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2011年10月

「もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」22

「もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

第二十二話:アポ子はMMR的に想定外について考えた。

「な…なんだってーっ!」

 アポ子驚愕。想定外の事態が起こってしまった。

 アポ子が大好きな新撰組乙女ゲー、薄桜鬼の新作発売が延期。

 なんという想定外。

「ク…ククククク…そうか…そういうことだったのか…」

 想定外すぎて、頭のネジが外れた。

「つまり…最初から…ピーターは全て、予言していたんだーっ!」

 想定外の事態がおこったときにはどうしたらいいのか、ノストラダムス…じゃない、ピーターに訊いてみよう。

 ピーターは、「リスクの大小を性格で判断しろ」と言っている。

 要するに、

1.負うべきリスク

2.負えるリスク

3.負えないリスク

4.負わないリスク

 の、四つの性格。

 仕事をすると必ず出てくるリスク、失敗しても損害が少ないリスクは、どんどん背負っちゃえ。背負わずに、時間が解決すると思いこむこと自体が時間とともに負えないリスクになることもある。(例:タマ子会長が過去に実務実習関連で答弁した内容)

 負えないリスクは、無謀な挑戦。これはダメだ。

「無謀な挑戦では、人類は全滅する! だがあきらめない! 負えないリスクを避ける! それが、人類にできる唯一の戦い方なんだっ!」

 想定外の事態が起こったときは、とにかく、負えないリスク以外は、やったほうがいいということらしい。

「そうだ…これが、人類を救う唯一の方法なのかもしれないっ」

 そのうえで、ピーターは、リーダーに『事実をありのままに把握する』『客観的な情報を公開・共有する』ことを求める。できているだろうか。

 できているよ、きっと。

「だめだーっ! 我々は、とんでもない考え違いをしていたんだーっ!」

 全然できてませんでした。これまでは、客観的情報の公開・共有といいつつ、公共機関の公開情報をそのまんま流していただけでした

「だが、歴史の節目において、情報操作は必ず行われているんだ! これには…なにか途方もない、もっと巨大な力を感じる…」

 さらに、リーダーは、事態収拾後にその椅子(地位やらなんやら)を失っても、やらねばならないことがあるのだという。

 タマ子会長は、椅子を失ってまで、後進のための礎になれるだろうか。

「…それはわからない…ただイヤな予感がするんだ・・・そのことを究明しなければ人類が重大なミスを犯すような…」

 思わずつぶやく。呟きの内容は電波だが。

 リスクから、逃げて逃げて逃げまくってきたのが、タマ子会長の処世術。

 ピーターは「リーダーは真摯さがあれば良い!」と力強く言ってのけちゃったけれど、要は『そいつがいると組織が堕落する』なら、真摯さがないとみなしていいということ。

 ピーターの想定する『堕落をもたらす人』とは、こんな感じ。

1.約束を守らない

2.ねたむ

3.失敗を隠蔽

4.好き嫌いで評価を変える

5.欠点を改善しない

「こ…これはっ。ここまでくると、偶然ではない…もはや『必然』!」

 約束を守らないことや失敗を隠蔽することでは定評のあるタマ子会長。

「何もかも…何もかも遅すぎたんだ…」

 アポ子の頭の中で、さまざまなものがつながった。

「くっ…。か…神の言葉か…。時空を超えて、あなたは一体何度我々の前に立ちはだかってくるのか! ピーター・ドラッカー!」

 トップ周辺が『組織の堕落をもたらすもの』であっては、いくら「下からマネジメント」を実行してみても、無駄かもしれない。組織の滅亡はさけられないのか。

「いや…即断は禁物だ。何者かが、我々の活動を妨害しようとしているのかもしれない! どちらにしろ机上の空論…本当のところはわからない!」

 なんだか変な方向で盛り上がるアポ子。

「そうだ! だからこそ我々は、ハルマゲドンを信じて世を悲観してはいけないんだっ! それこそがやつらの思うつぼ! 組織を崩壊させてはいけないんだ!!!」

 【やつら】って誰?

「そうだ、人間の可能性は無限なんだ!!!」

 無限だから、タマ子会長やナナミも、なんかスゴイ能力を発揮してくれるに違いない。

 無限だから、乙女ゲーの新作も、そのうち発売されるに違いない。

 自分で自分を洗脳して、アポ子はとりあえずの「想定外」の衝撃を和らげた。

 運悪く事務所に寄ったばかりに、その様子を間近で見てしまった某国会議員に対して、

「まだわからないのかっ! ここに来た目的がーっ!!!」

 などとMMR脳のままで口走ってしまい、しばらく飲み屋で隣の席に座らせてもらえなくなるのは、また別の話。

(※良い子は、想定外の事が起こっても、MMRっぽいセリフは使わないようにしましょう☆ MMRがわからない方は、とりあえずググる)

  ☆

今回の言葉「『絶体絶命都市4』が、震災の影響で発売中止になったような衝撃」

 『絶体絶命都市』は、すでに発売されているシリーズ全部が、完全廃盤決定。人災の怖さ、情報隠蔽による被害拡大、災害利権、科学技術の過信への警鐘、氾濫した水や津波の恐ろしさ、火災、停電、雨、想定外の事態を切り抜ける知恵、どんなアイテムが必要なのかの体感、災害時でもできるかぎりのレスキューに励む人々の姿、助け合い、歌、ジャーナリズム。そして、少しのエロスと、必要以上にちりばめられたユーモア。災害テーマのゲームの最高峰として、全国の小学生に体験してほしい名作、過去の悲劇を風化させない良質な作品が、震災のために「世に出ない」という悲劇。グランゼーラのスタッフの方たちに、いまこそ、災害医療ゲーム制作にチャレンジしてほしい♪

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日薬:読売新聞のPR広告四回分の費用○○○○万円でできること。

日薬ホームページの記者会見資料によると、

PRが足りないから、読売新聞の朝刊に、啓発広告を4回ほど載せるのだそうです

adv.Yomiuriで、費用を計算してみました。

第一回目の図版として資料添付されていた図の左上に

『新聞五段 A案』

と書いてありますから、新聞の五段分のスペースの広告になりそうです。

図版はカラー原稿ですが、

資料中に、「カラー広告はJPA文書管理ネットにて閲覧可能」と書いてありますから、

実際の掲載は白黒だと考えて計算してみます。

(adv.Yomiuriで自動計算)

