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パブコメ結果と送った意見:登録販売者の資質の向上に関する外部研修ガイドライン(案)(薬局開設者並びに店舗販売業者及び配置販売業者が委託して行う外部研修について)

「登録販売者の資質の向上に関する外部研修ガイドライン(案)(薬局開設者並びに店舗販売業者及び配置販売業者が委託して行う外部研修について)」のパブコメ結果がでました。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110311&Mode=2

筆者も三つほど意見を出していたので、置いておきます。

パブコメの「集計結果」が、いかに「作文」であるかがわかるかと思います。

  ☆

【意見1】

 外部研修の対象者は、「店舗管理業務を行っている登録販売者」のみとすべき。外部研修の受講対象者の項を、「一般用医薬品販売業者の下で店舗管理に従事する登録販売者を、外部研修の受講対象者とすること」にする変更を求めます。

理由: 薬剤師と比較した場合、「開設者は、調剤・販売等に従事するすべての薬剤師に外部集合研修を年○時間以上受講させなければならない」という義務がありません。薬局に勤務するパート薬剤師・派遣薬剤師がいても、薬局が「外部研修」に彼らを参加させる義務がありません。最新の知見を知らなければならないという点においては、登録販売者と比較して、より多くの権限を持ち、幅広い知識を蓄えているとみなされ、薬局薬店の管理業務を行ってもいる薬剤師こそがまず範となるべきですが、その薬剤師に対して、現状「すべての従事者が参加する必要はない」としている以上、登録販売者に対しても、現状「すべての従事者が参加する必要はない」とするのが妥当だと考えます。(同時に、非受講対象者が自主的に参加することを制限しないのも大事)

【意見2】

 遠隔講座・通信講座の制限の撤廃を求めます。『研修は、講義(集合研修)を基本とすること。・遠隔講座・通信講座による研修を行う場合は、講義(集合研修)と組み合わせて行うこと。また、遠隔講座・通信講座による研修を行う場合には、その時間数が講義(集合研修)の時間数を超えないこと』という文言を、「研修は、講義(集合研修)を基本とする。遠隔講座、通信講座による研修を行ってもよい」へと変更することを求めます。

理由:集合研修の実施機関・実施体制の文言通りならば、頻繁に集合研修を行える機関は多くないはずです。それらの機関が毎年12時間×勤務登録販売者数ぶんの集合研修を開催するとなれば、一回の受講者数を増やす方向に向かい、会場や日程が偏ることが予想されます。勤務登録販売者の働き方は多様ですから、「住居地から遠方の会場」「一か月に数回の開催」といった要素があることで、「特定の日、ある薬局の登録販売者が全員、集合研修に参加しなければ、要件を満たせない」という事態が生まれます。遠隔・通信講座の併用案は、その改善案として出されていると考えます。「研修の実施体制」「研修の内容」の項目を読む限り、集合研修とは、「演者が一方的に話す内容を特定の場所で特定の時間に聴くことのみに価値を見出す」ものですから、これは動画によるeラーニングで十分対応できます。【研修の実施機関は、研修の実施方法及び実績等の情報を原則すべて公開すること等により研修の透明性を十分確保すること】という文言がありますから、研修内容を動画配信することは、実施体制の趣旨に合致します。つまり、遠隔・通信講座の時間数が12時間全てであっても、実施機関が透明性を確保して、認証を行えば済む話です(インターネット認証が行えない程度の実施機関が研修の客観性を確保できるのでしょうか?)。案の文言の「組み合わせて行うこと」「時間数が講義(集合研修)の時間数を超えないこと」といった制限は、制限を行わなければならない論理的な理由に乏しいのです。「ガイドライン策定者の「フィーリング」で決められたもの、あるいは集合研修実施機関の権益確保のため」の項目であるとの疑いが拭えません。受講者の住居地や勤務地への配慮に欠けた制限でもあります。項目の撤廃を求めます。

【意見3】

 受講の一連の行為を「勤務(出張・社員研修・休日時間外出勤等)」であると明確に位置づける文言(例:「外部研修の受講は勤務時間とみなす。一般用医薬品販売業者等は、労働基準法に基づき、適切な報酬を支払うものとする」)の追加を求めます。

