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2012年7月

学会用冊子「てんしす!」の大雑把な内容紹介。

このブログの基本は薬剤師倫理規定の擬人化です。

日本薬剤師会学術大会in浜松のポスター発表の査読を通過する前なので、あるいは査読の際に「こんなふざけた発表なんか許すものか」と、査読者の誰かが研究発表成果を読む以前に抄録文章の段階で考えてしまった場合はどうなるかわからないのですが、現地で配布する予定の研究結果について、軽く紹介しておきます。アナログ頭なので画像なしですが。

マジメな実務実習の学生さん向けの記事はこちらから。
http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-d150.html

擬人化で萌え系?なのも許容できる方向けは、左側の「もくじ」へどうぞ。

  ☆

今回配布する予定なのは、

『てんしす! TenLittlePharmacyStars! 薬剤師倫理規定擬人化プロジェクト研究報告 2.0』

という、やたら長い名前の冊子です。略して『てんしす!』。あ、略してないですね。

2009年の『10LittlePharmacyStars 薬剤師倫理規定 萌えて覚える薬剤師の倫理』(70ページ)の内容に加筆修正したうえで、ページ数を242ページまで増やした、合本的続編です。

前回の冊子は、えーと、2009年の配布冊子の紹介記事をご覧くださいませ。

http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-1ba4.html

http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-14d9.html

http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-81b4.html

2009年のポスター発表内容はこちら。

http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-4f0c.html

  ☆

今回の冊子は、国会図書館にも置いてあります。

「国立国会図書館サーチ」で「倫理規定」と入れると出てきます。

http://iss.ndl.go.jp/

博士論文にまじって、同人誌。

日本は平和です。

手に入らなくても、国会図書館で読めます

お時間のある方は、国会見学のついでに、どうぞ♪

  ☆

表紙は、前回同様、どこかの本のあおりをパクリ・・・もといオマージュして作成。

前回は「元素記号」の擬人化の本をパクりました。パクった本のタイトルに「萌えて覚える」と書いてあったので、そのまんま流用したところ、よく考えてみたら別に萌え要素がそれほどないにもかかわらず、タイトルだけで「萌え系」と認定されてしまう始末。

「萌え」とかタイトルに入れてはダメだと気が付きました。

「どうせ萌え系でしょ」の一言で思考停止されます。

で、今回は「鉄道」の擬人化の本をパクリました。(懲りてない)

帯のあおり「素敵可憐愉快な」を流用してみた際に、つい「アホで」と追加してしまったぶん、「アホ」と書いてあるだけで不愉快になるあたりの薬剤師さんにとっては、「萌え」と書くのと同じくらいに手にとれない冊子になったかもしれません。

  ☆

今回のテーマは、「物語化」という前回のテーマを「発展」させること。

そのため、「薬剤師倫理規定の各条文を擬人化したキャラクターが、薬剤師が直面する様々なテーマに対してどのように動くのか」を、四コマ漫画を中心にして表現してみました。ほぼ、四コマ漫画です。文字数がやたらと多くて絵が残念なバージョンの「まんがタイムきらら」だと思えば、だいたいあってます。

前回の冊子でも、「日薬の提唱する倫理規定の外側にいる薬剤師の問題」「薬剤師綱領の問題」「統一化の問題」の三点をとりあげて、物語化しています。

今回は、更に「認定」「旧倫理規定」「チーム医療」「代替補完医療」「ファーマシューティカル・ケア」「官僚」「薬剤師」をテーマに加えて、物語化しました。

代替補完医療までのキャラクターは、このブログで既に紹介済みです。

  ☆

今回は、擬人化キャラクターが舞台となる学園内で日常生活を送る四コマ漫画以外に、ここ十年ほどで薬剤師がかかわった事件や政策などについてもネタにしています。

倫理規定条文というフィルターを通したときに、それらの案件がどのように見えるのかな~…という、妄想実験です。

それぞれのネタは、「こうでなきゃダメーっ!」という硬い話ではなく、そのネタを読んだ人たちが、考え、議論し、行動するための素材です。ですから、「教科書的な解説」や「いいかげんな解説」といった形で、一冊の本の中で、微妙に主張が違う解説があってもいいという姿勢になっていますし、それらの解説ですら、間違ったことを言っているかもしれないという前提で書かれています。

「これは、こういうことなんですよ」「なるほど、わかった」なんていうやりとりだけで終わってしまうような『わかった気になる、あんまり自分で考えずに済む』ような勉強は、おそらく、倫理分野にとっては「敵」です。倫理の話をする「センセイ」が聖人君子であるわけがなく、倫理なんてものは所属する世界によってかなりブレるものなんですから。

実務実習で、初日に(!)薬剤師倫理規定や薬剤師綱領を読みあげて、「こういうことなんだよ」と教えている指導薬剤師さんと「そういうことなんだ」と納得してしまう実習生さんに、「本当にそうなの?」と横やりを入れる冊子かもしれません。

※実務実習の初日に倫理の話をちゃちゃっと片付けてしまうのって、けっこう、危ないと思います。(実際に指導薬剤師が体現している行動と、初日に話していた倫理とが乖離している場合は、そのギャップを埋めるための「解釈」が必要になりますから、実習中に何度かにわけて、倫理の話をしていく必要があるはずです)