条件は、「朝刊全国、契約段数五段以上、出稿段数五段、モノクロ、掲載面指定なし、版切り替えなし」。

計算結果:17640000円。

1764万円。

これが一回分ですから、四回掲載で単純計算すると、その四倍。

つまり、7056万円。

ただし、「六か月以内に掲載する段数」があらかじめ決まっている場合は割引になりますから、全体で20段で予約する場合だと想定して、

条件を、「朝刊全国、契約段数二十段以上、出稿段数五段、モノクロ、掲載面指定なし、版切り替えなし」に変更して再計算。

1532万円なり。

これが四回で、6124万円。

(ちなみに、カラー原稿のままで掲載すると、一回あたり2275万円。四回で9100万円)

  ☆

さて。そんなこんなで6124万円の予算がサクサク使える日薬ですが、

同じ日の記者会見資料にある

「東日本大震災に係る地域医療再生のための薬局支援事業」

の支援上限は、総額2000万円です。

申請してきた「臨時薬局」全ての見積もりを合計してみると、53806000円。

5281万円あれば、完全に日薬負担のみでOK、ということです。

もともと2000万円ほどつぎこむわけですから、残りは3281万円。

「広報活動を強化」する方法は、新聞広告以外に求めていただいて、6124万円から3281万円を「地域医療のため」に移してみれば…? という印象。

それでも2843万円ほど余るわけで、どーしても今年度はPRをしたい、どうしても、どうしても、とにかくPRが重要!というのなら、

『300万円低予算薬剤師映画コンテスト』でも開催すればいいのにー(※ここからは筆者の願望全開です)。

7本も、薬剤師映画ができますよ。(優勝賞金は500万円くらい)

日薬の学術大会をはじめとして、あちこちで上映できますよ。

次世代のクリエイターにチャンスをうみだし、より効果的なPR効果を生み出すための素材までついてくる3000万円と、

新聞の片隅に載るけれど誰も読んでない3000万円と。

お金の使い道として、よりワクワクするほうを、なぜ選ばないのか。(←そもそも日薬の選択肢にはありませんが、代議員会で、しばしばドラマや漫画の話がでますよね。)

今なら、ドキュメンタリー映画にチャレンジしてくるクリエイターだっているはず。

震災の傷跡、薬剤師が何を行い、何ができなかったのか、どんな心境で日々の業務をしたのか、etcetc…。

軽いノリから重い路線まで、自由に。

  ☆

コンテンツがあってこその、PRです。

コンテンツがないのに、「お薬手帳で、被災地でのスムーズな診察ができるようになりました」とPRされても、『へえー、具体的には、どうやったの? どこを見れば、それがわかるの?』となります。

青汁のおかげで健康でいられる系の感動秘話ドラマを観た後で、「だが、我々は、青汁は売ってないので、あしからず」という結末になるくらいの消化不良。

広告内で、「お薬手帳はいつも携帯するか、いつも同じ場所に保管しましょう」と書いてあるのに「予めお薬手帳の情報を、携帯電話のカメラに保存していた人もいたといいます」(←この文、振り仮名なしで「予め」が読めるのかとか、実際に保存していた方がいることが分かっているのに伝聞調であるとか、気にかかる点はいろいろあるのですが、それはおいといて、)と、「いつも携帯していなくてもよい」ことを示す「携帯電話のカメラに保存しておく」話をからめてしまうし。カメラへのよりよい保存方法はどこで訊けばわかるのかと気になっても、コンテンツは存在しません。

ただ、『お薬手帳についてのご質問やお問い合わせは、お近くの薬局・薬剤師にどうぞ』と、投げっぱなしのコメントが書いてあるだけ。カメラへの保存方法とか質問されても、全然わかりませんけれど…。

コンテンツが先。それを踏まえて、PR。

有名監督が薬剤師を主役にしてくれたよ。便乗しよう」なんて、まさしく、コンテンツが先にあるパターンなのにね。

人任せばかりじゃ駄目だけれど、自分で作るスキルはない。

どうせ人に任せるのなら、

「薬剤師が主役ならどんな映画を撮ってもいいし、取材協力もするから、想いを表現してくれ! 観ていてグッとくるものを期待している! 低予算だけどね!」

という言葉に、「なんて自由度の高いスポンサーだ!」と、燃えてくれる人に託したいですよ。賞金を元手に、次の映画を撮ろうという野望も込みで。

お役人さんだって、税金を使って「○○コンクール」をやっているわけですから、公益法人的な団体が賞金付きコンテストをやること自体は、総務省etcと相談すれば、できそうなんですけれどねー。

…とはいえ、こういうコンテストにどれほど応募がくるのかは、未知なんですけれどね。薬剤師は、題材として、面白いのか、つまらないのか。リサーチ、リサーチ。

(リサーチしてもダメそうなら、全国の高校の映画研究部に予算50万ずつで『中学生の授業で使う映画』を撮ってもらうコンテストに切り替え。数年後を見据えたら、やっておいたほうがよさそうです)

  ☆

(ほんとに低予算映画コンテストをやってくれたら、紙芝居映画をつくりたいなぁ…。)

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中医協議事録:明細書発行義務化の議論

とりあえず、抜粋。テキトーにコメントをいれてみます。

なんだか、白川委員が暴走していて、心配になります。

  ☆

○屋敷保険医療企画調査室長
 最後でございますが、5点目がその明細書の関係でございます。39ページ目以降が検証部会としての評価でございます。
 22年の4月に義務化がされたということでございますが、歯科診療所及び訪問看護ステーションにつきましては、義務化の対象には、この時点ではなっていないということでございましたので、結果としては異なっているものが出ております。
 40ページ目にございますが、22年4月に無料明細書発行を始めた時期が一番多かったということでございますので、これは原則義務化による効果であったということであります。
 それから、窓口対応での負担に配慮してということでございましたので、約4割の医療機関につきましては、その対応時間が長くなったという回答がある一方、患者におきましては、長くなったと考えるのは1割程度であったといったことでございます。
 それで、明細書を受け取った患者さんに対します調査でございますが、明細書の必要性については、半数以上が必要と示している一方で、不要と考えるも2割から4割ある。また、今後の希望についても3割から4割が発行を希望しないといったことでございます。
 その理由としては、領収書の内容で十分、もらっても内容がよくわからない、毎回ほぼ同じ内容であるといったことでございます。
 また、受け取ったことについての満足度としては7割以上が満足と回答しているということでございます。
 これらの状況から見ますと、明細書の無料発行につきましては、4月の改定によって進んだということでございます。また、認知も進んでいるけれども、一方で不要と考える患者さんも一定数あるということでございますので、今後、明細書を有効に活用するために、明細書を発行する理由、記載内容等について一層の周知を進めていくことにより、有効活用をしていただく必要があるというのがコメントでございます
 駆け足でございますが、検証部会としての評価のコメントを中心に御説明させていただきました。以上です。

