示書」を書く仕事の報酬に、「保険」を使えるようにすればいいんじゃないですか? という話。バイアグラでできるのですから、エパデールでできないはずがありません。ほら、さっさと中医協でやること。

 混合診療にはなりませんし、有効期限を含めた様式もある程度整っていますし、レセコンで証明書を印刷できますし、カルテが残りますし、医師会的にも、病院経営的にも、医師の仕事を大幅に減らせて、かつ、定期的に受診してくれることが明確ですし、検査も受けてくれるのですから、安心安全、間違いなし。

 学者さんが大好きな「海外」では、OTC薬を書いた処方せん・指示書なんて、あったりまえだのくらっかー。混合診療バンザイな国では、保険も自費もひっくるめて書いちゃってますし、そうでない国では、保険処方せんと指示書を別にすれば済んでる話。

 薬剤師側としても、【医師の診断を前提として、医師が提示したプロトコルに基づいて、共同実務契約として】OTC薬を(手続きを踏んで)販売するのですから、これは【CDTM】における『補助的処方権』を行使していることになります。

 あ、補助的処方権の定義が、【医師の診断を前提として、共同実務契約によって生じる処方権】なんですよ。「補助的」ってついているだけで、処方権とは全然違うものですから、そこんとこ、勘違いしないでくださいね。

 勘違いしそうな空気がすぐに漂うんですが、本気で勘違いしている方は、勉強してください。「補助輪」と聴いて「主輪を侵害するものだ!」なんてこと言う方、いませんよね?

 CDTMのいわゆる「共同処方」は、現状、病院内や診療所内の医師と薬剤師の関係でしか日常的には作れませんが、このOTCエパデールにおいて医師会が求めてきた「診察に基づく」という主張を実践することは、OTCエパデール販売についてのきっちりとしたプロトコルを作成している点からも、第一類医薬品販売店における「CDTM」実践であると言っていいでしょう。プロトコル実例は、海外にはすでに多くありますから、その日本版を蓄積していくことで、より多くの範囲でのCDTM実践が可能になります。

 医師会からの「診断しなきゃヤダ」という主張は、渡りに船。

 より高度なOTC薬販売を実践するチャンス。

 なので、この問題を論じるとき、著名な薬剤師の方々には、「(すでにあちこちで行われている)CDTM実践の全国規模化の突破口」であるという意識で書いてもらえると、面白くなると思っています。せっかくの薬ですから、みんなで「育て」ればいいんです。

 日薬の児玉会長みたいに、ビジョンもなしに「話し合う」しか言えないようなのが、一番ダメです。なにを話し合うつもりなのか、全然わかりませんよね。

 ちなみに、「薬剤師の将来ビジョン(暫定版)」には、こんなことが書いてあります。

4.疾病の予防やセルフメディケーションに貢献
①疾病の予防やセルフメディケーションに対する考え方が国民の間に浸透し、薬局は健康に関してファーストアクセスする地域の「健康ステーション」、薬剤師は薬と健康の良き「アドバイザー」として認識されている。また、相談の内容や症状から受診が必要と判断される場合には適宜・適切に医師への受診を勧める等、セルフメディケーションにおいても、医師とのスムーズな連携が進んでいる。
②スイッチOTC薬の上市や薬局製剤の新規処方が進み、セルフメディケーションに寄与している。

9.薬剤師業務がさらに進展
⑥チーム医療の進展に伴い、一定の資格を有した薬剤師(認定薬剤師・専門薬剤師等)が、高度な薬物治療の知識や技能を活用し、CDTM業務を実施している。

 正直どうでもいい「一定の資格」とやらを有していなくても、街角の薬局でCDTM業務を実践するチャンスなんです。OTC薬だって、チーム医療なんですよ。

  ☆

【おまけ】

 生活習慣病用OTC薬を、要診断証明書薬であるとするならば、電子処方せんが実現するまでは、ネット販売は不可能ですね。そこまでのセキュリティetcの構築ができてはじめて「便利だし、いい感じ」という流れでしょう。(筆者は以前のネット販売のパブコメに「今は、不便な部分をひとつひとつ改善することを考えようよー。あわてても、ろくなことないよー」という『今は、反対』の立場を表明しています。http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-3fd8.html あれからだいぶたちましたけれど、あんまり環境状況は変わってないですね。こーゆーのは、推進してる人の考え方が、反映されるんですけれどね。株価が高い間に、せっせと地道に設備投資してほしいなぁ)

