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中医協:明細書の「無料発行」義務化or無料「発行義務」化

第199回中央社会保険医療協議会総会議事録より抜粋します。

この記事は、前に書いた記事の続きです。

http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-07e8.html

「10月12日に、三浦委員が、なにか申し入れたのかどうか」の検証。

 ☆

○森田会長
 大分時間も経ちましたので少し整理をさせていただきたいと思いますけれども、明細書を出して、患者さんが受けた治療についての情報を提供していくということについては御異論はなかったと理解しております。
 ただ、その目的が、まさに患者さん御本人がどういう治療を受けたかということについての情報なのか、あるいは今もございましたけれども、医療保険制度、医療財政についての情報と言いましょうか、それについてより周知するための手段なのかという点は、少し議論が分かれてと言いますか、違うとらえ方があるのかなという気がいたしております。
 また、患者さんに情報を出すという形ですと、別に明細書によらなくてもいいのではないかと、これは将来的な課題かと思いますけれども、そういう御意見もあったと思っております。
 ただ、現在のところはそうした明細書を原則義務付けるという形で制度が前回からできたわけでございますけれども、23ページの最後の部分の論点にございますように、この制度そのものが公正に、かつ合理的にきちんとでき上がっているかというと必ずしもそうではないのではないかというのが、今回論点として挙がっているところでございます。
 1点目は今もございましたように、かなり高い徴収をしているところがあるということで、これは別な面で言いますと、西村委員からも御指摘がございましたけれども、いわゆる明細書を出すことに対して抑制的な、ディスインセンティブとして働いているという点があるのではないか、これはこのままでいいのか。そうしますと、そもそもその前提になっております正当理由というのが、現在のような決め方でいいのか。
 2番目としましては、また運用上の問題といたしまして、1回患者さんが要らないと言った場合にはその後出さないということが行われているわけですけれども、診療の内容が変わってもそのまま出さないという状態でいいのかどうか。それをやはり是正する必要があるのではないか。更には別の手続的な意味での、まさにディスインセンティブのメカニズムに入っていく。こういった点については今の制度についてもう少し検討する必要があるのではないかというのが今回の論点だと思います。
 伺っておりますと、それについても何人かの方が言及されたと思いますけれども、この点につきまして、こうした事務局の提示した論点と、今、私もちょっと触れましたけれども、改善の方向について、何か御意見ございますでしょうか。
 もう一点付け加えておきますと、牛丸委員から御指摘があったところですけれども、これもいわゆる経過措置と言いましょうか、時限的なものとして考えていて、制度としては一般的なルールですから恒久的なのかもしれませんけれども、前提条件を変えていくということによって、この正当理由で出さないということを認められている状態をなくしていくということを考えていくべきではないか。そういう御意見に集約できるのではないかと思いますけれども、それについて、更に何かございますでしょうか。
 そういう整理でよろしければ、本日の議論を踏まえまして、次回改定に向けてより具体的な検討をこれから進めていきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)

○森田会長
 ありがとうございました。
 一応、予定しておりました議題は以上でございますが、ほかに御発言などございますでしょうか。
 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 その他ということでありますので、1点だけ、事務局の方にお考えをお伺いしたいことがあります。
 これは薬局におけるポイントサービスについてでありますが、薬局で調剤を受けた際に、患者さんが支払う一部負担金に対しまして、いわゆるポイントが付与されるサービスカードを提供している薬局があります。これについてはこれまでも問題視をしてまいりましたけれども、一部の業界誌によると、このポイントサービスがあたかも薬局の間で定着したようなそういう報道がありました。
 私は、このポイントサービス自体が問題かと思っておりますが、事務局で何かこれについてお考えがあれば、お教えいただければと思いまして、お願いします。

