« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »

2012年11月

スイッチOTC:よし、議事録を公開してくださいな♪

日本医師会さんが、素敵な提案をしてくれたようですので、記録しておきます。

http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20121121_1.pdf

  ☆

2012 年11 月21 日

生活習慣病分野におけるスイッチOTC 薬化のあり方について

社団法人 日本医師会

生活習慣病分野における初めてのスイッチOTC 薬化が、2012 年10月17 日、薬事・食品衛生審議会薬事分科会一般用医薬品部会で了承された。

日本医師会は、国民の健康と安全を守るため、生活習慣病分野におけるスイッチOTC 薬化のあり方について、以下のとおり見解を表明する。

1.生活習慣病対策は、厚生労働省が示しているように「1 に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後にクスリ」である。生活習慣病にともなう症状の発現を予防するためには、まず運動療法と食事療法に取り組み、医薬品を使用する場合には医師の診断と適切な治療方針の下に処方され、医師の管理下で服用すべきである。個人が容易に医薬品を購入できるようになれば、医薬品を服用しているという安心感から、運動や食事に対する配慮が疎かになり、結果として症状が発現したり、悪化したりすることが危惧される。

2.疾患の診断・治療は医師のみが行う行為であるが、医療用医薬品のスイッチOTC 薬化により、購入者の自己申告にもとづき薬剤師が服用可否を判断することになり問題である。

3.今回、スイッチOTC 薬化されたエパデールは、第1 類医薬品としてセルフチェックシートをもとに薬剤師の判断の下に販売される。
 しかし、本年1 月に厚生労働省より公表された「平成22 年度 一般用医薬品販売制度定着状況調査結果」によると、説明が義務づけられている第1 類医薬品の販売においてさえ、文書を用いた詳細な説明が十分に実施されているとは言い難い状況にある。
 さらに、セルフチェックシートに記入する中性脂肪値は自己採血キットやワンコイン検査の結果でも良いとされているが、精度管理の観点から信頼性に疑問がある。検査結果に異常値があった場合には、医療機関を受診し、信頼性のあるデータにもとづいて医師の総合的な診断を受けるべきである。
 セルフチェックシートでは、中性脂肪値が150mg/dl から300mg/dl の場合にOTC 薬化エパデールを服用可とされているが、根拠に乏しい

4.一般用医薬品部会は、委員15 名のうち薬系委員が10 名を占め偏りがある上、非公開である。10 月17 日の一般用医薬品部会では、OTC 薬化に慎重な委員の意見に十分な説明もないまま、採決に至っており、遺憾である。国民の健康と命に係わる医薬品行政の審議においては、十分に議論を尽くしたうえで納得のいく結論を出すべきである。

5.生活習慣病分野における一般用医薬品の拡大は、2002(平成14)年、一般用医薬品承認審査合理化等検討会「中間報告書」で提言されているが、その後、2008 年には特定健康診査・特定保健指導が始まり、生活習慣病予防(健康づくり)への本格的な取り組みが始まった。「中間報告書」の提言から10 年が経過しており、最近の生活習慣病予防対策の状況も踏まえて、生活習慣病のOTC 薬化について見直すべきと考える。そのための議論の場を設けることを提案したい。

  ☆

 では、提言の内容について、読んでいきます。

1.「最後に薬」は徹底されているのかな?

 主張1では、運動療法・食事療法の重要性について述べています。

 一足飛びに薬を用いることは、運動や食事に対する配慮が疎かになり、結果として症状が発現したり、悪化したりすることが危惧されるから、ダメですよという話。

 そうなると、医師に受診した場合も、まずは運動や食事に対する配慮の徹底が、医師から告げられることになると思います。個々の患者にあった運動メニューや食事メニューの目安を提示したり、そういった分野の専門職に任せたりして、まずは、運動や食事を改善することで得られる症状の改善結果を、確認するはずですよね。だって、そういうことをしないと、症状が発言したり悪化したり、するということですから。

 となると、カルテに、そういった患者さんの努力の結果をまとめた文章や記録が、必ず残っているはずです。そういった記録なしに、はじめから薬を用いるのは危険。これは、医師会が自ら主張していることですから、すくなくとも医師会の会員医師については、そうするのが当たり前であるとの認識でいいのだと思います。

 いいことですよね。受診したら、薬は出さない。まずは運動と食事を、こんな感じに変えてみましょうと指示される。詳しいことは、専門家を紹介してくれる。

 患者さんが「私、こんなに頑張ってみたんですけれど、それでも症状が改善しませんので、いよいよ薬の出番だと思います」と主張できる実績をつくって、それを証明する文書を専門家が書いて、医師が了承して、ようやく、薬の出番。

 「危惧」されるような状態をつくらなければ良いのです。

 医師と運動療法・食事療法の専門家との連携が重要ですね。

 で、医師会の主張を裏付けるためには、そういった「運動療法・食事療法」を行った記録が、どの程度あるのかということを、医師会が示さなければなりません。

 カルテに標準装備されているくらいに一般的なら、主張1に対しての反論は出ないでしょう。

 「運動しなさい」とだけ告げられて、「どの程度すればいいんですかね」と訊いたら、への字口になって黙ってしまった…なんていう笑い話にもならない医療ネタがあるくらいですから、医師が運動療法・食事療法に対してフォローして記録するという行為は、そこまで一般的ではなさそうです。

 でも、いい機会ですから、一般的になるように、専門家と協力してやっていくことも考えてみたらどうでしょうか。『生活習慣病の最初の一回は、必ず運動療法・食事療法の専門家が関与して、彼らからの報告書がなければ、原則として、初回から薬は投与しない』という基準をつくっちゃえば、専門家の関与のもとで、適切な治療方針のもと、『最後に薬』という厚労省の方針を守ることもできますよ。

2.『生活習慣病に限る』のかどうかが曖昧3cm。

 主張2は、生活習慣病領域における、「購入者の自己申告」に基づく服用可否の判断の否定ですね。

 「ちゃんと検査しなさい」ということでしょうから、これは健康診断などで検査数値をもらってきて、それをみせればOKということでよろしいでしょうか。販売基準にも、数値がでてますし。主張1を踏まえると、さらに運動療法・食事療法をすでに受けているという証明書も必要ですね。

 提言のタイトルや前文に「生活習慣病領域における」とありますので、主張2は、それ以外の疾患領域に関しては適用されないと考えてよろしいでしょうか。主張2の文章だけを読んだ人は、「全ての疾患において」医療用医薬品のスイッチOTC 薬化により、購入者の自己申告にもとづき薬剤師が服用可否を判断することになり問題であるかのように受け取りかねません。この部分については、きっちりと線引きをした文章に変えるか、意図を説明する文章を追加したほうがよさそうですね。

 文章では、OTCの話なので「薬剤師」となっていますが、もちろん、医療現場において、生活習慣病の領域で、「患者の自己申告にもとづき医師が薬の服用可否を判断」することも同様に問題であると、日本医師会は考えているはずです。糖尿病の疑いがあるのに、患者本人が「俺が糖尿であるわけがない」と、「俺のいもうとがこんなにかわいいわけがない」くらいの断言度で自己申告したら、それを受けて「じゃあ薬は飲まなくてもいいです」と服用可否の判断をすることは、問題なんですから。え、問題じゃないんですか?

 ここは、『生活習慣病領域においては、患者の自己申告にもとづき医師が薬の服用可否を判断することが問題であるように、患者の自己申告にもとづき薬剤師が薬の服用可否を判断することも問題である』というように、主張を明確化してはどうかと。

 そうすることで、医師が生活習慣病領域の薬を出す前に判断材料として必要とされるものが明確化します。明確化したものが、OTC薬を扱う薬局では決して手に入れることができない情報であるとか、薬剤師には明確化した情報を扱う権利がないとか、そういったことが誰でもわかるようになれば、議論が進展します。でも、いまのところ、よくわからないですよね。生活習慣病以外のスイッチOTC薬は、薬剤師が、フツーに売ってますから。

 よーするに、「疾患の診断・治療は医師のみが行う行為」であることと、そのあとの主張とは、全然関係ないんですけど、なんで入れたんですか?って話。

3.文書を用いてみようか

 主張3は、前半の「文書を用いた説明が義務付けられているのに十分じゃないじゃん」という話と、後半の「セルフチェックシートの値なんて信じちゃダメだ」という話に、「エパデールを服用可能な中性脂肪値の設定根拠が乏しい」の三本立て

 文書といえば、薬屋さんです。

 薬屋さんは、なにかと文書での説明を求められます。お役人さんが、文書、好きなんですよね。なんでもかんでも、文書。保管倉庫が必要な状況をつくりたいようで。

 お役人さんが、患者目線で考えた結果として、「文書を用いて説明する」という規則になったのだと思います。「文書でも説明書きを出してね」ではなく、「文書を用いて説明」なのだということに、こだわりが、相当あるようです。

 で、医師会さんも、この「文書を用いて説明」というお役人さんの考え方に大賛成なのでしょう。だからこそ、厚労省のやっている不思議な調査結果を持ち出してきたんですよね。あの調査結果って、『能力基準のない調査担当者の主観による』もので、わりとあやふやな土台の上に築かれたものです。医師会さんは「精度管理」を重要だと考えているようですから、まずは、この調査結果自体に対して、「自己採血キットやワンコイン検査」のようなものであるから「我々が精密に調査した結果」以外は信用ならん!と言うべきでしょう。

 で、調査方法に関する集合研修を受けたりしているし、研修内容もいい感じだから、「提示した厚労省調査の精度管理がきっちりしている」という結論を得たとしたら、次に考えるのは、「なんで、この実施率なんだろう」ですよね。実施していないことだけに文句を言うのは三流の仕事。実施できるシステムになっているのかどうかを検証してはじめて、でてきた数値の意味がわかるというものです。検証しないのに信頼性があるとは言いませんよね。

 「面倒だから、そんなシステムのことは考えない、そのシステムは正しいんだ!」ということを主張しているなら、では、今の「文書を用いて説明する」システムが正しいのだと、医師会さんが考えているということです。そう、説明するのに、文書を用いなければダメなのだと。なんで、三割しかやっていないんだと。もし自分たちがそういうシステムを厚労省から指示されたら、100%できるぜ、と。

 なるほど、それは良いことなんでしょう。

 それなら、患者目線で考えたとき、「医師も、病名を『文書を用いて説明』しなきゃいけない」という流れがあってもよさそうなんですが。

 『ホンタイセイコウケツアツ』と言われてもチンプンカンプン。「今回は原因がわからなかったんだけれど、とりあえず血圧が高かったってことですよー」と言っていいものかどうか、一瞬迷います。