  ☆

要するに、検証部会は、とにかく「明細書を全員に渡す」ということを前提にして結論を作った、ということのようですね。「明細書を全員に渡す」ことの是非については、何の見解も入っていないようなので、何をどう検証したのかと不安になりますが…。議事録がまだ公表されていないので、なんだかさっぱり。

  ☆

○森田会長
 どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御質問とか御意見がございましたら、どうぞ。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 明細書なんですが、不要と考える方が2割から4割、今後について希望しないという方が3から4割ということで、かなり多いような気がするんですが、この方々に無理やり持っていってもらうようにということが1つあると思うんですけれども、毎回同じとか、そういうような方にまでそういうことをする必要があるのか。
 それと、当初、これは前にいらした勝村委員が非常に熱心に推進されたわけですけれども、勝村委員がおっしゃったのは、何十年後かに何かあったときに、それがあることが必要なんだということでおっしゃったと思うんですけれども、持ち帰ったとして、ずっととっておくという人がどのくらいいらっしゃるのか、そういうことまで調べないと、本当に意味があるのか。メモ用紙代わりに使っている人もいるという話も聞くし、その辺の保存とか、保管とか、そういうことまで含めて調査する必要があるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○森田会長
 事務局、どうぞ。

○屋敷保険医療企画調査室長
 今回の調査につきまして、持ち帰ったものをどれだけ保管したのかというところまではなかったわけでございますが、調査票作成の段階でも若干議論があったというふうに記憶しておりますが、例えば、本調査で行きますと、121ページ目、図表126のところで持ち帰り自体はおおむね8割、9割程度は持ち帰られているという結果は出てございます
 また、訪問看護の部分につきましては、保管状況としては8割が保管をしているという結果が出ているところでございます。

  ☆

屋敷さんは「9割が持ち帰っている」ことを「保管している」ことと同じだと言い張りたいようですが、これ、家に帰って医療費の申告に使った後は捨てられる運命です。領収書で十分なら、明細書は速攻ゴミ箱行き確定。

「自分の個人情報が書かれた紙を渡されたら、とりあえず持ち帰る」のって、普通だと思いますが、その紙を、家で大事にとっておくかどうかは別の話。

むしろ1割がその場で捨てた?という事態に注目。

訪問看護に至っては、家で渡しているのに2割が捨てたわけですよね。

なお、勝村さんが当初問題にしていたのは、「明細を出せといっても出さないor超高額手数料を請求するor膨大な書類を要求する医院」「明細を出せと言ったら内容を改竄して出してくる医院」。支払い側は、それに便乗しただけ。

  ☆

○森田会長
 いかがでしょうか。ここでは、一応、調査結果についての御質問、御意見ということで、それについて、今後、診療報酬の改定その他でどのような形で取り組むべきかというのは、そのときに御議論いただければと思います。
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 関連してお伺いしますけれども、性格に多分数字が出しにくいから書いていない、患者調査票というのは、医療機関に送って、そこで患者さんに渡してくださいですね。だから、機会がなくてちゃんと渡し切れなかったのか、渡し切れたんだけれども、回答が来なかったのかがわからないんですが、この明細書は特に患者さんとの関連が強いので、回収率はどのぐらいなのかというのをお聞きしたいんですけれども、一般診療所の分は、およそ類推ができるんではないか。一般診療所、回収数が708件で回収率が41.6%ですから、ということは、1,600ぐらいの診療所にお出しになったことになるのかなと。
 そこで、1施設で一般診療所の場合はたしか3枚ずつですから、そうすると、5,000枚くらい多分配られている。それで回収が1,025枚だということは、回収率は20%と、そういうような考え方でよろしいんでしょうか。

○森田会長
 どうぞ。

○屋敷保険医療企画調査室長
 報告書の総-5-6の1ページ目及び4ページ目のところでございます。今、安達委員のところが御指摘になったとおりでおおむね結構でございまして、一般診療所でいきますと、1,700施設、最大3枚でございますから5,000枚。それで、回収の状況を見ますと、患者調査のところで、一般診療所患者調査の1,025でございますので、大体5,000分の1,025で約2割ということでよろしいかというふうに思います。

○森田会長
 よろしいですか。

○安達委員
 結構なんですが、データの解釈にも一種の制約が加わる数字なのかなという気はいたします。お答えになった方の中でも要らないという方もおられるんですが、では、残り8割の方は、そもそもどうなのか、興味がないのかなということを考えると、実際には、相当多くの方が本当は要らないとおっしゃっているのに等しいのかなと思えないでもない結果だろうなと、私は思いますが、ほかの方はどう思われるかです。

○森田会長
 白川委員、どうぞ。

  ☆

この状況での「ほかの方」とは、白川委員と花井委員以外の人のことです。

どのようなデータが出てきても明細書発行義務化を廃止する気のないふたりの意見は、バイアスがかかり過ぎていて、冷静な議論になるとは思えません。

会長の、運営ミス。

サッカーのゴールキーパーが、「あいている人にパスしろ!」と指示されて、『敵のフォワードにボールを渡す』ような、セルジオ越後さんが『サッカーをやる資格が無いね!!』と辛口コメントを出せるくらいの失策です。