  ☆

冊子には、製作期間の関係で、現在進行形の議論は、あまり載せていません。

特定看護師(仮称)とか、J-PALSとか、国家試験問題とか、コアカリキュラムとか、脱法ドラッグとか、日薬会館とか、薬剤師連盟とか、中学校での薬教育とか。そういったあたりのネタは、ほとんどありません。

製作期間は、学術大会のエントリーから逆算して、登録時に冊子がすでに出来上がっているカタチにしました。ネタ的には、おおよそ今年の二月くらいまでです。

なので、「公益社団法人の日薬の役員改選」のような大ネタは載っていませんし、「J-PALSが運用開始後すぐにシステムダウン」のような小ネタも載っていません。

  ☆

実際に読んでいただいた方の反応はいろいろです。

というか、基本的に、感想がかえってきません。(たぶん、ページ数のせい。薬剤師はインタビューフォームよりも厚い冊子を読むのに時間がかかるのです、たぶん)

社会薬学会に送ったら、会誌で書評を書いてくれたりしないかなぁ…。

あ、工口いという感想がありました。

筆者にはよくわかりませんが、たぶん、どこかがエロいのだと思います。

  ☆

えーと、まあ、そんな本です。

あ、あと、ノートサイズで242ページあるので、重いです。

学術大会で入手される方は、なるべく荷物を減らしておくか、重い荷物を代わりに持ってくれる人を調達することを、お勧めします。拾った猫やワニやトラを捨てるように、会場の隅っこのゴミ箱につっこむのだけはご勘弁を。ちゃんと薬局に持ち帰って活用してくださいませ。

そんなに大量の部数を会場に持ち込むわけではありませんから、せいぜい多くても150冊くらいでしょうか(日薬の代議員数程度)。予想参加者が5000~8000人、主催者目標が10000人あたりだとして、1.5~3%ほどの方への配布です。「重い」とか「表紙が漫画」とかいった理由で内容以前に手にとらない方が多いと予想しています。持ち帰るのが面倒な筆者としては、さっさと配布し終わりたいので、できれば初日の発表がいいなぁ…。二日目の発表って、残った資料を片付けるのが大変なので…。

個人的には、この時期に「冊子発表するよー」と言っておくことで、他の発表者のみなさんが、「よし、うちも、研究成果を、10ページくらいの冊子にして配布するぞー!」という流れになったら、嬉しいです。いえ、もう、みんながそういう流れになったら、冊子ごとに、ちゃんと代金を支払いますよ。日薬が電子書籍化してくれたら、PDFファイルを購入して読みますよ。ランチョンで800円の弁当を200人に配布する予算を、配布資料の印刷代に回してもらえれば、10ページの資料を100部ずつ10の発表にて配布できます。コミケみたいになってもいいと思うんですよ、学術大会は。

  ☆

そういえば、こういった「萌え?擬人化」って、擬人化された対象の関係者、たとえば町とか業界とかが、なにかと後押し♪してくれることが多いと思うんですが。

びんちょうたん、イカ娘、大分萌えMOREプロジェクト etc。

「薬剤師を主人公にしたドラマや漫画が必要だ」「PRが足りない」と総会でときどき話題になる日本薬剤師会で、アニメ化の予算を出してくれませんかねー(笑)

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JPALS:日比谷の講習会報告

「夏が来れば、思いだす。日比谷の講習、喫煙所の煙、狭い席」

というわけで、東京都薬主催の、基準薬局中央研修会です。

スタッフの皆様は、暑い中、笑顔で頑張っていました♪

今回のお題は、

1.韓国帰りのノブさんの、つぶやき時局講演

2.史さんの、X-GUN西尾並みの説教芸

3.J-PALS

の3題です。

ノブさんが睡眠音波を出し、

史さんがマジメにやっている薬剤師に向かって「お前らダメだ。100%でなきゃ認めない」と【お受験ママ】みたいなことを言い、

会場の空気が鬱になったところで、休憩時間に日薬の作ったJ-PALSのCMがリピートしつづけて、

そのあとに、J-PALSのネタみせ。

史さんは「調査の11%は東京都だから、この講習会で話したので、次回は東京は100%になって、1割はカンペキ・・・」みたいな妄想を語っていましたが、講習会に来ている方たちは、すでにカンペキな方たちが大半だという想定はできないんですかね。

  ☆

J-PALSの内容で、気になった点を、書きだしてみます。

(なお、「こんな感じのことが、書いてあったり言ってたり、していたよーな気がするなー」というレベルの記憶ですから、正確性はないものとしてお読みください)

>卒後の生涯教育は各個人に委ねられており・・・

 「専門職の自律」ですから。

>世界に通用する薬剤師を育てるためには・・・

 世界に通用しているのかどうかは知らないけれど、一番顔を売っているのは、ノブさんのようです。国際委員会、ガンガレ。

>CPD。「アクションだけ」=「点数シールをもらっておしまいの講習」。古い。「アクションだけ」は、CPDじゃない。

 その通りです。十年以上前から指摘されていたことです。

>自らの意思で集めた情報を一元化するために・・・ポートフォリオに記入する

 一元化したいので、日本医療機能評価機構へのヒヤリハット報告などのようなものもJ-PALSから登録できるようにしてほしいものです。ヒヤリハットの原因を「人」と「薬局」の両面から考えることができます。薬局ベースで「ここの薬局が起こりやすい」としか考えない現状の情報収集から、「この人がいると、起こりやすい」という分析もできる形へと転換。