 仮に、医師に文書を用いて(文書を渡すだけじゃ駄目で、口頭で理解できる人でも文書を使わなきゃダメなんだとさ。調査結果を鵜呑みにするなら、説明がわかりやすかったと回答している調査員は全体(6,829)の88.3%、6009名いるんですけどね)病名を十分に説明してねという義務が課されたとしたら…。

 医師会所属のお医者さんたちが、病名を、文書を用いて説明するのって、親切ですよね。とってもいいことだと思います。率先してやってもらえたら、「薬剤師は病名を知らずに調剤していてけしからん」みたいなことをいう方も、黙ってくれると思います。患者さんから訊けますから、病名を知らずに調剤せずに済みます。とても有難いです。

 あ、そうそう、この「文書を用いて説明」ですけれど、『同じ症状で毎週やってくる同じ患者に、毎回同じ薬の十分な説明を文書を用いてしてくださいね』と、お役人さんは言ってます。疾患でも、同様にやらないといけないんでしょう。きっと。

 想像するだけでも泣きそうなことですね。

 厚労省の「平成22 年度 一般用医薬品販売制度定着状況調査結果」報告書に書いてある通り、かなりの数のOTC販売に従事する薬剤師が、マジメにやってます。「○%ではない、○人だ」と「めだかボックス」でも言ってました。これは、「6829件を調査したら、すくなくとも2048人の薬剤師が、厚労省のむちゃな要求に、律義に従っていました」という結果なんです。

 医師会さんは、この結果を見て「十分に実施されているとは言い難い」のだと述べました。「不十分」だと言い切れなかったのです。だって、どういうシステムを押し付けられているのかを想像できる賢さがあれば、これを不十分だなんて言った瞬間に、全部ブーメランとして戻ってくることが、予測できちゃいますからね。

 「中性脂肪値が150mg/dl から300mg/dl の場合にOTC 薬化エパデールを服用可とされているが、根拠に乏しい」も、根拠に乏しいことが自明でないのですが、言い切っただけでおしまい。この理屈で、様々な薬の服用可能設定を検証したら、根拠に乏しい処方なんて山ほどありそうなんで、そっちにブーメランが行きそうです。「それなら処方内容の審査を厳格にし、根拠も含めて提示する方式に変えます」とか。それこそ、専門家の自律的判断が奪われる、最悪の状況。

 だから、「十分とは言えない」程度の物証を、三つも挙げたのだと思いますが…。

 十分とは言えない、不完全なものが、いくつも集まると、どうなりますかねー?

 腕が衰えて手術ができないベテラン医師と、経験が浅いが機転のきく若い医師と、手術は上手いがアドリブがきかない医師と。みんな十分とは言えませんが、力を合わせれば、良いチームになりそうなんですが。

 この項目の話だけ組み合わせてみても、「口頭説明だけでも88.3%が満足しているが、そんな薬剤師による文書での説明や判断を補完するため、チェックシートを用い、融通のきく数値目標を示した。もちろん、『医師への受診や再検査』の推奨は、常に選択肢に入っている」という状況です。

 いろいろ挙げてもらったことで、むしろ、「案外安全にできそうじゃん」と…。

 「ひとりひとりが完璧でござる」という言葉が並ぶより、「十分じゃないけど、協力して頑張る」のほうに好感を持つ筆者の中では、この項目って、「反対」の要素ではなく、「賛成」のときに出す要素に思えます。完璧超人より正義超人のほうで、どうでしょうか。

4.そうそう、公開しましょうよ。

 主張4は、素晴らしいです。

 えーと、まず、三分の二が議題に関係の深い職域の委員であることは偏っているというお話ですので、今後は、適切な割合を提示して、その割合でやる方向に、医師会さんが積極的であるということですよね。だから、是正を求めていると。

 これは、もちろん、他のすべての審議会で適用される話だと受け取ります。

 薬系とか医系とかをどのように分けているのかは知りませんが、医系が三分の二をこえるような審議会も、ダメだと。認めないと。そういうことになります。そこでの議論で得られた結論に対して、他の委員がダメだししてきたら、ダメ出しを無条件で受け入れると。

 なるほど。まあ、他の職域の委員やお役人さんたちは、そんなことはしないと思いますが、医師会さんが自らそうしたいというのでしたら、特に反対する方はいないと思います。

 次。非公開であることを重要視しています。

 そうですよね、公開すればいいんですよ。ものすごくたくさんの意見書を、この審議会がどのように扱って、どのように結論に導いたのか。きっと、面白い議事録ができますよ。

 これを機会に、公開を。もう中医協とかも、動画配信するくらいの勢いで。

 公開にするという話については、大賛成です。今後も、医系委員がいる審議会は、全て公開の方向で。

 あ、ただ、「慎重な委員の意見に十分な説明もないまま」という部分には、違和感あり。

 ほら、ここまでで「十分とは言い難い」みたいな言葉が出てきましたけれど、じゃあ「十分」って、どんな状態なのかっていう基準がないんですよね。

 国民の健康と命に係わる医薬品行政の審議においては、十分に議論を尽くしたうえで納得のいく結論を出すべきである。…という主張は素敵ですが、この文章の主語はなんでしょうか。誰にとって納得のいく結論が出れば良いのでしょうか。そこを曖昧にしたままでは、言いたいことが伝わってきません。

5.上部審議会でやれば?

 主張5。この話は、一般用医薬品部会以外に『最近の生活習慣病予防対策の状況を踏まえた生活習慣病のOTC薬化のありかた検討会』みたいな名称の部会を新しく作れという提案です。

 薬剤師による中学校での薬教育授業も始まりますし、OTC薬の分類もされましたし、様々なスイッチOTC薬が用いられていますし、生活習慣病予防の取り組みを踏まえて薬店薬局でも健康相談から受診推奨までとりくんできましたので、2002年度の報告書にくらべたら、だいぶ状況が変化しているのは、そのとおりですね。2002年よりも、OTC薬化しやすい環境がととのっていると考える人もいるでしょう。2002年を基準とするなら、そのときの検査機器の正確性・信頼性をベースに考えることもできるでしょう。今の簡易検査キットと、当時普及していた検査機械、どっちが優秀なんでしょう、とか。

 見直し。どんどんやりましょー。

 じゃあ、それ、OTC薬以外の要素がてんこもりですから、総合判断ができるところで審議したいですよね。となると、親会である薬事分科会でやればいいんじゃないでしょうか。いろいろな分野の方がいますし、現在の問題点を把握している方たちですから、すぐに意見交換を始められますよ。

 新しく作っても、ここまでの流れが見えていない方たちが一からやることになりますし、ここは現状を有効活用するのがベターかと。

  ☆

以上、読みながら感想を書く試みでした。

実行されたら楽しそうなことを見解表明されているので、今、とってもワクワクしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第11回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会議事録

第11回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会議事録より。

中盤以降の話題である「作成した教材についての反省会」の模様を抜粋します。

  ☆

高橋(浩)構成員 いまの栗原委員のご発言にも関連するのですが、私も教材自体は大変良いものができた思います。アンケート結果を見ると予想外というか、私が最初にこの委員会に出たときにも、私は保健体育の保健の代表で入ったと思うのですが、そもそもこの内容は中学校では扱わない内容で、高校ではかなり関係することを申し上げたと思います。そのときに、社会が中心だからということで、そういうことなら、保健には多少関係があるので、そういう立場からできるだけのことをやっていこうと思ったのですが、現実にこうやって調査結果を見ますと、皆さんどうお感じになるかわからないのですが、保健で多く扱われているのは、保健の教科を一生懸命やっている側からすると、なぜだろう。扱えるはずがないのだけれどもということなのです。もっと言うと、学校の先生は何を考えているのだろう。先ほど栗原委員がおっしゃったように、もしかすると薬害を薬物乱用の害と間違って捉えているのかもしれないと思うのですが、私はここでもう少し突っ込んで言いたいのは、今日配っていただいた資料4の別添の(1)に「学習指導要領等における関連内容について」という説明があって大変良いことだと思うのですが、「なお」というところに高等学校では扱うよと書いてあるわけですよね。そう書きながら中学校で配るという矛盾が元からあるといいますか、中学生の理解水準とか、あるいはカリキュラムから考えた学習内容からすると、どうしても無理に入っていくというか、非常に扱いにくいのは元からあることで、そういうことが義務教育の間に是非配りたいというのがあると思うのですが、そこに困難な点があるのがはっきり現われていると私は思います。さらに意見を申し述べさせていただきますと、例えば高校生に配るとか高校生用のものを作るとか、あるいは薬学を勉強している学生用に配るとか、あくまでも中学生にこだわる理由があるのかなといま私は疑問に感じているところです。長くなって申し訳ありません。

○衛藤座長 いかがですか。

○河野構成員 私も高橋浩之委員の意見に賛成です。中学校の学習指導要領の解説には「薬害」という言葉が具体的に出ていませんが、高校の学習指導要領並びに解説には「薬害」という文言が出ておりますので、扱う場合にも高校のほうがやりやすいのかなと。ですから、教える側の現場も薬害、薬物乱用、副作用、薬の正しい使い方という混乱があるのではないかなと。ですから、花井委員がお話していましたが、薬害は薬の話ではなくて、社会の仕組みの話なのだよというところを教えるのであれば、こういった背景からも高校で使えるような教材が非常によろしいのかなという感じを今持ちました

