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日薬総会議事録2012年6月「まとめてみた」

久々に、日本薬剤師会総会の議事録を読む遊び。

今回、2012年6月の日薬総会の議事録要旨は、最高傑作です。

最高傑作なんですが、ほとんどの答弁、世間にはお見せできません。(酷過ぎて)

  ☆

 議長を決める際の仮議長のセリフ、
「小野代議員は、福岡県選出の代議員として前期の議長を務められ、総会の円滑な運営に尽力されたことは御承知のとおりである
の段階から、ツッコミたくて仕方がないという、まさしく五秒に一度のスリルと興奮。

 たしかに、過去の議事録における小野議長の「執行部にとって都合の悪い質問を打ち切る手腕」は超一流だと感心していますが、それを円滑な運営と呼べるんだと想像した瞬間に笑いが。「円滑な運営に尽力したけれど無理だったので力技でねじふせたことは御承知のとおりである」とは言えないのもわかりますが、様式美を守ると変な感じになります。しかも、副議長候補者も、おんなじ紹介の仕方なんですよね。こういう部分には、きちんと様式美を導入するのに、自分で決めた他のルール(様式)は守らないのが、日薬クオリティ。

 そういう思考の持ち主を評して「正副議長の選出を公平に行える人」として「最適任者である」と認めた議事運営委員会の『検討』の薄っぺらさが、また、なんとも微笑ましいというか。議事運営委員会はこれまでも「反対者が起立する投票」とか「×印をつける投票」のようなトンデモな運営を押しとおしてきましたから、公平性、中立性、透明性に欠けた委員会であることは間違いないと思います。議事録があったら読みたいです。どんな人の声が大きいんでしょうか。

 議事録には、「(「異議なし」の声あり)」という文が出るのも、笑いのツボです。いえ、どうみても異議がでそうな案件ほど、そういう「声」がでるらしいので。専属ナレーターでもいるんでしょうか。いえ、こういうのって、「異議がなければ挙手をお願いします」でも、「異議のない人は起立して」でも、いいわけなんですよ。なのに、議長が、異議のある人・ない人が何をすればよいのかを伝えない進行をするから、わけのわからない「間」ができているんですよね。講演会の質疑の際の座長なんかも、よく、こういうミスをやります。「質問ある方いらっしゃいましたら、どうぞ」みたいな。手続きを円滑化するために存在する議長・座長が、手続きをすっとばして曖昧化する手助けをするなんて、役職とは正反対の行為です。まあ、こういうのも含めて、円滑な運営というのですから、「円滑」という日本語の意味がわからない子供が増えても、仕方がないところ。円滑とは、「笑点で、円楽さんの隣に座っている人が滑る」ことですと教えたら、それがスタンダードになったりして。

  ☆

 今回はあまりにもアレなので、箇条書きで。

A:日薬会館

 日薬会館は「一応条件に合致する」物件の価格交渉に入っているらしい。

 にもかかわらず、「薬害資料館を日薬会館の中に併設してはどうか」という質疑に対して「大賛成である」と七海さんが答弁。

 当初の条件(未公開)には薬害資料館のぶんについて計上されていないはずなので、当然、価格交渉物件は一旦、打ち切られるはず。薬害資料館となれば外部の研修利用も含むので大ホールが必要になるはず。

 計画に一貫性がない。リップサービスだとしたら、薬害の被害者の方々に対してどう言い訳するのか。

 建物に必要な空間を検討するのに、レゴブロックでも買ってきて、いろいろと試してみる位、簡単な仕事だと思いますが…。どうも、そういうイメージづくりをせずにあれこれやっている印象です。

B:シンクタンクつくれよ

 三浦常務理事が「慎重に検討する必要がある」を繰り返す。

 日本語に訳すと、「なにもするきはありません」。

 ほとんどの答弁が、こんな調子。

 薬価引き下げ額が5500億円で、調剤プラスが300億円という状況を他人事として発言。「手当を5万5000円引き下げるかわりに基本給を3000円上げる。ボーナスはないけど」という話でも「他の人の調査結果が出ないと、状況がわかんない」と言えて、しかも「なにもするきがありません」な人が中医協に行っているようです。中医協でなにをしているのかの報告だけだったら、傍聴席にまともな報告要員を置くだけでできちゃいますよ。