 ちなみに、CLレベル1には「ヒヤリハット報告ができる」という項目があります。

 過渡的認定をやっちゃうと、「ヒヤリハット報告」ができるかどうかの確認はされませんから、登録者数が増えるはずもなく・・・。

>研修会後には、まとめる、調べるといった自己学習が必要

 この記事が、それに相当します。

 でも、この記事の形でポートフォリオに記録することができません。

>プレチェックによる五角形グラフは、10月頃に開始予定。

 別のレベルとの比較もほしいところ。

 あと、「過渡的認定者」との比較も。モチベーションになりますので。

>研修会コード

 行ってない研修会のコードを打ち込んで、内容への感想をコピペして・・・。

 「日本薬剤師会に提出する」年間6本の内容をチェックするのは「レベル5の認定のときだけである」ことから、過渡的認定でレベル5になった方たちが、「レベルを下げないための運用」として使用する可能性が非常に高い「コード」です。

 簡単に基本内容を入力できて、良いシステムではありますが。

 番号を入力するよりも簡単なのは、「選ぶだけ」にすること。

 「計画」をたててから「実行」し記録するという流れをCPDでは推奨しているのですから、計画のページで「今後の研修会の予定」が全て読めて、研修会の開催前に「この研修会に参加する」といったチェックをつけてもらうシステムに変更することを提案します。全国の、J-PALSを利用するプロバイダは、コードがつくような研修会の情報を、あらかじめ、自分で、J-PALSに登録するわけですね。(以前もどこかで提案した覚えがありますが・・・)

 あらかじめ「計画」においてチェックをつけた研修会しか、「記録」の際に選べないようにしておけば、「計画」をたてる習慣がつきます。CPD推奨なのですから、計画がない実行はCPDではないと考えるわけですね。「当日ふらっと寄ってみた」は、それをもとに自己記録を書いて評価して査定し計画するためのきっかけにはなっても、CPDサイクルの「実行」にはならない。だから、「参加したのに提出できないなんておかしい」とか言い始める人のほうがおかしい。

 出席の本人確認をとれるようにしておけば、あとから出席者の電子名簿からデータをもってきて、出席していない人の「記録」を「日薬へは提出不能」として内部的にロックをかけることで、少なくともプロバイダ主催の大きな講習会における不正な記録の提出は防げます。

 日薬が「会員証」を出すようですし、ICチップを入れて会場で読み込みすれば、データはそろいます。日薬非会員のJ-PALS参加者には、J-PALS専用のカードを渡して管理できますよね。

  ☆

>「薬剤師研修センターの認定との違いがわからないという声があった」

 CLレベルの利用法のひとつに「会社での賞与や昇給の査定に!」とまで書いてあるくせに、「職位認定じゃない」と言い張るからそうなります。職位認定だと認めれば、違いが分からないほうがアホってことになります。

>「いまさらレベル1からとりたくないっていう声が多数あった」

 どこからの声なのかは知りませんが、そういう声を出した薬剤師は、恥を知れ。

 そんな声を出すような薬剤師が、レベル5相当の能力を持っているわけがないです。いえ、レベル1すら怪しいですよ。なにしろ、レベル1には「薬剤師倫理規定を概説できる」という項目があり、薬剤師倫理規定の中に、「品位」や「生涯学習」を行動規範にしなさいと書いてあるのですからね。

 「共に育むと書いて共育と言ってた人」が、大学関係者を中心にしてたくさんいたかと思います。そういう人は、JPALSの過渡的認定を受けたなら、二度と「共育」なんて言ってはいけないと思います。

 「新しいこと」への経験は、誰もがゼロです。

 若手薬剤師が地道にレベル1からあげていくのだから、「共育」と言っていた方々は、彼ら彼女らと共に、レベル1から、育まれてくださいね。

 経験の差が圧倒的である実務実習においては実習生に「共育」なんて言っておきながら、経験の差がゼロであるJ-PALSでは、過去の実績だけで「認定♪」なんて行動ができてしまうオトナ。そんなオトナのいうことなんて、誰が素直にききましょうか。

 ポートフォリオに記録をせっせと書いて記録するなんてこと、「年季」や「認定」とは、全く関係ないですよね。

>「履歴書にレベルを書けます。レベル1でも恥ずかしくないです」

 ええ、今、履歴書にレベル5って書いてあるほうが、恥ずかしいです

 ですから、例示の履歴書に「レベル5」って書くのはやめてください。ほんとに、ものすごく恥ずかしいです。足に推進機をつけてパンツ姿で飛びまわられるくらい恥ずかしいです。速攻で辞退してレベル1からはじめてください。いいじゃないですか、レベル1。薬剤師倫理規定とか、楽しく学べますよ!

『レベル5じゃないから、恥ずかしくないもん!』

  ☆

【おまけ】

>七ツ星薬剤師 Seven Star Pharmacist

 「てんしす! 10little Pharmacy-Stars」のタイトル元ネタのひとつがこれですが、気付いてもらえないようです。(+ Pharma-Sisters)

  ☆

【今日のワイルド】

「年間10点ほど集めると認定申請できる、薬剤師研修センターの点数シールが2点ほど、資料の封筒についてきたらしいぜ~。見ないで捨ててやったぜ~。認定申請の手数料約一万円は、何年も前に実験のつもりで振り込み済みだぜ~。でも認定される気がないぜ~。ワイルドだろ~?」

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日薬雑誌:視点。「会長就任にあたってのご挨拶」がフライングにしかみえない。

