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2012年6月

クレデンシャル:指導薬剤師のための薬局実務実習ワークノート、倫理編

クレデンシャル、2012july No.46。

みなさま、しも先生の連載、「指導薬剤師のための薬局実務実習ワークノート」をご存知でしょうか。

イラストのしも先生が妙に似ている(特にまゆげ)ので有名な、あのコーナーです。

そこに、薬剤師倫理規定の関係する部分が、ようやく登場です。

LS番号P201、という、あれです。

P201

 薬剤師の心構え

 到達目標

  医療の担い手が守るべき倫理規範を遵守する。(態度)

  職務上知り得た情報について守秘義務を守る。(態度)

 学習方法:討議

しも先生には、2009年の学術大会の際にも同人誌【薬剤師倫理規定 萌えて覚える薬剤師の基本】を押し付けてありますし、先月作った同人誌【てんしす! 完全版】も誰かに押し付けられていると予想されますので、この分野に関する洗脳は完璧…じゃない、おばかな視点については百も承知(な、はず)。

…と、思っていたのですが。

ワークノートの虫食いクイズは、『医療と薬剤師(医療法)』『薬剤師綱領』『守秘義務』『個人情報保護法』の四つを出してきました。

むむ。

これは、日薬の「薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」に沿った感じ?

手元に2007年版しかないのですが、その20~21ページがベースのようです。

学生さんが手に入れられないであろう「日本薬剤師会雑誌 平成17年2月号」の記事を『薬剤師の倫理をもっとよく知るには』と参考文献に挙げているあたり、2007年版と全く同じ。「薬剤師の倫理」というより、個人情報保護法についての記事ばかりですけど

そこは、『個人情報保護法』の原文を読んでもらうとかでいいんじゃないかと思いますが。利用目的を示して同意を得ているならば個人情報を使用していい、とか、そういう基本的なことくらいは、読めばわかるかと。

薬剤師の倫理について、(悪い見本も含めて)「もっと」知るなら、このブログの過去記事を読んでもらえばいいんじゃないかという気もしなくもないのですが、しも先生的に、このブログは学生さんの教育に悪いからNGなのかも・・・。まあ、ここがダメでも、せめて「手に入る範囲の書籍」を紹介するのが親切なのになー・・・と思いました。

えーと、たとえば、「薬学生のための医療倫理」とか、佐谷先生の「若き薬剤師への道標」とか、「石巻赤十字病院の100日間」とか、薬剤師の倫理をもっとよく知るための教材は、たくさんありますしね。

  ☆

ワークノートの2ページ目には、「解説」があります。

1ページ目で薬剤師倫理規定についてスルーしていたので、こちらでがっつり濃い目の説明が入るのかとおもいきや、このページの主役は刑法上の守秘義務と個人情報保護法。

法律は、読めばわかるんだから、省略してよ~・・・と言いたくなりますが、薬剤師倫理規定のほうも、10条もありますから、とても一回では説明しきれないし、スルーされるのもやむなし。実際、守秘義務と個人情報保護の違いについては、うまーく解説されています。

「保険薬剤師の倫理」という項目があるのですが、ここで「薬剤師免許を取得すれば自費の調剤や病院での調剤はできますが、保険調剤はできません。これは何を意味しているのでしょうか」という話が出てきます。ここは結構大事なところで、「病院の薬剤部の薬剤師は、保険薬剤師であるべきではないか」というテーマに繋がりそうです。(でも、そういう点はスルー。まあ、「薬局」側の実習用のワークノートだからといえばそれまでですが、その部分を認識したうえで病院での実習に挑むほうが、いろいろと面白いと思うのです)。

ワークノートの元ネタともいえる「薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」には、指導薬剤師が行うこととして5つのネタが書いてあります。

1.薬剤師綱領、薬剤師倫理規定を薬局内に掲示する。

2.薬剤師綱領、薬剤師倫理規定について説明する。

3.守秘義務について説明する。

4.個人情報保護法について説明し、薬局における対応について説明する。

5.他の医療スタッフと意見(情報)交換しているところを見学させる。

これらを指導薬剤師が行うのですから、「指導薬剤師のためのワークノート」には、そのためのヒントがちりばめられているはず。

「掲示」は簡単。コピペコピペ。薬剤師倫理規定の文言は全部、このブログのトップページの「ようこそー」に書いてあります。薬剤師綱領は正直どーでもいいのですが、ググればあちこちにあります。

薬剤師倫理規定を説明すると、自然と、様々な法律(倫理規定第一条、第三条)と守秘義務(第九条)について学ぶことになりますから、実質的には2~4は、ひとつの項目。

残るは、「5」の、意見交換・情報交換の見学

この部分こそ、ワークノートで解説したほうが良いネタです。

運営ガイドラインや薬剤師綱領や薬剤師倫理規定の項目をざっくり捨てて、余った半ページに書いてあったなら、役に立ったはずのネタです。倫理ディスカッションのススメ。議論がきらーい、という方のために、「6.倫理規定を踏み外さない生きざまで魅せる」なんていう項目も欲しいところです。背中を見て育て、的な。

フェイスブック中心の方々にとっては、この部分は案外ラクチンなところかもしれません。自分の発言歴や「いいね!」歴を学生に見せてあげれば、どれほどの意見交換をしているのかは一目瞭然。(たぶん。筆者はフェイスブックやってないので、正直ぜーんぜんわかりません)

ブログの場合は、意見や情報の「提供」がめだって、「交換」には見えないので、読んでもらっても『そんなこと考えてるアホは指導薬剤師のアンタだけやん』とツッコミが入っておしまいです。ブログは指導者に不利なようです(泣)

  ☆

ワークノートのまとめ部分は、以下の通り。

 倫理の語源はギリシャ語の「ethos」(習慣)に由来するといわれます。倫理規定は飾られているものをただ見ているだけでは意味を成しません。薬剤師個人が任務を通じて規範となる行為を繰り返して実践し、人格として身につけることによって、初めて倫理と成るといえるでしょう。

倫理(Ethic)の語源の話をもってきて、なんだかうまいことまとめています。(でも、この発想は、日薬がまとめた薬剤師の役割と倫理規範の実態に関する研究の考察部分に『薬剤師倫理規定が現存のままであったとしても、今後改訂されるとしても、各条の内容が確実に薬剤師に理解され、それに沿った行動を薬剤師が行えなければ真の意味での倫理規定にはなりえないことを付け加えたい。そのためには、今後、薬剤師の間で医療専門職としての倫理に関する議論が活発に行われることを期待したい』と書いてあったのと近い考え方なので、筆者はキライ。倫理規定は「行動指針」なので、誰ひとり実行しなくても、意味はあるのですから)

ethos、初心忘るべからず。つまり、「いつもここから」です。

「悲しいとき~」

「悲しいとき~」

「指導薬剤師向けのワークノートなのに指導者に対して『薬剤師倫理規定を守れよ』とはどこにも書いてないのに気付いたとき~」

「指導薬剤師向けのワークノートなのに指導者に対して『薬剤師倫理規定を守れよ』とはどこにも書いてないのに気付いたとき~」

「悲しいとき~」

「悲しいとき~」

「ワークノート2ページ目の左下の堀籠さんのコラムのほうが簡潔かつ実践的で役に立つのに気付いたとき~」

「ワークノート2ページ目の左下の堀籠さんのコラムのほうが簡潔かつ実践的で役に立つのに気付いたとき~」

「悲しいとき~」

「悲しいとき~」

「薬剤師個人が任務を通じて規範となる行為を繰り返して実践し、人格として身につけることによって、初めて倫理と成るとしたら、筆者の場合は倫理と成らない可能性が高いことに気付いたとき~」

「薬剤師個人が任務を通じて規範となる行為を繰り返して実践し、人格として身につけることによって、初めて倫理と成るとしたら、筆者の場合は倫理と成らない可能性が高いことに気付いたとき~~、って、長っ。しかもどーでもよすぎっ? しも先生は人格として身につけてるから、マジメな話をするときは顔つきが劇画調になるとの噂を流しましょうっ」

「嬉しいとき~」

「まだやんのか~」

「遠く輝く夜空の星にぼくらの願いが届くとき~」

「太陽がまた輝くとき~」

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第四十五回『田舎娘で代替医療』

ここは、薬剤師倫理規定擬人化のブログです。

番外娘の7人目。No.17は、『補完代替医療(CAM)』です。

CAM:Complementary and Alternative Medicine.

「統合医療」のうち、「通常の医療」ではない部分を示します。

伝統医学・瞑想・芸術療法・ハーブ・サプリ・アロマテラピー・バッチフラワー・カイロプラティック・温熱療法・温泉療法・バイオフィールド(気功など)・ヒーリング・ホメオパシー・断食・呪術…。

ようするに、「あれこれ仕組みについて詳しい能書きはあるのだけれど、いわゆる科学でいうところの再現性に乏しくて万人向けではないうえ論文となると壊滅的に微妙」とまで言ってもいいのかどうかのギリギリのあたりでニッチなニーズに応えている医療的なものの数々です。

科学は観測能力の向上の歴史ですから、いずれは「科学のお墨付き」がつくかもしれませんが、今のところは(主に、観測できないとか、研究しても実績にならないとかいった理由で)放置されたまま、謎に包まれている、不思議なあれこれ。

そういったものの扱いと、薬剤師倫理規定との関係性を物語化するための番外キャラクターです。

  ☆

017ama

『補完代替』 鉄湾 甘 (鉄湾 甘/てつわん あま)

ド田舎出身?、非公認団体「園芸部」の部長さん。

学校の屋上や体育館の裏、地下、洞窟、ジャングルなどで様々なモノを栽培している。

猿っぽい。学園内の森や山や洞窟に住んでいる原住民だと思われている。

変な田舎方言をつかう。

友情の証に、変なドリンク(いわゆる”甘”酒)を勧める。

森の仲間たちと仲良し。会話できる。

はいてない? らしい。

ドクターペッパーがある都会に憧れている。というか、ドクターペッパーがあるところが都会だと思っている。以前は、千葉とか茨城とか栃木とか沖縄とかが都会。秋葉原は大都会。

  ☆

基本的には無害なはずが、見えないところで危険なのが園芸部。

屋上で謎のドラッグの原料を栽培するわ、水に謎の成分を混ぜて希釈してみるわ、呪文を唱えるわと、御薬学園の園芸部はだいぶ秘密結社の香りがする集団です。集団といっても、その部員の大半は、人間ではないのですが。

「甘」単体では、自然の恵みに感謝しながら共生していく人ですから、心優しく無害な娘、で終わりなのですが…。

全体的に相容れない関係というか、各条文娘との関係は複雑です。

健康につながればよいという第一条(桃園ひとみ)、第二条(緑ヶ丘ふたば)や、歴史と文化を重視する第四条(黒岩よつな)との親和性は高いです。

法律関係の第三条(青山みつひ)や、エビデンス重視の第六条(水野むつき)、守秘義務な第九条(茶森ここの)との関係は悪いです。

また、番外キャラでは、番外3の『多様性の否定』(墨沼けい)との相性が最悪です。一方、認定系の番外4(紅波かん)との相性は、とてもいいです。

商売系というか第八条(黄土やつね)や番外6(苗滝かわりめ)にとっては、興味の対象。迂闊に手を出して、火傷するかんじですが。

甘が仲良くしようと弱~く主張しても、森の動物たちの個性が強烈すぎて、なかなか全体的に仲良くする方向には向かいません。第十条(白峰とうあ)的には、甘自体には共感しますが、その周囲の動物たちが信用できないので、微妙な関係。

とにかく、多様な「森の動物?たち」とセットであるかぎり、苦労の絶えない甘さんなのでした。

  ☆

【デザイン】

頭にコスモスの花飾り。民族特有デザインの服。超ミニスカ生足。

コスモスの花ことばは「乙女の純真、まごころ」「調和」。

花ことばの通り、純粋な「なんとかしたい」という気持ちから生まれたものであり、本当は大きな枠組みで医療の一部として機能したいと願っている、そういうもの。

009オマージュとしては、ミュートスサイボーグ編のヘレナ(アルテミス)と、地下帝国ヨミ編のヘレン・ビーナ・ダイナ・ダフネ・アフロの五姉妹がベース。(全員、キャラ造形がおんなじ)

ギリシャ神話の神々を真似たミュートス・サイボーグたちは「様々な補完代替医療」を象徴。ヘレナは、ミュートス側、009側のどちらにも味方しつつ最終的にミュートス側の暴走を止めようとする役回り。統合医療を目指そうとするけれど補完代替医療側(の一部の好戦論者たち)の暴走にまきこまれるイメージ。

五姉妹も、それぞれブラックゴースト側と00ナンバー側とを味方しつつも、最終的にはブラックゴースト側に裏切られる結末。もともとはトカゲ怪物たちの餌として生活していた地下の人々ということで、トカゲ怪物やブラックゴーストのような『補完代替医療を金儲けに用いようとするものたち』に騙されたり支配されたりしているイメージで。作品内には【洗脳】とか【催眠】といったネタも豊富です。

「補完代替医療を全否定しない立場」で、「補完代替医療も、普通の医療も、仲良くやってほしい」と願う、そんなキャラクターです。

森の仲間たちもミュートスサイボーグから。(猿のアポロン、牛のミノタウロス、黒豹のアキレス、孔雀のヘラ、錦鯉のポセイドン、石像のアトラス、ヤギのパン、馬のケンタウロス、カバのネレウス)

「なんとなくいつもサルと一緒にいる」「はいてない?」というネタは、「クイーンズブレイド」のノワです。平田雄三キャラ♪

猿のアポロンは、強硬派へんちくりん代替医療主張学者的な立ち位置で、周りに噛みつきすぎて「代替補完」の考え方への偏見を植え付けていく『やんちゃ坊主』『いたずらっこ』。