○森田会長
 では、どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 三浦委員からの特に保険調剤にかかります患者さんの一部負担金についてでございます。
 そのようなポイントの提供、あるいはそれを使用するというようなことが、いわゆる健康保険法で禁止されております一部負担金のいわゆる減額に当たる、そういう場合には当然認められないものでございまして、これまでは、本年1月に課長通知を出させていただきまして、いわゆる減額に当たる事例などをお示しさせていただきますとともに、そもそもその患者から選ばれます保険薬局というのであれば、そういうポイントの提供といった経済的付加価値ではなく、懇切丁寧な調剤、あるいは服薬指導といったものの質を高めるということで患者から選ばれるべきではないかという考えを示させていただいた、そういう状況でございます。
 今、一連の報道でということでございましたが、その内容、真偽につきましては報道でございますので確認しているわけではございませんが、もし御指摘のような事態が事実であるとすれば、やはり好ましくない状況だと考えるところでございます。
 したがいまして、いずれにしましても調剤の一部負担金へのポイント付与といったようなことにつきまして、更にどのような対応ができるのか、一度事務局の方で整理させていただきまして、改めましてこの中医協の場で御議論いただくようにさせていただければと思っております。
 以上でございます。

○森田会長
 ありがとうございました。
 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 是非、よろしくお願いします。

○森田会長
 では、この点については、ほかの委員、よろしゅうございますか。
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 前にもそれ、インタビューに私お答えしたことあるんですけれども、そういう方をやられるチェーン店の皆さんからは、病院の支払いはクレジットカードでよしとしているではないか、クレジットカートにもポイントというのはつくではないかという御指摘があったんです。
 それは、私筋違いだと思っていまして、ポイントカードをつけるというのは、それを使ってくださいという付加価値による営業的な誘導ですから、ポイントカードがつくのは、クレジットカートの運営に対してつく、つまり、それを使うということに際してつくのであって、その薬局チェーンがチェーン内で使えるポイントを独自に診療報酬の薬品の自己負担についてつけられるというのは全く意味が違うと思っておりますが、その後者のポイントカードについて、今のお話で、現行の法令あるいはその他、医療法等で何かに抵触するとはっきり言えるんでしょうか。

○森田会長
 事務局お願いします。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 先ほど申しましたとおり、そういうポイントをつけたりすること自体を、それを更に使い方によって減額に当たるというような場合にはもちろん健保法等に抵触するわけでございますが、現在の法律の中では、そのポイントをつけること自体、例えば使用すること自体は健保法上それを制限する規定はないというのが現状でございます。

○安達委員
 同一店内で使えるポイントだから、そのポイントでチェーンの例えばティッシュを買うとか、せっけんを買うとかされた。これは実質上の減額に当たるのではないか、だから、同一店におけるポイントカードは意味が違うと私申し上げたんですけれども、減額に当たるという解釈は難しいということなんですか。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 一旦その一部負担金に対して患者さんがお支払いただいたことに対してポイントがつくという形になるわけでございますので、ポイントを使ってほかの物品を買うということ自体は減額に当たるとまでは言えないのではないかと。逆に言いますと、そのポイントを使って一部負担金の支払いに充てたということであれば、これは明確に減額に当たると言えると思いますが、そのような解釈になるかと思います。

○森田会長
 関原委員、手を挙げていらっしゃいますが、どうぞ。

○関原委員
 この質問なんですけれども、景品というか、おみやげみたいなものというのの制限はついているんですか。というのは、私、銀行にいましたけれども、昔の金融機関というのは金利規制されて全部一緒だったわけです。そうすると、いわゆる預金をしたら商品いろいろなものをくれたわけです。これについても幾つか制限があって、何個までとかどういうものとかというふうなことがあったわけですが、私は調剤薬局よく行くんですけれども、タオルとくれたり、マヨネーズをくれたりいろいろなものをくれるんです。なかなか面白いなと思って、たくさん買って使っているからなんでしょうけれども。
 したがって、今の結局ポイントは同じわけです、経済的には。だから、それは何か制限があるのかというのを質問いたしました。