理事会報告が復活したけれど質疑に「小田常務理事より、次期理事の選任方法について質問され、意見が交わされた」なんていう『どんな意見が交わされたのかわからんやん!』とツッコミたくなる内容もあったので驚いた、日薬雑誌7月号

理事会報告の部分で大事なのは「協議」なので、常務会のところに詳細?が載っている『三浦常務理事による中医協見学報告』のようなものは「○月○日常務会議事録参照」と書いて省略しては、ダメなんですかね。協議は、意見の責任理事を明確にします。以前、会話調で面白かった回もあったので、前例はありますし、ぜひ復活を。

理事会議事録といえば、平成24年5月15日の項目に、児玉会長のあいさつがあります。

【「本日は来る6月の定時総会に」提出する議案等について承認いただくことが大きな目的である。同総会は公益社団法人移行後初めてのものであるのでよろしく審議願いたい。なお、次期専務理事候補について新しい体制作りに間に合うよう人選を進め、現在製薬企業勤務の寺山善彦氏にお願いすることにした。正式には6月の総会で代議員に選任いただくことではあるが、医薬分業が進展し、薬剤師の活動範囲が広がる中、社会的にいろいろな角度から見てもらうことが大事になってきている。寺山氏は薬学出身ではないが一般社会からの視点で、本会の運営に協力いただきたいと考えている」旨述べられ、寺山氏が紹介された。】

とのこと。「謎の男、寺山さん登場回」ですね。

理事の中から誰かを専務理事に選任するのは「会長」の役割です。

理事を選任するのは代議員の役割です。

したがって、「会長」が決まってからならともかく、「会長候補」でしかない時点での「次の専務理事候補の推薦」を、暫定的な執行部で行うのは議事妨害。理事会の議長は定款によれば会長なので、議長が議事妨害。

そこへの、出席理事からのツッコミや協議はゼロ。

さすがは、自分でつくった定款を守らない方々。

また、議事録の「出席者」欄には寺山さんの名前はありませんが、どうしたことなんでしょうね。「特別出席」欄にも書いてないようですけど。

一般社会からの視点で見れば、「おい、児玉さん、この紹介自体がおかしいぜよ」と寺山さん自身が言うべき。それができないような「一般社会の視点」って、かなり不安です。「一般社会」と書いて「長いものには巻かれにょろ~ん」とか「会長のいうことにはイエス・ユア・ハイネス」とか、そういったルビを振りましょうか・・・。

  ☆

で、本題。

表紙をひらいて最初のコーナー、「視点」。

毎回、エライ人たちによる愉快な文章が載っている、ある種、辱めの罰ゲームにしか思えないページです。

そこにも、児玉会長のあいさつが。

その冒頭。

【私儀(わたくしぎ)、公益社団法人としての初めての第79回定時総会にて、会長に再任されました】

とのこと。

同日の、総会終了後の、「理事会」で再任されたんじゃ、なかったんですかね?

日薬総会は、「会長候補者を決める」「理事者を決める」ことができるだけで、「会長を決める」権限はないんですけれどね。

まだ「第78回臨時総会にて」と書いてないだけ、マシですけど。

そうそう、

「第79回定時総会」のあとの理事会は「平成24年6月24日」の夕方です。

日薬雑誌7月号の印刷は、奥付によると、「平成24年6月25日」です。

ギリギリ入稿、お疲れ様です。

いえ、ギリギリ入稿だったなんて、ぜーんぜん、信じてませんけれどね。

『総会の前に』原稿を書いてあって、最悪、総会の前に「視点」の原稿も入稿済みだったんじゃないかという疑惑が晴れません。

常務会議事録によれば、粟野常務理事が7月号以降の企画案を出して、【「視点」については本会新会長と関係団体代表に執筆を依頼することが確認された】となっています。新会長が正式に決定してから「依頼」するわけですから、通常、7月号には間に合いません。

「締め切り明日ですけど、新会長のあいさつをお願いします」なんて依頼をする気でいたというのですから、誰か「それ、間に合わないから企画としてどうよ」とツッコミをいれるところなんですけれどね。印刷屋さんが可哀想だし。

本題のほうが短いのですが、とりあえず、気になったので。

  ☆

おまけ 【今回の日薬雑誌の、みどころ】

1.常務会議事録「会員キット」進捗状況。

 会員キットに、「会員シール、会員バッジ、会員手帳、会員証」がつくようです。

 会員証をつけられるということは、会員管理がしっかりしているということですから、都道府県薬に集金を任せないで、自前で集金金額の管理をすることを、希望。

2.日薬連盟に、企画実行委員会創設。

 連盟もようやく動き出すのでしょうか。がんばれー。

3.日薬学術大会の分科会15は「ディベート」。

 これは面白そうです。

4.トピックス。松島さんに「応援金」。

 四月の常務会の議題にはないので、それ以降に支出が決まったと想像します。来月以降の議事録が楽しみです。(「応援金」基準って、ありましたっけ?)