○大平構成員 中学校で薬害という文言とか概念がかなり難しいのかなというところは多分にアンケートから分かるのですが、1つは保健体育の中で、私はよく分からないのですが、疾病教育というか、病気の教育についての一環の中にはこれは含まれないのですか。薬害は社会の仕組みとなりますが、社会の仕組みの中に医療上の問題とか、もっと易しく言いますと、病気になったときの問題が入ってくると思います。そのことについても、社会の仕組みの中で解決される問題で、これが突出していろいろな複合的に重なった問題として薬害は出てくると思いますので、それをきちんとひも解いていろいろとお話をするというのはたぶん高校でのことが適切なのかもしれませんが、一般的な病気になったときの薬の服用とか、そういうものに対して易しく、健康被害とか、そういうことについての何か前提のお話をそこで触れてもいいのかなと。薬害自体がそこでいいのかどうかというところは、現場の方たちの判断とか、そういうのもあると思いますが、概念としてはそういうものを入れてもらって、いろいろな科学の進歩とか、そういうのも多分そこでは話されるのかどうか分かりませんが、その中で薬の問題はとても有効だけれども、副作用としての問題があるよ、ということを触れてもいいのではないかなと思いました。
 アンケート結果で出てきますように、いろいろな言葉がいっぱい出てきていて、それが難しいというのは理解はできるのですが、もっと易しく、病気になった場合の心得とか、そういうのは日本の、よくお医者さんたちは言うのですが、基礎的な健康の問題は一人ひとりの消費者が分かっていないなというところがあって、一から診察の現場で話さなければ。平熱の問題とか血圧の問題、そういうのを言わなければいけないというところで、診察の際のいろいろな説明の中で時間が結構取られるねと。その辺の教育をもう少ししっかりした中で、薬の問題に触れてほしいなというのが要望として出てくるのですが、そういった点も是非考慮していただけたらありがたいなと思っています。

○衛藤座長 この教材をどの学習段階で教えるか、またどの教科で教えるかというほうに話がフォーカスされていると思います。こういった議論を一番最初にしたのですが、今改めて、アンケート結果が出てもう一度点検していくというのは大変意味があると思います。高橋浩之委員は、学習は段階を追って設計されているので、薬害に関して今の中学校で、特に保健体育の保健分野の場でそれで良かったのかどうかという疑問を提示されました。大平委員は保健分野の中で、疾病を学ぶというところと関連付けてはどうかというようなことでおっしゃられましたが、いかがですか。中学か高校かという話なのか、中学も高校もという話なのか、いろいろな位置付けもあろうかと思いますが、いかがですか。

○望月構成員 大平委員がおっしゃった薬には、その病気を治療するという良い面と、副作用で被害が発生するという両面を教えるのは中学校からでもできると思うのです。医薬品の、今の学習指導要領の教育の中でも十分にそれを教えなければいけないということは謳われていて、私は医薬品に作用と副作用と両方あることを教えることと、薬害をテーマにして社会の仕組み等々まで考えるところを教えていくところは切り分けなければいけないのではないかと思います。
 それは先ほど高橋浩之委員がまさにおっしゃったことに通じることで、保健体育の教科書を2、3冊拝見したのですが、確かに「薬害」という言葉は書いてあるのですが、本当に1行もないぐらいの記述で、これで一体薬害の本質的な問題点をどう自分たちが将来、再発防止のために考えていかなければいけないかというのを、あの中ではとても教えられるような状況にはなくて、やはり、中学の保健体育の教科書の場合は、医薬品には作用と副作用があって、正しく使うのが基本ですよと。それでも予期せぬ副作用が起こりますから注意しましょうよ、ということを基本的には教えるように作られていると思っているのです。
 先ほど薬物乱用と混乱しているというのは、極めて危険な状況かなと思います。薬物乱用と薬害をもし混乱して捉えて先生方が教えているようなことがあったら、これはすごく危ないと思いますので、そこはきちんと保健体育の先生が教えるようなケースがある場合には、私は今回これを見て思ったのは、補助教材というか、これを使っても、教員の方が読んでも、多分難しいところがあって、やはりグロッサリーみたいな教員のための補助教材が、将来的には必要になるのではないかと感じました。
 これは私も実際中学生、高校生が混ざった状態で、ワークショップで使わせていただいたときに、中学生にとってはこの概念を理解していくことが非常に難しいというか困難な感じがしました。かなり丁寧に、4時間ぐらいかけてやっと良いところまで到達してくれたかなという状況で、中学校の保健体育の授業の中の医薬品の教育が1個あるかないかの中で、十分薬害についての理解を深めてもらえるような形になることは、かなり厳しいのではないかと思います。

○衛藤座長 ほかにいかがでしょうか。

○手嶋構成員 この副教材をいろいろな方に見せて、いろいろな反応をお聞きしたのですが、やはり中学生というより、高校生、大学生にも通用できるような、とても素晴らしい内容という話は聞いていました。中学生向けで、もう少し噛み砕いた内容でそれなりに改正したほうがよろしいのではないかということは思っております。わからない片仮名の言葉を羅列しても意味がよくわからないと思うので、その辺はもう少し、専門の機関で練り直したほうがよろしいかとは思います。

○花井構成員 いま何人かの先生からご意見があったと思うのですが、私の印象としても、編集した段階でいろいろ盛り込みたいということがあって、これはコンテンツとしてはかなり中学生にはリッチになり過ぎたなと。最初のイメージはもっとシンプルで、絵の多いものを想像していたのですが、やはりどうしても盛り込みたい内容が多くなると、これでも相当情報量が増えてしまったなという感はあったのです。学習指導要領の解説で、高校のほうはかなり明確に位置づけられ、教科書もかなり明確に薬害を扱っていることを考えると、むしろ、そこで使い出があるほどの内容になっているとは思います。
 中学、高校のどちらかという議論はさて置きまして、私の個人的感想としては、これは高校の要領に明らかに載って、教科書にも載ったわけだから、それに寄り添った形で何かあれば、それは高校の現場では使いやすいものになろうかと思います。
 さて、中学校のほうは、このままの内容では難しいというので、今後の検討課題は、中学校の段階ではもう少しシンプルな形にする。社会科で扱いにくいという意見も出ているのですが、保健体育で薬物乱用との混同というのはとんでもない話なので、むしろ、そこでは扱わないでほしいぐらいの感じもあります。高橋浩之委員からもありましたので、保健体育ではかなり難しいということになると、大平委員の意見のように、疾病との関係とか、そういうところでも使えないこともないとは素人考えでは思うのですが、もう少し現場で使いやすいようにモディファイするというのは検討していいのではないか。具体的には、これはもう少しシンプルにしないと、中学校では非常に難しい。ただ、先生のための指導の手引みたいなものは充実してもいいのではないかという意味で、結論から申しますと、中学校でも、高校でもやったらいいのではないかということになるわけです。以上です。

○倉田構成員 いろいろな委員の方がおっしゃっていたのと同じようなことになってしまうのですが、配布のみが7割と伺いました。中学3年生の高校受験をしなければならない人たちが、受験に向けていろいろやらなければならない中にあって、先生たちはどうしよう、どこで入れよう、どういうふうに指導していこうと思っているうちに時間がなくなって、ただ配ってしまうだけになってしまうのかと勝手に想像はしてみました。教えて下さる先生方の手引のようなものは作って、このように教えていただけるというところが必要ではないかとは思いました。

○矢倉構成員 アンケート調査結果の概要の「調査結果一覧」の「問1 使用状況」のところで、「配布していない」というのが約1割あるのです。配布していない理由として何か聞き取りがあったとか、こういう回答があったとか、なぜ配布しなかったのか、理由がわかるところがありますか。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 配布しなかったことについて、直接回答をいただいているわけではないのです。例えば、一番最後の頁をご覧いただくと、「使用しなかった・このような教材は不要」といったようなご意見も6件聞かれております。これはもしかして薬物乱用と混同されているということもありますが、「別資料を使い、警察の指導を受けたため、特に使用を必要としませんでした」というようなご意見や、ほかの項目の中で読み取れるものとしては、例えば、8頁の一番下にあるご意見では「配布のみだと差別意識につながりそうだという判断のため、配布しませんでした」というご意見も聞かれているということです。感触としては、この教材の目的、ねらいや、このようなことを教えてほしいという意図が、これまで伝わっていない部分もあったため、このように配布すらされていないというケースもあるということで、今回「活用の手引」を作成することにしたということもあります

○矢倉構成員 ということは、配布する前にすでに学校で判断してしまったということですね

○医薬品副作用被害対策室長補佐 そうですね。こちらのほうからは、使って下さいということでお送りしていますので、学校側の判断として配布をしていないというふうに考えております。

○大平構成員 中学校での取扱いについて、ネガティブな意見が結構あるというところはありますが、ただ、社会の流れの中で、こういった事件があったということや、そういう問題は何となく事件性の問題として、例えば社会の公民的分野とかで記述があってもいいのではないかと思うのです。全く触れなくなってしまうというのは、昔、薬害エイズの問題についても、教科書に最初少し載ったけれども、それが消えてしまったということもありますので、折角、指導要領に位置付けがある中では尊重して、少しそこを工夫していただいて、何か言葉として残していただきたいというのが被害者としては感じています。

○栗原構成員 私も先ほど否定的なところにまず目が行ったのですが、さらに言うならば、回収率が21.9%ですから、21.9%で配布していないのが11%となっていますが、あとの8割ではもっと配布していない所が多いのかもしれないと思ったりもします。
 これは緒に就いたところであるというところですから、あまり今回の調査結果に振り回されたくないという思いもあります。こんなところで引用して申し訳ないですが、10年余前、我々が文科省と出会ったときに、薬物乱用と薬害の混乱もあったという現実すらあるわけです。実際、細かく見ていきますと、「非常に有益」で、「社会科で使っている」という回答もあるわけですから、中学校ではちょっと難しいからやめだとか、朝令暮改的な話しにはなってほしくないと。今後の現場の先生方の主体的な教師としての見識でこれを使って、それぞれの先生たちが社会科でどういうふうに教えるか、ということが次第に考えられていくだろうし、立命館中学校の実践は、ある民間教育団体の雑誌ですでに世間に紹介されています。私はまだ確認していませんが、そういう期待を込めているという気持も加えておきます。

○望月構成員 私が否定したようにもし受け取られていたら、そういう趣旨ではなく、やはり保健体育での薬害の扱いというのは、かなり難しいということをお伝えしたかったのが趣旨です。中学の社会になるのか、公民になるのか分からないのですが、そちらのほうで扱っていただくことについては、私はやっていただきたいと思うのです。ただ、そのときの副教材としては、これは難し過ぎて使えないというか、まず教員の方がこれをきちんと理解するためのサポートをしないと、たぶん難しいのではないかというのが個人的な感じです。これをもっと簡単なものにして、中学生にも入りやすい副教材を作る方法もあるというご提案がお二人ぐらいあったように思います。いま栗原委員がおっしゃったように、まずはこれを土台にして、ただこれだと少し難しいので、ホームページ上でこの教材を理解するためのサポートができる情報を提供する。ホームページならそんなにお金がかからないと思うので、何か作れるといいのではないかとは思います。高校では、こういうことはある程度の時間を取ってやっていただければと思います。
 そういう部分とは別に、私は薬の副作用のことを啓発したり、薬害についてみんなで考えていくことがとても大事だと思っている立場ですが、それをいま一生懸命やっていく中で、今回のアンケートにも少し出てきたのですが、現実にいま自分自身が絶対に薬を使っていかないと治らない病気を抱えている子どもたちというのも学校にはそれぞれいて、その子どもたちが薬をきちんと使っていただくようにしておくことも並行して考えておく必要があることを、最近、薬は気を付けて使わなければいけないものなのだという教育と併せて、そこをどうやったらうまく並行していけるのだろうかと少し考えるようになった状況があります。また何か先生方から別の機会にそういうことについてご意見をいただけたら嬉しいと思いました。