薬剤師倫理規定の擬人化では足の見え方が「寛容度合い」に繋がっているので、実はほぼ無限に寛容であるけれどミニスカートで見えないという変な解釈にしました。あ、絵にしたときはなにも描かないだけなので、エロエロ度はゼロです。

  ☆

【名前の話】

「鉄」:鉄色は、青系緑の濃い色。

 鋼鉄ではないので「ぱっと見と違って、意外と脆い」。

 すぐ酸化する。劣化。

「湾」:特異な生態環境が存在する場所。

 「てつわん」といえばアトムさん。

 あちらは「科学の子」ですが、こちらは「科学?の娘」。

「甘」:分解すると十と七なのは、いつも通り。

 字の通り、甘甘です。田舎娘の不思議ちゃんです。ぽややーん、です。

 「甘い話には裏がある」 → 微妙な普及形態。

 「甘井先ず竭く(あまいまずつく)」 → 一瞬のブームで吸いつくされる。

 「あま」以外に「かん」とも読めるので、「CAM」にひっかけています。先に番外4のミカンさんがいたので、同じ発音は避けました。

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【磯野波平は飴と間違えてルゴールを飲んだのか?】五位野さんスペシャル

今回は、薬史学(主にサブカル)の分野では日本一だと筆者が信奉している五位野さんの記事「昭和時代の日本漫画「サザエさん」に登場する医薬品と薬学関連事項」を読んで楽しむ遊びです。脳味噌を昭和にしてよみまっしょい。

  ☆

 よみまっしょい、といっても、薬史学雑誌という、日本薬史学会の会報に2009年に掲載された記事ですから、おいそれと読めるものではありません。かといって全文を書きだそうとすると泣きそうなので、おてがるレビュー程度でいきます。

 五位野さんといえば、昨年の日薬雑誌に薬史学記事をどどーんと載せた偉人です。

 その2009年の活動の一端が、

「昭和時代の日本漫画「サザエさん」に登場する医薬品と薬学関連事項」

 …です。

 【ざっくりした内容】

 「サザエさん」朝日新聞社文庫版全45巻を読破して、医薬品と薬学関連事項があったらリスト化。

 6000話ちかくを延々読んで、111話に医薬品&薬学関連事項を発見!

 リストの中には「毛はえ薬(8巻 115ページ)」という、どうしても波平さんを連想するキーワードがでてきますが、この付記に「マスオ:ひげそり後に誤用」という意外なオチがついていて、「サ~ザエさんあなどりがたぁ~しぃ~」と穴子さんの声が聞こえてきました。(幻聴)

 というか、波平さんが毛はえ薬を使用しているネタが原作には全くないということを、このリストで知りました。波平さんの男気がうかがえる話・・・あれ、マスオさんがひげそり後に誤用した毛はえ薬はそもそも誰のものだったのでしょう。とりあえず、どこかのクイズ番組で出題されそうな予感。

 19巻69ページでは、ついに、大事件勃発

 「神経安定剤。マスオがサザエに服用させる(未遂)」

 み、未遂でよかった…本当に良かった…。

 そんなマスオさんも28巻では「精神安定剤/下剤。エイプリルフール。マスオがサザエ、波平にだまされる」という形で、なんらかのリベンジを受けた模様。

 薬剤師関連では、23巻に「調剤ミス」が挙げられているようです。

 「散剤の調剤における薬袋記載ミス」。

 1960年に指摘された問題点は、2012年においても問題点のままです。

  ☆

 「考察」では「せいしん安定剤」にも言及しています。

 その月の朝日新聞を調べて、「”アダリン””アタラックス””ウインタミン”等9製剤の「神経安定剤」の広告が15回掲載されている」とマメ知識をもってくるあたりに遊び心が伺えます。【鮠乃薬品】さんでアダリンとかウインタミンとかの擬人化希望。

  ☆

 「展望」において、「現代にあっては、これは漫画、アニメ、ゲーム等の文化でその時代の医薬品・薬学を考察する形に発展させてもいいのではないだろうか」とあるのですが、それらは「世界設定」というものがありますので、うっかりして「ペリー・ローダン」を読んでしまって「1971年から1980年ごろの地球ではサイコ=スチミュリンという名前の強力な精神作用薬が販売されていた模様」なんてことを後世の薬史学者が言い始めることがないよう、うまーく定義づけしておいたほうがいいかもしれません。

 最近やったゲームでも、海外のオープンワールド型RPGを中心にして、薬剤師が出てきますし、 カードゲームのキャラクターとしても薬剤師はなんとなく登場しますが、いずれも世界設定的に現代ではないので、微妙です。

 新聞の四コマ漫画ということで、次は連載一万回を突破する大作「サラリ君」に挑戦してほしいなー…と、期待しておりまする。

  ☆

 あ、忘れていました。

 タイトルに挙げた「波平さんが飴と間違えてルゴールを飲んだのかどうか」については、その詳細がリストの中にも書いてありませんでしたので、国会図書館などで確認していただければと思います。(投げっぱなし)

  ☆

おまけ【五位野さん関連の告知】

 2012年9月30日:日仏薬学会40周年記念講演会

  日仏会館(東京・恵比寿)

  講演:フランス ボルドー大学薬学部 Levy教授

 2012年8月4日:日本薬史学会 柴田フォーラム

  東京大学 薬学部

  講演:中国薬学会 郝近大先生

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連盟コラム「求む 情報開示!!」と、謎の理事候補リスト掲載者の話。

日本薬剤師連盟という、三度の飯より政治の好きな…もとい、政治に関心のある薬剤師が集まっているはずの組織があります。

その機関誌ともいえる『日薬連盟だより』の五月号に、興味深いコラムがありましたので、紹介します。

※まだweb上には掲載されていませんが、そのうちこちらに掲載されるかと。http://www.yakuren.jp/yakuren_dayori.htm

  ☆

コラムの名称は「風力計」。

平成23年9月の日薬雑誌記事によれば、

『日本薬剤師連盟や日本薬剤師会の役員が日々取り組む諸問題の中で感じたことをコラムにして紹介しています』

というもの。

五月号は、日薬理事の木俣さんによる、「求む情報開示!!」です。

 東日本大震災後一年の今年三月十一日(日)、モンテカルロバレエ団チャリティイベント「シンデレラ」を観に行ってきました。

 冒頭モナコ公国大公アルベール二世と団長マイヨーさんのメッセージが伝えられました。「決して忘れてはならない大震災ですが、人間が自然を支配できるというおごりを謙虚に見直す必要があるという警告だと思います。大きな悲しみの中で威厳と冷静さをもって復興にあたる日本人に期待と称賛を贈ります」。

 しかし最近は、忌まわしい災害からの復興速度の遅さと悪さ、そしてリーダーシップ不在ばかりが目につきます。東京電力福島第一原子力発電所事故は天災というよりも人災てあったという印象が強いです。先日福島の方に話を聴きましたら、当初福島原発建設用地は現在より30m以上高いところでした。津波のリスクも伝えたのに、国も東電も警告を無視、平らにして建設しました。

 SPEEDIというモニタリングポイントでの放射性物質の拡散状態チェックシステムも、震災後公表されたのが十二日後だったのです。まさに「依らしむべし知らしむべからず」の大本営発表と何も変わっていません。

 TPP問題にしても、世界に冠たる日本の医療保険制度に制度後進国であるアメリカが異を唱え、貴重な制度資本を営利が得たいがために浸食しようとしている提案書を突きつけているのです。その内容もいち早く開示し議論すべきです。

 戦争も福島原発も、すべて情報開示がなされていないことが悲劇を大きくしています! 徹底した情報開示を政府に強く求めます。

  ☆

と、まあ、こういうコラムです。

実に正論です。

そうですよね、情報公開は大事ですよね。

国なら国民に情報公開。

会なら会員に情報公開。

情報公開が、とてもとても大事だということが書いてあるコラムです。

で、このコラムを日本薬剤師会の理事さんが書いたことを受けて、

コラムの後半の内容を、ちょこっとかえてみる遊びをしてみます。

  ☆

 東日本大震災後一年の今年三月十一日(日)、モンテカルロバレエ団チャリティイベント「シンデレラ」を観に行ってきました。

 冒頭モナコ公国大公アルベール二世と団長マイヨーさんのメッセージが伝えられました。「決して忘れてはならない大震災ですが、人間が自然を支配できるというおごりを謙虚に見直す必要があるという警告だと思います。大きな悲しみの中で威厳と冷静さをもって復興にあたる日本人に期待と称賛を贈ります」。

 しかし最近は、忌まわしい災害からの復興速度の遅さと悪さ、そしてリーダーシップ不在ばかりが目につきます。東京電力福島第一原子力発電所事故は天災というよりも人災てあったという印象が強いです。先日福島の方に話を聴きましたら、当初福島原発建設用地は現在より30m以上高いところでした。津波のリスクも伝えたのに、国も東電も警告を無視、平らにして建設しました。

 日本薬剤師会が建設を予定している日薬会館(仮称)は、総会の会場経費が馬鹿にならないからという理由で、総会が行える規模の大ホールを完備する予定でした。維持費や借金・少ない使用頻度などのリスクも伝えたのに、日薬は警告を無視、そのうえ総会の議決と異なる建設前提を「会館建設にはもっと大きな目的があったはずである」などと語り、大ホール自体をつくらない方向で建設しようとしています。

 代議員会議事録という会員による総会運営状況のチェックシステムも、開催後公表されたのが十二週間後だったのです。特に公益社団法人としての第一回目の総会前は、各地区のブロック質問事項受付が終わった段階での公表でした。まさに「依らしむべし知らしむべからず」の大本営発表と何も変わっていません。

 日薬理事選挙にしても、世界に冠たるとでも言いたげにゴリ押しして決めた日薬定款に、制度をつくった当人である執行部の人間でもある「会長候補者」が異を唱え、理事選挙の基準すら存在しないのに、各代議員に理事候補者提案書を突き付けているのです。しかもそこに挙げられた理事候補がどのようにして立候補できたのかも不明です。その内容も、いち早く開示し議論すべきです。

 戦争も福島原発も日薬の運営も、すべて情報開示がなされていないことが悲劇を大きくしています! 徹底した情報開示を日本薬剤師会に強く求めます。

  ☆

 えーと…。民主党体質な役員が多いだけあって、ほぼそのまんま、政府を日薬と入れ替えてみても、通用するコラムになりましたとさ。

 今月の日薬雑誌の「日薬総会の告知」には、「定款の一部を変更する」とか「役員報酬をぐぐんと上げる」とか「会費を決定する」とか、会員にとって重要だと思える議案が並んでいるわけですが、その内容についても、 ぜーんぜん情報公開されていません。

 児玉さんが言っている「会館建設の、経費削減以外の、もっと大きな目的」とやらが何の事だか説明できる人がこの世に存在するとは思えませんが、隠していないで、さっさと情報公開してみたらいいんじゃないでしょうか。

 代議員会議事録も、 テープ起こしだけならもっと短期間で掲載できる気がしますが、厚労省の作文議事録同様に「だ、である調」etcに書きなおしているわけですから、すでに1.5次情報。

 そういえば、公益社団法人日本薬剤師会の定款には、その目的等に賛同することが入会の資格であると書いてありますし、会員は定款の内容を守るように努めなさいと書いてありますが、会員に対して、「このたび目的が変わりましたが、この目的であっても会員になりたいですか?」と訊いてないですよね。

 しらないうちに、同じ名前で目的が違う会社の社員になっていたわけですけれど。そこも情報公開していないよーな。

 日薬職員の人事異動情報は、会員に開示されていますか?

 理事者による質疑が載っていた日薬の{理事会}議事録が、このところ急に日薬雑誌に掲載されなくなったのは、情報開示ですか? 隠蔽ですか?

 日薬の理事選挙の立候補方法は、会員に情報開示されていますか?

 理事候補リストに掲載されている方たちって、よーするに、新定款をよく読んでなくて、児玉さんのお誘いに乗って、総会の代議員さんたちが認めた会長候補をそのまんま理事会で指名することを条件として、理事候補リストにのっかった方々なんですかね? それとも、あれこれ言いくるめられて、騙されて、理事候補リストに載ったんですかね? 会員のみなさんは「末端会員にはわかりませんよー。てへぺろっ」といった具合に波風立てないようにしていますけれど、内心では「不思議だなー。どーなってんだろーなー」と、知りたい気分でいっぱいだと思いますけれど。そういう情報公開はどうですか? すくなくとも、政府に対して徹底的な情報公開を求めた木俣理事ですから、自分が関わっているのに情報公開されていないことに対しては、徹底的な情報公開をすることに大賛成でしょうし、自分から公開するくらいの徹底をしてくれるのかもしれません。期待しましょう♪

 で、リスクを伝えたのに無視することに対しても、コラムでは抗議していますから、リスクを伝えたのに無視するようなマネをするリーダーに従うようなこともないでしょう。過去の議事録を読めば、代議員がリスクを伝えたのに無視した事例がいっぱい載ってます。

 そう考えると、こんな誰がつくったのかわからないよーなリストに載ったことで「理事候補だ」と言うような恥ずかしい真似をせずに、情報公開も兼ねて、「リストとは無関係に自ら立候補する」という行動によって、どのような仕組みでどんな人がどういう理念を掲げて立候補するのかを、率先して明らかにしてほしいものです。

 木俣さんなら、できるでしょう。木俣さんと同じ愛知の方々も、木俣さんのコラムに共感できるのなら、同じように行動できるでしょう。情報を開示しつつ、正々堂々と立候補。とてもカッコイイです。

 名前のリストだけ提示して、候補たちの立候補趣意書が存在しないような、理事選挙ですからね。(別紙って見てないのですけれど、略歴以外に、何かやりたいこととか、書いてありますか?)

