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公益法人の日薬の役員の決め方がおかしい件。

今回は、ルールの問題。

「自らが決めたルールを守ることができない、いい年したダメなオトナたち」という、とてもシンプルな話。

  ☆

公益社団法人の日本薬剤師会の、理事選任を行う、総会の開催が近づいてまいりました。

ここでは、一部を除いて会員の選挙で選ばれているわけではない代議員さんたちが、日薬の役員である「理事」さんを選びます。

日薬の定款には、いろいろなルールが書いてあります。

http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2012/04/1204_teikan.pdf

当然、そのルールに従って、役員は選ばれるはずです。

まずは、総会のルールを、定款で確認しましょう。

(権限)
第15条 総会は、次に掲げる事項について決議する。
(1)正会員の除名及び代議員の除名
(2)理事及び監事の選任又は解任
(3)理事及び監事の報酬等の総額及びその支給の基準
(4)事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類の承認
(5)貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)並びにこれらの附属明細書の承認
(6)定款の変更
(7)会員規程及び会費規程の制定及び改廃
(8)解散及び残余財産の処分
(9)その他総会において決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項

総会でできることは、以上です。

選任の方法は、非公開です。

理事の立候補のルールは、ありません。

よくわかりませんが、世界の隅っこの穴にでも「ワシは理事に立候補するぞい」と呟けば、不思議パワーで受理されるのでしょうかね。

もう、この一点だけでも、定款不備なわけですが…。

定款で

第4章代議員
(代議員の選出)
第12 条 本会は、代議員をもって法人法上の社員とする。

代議員は正会員の中から選ばれることを要する。正会員は前項の代議員選挙に立候補することができる。ただし、代議員は本会の役員を兼ねることはできない

5 第3項の代議員選挙において、正会員は他の正会員と等しく代議員を選挙する権利を有する。理事又は理事会は、代議員を選出することはできない

と書いてありますから、代議員は、正会員限定です。

でも、理事者の規程には、理事者が正会員でなければならないという項目はありません

理事者は正会員でなくてもいいの?と。

公益社団法人ですから、外部理事を入れるケースも想定できます。

それならそれで、理事は代議員による選挙で決まりますから、正会員以外が理事に立候補する際のルールが必要です。そんなルールは今のところありませんから、正会員ではない外部理事を入れる気はないわけですよね。つまり、、今のところ、少なくとも今回の理事選挙に関しては、「日薬の正会員のみで理事選挙を行う」ということになります。

会長・副会長・専務理事・常務理事・理事。全員が、日薬の正会員。つまり「薬剤師」。

ここが、基本になります。

今回は、薬剤師以外の役員は、ひとりとして認めない。そういうことです。

それ以外の、立候補資格や、立候補の方法については、さっぱりわかりません。

(役員の選任等)
第27 条理事及び監事の選任は、総会の決議によって行う。
2 会長、副会長、専務理事及び常務理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。
3 前項の会長は、総会の決議によって推薦のあった会長候補者の中から選定することができる。

4 理事のうち、理事のいずれか1名と、その配偶者又は三親等内の親族、その他法令で定める特別の関係のある者の理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。
5 監事には、理事(親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び使用人が含まれてはならない。また、各監事は、相互に親族その他特殊な関係があってはならない。
6 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものは除く。)の理事又は使用人である者、その他これに準ずる相互に密接な関係にある理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。監事においても同様とする。

理事の選任は、「総会の決議によって行う」(第27条第一項)としか、書いてありません。

定款をみてのとおり、まず、「理事」でなければ、会長・副会長・専務理事・常務理事にはなれません。代議員による投票(理事選挙)にて、理事として当選することが絶対条件です。総会の決議によって「推薦」があった会長候補者が何名いようとも、彼らが理事に当選しなければ、もっと言えば理事選挙に立候補しなければ、推薦は無効です。それは推薦者が1名であったとしても、同じことです。

「生徒会長を生徒会役員の中から互選で選ぶ」ときには、どんなに強い推薦状を持った学生がいたとしても、生徒会役員に立候補すらしなければ、会長にはなれないのです。絶対的センターとされるアイドルだって、総選挙に出なければ、センターにはなれないのです。これは全国民が知っているレベルの基本です。

なお、現在「会長候補者のひとり」として二月の総会で選ばれた児玉さんですが、あくまでも現在は「会長候補のひとり」でしかありません

ついでに言うと、現在の「会長候補者のひとり」の選定は、公益社団法人としての、『正式な選挙の結果選ばれた代議員』による決議ではありません。公益社団法人移行前の代議員による勇み足です。

もっと言えば、公益社団法人移行前の代議員は、二月の総会において、【公益社団法人移行後の定款によれば】「総会の決議」が必要である「総会が推薦する会長候補者の選定」の際に、「反対者を起立させる」という方式を採用しました。これは定款における「決議」の定義に反します。(後述)

正しい「決議」をせずに、「総会が推薦する会長候補者を決議によって選定しました」などと、よく言えたものだと感じますが・・・・・・・・代議員さんたち、今の話、通じてます? みなさん、ちゃんと、新しい定款を読んだんですよね?