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スイッチOTC:日医が「二枚舌、嘘つき」では、ないならば。

 日医のHP、OTCについての記者会見について。

 相変わらず、面白いこと言ってます。

 とりあえず、白クマ通信を、引用。

  ☆

 中川俊男副会長は、1月9日の定例記者会見で、まず、昨年の12月19日、薬事・食品衛生審議会薬事分科会で、エパデールのスイッチOTC薬化について協議をした際にエパデール購入時に患者が記入するセルフチェックシートの見直しおよび、2002年に一般用医薬品承認審査合理化等検討会が取りまとめた中間報告書「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について」の見直しを提案し了承を得、中間報告書の見直しについては、新たに検討の場をつくることになったことを報告した。また、エパデールのスイッチOTC薬化が生活習慣病分野でのスイッチOTC薬化の先鞭をつけるものではないことも確認しているとした。さらに、昨年末にエパデールのスイッチOTC薬化が承認されたことが発表されているが、日医は厚生労働省の担当部署と協議をし、エパデールのセルフチェックシートの修正を行い、製造販売元の製薬会社も了解したと説明を行った。

 同副会長は、セルフチェックシートには、初回購入者用と2回目以降用の2種類があり、どちらのシートにも、冒頭、『このお薬の使用は、医療機関を受診された方に限られます』と明記されていることを説明。そして、シートの内容を解説し、適切に修正したことを明らかにした。

 さらに、日医としては、基本的に、生活習慣病治療薬がOTC薬化されるのはなじまないと考えており、新たなセルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方についての検討の場では、そうした考えで臨みたいとした。また、生活習慣病は、いわゆる万病の元であるので、高脂血症以外の生活習慣病の発見が遅れたり、薬を服用している安心感から食事に対する配慮や運動、禁煙といったことが疎かになる心配があることや、薬局だけで済ますことの危険性を指摘し、これらも含めて議論を深め、結論を出したいとの意向を示した。

  ☆

 ほんとに「見直しを了承した」のなら、審議会の委員は、自分たちの決めたことに対する日医の指摘だけが正しいと認めたことになりますね。

 他にも、いろいろな指摘があっていいはずでしょ?

 どんな裏事情があるのか知りませんが、日医の発表の通りなら、この変節ぶりは凄いですね。

 でも、「12月19日以降に会議が開かれていない」のに、どうやったら、「見直し」の内容を後から決定できるんでしょう?

 「見直しを了承した」のと、「見直しの内容を了承した」のとは、全く意味が違いますよね。

 「どう見直すかは不明だけれど、見直す」なら、次回の会議で、見直し案をもとに議論して、その案を了承するかどうかを決議するのが、まともな審議です。

 見直しの了承をとったら、それを了承した会議が「見直し案」の審議をするのは当たり前です。

 それをやらずに「見直し案がこうなりました」なんてことを、審議会の座長でも厚労省でもなく「一委員」が発表した場合、一般的には、「審議会で何も決めていないのに、バカなんじゃないか?」と評価されるはずですし、そんなものを「決まったこと」かのように報道するメディアがあれば「きちんとした裏もとらずに報道するなんて、ジャーナリストとして恥ずかしい奴め。今すぐ辞めろ」という評価になるはずです。

 一方、「こう見直してほしい」という案があって、それを了承したのなら、それで決定となり、「12月19日の時点で、その旨の発表がある」のが、まともな会議です。

 年が明けてから、「厚労省」ではなく、「日本医師会」から発表されるなんてことは、ありえません。12月19日の会議を傍聴していたり、座長に取材をしていたり…といったジャーナリストっぽい活動があれば、平成24年の間に報道されていたはずです

 と、なると、どうも、この日本医師会の「発表」自体が、かなり疑わしい、ルール無用の妄想である可能性が高まってきます。

 分科会委員の中では、望月真弓さんとか、メディア露出の多い方が、このあたりの真実を語ってくれれば、話が早いのですが。

 会議の守秘義務もあるでしょうけれど、嘘つきが大声で話しているのを誰も止めなかったら、それが事実として根付いてしまい、あとで取り返しがつかなくなるのは、あちこちで起こっている歴史的な問題ですよね。(例:トラスト・ミー)