理由:この研修ガイドライン案は、登録販売者個人ではなく、登録販売者が従事する業者への義務です。一般用医薬品販売業者等が義務を怠った場合、法律上、薬事法(第5条第2号、第26条第2項第2号、第30条第2項第1号)により店舗の許可・更新ができなくなる可能性がありますが、義務によって生じる、開設者等が命じた登録販売者の「労働」の扱いについては記載がありません。「案」の文言のままでは、一般用医薬品販売業者等が外部研修への参加を求めた場合の「労働の機会の損失」「休日の損失」等を補填する方法に触れていませんから、「労働基準法」第32条(労働時間)、同34条(休憩)、同35条(休日)、同36条(時間外・休日労働)、同37条(割増賃金)、同39条(年次有給休暇)等による適切な待遇や、交通費等の支給が保障されない可能性があります。

  ☆

【ガイドライン案 抜粋】

1. 目的・概要 登録販売者に対する一定水準の研修を確保し、登録販売者の質の向上を図るため、薬局開設者並びに店舗販売業者及び配置販売業者(以下「一般用医薬品販売業者等」)が実施しなければならない従事者に対する研修のうち、登録販売者に対して外部研修実施機関に委託して行う研修(以下「外部研修」)に関する事項についてガイドラインとして定めるもの。

2. 研修の受講対象者、時間数等について 一般用医薬品販売業者等は、以下の事項に基づき、当該業者で従事する登録販売者に外部研修を受講させること。

(1)外部研修の受講対象者

・一般用医薬品販売業者等は、当該業者の下で一般用医薬品の販売に従事するすべての登録販売者を外部研修の受講対象者とすること。

(2)外部研修の時間数

・研修は、受講対象者に対し、毎年、少なくとも12時間以上、定期的かつ継続的に受講させること。

(3)外部研修の実施内容等 ・販売業者等は、外部研修の実施内容等が、3.を満たすものであることをあらかじめ確認すること。

(4)外部研修の修了認定の確認等

・一般用医薬品販売業者等は、受講対象者が外部研修を受けたことを修了証等で確認し、適切にその旨を記録・保存すること。

3. 外部研修の実施内容等について 外部研修の実施機関、実施内容等については、以下の事項を満たしていること。

(1)研修の実施機関

・研修の実施機関は、登録販売者の質の向上のための研修の専門性・客観性・公正性を確保することができるものであり、かつ、登録販売者の職能に応じた、相当の研修実績を有すること。

(2)研修の実施体制

・研修の実施機関は、教育、学術等の関係者及び消費者等の参画を求め、研修の実施体制の客観性を確保すること。

・研修の実施機関は、研修等の企画

・運営、形式、内容、時間数、修了証交付等に関する実施規則を定めること。

・研修の講師は、実施する研修に関する専門的な技術・知識を有するものであること。

・研修の実施機関は、研修の実施方法及び実績等の情報を原則すべて公表すること等により研修の透明性を十分確保すること

・研修の実施機関は、実施する研修の概要を自治体に届け出ること。また、自治体の求めに応じて、研修の実施方法、実績等の情報を開示すること。

(3)研修の形式 ・研修は、講義(集合研修)を基本とすること。

・遠隔講座・通信講座による研修を行う場合は、講義(集合研修)と組み合わせて行うこと。また、遠隔講座・通信講座による研修を行う場合には、その時間数が講義(集合研修)の時間数を超えないこと

(4)研修の内容 ・研修の実施機関は、次の①から⑦に係る事項について研修内容に含めること。また、研修のために必要な教材を用意すること。

① 医薬品に共通する特性と基本的な知識 ② 人体の働きと医薬品 ③ 主な一般用医薬品とその作用 ④ 薬事に関する法規と制度 ⑤ 一般用医薬品の適正使用と安全対策 ⑥ リスク区分等の変更があった医薬品 ⑦ その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等

(5)研修の実施頻度 ・研修は、毎年、定期的かつ継続的に行われていること。

(6)研修の修了認定及び修了証交付 ・研修の実施機関は、研修参加者に対し、研修の修了に当たり、研修内容の習得を確認する試験その他の方法により研修修了の認定を適切に行い、修了証の交付を行うこと。また、研修参加者の氏名、研修内容等を適切に記録・保存すること

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