 なお、児玉会長は「シンクタンクは置かないけど政策を考える委員会を設置する予定」と言い切りましたが、もちろん、そんなものは、10月になっても、どこにも設置されていません。はいはい、やる気無いのにリップサービス。いつもの芸です。

C:J-PALS

 今後の展望「各学会の認定と連携する」と答弁。しかも日本腎臓病薬物治療学会が腎臓病薬物療法認定薬剤師認定試験の受験資格の一つに「J-PALSレベル5以上」を加えたとのこと。

 あーあ、やっちゃった。

 過渡的認定者しかレベル5がいない今やってどーするんでしょうね。

 専門を極める前に、凄いジェネラリストである必要がある…という考え方って、あとで自分の首を絞めるだけです。良い意味で薬理バカの教授に「PS項目全部できてなきゃ専門家だと認定しない」とか言えるんですかね?

 まあ、実際は、

 (3)日本医療薬学会認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師(5年以上)、日本薬剤師会生涯学習支援システムレベル5以上、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師のいずれかであること。

http://jsnp.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20121016114129-9966A533138927B59AB59699D5FF6E0799631F11DBBA39E2158E587FA94F1AE5.pdf

 なので、正直どーでもいいんですが。(だって、薬剤師研修センターの認定薬剤師と同レベルってことですよね、この扱いは)

 北海道の熊川代議員は「J-PALSのeラーニングは会員増強の大きな武器になる」なんてことを言ってますが、職位認定機関は、できるだけ講習会をやらないのが基本。質疑の中にある「ヒューマニズム」とか「法律」なんて、やっちゃだめです。七海副会長が答弁した「日薬にしかできないもの」だけやってればいいんですよ。eラーニングを進めるなら、そのプラットホームのシステムだけ提供して、コンテンツは各県薬や教育機関に投稿させれば済む話。日薬だけしかできないものっていったら、本来は、自分たちで制定した「薬剤師倫理規定」あたりなんですが…。外部の人である筆者でもコンテンツをつくれちゃったので、日薬は、特に何も用意しなくていいんじゃなかろーかと。

 ちなみに、J-PALSの登録数は平成24年8月28日で、7367人、過渡的認定者は3140人なのだそうです。(宮崎常務理事は、過渡的認定者を1万人にしたいのだそうで)

D:日薬功労賞

 スポンサーがつかないと表彰できないのだそうですよ

 へー、薬剤師倫理規定第四条に、「先人の業績を顕彰し」って書いてあるのにね。

 会費でやればいいじゃん。

 なんでやらないんでしょう。

 業績の顕彰は、会費の正しい使いみちじゃないんですかね。

 その理屈でいえば、業界の偉人の墓や、薬害資料館も、「スポンサーがつかないから無視」するってことですかね?

E:理事選任方法

 会員は、どうやったら、理事に立候補できますか?という問いに対して、

 「総会で代議員が動議を出せばいい」という、前代未聞でアタマのねじがやばい回答。

 誰かスクリューキッドとケンダマンを呼んできてくださいっ。

 だって、総会当日にならないと立候補者がわからない選挙なんて、成立するの?

 あと、児玉会長が、勝手に脳内で「理事は会長候補者が理事候補者を示して総会で選任することに第77回総会で了承された」と、ありもしない事実を捏造

 更に、自分たちで「理事者は総会でひとりひとり決める」定款をつくっておきながら、「誰でも理事者になりうるが、しかし今の国の情勢等に鑑み、そのような形で組織を作った場合、果たして会務運営を円滑に行うことができるのかは疑問である」と述べる始末。まあ、この方たちの言う「円滑な運営」って、議論を封じるってことですから、むしろ円滑な運営ができないほうが、正常化して良さそうですね。

 「理事の候補者を選んだのは誰か」という質問にも、児玉会長は「定款と前回総会の儀を経て、私が選ばせていただいた」と述べています。それに対して質問者が、知ってる人も知らない人も候補者にいるけど、どうやって理事としての適不適を判断すればいいの?と尋ねると、「事前に各理事候補者の簡単な履歴を書いたものを代議員にお送りしている。それともう1点申し上げるが、今まで、副会長以外の理事は会長の指名であった。今回新しい理事候補者を私が選ぶのと、同じような状況ではなかったかと思う」と答弁。

 おいおい。(中尾彬っぽく)

 あなたは、まだ、前回総会で推薦された「会長候補者」であって、会長じゃないんですよ。

 あなたの言ってる理屈はね、中西さんと児玉さんで会長選挙をしているときに、まだ候補者であるところの中西さんが「私の選ぶ理事はこの人たち!」なんていうペーパーを日薬のお金で代議員に配布して、「この人たちの中で良くないと思う人がいるなら×つけてね」と、その時点では不必要極まりない行為を迫るようなモノなんですよ。

 もし、そーゆーことされたとして、児玉さんは、何の文句も言わなかったとでも?