○高橋(浩)構成員 私も一概に中学校での副教材の配布を否定するわけではないのですが、改めて教材を見てみると、私が普段接している中学生ということを考えると絶対的に難しいということは、いま思います
 それにしても、先ほど大平委員がおっしゃったように、中学校の社会科でも関連内容があるわけで、そういうところで適切に扱えるのであれば、私はそれはあり得ることだと思うのですが、たぶん中学生にはなかなか難しいと思います。保健体育になると、先ほど衛藤座長もおっしゃったように、順番に学んでいくことがあるので、薬はやっと中学生に下りてきて、まず薬の性質、副作用、主作用、あるいは使い方を勉強していくステップの中で、特に保健の場合には中学校は個人生活、自分の周りのことをよく考えようと。社会は、だんだんと根を広げていくということで、高校で扱うことになっているのです。そう考えると、今日は大杉委員がいらっしゃらないので何とおっしゃるかわからないのですが、本当に社会で適切に扱えるのであれば、中学校はあり得ると思うのですが、私は直感的には難しいのではないかと思います
 さらに言いたいのは、もともとこの会というのは、薬害を再び起こさないために何をやっていけるか。すべて教材を作るのも、いろいろな資料を集めたりするのも、そのためだと思うのです。そういうことを考えた場合、中学校が義務教育であることがとても大きな要因ではあるのですが、そこにこだわっていくというのが、どのぐらい会の全体の目的にとってプラスなのか。ある程度我々は情報を集めてどうだろうということになったら、よりターゲットとして目的が達成しやすいところに力を注いでいく発想があっていいのではないか。そういうことで、高校は特に使いやすいと思います。あるいは薬学を学ぶ学生用の資料とか、そういうことも結局はこの会の目的の達成に関して近いのではないかと考えるのです。以上です。

  ☆

 はい、ここまで、自分たちの作った教材について、いろんな方が語っています。

 えーと、高橋浩之さんが口火を切って、河野さん、大平さん、望月さん、手嶋さん、花井さん。この6人の構成員の方々が、「この教材は、中学生には難しすぎる」と盛り上がります。まあ、社会科と保健体育のどちらでやればいいのかとか高校でやるべきだとかいう点については、意見がバラバラなんですが。とにかく、「中学生には難しすぎる」という点では一致。

 倉田さんと矢倉さんは、教材が難しいとは言いません。

 栗原さんが「難しいから中学校で使わないなんて朝令暮改」と言っても、望月さんと高橋浩之さんは「中学生には難しすぎる」との意見は貫きます。

 そうですか。難しすぎますか。

 中学生向けだって最初から言ってたじゃん。

 印刷する前に、中学生に読ませたんでしたっけ?

 印刷する前に、この教材でどのように教えるのかを検討したんでしたっけ?

 なーんにもしてない方たちが、アンケートを受けた瞬間に、

 『いや実は俺、最初から、難しすぎると思ってたんだよ』

 とでも言いたげな、教材批判。

 あ、そう。ふーん。

 きっと、この6人の方たちにかかれば、AKB48が今みたいに売れることを、デルトラクエストのオープニングを歌っていた頃から予想していたことになるんでしょうね。

 自分たちの作った教材です。「使用する相手のことを考えて、わかるように作って伝える」のって、たとえば『教育』の基本、『適正使用』に必要不可欠なこと、相手を思いやる『福祉』の心の現れ、『大学生にものを教える』教科書作成時に考えること、『裁判』で主張するときや『人権』を訴えるときに大切なことなんじゃないかと思いますので、そういった行為の専門家・有識者として集まっている方々の口から、自らが作ったものについて、批判する声がこんなにあがるというのは、とても不思議です。しかも他人事っぽく。普段は頑張っているけれど、この件については手を抜いたんでしょうか。それとも、普段も、こんな仕事ぶりなんでしょうか。(前者だと信じさせてほしい…)

 「この人たちの能力なら適切な教材ができるはずだから、予算をとって、任せた」方々の半数が、教材をつくったあとで「やっぱり失敗作でした、いえ、良い出来なんですよ、でも、中学生用としてはダメです」と、「自分は議論に参加していないから他の人のせいだもん」的な発言(河野さんは小林さんからの引き継ぎ、大平さんは教材がつくられた後の参加なので、参加してませんけど…)。

 ちょっと、過去の議事録を読みかえしたほうがよさそうです。

第六回議事録
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000zqsv.html

 教材の内容を確定した第六回には高橋浩之さんがでられなかったため、意見書を提示しています。それを踏まえて議論した結果なので、結果責任を負うのは普通のことかと。

第九回議事録
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000028y7p.html

 第九回で、「薬剤師」に授業をさせれば成果がでたことを評価していたはずなんですよね。それをすっかり忘れて、そっちの方向で考えることをやめちゃったんですかね…。

  ☆

○高橋(寛)構成員 皆さんが言った後なので言いづらいのですが、いまこのパンフレットの内容の水準をここで議論したとしても、過去に議論を通じてみんないろいろ要望があって出来たので、いまここで、やっぱりそうだったか、というのはやめにして、この教材が本当に出来たんだというのがまさに価値だと思います。このタネを蒔いてどうやって育てるかというのは、たぶんこの次の段階で、この教材があるから今度は高校にでも、大学にでも薬害教育の取り組みを割り振れるわけです。皆さん言っていますが、すべての教科はおそらく大学に入るため、高校に入るために水準を作って、系統的に教育をやってきています。いまここで薬の教育をゼロからやらないで、途中から、薬害についてこれ覚えてね、というのはやはり無理だと思うのです。これをもし中学生が理解するためには、小学校で薬に関する教育を始めなければいけないという、さらに突っ込んだ教育をしていかなければわからないというので、それはいまここで議論をしてもしようがないのですが
 当初は、義務教育のときに「薬害」という文字を知っておいてもらいたいよね、というのですが、おそらく今の時代は義務教育というよりも、みんなが高校、大学に行くという時代だとすれば、薬害を学ぶ機会としてはもう少し高年齢のところでも共通認識をしていけるのかなということもあります。
 いずれにしても、いま大事なことは、これを数で言うと結構な中学校で教材を配ってくれたという事実。授業をやってくれたという事実。これが来年増えてほしいということだと思うのです。ですから、これが来年減ってしまったら、本当に残念だと思いますので、教える側のサポートが大事です。教員の役割ということですが、学校の先生というのは「教科書を」教えるのではなくて、「教科書で」教えると言われていますので、そこを是非サポートしていく資料を作っていければと思います。

○衛藤座長 この教材を巡って、かなり様々なご意見が出ましたが、二年度この教材を使って配布して、通常の流れでは、これをまた来年度配布すると。そのためには、今までのご説明の中から要点を掻い摘んで申し上げますと、配布する時期の問題を指摘されたので、これは学校にとっては根本的な問題なので、学年の終わりではなくて、1カ月ほど手前にということです。そうだとすると、遅くとも今年中には最終的に全部固まっていないといけない日程になるということです。今が10月ということになりますと、中学校の社会科の公民的分野でこの教材を活用していただくことを想定して、教材プラス活用の手引を付けた形で配布するという案で、今できることは何かということでもう少し議論をいただきます。もちろん高校でとか、この内容をもっと簡略にとか、もう少し長期的な検討、つまり、ここ1カ月でできるような内容ではおそらくないと思いますので、そういったことも視野に入れながら、当面、今すべきことは何かということで、もちろんそれはしないほうがいいという意見があれば別ですが、そうではなくて、いまの資料を基本にして、活用の手引を付けて配布する。そういうような現実のことを想定した場合、付加したほうがいいことがあるかとか、修正したほうがいいことがあるかという観点でご意見をもう少しいただけますか。

○高橋(浩)構成員 最初に手を挙げたわりに、衛藤座長の質問に直接答えるものではなくて申し訳ないのですが、衛藤座長がおっしゃったことはまた議論するとして、いまいろいろな意見が出たので、中学校にまた同じように配布するにしても、試行的に高校生とか、あるいは薬学を学ぶ学生に活用してどうなるかということを試してみることもあっていいのではないかと思います。ストレートな答えではなくて申し訳ないのですが。

○衛藤座長 それは数ということよりも、むしろ質的なものをとるということでは、非常にパイロット的なという意味合いですね。

○花井構成員 配布の時期の話ですが、先ほど宇治の立命館は中高一貫ではないかと思います。公立では受験があるのと、中高一貫だと、わりとその時期でも可能というところは多少あるのかと思います。そういうことで使いやすさが分かるのかというのは、今回の調査では分からないのですか。分かれば教えてほしいのですが。そういうこともあるのかと。仮に、そういうことが大きくあるとすると、1年早めることはあり得るのでしょうか。やはり、3年では難しいのに、2年だとさらに難しくなるというデメリットが大きいのかと。
中長期的ということですが、もう少しわかりやすく、シェイクダウンしたようなものが今後あるのであれば、そういった観点もあり得るのかなということですが。事務局では、私立か公立かというのは分からないのですか。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 私立か公立かというところは、結果としては分からない形になっています。

○河野構成員 たぶんこの内容をカリキュラムに落とし込む年間指導計画を、先生方はお作りになるのですよね。ですから、その前までにこういった手引やワークシート、つまり指導要領ではこういうふうに取り上げられていますよというものをセットで、その前までに送るようなパターンですか。大体、各学校では指導要領の内容をカリキュラムに落とし込むときに、年間指導計画を立てるのはいつ頃になるのでしょうか。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐 最終的な完成版としては、4月に人事異動がありますので、新しい校長が来てから決定する場合が多いです。原案のときは1月、2月にもう作っている所は結構あると思います。

