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2012年8月

査読は戦いである。

日薬学術大会in浜松の一般演題発表の採択結果が公表されました。

ポスター発表331題。

口頭発表169題。

およそ500のタイトルが並びます。

現時点では、個々のタイトルが公開されていませんので、「どの分野の口頭発表あるいはポスター発表であるか」しかわかりませんが、とりあえずは、夕方にポスターの貼り替えをすることもなく、二日連続で同じ場所を確保できそうな数に収まったようです。(タイトルは、数日後に日薬雑誌に載るんじゃないかと思います。追加分のタイトルが編集工程に間に合うかどうかは謎ですが)

ポスター発表のカテゴリをみてみると、以前の流行りだった「後発医薬品」は5題のみ。

医薬品適正使用16題、安全管理28題、服薬指導38題、実務実習21題と、王道発表は安定の数。

今回のブームは在宅で、31題。いろいろな発見があったのでしょうか?

一方で、少ないかも…と感じる数のカテゴリもあります。

厚労省の審議会が続いているチーム医療は4題、オリンピックイヤーなのにスポーツファーマシストは3題、違法ドラッグなどが話題になったのに薬物乱用防止は1題。

災害医療は15題。昨年の仙台の集まりは学術大会扱いになっていないので、日薬ホームページからつづいている学術大会抄録検索には入りませんから、30題くらいの発表があるかと想像していたのですが。すでに多くの媒体で様々な情報が提供されたことを踏まえても、現地での活動以外の後方支援報告や現在進行形の活動などが都道府県の数だけありそうですが、「まだ、その時ではない」のかもしれません。

8月から10月までは倫理をテーマにした月のはずなんですが、カテゴリ「倫理」は、ゼロです。(次回からはカテゴリのわけかたを変えたほうが良いかと)

今回、東京都薬剤師会北多摩支部の薬剤師倫理規定擬人化プロジェクトは、第一希望「生涯学習」、第二希望「倫理」で登録しました。今回は、倫理規定を軸に、表現するものが多岐にわたるので、「生涯学習」です。

ちなみに。

今回の、全登録演題数は、553。

そこからの一次査読を通過「しなかった」演題が、53。

追加査読を行い、そこも通過「しなかった」演題が、32。

32/553=0.0578(5.78%)

32/53=0.60(60%)

そこにどんなドラマがあったのでしょうか。

追加査読で通過した21題のうちの1題が、薬剤師倫理規定擬人化のポスター発表なんですが(追試再試の常連的な人生)、ドラマといえるほどの展開は特になく、「ああ、査読者の方々は、きちんと読者目線で目を通してくれていて、いい編集者だなぁ」と感じたくらいでした。

いずれ査読の判定についての詳細が公表されることもあるかもしれません。査読は、学術大会発表の質を高めるための、戦いです。浜松大会の発表の数々に外れが少なく、面白かったり役に立ったりしたなら、査読者さんありがとうございますと三回くらい心の中で唱えてみましょう。特に誰も喜びませんが、感謝の気持ちがあると、学術大会が1.5倍くらい楽しくなると思うのです。

(鰻屋さんでも同様に「板前さんありがとう」と唱えると、美味しくなると予想)

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8~10月は倫理の季節。…なのだそうです。

日本薬剤師会の「年間カレンダー」というものがありまして。

地域保健委員会のみなさんが、地道に続けて第七期。シーズン7です。これだけ続いているというのは、どこかに強力なファン層がいて、「是非、年間カレンダーづくりを続けてくださいっ」とファンレターを送っているからなんでしょうか。支持層がいなければ、予算消化のために仕方なくやるような切羽詰まった理由でもない限りは打ち切りになるわけですから、企画としては成功しているのでしょう。

で、この「年間カレンダー」、三か月ごとに、ひとつ、テーマを決めて、図柄が決まるようです。これまでのテーマは、「医薬品販売制度の定着促進」「医薬品の適正使用・安全使用」「在宅医療」「お薬手帳」「インフルエンザ対策」…。それぞれ、カレンダーだけでなく、様々な資料がくっついています。

で、平成24年度の8・9・10月期のテーマは・・・

「薬剤師倫理」!!!

ええーっ???

本気~~~???

どーせ、日薬のことだから、薬剤師倫理規定なんか完全無視して、薬剤師綱領あたりを倫理だって言い張るんでしょー。ぶーぶー。

と思いながら資料を見たら、

本当にそうだったーーーっ!!!

薬剤師倫理規定なんて完全無視だよーっ!!

(注:会員向けページに載った初期版は、ほんとにそうでした。記者会見ページから読める総合版には、最後にこっそり、薬剤師倫理規定が載っていますが、それだけです)

ということで…、

もう何も言うことがなくなったので、

「薬剤師倫理」をテーマに据えた理由の部分だけを引用して終わります。

  ☆

【以下、引用】

 薬局は、健康な人から疾病予備軍、治療中の方まで幅広い層の方が日常生活圏内・日常生活時間帯に、身近で、気軽に専門的な支援が受けられる拠点として自由にアクセスでき、医療職である薬剤師が常駐し直接対応することができる施設です。 超高齢社会が到来し、限られた医療資源の中で生活者が健康な生活を住み慣れた地域で長く送ることが出来るためには、今まで以上に、薬剤師がプロフェッショナルとして、その職能を地域社会に還元していくことが必要となってきます。薬剤師にはその専門知識に基づき、生活者が健康であるためのリスクコミュニケーターとして、地域住民の保健や医療等に関する正しい知識と理解の助けとなり、真に必要な解決策をアセスメントする、その役割が求められているのではないでしょうか。 今期は、そうした役割を担う薬剤師の職業倫理に立ち返り、「薬剤師倫理」をテーマとしてとりあげました。

【引用終わり】

 文章は長いのですが、言ってることは「薬剤師の職業倫理に立ちかえって、「薬剤師倫理」をテーマとして取り上げました」というだけ。そこまでの長い長い説明は、無くても全く問題なし。

 これ、なぜ倫理をテーマに据えたのかの「理由」になっていない文章です。

 薬剤師の様々な役割についてはそこそこ詳しく書いてありますが、そこに薬剤師倫理が必要な理由がわかりません。そういう役割を、ちゃんとやっているのなら、今更薬剤師倫理とかいわれても、いらないし。

 うーん。このテーマを掲げたままで、日薬の学術大会が開催されちゃうわけですが、現状において「医療倫理」をテーマにした一般演題発表はゼロです。ポスターとコラボして、いっそ分科会の「薬剤師の将来ビジョン」を、「薬剤師の倫理」と入れ替えたらいいかもしれません。

 日薬の中には、「倫理委員会」や「倫理担当部署」がありません。

 でも、会の目的として「定款:(目的)第3条 本会は、都道府県を活動区域とする薬剤師会(以下「都道府県薬剤師会」という。)との連携のもと、薬剤師の倫理の高揚及び学術の振興を図り、薬学及び薬業の進歩発展を図ることにより、国民の健康な生活の確保・向上に寄与することを目的とする。」と書いて、倫理の高揚を図ろうとしています。

 テーマとして出てきた「薬剤師倫理」が、10月の学術大会においても守られるのかどうか。守れない会員は、どうなるのか。ドキドキする夏が、始まりました。

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