 なんてゆーか、ここでも、自分で決めた定款やら選挙規程やらに忠実でない。

 薬剤師倫理規定的に、第三条の遵守なんて、まるで遠い話。しかも、ルールを破る理由として倫理規定の第一条や第二条を唱えるでもなく、『これまでもそうだったじゃん』という理由を挙げる始末。

 「おまえら代議員が選んだ俺様が選んだ候補が理事として不適格なんてことはありえない」という態度全開。はいはい、民主党思考ね。

 理事の選任方法に文句を言われれば、「それは皆さん方の各ブロックから出た議事運営委員の総意でお決めになったことだということは、ご理解いただきたい」と、責任転嫁する児玉会長。

 議事運営委員が定款を逸脱しているのだから、指摘して、正しく運営させるのも、定款を守る代表者の仕事。定款を読んでないような運営委員なら、全員解任するなりすれば? へっぽこな選任方法を議事運営委員会が出してきても、そのまま認めたのですから、むしろ、おかしな選任方法だと代議員が総会で意見しなければならない状況のおかしさに気付いてほしいです。要するに、議事運営委員会の委員と、他の代議員さんたちとの間で、情報交換や意見交換がされていないってことですよね? 

F:会費の算出方法

 これまでは「県薬会員の数と厚生労働省登録開局数をもとにA・B会員賦課数を算出して計算」していたとのこと。

 今後は「県薬から報告のあった県薬会員数をもとに」計算する様子。

 うわー。すごーい。日薬って、自前の名簿をもってないんだー(棒読み)。

G:薬剤師年金

 責任準備金が250億円足りない。これは穴埋めのしようがないでしょうから、素人目に、破綻していると考えて良さそうですが、どうなんですかね。(日薬雑誌にQ&Aが載っていますのでそちらも参照してみてください。おおざっぱに要約すると、「来年のことはわからん。ダメならダメで支給額を下げて保険料を上げる」)

 で、そんな薬剤師年金を、わざわざ、日薬の事業として組み入れるのだそうですよ

 今回の議事の議案の一つは、これを定款に組み込むことなんですよねー。

 20億円の日薬会館関連で、あれだけ騒いでいた代議員さんが、その10倍の借金を背負った物件を組み入れるのに対しては、124名が賛成なんだそうで。19人しか反対してないんですよ。すごいなー。これだけのお金が動く話なのに、一般会員には、代議員の投票行動について、一切知らせてないんでしょーねー。

 20億円の家を買う「資金を用意するだけ」のことに要した議論の時間よりも、200億円の借金を背負った同居人の「保証人になる」ことに要した議論のほうが短いって、どういうことなんですかね? 定款に書いちゃって。保険業にまでなっちゃって。公益の職能団体? どこが? 資金規模で見たら、薬剤師年金維持機構以外には見えませんけど。(薬剤師年金については、これまでもあれこれ書いてきたので割愛)

 執行部は「別会計だから」の連呼。

 ああ、そうそう、定款によると、

 第39条 理事会の決議は、決議について特別な利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

 とあります。

 この案件を総会の議題にするにあたって、理事会にて決議をしているはずなんですが、その際に、「特別の利害関係」であるはずの「薬剤師年金に理事自身が加入している」という条件に該当する人は、参加していないんですよね? そうなんですよね? 誰が薬剤師年金に加入してるのかはどーでもいいんですが、直接的な利害関係にある理事は決議に参加しないというのを決めた人たちなら、そこのところはきっちりとやってくれていると信じたいところです。(それとも、被加入者であっても特別な利害関係はないと言えるんですかね? あるいは、旧定款に基づいているから関係ないですか?) 政権が倒れる間際にトンデモ法案を連発して通す内閣を、新しい内閣を選ぶ人たちが認めちゃったわけですけれどね。

H:処方せんに病名を記載しろ?