5.学校薬剤師の歴史。

 「今月の情報」コーナーは、学校薬剤師がテーマです。

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薬剤師の将来ビジョン暫定版を読んでみる遊び。

「いたずら心、ワクワクしていますか?」

  ☆

薬剤師の将来ビジョン暫定版(日薬会員ページ)

http://nichiyaku.info/member/minfo12/tp120627.html

暫定版なのに製本前提のデザインであるあたりに、「本当は暫定版なんて書かずに、このまま確定版にしたかったんじゃないの?」という疑念がワクワクさん。

A4フルカラー178ページですよ。

安心安値な印刷所であるポプルスさんに依頼しても、250部で105万円ほどかかりますよ。代議員会の参加人数は、代議員150名+理事+理事候補+事務局員etcでしょうから、250部というのは最低限の数値。

暫定版だからギリギリの数で印刷したとすると、おおざっぱにみて、一部あたり4020円ほどの高価な冊子です。

代議員のみなさんは、当然、そういう高価な冊子であることを肝に銘じて、真剣に内容を吟味してくださるものと思います。

(この本、奥付がないので、どこの印刷所で刷ったものなのかわかりません。印刷所がわかれば、見積もり計算から、実際の費用が算出できるのですけれどね)

ここではポプルスさんの金額で示しましたが、通常、企業団体が頼みそうな印刷所に注文すると、ポプルスさんで20万円でできる印刷が、50万円ほどの見積もりでやってきます。およそ2.5倍の金額に・・・。広告代理店に騙されやすい?日薬のことですから、高いところに頼んで、一冊あたり10000円で印刷して、250万円ほど出費しているんじゃないか・・・と、危惧します。

※もちろん、1000部ほど印刷すれば、ポプルスさんの場合で4020円→2500円と、一冊単価は下がります。(1000部で270万円です→同人誌「てんしす!」が8000部くらい印刷できそうな価格です。正直、めっちゃ羨ましい)

  ☆

んでは、内容について。

14ページまでは、薬律から始まる歴史の勉強でした。これって、必要なのかなカナ? 暫定版で、代議員さん相手なのですから、「医薬分業の歴史」(薬事日報社)くらい読んでおいてよ・・・と告げて省略しても、いいんじゃない??? 完全版では、薬学生のみなさんが読む可能性もありますけど。

そのあとは、キーワード。

>『超少子・高齢社会の到来』『持続可能な社会保障制度の再構築』『世代間の公平性』『財政の健全化』等が、今後の社会保障制度を占う上での大きなキーワードであると言えよう。

>本会が将来ビジョンの検討と合わせ薬剤師向けに行ったアンケートによると、「薬剤師の将来像を考える上で、どのようなことがキーワードになるか?」との設問に対し、薬局薬剤師、病院薬剤師ともに、『高齢社会の進展』が第一位、『国の財政逼迫』が第二位という結果であった。

「アンケート」が出てきました。それについての記事は以前書きましたからこちらをどうぞ。

http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-8f07.html

アンケートの結果は単体では公表されていないよーな気がします。ここで公表することにしたようですね。(74ページ目から)

どんな回答だったのかなー。わくわく。

あれ?

でも、設問7以降が、書いてないですよ! さすがは暫定版。

設問7.あなたは薬局薬剤師の地域に対する活動として、どのような活動が重要と考えますか?

とか

設問8.薬剤師の将来を考える上で、あなたは日本薬剤師会にどのような役割を期待しますか?

とか。

設問9.あなたは、今後、薬剤師が地域において存在感を高めていくためには、何が必要だと考えますか?

とか。

薬剤師自身がどうすればいいのか、日薬は何ができるのか、何を期待されているのかという部分は公表しないんですね

そこが大事なのに。

>国の方向性としても、また我々薬剤師自身の認識としても、『超高齢社会の到来』と『国の財政逼迫』は今後予測される社会背景の重要なキーワードであり、薬剤師の将来ビジョンを考える上でも、考慮しなければならない。

とありますので、この二つのキーワードを考慮した結果が将来ビジョンに書いてあることですよ、と読みたいところです。

でも、この項目、アンケートそのものが誘導型設問ですし、最初から、どんな結果が出ても国の方向性と同様のキーワードになったと言い張れるものです。

ほら、どの項目が多かったとしても、全てのキーワードにあてはまるでしょう?

[人口の減少][高齢社会の進展][少子化の進展]

  →『超少子・高齢社会の到来』

[薬局過剰の懸念][薬剤師過剰の懸念]

  →『持続可能な社会保障制度の再構築』

[6年制薬剤師の登場]

  →『世代間の公平性』

[国の財政逼迫][景気の低迷]

  →『財政の健全化』

[その他]

  →『等』

これで「国と薬剤師の認識が一致している」なんていう分析ができるのですから、驚きです。アンケートの設問によって、無理矢理一致させているように見せているだけなんですから。

たとえば、「日本人はお米が好き。薬剤師もお米が好き」という結論を得たいとして、国がでっちあげた「お米が好き」アンケートと同じ結果を得るために、「貴方の好きなものはなんですか?」という回答欄の全部に「○○米」だけ仕込むような。どれもお米だから、お米が好きという結論にて一致しましたよ、と。

もうね、「専門家の独立」なんて、どーでもいいんでしょうね、このアンケート分析した方たちってば。

  ☆

>今後予測される社会背景について、簡単に考察してみた。薬剤師の将来ビジョンを検討する上で、①在宅医療への取り組みを強化し地域包括ケアシステムの中で役割を果たすこと、②後発医薬品の使用促進や重複投薬の防止、残薬の整理、処方提案、副作用による緊急入院の未然防止等を通じ医療費の節減・無駄の防止に貢献すること等は、必然の方向性と言えよう。

・・・えーと。

将来ビジョン、ですよね?