 これで代議員に「さあ、この人たちの誰が理事にふさわしいのか、議決してください」なんて言っているようですけれど、フツーに考えて、それは無理ってもんです。実は「薬剤師の誇りを捨てさせるのが目的」とか「薬剤師の質を下げるのが目的」なんていう、定款の目的に反した主張の持ち主かもしれませんよ。(その程度の情報です、これ)

 ルールが大事といえば、薬担規則を全部言えることで有名なタイゾー先生とか、リストに載っているけれど、その主義主張からすれば、明らかに、「こんなルール破りに加担できるかー! こっちはルールに沿って、マトモに出馬するわーっ! ぐははははっ(←誇張あり)と自分で自律的に言うべき方は、どうするのでしょうね。さっさと謎のリストから外してもらって、正規の立候補をすべきだと思いますけれどね。(どーすれば正規の立候補になるのかは知りませんけど)

 医療専門職は、「誠実原則」を基本にしている人たち。

 つまり、「真実を告げる、うそを言わない、あるいは他者をだまさない義務」を、守っていることを前提にして信頼されているわけです。

 国家を代表する職能団体の役人の方々には、せめて、最後の「あるいは、他社を騙さない義務」だけでも、守ってほしいと願うのは、よくばりな願いなのでしょうか?

 新定款の第10条には、こうあります。

『会員が次のいずれかに該当するときは、理事会の決議により当該会員を除名することができる。ただし、正会員の除名については、総会の決議を経なければならない。

(1)この定款に定める事項及び第5章に規定する総会の決定事項(第15条(6)定款の変更)を遵守する義務を履行しないとき

(2)薬剤師としての倫理に違反し、会員としての名誉又は本会の名誉を棄損したとき

 「総会の決定事項である新定款を遵守する義務を履行しない」か、「薬剤師としての倫理(薬剤師倫理規定)に違反し、会員としての名誉も日本薬剤師会の名誉も棄損している」状態を是とするような正会員は、総会の決議によって除名。正会員でなければ、理事会の決議によって除名。

 そういうルールをつくった方々ですから、当然、総会の開催日前日の1週間前までに理事候補者リストを撤回しない場合は、このまま全員、除名ってことでいいんですよね?

 筆者はこの定款はダメダメだと書き続けていますけれど、この定款が良いといって、この定款に賛成して、この定款のルールに従うのだと言っている方々ですから、それはそれは、もう、すぐにでも、自ら除名されるように、定款に基づいて、総会にて弁明する機会を与えてもらったとしても『弁明するまでもなく除名でよいと考えます』と話してくれることでしょう。

第10条 2 前項の規定により正会員を除名しようとするときは、その総会の開催日の1週間前までに、当該正会員に対してその旨を通知し、かつ当該総会において弁明の機会を与えなければならない。

 「正会員を除名をするかどうか」を総会に諮ることができるのは理事者だけです。

 理事者自身が、除名に値するような行為を決して行わないという保証はありませんが、理事者の誰かが除名に値する行為を行った場合は粛々と除名にする手続きを弁明も含めてとり行うのが、理事者のお仕事。

 そんな理事者の候補全員が、除名に値するようなことを最初からしているとして、代議員のみなさんは、そんな理事会って、お好きなんですか? マトモな理事者候補の方は、少し考えなおしたりはしないのでしょうか?

(会員の義務)
第8条 会員は薬剤師の倫理を尊重し、社会の信頼と尊敬を得るように努めなければならない。
2 会員は、この定款に定める事項及び第5章に規定する総会の決定事項を遵守する義務を負う。

 ※なお、この件は、薬剤師倫理規定では第二条(自律と良心の否定)・第三条(法規等=定款に違反)・第四条(先人の業績である新定款の否定)・第八条(薬剤師間相互協調の前提となる自由な立候補の排除)・第十条(品位と信用を損ない、信義にもとる行為)といった条文に()内の理由で違反しているうえ、第六条で示される情報提供による適切で十分な説明も行われていないことから、薬剤師の基本的な倫理であると日薬自らが制定した薬剤師倫理規定を尊重しているとは思えない行為です。

 謎の理事者候補リストに名前のある方々が、はやく「洗脳」からとけて、薬剤師としての誠実さで、自律した行動をとれるようになることを祈って、まとめして、ちょっとオカルトちっくに、魔法の呪文を唱えておきます。

 「ラミパスラミパス ルルルル~☆」

  ☆

【おまけ】

 そういえば。

 議事の議案に、どうも、足りないものがあるようなんですよ。

 「公益社団法人」として、「新定款に基づいて、今後の会務を行うのだとしたら、【改めておかなければならない】こと」が、抜けているんですよ。

 なんだか、わかりますか?

 ヒント:新定款の第六条2項

 もう、おわかりですね。

 (定款の第六条第二項を読みましたか?)

 「各県を代表する」代議員の皆さんなら、もう、おわかりですね?

 超ヒント:新定款の第四十三条

 第43条 本会は、理事会の決議により、都道府県薬剤師会を協力団体とすることができる。

 ほら、大事でしょう?

 ここ、変えなきゃ、ダメですよー。

 え、大事じゃないんですか?

 「どこが協力団体なのか」を「誰が決めるのか」は、とてもとても大事だと思いますけれど。

 これ、「本会は、総会の決議により、協力団体を定めることができる」に、変えなくても、いいんですかね?

 いえ、常識的に考えてもいいのなら、総会で選出した理事の方々が決めればいいんですけれどね。

 常識で考えないようにすると、会長の奴隷だけの理事会が、貴方の所属する都道府県薬剤師会を、協力団体として認めないことだってありえますからね。 

新定款 第6条 正会員になろうとする者は、入会申込書を提出し、理事会の承認を得なければならない。入会手続きは総会において別に定める。
2 正会員は、本会が承認した都道府県薬剤師会の会員である者とし、同時に、都道府県薬剤師会の会員は本会の会員となることとする。

 あの県薬の代議員がうるさいから、協力団体として認めない→正会員資格を失う、のコンボ。いわゆる、人質政策ですね。代議員さんたちが委縮しちゃって、理事に正論を言えなくなる展開が待っているかもしれません。お前の質問のせいでうちの県が日薬の協力団体から外されちゃったよ、年金の継続が止まっちゃったよ、どうしてくれるんだ! とか、功績のあった尊敬する先輩方に、責められちゃう展開ですよ。あー、めんどくさーい。(どーみても共益な年金ですけど、これを事業に加えろというのが今回の「定款の一部変更の件」なのですから、アタマイタイ。お役人さんに公益だと認めてもらうことって、そういうことじゃないでしょーに。あ、年金を事業化するという今回の議案に反対して、年金を切り離せば、人質政策は関係なくなって、むしろ気楽かも???)

 しかも協力団体は「都道府県薬剤師会」限定ですから、病院薬剤師会をはじめとした各種の職域団体とは「協力」しない模様。もっとも、ここでいう「協力」って、「俺様の手下になりやがれ。そして俺様のやるべき仕事を肩代わりしろ」ってことですから、理事会や総会で指定されたからといって、職域団体側がOKするとは思えませんけれどね。

  ☆

なお、今回のネタは、日薬連盟だより第26号の4ページ目の「POWER!」欄に、「本当の敵は・・・・・・無関心!!」と大きく書いてあったので、それなら日薬連盟だよりのコラムに無関心なのも敵認定されてしまうのかもしれないと考えて、無関心じゃないですよー、敵じゃないですよー、という、筆者のヘタレな姿勢を示すもの・・・かもしれません(笑)。

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公益法人の日薬の役員の決め方がおかしい件。

今回は、ルールの問題。

「自らが決めたルールを守ることができない、いい年したダメなオトナたち」という、とてもシンプルな話。

  ☆

公益社団法人の日本薬剤師会の、理事選任を行う、総会の開催が近づいてまいりました。

ここでは、一部を除いて会員の選挙で選ばれているわけではない代議員さんたちが、日薬の役員である「理事」さんを選びます。

日薬の定款には、いろいろなルールが書いてあります。

http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2012/04/1204_teikan.pdf

当然、そのルールに従って、役員は選ばれるはずです。

まずは、総会のルールを、定款で確認しましょう。

(権限)
第15条 総会は、次に掲げる事項について決議する。
(1)正会員の除名及び代議員の除名
(2)理事及び監事の選任又は解任
(3)理事及び監事の報酬等の総額及びその支給の基準
(4)事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類の承認
(5)貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)並びにこれらの附属明細書の承認
(6)定款の変更
(7)会員規程及び会費規程の制定及び改廃
(8)解散及び残余財産の処分
(9)その他総会において決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項

総会でできることは、以上です。

選任の方法は、非公開です。

理事の立候補のルールは、ありません。

よくわかりませんが、世界の隅っこの穴にでも「ワシは理事に立候補するぞい」と呟けば、不思議パワーで受理されるのでしょうかね。

もう、この一点だけでも、定款不備なわけですが…。

定款で

第4章代議員
(代議員の選出)
第12 条 本会は、代議員をもって法人法上の社員とする。

代議員は正会員の中から選ばれることを要する。正会員は前項の代議員選挙に立候補することができる。ただし、代議員は本会の役員を兼ねることはできない

5 第3項の代議員選挙において、正会員は他の正会員と等しく代議員を選挙する権利を有する。理事又は理事会は、代議員を選出することはできない

と書いてありますから、代議員は、正会員限定です。

でも、理事者の規程には、理事者が正会員でなければならないという項目はありません

理事者は正会員でなくてもいいの?と。

公益社団法人ですから、外部理事を入れるケースも想定できます。

それならそれで、理事は代議員による選挙で決まりますから、正会員以外が理事に立候補する際のルールが必要です。そんなルールは今のところありませんから、正会員ではない外部理事を入れる気はないわけですよね。つまり、、今のところ、少なくとも今回の理事選挙に関しては、「日薬の正会員のみで理事選挙を行う」ということになります。

会長・副会長・専務理事・常務理事・理事。全員が、日薬の正会員。つまり「薬剤師」。

ここが、基本になります。

今回は、薬剤師以外の役員は、ひとりとして認めない。そういうことです。

それ以外の、立候補資格や、立候補の方法については、さっぱりわかりません。

(役員の選任等)
第27 条理事及び監事の選任は、総会の決議によって行う。
2 会長、副会長、専務理事及び常務理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。
3 前項の会長は、総会の決議によって推薦のあった会長候補者の中から選定することができる。

4 理事のうち、理事のいずれか1名と、その配偶者又は三親等内の親族、その他法令で定める特別の関係のある者の理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。
5 監事には、理事(親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び使用人が含まれてはならない。また、各監事は、相互に親族その他特殊な関係があってはならない。
6 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものは除く。)の理事又は使用人である者、その他これに準ずる相互に密接な関係にある理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。監事においても同様とする。

理事の選任は、「総会の決議によって行う」(第27条第一項)としか、書いてありません。

定款をみてのとおり、まず、「理事」でなければ、会長・副会長・専務理事・常務理事にはなれません。代議員による投票(理事選挙)にて、理事として当選することが絶対条件です。総会の決議によって「推薦」があった会長候補者が何名いようとも、彼らが理事に当選しなければ、もっと言えば理事選挙に立候補しなければ、推薦は無効です。それは推薦者が1名であったとしても、同じことです。

「生徒会長を生徒会役員の中から互選で選ぶ」ときには、どんなに強い推薦状を持った学生がいたとしても、生徒会役員に立候補すらしなければ、会長にはなれないのです。絶対的センターとされるアイドルだって、総選挙に出なければ、センターにはなれないのです。これは全国民が知っているレベルの基本です。

なお、現在「会長候補者のひとり」として二月の総会で選ばれた児玉さんですが、あくまでも現在は「会長候補のひとり」でしかありません

ついでに言うと、現在の「会長候補者のひとり」の選定は、公益社団法人としての、『正式な選挙の結果選ばれた代議員』による決議ではありません。公益社団法人移行前の代議員による勇み足です。

もっと言えば、公益社団法人移行前の代議員は、二月の総会において、【公益社団法人移行後の定款によれば】「総会の決議」が必要である「総会が推薦する会長候補者の選定」の際に、「反対者を起立させる」という方式を採用しました。これは定款における「決議」の定義に反します。(後述)

正しい「決議」をせずに、「総会が推薦する会長候補者を決議によって選定しました」などと、よく言えたものだと感じますが・・・・・・・・代議員さんたち、今の話、通じてます? みなさん、ちゃんと、新しい定款を読んだんですよね?

いいですか?

総会でできるのは、「理事を決める」ことと、「会長として推薦する人たちを選定する」ことなんですよ。

二月の総会の議案に、書いてありますよね。

『【議案第10号】 公益社団法人日本薬剤師会会長候補者選挙の件』と。

「会長選挙の件」じゃないんですよ。

「会長候補者選挙の件」ですからね。

この違い、わかってましたか?