  ☆

○白川委員
 今の鈴木委員と安達委員の御意見は、私には全く理解できないんですね。そんな推測とか、思い込みで、この結果について数字を見ようと思えば、どういう解釈もできるわけで、確かに鈴木委員がおっしゃったように、勝村委員は、この明細書は将来、何か病気にかかったときのエビデンスになるんだからということを発言されました。それは事実ですけれども、我々が明細書を発行してくれと言ったのは、患者として当然の権利ではないですかということをベースに主張してきたわけで、自分が受けた医療がどういう医療で、それに幾ら払ったのかを知るのが患者の権利だというのがベースで申し上げているわけです。それで、要らない人がいるとか、そういう方もいらっしゃるでしょう、私は不要ですという方もいらっしゃいます。私は毎月医者に行っていますので、毎月同じような内容だから、1回いただいたら、あとは要りませんとお断りしていますけれども、そういう方もいると思います。ですから、それをこの調査結果を借りて、不要だというような意見を言われるのは、私にとっては非常に心外でございます。単に調査結果について、こういう結果だったということで、この内容について質問があるならしていただければいいし、検証部会のコメントが間違っているのであれば、間違っているというふうに御指摘をされればいいと思います。

  ☆

「推測や思い込みでどんな解釈もできる」ような調査自体がおかしい。

「推測や思い込み」が強くて、この結果を「明細書は全員に必要とされている。そうでなくてはならない」と解釈して主張する白川委員自身にブーメラン。

白川委員は「御指摘をされればいいと思います」とまとめていますが、安達委員が「検証部会のコメントが間違っている」と言ったところで、「どこが間違っているのですか」と訊き返すでしょうから、結局は「二割の回収率ですから、残り八割の意見が『不要』である可能性もあります。その点を検証しないコメントでは困ります」という話になるわけで…。

勝村委員の主張だと事業を否定されそうだからと、勝村委員の主張に相乗りした過去を無視して「私たちは『患者の当然の権利』と言い続けてきた」と修正。でも、希望すれば発行する義務は以前からずーっと続くシステムなので、各医療機関の、運用の問題であって、「昔から権利は保障されている」のですが。今回の資料の調査結果をふまえるなら、以前よりも「全員に対する毎回の発行義務」の主張根拠としては弱くなったわけで…。

「私は毎月医者に行っていますので、毎月同じような内容だから、1回いただいたら、あとは要りませんとお断りしていますけれども、そういう方もいると思います」という、ここでの「私は」が、白川委員自身のことだとしたら…というか、この文脈で白川委員自身のことではないと言うのなら、議事録を書いた厚労省の担当者がどうかしているので、白川委員自身のことだとして以後は考えますが…、「当然の権利」を断る権利を白川委員本人が認めている以上、後述する「論点」の(3)に対して、白川委員は『明細書の意義の周知徹底など無意味だ。なにしろ私自身が、毎回同じならいらないのは当然であると思っていて、実際にもらっていないのだからねっ!!!』と、ものすごく強い口調で潰しにかかってほしいものです。

(注:「厚労省の議事録担当者がどうかしている」可能性も十分にあります。白川委員が怒っている理由はさっぱりわかりません。どうとでもとれる資料を一方的な解釈でごり押しする手は、厚労省や支払い側の十八番ですし)

  ☆
 
○森田会長
 先ほども申し上げましたように、これは明細書の発行を今後どうするかというのは、また改めて議論の場があると思いますので、あくまでもこの検証結果についての御質問でお願いいたします。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 白川先生、そんなにお怒りになるようなことなのかなと思うんですけれども、私どもも別に不要だとか、そういうことを言っているわけではなくて、要らないと言っている方に対して、持っていってくださいと、決まりですからというのもどうなのかないうことを言いたかったということでございます。

○森田会長
 要らなかったという方がこれだけいたということが、1つの客観的な報告ですし、それについて、検証委員会の方でくだした結論について、御意見、御質問があればしてくださいということです。

  ☆

要するに、同じような明細書はいらない!と白川委員が主張した場合に、「決まりだから持って行けよ。オラオラ」とごり押ししていいんですか? と。

  ☆

○安達委員
 私も申し上げておきますが、白川先生が怒られたのでびっくりしましたけれども、一般の統計学の数値の読み方として、回収率が2割ということであれば、その解釈には一定の制限が加わるでしょうねと、マジョリティーが答えていないという意味で、そういうことを申し上げたと、そういうことだけでございますから、余り誤解のないようにしていただきたいと思います。

○白川委員
 安達委員の言い分はそのとおりです。統計学で2割の回収率で正確な数値把握ができるのかと、分析ができるのかと、それはそのとおりです。ただ、残りの8割の方の、多くも要らないんじゃないかと思っているのではないかというニュアンスの発言をされたので、それはおかしいんじゃないですかと、私は申し上げているんです。

  ☆

白川委員、鈴木委員からの話には回答せず。

「当然の権利」であると白川委員が主張する「希望者には明細書を発行する」という部分に対しては誰も反対していませんし、昔からそうなっています

単純に「希望者以外はどうするの?」という点について、『要らないっていう人も結構いそうだと自分は感じたけれど、皆さんはどう思いますか』くらいの聞き方をしているのに対して怒りの口調で「私は希望者以外のほうだ! 私はもらうのを拒否している!」と言いながら「でも、私以外は、希望者に違いない!」…って、何を言いたいのか。

安達委員は「自分はそう思ったけれど、みなさんはどう思いましたか」と訊いているのですから、「私は、こうこうこんな風に読みとりました」と言えばいいだけで、「そう考える安達委員の意見は全く理解できない!」と大声をあげても無意味。

ここでの議題は「検証部会の報告書の内容に問題点があれば述べよ」ということなのですから、確実なのは、白川委員も述べているように『2割の回収率で分析ができるのか』に疑問があるにもかかわらず、検証部会が『一層の周知をすすめる』という結論に至った点が問題であるということです。

分析できないということは、安達委員が言うような「残り8割は要らない人」ケースもありうるし、白川委員が考えていそうな「残り8割は要る人」というケースもありうるのですから、「明細書を、必ずしも全員に渡す必要はないが、希望者には必ず渡せるような新たな仕組みを検討すべき」といった方向性も併記できるはずなのに、検討した様子が伺えない。これは、わかりやすい問題点だと思いますが、中医協の委員全員、誰も「検証部会の結論」を明確に否定しないんですよね。検証部会の中の人たちに、何か弱みでも握られているのでしょうか(超邪推)。

