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タイトルだけから面白いかもしれないポスター発表を想像する遊び。

日薬雑誌九月号には、日薬学術大会のポスター発表のタイトルが、カテゴリごとにずららーっと並んでいます。56ページあたりから。今回は発表番号が書いてないので不親切。番号は分厚い抄録誌で確認してねということでしょうか。

それらのタイトルから、面白そうな発表をピックアップして、勝手に内容を想像してみます。

実際の発表と比較してみるかどうかは未定です。

『タイトル』、内容想像の順に羅列していきます。

  ☆

『残薬確認・整理バッグ(フタちゃんバッグ)を用いた残薬確認への取り組み』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 オリジナル整理バッグは、持ち運びしても恥ずかしくないオシャレタイプ。いろいろな色柄が選択できる。製造コストが大事なので、どこに頼んでいくらで作れるのかという大事な部分がきっちり明記してある。さらに実物がないと分かりにくいことから、実物のサンプルが会場に持ち込まれ、示説のときに300名くらいに配布される。(正直コングレスバッグなんていらないから、こっちを実行委員会で製作して受付時に渡してほしい)もちろん、フタちゃんバッグのネーミングの秘密も、ここで明かされる。FUTA、連邦失業税法が関係しているのかいないのか。

  ☆

『調剤過誤防止の取り組み ~失敗学の応用と実践~』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 失敗学ですから、タイトル通りではなく「調剤過誤『再発』防止」が本題と思いきや、「他の薬局の失敗を研究することで、自分の薬局での過誤をなくす」という取り組み。ポイントは他の薬局の失敗例をどこの情報ソースから得て、どう分析するのかという部分。失敗学の権威を座長にしても報告書から失敗学の香りがしてこない場合もあるところを、うまく失敗学が応用されていると感じ取れるような、わかりやすい説明図表つき。他の薬局での失敗事例が見つかった→失敗学で、こう分析した→失敗学で、こう対処方法を構築した→今のところ、そこでの過誤は起こっていない、あるいは起こったので、更に失敗学で分析した→どの程度の頻度で分析しなおすのが適当なのかが分かった…といった、必ず失敗学を関与させていることが分かる発表。特別ゲストで畑村先生が登場し、解説。

  ☆

『「その薬、本当に食事とらなきゃダメ?」 ~薬剤の服用における、食事摂取の影響についてのデータベース構築~』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 食事摂取によるAUC変化の代表例十数例程度についてはデータベース化するまでもないと考えると、数百から数千例のデータが入っているものを作ったということ。更にAUCだけでなく年齢や食事に使われる成分についても網羅。キモは、それらを用いて「食事をとらなければならないのかどうかを判定する考え方」なので、その点についてはブラックボックス化せずに、必ず明示。基準が大事。更に、構築したデータベースを薬剤師が使えるように、CD-Rで配布(あるいはダウンロード可能に)。シェアウェアにしたり、アップデートの際に課金したりといったことができればいいけれど、(自前のアーカイブを作ろうとしない)日薬がそういう発表を認めない可能性があるので、基本は無料配布。便利なものは日本中の薬剤師のレベルを引き上げる!それならパテントとか商売とか考えない!という考え方。発表後、普通に通販。

  ☆

『保護者の視点に立った日記形式の服薬ガイド:お母さん薬剤師の育児日記より』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 わざわざ保護者視点と銘打っているものの、実際にはそれを専門家である薬剤師が活用できるかどうかがポイントなので、薬剤師にとっての必要情報と、保護者が記載する際の必須項目の合致ぶりと、長文日記を書いてきた場合にどのように重要な部分を見つけ出すのかという点についてのレクチャー。「日記形式の服薬ガイド」自体を印刷してサンプル配布。pdfデータなどをダウンロード可能に。育児日記より、とのことなので、今後子供の成長とともにどの程度の年齢層にどのような日記が適当かの続報あり。

  ☆

『長野県薬剤師会介護保険委員会における在宅医療参加推進への取り組み ~ガイドブック・薬局リストの作成と他職種へのアプローチ~』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 在宅のガイドブックといえば数百ページくらいの内容があるのではないか。あるいは、他の職種にアプローチする際に「こんなガイドブックを作成しました。読んでねっ」と渡せるように、ポイントを絞って60ページくらいにしてあるかも。どちらにしてもガイドブックが存在するのですから、そのサンプルを用意して、会場で配布。ガイドブックの内容を決定するまでの経緯と、他の職種にアプローチする際に押さえておきたい説明ポイントについて、ポスターに掲示。