いいですか?

総会でできるのは、「理事を決める」ことと、「会長として推薦する人たちを選定する」ことなんですよ。

二月の総会の議案に、書いてありますよね。

『【議案第10号】 公益社団法人日本薬剤師会会長候補者選挙の件』と。

「会長選挙の件」じゃないんですよ。

「会長候補者選挙の件」ですからね。

この違い、わかってましたか?

議事録を読むと、小野議長も、児玉さんも、全然わかってないようですけど。

  ☆

小野議長 議案第10号会長候補者選挙の件を表決する。本日、岩本研代議員から申し入れのように起立をもって、議決を決める。会長候補者選挙について、候補者である児玉孝代議員を当選者とすることに反対の方の起立を求める。

 (反対者 起立)

小野議長 賛成多数と認める。よって、議案第10号公益社団法人日本薬剤師会会長候補者選挙の件は、児玉孝会長が当選された。

 (拍手)

小野議長 選挙施行細則の規定により、議長から当選状を交付する。

 (拍手)

小野議長 児玉孝会長候補者当選の挨拶をお願いする。

児玉会長 全国を代表する代議員の皆様から当選状をいただいた。非常に重く受け止めている。反対も賛成も大変大事なことはよく承知している。しっかりと受け止めて、オール薬剤師と会員のための軸はぶれることなく、この2年間を努めていきたいと思っている。よろしくお願い申し上げる。

 (拍手)

  ☆

小野議長の間違えっぷりは、些細なことなんだか大事なことなんだか…。

1.児玉孝さんは「代議員」ではありません。

2.児玉孝さんは現会長ですが、公益社団法人における会長には当選していません。

3.従って、当選状は交付できません。(それとも、「会長候補者」の当選状ってあるんですかね? 『貴方が総会推薦会長候補者のひとりに当選したことを認めます』みたいな)

4.「会長候補者」に当選のあいさつをさせるということは、それが複数でるケースにおいても挨拶をさせるということでしょうか。

挨拶をする児玉さんも、まだ理事会決議もなく、理事者すら決まっていないにもかかわらず、「2年間を努めていきたい」と、コメント。

オリンピックの代表「候補」者になった時点で「金メダルとります」と、意気込みを語ってくれたというところでしょうか。

比較のために、平成22年2月の会長選挙の際の議案を探してみると、議事録には、『議案6号 会長選挙の件』と書いてありました。

「候補」って、書いてないですよね。

今年2月の選任は、あくまでも、『総会が推薦する会長候補』を選ぶ場であったことが確認できると思います。

理事が、理事会で、互選によって選ぶのが基本です。理事者の中から、総会推薦候補者とは別の人を選ぶことも、十分に可能です。特に、今回は、正式な決議をせずに選任された候補者ですから、今後100年の正常な議事運営を考慮すれば、「推薦されても、推薦候補者の選定方法に瑕疵があった場合は無効と考え、考慮しない」という正論であたってほしいものです。

  ☆

さて、さきほど「後述」と先送りした「決議」についてです。

理事立候補の方法はわかりませんが、理事立候補者選任の決議の方式は決まっています。

(決議)
第22 条

 総会の決議は、総代議員の議決権の過半数を有する代議員が出席し、出席した当該代議員の議決権の過半数をもって行う。

2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、総代議員の半数以上であって、総代議員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
(1)正会員の除名及び代議員の除名
(2)監事の解任
(3)定款の変更
(4)解散
(5)その他法令で定められた事項

理事又は監事を選任する議案を決議するに際しては、候補者ごとに第1項の決議を行わなければならない。理事又は監事の候補者の合計数が第26 条第1項に定める定数を上回る場合には、過半数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数の枠に達するまでの者を選任することとする。

つまり、ひとりひとりの理事候補に対して、ひとり一回ずつ、選任するかどうかを諮るわけです。

「決議」ですからね。

「過半数の賛成」があるかどうか、きっちり人数を確認していき、理事候補者を、獲得賛成票の多い順に採用していき、最終的には最大30名まで選任可能…ということです。

理事の最少人数は20名ですから、少なくとも20回は、起立or着席。

「得票数」が関係しますから、「挙手」は不可ですし、起立した数をきっちり数える必要があります。「過半数の賛成」を得た候補者の中から、という記載がありますので、「反対者起立」によるカウントは無効です。(反対しない人は賛成である、とはなりません。これ、基礎の基礎)

うわー、時間かかりそー。

150人近い代議員の起立を数えるのですから、日本野鳥の会のみなさんでも呼んできたほうが良さそうです。日薬会館(仮称)の大ホールで総会を行えるようになったら、まっさきに、電子投票システムを導入しないと大変です。

もちろん、そういうシステムであることは、定款をつくって承認した方々は、承知のことと思いますので、30回以上も立ち座りを繰り返した結果として腰痛が悪化したり筋肉痛や軽い貧血状態になったりといった事態も想定しているものと思います。代議員さんは、体力勝負だったんですね。1候補に対して起立から数え終わりまでで1分程度としても、20~30分間続きます。がんばれ、代議員さんたち!