議事録を読むと、小野議長も、児玉さんも、全然わかってないようですけど。

  ☆

小野議長 議案第10号会長候補者選挙の件を表決する。本日、岩本研代議員から申し入れのように起立をもって、議決を決める。会長候補者選挙について、候補者である児玉孝代議員を当選者とすることに反対の方の起立を求める。

 (反対者 起立)

小野議長 賛成多数と認める。よって、議案第10号公益社団法人日本薬剤師会会長候補者選挙の件は、児玉孝会長が当選された。

 (拍手)

小野議長 選挙施行細則の規定により、議長から当選状を交付する。

 (拍手)

小野議長 児玉孝会長候補者当選の挨拶をお願いする。

児玉会長 全国を代表する代議員の皆様から当選状をいただいた。非常に重く受け止めている。反対も賛成も大変大事なことはよく承知している。しっかりと受け止めて、オール薬剤師と会員のための軸はぶれることなく、この2年間を努めていきたいと思っている。よろしくお願い申し上げる。

 (拍手)

  ☆

小野議長の間違えっぷりは、些細なことなんだか大事なことなんだか…。

1.児玉孝さんは「代議員」ではありません。

2.児玉孝さんは現会長ですが、公益社団法人における会長には当選していません。

3.従って、当選状は交付できません。(それとも、「会長候補者」の当選状ってあるんですかね? 『貴方が総会推薦会長候補者のひとりに当選したことを認めます』みたいな)

4.「会長候補者」に当選のあいさつをさせるということは、それが複数でるケースにおいても挨拶をさせるということでしょうか。

挨拶をする児玉さんも、まだ理事会決議もなく、理事者すら決まっていないにもかかわらず、「2年間を努めていきたい」と、コメント。

オリンピックの代表「候補」者になった時点で「金メダルとります」と、意気込みを語ってくれたというところでしょうか。

比較のために、平成22年2月の会長選挙の際の議案を探してみると、議事録には、『議案6号 会長選挙の件』と書いてありました。

「候補」って、書いてないですよね。

今年2月の選任は、あくまでも、『総会が推薦する会長候補』を選ぶ場であったことが確認できると思います。

理事が、理事会で、互選によって選ぶのが基本です。理事者の中から、総会推薦候補者とは別の人を選ぶことも、十分に可能です。特に、今回は、正式な決議をせずに選任された候補者ですから、今後100年の正常な議事運営を考慮すれば、「推薦されても、推薦候補者の選定方法に瑕疵があった場合は無効と考え、考慮しない」という正論であたってほしいものです。

  ☆

さて、さきほど「後述」と先送りした「決議」についてです。

理事立候補の方法はわかりませんが、理事立候補者選任の決議の方式は決まっています。

(決議)
第22 条

 総会の決議は、総代議員の議決権の過半数を有する代議員が出席し、出席した当該代議員の議決権の過半数をもって行う。

2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、総代議員の半数以上であって、総代議員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
(1)正会員の除名及び代議員の除名
(2)監事の解任
(3)定款の変更
(4)解散
(5)その他法令で定められた事項

理事又は監事を選任する議案を決議するに際しては、候補者ごとに第1項の決議を行わなければならない。理事又は監事の候補者の合計数が第26 条第1項に定める定数を上回る場合には、過半数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数の枠に達するまでの者を選任することとする。

つまり、ひとりひとりの理事候補に対して、ひとり一回ずつ、選任するかどうかを諮るわけです。

「決議」ですからね。

「過半数の賛成」があるかどうか、きっちり人数を確認していき、理事候補者を、獲得賛成票の多い順に採用していき、最終的には最大30名まで選任可能…ということです。

理事の最少人数は20名ですから、少なくとも20回は、起立or着席。

「得票数」が関係しますから、「挙手」は不可ですし、起立した数をきっちり数える必要があります。「過半数の賛成」を得た候補者の中から、という記載がありますので、「反対者起立」によるカウントは無効です。(反対しない人は賛成である、とはなりません。これ、基礎の基礎)

うわー、時間かかりそー。

150人近い代議員の起立を数えるのですから、日本野鳥の会のみなさんでも呼んできたほうが良さそうです。日薬会館(仮称)の大ホールで総会を行えるようになったら、まっさきに、電子投票システムを導入しないと大変です。

もちろん、そういうシステムであることは、定款をつくって承認した方々は、承知のことと思いますので、30回以上も立ち座りを繰り返した結果として腰痛が悪化したり筋肉痛や軽い貧血状態になったりといった事態も想定しているものと思います。代議員さんは、体力勝負だったんですね。1候補に対して起立から数え終わりまでで1分程度としても、20~30分間続きます。がんばれ、代議員さんたち!

  ☆

あ、そーいえば。

理事の立候補方法が分からないのに、なにやら、「総会推薦の会長候補者のひとり」でしかない児玉さんが、理事候補の推薦をはじめたとのこと。

とりあえず、薬事日報さんによれば、六月からは、「専務理事候補」を勝手に会長付きにしているご様子。

「総会推薦の会長候補者のひとり」が、「現在暫定的に会長職をやっている」からといって、なにやってるんでしょうね。

薬事日報さんによれば、児玉さんが専務理事候補として考えているという方は、北海道大学農学部出身の方で、薬学部出身ではないようですが、外部理事を想定していない今回の理事者選挙の前提となるはずの「日薬正会員」ではないのなら、当然、理事にはなれませんし、専務理事にもなれません。

また、「会長候補者のひとり」が、理事候補者リストを代議員に送りつけるらしいときこえてきますが、そのなかで、『この人は副会長』『この人は常務理事』なんて役職を勝手につけているとの噂もあり。(どーも医薬経済社のニュースはイマイチ信用してない筆者)

まさか噂どおりに「三浦副会長」みたいな「理事候補者に役職を約束して立候補させる」と宣言する内容を代議員会に出したりは、さすがにしないと思いますが…。過去の行状から考えると、絶対にしないとは言い切れないのが怖いです。まわりのアタマいい人たちが、なんとか止めてくれることを祈ります。

まだ理事会で会長に選任されたわけでもなく、ましてや自身が理事に当選したわけでもない段階で、内閣総理大臣か何かのごとくに組閣に御熱心になるなんて、自分たちで決めた定款を、自分で蔑ろにする行為ですからね。

過去の代議員会で、あれほど「この定款でいいんじゃー! 何が問題なんじゃー! わしには全くわからんーっ! このまま通すーっ!」くらいの勢いでギャーギャー言ってた方たちが、それほどまでして通した定款を守らないという、呆れたお話。

そんな定款を通した代議員の方たちが、理事選挙について『会長「候補」者が理事候補を決めるのが当たり前』なんていうバカ丸出しの勘違いを許したままにしているのも不思議。

そして、定款担当役員の曽布川さんは、ここまで自分の仕事を馬鹿にされて、なんとも思わないんですかねー?

  ☆

さて、そんなこんなな状況なのですが、次の代議員会までを、現在代議員として活動している方々が、ぽけーっと見守るなんてことはないと信じたいです。

ものすごく逃げ腰で、児玉さんに足を向けて寝られないとか児玉さんを見ただけでガクガクふるえちゃうとか、そういうある種の病気にでもかかっていない限りは、代議員の基本的な役割である「理事の選出」を、真剣に考えていただきたいわけですよ。(ここで挙げたような病気にかかっているのなら、おからだのためにも、代議員なんかすぐに辞任したほうがよろしいかと。辞任はいつでもできると定款に書いてありますし)

代議員会議事録によれば、一部では、「ブロック理事を廃止するのか!」みたいなことを質問している方もいましたけれど、別に、地方の代表っぽい主張をする理事候補を、その地方がどんどん立候補させればいいだけのことです。各県が二人ずつくらい立候補者を出せば、ほら、かーんたん。自分の県の代表者の投票の際に起立してもらえないことを考えたら、まあ、ほんの少しの打ち合わせだけで、特に言葉を交わしたり書面の談合をしたりしなくても、それなりに票が入るんじゃないですかね。

こーゆーブロック理事当選用シフトって、児玉さんの地元の大阪周辺は参加してくれないかもしれませんが、地方にとってはとっても大事な話ですので、案外、やってみれば、それなりの理事が受かるんじゃないですかね。すでに日薬連盟の理事になっている方には投票しない、というカンタンな手法だけで、余裕で6~8人ほどの理事枠が空きますし

起立の回数はガンガン増えて行くと思いますけれど、それが、この定款の正常な運用です。

総会当日になって慌てるだけの姿勢よりは、とにかく定款に基づいて、代議員らしく、会員の意見をとりいれられるように動いていただくと、楽しくなると思いますよ~。

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東京保険医協会「ジェネリックについての緊急アンケート・詳細版」も読んでみる遊び。

今回は、「お待たせしました」という触れ込みで発表された、【詳細版】を読んでみます。

暫定版と詳細版があるのなら、

詳細版は、暫定版の内容をほぼ全て含みつつ、細かいデータや、さらなる踏み込んだ分析を行うものであると、

筆者は勝手に思っていましたが、

東京保険医協会さんの中の人の場合は、どうも、そうではなかったようです。

一言でいうと、

「詳細版のほうが、暫定版よりも、分析があっさり」。

分析というよりも、数値を読みあげているだけの記述が目立ち、添えられているコメントも、当たり障りのない感じに変更です。文章表現を、大幅にかえてきました。

暫定版における、このブログでツッコミを入れたあたりを中心に、編集でカットを入れまくったかのような報告書になっています。

詳細版の日付は2012年5月30日ですから、筆者が暫定版に関する感想etcを公開した日(同日)には、すでに、つっこまれどころに気が付いていたということでしょうか??? あまりにも見事にツッコミ部分が削除されていたり、ツッコミに対しての返答かと勘違いしてしまいそうな言葉が追加されていたりして、東京保険医協会には未来予知(ブログ記事限定)の超能力者でもいるのかと、ドキドキです。

もう「暫定版」は消えてしまいましたので、5月25日から6月1日までの短い命で訴えられた内容も一緒にさよーならー♪(このブログに、「暫定版」の引用文が残されていますので、内容をじっくり比較したい方は、そちらの記事もご覧ください)

暫定版への指摘とのシンクロ対応未来予測っぷりが面白かったので、そちら中心に、少し確認してみます。

  ☆

まずは、目的を確認しましょう。

【暫定版】でも【詳細版】でも、東京保険医協会さんの作成したポスターの関連情報として位置づけられているはずなのですが、なんのためのアンケートなのかという説明は、以下の通りでした。

【詳細版】

 【アンケートの目的】
 協会が作成した「ジェネリックは医師に相談して」ポスターに対して、ジェネリックの学会やNPO団体が患者に誤解を与えるなど非難を行っている。また、ジェネリック製薬メーカーの団体からは懇談を求められた(2012年5月11日「日本ジェネリック製薬協会」役員との懇談を実施)。さらには日経新聞が論説でこのポスターを問題視しているこれらはジェネリック使用を拡大しようとする一連の動きである。
 ジェネリックは本当に問題なく診療に取り入れられているのか。保険医協会会員はどのように考えているのか。ジェネリックの課題は何か。一般名処方の賛否はどうか。これらを解明すべく、調査を実施した。

ふむふむ。

この項目で言いたいのは、

1.(ジェネリック推進そのものには反対していないはずの)東京保険医協会のポスターを非難することは、ジェネリック使用拡大の動きである。

2.ジェネリックが東京保険医協会の会員による診療に取り入れられるにあたって、問題があれば明らかにしたい。

3.一般名処方の賛否が、東京保険医協会の会員のジェネリック推進にどう影響しているのかを明らかにしたい。

といったあたりでしょうか。

1.は、目的をあやふやにする要素がてんこもりなので、もう少し整理か必要です。

いえ、東京保険医協会さんが、「私たちの協会は、全てのジェネリックに大反対」という立場なら、「ジェネリック使用を拡大しようとする一連の動き」には反対するのが普通ですけれど、東京保険医協会さんは、そういう立場をとっていませんから。

【品質の良いジェネリックは賛成。ぜひ推進しましょう】という立場ですよね、確か。

非難している側との大きな違いは、その「品質の良い」という基準に対する考え方です。

ですから、非難の動きに対して「ジェネリックの使用を拡大しようとする一連の動き」などという陰謀説的な書き方をするのではダメです。東京保険医協会さんも、「ジェネリックの使用を拡大する」という点においては、同じ立場にあるのですから

「ジェネリックの品質に関して、現状の審査でよいとする立場」や「より品質の良いジェネリックを選択する能力があるという東京保険医協会の主張を疑問視する立場」からの意見がありましたよね…という話です。

これに対して、東京保険医協会さんは、「ジェネリックの品質に関しては、現状の審査基準ではダメだ。もっと厳しくすべきだ」と回答したわけですが、もう一点の「より品質の良いジェネリックを選択する能力があるという東京保険医協会の主張を疑問視する立場」への回答はしていません。

ポスターの作成前に会員アンケートをとった結果として「より品質の良いジェネリックを選択する能力があると、東京保険医協会の会員の多くが回答した」という事実があれば、「なるほど、それなら、ポスターの文言も、少なくとも何の根拠もなく書いてあるわけではなく、自らの自信の表れをキャッチコピーにしただけで、特に問題にならないよね」といった解釈もできそうなんですが、今回のアンケートの項目は、「特に会員に訊くこともなく、できると言っちゃったんだけれど、実際問題として、みんな、できるよね?」という調査になっています。

ポスターの件とからめたときの目的としては、【「ポスターに書いちゃったことの裏付け」が実際にあるのかどうか】の調査をしていることになるかと。

目的はそこですから、

調査結果にて「裏付けがある」となれば、胸を張ればいいし、

調査結果にて「裏付けがない」となれば、ポスターについては謝ればいいし。

執行部と一般会員の感覚のすり合わせができればそれでいいというアンケートなのだと思いますので、結果に従って、粛々と主張内容を見直せば解決です。

  ☆

青:【暫定版】

 協会は5月1日、FAXで「ジェネリック医薬品(以下、後発品)に関する緊急アンケート」を実施した。この調査は協会の開業医会員4,296人を対象に16日まで連休を挟んだ期間に実施し、1,229人(28.6%)から回答が寄せられた。

 回答者の病診別や年齢構成の分布は会員全体の構成と概ね一致していることから、回答は全体の傾向を示していると考えられる。

茶:【暫定版へのツッコミ】

 回収率は、特にツッコミません。この回収率でも十分に意見を反映しているということを認めたうえで、話をすすめます。

緑:【詳細版】

【調査方法、回収数】 今回の調査は、東京保険医協会の開業医会員でファクシミリを送付可能な4296人を対象に実施した。5月1日、アンケートを送付。5月23日までに1237人から回答が寄せられた。回収率は28.8%である。いくつかの設問では「その他」を選択した方に記載を求めた。また、薬効差がある、副作用があるなどの具体例も挙げていただいた。さらに、欄外に記載されたご意見も多数寄せられた。報告にはこれらもできる限り反映させている。 この種のアンケートとしては異例の高回答率であり、会員のこの問題に対する関心の高さをうかがわせる

 回答者の院所の形態別の構成は当会の開業医会員の院所の形態別の構成とほぼ一致している。 開業医会員全体の率は、無床診92.7%、有床診3.9%、病院3.4%である。回答者の年齢分布は、40代が3.6%多く、70歳以上が3.5%少ないのを除くと開業医会員の年齢分布と概ね一致している。 これらのことから回答は全体の傾向を示していると考えられる。

【ここのポイント】

 「異例の」とまで書く必要があるのかな、という気もします。医師のアンケート回収率が著しく低いのは、国のアンケートであっても低回答率だった「特定看護師(仮称)」関連の看護WGでも露呈しています。でも、そんなことは、一般の方には理解してもらえそうにありませんから、「異例の高回答率」というコメントは、親切な解説と考えてよさそうです。

 それだけ強調しているのですから、このアンケートの結果は、会員の総意にかなり近いという認識で、会務に取り入れていくのだと期待しちゃいます。

 また、暫定版と比較して、増加人数は「8人」です。

 ここ、大事なので、おさえてください。

 このあとのどんな結果も、暫定版と比較して「8票」以上は増えようがありません。

  ☆

>現在後発品をお使いですか?