○森田会長
 どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 法的にすべてだめかという部分につきましてはないという形になると思いますが、ただ、不健全な形になるものについては好ましくないという形で指導はしているところでございますので、いずれにしても、その辺の部分を含めまして、また改めまして整理をしてお示しさせていただきたいと思っています。

○森田会長 
この件よろしいですか。
 それでは、本日の議題は以上でございますので、予定された時間より、少し早く終わりましたけれども、これで終わりにさせていただきたいと思います。
 最後に、次回の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。
 どうぞ。

  ☆

抜粋後半部分のポイント問題については「こういう議論をしていた時もあったようですね」というくらいで、割愛します。

ひとつツッコミをいれておくなら、関原委員の、「私は調剤薬局よく行くんですけれども、タオルとくれたり、マヨネーズをくれたりいろいろなものをくれるんです。」という発言。

この「マヨネーズ」はキューピーが試供品といって置いていったものらしいので、ポイント問題とは無関係。景品だと誤解されていて、それを中医協委員が「全国で行われていることである」というニュアンスで話して誰も反論しないまま既成事実化している状況にあったことを考えると、キューピー及び関原委員の利用している薬局には、何らかの責任ある対応をしてほしいものです。

三浦委員は、ここで、反論も質問もしていません。

三浦委員の経営する薬局では、タオル配ったりマヨネーズ配ったりすることを「景品・おみやげ」だと認識しているのでしょうか…?

ポイント制の話は、三浦委員と吉田さんの間でシナリオを書いておいた「すでに政治のほうでは解決済みの話」を下手な演技でやりました、想定外の質問に答えられるほどの予習はしていません、くらいの内容です。(委員から意見が出たことにしないと資料は出せないよね、という…面倒な仕組み)

この茶番を演じるので頭が一杯だったためなのか、三浦委員は、明細書について、結局、何も発言していません。

明細書って、医科・歯科だけじゃなく、薬屋さんでも発行しているんですよね? 

今回で「深い議論」が終わってしまうのに、なんの意見も述べない。そんなのあり?

(三浦委員の中では、ありなんでしょうね…)

  ☆

この前の回の会議資料では、「薬局における『必要』という意見」は、他のところとは違って、「必要なわけあるか。いらないよ」という意見がかなり多かったのですが…。(「今後必要かどうか」において、薬局については、6割が明確に「希望しない」と回答し、3割が「時と場合により希望する」と回答しました。9割が、「今後は、毎回出すな」と言っている状態です)

森田会長の「まとめ」で挙げられた「明細書がないと解決できない問題点」が、薬局には、ないのですから。「明細書? いらないよ」となるのは当然。

まず、「明細書を出して、患者さんが受けた治療についての情報を提供していくということについては御異論はなかった」。これは、「患者が受けた治療についての情報を提供」していない側の話。提供していないから、明細書が必要。提供していたなら、明細書は不要。

すでに、薬局では、十年以上前から、「薬剤情報書」という「患者さんが受けた治療についての情報」を発行しているので、新たに書類を出す必要がありません。

明細書を出す目的として挙げられている「患者さん御本人がどういう治療を受けたかということについての情報」としては「薬剤情報書」があります。

更に、もうひとつの目的として挙げられている「医療保険制度、医療財政についての情報と言いましょうか、それについてより周知するための手段」としては「領収書」があります。

これらは、明細書発行の義務化以前から存在しています。

すでに、目的を達成しているのです。

患者さんに情報を出すという形ですと、別に明細書によらなくてもいいのではないか」という意見に耳を傾けるのなら、薬局においては、まさしく、「明細書」によらなくてもいいわけです。