 電子ネットワークによる病名把握の話が、なぜか処方せんに病名を記載する話にすり替わっていく様子。

 三浦常務理事(当時)が「処方せんに書かれた薬剤がその病名に合致しているかどうかのチェックも我々の仕事になってくるであろう」「適応外であった場合の保険請求上の問題等も併せて考える必要がある」などと、わけわからんことを言い始め。(病名だけで判断するような薬剤師はダメでしょ。医師側が責任を持つべき機械的な病名・適応チェックを薬剤師にやらせる発想がでてくるのが驚き)

 で、質問者の西尾代議員は民主党の桜井議員の「現在、薬剤師は病名を知らないで服薬指導をしているので抜本的な改善を要望する」との言葉を引用。

 抜本的っていうなら、「医師は患者に必ず病名を文書で伝える」「医師はカルテ内容を共有データベースにて公開するのを義務化」くらいやれば、話が早いんですが、そういう提案をしたら、桜井議員は難色を示す予感。「病名をつけた本人である医師しか病名を知らないのが問題なんですから公開したら?」といわれて、「はい、そうします」という医師がいっぱいいるとは思えないんですよね。ほどよいグレーゾーンって大事ですし。

 地元が同じ生出副会長が、桜井議員の出す例として「誤嚥性肺炎を防ぐために医師はACE阻害剤をあえて処方するケースがあるが、その時に何も知らない薬剤師は患者に『血圧が高いですか』と聞いたり『副作用で咳が出ます』等、とんでもない服薬指導をしてしまうことになる。従って、薬剤師には病名や検査値を伝えることが必要であると述べられている」と追加答弁するのですが、処方せんに「病名」として「誤嚥性肺炎の疑い」って、書けるんですかね? 保険適用がないんですから、書けませんよね。むしろ、そういうのは、処方せん内の薬剤の使用方法の欄に「誤嚥性肺炎の防止のため」と明記するのが『処方せんの正しい書き方』だと思うんですが。正しく書かれてない処方せんを出して、患者に対して誤嚥性肺炎の防止だと伝えることもなく、それでいて「病名を知らないくせに、とんでもない指導しやがって」と怒っているのだとしたら、びっくりです結論としての「薬剤師に病名や検査値を知らせるべき」に至る考え方が変です

 生出副会長が引用した中で、「血圧が高いですか」は、高血圧以外の使用方法を想定して質問しているわけですから「とんでもない」とするほうが間違いですし、「副作用で咳が出ます」は事実ですから、問題ありません。そういった情報をうまくまとめて納得してもらうのだって薬剤師の能力のひとつだと考えるなら、「とんでもない」と言う桜井議員に対して、「とんでもない? そんなことはないですよ。むしろ逆です。今できる最大限の情報収集をしているだけなのですから」と教え諭すのが、対面販売について強く強く主張している生出さんのお仕事かと。(もし仮に、『病名を知らないからダメな指導をされる』という説に賛成するなら、対面だろうがなんだろうが、適切なOTC販売なんてできるわけないじゃないですか!)

I:医薬分業の当初の目的

 竹上代議員が「医薬分業率」(日薬的には院外処方せん発行率)が低下していることをどう思うかというアバウトすぎる質問に、小田常務理事が順調だよと答え、竹上代議員が将来展望を質問。

 児玉会長が、完全分業とは医薬分業の当初の目的が十分に果たせているか、中身がきちんとしているかを意図していると回答するも、日薬がどう手立てをするのかは「課題」として先送り。

 あのー、医薬分業の当初の目的って、「医師だけが処方せんを書いて、薬剤師だけが調剤をする」ということですよね? 院外とか院内とか関係なく。だから、手立てって、単純で、「医師以外が処方せんを書くことを禁じ、薬剤師以外が調剤をすることを禁じる」ことですよ~。(ここで「いやいや、経済分業うんぬん」…と言い始める方は、『当初』=昭和だと思っているかと想像しますが、ここでの『当初』=明治ですのであしからず)

 もしかして、児玉会長、そう思ってないんですかね?