青:【暫定版】 

 後発品を一部使用も含め使用している割合は、85%に及ぶ。2003年に保団連が実施したアンケートでは68.1%(東京の会員だけの集計)であった。実に16.9%増加している。

 逆に「ほとんど、または全く使用(処方)していない」は、28.8%から14.1%に半減した。東京でも後発品が浸透している

茶:【暫定版へのツッコミ】

 「実に」と言うほどの結果ではないので、気持ちを込めすぎな分析です。

緑:【詳細版】

 一部使用も含めると、後発品を使用している割合は85.2%に及ぶ。2003 年に保団連が実施した同じアンケートの東京の会員の回答では、68.1%であった。17.1%増加した。東京でも普及が進んでいる。反対に「ほとんど、または全く使用しない」は28.8%から14%に半減した。

【ここのポイント】

 淡々と、「17.1%増加した」という記述に。

 「実に」の16.9%から、更に0.2%増えたのに「実に」は抜けています。

 「2003年に実施された」という全国保険医団体連合会の「同じアンケート」を探したのですが、全国保険医団体連合会のホームページには掲載されていないようです。わざわざ「同じアンケート」という記載が増えたのですが、当時も一般名処方についての設問などがあったのなら、【詳細版】では、それら2003年の結果との比較もしてほしかったところです。

  ☆

【暫定版】

 使用しない理由では、「薬効に信頼が持てない」、「副作用の発現」、「先発品で足りる」、「名前に違和感」が多い

 また、未使用者の76.1%が今後も使用しないとしている。全体に対しての率は10.9%である。

【暫定版へのツッコミ】

 「医師が選んだ安心な後発品を」というポスターの主張にも賛同しない医師が15%(14.1%ですが切り上げ表記します)ほどいることが明確化したわけです。

【詳細版】

 問7で現在後発品を「ほとんど、または全く使用(処方)していない」と回答した方に対して、後発品を使用しない理由を尋ねた。

 「薬効に信頼がもてない」、「副作用の発現、安全性に対する危惧がある」が群を抜いて多く、次いで「先発品を使用していて不自由がない」が続く。「名前に違和感がある、名前を覚えられない」もあった。

 問7で現在後発品を「ほとんど、または全く使用(処方)していない」と回答した方のうち、「今後も使用しない」というコアな回答が75.1%ある。「使用する予定」は2.3%に留まっている。

 後発品をほとんど・全く使用しない会員にとって、後発品は信頼できないという思いが強いことがうかがえる。

【ここのポイント】

 『ポスターに賛同していない医師の「今後も使用しない」という意見は、「コアな回答」である』という分析です。

 この場合の「コアな回答」って、どーゆー意味なんだかわかりません。一般的な使い方を探してググってみましたが、意味合いが様々だったので、発言者次第で意味が変わる言葉ということで。

 「こいつらは、我々執行部とは違う種類だから」と言いたいのか、「この方たちは、まさしく我々執行部が思っている核心的な意見を代表しているのだ」と言いたいのか、どっちなんでしょう。

 「品質の良いジェネリックなら推進したい」という東京保険医協会さんの主張からすると、「品質が良いジェネリックがあろうが関係なく推進したくない」という主張を、今後どう取り扱っていくのかを明らかにできると、説得力が増すのですが…。

  ☆

【暫定版】

 後発品は専ら経済的な理由で使われている。「患者負担を軽減するため」、「患者から求められる」、「日本の医療費を抑えたい」という回答が上位で、「効能、効果が先発品と同等」は2割を切り「安全で信頼できる」は2.3%しかない

【暫定版へのツッコミ】

 【「日本の医療費を抑えたい」という回答が上位で】なんて書いてありますが、それ、29%です。後発品を使用している医師のうち70%は、日本の医療費の抑制と後発品は無関係だと考えているのか、医療費抑制に興味がないのか。

 ものすごく好意的に考えても、【後発品の相談をした場合、89%の確率で、安全で信頼できる処方を書いてもらえないらしい】という結論

【詳細版】

 問7で後発品を処方していると回答した方に対して、使用理由を尋ねた。 「患者の薬剤負担が軽減される」「患者さんから要望があった」が多数を占め後発品は経済的な理由から使われている事が明瞭になった。医療機関も患者の負担を配慮して後発品を使い、患者からも負担が安くなるとの思いから求められる。「日本の医療費を抑えたい」という回答もあった。一方、「効能、効果が先発品と同等と思う」は、2割を切っている。

【ここのポイント】

 詳細版は、まず、「後発品は経済的な理由から使われている事が明瞭になった」と結論付けています。ここで「経済的な理由」とまとめられていることには、違和感があります。想定される「経済的な理由」は、『国家経済』『医療機関の経営』『患者の支払い能力』といったものがありますが、アンケートで多数を占めたという項目からは、それらのうちで『患者の支払い能力』が理由であると判断できそうです。詳細版では、【暫定版】にあった「日本の医療費を抑えたいという回答が上位」という文言が抜けていて、「患者の負担軽減」という点が、より強調されています。

 「患者の負担軽減のためならば、安全性に信頼がおけなくても、後発品を処方している」という点が強調されたわけですが、これでは東京保険医協会さんが主張する「私たちは、安全で信頼できる後発品を選びます」というのとは話が違うわけで…。

 安全で信頼できることを最優先にしているからこそ、患者から何を言われようが後発品は処方しない・後発okの処方せんもださない…という、筋の通った活動をして「いない」のが実態なら、『安くなりますよ』としか説明しないよーな薬剤師と、後発品へのスタンスは、似たりよったりなわけで…。ごにょごにょ。

 抜けといえば。

 もうひとつ抜けているのが、「安全で信頼できる、は2.3%しかない」という文言です。「安全で信頼できる」の数字は、東京保険医協会さんの主張を補完する、とてもとても大事な数字なのですが、すっかり分析から抜け落ちてしまっています。この回答の数値がとっても高かったら、東京保険医協会さんの主張する「医師は安全で信頼できる後発品を使用する能力がある」という話に対して、所属する会員さんたちも同様に考えているということで理解できるのですけれど。

 数値がとっても低いということは、所属会員の考えと会の主張が大きく乖離しているということで、主張の最も大事な部分の担保ができないわけですが……だからといって、分析においてスルーするのでは、アンケートの目的に反しませんか? まさしく、この部分を明らかにするために行ったアンケートだと思うのですが。

 また、【詳細版】には、「その他」の回答がずらりとならんでいるのですが、『保険者から目をつけられるのが恐ろしいから』のように、医療機関側の経営運営上の問題について書いている方もいる一方、東京保険医協会さんが主張するような、後発品の特徴をうまく使いこなしている方もいます。

 「いやいやながら使っている」医師と、「上手く使いこなしている」医師と。

 東京保険医協会さんの目指す「会員」は、「上手く使いこなす」会員ですよね?

 それなら、「その他」の回答内に、「問題の解決策」はあります。

 使いこなしている会員の智慧を、吸収することです。

(※この部分の「その他」の回答を眺めていると、とても面白いのですが、医師側が処方せんの書き方を理解していないことに起因する薬局への文句は、さっさと誤解をといておいたほうがよさそうです…)

  ☆

【暫定版】

 実際に後発品を使用した感触は、「先発品と変わりがない」は19.3%で、「薬効が劣るものがある」45.8%、「副作用の頻度が高いものがある」11.4%、「心理的に不安」42.9%、「薬効や副作用の面以外の不満」31.1%である。何らかの不満を訴える回答が多い

【暫定版へのツッコミ】

 何らかの不満を訴える回答が多いという結論は、ひどすぎです。

 もともと、何らかの不満を訴える選択肢しか用意されていません

 最大級のプラス評価が「先発品とかわりない」レベル。

【詳細版】

 実際に後発品を使用した感触では、「先発品と変わりがない」は19.4%で、他は不満を示す回答である。「薬効が劣るものがある」「副作用の頻度が高いものがある」「心理的に不安」「薬効や副作用の面以外の不満」である。

 経済的理由から使用しているが、満足できているわけではないという実情が見て取れる。

【ここのポイント】

 この設問だけでは、「経済的理由」との関連は、全くわからないはずですから、【詳細版】の追加コメントは、前段の結論である『後発品は経済的な理由から使われている事が明瞭になった』をベースにしているコメントのようです。

 「患者の負担軽減のためならば、安全性に信頼がおけなくても、後発品を処方している」という点を、さらに強調したことになります。

  ☆

【暫定版】

 薬効や副作用以外の不満では、「情報提供の不足」、「薬の名前」、「MRの訪問が少ない」が多い。情報の不足は、「MRの訪問」、「研究会の開催が不十分」も含めるとのべ1159人(回答者の94.3%)が挙げている。よく知らない薬を処方することへの強い抵抗が示された。

 また、「分割するときれいに割れず粉々になってしまう」、「点眼しにくい瓶に入っている点眼薬」、「錠径が大きい」といった細かな工夫を欠いているという指摘も寄せられた。

【暫定版へのツッコミ】

 複数回答の質問に対して、のべ数で話をすすめるというのも、あほらしい

 「勝手な分割の防止」「過剰点眼防止」「紛失防止」といった用途に使える製剤があってよかったな~と思えば不満になるはずもない

【詳細版】

 「情報提供の不足」、「薬の名前」、「MRの訪問が少ない」、が多い。情報の不足はMRの訪問、研究会の開催が不十分も含めるとのべ1240 人が挙げている。よく知らない薬を処方することへの強い抵抗が示された。

【ここのポイント】

 暫定版では項目タイトルにまで書いていた「1159人(94%)」の文字が消滅。

 「のべ1240人」という数字に変わっています。

 1237人のアンケートで、1240人を「のべ」人数なのに%表記したら、「100%をこえる」ことに気付いたのでしょうか? 堂々と、【1240人(100.24%)が「情報の不足」を指摘】と書いてあったら、数字に疎い担当者にアンケート分析を押し付けるなという声が聞こえてきたかもしれませんので、まずは、めでたし。

 で、ここで挙げられた項目で「情報の不足」というカテゴリに入るのは、解説によれば「情報提供の不足」「MRの訪問」「研究会の開催」の三つということでよろしいでしょうか。

 三つですよね。

 詳細版の数値を足してみます。

 情報提供:635

 MRの訪問:377

 研究会:228

 635+377+228=1240。ぴったりです。

 うん、三つで、いいようです。

 暫定版は、「のべ1159人」と書いてありました。

 三つを足すと、594+351+214=1159。

 全体が1229で、そのうち1159なので、94.3%。

 これも、間違いなさそうです。

 暫定版から、詳細版までの間に、回答者は「8人」増加しました。

 暫定版1229、詳細版1237。

 三つの項目すべてに「8人」が投票した場合、のべ24人ぶん、増えます。

 1240-1159=81 > 24

 これ、どういうことなんでしょうか???