 会議に参加しているはずの人が、黙ったままでいる。

 「それは確かに、審議会で了承されたことです」

 とも

 「それは審議会で了承していないことです」

 とも、述べない。

 仮に欠席していても、会議の内容を委員が知らないなんて、おかしいですよね。

 (注:この審議会、やたらと欠席者が多いのです)

 議事録が公開されれば解決する問題ですが、こういう議事録ほど改竄に時間がかかって、いつまでたっても公表されないのが、いつものパターン。

  ☆

 で、シートの内容を「適切に修正した」なんて言ってますけど、セルフチェックシートの内容を日医が変えるのって、彼らの主張的に、おかしいんですけれど…。

エパデール、医療機関受診が前提‐セルフチェック表を修正
厚生労働省 
2013年01月11日(金)

 生活習慣病治療薬として初めてスイッチOTC化が承認された持田製薬の「エパデール」について、日本医師会と厚生労働省が協議し、販売時に用いるセルフチェックシートを修正していたことが分かった。修正後は、病院や診療所の受診が前提となる。これにより、エパデールの服用は、厳格な手続きをいくつもクリアした上で、初めて可能となる方向に大きく変更されることになった。9日、日医の中川俊男副会長が明らかにした

 エパデールのスイッチOTC化をめぐっては、昨年12月19日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会で、投与対象の妥当性を確認するセルフチェックシートについて、当初内容に修正を加えることを条件に正式承認すること等を提案し、了承を得ていた。

 今回、修正されたセルフチェックシートには、エパデールの服用が医療機関を受診した人に限られることを明記。初めて薬局を訪問した人で、健康診断等の中性脂肪値が150mg/dL以上だった場合も医療機関受診の有無を尋ね、受診していない人は服用できないことになった。受診した人は、その時期と医療機関名を記載するようにした。

 さらに、受診の結果、医師からすぐに通院治療を始める必要はないと診断された人で、出血していない、手術の予定はない等の項目を全てクリアした上で、初めてエパデールを服用できることになった。2回目以降に薬局を訪問した人には、前回の購入時期、服用後の検査結果で中性脂肪の値が150~300mg/dLの範囲に入っており、服用開始時の値から10%以上悪化していない範囲の人だけ勧めるとした。

 チェックシートは申請資料の参考資料として添付されており、既に持田製薬は修正を了解済みという(薬事日報)

 いやー、発表したのが日医の副会長なのに、「厚生労働省」発表と誤解させるタイトル。これ、どういうことなんでしょうね。薬事日報、すごいなー。

 CBニュースさんだと、こんな感じ。

 昨年末に正式に承認された、生活習慣病領域では初のスイッチOTC(医療用医薬品から一般用医薬品への転用)となる持田製薬の高脂血症治療薬エパデールについて、使用は医療機関を受診した人に限定されることが分かった。9日の日本医師会の記者会見で、中川俊男副会長が明らかにした。

 厚生労働省の担当者や中川氏によると、エパデールのスイッチOTCを購入する際には、患者が薬局で、様々な条件項目が記載されたセルフチェックシートに記入する必要があるが、厚労省が日医の意見を取り入れて、シートの記載内容を修正した。
 修正後の初回購入時のシートでは、冒頭に「このお薬の使用は医療機関を受診された方に限られます」と記載。また、項目中にも健康診断などの結果を踏まえて、病院や診療所の受診をしたかどうかを聞く質問が盛り込まれた。受診していない場合は購入できず、受診している場合は、病院や診療所の名前と、受診した年月日を記載する必要がある。
 2回目以降は、初回購入時とは異なるシートに毎回記入する必要があるが、購入ごとの医療機関の受診は必須ではない。

 同薬は、先月19日に開かれた薬事・食品衛生審議会の薬事分科会で承認が認められたが、この際に委員を務める中川氏がセルフチェックシートの見直しを求め、これも了承されていた。厚労省の担当者によると、日医の意見を踏まえて修正した内容については、薬事分科会の分科会長と一般用医薬品部会の部会長の了承を得た後、各委員に報告したという。