これって、現在進行形で、すでに現場では進めているうえに調剤報酬点数にまでなっていることを挙げているだけなんですけれど。

すでに過去のことといってもいいような「方向性」を将来ビジョンとして示されても、「で、その先は?」という質問しかでません。

  ☆

第二章は、冒頭から、なんだかスゴイこと言ってます。

>医薬品に関するすべての業務、即ち、研究、開発、治験、製造、流通、試験、管理、情報、調剤、指導、相談、販売に至るまで、すべての職域の薬剤師が一元的に責任と主体性を持つことによって、最終的にすべての医薬品の適正使用(有効性・安全性・経済性)を担保するとともに、公衆衛生を通じて国民が健康な一生を送れることに貢献する。

・・・「一元的」に。

「連携して」では、ないようです。

2025年には、「ひとりでなんでもやる能力がある」をこえた、「一人で全部やっている」スーパー薬剤師しかいない・・・という、素敵な夢をみていらっしゃるようです。

将来ビジョン(大風呂敷)だから、それでもいいんですけれどね。

「研究から(中略)販売に至るまで、全ての職域の薬剤師が一元的に責任と主体性をもつ」っていうのは、今現在どの職域にあっても、ひとりひとりの薬剤師は、全部にかかわって、責任も持て、ということです。

「治験にかかわってないけど、指導する人は治験にも責任を持つ」「流通にかかわっていないけど、販売する人は流通にも責任を持つ」「販売にかかわっていないけれど、製造する人は販売にも責任を持つ」みたいな。

チーム連携による地域医療をベースにしているのなら出てくるはずの、同職能連携である「それぞれの職域の責任を果たす+職能としての最低限の責任を果たす」というカタチではなく、あえて「全職域の責任を負うのが職能の姿」とした理由が、よくわかりません。

仮に、「メーカーの薬剤師が隠蔽した情報のために副作用被害が広がったのは、隠蔽した情報を知らずに調剤段階でかかわった薬剤師にも大きな責任がある」なんてことを言われても、「はい、そうですね」と答えるしかないという、そんな「将来ビジョン」です。

「なんでもかんでもワタシ個人がやります」という姿勢は、全職能人のベースにしちゃダメなんですよ。・・・と、いくら言ってもわからない人たちの考える将来ビジョンですから、まあ、こういう展開になりそうだという予想はしていましたが・・・。

  ☆

【2025年までにやれたらいいなの絵姿】の中で、ちょっと面白いものをピックアップ。

>1-④病院・薬局等への医薬品の安定・安全な供給に、製薬薬剤師、医薬品卸薬剤師が主体的に関わっている。

 「安定」はわかりますが、同じ「薬剤師という資格」を持つ人の常駐する場所に対する「安全」な供給って、何でしょう。

>2-①すべての薬局が医療提供施設として国民の医療および保健に対する社会的な役割を果たすため、調剤業務と一般用医薬品の販売を併せて行っている。また、「かかりつけ薬局」の特性を活かし、薬局製剤の製造・販売が進展している。

 地域内における薬局および薬剤師の多様性と、連携による充足・・・という視点を考えると、「すべての薬局が」とするのは、不思議な考え方です。これは日薬がとったアンケートの結果とリンクしているように一見するとみえますが、「設問4」の集計結果は、グラフ上のトリックがあります。

 【設問4-1.あなたの薬局での「調剤収入」と「調剤以外の収入」の構成比をお聞かせください。】という設問。構成比である以上、「ひとつの薬局における、調剤収入と調剤以外の収入の比の値を、足し算すると100%」です。

 示されているグラフは二つあります。「調剤収入」と「調剤以外の収入」という、ふたつの円グラフに、異なる範囲の集計が記載されています。

 左の調剤収入のグラフに「90~99%」とあるならば、右の調剤以外の収入のグラフ側には、「1~10%」という範囲での集計が、同じ割合で載るはずです。

 ところが、そうなっていません。

 左は90~99%。右は、1~5%と10~45%。

 左で71.6%あったものが、右では分割されて範囲も広がり、54.7%と32.4%。

 しかも、右には、6~9%の項目がありません。

 左のグラフから、16.7%くらいを占めると予想される「6~9%」の項目が、まるまる無視されているのです。(左の「90~99%」が71.6%あり、右の「1~5%」の54.7%との差が16.7%あります)

 これ、どういうことなんでしょう。なんで、意図的に範囲設定のずれたグラフが必要で、しかも、そこから「消えている」数字があるのでしょうか。

 左のグラフを、右のグラフのように「調剤以外の収入」として書き直すと、

 0%:3%

 1~10%:71.6%

 11~20%:7.1%

 21~50%:11.4%

 51~90%:5.1%

 95~99%:1.1%

 100%:0.7%

 となります。

 0.7+1.1+5.1+11.4+7.1+71.6+3=100。

 抜けている「91~94%」の部分は、0%。

 右のグラフは

 0%:3%

 1~5%:54.7%

 10~49%:32.4%

 50~79%:6.1%

 80~88%:1.4%

 90~99%:1.7%

 100%:0.7%

 となっています。 

 0.7+1.7+1.4+6.1+32.4+54.7+3=100

 右のグラフは、「6~9%」「89%」に抜けがあります。(0%ですけど)

 つまり、「10%」の部分ひとつだけで、16,7%を占めていることがわかります

 調剤以外の収入が、

 「1~10%」の計算なら71.6%。

 「1~9%」の計算なら54.7%。

 幅の区切り方一つで、かなり変化する統計素材を、「調剤収入」ではまとめ、「調剤以外の収入」では切り離す。

 これは、そんな、不思議な結果公表です。

 設問4-1は、単純に言えば、「調剤収入が50%をこえる薬局が、全体の90%をこえている。調剤収入が90%をこえる薬局も、全体の70%をこえている」という結果です。