【検証】

 暫定版時の三つの項目の数値

  594 351 214

 詳細版時の三つの項目の数値

  635 377 228

 その差

   41  26  14

 いずれも、今回増加した回答者数を上回っています

 「その他」の項目の該当するものを持ってきたのかと考えて、暫定版時と詳細版時の「その他」を比較してみます。(それでも、重複する可能性があるから、ダメじゃん、という話ではありますが)

 暫定版:64

 詳細版:75

  11、増えてました。

 8人しか増えていないはずなんですが、「11人いる!」。

 これらって、どーゆーことなんでしょうか。

 もしかして、年増じゃなくて、水増(略)

  ☆

【暫定版】

 4月から始まった「一般名処方」では、「賛成」が18.9%、「反対」は58.2%である。「薬局から調剤した医薬品の報告が多くてカルテに記載するのが大変」という意見もあった。事実上、処方権を手放すことに対し賛成が少ないことはうなづける 

【暫定版へのツッコミ】

「事実上、処方権を手放すことに対し賛成が少ないことはうなづける」との分析が成り立つためには、東京保険医協会さんの会員医師の6割が、「反対だから、筋を通すために、一般名処方は一切行っていない」という実態であることを裏付けるなにかが必要なんじゃないか 

【詳細版】

 4月から始まった一般名処方、「賛成」は18.4%に留まる。

【ここのポイント】

 コメント、完全削除。

 なお、「薬局から調剤した医薬品の報告が多くてカルテに記載するのが大変」という意見ですが、一般名処方は報告の必要がなかったのに、あえて報告する制度にするようにと無茶な話を言ってきたのは…すくなくとも、薬剤師側では、ないですよ…。

 あと、一般名を「短くしろ」というコメントには、ある種の新規性を感じました。

  ☆

【暫定版】

後発品への疑問、やはり払拭できない

 患者の経済的な事情からも後発品を選択せざるを得ず後発品の使用が進んでいるが、今回のアンケートからは、「効きが劣ることがある」「副作用の発現が多い(アレルギーのある患者には処方しない)」「情報が得にくい」「供給が不安定など」、後発品の問題点が明らかになった。これら問題の改善は、後発品が信頼されるためには絶対に必要である。

 また、後発品が登場しても先発品の薬価は高く据え置かれている。薬剤費を下げるには高すぎる先発品の薬価の引き下げが必要だ。 

【暫定版へのツッコミ】

 そういうところまでカンペキにクリアできることが「薬が信頼されるためには絶対に必要」と言い切られちゃうと、信頼される薬って、どこにあるのかな

 高すぎる先発品薬価の引き下げについては、「先発品メーカーが傘下の後発品メーカーに全く同じ薬をつくらせて、先発品として販売し続ける一方で、傘下の後発品メーカーが後発品としても製造販売する」という方式があります

【詳細版】

 後発品の使用が進んでいるが、決して信頼されているわけではない事が明らかになった。今回のアンケートから、効きが劣ることがある、副作用の発現が多い(アレルギーのある患者には処方しない)、情報が得にくい、供給が不安定など、後発品の問題点が浮き彫りになった。後発品が信頼され広く活用されるためにはこれら問題の改善が絶対に必要である。

 また、今回のアンケートでは十分検討が出来なかったが、後発品が登場しても先発品の薬価が高く据え置かれている問題もある。薬剤費を下げるには高すぎる先発品の薬価の引き下げが必要だ。

【ここのポイント】

 詳細版の小項目ではあれほど強調していた「患者の経済的事情」を、まとめでは割愛。

 「医師から信用されていない」という点が強調され、後発品の問題点の改善は「医師の信頼を得るため」の手段だと定義されました。

 先発品の薬価引き下げ論については、「今回のアンケートでは十分検討が出来なかったが」という注釈がはいりました。

 では、この部分についての唯一の検討設問であり、【暫定版】では公開されていなかった設問でもある「現在の先発品の薬価に対する印象は?」という項目の結果をみてみます。

  ☆

Q6:現在の先発品の薬価に対する印象は

 高い:563 (45.5%)

 妥当だと思う:581 (47.0%)

 低い:34 (2.7%)

 N/A:59 (4.8%)

【詳細版】

 協会では「高すぎる先発品の薬価の引き下げが必要」と主張しているが、先発品薬価が妥当という意見が47.0%でトップであった。その理由までは、今回調査していない。

【ここのポイント】

 会員の意見は、「まあ、妥当じゃん。すくなくとも高すぎると言い切れるほどではないよ」といったあたりに収まりそうです。

 でも、「まとめ」では、【薬剤費を下げるには高すぎる先発品の薬価の引き下げが必要だ。】と言いきっちゃってます。

 「いろいろな先発品があるけれど、その中で、後発品が存在する先発品のうち、妥当ではない価格のものに関しては、引き下げるべきだ」ということを言いたいのか、それとも、「とにかく後発品が存在する先発品は全部高すぎるから引き下げるべきだ」なのか、それとも「後発品が存在しなくても、先発品は全部高すぎるから引き下げるべきだ」なのか…。

  ☆

暫定版との比較は、以上です。

シンクロしているようにみえますでしょうか。偶然ってスゴイ。

あとは、詳細版のみの項目の続きをみてみます。

  ☆

問13:過去5年間に先発品と比較して薬効が異なる(効きが弱い、効きすぎる)経験をしましたか

問14:過去5年間に先発品と異なる副作用や、先発品と比較して副作用の頻度が高い経験をしましたか

 このふたつの設問には、「ある」の場合の続きがあります。

→「ある」の方へ。メーカーあるいは代理店へ連絡しましたか

問13の「ある 410 → はい 63 いいえ 304」

問14の「ある 159 → はい 32 いいえ 108」

暫定版へのツッコミで

 「先発品と比較して薬効が異なる経験をした」は、38.1%
 とやらの選択肢は、どこに書いてあるのでしょうか???

と書いた設問は、ここにありました。

気になる経験を、きちんとメーカーに伝える医師が二割もいます。素晴らしいことです。

  ☆

さて、質問項目には、他にも、

問1:病院の形態

問2:先生の年齢

問3:先生の開業歴

問4:主たる診療科

問5:医薬分業は(注:おそらくは、院外処方せん発行の有無を聞いている質問だと思います)

問12:どのような領域の薬を使用していますか

といったものがありますが、これらの使いどころは、今回の分析では、「会員の構成分布と一致するか」だけなんですよね~。

ちょっとでいいから、クロス集計してほしいんですが。(暫定版でグラフ化していたことから、すでに集計内容は表計算ソフトなどに入力済みだと思いますので…)

問5で「院外処方せんの発行をしている/していない」と回答した方が、他の問ではどう答えているのか…とか。

問4での「主な診療科」が、他の問の回答に影響していないのか、とか。

問10で「後発品は安全で信頼できる」と回答した方の年齢や開業歴や診療科には、特徴があるのかどうか…とか。

せっかく「この種のアンケートとしては異例の高回答率」のデータを手に入れたのですから、もっと活用しないと損です。

  ☆

【まとめ】

 アンケートの当初の目的であったと考えられる「会員の意見が協会の主張と合致していることの証明」できなかったわけですが、今後の方針を考える上で、傾向を分析し、どの年齢層・どの診療科に対して、どのような対話をしていくと良いのかを知ると、きめ細やかな対応が実現していきそう。いまこそマーケティングです。詳細版に続く【分析版】や、結果を受けた【主張の適正化】など、このアンケートを踏まえた「続き」が楽しみです。

 「その他」の回答には、いろいろと参考になる意見があります。それらをみて、「誤解がひどいな~」という部分、「どんなふうにやっているのか知りたいな~」という部分などを丁寧に拾い上げて、適切に対応し、情報提供をしていく…ようなことを、東京保険医協会さんに求めるのは申し訳ありませんので、東京都薬剤師会あたりに丸投げしていただくと、ジェネリック推進派として知られる都薬会長のノブさんが、あれこれと検討してくれるかもしれません。御一考を。(検討しないかもしれませんが…)

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チームAとチームBの提案に、意見や質問をあえてしてみる遊び。

今回は、日薬の実施した「平成23年度 日本薬剤師会薬局実務実習担当者全国会議 報告書」を読んでみる遊びです。

報告書は、こちら。
http://nichiyaku.info/member/mkyoiku/pdf/h23_jjzenkoku.pdf

がっちりした報告なので、読み応えたっぷり。40ページもあります。

この会議では、AKB48のよーに、チームAとチームBに分かれて、チーム内で更にユニットを組んで、タスクからのテーマを基にして、なんらかの成果を出すわけです。(チームKとかチーム4とかはどうしたといわれると困るので、そこはスルーしてください←AKBに詳しくない筆者)

で。

その報告の最後に、「全体討論になると他のグループの発表に対する意見、質問がほとんどでなかったことは残念であった」(Bチームタスクフォース報告書)とありましたので、では、現場にいた方たちのかわりに各発表に対する意見、質問をつくってみよう! というのが、今回の遊びです。せっかく報告書をつくったのに、「はい、御苦労さまでした」だけしかレスポンスがないのって、つまんないですからね。世の中にひとりくらい、感想を書く人がいてもいいですよね?

  ☆

チームAの討論テーマは、「医療人として求められる薬剤師の基本的資質 ~実習を通して学生にどう伝えるか~」

チームBの討論テーマは、「実務実習3年目に向けて ~2年間実習を受け入れての課題、解決策、伝達方法について~」

となっています。

参加者もタスクも、実習にかけては何年何年も取り組んでいる、ベテランぞろい。人数も、すごいことになっています。AKB総選挙の楽屋か、カイジが麻雀牌を積み込んでいるVIPルーム並みのざわざわ感と緊張感が伺えます。

各チームのワークショップの説明と、会議。

まずは、チームAをみてみましょう。

チームAのキーワードは、『薬剤師の背中』です。

「親父の背中」とか「父の魂(野球漫画)」、みたいなものでしょうか。

そこに、「医療人として求められている資質は、医師も薬剤師も同じ」という前提をつくったうえで、『本日の課題』の発表。

【本日の課題:チームA】

1.背中に書く内容をいくつか挙げてください。

2.その内容を伝えるために、薬剤師会が何をすべきかを考えてください。

3.5w1hを考えてください。

4.地域性も考慮してください(会員数の多い地区や少ない地区など)

さあ、これを、新規で、120分で、仕上げなければなりません。

背中をテーマにした、新曲づくりタイムのスタートです。

時間は、限られています。

チームAの中の各ユニットは、どのような曲を作ったのでしょうか。

  ☆

【ユニットa1の場合】

 議論は、やや迷走。

 学生側が印象に残ったと言っていることをベースに。

 『患者さんのために薬剤師として職責を全うする』 

 『地域医療を担う意欲と使命感を持った薬剤師』

 の二点が、伝えたい内容。

 伝え方は、

 『県薬で『コア』薬剤師を養成し、地域薬でコアが孫コアを養成する』

  ☆

ユニットa1は、最初の迷走が最後まで響いた模様。

何もしないでも学生が自律的に印象に残ったということは、薬剤師会が何もしなくても、すでに背中に書いてあること。

「自らが伝えたい思い」が借り物では、「指導者側が主体的に何を伝えたいのか」というテーマには、合致しません。

そして、「伝達者の養成」と「指導薬剤師の養成」が、混ざってしまっています。

「子供に教えるために先生、を養成する」のと「子供に教えるために先生を養成する先生、を養成する」のとは、同じやりかたで養成できるのでしょうか。そのあたりが、抜けている気がします。よいコーチがよいプレイヤーであるとは限らないし、その逆もあって。そういうことって、ここ数年で、身にしみたはずなんですが…。

  ☆

【ユニットa2の場合】

 『患者満足度の向上』

 『気遣い』

 『知恵と工夫』

 の三つが、伝えたい内容。

 伝え方は、

 「ニーズ掘り起こしの患者アンケート」

 「OTCと薬局製剤」

 「交流会開催」

 「専門用語のわかる化」

 「患者側の立場を想像する」

  ☆

ユニットa2は、SBOsを飛び出した、「日常」視点。

伝えたいことが「患者満足度」「気遣い」「知恵」なら、多様な個々の患者に対しての薬剤師側の対応がポイント。アンケート結果が、多様なリクエストに対する対応に、どう反映するのかが示せないと、弱いところ。

ある時点での、一対一の会話と行動は、様々なパターンに展開します。

AさんにはOKな対応も、BさんにはNGだったりして。

満足度は、「あなたのためだけに特別に」カスタマイズされた行為のほうが、高まるんじゃないかな~という目でみると、患者ニーズとか、最大公約数的なことの把握は、参考にはなっても、「背中」に書いた文字が泣きます。

県薬の仕事は減りますけれど、ここはアンケート関連の方法論を全部やめてしまうと、良い具合に、「背中」と「方法」がマッチしそうです。

  ☆

【ユニットa3の場合】

 KJ法を使ったわりには、とても多くの意見が出てきたユニットです。

 個々の発想力が、どうまとまるのかが、ポイントでしょうか。

 分類は、3つ。

 「コミュニケーション」「患者の視点」「心構え」。

 「背中」とは馴染まない「患者の視点」がありますが…。

 結局、

 『私たち薬剤師は、チーム医療の一員です』

 『私たち薬剤師は、真摯な態度で行動します』

 『私たち薬剤師は常に患者さんの気持ちに寄り添って行動します』

 の三点が、伝えたい内容。

 その伝え方は、

 「多くの職種と会合を持つ」

 「薬局周辺クリーンキャンペーン期間を設けて実施」

  ☆

ユニットa3は、KJ法のダメな点が非常にわかりやすい形ででたユニットです。

おおむね、KJ法を用いると、その中の最も無難に見える、最も効果の薄い、最もどうでもいい、最も労力を使う意見が採用されます。(言い切り)

出てきた意見を眺めれば、

「想像する力」

「相手を学び尊敬する」

「立ち位置をしっかりする」

「薬局以外での姿」

「知ったかぶりをしない素直さ」

「薬剤師倫理規定の順守」

「夢・目標・向上心を持って仕事をしている」

といった、ワクワクするキーワードが存在します。

「自分の立ち位置(薬剤師倫理規定)をぶれずに、相互理解を深め、どこにいても常に、夢のある仕事をする人でいる」ようにみえる背中がカッコイイなあ、という構成にだって、できるのです。

そんな薬剤師を増やすために、薬剤師会が掲げるとしたら、ひとりひとりの「薬剤師(薬局ではないですよ)」の「夢」の後押しをしますとか、たくさんの「夢」を提示しますとか、そういうことですよね。

夢をかなえている指導薬剤師の背中をみて、学生さんが、ワクワクする。

それなのに、でてきた結論は、『薬局周辺クリーンキャンペーン』。

…それ、「医療人として求められる薬剤師の基本的資質」を伝えることになりますか?