  ☆

○森田会長
 もうこの話は、これで、花井委員、これに関連してですか。

○花井委員
 私が黙っていると、勝村委員に怒られるので

○森田会長
 では、簡潔にお願いいたします。

○花井委員
 簡潔にというか、説明についてなんですけれども、まず、分厚い方の24ページにあるところの、いわゆる明細書発行体制加算が診療所で77%と出ていて、23%では、一方では発行の現状は60.7%、差があって、これは仕方ないのかもしれませんが、この差というのは、加算を受けているからといって、必ずしも発行するということではないという数字として見ていいのかどうかが1点目です。
 それから、いわゆる発行の、分厚い資料の50ページですが、明細書発行に関する患者意向の方法で、最初に明細書を発行する際、最初の希望を聞いて、それ以降は、それにならって対応しているというところが33.2、38.4とあるんですが、ちょっとこういうのは、そもそも明細書発行の趣旨からいうと、いいのかなと、事務局としてどうお考えなのかなと、原則全員にやるということからすると、こういう形で最初に聞いて、あとは最初に要らないといったら、ずっと要らないと、さっきの議論とも関係があるんですが、こういう運用がいいのかどうかということと、それから、同じ分厚いページの163に、規則が22年で変わったんですかね、そうしたら、それを踏まえているにもかかわらず、今後予定がないと、下から5行目ですが、すべての患者が、明細無料発行していない施設事務所において、今後、整備予定や予定がないと言い切られてしまっていること自体は問題があるのか、ないのかということ、以上の点について質問です。
 それから、先ほどからの議論の件で、一言だけ言わせてほしいんですが、やはり要らないといっても、今後医療制度を議論するには、国民の医療に対してのリテラシーというのが基本としてあったと思うんですね。だから、むしろ説明というところでも、病院の方で明細書の見方とか、医療制度を議論する上でも、国民がこういうのを理解するという基礎になるデータなので、単純に個人的に要らないと言えば、要らないんですけれども、やはりできるだけこういうものを理解していってということを、やはり診療現場でもやっていただきたいなと思います。

○森田会長
 最後の点は、御意見だと思いますので、では、事務局お願いします。

  ☆

花井委員も「個人的に要らないといえば要らない」のだそうで。これも、花井委員自身のことですよね? 花井委員自身が、要らないといえば要らない。

中医協の委員、支払い側の方々は「自分は、要らない」。

なのに、それを「国民」には、押し付けようとする。

特権階級様は、言うことが違います。

それにしても、こんなアホな発言を言わないと「勝村さんに怒られる」んでしょうか。

勝村さんは、そういうことを言ってきなさいと、花井委員に言ったのでしょうか。

以前、勝村さんが強く強く主張していたことって、「明細書を出さない」「明細書発行に大金や多くの書類を要求する」「明細書を改竄する」というダメダメ医療機関の撲滅で、それは、ほぼ解消しています(議事録に出てくる、明細書に載らない部分について、どう勝村さんが考えているのかはわかりません)。

今度は、(予想通り)『明細書を必要としない人たち』の扱いをどうするかという、これまで議論を避けてきた(というか、明細書発行の義務化自体、議論なんて全然しないで決まった経緯があるわけですが…)ことについて、フォローが必要になったけれど、どうしますか、という流れ。

それなのに。

自分は要らないけれど、国民には意義を周知させて、とにかく押し付けましょう。検証部会の結論に大賛成です」という意見。

なんでもかんでも、診療側の仕事が増える分には、関知せず。

なにが、「診療現場でも」ですか。

花井委員や白川委員、検証部会の委員さんたちの診察をした医療機関は、要らないと言われようが明細書を押しつけ続けてあげてみてください。10年後くらいに、その保管率調査をしてみればよいかと。

なんだか、年金のときと同じ、「自己管理で保管していなかったほうが悪い」という国の言い訳の材料でしかないのかなー、と思ったりして。最初の理念は、どこへやら。

「リテラシー」なんて言ってますが、これ、「本来は医療機関や保険者が適切に管理しておくべき情報を、患者に押し付けて、患者責任にしている」話です。そのあたりを理解してもらうことがリテラシーの強化。

リテラシーっていうのなら、検証部会の議事録をさっさと公表すればいいのでは? 中医協の会議の様子をネット中継すればいいのでは? 医療制度の議論に国民(全員)の医療に関するリテラシーが必要だと本気で思っているのなら、自分たちの会議の様子を全面的に公表してみればいいのに。

基本的な情報公開をしない側が、専門的な情報を渡しておいて、リテラシーが足りないと嘆く図。機械オタクのアムロ・レイですら、マニュアルなしではガンダムの操縦方法が分からなかったのに、素人兵に対して「連邦軍兵器のリテラシー不足を補うためにガンダムを渡す」かんじ。練習用のジムでも相当訓練しないと扱えないんですが、どうしろと?

  ☆

○屋敷保険医療企画調査室長
 1点目の24ページ、図表36でございます。ここにつきましては、診療所におきます届出状況を記載しておるということでございますので、実際に、また算定をしているかどうかというところは、また別途の形になってまいります。
 2点目の50ページの図表67でございます。最初の希望どおりに運用しているということになりますと、最初に受け取った後、2回目以降受け取っていないというような事例について、制度の運用上どうかという御質問かと思いますが、恐らくこれは、毎回発行するということのうちに含まれるという考え方もございますし、趣旨からいきますと、一回伝わっていればよろしいという考え方もできるので、運用としては、明確にだめとか、いいとか、というところはなかなか言いづらいところでありまして、これはそれぞれ受け取られる側あるいは発行されている側の意見をお聞きしながらテーマとして取り組んでいくべき部分だと考えております。
 あと、3点目の今後の予定について予定がないということにつきましては、今のオンライン請求が免除されている条件というのが、今後、永久に続くところにつきましては、予定がないというふうに答えておられる可能性があるということでございますが、その基本的なスタンスにつきまして、云々につきまして調査は行っておりませんので、そこの部分については、この調査からは不明でございます。
 以上です。

○花井委員
 わかりました。個人的な意見になるかもしれませんが、やはり最初に要らないと言ったからずっと要らないという運用は、やはりちょっとよくないというふうに考えます。