○河野構成員 そういうことであれば、そのころに出来上がるのですから、それまでに練る時間があるということであれば、年明け早々か暮れまでには送っておかないと、計画を作る先生方は内容をいろいろな形で盛って作るのが難しくなるのではないかと思います。そういった時期はお考えになったほうがよろしいのかなという気はします。
 この案で出された手引とワークシート、指導要領を付けるというのは非常に良いセットだと思います。あとは望月先生がおっしゃったように、今度は教える側の先生にもう少し薬害を詳しく教えないと、自分が知らないことを子どもたちに教えることが不安になりますので、その辺も手当できたらと思います。

○花井構成員 そういうことになると、今の進行予定では、2月ぐらいの配布を目指しているのですよね。もう少し早くというのは可能ですか。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 例えば、1月に配布することになりますと、印刷等の手続の関係で11月ぐらいには手続に入ることになりますので、大幅な改訂等がなければ、もう少し前倒しすることは可能だと思います。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐 私がいま1月と言ってしまったために、そういう話が出てきたのかもしれませんが、作り始めるのがそのくらいということで、成案が1月に固まっているということでは決してございません。

○高橋(寛)構成員 素朴な質問ですが、いま高橋(浩)構成員と話したのですが、中学校の指導要領には「薬害」という文字がないので、ちょっと意図が薄いかなと。高校のほうは、指導要領解説にはきちんと文字になってきているので、やるのかなと思うのですが、中学校の先生はなかなか薬害を教えられないということですが、高校の先生は大丈夫なのですか

○衛藤座長 これは誰が答えればいいのでしょうかね。文科省の方、いかがでしょうか。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐 中学校では教えられないというのは、知識がなくて教えられないというよりは、どこの単元で、どう扱っていいのかわからないという意味の「教えられない」だと思うのです。知識としては、もちろん教科書や副教材を活用して勉強しながらやるわけですので、能力面という点ではある程度は対応できるかとは思います。

  ☆

 で、難しい難しいと言ってみたはいいけれど、あんまりそれを強調し過ぎると、今度は、「だったら、そんなもの作ったお前らは無能なんだから、さっさと役を降りて家に帰れよ」と言われる(実際、そうなったらシンプルで良いと、筆者は思いますけど)ことに、高橋寛さんの意見でようやく気付いたのか、

 『いやいや、教材はいいんだけれど、中学校の先生には教えられないだろ』

 と、言い始めて、俺は悪くない、先生用のテキストを作ればいいんだという主張に変節するわけですよ。

 はあ。中学校の先生(社会科と保健体育)って、主張するみなさんから見て、そんなに「頭悪い」ですか。アンケートを見た限りでは、ちゃんと、活用できているところがありますけれど。

 それまでに、「これは中学生では難しい。高校くらいの内容だ!」と繰り返していた方々なので、素朴な疑問が生まれます。

 中学の先生はダメだっていうけれど、高校の先生は教えられるの?

 そうですよね、同じ「大卒」ですからね。

 中学校の先生がダメなら、高校の先生だってダメでしょう。

 そうではないという前提で話している方々は、中学校の先生は高校の先生よりも格下だとか頭が悪いとか、そういう偏った視点で見ていることになりますけど、それでいいんですかね?

 高橋寛さんが、その疑問を出すと、

 「いえいえ、中学校の先生だって教えられるけれど、どの教科でやればいいのかわからないだけですよ」

 という答が「文科省から」返ってきました。

 すると、今度は、論点を、「高校で使うべきだ」にシフト。

  ☆

○衛藤座長 この教材自身を、もし公民で教えるとしたら、この文は変えたほうがいいというような観点で何かご意見はいかがですか。根本的にこれを高校用に変えるとか、そういう話はもう少し長期的な話なので、いまはペンディングということになりますが、仮に今の流れの中で、今年中には最終的に改訂版を固めて、活用の手引とワークシートを添えて使っていただくことにするとしたら、これはこのままでいいのか。それともこの部分は少し変えたほうがいいという点に関してはいかがですか

○河野構成員 先ほどの案で言うと、時間の関係からなかなか大幅に変えるのは難しいということで、ただ、内容は皆さんいろいろ検討して、しっかりしたものができたということであれば、手引の中に「中学校3年生を対象とした」という文言を使っておりますが、高校生のほうにお送りしても、十分活用いただけるような形があるのではないかと。ですから、こういったところを、多少手引等の言葉の使い方を直して、間に合わせたほうが今年のものとなりますので、それをまずやって、そのあとのことは並行して皆さんでまた検討していくほうがいいのかなという気が私はしております。

○衛藤座長 それはご意見としてはわかりますが、今年度、高校に送るという話はないのではないですか。

○河野構成員 限定しないで使えるような形というものですが。

○衛藤座長 いまのところ、今年度の計画としては、送り先は中学校ということになっているわけです

○河野構成員 先ほど高橋浩之委員からパイロット的に高校のほうにも配布ということをお考えになってはというご意見が出ましたが、「中学校3年生を対象にした」という言葉ではなく配っても、高校でも十分活用いただけるのではないかという気はしております。

  ☆

 河野さんの意図は、いまいちわかりません。

 「より多くの人に知ってもらおう」というコンセプトで、予算を考慮して、義務教育期間の中学三年生限定で配布する教材を作っていたはずなんですが。

  ☆

○高橋(浩)構成員 この教材をほとんど変えずに中学校で配布した場合に、より良くやれるということに限定して考えてみました。本当に具体的なことですが、資料4に「教師の皆様へ」という文章がありますが、そこで全体としては別にいいと思うのですが、(1)の「学習指導要領等における関連内容について」というのはすごく漠然としていると思うのです。ここでもっとはっきりと社会科(公民的分野)の消費者の保護の解説にはこう書いてあるが、その資料として有効であるとか、それ以外に学級活動、あるいは総合的な学習の時間などにおいて活用できます、ともう少し具体的に書いてはどうか。保健体育の「『医薬品の適正使用』等が関連する項目」というのはやめていただきたい。こういう言い方をすると、本当にどこで扱うのかよく見えない。むしろ、社会科でちゃんと扱えるように説明を書いたほうがいいのではないかと私は思います。
 さらに、「なお」以下、「高等学校で」と書くのはいいと思うのですが、普通これを書くと、何で中学でという話になりそうな気がするのですが。これは微妙なところだと私は正直言って思います。書くことはいいとしても、もっと限定して、どんな所でどんな役に立つかということを丁寧に、「何も関連する、何も関連する」ではなくて、学校の先生が、これを使うといいことがあるなという形で書くというのは1つ提案です。
 もう1つは、提案というか意見です。ワークシートのほうですが、これはとてもいいアイデアだし、素晴らしいワークシートだと思いますが、これがもっと使われるのであれば、私は1つ意見を申し述べたいと思います。全体としてとても良くできていると思うのですが、最初の「薬害って何だろう?」、これは2枚になっていると思うのですが、ちょっと気になるのは、最後のところに「碑文を読んで、どうすれば薬害が防げたのかについて書きなさい」という課題があるのですが、私は教育をやっている人間としてどうしても納得できない。そもそもこのパンフレットというのは、現象的に見ていって、いろいろなことを学んでいく中で、どうすれば薬害は防げるのかというところへ辿り着いていく構造になっていると思うのですが、碑文を見ただけで、どうすれば防げたかについて書けるかというのは、私には理解できない。もしかしたら、ここに書かせた上で、最初は理解が浅かったという話になるのかもしれませんが、これはリーフレットの構造と違うのではないかというのが1点です。
 もう1つは、それほどではないのですが、「薬害って何だろう?」の1枚目で、(1)「あなたが生まれたときの体重はどのくらいでしたか?」と書いてあるのですが、これはいまひとつ私には理解できない。パンフレットでは、おそらくこういうことは知らないだろうというところで、いろいろな事実が上がっていく中で、どうして私の体重とか、あるいは(5)「身近に薬害による被害にあった人」というのも、軽率と言うと言い過ぎかもしれませんが、私には非常に違和感のある質問で、この辺りはリーフレットのコンセプトというか、我々が作ってきた流れとは合っていないのではないかと思ったので、これはご検討をいただきたいと思います。

○高橋(寛)構成員 これはできるかどうかお尋ねしたいのですが、アンケートの資料では、「授業で使用した」というのが19%ですので、2割だとして400ぐらいの学校があると思うのですが、立命館のように、3時間やったのか、1時間やったのかわかりませんが、そこでは何らかの工夫をされてやったのだと思うのですが、そういう工夫の事例を集めることはできないのでしょうか。

○衛藤座長 事務局からコメントがあればお願いします。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 いま高橋寛委員からいただいたご提案ですが、今回どういうふうに使ったかというのは、今の段階ではそこまでアンケートでは聞いていないので分かりません。先ほど資料4の「教材の活用方法等について」でご説明したとおり、今後教材を活用された場合の好事例については、厚生労働省にご報告をいただいて、情報を集積していくということを考えております。

○手嶋構成員 「薬害って何だろう」というパンフレットの中で、いろいろ皆さんからアンケートでご指摘があったように、私たちは一生懸命作ってきたのですが、こういう配置をパッと見て、大人で考えたレベルが少し高いのかなと思いました。中学生だと一見してパッと見てから、最初の年表にしても、捉え方が難しいのかと感じます。しかし、これを今更、時間もないし、厚労省のホームページで「薬害って何だろう」というところで何とかバックアップして、中学生向きに詳細をもう少しホームページのほうに割と簡単に載せることはできないかと思っていますが。

○衛藤座長 詳しく解説するのではなくて、簡単に示す示し方ということですか。

○花井構成員 何でこれ配るのかなと

  ☆

 高橋浩之さんの指摘がワークシートへ。碑文の例は、確かにそのとおり。キン肉星に伝わる石碑を見たって、それだけでは究極の必殺技である三大奥義を習得できない子がいるのだと、キン肉マンマリポーサさんが、世の中のちびっこたちに教えてくれましたよね。上から頭突きするんじゃないんです。下から頭突きで跳ねあげるんです。それさえやっておけば、最終的にどんな技をかけてもOKなのはどうかと思いますが。

 ワークシートを「素晴らしい」と言いつつも、「リーフレットのコンセプトと合っていない」という指摘。リーフレットのコンセプトと合っていないのなら、この企画にあっていないのですから、ダメなワークシートってことになりそうなんですが…。

 手嶋さんが難しい難しいと繰り返してからの、花井さんの「何でこれ配るかな」は、議事録的に話が繋がっているのか疑問ですが、直球で受け止めた場合のみ、なんだかすごいコンボ技になっています。「ちっ、こんなもの、誰もよまねーよ」的な。ニュアンスが違う受け取り方をすると危険ですので、ここはスルーでしょうか。