 同薬の承認をめぐって、日医は「生活習慣病をOTC薬で治療することは非常に危険」「医療機関の受診がおろそかになる」などと強く反対していた経緯がある。今後、生活習慣病領域の医薬品のスイッチOTC化をめぐっては、厚労省が新たに検討の場を設置する予定だが、中川氏は会見の中で「日本医師会としては、生活習慣病治療薬はOTC化がなじまないと基本的に考えている。(検討の場では)そういうスタンスで臨みたい」と強調した

 「厚生労働省の担当者によると」って、この会議の場合は、医薬食品局長、大臣官房審議官、総務課長、審査管理課長、安全対策課長、監視指導・麻薬対策課長、医療機器審査管理室長…の、誰かってことになりそうです。

 これは、あれですかね。「分科会長に一任」ってやつですかね?

 責任回避能力が高い人たちによる、医師会に丸投げしたチェックシート。

 でも、その医師会が、「生活習慣病分野におけるスイッチOTC 薬化のあり方について」では、

2.疾患の診断・治療は医師のみが行う行為であるが、医療用医薬品のスイッチOTC 薬化により、購入者の自己申告にもとづき薬剤師が服用可否を判断することになり問題である。

 って、書いているんですよ。

 ほら、彼らが「適切に修正」するのって、おかしいんです。

 意味わかりますか?

 購入者の自己申告にすぎないチェックシートにもとづき薬剤師が服用可否を判断するのは問題だって、彼らは言ってるんですよ。

 よーするに、仮に日本医師会が決めた通りに運用しても、医師会は「ぼくたちは購入者の自己申告に基づいての判断は問題だって言ったんだから、チェックシートに何を書いてあったって、売った薬剤師の責任だよ。医者の責任は全くないよ」と、責任回避する気、まんまんなわけですね。日医の言い分からしたら、「セルフチェック」なんて、ありえないはずで、「適切なセルフチェック」も、ありえないはずなんです。

 自己申告を判断材料にしてはならない、という主張なんですからね。

 審議会委員も、日本医師会も、責任をとらないチェックシート。

 そんな代物を運用しろという、悪魔のようなお達しのようですから、まあ、現場は現場で、自らを守らなきゃなりませんね。

 ちょっと、考えてみましょう。

 『健康診断で医師の受診を勧められた人』は、普通、受診します。

 『医師の受診をした人』は、普通、「通院治療が必要ない」とは言われません。

 『通院治療の必要がない人』は、普通、「治療薬を買いに薬局にはきません」。

 従って、医師会の言う「適切に修正した」チェックシートでエパデールを購入できる人というのは、普通でない人ということになります。医師会の修正したチェックシートは、「普通でない人をチェックする」ためのシートです。

 そんな「普通でない」状況を「自己申告」する人に、薬を販売する薬剤師は存在しません。だって、何の証拠もないんですから。二回目以降の「検査」だって、受けたかどうかわかりませんよね。

 仮に「普通」の人が来ても、自己申告を判断材料にするなと、日本医師会が言っているので、セルフチェックシートをもとに運用しても、後で文句を言われるだけ。

 やっぱり、証拠は必要です。

 よーするに、日本医師会が主張することを証明する書類があればいいんですよ。

 「何年何月何日に、○○医療機関の○○医師に、受診しました」

 「○○医師は、すでに、何年何月何日から何年何月何日まで、薬を使わずに、食事療法および運動療法を行い、それでも治療が進んでいないと判断しました。その有効期間は、何年何月何日までです」

 「○○医師は、すぐに通院治療する必要はないと認定しました。その有効期間は、何年何月何日までです」

 という、三つの書類。

 これを、医師が、自筆サイン入りで書けば、証明になります。日本医師会の提唱する「あり方」にも、合致します。

 この三つの書類を提示されない限り、絶対に、エパデールのOTCは売らない。

 これが、薬局側の自衛策です。

 決して、自己申告などで判断してはいけません。

 ええ、それがいいでしょう。

 もちろん、その旨を購入希望者には伝えますから、医療機関には「書類を書いてくれ」という方が伺うでしょう。その時点で、これは十分な受診勧告として成立します。薬局が、薬局の役割を果たしているのです。何の問題もありません。