  ☆

【ユニットa4の場合】

 えーと、ここも、KJ法で、意見はたくさん。

 分類数は、なんと8つ。

 「実習スキル」「薬剤師としての使命感」「患者本位」「スキル」「人間性」「姿」「職能」「連携」…って、これ、まとまるんでしょうか。

 伝えたい内容は、

 『相手は人』

 の、一個。

 伝える方法は、

 『患者の生の声をフィードバック』

 『学生・教員・指導薬剤師と情報交換の場を持つ』

 『気付きからのアウトプット』

 『指導薬剤師のSGD:少人数検討会』

 『大学教員講演および懇親会』

  ☆

えーと…「相手は人」って、何言ってるのか全く分からないことを伝えるようです。

すごいなー、KJ法。

意見の中には、

「SBOsの項目を点で捉え、線となっていない」

「熱意」

「仕事を楽しむ」

「問題処理能力」

「自己研鑽」

「毅然とした態度」

「将来像」

といったキーワードが存在するのですが、

それらの「自らが、自らの研鑽によって、新人が畏怖すべき名状しがたきものを、背中にまとう」部分については完全にスルーしたようです。

「相手は人」って、なに???

たくさんある意見から浮かぶ「共通項目キーワード」って、「相手は人」のようにいうならば、「薬剤師は人である。学生も患者も医師も、みんな、人である。人であるがゆえに、恐れず、尊大にならず、お互いに納得いく経過を探れるよね」といったものになりそうなのですが。

「相手」のみならず、自らも人であるという前提で、自らを磨き、相手を知り、関わるという態度が「背中」っぽいかと。

  ☆

以上、チームAの各ユニットは、自らの背中に何と書く?】と問われているのに、「学生なら、患者なら、他の人なら、どう書いてほしいのかなぁ?」という他人任せな立脚点から物事を考えていった結果として、Aチームタスクフォースの報告書にあるように「よい方法が見つけられず議論をまとめ切れなかったのが残念」な状態になったようです。

とても不思議です。

専門家で職人なんだから、心にビッと一本の筋が入っていて、それを侵そうとするものには「べらんめえ、おとといきやがれっ」とはねのける強いメンタリティがあって、最初から自然に、背中に何か書いてあるものかと思っていました。

「背中になんて書く?」と問われたら、「私の背中には、こう書いてある」という意見を出し合って、それらを羅列するだけで、終わる話なんですよね。

で、そういうのって、実は、総合すると、「薬剤師倫理規定」に書いてあったりするわけで。

悩まなくても、実務実習で、「薬剤師倫理規定」について、しっかり、継続的に、教えれば、いいんじゃないのかな? という結論になりそうなんですよ。

【実習が始まって一週間しないうちに「薬剤師倫理規定」を一日だけ朗読してオシマイ】なんてことをやっているうちは、まず、「伝える」のは、無理でしょう。

実習テキストの「薬剤師倫理規定の注釈」だけを読んで、「ファーマシューティカル・ケアだー」とか言っているうちは、「伝えた」ことにならないでしょう。

【最初と中頃と最後に、学生さんに、「指導薬剤師の私や、この薬局のスタッフは、薬剤師倫理規定の行動規範を守れていると思いますか。守れているとしたら、たとえば、どのようなエピソードにおいて、それを実感しましたか。そして、学生であるあなたは、これらの行動規範をどの程度守れていると思いますか」と、(しつこいけど)きいてみてね。学生さんのレポートを集計するから】と、フィードバック全般を地域薬剤師会がとりまとめるところまでやれば、別に講習会などなくても「伝わる」んじゃないかと思います。

(この意見は、このブログが薬剤師倫理規定擬人化のブログということででっちあげたものなので、良い方法かどうかは知りません)

「おまえたちの湧き上がる思いを背中に浮かび上がらせろ! そんな曲をつくれ!」という指示に対して、「ファンのみんなやマスコミが私たちに求めているような曲づくりをしよっか」「じゃあ、アンケートとかとっちゃう?」「それそれ、それでいこっ」という相談をしてしまったのが、チームA。「客に媚びてどうする! あほか!」と、あとでプロデューサーさんに怒られそうです。

  ☆

続いて、チームBをみてみましょう。

事前説明では、トラブル事例として

「薬局実習の期間が長すぎる」

「調剤だけで他に何もさせてもらえなかった」

「ほとんど教育的指導がなかった」

という三つの例をあげたうえで、課題を提示。

【本日の課題:チームB】

1.トラブルにつながるような事例が起こってしまったのは、何が欠けていたのでしょうか。

2.その原因を解決するために、何をどうすればよいのか、各グループで話し合って、対応策(アクションプラン)を作ってください。作られた対応策は、各都道府県に戻って、うまく伝えることができるようなものにしてください。

これも、120分勝負。

「友達と喧嘩しちゃった。彼氏と別れることになっちゃった。でもそれって私のせい? それとも何が悪かったの? これからはどうしよう。明日の私はどうあれば、こんな悲しいことを繰り返さずに済むの?」という青春ソングの王道を解決策付きでつくってね、といわれたわけですが、各ユニットはどのような曲をつくったのでしょうか。

  ☆

【ユニットb1の場合】

 KJ法を使いつつも、途中から「問題点抽出」に切り替え。

 問題点は以下の10個。

 A「スケジュール設定の甘さ」

 B「参加型実習に対する指導薬剤師の認識不足」

 C「学生との意識のずれ」

 D「医療人としての薬剤師像が見えてこないこと」

 E「地域における施設間の連携(の不足)」

 F「個々の施設の問題(人的・時間的不足)」

 G「学生とのコミュニケーション不足」

 H「指導薬剤師の知識不足」

 I「形成的評価がうまくできないこと」

 J「指導薬剤師の養成など薬剤師会の問題」

 これらを緊急性と重要度によって仕分けし、

 B,I,Dについて解決策を検討。B,Iはひとつの解決方法で対応。

 B,Iへは、

 「学生のレベルに合わせた目標を、スケジュールを柔軟に変更して設定する」

 Dへは、

 「大学教育や薬剤師会が検討することだけど、一応考えはする。伝達しても不十分」

 との解決策を提示。

  ☆

チームb1は、その途中経過の流れやまとめかたなどが、とても上手い印象です。

もっとも、そのまとめとなる「解決方法」が、相当テコ入れをしないことには使えない…というよりは、解決策の前提となる別組織の行動に期待できないという点において、どちらかというと「匙を投げた」感覚。

BとIは、学生のレベルが「まちまち」であるということが前提になっているのですが、とっても優秀な学生は、自律的に学習していきますから、別にレベルに合わせてもらわなくても大丈夫ですよね。では、レベルが低い実習生って、どういうことなんでしょうか。

みんな、CBTもOSCEも、通ってきているんですよね。

それぞれの大学が、自信を持って送りだした、水準以上のレベルの学生さんたちなんですよね?

それなのに、その合格レベルの最低限にあわせてつくられているであろう目標設定が、ダメだというのなら、そういう学生を合格させた大学側の問題ってことになりませんか。

まあ、あるいは、「とっても優秀」まではいかないので、自律的学習ができないんですよ、というのが前提かもしれません。それなら、「目標設定が低すぎたので、レベルを上げる」ということになります。なりますが、実務実習で求められているのはSBOsを行うことで、それ以上をやるかどうかは指導薬剤師の判断でいいはずなんです。子供を遊園地に連れていく契約を結んだ家庭教師さんが、子供がジェットコースターに乗りたいと希望したとしても「あー、わたし、それは面倒みれない」と拒否するのは、別に何の問題もありません。「レベルをあげてほしければ、追加料金を支払え」と要求してもいいくらいです。

現在、実務実習が要求する以上にあれこれと教えてくれる指導薬剤師が存在しますが、それらは、個人的趣味の範疇において、教えたいことをついでに無償で教えているだけですので、それがスタンダードであると勘違いしてはいけません。

Dは、実際問題として、「薬剤師の将来ビジョン」を日薬が示していないのに、現場が勝手に示せるんですかね?というお話。

指導薬剤師さんが「私の、医療人としての薬剤師像、つまり目指している方向って、どっちなのかしら」とか言っているのだとしたら、もう、最初からダメダメだと思いますけれどね。

これは「共に学ぶ」とか、そういうものではなくて、最初から指導者が備えているべきものです。そこに対して学生が反論するなり共感するなりした結果として、最終的に「共に学んだ」と言うのは構いませんが、「最初から共に学びましょう」なんてことを言う指導者って、なんか怖いですよ。

要は、そんなダメな指導薬剤師を認定した制度がおかしいというのが原因のようで。

  ☆

【ユニットb2の場合】

 b1同様、こちらも問題点が10個なのだそうです。

 A「施設側が忙しい」

 B「施設側に時間的・人的余裕がない」

 C「スタッフとの連携不足」

 D「指導薬剤師の指導力不足」

 E「地域連携不足」

 F「学生の取り組み姿勢、モチベーション不足」

 G「患者対応の時間不足」

 H「パッションの不足」

 I「学生と指導者のコミュニケーション不足」

 J「実習の計画性が弱い」

 二次元展開は「緊急性」と「期待値」という構成。

 これらを検討・考察して、なにが最重要かを決定。

 (※最重要って、「何がトラブルの原因として最も的確な指摘か」ってことなんですが…)

 Aは「施設によって状況が違う」から、Bは「時間的にはどうしようもない」から、Cは「問題ではあるが直接的には急ぐ話ではない」から、Eは「やろうと思えばすぐにできる」から、Fは「D,I,Jと関連しているが総じて上位ではない」から、Gは「Jと関連するが最上位じゃない」から、Iは「双方で目標が一致していれば問題にならない。逆にコミュニケーションがとれていれば多少のことは問題にならないとも言える」???から・・・と、だんだん「重要度」の話じゃなくなっていき、

 結果的に、Hをもとに、

 原因は、「指導薬剤師のパッション不足である」と決定。

 これへの対応策のまとめとして、

 『講習会実施』

 『情報交換会の実施』(最も有効)

 『薬剤師・学生にアンケート』

 『実習中に地域で学生と指導薬剤師のSGD実施』

 『事業所内の指導薬剤師を増やす』

 の五つを提示。

 結果、

 【支部の薬剤師会or病院薬剤師会が、指導薬剤師および希望する薬剤師に、実習開始後1か月たった時期に、支部薬剤師会などで、SGDおよびアンケートを実施する】ということに。(アンケートの集計結果とSGD報告書は、参加者・薬局開設者・受入していない薬剤師・受入に積極的ではない薬剤師にもフィードバック。)

  ☆

ユニットb2は、『開設者』という視点を導入してきました。

トラブルの原因はなんですか」と訊かれたのに対して「指導者のパッション、情熱が足りないんです!」と答えているのですが、議論の流れの中では【開設者の理解】という視点が目立ちます。

指導薬剤師が管理者・開設者であるとは限りません。「上位者の理解と情熱が、実施者のやりやすさにつながる」のなら、本当の問題点は「上位者のパッション不足」であって、正しくは、開設者・管理者のパッション不足に落ち着くはずです

理解度が高くて情熱のある開設者は、SGDやアンケートの報告書を渡さなくても、しっかりやれる環境を自ら作っているはずです。(渡したら渡したで、参考にしてくれます)

理解度・情熱が低い開設者は、SGDやアンケートの報告書を渡したとしても、読まずにおしまい。参加してねと誘っても、「今忙しいから、そのうちね」なんていって、音沙汰なしでしょうから、「開設者・管理者のパッション不足」を解決するための方法となると、かなりの難易度が予想されます。

「やる気のない開設者のところは、受入薬局から除外するので、最初から手を挙げるな」という展開が、最もわかりやすい、無難な展開。(でも、そこの指導薬剤師はやる気十分なこともありますから、なにかとゴタゴタ…)

「やる気のあるふりをしておいて、いざ指名されたら、やる気をださない」というところは、なにが楽しくて受入しているのかさっぱりわかりません。

実習開始前の予想通り、「無料のお手伝いさん」扱いにしたがる薬局が、トラブルのひとつ。あとは、薬剤師不足の世相を反映しすぎちゃったかんじの、「ウチこない?」。

「だって開設者が、新入社員確保のために、受入れろって言うんだもん~」といったダメダメな理由で受け入れているのかも。それならば、指導薬剤師のパッションなんて最初から無縁なのも頷けます。(対策:実習期間中の勧誘活動の禁止)

で、本当に言いたいことは「開設者のパッションの不足」であると見えているのに、そこに対する効果的アプローチには至らないんですよね。開設者性善説とでもいいましょうか。

「指導薬剤師がやる気無いんだけどー」と開設者に伝えれば解決☆・・・には、なりませんよね。

旦那がやる気を出さない真の原因がお姑さんであるなら、旦那だけ教育しても改善は見込めないし、そんなお姑さんにお手紙で旦那の様子を知らせても、話がこじれる予感しかしませんが、さて、この問題を放棄したユニットb2の対応は、どーなんでしょうか。

再度、挑戦してほしいです。

  ☆

【ユニットb3の場合】

 KJ法の意見に「原因+改善された方法」を導入。

 A「SBOsにとらわれすぎた」

 B「薬局と学生の方向性のミスマッチ」

 C「LSの工夫が足りない」

 D「解決策具体例の周知不足」

 E「フォローアップに参加しない指導薬剤師」

 これらの意見から、

 原因:『薬局側の指導薬剤師のGIO,SBOsについての理解不足』と確定。

 解決策は、以下の通り。

 『実習内容事例の収集と、データベース化、ネット共有』

 『データベースを活用した、コーディネーターによるマッチング』

  ☆

ユニットb3は「指導者が指導マニュアルを理解していないこと」が原因だと位置づけました。指導マニュアルを理解していない人を指導者として認定しちゃったのですから、当たり前と言えば当たり前な原因です。

なので、本当の解決策は、『認定指導薬剤師の認定方法の改善と更新制の導入』あたりになりそうなんですが、ユニットb3は、指導薬剤師を認定する側が悪いんじゃー、という立ち位置にはならなかったようです。

フォローアップに参加しないのは、ワークショップを含めた最初の講習を通して、「指導薬剤師関連の講習会は全く役に立たないから時間の無駄」だと思われているからではないかと想像しますので、導き出された「原因」は、認定側のやってきたことに起因するようにしかみえませんが…。いえ、あくまでも想像ですが。

で。

このユニットが凄いのは、意見段階での「SBOsは絶対で、その運用が悪くて、良い悪いといった運用例の評価もなく、しかもミスマッチ」といった「裏に隠れた要素」を、解決策段階で『地域がコーディネートして、マッチングする』段階までもっていったこと。

これ、関東で採用している「エリア制」の、もともとの発想です。

「各受入薬局が自らのやれることを先に出しておいて、それらの情報を管理している地域薬剤師会が学生の希望等から最適なマッチングを行う。(できれば、ネットを活用する)」という。ミスマッチがあれば、すぐに、マッチしそうなエリア内の別の受入薬局に移動可能。

…えーと、エリア制とかの話をしていたのはだいぶ昔ですから…五六年あるいは七八年ぶりに、原点回帰。(このユニットの構成メンバーに関東系が多いのも、そちら側に展開した原因に数えていいのでしょうか)

こういうことは、最初からやっておけばいいのにね、という話なんですけれど、最初に提案していったあたりで、どういう経緯で却下されたのかは、いまだに分からないんですよね、これ。

でもねえ…この解決策だったら、「原因」は、薬局側の指導薬剤師のGIO,SBOsについての理解不足ではなく、【マッチングシステムの欠如】になりませんか???