 そう思っていなかった疑惑とか、ありましたけど。どうなんでしょう。

 一般質問にて、佐々木代議員から「薬剤師法第19条」について質問されているときも、「院内処方なら、必ず薬剤師を置くようにもっていく(現実的に、医師が全部調剤できないし、例外規定にも合致しないわけだし)」とは絶対に言わないあたり、医薬分業の祖が聞いたら泣きそうな認識です。あ、19条の答弁は書けません。あまりにもひどくて。

 日薬が良く使う「完全分業」という言葉については、役員の間で定義が定まっていない様子。ちゃんと決められないのに使われても、みんな困るだけですよ。「千葉のネズミの王国」という言葉から想像するのは素敵な遊園地なんですが、同じ言葉で「どぶ川の隣の廃墟」に連れていかれるのだと想像すると、汗だくです。

J:管理薬剤師の義務範囲

 管理薬剤師は自分のスキルアップのために他の薬局で腕を磨いちゃダメなの?

 という質問。ノブさんが「ダメ」と述べておしまい。

 まあ、腕を磨くって言葉の意味がわからないので、答えようがないわけですが。

 管理者は他の店舗で保険薬剤師として調剤したらダメっていうのは基本の話で、兼務可能な状況は決められて(学校薬剤師とか卸さんとか)います。管理薬剤師といってもいろいろで、ひとり薬剤師薬局の管理者は常勤の管理代行者をおけません。

 でも、これ、「勤務時間外」=休日の話のようなんですが。

 なんか変。あ、でも、勤務時間外であっても、基準調剤加算をとっている薬局の場合は、そんなの関係ないですね。

K:薬歴を薬剤師法にいれてほしいらしい

 道明代議員の質問。薬剤師法の中に薬歴を入れてほしいんですと。

 薬歴を医師のカルテと同様に考えている模様。

 医師のカルテは薬剤師の調剤録。調剤録は内容が明白。薬歴は「内容を固定化できない」。読む人によって読解力・理解力の差がでるものは解釈の幅が変動するため、どのように書こうとも「こんな薬歴では薬歴と言えない」とギャーギャー騒ぐ人が出てくるのが落ち。「薬歴の記載を拒否する患者がいるから、法律にしてくれ」という意見にしか聞こえないので、真剣に取り合う必要はないと思います。総会質疑として出してくること自体が驚き。

 一応、児玉会長の芸風っぽく言い添えておくと、「この質問は大阪ブロック(児玉会長の地元)の総意でお決めになられたものであります」。

L:薬剤師調査のデータ利用を

 質問自体は、薬剤師全体の把握によってボトムレベルの引き上げを図りたい、地域内の連携をとりたいという、良い質問。

 それに対して、七海副会長が変なこと(危険性etc)を言ってるんですが、ちょっと書けません。県の事業について、七海副会長は知らないのかな…???

 まあ、それ以前に、日薬は自前の会員名簿を持っていない(大事なことなので繰り返し)のですから、自分の会の会員すらも把握できていないんですけれどね

M:認定資格の活用

 大阪の山本代議員が日薬独自の認定をつくれと。

 だから、職位認定組織が、それ以外の認定をしちゃ、ダメなんだってば

 そういうのは、学会なりなんなりでやればいいの。

N:日薬学術大会を学会化しろ

 静岡の松山代議員の質問。「若い薬剤師にとって魅力的にうつる」ですか?

 そっかなー。魅力的ねー。悪徳経営者とか地域薬剤師会とかとトラブルになったときに公正に助けてくれるなら魅力的ですけど、論文を載せる場所を増やして、なにか魅力的?

 職能の団体そのものが学会って?

 日本医師会って、学会でしたっけ?

 あ、学会化するなら、当然、保険業なんてやってる場合じゃありませんから、薬剤師年金の事業化に対して、松山代議員は反対投票したんでしょうね? 学会化をマニフェストに掲げた児玉会長が年金事業を選択したってことは、言葉とは反対に、学会化する気なんか全くないってことですからね。(保険業をやってる学会って…うさんくさい…)

 で、「勤務薬剤師はポリティカルな問題には興味がない」とも言ってますが、クリニカルラダーのPS項目の中には、ポリティカルな問題が結構記載されているのですが…。自己研鑽したくて勉強したい薬剤師なのにポリティカルな問題に興味がないって、すごーくバランス悪いです。そういう偏った薬剤師をもっと育てたいってことなんでしょうか。社会薬学的にはダメな感じ。

 ・・・と、日薬学術大会を「お祭り」だとしか考えていない筆者は、書いてみます。 

 日薬学術大会の発表のうち、論文化されているものがどの程度あるのかとか、査読に耐える「目的と結論が合致している」ものがどの程度あるのかとか、冷静にみてから、考えてほしいです。