>2-②すべての地域において夜間・休日の医薬品供給体制が組み上がっている。

 夜間のみ開局している薬局を認めるのか、供給に対してシビアな消費者にどう対応するのか、深夜時間帯において薬剤師の身体的安全管理をどうするのか、これってネット通販で解決しないのかな、・・・といったことを考えなければいけませんが、次の2-5が、通販全否定で、スゴイです。(2025年にもなれば、技術もモラルも進歩していて、通販でもいいんじゃないかと思いますけど)

>2-⑤離島・山間僻地を含めた全国すべての地域に、薬局を通じて医薬品が供給され、適正に使用される体制が整備されている。

 ね、すべての地域に薬局をつくりますという話ですよ。

 「薬局を通じて」しか、供給しないよん、と。

 ええ、これが10年以内にできれば、とっても良いことですね。

 「将来ビジョン(大風呂敷)」っぽくて、良い項目です。

 離島薬剤師派遣業とか、山間僻地薬剤師派遣業とかも、日薬の公益業務の一つとして定款に書いてもらいたくなります。

>2-⑥薬局の公共性を担保するため、経営形態の別を問わず、薬剤師が開設責任を担う制度となっている。

 薬剤師以外が役員を務める会社組織が、薬剤師を雇って、開設責任を薬剤師に担わせるわけですね。なるほど。薬剤師が開設者だから、管理者の提言に耳を傾けて、改善する義務がありますが・・・役員がNOと言えばそれまでです。開設責任者には、自由になるお金と人事権が必要だと思いますけれど、そういうのが無しでも責任をとれるものなんでしょうか。

 そんなに公共性を担保したいのなら、全部の薬局を独立行政法人にしちゃえば?

>7-①厳密なセキュリティー管理のもと、ICTを活用した地域の医療連携や患者情報の共有化が進んでおり、薬局も参加している。このことにより、患者の病名等を把握することが可能となり、医師の処方意図に応じた服薬指導が可能となっている。また、先発医薬品と適応の異なる後発医薬品に変更する等の支障がなくなっている。

 いやぁ…2025年ですからねー。ゲノムですよゲノム。プアメタボライザー判定キットも、かなり安くなっているでしょうから、やれることはたくさんありそうです。

 先発と適応の異なる後発医薬品なんて、もう、そのころには存在できないでしょう。

 それより、後発品という考え方がなくなっているかもしれませんよ。先発品の正統後継品と、良質な製剤工夫品以外は、淘汰されていたりすると、楽しそうですし。

 病名や検査値がなくても、薬理から逆算して処方意図を予想した状態からはじめて、処方が患者さんに適切かどうかを、不足情報を聞き取りしながら判断するのが監査&投薬ってものですから、J-PALSEでレベル5の認定をクリアできるような薬剤師なら、「処方意図に応じた服薬指導」なんて、現状でも、あったりまえに、できていると思います。

 あ、国の財政難を考慮すると書いていたのですから、保険の仕組み自体がなくなっているかも・・・という想定もしてほしいですよー。

>7-②携帯電話等の利用によるお薬手帳の電子化が進み、すべての国民が自分の服薬記録を所持している。

 全然ワクワクしない。

 その状態において、薬剤師がどのように関与するのかが書いてないので。

>9-①慢性疾患患者の増大等に伴い、リフィル処方せんが制度化されている。リフィル処方せんによる調剤は、薬剤師が患者の状態を観察しながら、1~2カ月単位で調剤されることが一般的になっている。また、薬剤師が得た患者情報は、適宜主治医に報告され、リフィル処方せんの継続や、再受診による処方変更などの判断が行われている。

 慢性疾患薬の大半はOTCなんじゃないかな~。

>11-①日本薬剤師会が2012年に構築した「薬剤師生涯学習支援システム(JPALS)」をすべての薬剤師が活用し、自己の学習成果を記録している。その学習成果は、個々の薬剤師の日々の業務を通じて社会に実践・還元されており、薬剤師職能の維持・向上に寄与するとともに、他の医療関係者や国民からも高く評価されている。また、同時に構築された「e-ラーニングシステム」も、薬剤師の自己学習を支援するツールとして内容やシステムが充実し、すべての薬剤師に利用されるとともに、研修会に参加できない薬剤師にも、均質なレベルの情報をタイムラグなく提供できるツールとして有効に活用されている。

 職位認定をする団体が、その認定用のポートフォリオのためのeラーニングの「コンテンツ」を提供するのはナンセンス。eラーニングのための「システム」の提供にとどめて、コンテンツは各種プロバイダ(地域薬剤師会なども含む)が自前で作ったものを登録するような仕組みでないと。(ペイ・パー・ビューで、提供コンテンツ制作者にお金が入るシステムが理想)

 この項目ではコンテンツをつくるかどうかについて曖昧なので、日薬には「コンテンツはつくるな」と念押し~。

>11-②JPALSの次の段階として、日本薬学会など関係学会との連携によるオール薬剤師を対象とした学会認定制度が目的別に整理・構築され、各種認定薬剤師及び専門薬剤師制度が確立している。