  ☆

あ、そーいえば。

理事の立候補方法が分からないのに、なにやら、「総会推薦の会長候補者のひとり」でしかない児玉さんが、理事候補の推薦をはじめたとのこと。

とりあえず、薬事日報さんによれば、六月からは、「専務理事候補」を勝手に会長付きにしているご様子。

「総会推薦の会長候補者のひとり」が、「現在暫定的に会長職をやっている」からといって、なにやってるんでしょうね。

薬事日報さんによれば、児玉さんが専務理事候補として考えているという方は、北海道大学農学部出身の方で、薬学部出身ではないようですが、外部理事を想定していない今回の理事者選挙の前提となるはずの「日薬正会員」ではないのなら、当然、理事にはなれませんし、専務理事にもなれません。

また、「会長候補者のひとり」が、理事候補者リストを代議員に送りつけるらしいときこえてきますが、そのなかで、『この人は副会長』『この人は常務理事』なんて役職を勝手につけているとの噂もあり。(どーも医薬経済社のニュースはイマイチ信用してない筆者)

まさか噂どおりに「三浦副会長」みたいな「理事候補者に役職を約束して立候補させる」と宣言する内容を代議員会に出したりは、さすがにしないと思いますが…。過去の行状から考えると、絶対にしないとは言い切れないのが怖いです。まわりのアタマいい人たちが、なんとか止めてくれることを祈ります。

まだ理事会で会長に選任されたわけでもなく、ましてや自身が理事に当選したわけでもない段階で、内閣総理大臣か何かのごとくに組閣に御熱心になるなんて、自分たちで決めた定款を、自分で蔑ろにする行為ですからね。

過去の代議員会で、あれほど「この定款でいいんじゃー! 何が問題なんじゃー! わしには全くわからんーっ! このまま通すーっ!」くらいの勢いでギャーギャー言ってた方たちが、それほどまでして通した定款を守らないという、呆れたお話。

そんな定款を通した代議員の方たちが、理事選挙について『会長「候補」者が理事候補を決めるのが当たり前』なんていうバカ丸出しの勘違いを許したままにしているのも不思議。

そして、定款担当役員の曽布川さんは、ここまで自分の仕事を馬鹿にされて、なんとも思わないんですかねー?

  ☆

さて、そんなこんなな状況なのですが、次の代議員会までを、現在代議員として活動している方々が、ぽけーっと見守るなんてことはないと信じたいです。

ものすごく逃げ腰で、児玉さんに足を向けて寝られないとか児玉さんを見ただけでガクガクふるえちゃうとか、そういうある種の病気にでもかかっていない限りは、代議員の基本的な役割である「理事の選出」を、真剣に考えていただきたいわけですよ。(ここで挙げたような病気にかかっているのなら、おからだのためにも、代議員なんかすぐに辞任したほうがよろしいかと。辞任はいつでもできると定款に書いてありますし)

代議員会議事録によれば、一部では、「ブロック理事を廃止するのか!」みたいなことを質問している方もいましたけれど、別に、地方の代表っぽい主張をする理事候補を、その地方がどんどん立候補させればいいだけのことです。各県が二人ずつくらい立候補者を出せば、ほら、かーんたん。自分の県の代表者の投票の際に起立してもらえないことを考えたら、まあ、ほんの少しの打ち合わせだけで、特に言葉を交わしたり書面の談合をしたりしなくても、それなりに票が入るんじゃないですかね。

こーゆーブロック理事当選用シフトって、児玉さんの地元の大阪周辺は参加してくれないかもしれませんが、地方にとってはとっても大事な話ですので、案外、やってみれば、それなりの理事が受かるんじゃないですかね。すでに日薬連盟の理事になっている方には投票しない、というカンタンな手法だけで、余裕で6~8人ほどの理事枠が空きますし

起立の回数はガンガン増えて行くと思いますけれど、それが、この定款の正常な運用です。

総会当日になって慌てるだけの姿勢よりは、とにかく定款に基づいて、代議員らしく、会員の意見をとりいれられるように動いていただくと、楽しくなると思いますよ~。

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コメント

最近、日薬にはほとほと愛想が尽きています。
てんしすさんが、日薬の幹部になって、がっつり日薬を改革してくれませんかねぇ。

投稿: ママカリの酢漬け | 2012年6月11日 (月) 10:59

公益社団法人体制の新しい代議員のみなさんが、その責務をしっかりと果たして、まともな理事を選ぶ展開を期待しています。

総会の質問を、「進捗状況を教えてもらう場」だと勘違いしている代議員が多いのですが、そろそろ、その質問がおかしいことに気付いてほしいです。執行部が総会召集前に事業の進捗状況を会員に情報公開し、それに対して質問するのが基本。単純に「進捗状況がわからないから質問」しなければならない状況は、異常。

末端会員でもできることとして、身近な代議員さんに電話して「定款ちゃんと読んだ? 決議って言葉の意味、わかる? あなたの推薦する理事は、誰?」と訊いてみる手があります。(全てに回答が用意されているはずの失礼な内容ですが、ナニソレ?という方がいないとも限りませんので)

投稿: おばか柊 | 2012年6月11日 (月) 12:18

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