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『The Pharmacists’ Haven2011』へっぽこレビュー。

浜松の日薬学術大会でとみー(碧)さんからいただいた冊子「The Pharmacists’ Haven 2011」のレビューです。10月にもらっておいて12月にレビュー。寝かせすぎな自分を反省しつつ。

The Pharmacists’ Havenって、長いので、表紙裏のブイサイン写真をイメージして、以下「ブイ本」と書きます。

  ☆

 ブイ本は、商業誌の皮をかぶった同人誌です。

 本職デザイナーの腕前が堪能できます。

 コンビニや本屋の棚に売ってたら、普通に買いそうな外見をしています。

 表紙は、デザイン文字と白黒写真。うまい。文字が写真の白いところにかぶって読めなくなっても、どうせそんなところを見ている薬剤師なんかいないよと、そのまま放置するのが職人芸。薬剤師は「情報」と書いてあるだけで手に取るんですから。三行以上の文字が並ぶと、もう読まないのが、薬剤師(←誰か否定してください)。16行も書いてあったら、誰も何を書いてあるのかなんて考えません。必然的に、二行しかない、上の空白部分に目が行きます。写真も、何かを手に取る写真を使うことで、サプリミナル効果(眉つば)をだしています。さらに、薬剤師の「造語や知らない言葉をいれると『なんだろう、これ』と考え込んで止まってしまう」性質を読んで、簡単な言葉ばかりを並べています。その言葉の選び方も考え抜いていて、「転職」「常識」「販促」「おすすめ」「海外」と、薬剤師が弱いキーワードのてんこもり状態

 想定読者である薬剤師が、どういう言葉と映像に弱いのかを知りつくした表紙です。

 そのあたり、薬剤師倫理規定擬人化本との大きな違いです。表紙に「アホ」「ヲタク」と並んでいて、ダメな萌え本っぽい絵がついていたら、薬剤師は引くだけです。薬ヲタクのくせに、そうだと絶対認めないのが薬剤師(←誰か否定してください)。

 さあ、そんなキャッチーな同人誌である「ブイ本」を読んでみましょう。

 『ためになる話も、そうでないものも。現役薬剤師+αによる、薬剤師ネタ満載の情報雑誌、創刊』

 表紙を開いて、いきなりのコピーが、これ。

 うまい。どんな内容であっても怒られない内容紹介ですよ。

 情報雑誌であるという主張が、また、薬剤師のハートにつきささりそうです。娯楽とかエンタメとか啓蒙とか研究とか論文とかいうと引いてしまうのに、情報雑誌だと「ほどほどに格調高い感じで買えるけれど、難しいことは書いてない」と判断するわけですよ。ここが大事。自分で考えなくてもいい本だと認識させるのが、薬剤師ニーズ対応のうまい手。

 たった2ページで、超絶テクニックが炸裂しています。すごい。

 巻頭は、それらを踏まえたテーマ。

 『薬剤師が知るべき77のこと』。

 きましたよ、「知るべき」!

 薬剤師(専門家)は、いつも怯えています。「自分の知識は、みんなとくらべて足りないんじゃないか」と。そういう不安につけこむのが情報誌の基本。

 獣医さんの動物用処方については『もっともくわしい動物の薬の本』(学研)あたりを参考にしている筆者。(とりあえず「猫はグルクロン酸抱合ができず、犬はアセチル抱合ができない。腎臓のNa排泄量が少ないので塩分は制限。目に輝板がある。体重当たりのカフェインに注意が必要。ねぎ(アリルプロピルジスルフィド)は貧血を起こす毒だから厳禁」とか「草食動物に抗菌薬やステロイドはきをつけろ」といった部分以外は人間の薬の薬理中心なので、具体的な細かい話はないのですが…。)

 ささっと四ページで区切り、次のネタへ。この切り替えが大事。薬剤師は6ページ(添付文書基準)以上のネタにつきあってくれません

 ハサミのネタで右ページが文字ばっかりなら、左ページはあっさりイラストのみ。こういう「さらっと描いたらPOPなデザインの人物になる」絵って、絵でキモイとか言われなくて済むので、描ける人が羨ましい…。