 今回の学会を通して査読をやってみた後の今なら、松山代議員も、別の結論になったかもしれませんね。

 職位認定組織が学会化したらダメなのは、言うまでもなく。

O:学校薬剤師部会の部会費

 鹿児島の吉水代議員の質問。「学校薬剤師部会の部会費は、来年度からは、当然、定款にあるように、総会で承認が必要な会費規程に計上するだろうけれど、部会員ごとに徴収するんでしょうね」 といった内容。

 まあ、そうなりますよね、普通。

 曽布川常務理事は、なぜか「検討中」と返答。「これから二年かけてきちんとさせたい」のだそうです。任期切れてるじゃん。オバマさんが「これから6年かけてやります」って言うのと同じでは???

 関連で、安東代議員が質問。もう検討協議をやったのか?

 回答は、「いろいろ検討している」。めっちゃうやむや。

 どーせ、なにもしていなかったんでしょう。

 で、児玉会長が「日学薬の持っていた財産は、日薬とは関係ない」と断言。

 じゃあ、日本学校薬剤師会は解散したのだから、財産は会員に返すべきじゃん、という素直な意見がでます。

 児玉会長は、「日本学校薬剤師会のお持ちになっていたものであるから日薬は口出しできない」と言いますが、協議の中で、日学薬から、どうするのかを聞いていない様子。なんか、ずさん?

 そこへ鳥海代議員登場。「やがては日本病院薬剤師会、あるいは日本女性薬剤師会も統合され、その中で同じ事業活動ができる環境づくりを…」って、女性薬剤師会はともかくとして、病院薬剤師会って、職域の会でしょ? これも部会にする気? なんで、職能の会が、職域の会を減らす方向で進まなきゃならないんですかね? こういう、まだ日薬=職域連合会のつもりでいる人にとっては、『薬剤師の将来ビジョン(暫定版)』は、素敵なバイブルなんでしょうね…。

 あ、ちなみに、日薬学校薬剤師部会の担当副会長は藤垣さん、部会長は村松章伊さんになったようです。日薬雑誌11月号98ページ参照で。

P:役員報酬がおかしくないか

 議案5号。「日薬会長の報酬は月額120万円(年額1440万円)まであげられる」に対して、報酬を上げるってどういうことかと質問。なお、この額の中には、会長のホテル代は含まれていないとのこと。おそらく、交通費も含まれてないでしょうねー。

 4月1日からの役員報酬等規程では、会長540万円、副会長324万円、専務理事540万円、常務理事252万円が年間報酬として決められているとの説明。これでは、「外部の人を役員に招聘する」には足りないのだそうで。

 しかも、児玉会長いわく、「これからの日薬はいろいろな人材を入れなければならない。いろいろな人材を入れるということは、それなりの報酬を払わなければならない人が会長や、副会長になるかもしれない。そのことを考えて、このような幅を持たせたのが私どもの意図であって、お手盛りのようなことは考えていない」なのだそうで。

 「それなりの報酬を払わなければならない人」って、なに?

 それ、なにを基準に決めるの?

 「規程の報酬で仕事をする人」以外のことを、なんで想定しなきゃならないのでしょう。

 組織の身の丈にあったサラリーキャップ。それでいいのでは?

 人の苦境につけこんで、働く前から報酬を上げようとするよーな人が会長とか役員とかで、いいんですかね? そういう人でも、理事に立候補したら、通るシステムなんですかね?

 「民間企業と較べて…」とか「報酬が低いと誰もやらない…」とか、執行部が言いますけど、だったら一般の「理事」にも報酬を出す規程にしたら?