  ☆

○矢倉構成員 たしか望月先生が生徒を公募されて、授業を展開された報告がありました。そのお話を伺って、非常に先生が努力をして授業を展開されて、ワークシートも作られたと。そういういろいろなお話をお聞きしたのです。私も分かりにくいと思った部分や、その理由を、資料3の調査結果のアンケートの報告を見て、「配らなかった」というのも1割あるということや、「配布のみで終わった」というのもかなりあるということから考えると、教師がどう指導していいかわからない。分かりにくく思った部分や、その理由を列記してある文章から、初めて薬害に立ち会ったという感じで、そういう観点が非常に強いのではないかと。内容自体は、きっちり読んだら別に難しい内容ではないのですただ指導がしにくい。そういうことなのではないかと思うのです。やはり教師の指導用の手引をきちんと作って、一緒に配布すれば、先生方も「ああ、そうか」という感じで、1年、2年で効果を上げろなんて、こちら側も思っておりませんし、そういう意味で皆さん作ったわけではありませんよね。
 そういうことから考えて、順序を踏んで展開していったほうがいいのではないか。まずは指導者が指導できないということが、今回私たちは分かったのではないかという気がします。

○衛藤座長 今おっしゃられた教師への指導の手引というのは、資料4の別添の「薬害教育教材の活用の手引」のほかに、どういうものをイメージされているのですか。教師の指導用の手引というと、もっと授業の展開の仕方とか、そういうものが記述された資料という意味ですか。その辺をもう少し教えていただけますか。一応、別添は教師用にということで作られているものですが、ここに不足している情報なり、どういうことを考えたらいいのでしょうか

○矢倉構成員 それはいま一概に、こうですよ、とポンと言うことはできないのです。この内容が多岐にわたっていますから。少なくとも、どの教科できちんと指導するのか。やはり、指導者用の手引を作るチームワークづくりをやって、その中でいろいろ検討していって、先生方がどう理解しやすくなるかということを考えてもらったほうがいいのではないかと思いますが。

  ☆

 指導者用の手引を作るチームですかー。

 ワーキンググループをつくってね、私たちはしらなーい♪

 …って、聞こえます。

 これは、「指導者が、指導できないことがわかった」のではなく、「検討会の構成員が、指導者にどんな指導をさせたいのかがわからないのがわかった」瞬間ということでよろしいでしょうかね?

 そうなると、「検討会の構成員用の手引」が必要なんでしょうか。手引きが必要になるような有識者なんて、検討会には要らないと思いますけど。

 他の方が難しい難しいと言っている教材の「内容自体は、きちんと読んだら別に難しい内容ではない」ということですが、この検討会の資料や議事録は、きちんと読んだ時、難しいのでしょうか、難しくないのでしょうか。難しくないのなら、この検討会で議論してきた内容で手引をつくればいいような…。

  ☆

○花井構成員 今のお話ですが、どのように指導するかということで、今回立命館の例をとって、こういうものを挙げて、いくつか問題点を指摘されましたが、今後とも活用されるところから情報をもらって、こういう形でということでやっていったらいいのだと思います。
 今ここで決めておくべきことだと思うのですが、先ほどから意見が出ている「教師の皆様へ」の手引について、保健体育で教えることをまず否定的に考えるのか、案では横並びになっていて、両方関係ありますよ、と書いてあるのですが、今までの先生方の意見を踏まえると、まず「社会科です」ということは明確に書いた上で、保健体育で教えるなという形にしないとすれば、保健で扱う場合の注意点や留意点をちゃんと書いておく必要があるのではないか。今回配るに当たって、保健体育で扱うときにはこういうことというのを、望月先生もいくつか指摘されたと思いますが、こういうことを留意してくださいと。こういう言葉を関連して使って下さいということで、ちょっと説明をしてあげたほうがいいのではないか。それは皆さんで決定してほしいのです。まず、主たるところは社会科だと。ここで合意がとれるのであればそう書いたほうがいい。しかし、保健で使うなということではなくて、保健で関連項目があるので、そちらで扱う場合にはこういう形でと、もう少し丁寧に書いておく必要があるのではないか。もう保健では扱わないということであれば、それはそれでいいのですが、そこは明確にしないとテキスト自体を書けないと思うのです。保健で扱っていいのかどうかを決めないと。それを先に決めたらいいのではないかと思いました。

○衛藤座長 それでは、中学校の保健体育の保健分野で扱わないとするのか、扱うとしたら、こうですよというのか。その辺についてご意見をお願いします。

○高橋(浩)構成員 私は保健体育の教科を一生懸命やっている立場からすると、「扱うな」と書けとは主張しませんけれど、保健体育は3年間で48時間です。本当に限られた時間でいろいろな内容を扱っていて、そこで薬害が入るということは、ほかの例えば身体の発育、発達とか、薬物乱用かもしれない、応急手当てかもしれない。そういうものが抜けることを意味すると感じます。保健で扱うことはやはり学習指導要領に沿って学ぶのですから、薬に関しては、正しく使用することを学ぶ。それから薬物乱用については、身体に害があることを学ぶという中では、基本的には入れられないと私は考えます。保健でも扱える書き方というのは、保健体育の教科からすると厳しいものがあるというのが正直なところです。
 総合的な学習の時間とか、学級活動とか、ほかはいろいろと社会に限らずあると思いますけれども、保健体育は慎重に、是非。

○大平構成員 ここで保健体育で全く扱わないと決めることは、私はちょっと想定外です。それはやはり保健体育でしか身体などの問題については触れるところがないと思っているのですが、その中での健康被害とか、また命の問題としての薬の有用性というのと、そこの裏腹なところというのは、中学校でどのように教えるか、いろいろ工夫してもらうにせよ、こういった薬害被害が起きていることについて、それは命の問題の中のこととして是非ちゃんと触れてほしいなと。表現の仕方があるかとは思いますけれども、それが触れないとしたら、逆に社会の仕組みだけでそれが解決するのかという話には繋がらないと思います。補助教材をどのようにするかとか、そういうのもあると思いますけれども、生命の問題としての命の大切さの問題としては、そこに全く架け橋ができないことについて疑問に思います。

○高橋(浩)構成員 薬害は保健的なテーマではないとか、保健の授業の中で扱う必要はないとは全く言ってないつもりです扱うのでしたら高校で。学習というのはやはり学年ごとに積み上げて学んでいくものです。どんなこともとても大事なことで、いま大事なことはたくさんあるし、薬害もとても大事なことだと思いますけれど、そういう論法でいってしまうと、中学校の保健ですべてのことを勉強しなくてはいけなくなってしまう。そういうことでしたら、是非、高校の保健の授業で、先ほども何度も申し上げているように、だんだんに自分の身体といった身近なことから、普段の生活、社会全体の繋がりを学んでいくようになっているので、高校でしたら、健康を支える社会の仕組みとか、薬についても中学校で勉強したことを基にということができるので、是非それは高校で勉強するように、あるいはそれがうまくいくように、この会としても協力するべきではないかと思います。
 私が申し上げたいのは、これが大事ということもあると思うのですが、一方で保健体育で学ぶべきことは大事なことがたくさん詰まっていて、それはそれで学習指導要領に定められたことを各学校でしっかりやっていかなければいけないという前提があるのだと思います。そういうことから関連付けるのは中学校では非常に難しい。大事ではない内容とは言わないのですが、それまでの学んできたこと、それから理解水準、ほかの同じ時期に勉強している内容との関連からいって非常に難しいので、そこを保健でというと、薬物乱用と混同したりとか、ほかの授業がやれなくなったりと、教科として、非常に拙い状況が起こるのではないかと、私の立場から心配しています。決して保健では扱わないとか、保健的なテーマではない、ということではないので、誤解のないようにお願いいたします。

○河野構成員 いま大平委員と高橋浩之委員が言っていることは違いがあるというよりは両輪だと思います。つまり薬害を理解していただくためには医薬品の正しい使い方、いま始まった医薬品教育を学んでないと薬害を正しく理解できないですし、再発防止に役立っていかないと思うのです。今まで高校でやっていた正しい薬の使い方が中学校に下りてきましたので、そこで医薬品教育をしっかり学んで、薬害を正しく理解して、再発防止の自分たちの手助けとする。そういった流れでいうと、いま大平委員がおっしゃっていることと高橋委員がおっしゃっていることは一緒の流れの中で進んでいくべきものであるし、そうなった方が薬害に対する理解が早いのではないかなという気が私はしました。

○矢倉構成員 すみません、ちょっとずれるかもわかりませんけれど。社会科で公害の問題がありますね。公害の問題は命に関わる問題で、社会問題として、こういうことがあって人の命に大きく関わってきたことは、やはり指導をしていると思うのです。ですから私たちも文科省に要望してまいりましたのは、教科書に公害と同じように薬害も社会問題として扱っていただきたいと。そう要望してきたのは命の問題であり、大きく社会的な問題になっているという扱いです。保健体育で薬害をやろうと思ったら、かなりしんどさがあるという感じは受けます

  ☆

 保健体育で教えるのかどうかという話にシフト。

 どうみても、高橋浩之さんと矢倉さんが【社会科で教えろ。そうでないなら高校で教えろ】と言っていて、大平さんが【保健体育でしか教えようがない】と言っています。

 それを聞いた河野さんが、どうして「両輪」という受け止め方ができるのか、さっぱり分からないです。

 「中学校で教える場合に、社会科か、保健体育か、どちらで教えるのか」の主張がまったくかみあわない。それを「まあまあ、両輪ですから…」と言っても、何も解決しません。

 また、すでに高校ではやっているはずなので、【そうでないなら高校で教えろ】という話がでてくるのも不思議です。

 そこで、この検討会の良心ともいえる衛藤座長が、論点を明確化しながら今回はスルーすると同時に事務局に釘を刺すという、良い進行をします。

  ☆

○衛藤座長 さて、どうしましょうか。いろいろとご意見が出ておりますが、資料4の別添の「薬害教育教材の活用の手引」で、「教師の皆様へ」ということで、中学校の学習指導要領との関連についての記述をどのようにするか、この辺りについて、いま書いてあるのは並列になっているので、もう少し明確にとなると、いま出ていたご意見の中では、社会科の公民的分野、学級活動、総合的な学習の時間、そういったもので扱うことができることを中心に書いてはどうかと、ややそういう方向に意見がまとまりつつあると感じますが。
 高等学校の公民編で薬害問題を扱うことが書いてあることをここに書くかどうかはまた議論があるかもしれませんし、保健体育に関しましては高等学校でそういったものを扱う可能性がある、ということを書くかどうかもあるかと思います。別添の「活用の手引」の修正をして、この資料を今年度やや早い段階で、今のご提案では2月ぐらいに配布するという方向性で進むことに関しましてはよろしいでしょうか。内容をどのように変えるか、まだ明確ではありませんが、方向性としてはこれでよろしいでしょうか。いろいろ積み残された高校でのパイロットスタディーとか、これ以外の教師用の解説書みたいなものを作るのかとか、話としてはあるかもしれませんけれど、当面、進めるべきこととしてはそういった修正をするということでよろしいでしょうか