 J-PALSE JPALSは職能団体による職位認定ですから、次の段階が「学会認定制度」になることはありえません。根本的に間違ってます。

>11-③地域薬剤師会と大学との交流・連携が活発化しており、薬局や病院をフィールドとした大学と地域薬剤師会等との共同研究・調査が日常的に行われるなど、実務・臨床をベースとした、薬剤師によるエビデンスの収集・作成・発信が積極的に行われている。また、大学には、実務・臨床経験の豊富な薬剤師が教員として多数在籍しており、現場の薬剤師の日常業務や調査・研究を支援している。

 実務実習での、教員による実習先見学をやめれば、そーゆーことをする時間ができるかもしれませんね。

>11-④薬剤師の学会参加、学会発表が積極的に行われている。また、発表された内容は全国的に共有され、薬剤師全体のレベルアップや医療の質の向上に寄与している。

 これは応援します。がんばれー。

  ☆

各論では、「大学教員」と「行政」の薬剤師については「書いてない」状態でした。第二章の冒頭で、「薬剤師の主な職域」に数えられているんですけれどねー。

  ☆

各論の内容は、現状認識から始まって、とりたてて夢のないことを挙げては「~しなければならない」的に話しているだけなんで、実質的には「将来ビジョン」にはなっていません。

薬局の薬剤師については、各論の最後に、

国民から顔の見える薬剤師像を確立するために
●医療・薬物治療の進歩に応じた新たな役割を創る
●地域に密着した健康ステーションの役割を創る
●医療チームにおいて多職種から評価される薬剤師像を創る
●地域包括ケアシステムに参画し、地域の医療・介護提供体制を創る
●成熟した医薬分業体制を創り、完全分業制度を実現する

といった項目があるので、実は、これだけで十分。あとのページは全部削除しても良さそうです。

「創る」ものの具体案が全く書いてないので、きっと「暫定版」と「完全版」の違いは、そのあたりなんじゃないかと予想しておきますがたぶん外れます。

各論については、とりあえず「薬局薬剤師」をきちんと読んで、後の部分は流し読みにしました。流し読みにしたあたりに良いことが書いてあったらごめんなさい。

冊子のさいしょで、『超高齢社会の到来』と『国の財政逼迫』がキーワードであると、述べていましたので、これを前提にするならば、「超高齢社会における流通・経済」や「医療費のコストダウン、全体的な財政改善の悪影響をうけない方策、財政破綻した場合の対策」などが盛り込まれていてもいいんじゃないかと思いますが、それらを考慮した項目は、薬局薬剤師の各論部分には、国の作った「大綱」以上のものは、みあたりませんでした。国が全部やってくれるから、自分たちはなーんにも考えずに国の方針に従います? 夢も希望もワクワクもないことで。

  ☆

さて。

「薬剤師の将来ビジョン」暫定版の締めは、次のような言葉です。

ビジョン策定の基本は、以下の2点に集約される。
 第一に、言うまでもなく、薬剤師の社会的責務の基本は、「人々の生命、健康を守るための、医薬品の適正な使用、安全性の確保を図り、医薬品の最大効果を引き出すこと。」である。それは、医療の場だけでなく、医薬品開発、製造、流通など、どのような場で業務を行っていようがその基本は共通するものであり、すべての患者や健康であり続けたいと願う国民のために、オール薬剤師が弛まぬ努力を続けねばならない。直接患者と接することがなくとも、自らが携わっている業務が人々のために貢献するという思いと高い倫理観を持ち、常に視野を広げ、能力を高めることにチャレンジしてゆきたい。
 第二に、少子高齢化という国民的課題に貢献する薬剤師である。医療機関や薬局など「施設完結型医療」の時代は終わり、これからは「地域完結型医療」の時代を迎えている。そして、個々の医療従事者の「個別プレーの時代」ではなく、「チーム医療」が不可欠の時代である。地域医療体制の一員として、医療チームの一員として、薬剤師はその責任を果たしてゆかねばならない。加えて、薬剤師は、地域住民のセルフメディケーションに対する支援まで、幅広く関わることのできるその特性を生かし、およそ医薬品の存在する全ての場にあって、社会的貢献を果たしてゆかねばならない。
 そして、このビジョンを支えるものは、薬剤師の学習、自己研鑽体制の構築である。平成18年から薬学教育6年制がスタートし、また、平成24年4月からは、日本薬剤師会生涯学習支援システム(JPALS)が始まっている。これらのことは、薬剤師の資質向上や業務の進展につながる基盤が整備されたことになる。生涯を通じての、たゆまぬ学習、研鑽こそ、すべての医薬品に関し主体性をもって社会的責任を果たすという、プロフェッションとしての役割を築き上げてゆく唯一の道である。

以上。

ここでは、それまでに述べられてきたことの前提となるはずの「基本」が述べられています。

「業務を通じて国民に貢献し、高い倫理観を持ちながら努力する」

「施設完結型ではなく、地域完結型医療の時代」

・・・ということです。

ええ、その通りだと思います。

これらを基本にしたはずの、薬剤師の将来ビジョンの中身は、どうでしょうか。

倫理をないがしろにするような項目はなかったでしょうか。

施設完結型にこだわった項目はなかったでしょうか。

もういちど、点検する必要性を感じます。

それと同時に、「ワクワクする夢」をみてほしいと思います。

あ、いえ、「ワクワクさんとゴロリの出てくる夢」じゃなくて。

  ☆

【まとめ】

 「薬剤師の将来ビジョン・暫定版」は、

 締めに書いてある「基本」を無視して

 各論が書いてあるので、

 整合性が取れていない。

  → 基本に沿って、書き直せ。

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