○森田会長
 ありがとうございました。それでは、堀委員、どうぞ。

  ☆

趣旨からいくと、ダメなんじゃないの? と花井委員が言ったら

趣旨からいくと、いいんです、と屋敷さんが答えました。

趣旨はなんでしたっけ。

  ☆

○堀委員
 細かい方は、今後の議論と言われてしまうと、なかなか発言がしにくいんですけれども、1つ明細書、今、鈴木委員が言われた、今後は不要だという回答について、歯科は患者さんの6割がそう言われているということで、そこについて、検証部会のコメントがないので、一言考えを述べさせていただきたいんですが、ちょっと歯科は、細かい中身が多過ぎるのかなと、結果として見てもわかりづらいんだろうと思います。これをもし活用するのであれば、この6割ということを踏まえて、今後、よりわかりやすい内容にしていただく方向で御検討をお願いしたいなという気がいたします。
 それから、これは今日の議論に妥当かどうかわかりませんが、1点、このほかに、今後、この検証結果を踏まえてどうするかということで、今、顕在化していませんけれども、例えば麻酔注射を行ったときに、これが算定できる場合と、例えば処置や手術に含まれて算定できない、つまり明細書に出てこないケースがありますし、また、初回の処置行為と2回目で点数が違う、あるいは月に2回しかできない、算定できないということが、結果として、同じ医療を御提供しても、患者さんが見たときに、前回と同じことをやっているのに違うというのが出てくる、こういった疑念が、これから明細書が普及していくと出てくると思うので、そういったことをどうやってわかりやすく御理解いただくか、そういう周知についても今後の検討課題ではないかと思っております。
 以上です。

○森田会長
 御指摘ありがとうございました。それでは、よろしいでしょうか。
 どうぞ。

  ☆

歯科は、6割の方が「今後は不要」と答えていても、不要だろうが渡すという方針を述べました。こういう上に媚びた立ち回り芸が、うまいというか、ひどいというか。

  ☆

○安達委員
 今の花井委員のお話にもあるんですけれども、私が8割の方が回答していないのは要らないんでしょうかねと申し上げたのは、実は、白川委員もおっしゃっているように、1回来て、あとは同じだとすれば、同じ内容ですから、そのときは要りませんよという人たちがそのぐらいいる、その中にはかなり含まれるのかなと。
 だから、例えば2割ぐらいが、新患の方なら当然要るのかなと、そういうようなことも含んでいたわけで、花井委員の御指摘のように、診療内容が変わったとき、例えば同じなら要らないという意思表示をしておられたとしても、診療内容が変わったときは、医療機関の方は、もう少し丁寧に対応すべきかと、例えば変わりましたよと、だから改めてというような対応が要るんだろうなということはそのとおりだと思います。

○森田会長
 では、明細書の話は、このくらいでよろしいですか。
 最後に、私、一般の委員として一言申し上げたいんですけれども、この診療報酬の調査結果について、今の話もそうですけれども、効果がある場合には継続するということだと思いますけれども、ない場合には、やめるのか、あるいはもっと強化をしてそちらの効果を発揮するのか、最終的な効果に対してどういう判断をするかというのが、これから診療報酬の議論のときの大きな論点になると思います。
 それ以外に、申し上げたいのは、救急もそうですけれども、いわゆる診療報酬以外の要因でもって結果が必ずしも発生しない場合もあるわけでして、そういうものについてはどう対応するかというのは、これは中医協の議論の枠の外の話かもしれませんけれども、しかし、調査をした以上、そういう情報があるとしたら、これは生かしていく必要があるのではないかということは申し上げておきたいと思います。
 それでは、どうもありがとうございました。この件につきましては、この辺りにさせていただきたいと思いますし、調査結果を生かしてこれからの議論を進めていければと思います。
 時間が大分押しておりますが、後の案件も今日やっておかないと、まずいですね。先送りはよくないと思いますので、質問は、本当に必要なときに限定してお願いしたいと思います。
 次に、年末までの議論の進め方を議題としたいと思います。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。

  ☆

安達委員がトーンダウンしたところでの、会長のまとめ。

森田会長は「やめるか、強化するか」が論点になると話しました。

また、今回の資料を生かすとも、言っています。

そうなると、「今後必要かどうか」において6割が明確に「希望しない」と回答し、3割が「時と場合により希望する」と回答した『保険薬局』カテゴリにおいては、『9割が、毎回毎回発行することに異議を申し立てている』わけですから、『効果が無いからやめる』という選択肢が示されてもいいはず。

ところが、10月12日の資料に明記された「論点」は…。

  ☆

10月の資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001qwts-att/2r9852000001qwyd.pdf

5.論点

(1)「正当な理由」に該当するため義務の対象となっていない医療機関について、今後の取扱いをどうすべきか。
○ 「正当な理由」に該当する場合には実費徴収を行うことが可能とされているが、これをどう考えるか。(徴収額が大きい場合には、患者の明細書発行の希望に影響を与えるのではないか。)
○ 無料発行の義務の対象外となる「正当な理由」の内容をいかに担保するか。(現在の医療機関、薬局の届出事項に関して、再度の確認が必要かどうか。)

(2)不明確な運用事例、不適切な運用事例について明確化することにより、明細書の発行を促進してはどうか。
例) 無料発行が義務となっている医療機関に係る事項
一度患者の希望を聞き、毎回同一の内容であること等により不要と言われた場合に、その後診療内容が変わっても発行の有無を改めて聞くことなく発行を行わないケースをどう考えるか。
一方で、患者からは同一内容のため明細書は不要とされるケースもあることから、こうした場合には、柔軟に取り扱ってかまわないことを明確化する必要があるか
例) 無料発行が義務となっておらず、希望者にのみ発行している医療機関に係る事項
明細書の発行に際し、申込書を記載させる等、患者に煩雑な手続きを求めるものについては、患者の明細書発行の希望に影響を与えるのではないか。

(3)その他
明細書の内容が分からない、毎回同一であるといった理由により明細書を不要と考える患者も一定数いることから、こうした患者に対する明細書発行の意義等の周知方法をどのように考えるか