 理事を選挙して、理事の中で会長副会長を決める仕組みを作ったのは、児玉会長。

 四月からは540万円と決めたのも、児玉会長。

 で、昨年度はというと、900万円もらっていたと、東京都の小野代議員が確認。

 900万円は前法人の規程の「報酬の付加」によるものだと説明。四月からの新規程には、報酬の付加の項目は、無し。

 えーと。よーするに、今の定款のままだと「付加」できなくて、給料が360万円減ると踏んで、あわてて定款を変えるわけですか。ふーん。

 これだけ質疑で揉めたにもかかわらず、神田決算委員長の報告では「適正に運用されている」の一言でおしまい。なるほど、「付加」に、理由はいらないわけですか。内閣官房機密費ですか。

 まあ、今回、第五号議案に賛成した方々は、こーゆー説明に納得していて、それらの説明を地元の会員にしてみて、納得してもらえると思っているんでしょうから、ぜひ、説明してほしいものです。

  ☆

質問関連は、以上。

ここから理事の投票に移ったようです。

定款・選挙規則通りなら、ひとりひとりに「決議」を行うので、30回くらいたちあがることになりますが

「選択肢1と2から選ぶ。1は全員選任OKの意味。2は×印をつけた人以外は選任OKの意味」と、規程になさそうな選挙方法で押し通した模様。

場内の代議員数が139人、委任状と書面評決が9人。148人の過半数で、75票が当確ライン。

全面賛成の「1」が、会場88票、書面2票。

白票・無効票が5票。

「2」が、53票。

×印は、集計した様子なし。(あれ? 追加選挙の時に困らないのかな? それに、理事選挙における代議員の×って、会長を理事会で決める際の、理事にとっての重要な指針だと思いませんか? 53票全部、特定の人物に×がついている可能性だってありますよね?)

「この選挙では」、1が過半数だからという理由で、全員選任されたことになるようです。

で、審議終了の宣言をしたあと、小野議長が、こんなことを言います。

「この後、ただちに理事会を開催して、会長、副会長、専務理事、常務理事の選定を行い、理事会報告会がこの会場で行われる予定である。我々代議員(注:公益法人化する前の代議員さんたちですから、この場の代議員さんとイコールではありません)は会長候補者の推薦の決議を全会総会で行っており、理事会の結果を見守る必要がある。総会が終了しても、しばらくお待ちいただきたい」

あらら。会長を決めるだけでなく、他の役職も決めるとなると、それはそれは時間がかかりそうですね。待っていたら、大変そう。まあ、そういう仕組みにしたのは代議員さんたちですから、待つのも仕事のうちで、飛行機の時間に間に合わないからどーのという話を持ち出すなら、最初から時間のかからない方法を決めておけばよかったわけですが。

二時間くらい待つのかな…。

・・・なんてことはなく。

ええ、10分で終わったようですよ。その理事会は。

日薬雑誌九月号96ページ参照。

「定款第27条第3項により」、「第78回臨時総会の決議で会長(代表理事)候補者として推薦された児玉理事が議長となり、議事が進められた」のだそうです。

定款第27条第3項って、『3 前項の会長は、総会の決議によって推薦のあった会長候補者の中から選定することができる。』なんですけど、この中に、「最初の理事会の議長を会長候補者がやる」という条項は存在しません。

また、ここで書かれている「選定」って、どういう行為に該当するのでしょうか。誰が選定するんでしょう?

この理事会は、招集をかけられる人が存在しませんから、定款の第37条4項『前項の規定にかかわらず、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続きを経ることなく理事会を開催することができる。』に従って開催されているはずです。総会の理事決定直後に全理事と幹事の了解をとったということですね

そこで決議、なんですが、

定款の第38条第2項に、『会長が欠けたとき又は会長が事故あるときは、出席した理事の互選により議長を選定する。』と、書いてあります。まずは、この定款に従って、理事が議長を選ぶ場面があるはずなんです。

でも、ずっと、児玉会長のターン。

まだ会長になってもいない理事のひとりが、会長であるかのように議長として進行しちゃう。

そーゆーものなんですね。

で、「俺が会長になりたいんだけど、いいよね?」と、議長が宣言したのか、誰かに推薦させたのか。

定款の第39条によれば、『理事会の決議は、決議について特別な利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う』なんですが、この場合、会長を互選するにあたって、会長立候補者は特別な利害関係だとするのかどうか。仮に理事に選ばれた全員が「俺が会長になりたいんだけど」と言ったらどうなるのか。

とっても不透明な感じです。

ここは、不透明で変な感じの決め方をしていることについて自覚しているのかどうかが肝要です。最初だからバタバタしたけど次は直す方向で、もう検討済み…とまでいけば、執行部や事務局の修正能力の高さに、会員から拍手の予感。今のところ、そういった話は表に出てきていないわけですが、さて、どうなったものやら…。

次の総会は2013年2月。代議員のみなさん、今からちゃんと予習しておいてくださいね。

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