  ☆

【ユニットb4の場合】

 『学生が、実習させてもらっていないと感じるのは何故か』という視点。

 A「学生側の問題」

 B「連携の問題」

 C「受入薬局の問題」

 D「指導薬剤師の問題」

 E「しくみの問題」

 F「大学の問題」

 これらの中から「重要な一つの解決策を決める」ことに。

 つまり、「原因」はとにかく全部原因であるのだけれど、たくさんありすぎるので個々の解決策は無理でして、とにかく一個だけ解決策を考えました、という方向。

 選ばれた「重要な意見(原因)」は、

 【学生が興味をもてる内容に費やす時間が短かった】

 というものに。(…えーと、これ、挙げられた意見の中には存在しませんが)

 この原因を解決する?ために、「実習生が実習したと感じるためにどんな実習が必要か」を、話し合い。結果は以下の通り。

 「下働きではなく、服薬指導を充実」「調剤以外の業務の実習を充実させる」「地域差・施設間格差をうめる。薬局完結は難しいので連携する。交流会」「学生と指導薬剤師にテーマを持たせる。発表会」「実習書に頼らない」

 これらからの結論として、

 【学生が興味をもてる内容に費やす時間が短かった】ことへの対応策は、以下の5点。

 『服薬指導の実践を充実する』

 『実習を通じて学生にテーマをもたせ、まとめ、発表させる』

 『初回訪問時に薬局の方針・力を入れている点をすりあわせる』

 『指導薬剤師・教員・学生が集まるワークショップを終了時などに開催する』

 『学生に対するフィードバックをできるだけ多くする』

  ☆

ユニットb4は、「薬局実習の時間が長すぎる」「調剤だけで他に何もさせてもらえなかった」「ほとんど教育的指導がなかった」というトラブルを、「実習させてもらっていないと感じた」という言葉に統一化。

トラブルの原因として挙げられたのは、「学生が興味をもてる内容に費やす時間が短かった」。

これは、トラブルの原因なのかな~? ・・・という疑問が、クルクル回転中です。

トラブルをこの三点だけに絞るなら、学生目線での感想として考えても、「実習させてもらっていないと感じた」ではなく、ほったらかしでピッキング調剤だけしていたから飽きたという不満になると思います。調剤だって、実習ですから。

SBOsには、ピッキング調剤の他にも様々な項目があります。それらを着実にやっていれば、別に学生の興味とは関係なく、こういう感想にはならないはずなんです。よっぽと飽きっぽくない限りは。

この不満は、「薬学が学べるというから大学に入ったのに、有機化学ばっかりで、他の教科はカリキュラムに入っているにもかかわらず授業をしてもらえなかった」というタイプの不満です。

「学生の興味」以前の問題です。

にもかかわらず、「学生の興味」。

ユニットb4メンバーの中では、「指導薬剤師がきっちりとSBOsに沿って実習を行っているのが当たり前で、ピッキング調剤しかやらせないような指導薬剤師は存在しない」という前提があるようなのですが、どうしてそう思えるのかがわかりません。メンバー構成からみて、西のほうの指導薬剤師と薬局はマジメだということかもしれません。がんばれ、東。(注:がんばってます)

でてきた結論は、五つ。

一つ目は、服薬指導の実践。「実践」の意味がわかりませんが、無資格の学生に実地で行わせる行為であることを前提に考えると、よほど暇な薬剤師でなければ監督しきれないでしょう。というか、これが「学生の興味の持てる実習」だとするのって、なにかが間違っているように感じます。指導薬剤師が自ら「スゴイ例」として実践的な姿をみせることだというなら、拍手です。

二つ目は、テーマに沿った発表。このブログでは、学会発表でもさせればいいよね、と言い続けていますので、やったほうがいいと考えます。

三つ目は、すりあわせ。ユニットb3でも指摘されたマッチングの問題を、マッチングされた後で解決しようとする方向。初回訪問時に「うちはこうだから」と言われても、そこからミスマッチを解消するのって大変ですけれどね。合いそうになければ別の薬局に行ける、というシステムがあれば、なんとかなりそうです。

四つ目は、ワークショップ。ワークショップなんていうとカタイんですが、飲み会交流etcは大事だよね、というのは、志のある地域では普通にやってます。

五つ目は、フィードバック。いまどきは実習の日誌もデジタル文章ですから、その内容をがっちり書かせることが先決で、そのうえで、がっちり反応する…ということになりますけれど、それって、教育的指導は増加しそうですが、別のトラブルの原因になりそうな予感。どの程度までフィードバックを多くするのかは、指導薬剤師と実習生の「議論に耐えうる力」次第のようです。

どれも、「学生の興味」とは関係なくても、やったほうが面白くなることです。だから、「何かやってみよっか」という点においては良い方法を挙げているのですが、それが、「原因解決」につながっているのかというと、どうも、弱い。これら五つの「解決策」が実行できない指導薬剤師・薬局・地域・システムであったから、トラブルが起こった・・・と考えると、「出来ない人を出来るようにする」のが解決策。

【学生が興味をもてる内容に費やす時間が短かった】という問題は、「学生が興味を持てる内容に、指導薬剤師が費やす時間が短かった」と、主語を足して、言い換えるべきです。つまり、「指導薬剤師の、怠慢」です。それでも、原因として挙げられているはずなのに無視されている「薬局・地域・システムの怠慢」が抜けていて、原因の一部にしかなりません。

ユニットb4の、トラブルの本当の原因は「学生が興味を持てる内容に費やす時間が短かった」のではなく、指導者と、その母体と、周辺環境と、職能組織のシステムの怠慢(実習を受け入れるに値しない状況にある)」になりそうです。

  ☆

こうしてみてくると、どうも、チームBの各ユニットが「原因であると決めたこと」は、本当の原因ではなく、別の原因があるようです。

ユニットb1は「医療人としての薬剤師像が見えてこないこと、参加型実習に対する指導薬剤師の認識不足、形成的評価がうまくできないこと」ではなく、「悪い意味でレベルに差がある学生を共用試験に合格させた大学側の問題」と「ダメな指導薬剤師を認定した制度がおかしい」。

ユニットb2は「指導薬剤師のパッション不足」ではなく、「開設者・管理者のパッション不足」。

ユニットb3は「薬局側の指導薬剤師のGIO,SBOsについての理解不足」ではなく「マッチングシステムの欠如」。

ユニットb4は「学生が興味をもてる内容に費やす時間が短かった」ではなく「指導者と、その母体と、周辺環境と、職能組織のシステムの怠慢」。

総合すると、「共用試験で適正なレベルに絞ることができず」「開設者と管理者の意欲と理解が無い状態で」「指導者と実習先にマッチしない学生を送り込まれる」ことが、トラブルの原因。

 これって、指導薬剤師間の情報交換やスキルアップ研修会では、まず、解決しないことです。

「明日の私はどうあれば、こんな悲しいことを繰り返さずに済むの?」という問いに自分で答えを出す曲をつくれと言われて、『みんなみんな、ダメな私(指導薬剤師)がいけないの。私って、自己評価が低くて、夢も情熱もなくて、ビジネス書とか恋愛必勝法とかコミュニケーション論とか読んでも全然理解できない子なの。きっと、友達や彼氏の興味のあることに時間をつかわなかったからいけないんですっ。爬虫類の生態とか、ナマズの見分け方とかに、もっと時間を使っていたら良かったんです! 明日から自分探しの旅に出ます。ツアーとか使って』という、おもいっきり内向きで応援しがいのない曲をつくってきたわけですね、そろいもそろって。

その思考は、「DVで悩んでいるのに別れたらどうかとアドバイスされると旦那をかばう妻」という、アレな思考です。

解決すべき問題点が見えているのに、それをわざわざ避けて、なんでもかんでも自分の問題、自分のせいとして、解決できないくせに解決しようとする…そんな方向にいっちゃったのが、チームB。「こんなネガティブな歌に誰が共感するんだ!」と、プロデューサーから怒られそうです。(ネガティブキャラのさし子さんがつくったのなら、逆に褒められるかもしれません)

  ☆

てなわけで。

チームA、チームBをみてみましたが、

どちらのチームも、要求された課題に対して、なんとなくピント外れの答を出しています。(「検証」しないワークショップって、そういうものですけれどね)

各チームのタスクフォースの報告書において「よい方法が見つけられず議論をまとめられなかった」「問題点の原因を探る議論に多くの時間を割くことができず」といった表現があり、イマイチ感が漂っていることからも、「やってみたけど、ピンとこないなぁ」という結論だったと伺えます。

チームAタスクフォースの報告書に、「昨年二月に行われた、薬学教育協議会主催の薬学教育フォーラムにおいて、実務実習を体験した学生たちが集まり、大学や指導薬剤師に伝えたいことをプロダクトとしてまとめてくれた。そこには、こんな薬剤師になりたい、という明確な目標やが書かれていた。逆に、こんな薬剤師からは指導を受けたくない、というメッセージもあった。指導薬剤師の後ろ姿から、学生たちはそれぞれに非言語的メッセージを受け止めていたのである」とあります。

学生は学生なりに「自分のポジティブな目標、夢を自分で掲げた」のに、指導的役割の薬剤師は「自分ではポジティブな目標を掲げられない」という結果。

個々の「意見」の中には、十分に、良い結果を導き出せそうな要素が詰まっている…それなのに、出てくる結論はピント外れ…ということは、さて、どういうことなんでしょう。

1.解決すべき課題への理解が足りない

2.担当タスクが議論に「別の視点」を提示していない

3.KJ法からの二次元展開なんて似たような結果にしかならない

4.タスクやシステムを批判する結論は出せなかった

5.薬剤師倫理規定という「見本」を知らない

とりあえず、いくつか挙げてみました。

どーも、「2」があやしいんじゃないかと感じますが、参加者は自律したオトナなので、いろいろな視点からの検討はアタリマエ。薬剤師なら、日頃の職務で柔軟やわらかアタマを使うことに慣れている………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はずなんですけれどね・・・・。

チームBタスクフォースの報告書には「現在のWS形式の全国会議が本当に妥当かどうかということを検討すべき時期に来ているのではないかと思われる」とあります。

誰か、この「疑問」「提案」に対する答を出したのでしょうか。

「はい、妥当じゃないですから、「現在の」形式は、さっさとやめたほうがいいです」

と、筆者は即答します。

いえ、こういう意見は、もう、認定指導薬剤師の認定要件にワークショップが入ったあたりから言い続けていることなんですけれどね。

  ☆

さて、ここまであれこれ書いてきたものを読んだら、「この会議って、参加者がよくないの?」と勘違いしてしまう方がいるかもしれません。

そんなことはありません。KJ法の意見を読むだけでも、参加者の大半が、ものすごく有能で、真剣にかかわっていることは、読みとれます。参加者は「よかった」のです。

たとえば、こちらを読んでみましょう。

http://sueda-p.jp/report1.html

ユニットb2のメンバーからの、熱い報告です。ワクワクします。

このワクワク感。

議論の中には、良いエピソード、熱い思いがあります。

でも、結論と報告書からは、それが失われてしまうのです。

現場には、伝わらないのです。

  ☆

『全国会議』で「薬剤師会が何をすればよいのかを考えた」のに、主催した当の薬剤師会は、【都道府県薬剤師会】や【地域薬剤師会】がなにかすればいいと考えています。

「会議の結果を持って帰って、あなたがあなたの地元でなんとかしなさい」という姿勢。

結果といわれても、考えたのは、【薬剤師会】が何をすればよいのかという話。

それを実現するためにはどの程度の準備や予算が必要なのか、どんな共通テキストが使えるのか、まずどこがテストケースとしてやってみるのか…。そういうことをコーディネートする予定が主催者側にないのですから、これはワークショップではなく意見交換会と言い換えるべきかと・・・。

情熱を持った人たちの会議の結果を受けとめて、全国組織がダイナミックに動きます! とは、ならないのが、とても残念です。

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