  ☆

検証部会の結論の善し悪しは無視。結論通りに進めましょう、いえ、結論に書いていないことは議論せずにすすめましょう、と。

薬局の利用者の意見なんて、どーでもいいようです。

「不支持率6割、支持率1割の政策。しかも、やりたいことは、すでに実施済み」。

いわば「完成された機体であるジオングに足をつけたがるような話」…。

『あんなの飾りです。エライ人には、それがわからんのですよ。』

議事録引用した9月の際に、この件について何も発言しなかった三浦委員ですが、さて、10月12日のときは、なにか申し入れたのでしょうか。

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「もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」21

「もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

第二十一話:アポ子は全力で謝った

 帝夏アポ子は、リーダーたちをマネジメントするために、リーダーたちが普段どういった仕事ぶりをみせているのかを見聞することにした。

 といっても、24時間ついて回るのは面倒だったので、マイク付きのネクタイピンを秋葉原で購入して、こっそり役員にくっつけておくことにした。(※盗聴は犯罪です)

 なにかマズイ話でもして弱みを握るようなことがあったら面倒だなぁ…と変な心配をしていたが、そういった話はあってもスルー。

 三日分の音声を三倍速かつジャンプ連続活用で聴いてみた結果。

「ピ…ピーターの教え通りの問題点が…おそるべし、ピーター…」

 驚愕するアポ子with同じ部署の面々。

 ピーターのいう問題点、つまり「リーダーがしてはならないこと」とは?!

 それはっ!

 説明しないこと、である!

「正直、すまんっ!」

 同じ部署のスタッフに、いきなり謝るアポ子。

 アポ子自身も、そんなにあれこれ細かく説明するタイプではない。

 その反省を込めて謝ってみたが、周囲の半分はポカーンとした顔をしている。

 しまった。

 説明せずに謝ってしまった。

 芸人的には非常につらい環境だ。

 あれだ。『新ネタないんですか、新ネタ!』と話を振る嫌な司会者にのせられて一発ギャグをやってしまった感覚だ。

 「芸の流れの中で披露する新ネタ」と「なんの前振りもなく披露する新ネタ」との間のギャップ。

 説明は、必要なのだ。

 「正直、すまん」は、プロレスラー佐々木健介が藤田戦前にIWGPのベルトを失って…という説明というか、前知識が必要な謝り方なのだ。

 でも、説明してからネタをやるのもつらい。

 「今からやるネタはこれこれこういうことを踏まえてやりますから、面白いので笑ってくださいね」、と説明してからネタを見せるのは、地獄の環境だ。

 「嗚呼!花の応援団」を知らない人に、クエックエックエッと言ってみたらチョコボールですかと訊かれる。

 「男旗」を知らない人に、ピンホールは漢の魂だと言ってみたら古いカメラが好きなんですかと訊かれる。

 「刃牙」を知らない人に、オーガが最強生物だと言ってみたらSONYは惜しい人を亡くしたよねと返される。

 「マカロニほうれん荘」を知らない人に、キンドーさんとトシちゃんと総司君が住んでいた場所の話をしたら、それは八木さんと前川さんの家で、きんどーさんじゃなくてコンドウさんだから、と訂正される。

 観客が元ネタを知っているとは限らない。スタッフが社会情勢を把握しているとは限らない。会議のメンバーが資料を読んできているとは限らない。…最後のは、どうかと思うが。

 情報共有をしないこと、説明をしないことは、リーダーがやってはいけないことなのだ。ピーターが言うには。

 『なぜ自分がこの決定をしたのか(これからみんなにこの行動を求めるのか)がわかる説明』なしに、ネタ…じゃない、「決めたこと」だけを披露してはいけないのだ。

 仕方がないので、説明を始める。

「某役員さんの日常は、説明抜きで『決定したこと』を伝えることだけでなりたっていることがわかりましたねー。特に外部の審議会において、その傾向が強いようです。議事録によると総会においても同様です。要するに、説明が必要とされる、普段交流のない相手に対しては説明しない、という、相手が理解できない行動を繰り返していることになります。何度交渉しても何度会議を開いても物事が進展しない理由が、なんとなくわかりましたねー。では、それを踏まえて…」

 スタッフを見まわすアポ子。「某役員さんの【日常】」と言っているその口が、「背中に巨大なネジをつけた女子高生と、はかせ」から京都アニメーション経由で「となりの801ちゃん」につなげたがっているが、そんな口を力技で上手投げ。

 どうにかこうにか、家庭教師のお姉さん的な口調で、話を続ける。

「私たちのお仕事は、足りない説明部分をわかりやすく構築補完して、説明が必要とされる場所に前もって届けておくことです。リーダーが説明のできる人間だったら楽ですけれど、そうではないことのほうが多いと想定して活動するのが、リスク回避、裏方の真骨頂です。裏方パワーで、リーダーを盛りたてていこーっ。リーダーの分担する本当の仕事、『最終決断』に専念できる環境を作りましょうーっ」

 要するに、新番組を見せる前に、事前に知っていたほうがネタがしみこむような番宣をやりつつ、リサーチもしておくということ

 プチ決起集会気分で言ってみたら、なんだか好感触だったので…。

 【下から、リーダーを変えていく】作戦にうつる。

 アポ子は、少し根回しをしてから、委員会のやり方を変えてみた。

 社会実験。

 委員会の、委員集合時間と役員参加時間を、一時間半ほど、ずらす。

 たとえば、7時からの会議なら、役員は8時30分になるまで会場に入れない。理事レベルの役員も入れない。全部、委員たちと事務局に任せる。

 先に集合した委員は、資料の詳細説明質疑と議論を行い、役員以外がつとめる議長の進行で、案件選択だけを残して、まとめ。

 役員は、最終案選択を行うのみ。リテイク不可。従って、役員は、委員会に仕事を丸投げする際にはコンセプトをしっかりと説明するプレゼンを要し、そのプレゼンの前提として、常務会で「プレゼン内容の承認」を得ておかなければ委員会に指示できないという仕組み。

 まずコンセプト。それに大枠をつける「プレゼン」。

 それらを、「統率する側」から提示させる。

 テーマだけ並べて「さあ、あれこれ考えてよ」なんてことを言う役割は排除。

 司会進行役も、役員には、やらせはしない。やらせはしない。(大事なので二回言う)