そのうえ、携帯用情報集積ツールである「お薬手帳(有料)」まで完備。

この制度そのものが公正に、かつ合理的にきちんとでき上がっているかというと必ずしもそうではないのではないか」と挙げられていますが、特に薬局に関しては、薬剤情報書、領収書、お薬手帳まであって、更に明細書を出すとなると「やりすぎ」といえそうです。薬局だけが、他の医療機関と比較しても、書類の数が多すぎます。これは公正なのでしょうか。

薬局においては薬剤情報書と領収書の発行が当たり前ですし、お薬手帳の加算は定額です。明細書について、「かなり高い徴収をしているところがある」という話も、議論に出てきていません。薬局以外の医療機関のうち、ごく一部だけが、そういうことをしているという、やたらと細かすぎる話。(一般に、「中医協では細かい話はしない」と思われていますが、こういう「制度で縛らなくても担当職員が直接赴いて注意すれば済むような細かすぎる話」を重要そうに議論しているケースがそれなりにあります)

1回患者さんが要らないと言った場合にはその後出さないということが行われているわけですけれども、診療の内容が変わってもそのまま出さないという状態でいいのかどうか。それをやはり是正する必要があるのではないか」という話は、明細書という形をとらなくても、すでに「診療の内容」にあたる情報を発行している薬局には、無関係な話題。(患者さんの「いらない」の理由を読む限りでは、「診療の内容にかかわらず、変更があろうが無かろうが、いらない」という意味で「いらない」と言っている方が、かなりいるようなのですが…。そういう点を踏まえた「是正」ではないんですかね)

中医協の議論は、全部、「薬局以外の場所での話」。

薬局が明細書を発行する意味、なくなっているのですが…。

発行しなくても目的が達成されていて、

調査したら、患者さんの9割が今後は毎回は要らないと言っている。

それでも、全員への「発行義務」が、必要ですか?

前提条件を変えていくということによって、この正当理由で出さないということを認められている状態をなくしていくということを考えていくべきではないか」というなら、前提条件として「すでに診療の情報も保険金銭の情報も出している薬局」を据えて、「明細書をださなければならない理由」を議論してもいいのでは?

  ☆

「保険金銭の情報」は、支払い側が自ら開示すればいい話。

それを「なんでわしらがそんなことせにゃならんのだ!」と正面切って言わずに「患者のためにも国のためにもなるんだからお前らがやれ!」と言う姿勢。いや、そう思うなら、真っ先に支払い側がやればいいのにね。

議論の中でも花井委員が「公費・生活保護のかたは医療費が無料だと制度のありがたみが分からなくなるから、無料でも明細書を発行して『こんなにお金がかかっているんだ!』と知らせたほうが患者活動が活発になっていいんだ」とでも言いたげな主張をしているので驚くのですが…。(公費も生活保護も相互扶助制度なのに、受給者に支援の対価としての労働を求める考え方…????)

支払い側の主張って、ほんとに、わけわかんない。

 ※花井委員は、日本薬剤師会雑誌の2011年11月号の巻頭言に薬害のことを書いています。(←このあたりの人間関係が、なんだか、嫌な予感)

  ☆

「薬局で明細書を出す理由がみあたらない」のに、一切意見を出さず、資料も活用しない三浦委員。

調査結果にかかわらず、「明細書は出すべきだ。なぜならこれこれこうだから」という意見もありうると思うのですが、「何も言わない」という選択肢を選び続けるのが、三浦委員の芸風のようで。これ、「専門職代表」じゃなくて、「厚労省に可愛がられているお人形さん」ですね。

ドラえもんの登場人物である「のび太さん」は、「一度は自分の主張をぶつけて、ぶつけた結果としてジャイアンに殴られて、ドラえもんを頼る」という展開ですが、ドラえもんのいない中医協の「のび太さん」は、「一度も自分の主張をぶつけずに空気と化し、小さく縮こまって出来杉くんの背中に隠れる」展開が目立ちます。

就任から二年。劇場版の「のび太さん」に成長することを期待していましたけれど、これは、もう、無理ですかね…。

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