  ☆

『チーム医療における薬剤師の存在意義について』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 各種審議会でかわされる薬剤師の手がける仕事の定義や範囲について、ひととおり網羅。どの会合でどのような定義がされていて、それが各種資料にどう反映されているのかがわかる図表。全ての定義・範囲を総合したときにあらためて定義される職能範囲が、チーム医療の中で十分に存在意義として成立するのかどうかを検証。検証した結果をもとに、各種審議会委員に対して質問状を送り、各委員が考える存在意義について意識の統一がされているかどうか、トンチンカンな理解をしている委員がいないか確認。トンチンカンな理解をしている委員が仮にいたとしたらどのように学ばせるのかまでを提言。存在意義のあるなしなどという低いレベルの話(だって、チーム医療に参加している時点で、存在意義があるのだと証明されているじゃん。)ではなく、現実的に、政府内で存在意義の内容を充実させて証明するべき人たちの意識水準に着目。特別ゲストは、チーム医療推進会議の委員である、都薬会長のノブさん。

  ☆

『薬薬連携推進のための新たな施設間情報連絡書の作成とその運用方法に関する検討』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 現時点で、すでに、古い「施設間情報連絡書」が存在しているという前提。「新たな」=新作という意味。新旧比較図あり。古いほうがいかに作成当時は優れていたものの現在はダメなものであるのかを、歴史経緯とともに、詳しく説明。作成された(新しい)施設間情報連絡書は、サンプルとして会場で配布。運用方法のマニュアルがあれば、それも配布。施設間の書類の移動や、情報連絡書の保管等について、個人情報保護関連も解説しつつ、詳しく掲示。

  ☆

『実務実習オリジナルテキスト』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 実務実習のコアカリキュラムの各項目をどのように網羅するのか、どの範囲をオリジナル化したのか、テキストはどの程度の厚みがあるのか…といった部分は実物を見ないとわからないので、サンプルとして現物を配布。オリジナルとしての特化度合いを、他のテキスト(たとえば、実務実習パーフェクトマニュアルのような出版物)と比較。オリジナルのみでカリキュラム項目をクリアしているのかどうか、他の資料は必要なのかどうも明示。テキストの製本方法やかかった金額、製作体制などについても解説。

  ☆

『㈱フロンティアにおける実務実習の取り組み ~オリジナルテキスト、スケジュールおよびカリキュラム、参考資料の検討~』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 実務実習のコアカリキュラムの各項目をどのように網羅するのか、どの範囲をオリジナル化したのか、テキストはどの程度の厚みがあるのか…といった部分は実物を見ないとわからないので、サンプルとして現物を配布。オリジナルとしての特化度合いを、他のテキスト(たとえば、実務実習パーフェクトマニュアルのような出版物)と比較。オリジナルのみでカリキュラム項目をクリアしているのかどうか、他の資料は必要なのかどうも明示。テキストの製本方法やかかった金額、製作体制などについても解説。(コピペ)

 ついでなので、オリジナルテキストを発表するチーム同士でコラボして、翌年に「完全版」を共同発表。(あるいは、音楽性の違いで仲たがい)

  ☆

『2万円で作れる監査画像記録システム』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 デジカメを数千円で買ってきて監査のときに写真をとる。写真をとるためのボックスを100円ショップを中心にした買い物でそろえて日曜大工。撮った写真はレセコンと連動させずに日付と時刻をファイル名にして保存しておく。レセコンのほうで処方の受付日時を記録しているので、それと照らし合わせ、近い時間のファイルをいくつか開けば画像がでてくるので確認可能。…あれ? 1万円でできそうな…。残りの1万円は自分へのご褒美にしよう。こういったシステム関連の細かい日曜大工技術と、買ったものの明細をそのまま掲示。システム本体も、持ち運びが簡単なところをみせるために、展示。いっそのこと現地で魚解体ショーのごとくに監査画像システム作成ショーを開催して、拍手喝采を浴びる。

  ☆

『薬局が応需した処方せんを統計解析するとなにがわかるか』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 「なにがわかるか。」

 なに? なになに???

 それを、タイトルに、書いてくれないと、想像のしようがないですよ…。

 このタイトルで、査読に通ったのは奇跡…。

 無理矢理想像するなら、「統計解析したら、周辺の医師の処方構築能力と、受け付けた薬剤師の処方監査能力がとても高い(あるいは、著しく低い)ことがわかりました」という、実に世の中に貢献できそうな内容。この解析方法を使うと、地域医療の能力値と、コスト意識がわかるという仕様。そこまで分かっているので、医師会・薬剤師会で解析結果を共有して、勉強会や補習の開催などで活用した結果も報告。解析方法が複雑でも単純でも、ポスターから写し取るのは面倒だと分かり切っているので、解析方法を解説したペーパーを配布

  ☆

『グループウェアを活用した新しい取り組み ~サイボウズliveによる情報提供~』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 サイボウズLIVEは20人まで無料。サイボウズLIVEは…(以下、延々とサイボウズLIVEの製品説明)…なので、新しいです! 「しつもーん。サイボウズofficeでの情報提供を10年以上前からしている薬剤師会もありますけど、なにが新しいんですかー?」 製品が新しいんです! 詳しくは、企業ブースで展示していますので、そちらに行きましょう!