 当然ながら「なんで書類を書かなきゃならないんだ!」なんてことをいう医師は、日本医師会が説教してくださるのでしょう。なんでもなにも、日本医師会が、そうしろって言ってるからです。文句はそっちに言ってください。

 「医者の診察は受けた!」

 「そういう言葉は信用するなと医師会が言ってるから、診察を受けた証拠をだせ!」

 「その医師会が証拠となる文書をくれないんだ!」

 「じゃあ売らない!」

 …てな、流れですかね。

 セルフメディケーション推進の厚労省的には、「証明書を出さない医師のほうが、セルフメディケーションに協力的ではない」と判断する…かどうかは知りませんけど、すくなくとも、自分で、生活習慣病薬については「自己申告で判断するな」と薬剤師に言った日本医師会の方々は、自己申告で判断せずに済む材料をだしてくれて当然だと考えますが、そこまでやる気、あるんですかね? (どーせ、ないんでしょ?)

 二枚舌、嘘つきではないならば、ぜひ、ぜひ、各種証明書を発行できるよう、様式をつくって、医師会会員に配布していただければと、願う次第。(← 今回一番言いたいこと)

  ☆

【おまけ】

 白クマ通信に戻ると、

 日本医師会は、生活習慣病は、いわゆる万病の元であるので、高脂血症以外の生活習慣病の発見が遅れたり、薬を服用している安心感から食事に対する配慮や運動、禁煙といったことが疎かになる心配があることや、薬局だけで済ますことの危険性を指摘しているようなんですが、そんなもの、「医師による患者教育の欠落」「医師による健康診断結果の軽視」「医師による処方の安心感で、食事に対する配慮や運動、禁煙といったことがおろそかになる可能性の軽視」「薬局の初期患者の掘り起こしと受診推奨機能を軽視」って話を自らしているだけであって、「ボクたち、患者教育も出来なければチーム医療もできない、誰も信用できない医者です。日本医師会の会員は、みんなそうなんですよ」と宣言しているようなモノなんですけれどね。

 いや~、まじめに取り組んでいる医師のみなさんに、これだけ無礼なことを言っている日本医師会って、凄いです。チーム医療、地域医療に取り組んでいる「まともな」医師からみたら、とても迷惑な発言だと思いますけれどね…。

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高齢者に対する適切な医療提供の指針。パブコメ出してみました。

前回、とりあえず読んでみたので、パブコメも書いて、送ってみることにしました。

本文はメールのみの指定のため、拡大文字強調は使用していません。

前回が長かったので、今回はシンプルに。

  ☆

「高齢者に対する適切な医療提供の指針」パブコメ

【意見】

 「基本的な要件のみを示した」とありますが、基本的要件である『誰が』『どの行動を』『どんな責任範囲で』行うのかについては、指針に全く記載がありません。これは、重大な欠陥です。

 自明とは思いますが、「医療従事者」という表現は、行動指針の主語にはなり得ません。「教育従事者」「研究施設従事者」といった言葉と同じです。校長が行うべきことを、代用教員や理事、清掃業者が行ってもいいかのように錯覚できる文章など、意味がありませんし、後付けで「いや、それはやっちゃいけないのは当然だろう」などとルールが増える「指針」もありえません。

 なにがよくて何が悪いのか、それを誰が行うのか…といった基本的要件を最初にわかりやすく定義しておくのが「指針」です。

 「誰なのか明確でない誰かが、○○をすることは、(引用した文献の主張によると)重要である」という文章を並べても、何の指針にもなりません。

 『誰が』『どの行動を』『どんな責任範囲で』行うのか。それを明確にして、指針を全面的に書き直してください。

  ☆

※「指針とはどんなものであるか」なんて話は小学生でもわかりそうだし、「主語がおかしい」ことくらい、東大教授がわからないはずもないので、削ろうかなぁ…と何度も思いましたが、結局残しました。

※意見送付時の注意事項に「なお、ご意見に対しての個別の回答はいたしかねますこともご了承ください」とありますが、パブコメを送りましたと書いておかないと、個別ではない回答すらしないんじゃないかとドキドキしましたので、一応、意見の全文を置いておきます。

※応募要項に、タイトルの指定がなかったのが不思議です。パブコメ専用アドレスなんでしょうか?

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