 会長が会議の議長や司会進行をするような組織は腐っていく。

 大枠を決め、最終案にGOサイン(または理路整然としたNG)を出すのが、エライ人の仕事、役割だ。

 『薬剤師の将来ビジョンをテーマにして、委員会でもんで、提出してよ』なんていうセリフを平然と言うようなリーダーは、さっさと田舎に帰れと言いたいところだが、ピーターに言わせれば、「全員がリーダーシップをとる」ことこそが大事なので、現在のリーダーをガンガン『マネジメント』して、思考回路にイノベーションを起こすことにした。

 で、リーダーの考え方を変え、リーダーに「プレゼン」をさせるためのマネジメントとして、委員会のやり方を変えてみたわけだ。

 あとは、役員会の内容を変える。役員会は、報告会にしない。

 報告は、報告書を読むこと。会議に参加しないと状況把握ができないのでは、準備不足。よい案はでてこない。

 役員会は、プレゼン会でいい。「このコンセプトで、委員会に、こういうことを検討してもらう。どうだい、素敵だろう!」という提案に対して、「コンセプトがダメすぎる」とか「ナイスコンセプトだ!」とか言っていく会。会の目的に沿った、明快なコンセプトであれば良いので、詳細は委員会で! で済む。

 ところが、委員会に回す前に、大枠のコンセプトを提示しないくせに、細かい枝葉を決めてからまわしたがる役員がいる。発想の邪魔になる細かい枝葉を「説明」するために、会議に参加したがる役員が。

「俺が会議に参加してないじゃん! なんだよ、これっ」

 ナナミが、ぶーたれた。会議の場所にいても、参加しないで腕組んで寝ているか、どうでもいい基礎的な話を混ぜ返して無知をひけらかすか、枝葉を気にして本質を潰すか、人の失態を笑うくらいしかやってないのに。日薬(ひのやく)雑誌の表紙の写真が2ミリ上に印刷されたからといって発行日を二日遅らせて印刷製本をやり直させたという逸話があってもおかしくない。(※この物語はフィクションです)

「しかも、会議の結論が、『求められているコンセプトが全く分からないので、三つの案を併記した。最終的に担当副会長が決め、その責任において実行する予定』って。どの案でもいいけど、俺、常務会で通す自信がないんだけど」

 へたれ副会長のナナミらしい、誰の顔色をうかがっているのかがわかりやすいセリフ。

 このセリフは、予定通りだ。

 よし、ここからは、ずっとアポ子のターンだ。

「じゃあ、次回からは、先に常務会でコンセプトの明確なプレゼンを行って、常務会承認をとってから、委員会に話をふればいいじゃん。あんたがコンセプトを提示しないから、委員会の委員があんたの代わりに知恵を絞ったの。わかる? 明確なコンセプトを出せないあんたが会議に参加していても、会議は空転するの。出てきた案が三つもあるのに、どの案でもいいなんてありえる? 常務会っていうのは戦場でしょ! プレゼンしないってことは、一回も撃ち返さないってことよ。バッターボックスに入る権利っていう、誰もが羨むプラチナチケットをもっているのに、いざボックスに入ったら一ミリもバットを動かさないで、期待したファンの前で、平気でへらへら笑っていられるってことよ。全国民の期待を背負ったWBCの決勝でイチローがそういう無気力なことしたらどうなるか、想像できるでしょ? プレゼンしなさい。全力でバットを振りなさいっ。そしたら、ベンチだって、全力であんたを応援するんだからねっ」

 全力。ちょっと言い過ぎた気もするが、まあ、そのくらいのことを言っておかないと、ナナミの超合金ニューZ製の装甲は破れない。これまでは全力じゃなかったのかというツッコミをナナミが思いつく前に、もう少したたみかけておこう。

「あんた、もしかして、次の会長の座とか、狙ってないでしょうね?」

「な、な、なにを、俺は、タマコ会長のために頑張る所存っ。タマコ会長がやりなさいと言ってくれれば、会長でもなんでも、当然やり遂げるっ

 やる気満々だった。

「それ最悪だから。あんたは、副会長としての有能さを最大限に発揮してから、潔くタマコ会長と一緒に花道をいきなさい。バージンロードという名の花道をねっ!」

「ば…バージンロード…!」

「花道を一緒に歩いてくれるかどうかは、あんたの、これからの、常務会での男らしい態度にかかっていると言っても過言ではない! そういうことだーっ!」

「そ…そうかーっ! そういうことかーっ!」

 この一瞬で、ナナミが次期会長になる芽は完全に摘み取られた。

 失うものがないのだから、というか地位を失ったほうが楽しい毎日が待っているような気になっているのだから、これからは、バンバン常務会の場で戦ってくれることだろう。

 ナンバー2の側近を、後継者にしないこと。

 これが、ピーターがあちこちで言っている「ナンバー2がトップを引き継ぐことで組織が堕落した例」への対策。

 タマコ会長とナナミの相性は、どんな占いをやっても120%好相性のラブラブカップルという診断が出るのだが、タマコ会長が去った後の組織にとっては、そんなことは心底どうでもいい話。

 審議会に、挨拶以外の積極的な意見を発言してフル参加する大臣はいない。にもかかわらず、大臣は、答申を基にした政策について、委員会ではガンガン答弁できる。日薬のエライ人たちも、委員会レベルの会議にはノータッチでいこう。少なくとも、ナナミのようなタイプの副会長には、会議の時間中、他にやってもらうべきことがたくさんあるのだ。そっちのほうが大事に決まっている。

 ナナミの潜在能力を引き出すのだ。

 ピーターも、人の可能性を引き出せ、と言っている。育てろ、じゃなくて、可能性を引き出せば、それでいいらしい。とにかく少なくとも模範的な振る舞いくらいはさせたいけれど、タマ子会長とナナミに、それを期待するのは無理だよピーター…。

  ☆

 つづく

  ☆

今回の言葉『これは、説明という名のアジテーションである』

 扇動というと大げさ。でも、心を揺り動かして、行動を変える力があるような説明は、確かにある。一枚の写真を前にして、「これは、子供の写真です。一枚500円で、買ってください」という説明と、「これは、今朝写した、国家に捨てられた子供の写真です。隣の部屋に保護しました。ハンバーガーが食べたいと言っています。たべさせてあげたいですよね? …一枚500円で、買ってください」という説明と。

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