○高橋(寛)構成員 1つ確認ですが、中学校と高校の指導要領ですが、これは連続性があるという認識でよろしいのでしょうか。いいですよね。ということは、高校ではやるので、中学校ではやってほしいという位置付けですね。つまり真っさらの状態で高校に行ってもらうのではなくて、高校ではさらに学習するので、少なくとも「薬害」という言葉を知ってもらう程度は中学校でやってほしいというメッセージが指導要領にほしいのだと思うのです。それを公民か保健かどっちで教えるのかは、学校任せでも薬害を学ばせることをやらなければいけないよね、という気持ちになってくれればいいのかなと思うのですが、それが引っかかって難しいのでしょうか

○文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐 中学、高校と連続しているのはおっしゃるとおりですけれども、高校でやるものすべてを中学で芽を出さなければいけないのかというと、必ずしもそこまで思っているわけではありません。薬害は公害よりさらに構造が複雑ですので、応用問題だと思っています。先ほど高橋浩之委員がおっしゃっていましたが、それぞれの積み上げで、高校になって初めて薬害の全体像がわかってくる仕組みになっていると思います。保健の中学1、2年生で薬には副作用というものがあり得るのだと。それから、企業の責任というものを3年生の公民でも習っていくと。それらの複合的な話として、高校段階で「薬害」が出てくると。それぞれの科目でそれぞれ関連する中身を少しずつ勉強していって、高校で積み上げがひとつの像を結んでいく。そういうイメージだと我々は思ってはいます。なので、どちらでもちょっと扱うような雰囲気を出していくということで、今回こちらの案を厚生労働省さんと調整させていただいたのですが、もっと詳しくということであれば、各教科の担当と相談をしてみないといけないかなと思っています。例えば、教科書との関連でもどの単元で扱われているかは結構バラバラでして、我々としては高校との連続性でいけば公民の中の消費者の保護に関する部分かと思ってはいるのですが、ほかの教科書では、国家賠償とかの例で扱っているような教科書もありますし、いろいろなところで取り扱われていますので、戻ってそれぞれの教科の専門家と相談をしてみたいと思います。

  ☆

 はい、衛藤座長と高橋寛さんのコンボで文科省の担当さんに話をふったら、

 「私にはどーこー言えないので他の担当と相談します」

 と、いまになって言い始めました。

 あ、「私」じゃないですね。群体だから、「我々」って言うんですよ。

 どの教科で扱うかなんて話は、ここまでの議論の中で、「薬害を扱える教師と扱えない教師がいるんだ」と、ほとんどの構成員さんが話していたことを前提にするなら、その学校の中で決めるしかないって結論になると思うんですが。

 だって、社会科だと決めたって、その学校の社会科の先生が、たまたま、この分野について無知だったり、勉強してもわからんというボンクラだったりしたら、教えられないんでしょ? そういうふうに、みなさん、言ってるのに、教科を決めることにばかりこだわった主張をしているんですけど。

 【決めているのは文科省なんだから、文科省がどっちかに決めろ】と言われて、「もっと詳しくということであれば」なんて話にすり替えてますけど、大丈夫なんですかね?

 「もっとシンプルにしろ」といわれているんですけど。

 一番シンプルなのは、「どの教科でもいいけれど、教師がやれないなら、薬剤師に依頼しろ」という結論なんですが…。

 なんですが…。

  ☆

○望月構成員 やはり学習指導要領に明確に「薬害」という言葉が中学の段階で出てきていないことが、この資料を送付されて、受け取った教員のほうでは横に置いてしまう人がかなり出てしまう可能性が大になるところがあるだろうと思うのです。それでも折角中学3年生を対象にこの教材を作ったということもありますので、「活用の手引」をきちんと中学の先生方が受け止められる書き方に改めることは必要なのかなと。先ほど高橋浩之委員もおっしゃっていたように、私も中学の保健体育で少なくとも薬害を扱うことはかなり難しいことは明らかかと思います。私自身もやってみてそれを感じたので、大事なことではあるのですが、中学の保健体育で扱うのはちょっと厳しいかと思います。そこは上手にここの(1)の文章を書き改めていただいて、再度ご提案をいただくことが必要かと思います。
 パンフレットは配れない、予算的にも今年は計上していないという中で、高校とかに使っていただくことをどういう形にするのか、こういうものがあるという情報をお伝えできるのだろうか、何か良い案があるといいなと。紙を1枚、何かでご送付して、「こういうものがありますよ、公民の先生方へ」みたいな感じでお配りするだけでも意味があるのだったら、それを高校の公民の先生方に、こういうパンフレットがホームページにありますよとかご案内できることがあれば、高校であれだけ学習指導要領解説に「薬害」と出てくるわけですから、きちんと教えていただきたいです。
 この医薬品教育が今度中学でスタートするときに、もう6、7年前ぐらい前からずっとその医薬品教育に携わってきた私の経験からすると、地道に先生方を集めては研修会をしました。それから、医薬品教育の場合に助かるのは、学校薬剤師という人たちがいて、先生方がよく理解できない部分について、学校薬剤師の人たちが、そこをどうするというとことがあるのですが、公民の先生方と学校薬剤師の接点はあまりなさそうな気がするのです。そうすると薬害のことで理解できない言葉とか概念とかがあったときにも、なかなかそこを学校の場でサポートする体制はないのではないかと感じて、せめてこのパンフレットが高校の教師の先生方、公民の先生方に、こういうものがあることをもうちょっときちんと伝えられたら少しお役に立てるのかなと。
 高校になると今度は保健体育の中で、実は副作用被害救済制度について説明する部分が出てきます。副作用被害救済制度ができた背景をきちんと説明しようとすると、必ず薬害のことを説明しないといけなくて、まさにスモンの薬害が起こって、それに対してこれからどうするかという制度の中で、再審査とか再評価の制度ができ、併せて副作用被害救済制度ができていますので、高校だとそこの市販後の部分の副作用の情報の収集、それを解析して発信することの重要性とか、被害が起こった場合の救済があるのだとかということを、医薬品教育の中でしていくところがありますので、おそらく保健体育の中で薬害に触れる機会も出てくるのではないかと思います。

  ☆

 …と、薬剤師に教育している方が、中学での薬剤師による授業の義務化を視野に入れない発言のオンパレード。

 ここ6年ほど医薬品教育にかかわってきた方のはずなんですけれど。

 「学習指導要領に明確に出てきていないものは教えないだろう」という意見。

 社会薬学領域の先生の発言なだけに、がっかり。

 きっと、薬学部の教育カリキュラムに明確に出てきていないものは教えないんでしょうね。

 たとえば、【薬剤師倫理規定】とか。

  ☆

○衛藤座長 ありがとうございました。そろそろ時間が残り少なくなってまいりましたので、今日はこの教材そのものに関しては、もっと易しくとかそういう話はあったにしても、当面、今年度配布に関しての修正は特にご意見としてはなかったという認識をしております。むしろこれを中学校の先生がどのように教えることができるかというための手引なり、それを充実させて送付すること。それから、既に厚生労働省のホームページ上に出ていますワークシートに関しての表現、あるいは「誓いの碑」が取り上げられている辺りに関して、若干修正意見が出たということだと思いますが、もう残り時間が少ないので、来年度の教材発送スケジュールを考慮しますと、比較的早晩に教材を確定させる必要があります。教材としては特にご修正がなかったとしましても、この「活用の手引」に関してはそれなりのことを検討する時間が必要になると思いますので、今後事務局と相談の上、電子メール等で構成員の皆さまと調整させていただくことでまとめる。その着地点を想定させていただいて進めるということでよろしいでしょうか。
 高校のパイロットスタディー的に試みをするようなことも、これは大規模な話ではなくて、何校かで調査研究的なことだと思いますが、それについても少し事務局のほうでご検討をいただいて、次年度以降の展開に資するような情報を得ることをご検討いただくということでよろしいでしょうか。

○医薬品副作用被害対策室長 高校の話につきましては、その研究と試行的なことができるかどうか少し検討させていただくとともに、あと、望月先生からありました、何かすぐにでもできることはないか、これも少し検討させていただきたいと思います。

○衛藤座長 これでほぼ閉じる方向にしたいと思いますが、何かこの場でどうしてもというご意見がありましたらどうぞお願いします。

○花井構成員 この「薬害って何だろう」の表紙について、サリドマイド被害者から意見書が出ていると思います。最終的にどうするかはともかくとして、これを作るときに最後に皆さんで表紙案等を選んだ経緯ですけれども、サリドマイド被害者の方を表紙にしてはという話で、サリドマイド被害者はこの中に2人出ているのですが、6頁の写真が前面的に出たらどうだろうかということが私たちのグループでも議論されて、それはやはりどうなのだろうというところで、こういう表紙に落ち着いていますけれども、改めて、いしずえからこのような意見が出ていることを踏まえて、これに答えるか、答えないかについて、非常に難しい論点はいくつかあることは承知しているのですが、そもそもそういう子ども、障害を持った方の写真が前面に出ることによって、それが差別を助長するという議論は、長い歴史の中でむしろそういう言い方自体がおかしいとか、本が何冊も書けるぐらいの論点が積み重ねられているところなので、単にこれを聞き置くといって退けると、今年も変えませんということはちょっとこの検討会としては難しいのではないかとつまりある程度いしずえに対して、サリドマイドの被害者に対しての思いもありますので、結論に至った論点について、検討会としてある程度整理しておくことがないと、この意見書をこのまま配って終わるというと、ちょっと難しいのではないかと。だから日程の時間的なこともあると思うので、ここでこれから議論をするのは難しいかと思うのですが、何らかのリアクションをある程度して対応することが必要ではないかと思います。