  ☆

『静岡県薬剤師会からの情報提供の現状と課題 ~「高齢者くすりの相談室」(事例集)の継続発行と発刊書籍~』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 書籍を発刊しているので、買ってください。…いえ、そんなアホな発表であるはずがありません。自らの情報提供に対して「課題」とあえてつけたほどですから、徹底的に、県薬の情報提供の問題点について考察しているでしょう。考察の材料となるようなアンケート等は一切とっていないようですから、会員から言われなくても役員のみなさん自身が問題点を理解していて、なんらかの事情で問題点を解決できないあたりを赤裸々に発表することで全国規模の問題点発掘につなげていこうという野心的な発表かと。

  ☆

『関節リウマチにおけるメトトレキサートの個別化薬物療法を目指した遺伝子多型解析と血中濃度モニタリング』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 遺伝子多型の解析キットひとつで、こんなにいろいろと変わるんだ。ほら、こんなに。はやく保険適用にならないかな。まずは遺伝子多型解析特区で試してみようと考えて、政治家の方々に働きかけてみているところですが、こんな問題点が浮かび上がっています。このようにすると解決しそうですが、みなさんどう思いますか? ご意見くださいね。…という重要な内容。

  ☆

『当薬局における災害対策マニュアル作成』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 マニュアルをつくるにあたっての検討内容をKJ法で抽出して、問題点の一つ一つについてスモールグループディスカッションを行った結果として、数カ月かけて数ページのマニュアルができましたので、会場で配布。でも、汎用性はないので、当薬局以外で使う場合にはどうすれば良いのかについてもSGDで考えましたので、そちらのヒントも掲示。

  ☆

『野菜ソムリエによる薬局通信での健康・食育情報発信の取り組み』

【→きっとこんな発表内容だと思う】

 ポスター発表では伝わらない!とばかりに、特別講演2の「薬食同源」の会場に行って、静岡県立大の学長さんとディベート。緑茶・わさび・みかんvs野菜の健康対決を行い、大学の学長よりも野菜ソムリエのほうが知識も経験も実績も豊富である点を印象付け。講演開始一時間の段階で、講師変更。あまりの面白さに講演が夕方まで続き、拍手の嵐。アクトシティ浜松中ホールで開催予定だった倫理の講演が、どうせ倫理の講演なんて聞きに来るのはマニアさんだけだからという理由もあって会議室開催に変更されるくらいの、薬剤師を感動させる内容。

  ☆

…以上、タイトルだけから内容を勝手に想像してみました。(ダメなほうへ想像してしまった発表については、発表者のみなさん、ごめんなさい)

このくらい想像してから行くと、ワクワクが止まりません。

内容は想像しなかったのですが、今回のポスター発表には、他にも面白そうなものがあります。たとえば、いつのまにかウイングメディカルさんに所属していた秋葉先生の『チーム医療が求める薬剤師』とか、『確率論に基づく科学的医薬品在庫管理の試み』とか、『海外におけるマヌカハニーの医療上の位置づけと今後の日本の調剤薬局への可能性』とか。

学術大会まで一カ月。みなさんも、日薬雑誌をめくって、あれこれと楽しんでみてください。

(で、県薬は、ちゃんと、良い発表に賞をあげてください)

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コメント

おもろいな、学会とは違い、前に発表されたものとかを全然参考にしないで、好きなことを発表する。いいんかね?こんなんで

投稿: とうこうけ | 2012年9月25日 (火) 18:48

はい、おもろいです。(この記事の内容は妄想ですが)

お祭りだから、こんなんで、いいと思います。マジメ方面は、学会にお任せ。心配しないことにしました。各種学会さんでは、前に発表されたものをがっちり参考にした発表を採択して、学会らしさをみせてくれるものと思います。(近年の社会薬学会年会は行ってないので、社会薬学会がそうしているのかどうかはわかりません。抄録集を読んだ限りでは、参考論文等が載っている発表は少数派のようですが…)

投稿: おばか柊 | 2012年9月26日 (水) 09:35

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