 薬剤師のポケットの中身というニッチな研究分野を開拓するのも、すごいところ。

 似たりよったりの中、明らかにとみー(碧)さんのコピックだけ浮いてます。

 筆者のポケットの文房具は、ほぼ自腹。四色ボールペンに赤のみのボールペンが2本、赤と黒の油性マジックに名札、大学生協で買ったミニカッターとミニハサミ、はんこ。ツムラの漢方手帳だけ貰いもの。むう。なんだかオチがつくようなものを入れておけばよかったかも。タイムマシンとかタケコプターとかビスケットとか。

 ポケットの中身を見たら、次は小説。ネタは処方せんの一回量表記。

 もはや、そんなもの推進している人を見ると、先生から言われた無理難題を、ひとりで完遂しようとする学級委員さんを見るような、微笑ましい視線をおくりたくなる、あれです。今じゃ誰も言わない「グローバルスタンダード」。先生に言われたことは何も考えずに周知するという、学級委員としては体制派すぎる生き方もまた、処世術。

 んでもって、次はカラフルに、販促グッズ。ちびまる子ちゃんのうちわを配るなら、ちびまる向ちゃんのうちわも作ってほしい。

 続いてバイアグラ小説。このあたりの、写真と文字との交互の構成が素晴らしいです。

 おすすめホームページにはPMDA、パンダさん。とりあえずここを載せておけば文句を言われないよね、という政府公認ホームページです。真面目です。筆者だったら、鮠乃薬品さんとぐり研さんとアポネットRさんと東京都薬剤師会北多摩支部まで載せたら、あとはプロレスの歴史がわかるページを紹介しそうです。

 さて、ここで、このブイ本のメイン企画、薬剤師四コマ。

 ペン線がきれいだなー。KANZ先生凄いー。ソルデムって全部に書いてあるところとか。マメさが伝わってくる良い仕事。四コマ10本だから、えーと、自分がやったら…三週間くらいかかりそうです(遅)。原作つき四コマという、ちょっと珍しい仕様。薬剤師四コマジャンプとか作れそうな勢い。KANZ&とみー(碧)先生ののマンガがサイコーとシュージンだとしたら、こちらは平○先生的な。

 残りのコーナーは実際に読んだほうが面白いと思いますので割愛。 

  ☆

 そんな「The Pharmacists’ Haven2011」をまだ読んでいない人、読むなら、今!(宣伝)

 さらに。年末には「The Pharmacists’ Haven 2012」が出そうな空気なので、「ちびまる向ちゃんE」と一緒に、お年玉を前借りしてでもゲットしたいところです。あ、うちの薬剤師倫理規定擬人化冊子をついでに買っても、合計で2500円くらいですよー(宣伝)

(これでレビューになっているのか心配です)

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コメント

どーも、一回量表記小説とちびまる向、もとい、ちびまるこウチワと愉快な販促グッズたちを書いた『へたれ薬剤師kiko』ことhetareyakikoと申します。
この度はThe Pharmacists' Haven のレビュー、ありがとうございましたm(_ _)m
執筆者の末席を汚す未熟者ですが、深く御礼申し上げます。
2013年版も通販開始となりましたので、よろしくお願い致します
m(_ _)m

P.S.
一回量表記は「グローバルスタンダード(笑)」な感じの2012年版でしたが、実習生にとっては既に「グローバルスタンダードどころかデフォルト」のようです。まさにA Changing World、全くシャレにならなくなってきております

投稿: hetareyakiko | 2013年1月 8日 (火) 23:53

2013通販開始…! 落ち着いたら手に入れねば…。グッズ欄を楽しみにします。ワクワク。ワイワイとみんなでつくる同人誌って、同人の鑑ですね。

一回量処方は、デフォルトにすべく洗脳している大学教員って無能だと断言しちゃいます。どんな処方せんがきても(疑義照会して)対処できるのがデフォルト。しかも「正しい」書き方は、全て書くことだと昔から決まっています(医者がきちんとやってないだけ)。それを理解せずに「一回量が正義!」みたいに洗脳されている学生は、ものごとに疑問を持つ訓練ができていないと感じます。心配です。

投稿: おばか柊 | 2013年1月10日 (木) 11:17

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