○衛藤座長 どうしますか、この点に関して皆さんから意見を十分聞く時間はないのですが、ただ、何か1、2点ご意見があれば伺いたいと思います。表紙に関して、サリドマイドのいしずえという団体からのご意見があって、これは前にも1回紹介したわけですけれども、何も答えないのはどうか、そういう趣旨のご意見ですが。

○手嶋構成員 薬害肝炎です。この件について、確かに、いしずえのほうと私たちは話をして、そして是非載せていただきたいという、本人さんからのお気持ちも聞いております。だから薬被連としては表紙にしていただきたいと願っております。

○衛藤座長 今日、この表紙に関しては途中で意見は出なかったのですが、最後に出ましたので、これも今日これから議論する訳にはいかないので、表紙の案に関しても、メール等でいくつか提案していただいて、決まればいいと思いますけれども、そういう方向での処理でよろしいですか。

○花井構成員 はい。

○高橋(寛)構成員 また同じ議論だと思いますが、載せるにしても、またそのデザインが、そこでまた議論になると思うので、そこをうまく調整しながらやらないと難しいかと思います。

○衛藤座長 ある程度、デザインとしてこういう案が実はあるという形で、提案していただいたほうがいいでしょうね。

  ☆

 「どうしてもいいたいこと」を訊いたら、

 花井さんと手嶋さんが

 表紙採用のプロモーションをかけてきましたよ、と。

 自分のバックの団体に良い顔するためのプロモーションなのに、「今年も変えませんということはちょっとこの検討会としては難しいのではないかと」だって。

 この検討会って、各種団体に気を使って何かする会でしたっけ?

 「薬害を学び再発を防止するため」の「教育」の検討会ですよね?

 『この写真、目的に合致しているから使おうぜ!』という前向きな意見なら、よくわかるんですけれど、「私が、この団体から、怒られちゃうんで、とりあげてもらえませんかね」とか「この団体を無視すると、やりにくくなるから、とりあげたほうがいいんじゃないですかね」みたいな言い方。

 うーん…漫画や小説だったら、主人公の敵役のかおり。敵に内通する売国奴の大臣って役どころのセリフです。「そんなことしたら、イギリスがどう思いますかねぇ…」「闇の総理を敵に回すおつもりですか?」みたいな。

 それ、どうしても言わなくちゃいけないことですか?

 こういうやり取りは、教材にホームページアドレスを載せる話の時もありました。

 「また同じ議論」です。

 細かい細かい話でも、自分の載せたい話は載せようとしてきた方々。

 それが載ったら載ったで、中学生には難しすぎると文句を言い、

 『皆さんで』決めたことですからと、自分は除外。

 議事録に「特定の団体の支援をする行為」が書いてあれば、「地元」の英雄。

 なんか、どっかで見たような、いやーな構図。

 そういうのって、真剣に『薬害を学び再発を防止するため』の教育を検討しているように見えませんから、もうやめてほしいな~、と、部外者的に思いましたとさ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

浜松日薬学術大会ポスター発表内容公開。

ポスター発表の実際の内容と抄録とは微妙に違うことは、よくあることなんですが、日薬は実際のポスター発表を集めて公開するような学術的サポートを会員に行わないので、日々の業務を地道にしていて現地に行けない薬剤師さんは困りもの。

だったら発表した本人が公開すればいいじゃないかということで、ほぼ全文を公開しておきます。(発表時に不確定だったけれど現在は確定したので直した部分があります。すでにこのブログで公開済みの画像等は載せていません)

  ☆

「薬剤師倫理規定」 視覚化の試み2012

【目的】
  薬剤師倫理規定を身近にする試みを、
  発展させよう。

 薬剤師倫理規定を身近にする「手段」の発展性を
 明らかにすることが目的です。

 ※第97回薬剤師国家試験において、日薬の薬剤師
 倫理規定条文の一部が出題されました。
  プロフェッショナル・スタンダードにおいても、薬剤師
 倫理規定はレベル1の「初歩的な」身につけるべき
 項目として提示されていますが、案外難しくて深いもの。
  いまや、薬剤師倫理規定の内容を知らずしては、
 薬剤師として恥ずかしい時代がやってきたのだと妄想
 しながら、この研究によって、難しい倫理規定を身近に
 感じていただければ幸いです。

【方法】
  薬剤師倫理規定条文の擬人化に加え、
  各種「社会薬学的問題」も擬人化し、
  ひとつの世界観で物語化してみる。

 前回、2009年日薬学術大会(滋賀)では、倫理規定を
学ぶ方法を社会薬学の視点から検討しました。
 薬剤師倫理規定を広い対象に詳しく啓蒙する手段の
ひとつとしての「視覚化」、とくにキャラクター化を推進
しましたが、今回は、その研究を深化させ、「関連する
社会薬学的問題」と倫理規定との関係にも
対応してみました。     

 研究期間は約三年、作業期間は平成23年9月から
 平成24年4月の8カ月(600時間くらい)です。

【関連する社会薬学的問題も【視覚化】する】
 キャラクターによって紡がれる物語は、社会の問題を
イメージし議論する際に最適です。
 そこで「社会薬学的な問題」そのものをキャラクター化
してみました。

【今回追加した社会薬学的問題の擬人化キャラクター】
    『認定』                → 銀河帝国の姫
    『旧薬剤師倫理規定』       → 宇宙海賊
    『チーム医療』            → 大企業の社長
    『代替補完医療』          → 森の精霊
    『ファーマシューティカル・ケア』 → ギタリストの幽霊
    『官僚』                → 役人(そのまんまかい)
    『薬剤師』               → 泥棒(魔法少女)

【擬人化の例。  『認定』の擬人化  その1】
  薬剤師にかかわる社会問題のひとつに、『認定』があります。
  『認定』の擬人化においては、○○学会のような、なんらかの
 「権威を後ろ盾に持っているキャラクター」がシンプルです。 
  また、認定機関が多様化している点、その質や認定方法、
 めざすところが違う点、認定する際の調査の有無…などを考慮
 すると、「数多くの認定のうちのひとつの例」という位置づけか、
 「多重人格的な設定」か、どちらかが、表現しやすいと考えました。

  地に足をつけて仕事をしている現場の薬剤師にとっては、認定の
 主体となる様々な組織は、宇宙の果てのものか、絵空事。そこで
 SF的キャラクターを思考し、「宇宙から来た、権威の代理人」に。

  様々な認定は「初期の志」というピュアな面と、「執行部の思惑」
 「会員増加」「金銭」といった黒い面とがあるのですが、ここでは
 主にピュアな面を採用し、小学生的な性格付けを行いました。

【擬人化の例。  『認定』の擬人化  その2】
  社会問題としての『認定』と、各薬剤師倫理規定条文との関係を
 設定することで、どのような方向性の薬剤師がどのように認定に
 かかわりやすいのかが表現できます。 
  疑似的人間関係で、お互いのスタンスを理解するという手法です。

  第一条、第二条、第五条にとって、自分のやっていることに
 誰かの認定は必要ではありません。 認定する側も、この三つの
 条文の目指すところには「基準」をつくることができませんから、
 お互いにかかわらないのが基本となります。ただし、第五条は、
 認定によってできることが増える(最善選択肢が増加する)場合
 は、積極的に関与します。たとえば「認定実務実習指導薬剤師」
 など。

  第八条は認定をビジネスとしてとらえる傾向が高くなります。

  第四条と第十条は認定が正しく品位を持って運用されることを
 願い、第三条は法的な面から危険視することになります。

【結果】
   「物語化」の結論として、冊子を作成。

   視覚化に伴うバックグラウンドを構築したので、物語性のある
   アプローチが可能になりました。小説やドラマにできます。
   実践例として、242ページの冊子を作成しました。
       【学会会場特典】(ポスター前にて限定100部配布)
   冊子は、四コマ漫画と文章コラムとで構成しました。
   小学生でも、漫画が嫌いな人でも読める「倫理」の本です。
   実践例ですから、基本コンセプトを同一にして、別の絵で
  作成することもできます。今回も経費削減のため、椿が全部
  書くことにしました。(プロに依頼すると概算で400万円…)

【考察】
  冊子によって、「手段」の発展性が 明らかとなりました。

   物語性の確立により、多様な表現が可能となりました。
   薬剤師倫理規定の条文、薬剤師綱領、統一化以外に、
  認定、旧薬剤師倫理規定、チーム医療、代替補完医療、
  ファーマシューティカル・ケアといったテーマと薬剤師倫理
  規定とのかかわりについても容易に表現できます。

   冊子形態により、伝播性を高めました。冊子内容の大幅
  増加により、携帯性はやや減少、資料性は格段に増しています。

   薬剤師倫理規定の視点からみたときの「官僚」と「薬剤師」の
  関係についても表現できるようにしました。

【参考:学術大会あわせの冊子の作製方法の例】
 1.紙原稿やpdf原稿ファイルを用意。
 2.㈱ポプルスなどの印刷会社に持参。
 3.印刷を申し込む。
 4.送付先として、学術大会会場に隣接するホテルを
   指定する。(あらかじめ、許可を取っておく)
 5.学術大会当日、ホテルの受付で、冊子の入った
   荷物を受け取る。

 ※冊子以外にも、シールや旗などが作成可能です。

 ちなみに。今回の本にかかった具体的な費用
  印刷代B版サイズ100冊:80897円(一冊あたり810円)
  紙原稿材料費:約4万円。
  他、交通通信費、補助費用:多数。聞かないで下さい。

 豆知識:この厚さの同人誌の標準販売価格は
      1400~2500円のようです。

【冊子活用方法の例】
 1.新人研修、実務実習に用いる。
   (反面教師としても利用可能)
 2.プロフェッショナル・スタンダードの倫理項目の
   参考書や、倫理分野の講習会資料として用いる。
 3.業界系ほのぼの四コマ漫画として、あるいは
   職能の「倫理宣言」として、他の業種の人にプレゼント。
 4.いろいろ自分で反省する。

  大事なことは、まず、指導者自身が冊子を読み、
  その感想を文章として残しておくことです。

【冊子が欲しい!という団体・個人の方へ】

 印刷代などの実費で、
 東京都薬剤師会北多摩支部事務局が対応します。

連絡先:190-0022 東京都立川市錦町2-1-32
      山崎ビルII-201
事務局TEL 042-548-8256
     FAX 042-548-8257
  mailto : mail@tpa-kitatama.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »