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実録もの風味の、仁義なき戦い サークル頂上決戦。

えーと、今回は、古いニュースを参考にしてはいますが、完全にフィクションです。

  ☆

♪ちゃららーん、だだだだだだだだだ…

「コント 仁義なき戦い サークル頂上決戦」

(キャスト)

 会長(タカシ)

 副会長(アキラ)

 前会長(トシオ)

 ピエロ三人衆(ヤス、タツ、ヨシ)

 THK6(トーホクシックス)

 端役:数名

 666人を代表する人たち:百人くらい。

  ☆

(開幕)

どこかの街並み。

連れだって歩く、タカシ(会長)とアキラ(副会長)。

タカシ「(櫛で髪を整えながら)いやー、今日もいい天気じゃのう」

アキラ「(落ちてくるメガネを気にしつつ)いやー、タカシさんのいうとおり、ワシら、日頃の行いがいいですからねー」

タカシ「これも人徳っちゅーやつや。わしら、人相的にイケメンボーイズじゃき」

アキラ「まったくでやんす」

機嫌良く会話する二人の前を、三人組がふさぐ。

ヤス「おうおうおう。タカシ。ひさぶりやな。アキラもか。アキラは、あいかわらずタカシの腰ぎんちゃくかいのぅー」

アキラ「ふん、タカシさんはなー、世界腰ぎんちゃくにつきたい男ランキングで、常にナンバーワンの色男なんじゃいっ。タカシさんも、ワシのことを、世界一腰ぎんちゃくにつけたい男として認識しているんじゃいっ」

タカシ「正直言うと、おまえ役立たずの足引っ張りだから、おまえが側にいるだけで優秀な連中が逃げていくし、踏んだり蹴ったりになりがちなんだが、まあ、この際仕方がない」

タツ「おまえらホントに仲が良いのぉー。で、タカシー、おまえ、NMB(なんば)におったころ、NRA(なら)のアキラとふたりでやんちゃしとったって、街の噂で聞いたぞ。これまで聖人君子みたいな顔しといて、なんじゃ、ありゃあ」

ヨシ「わしらOBや、サークルの後輩どもを、騙しとったんかい。サークル会長選挙のときも、清廉潔白純真無垢な顔しておったしのー」

タカシ「なにゆーてんねん、OBのみなさん。誤解ですわ、誤解」

タツ「なんじゃ、シラきるんかい。そこいらで噂になっとるで」

アキラ「そんなもん、ガセじゃ、ガセ。風評被害はこわいのー。噂なんぞ、イケメンのワシらに嫉妬した連中の仕業に違いないわー」

ヨシ「ふっ。証拠はあがっとンのじゃ。このコピーみさらせいっ」

アキラ「な、ななな、なんじゃこりゃーっ。タカシさん、こりゃあ、ワシらがやんちゃやってセンコーに呼び出されたあとに、サークルへ出した反省文のコピーですよーっ」

タカシ「なんじゃとーっ! 反省文っていうたら、ワシとアキラがやんちゃやったことを、サークル内でバラさんでくれっちゅー顔してトシオさんに会ったときの、あれかーっ!」

ヤス「言い逃れできんのか、こらー」

タツ「なんか釈明するなら、さっさとせんかいっ」

ヨシ「このドへたっぴいな字は、アキラ、おまえんじゃないんかいっ」

タカシ「だーっ。NMBにNRA、関西のセンコーは、日本一厳しいんじゃーっ。ワシらだけが悪いんと違うんじゃいーっ」

アキラ「そーじゃそーじゃ、OBさんたちのなわばりでは、センコーが必要以上のガサ入れをせんだけじゃろーっ。ワシらんとこのセンコーは、アリエナイ細かさで指導するように教育された指導サイボーグなんじゃいーっ!」

ヤス「呼び出しくらって『悪質』言われとるんじゃろがーっ! 根本的に細かいことと違うで。おまえのやったやんちゃはなー、最低最悪、絶対にやったらあかんことのひとつなんじゃーっ! 悪党を自覚しとるアウトローが、組織に迷惑かけずに一匹狼でやってすら後ろ指さされることなんじゃーっ!」

ヨシ「そうじゃそうじゃ、このやんちゃがほんまやったら、性根が腐っとるっちゅー話や!」

アキラ「そこまでゆーか! ワシらかて、少しは悪いと思うたから反省文書いたんじゃろがっ」

タカシ「そうじゃ、そうじゃー。ワシらのやんちゃを、前の会長のトシオさんは全部水に流してくれたんじゃー。もうすんだ話じゃー」

タツ「なに自分から白状しとんねん」

アキラ「今のどこが白状やねん」

ヨシ「往生際わるいでー。さっさと腹きめんかい」

タカシ「ふん。サークルのOBが、今更、昔のことで、何ゆーてんねん。ロートルは黙って隠居しとき」

ヤス「あーん? ワシら相談役じゃーっ。相談せいやーっ」

タカシ「ここ10年、相談なんかしたことないっちゅーに、なにをいまさら相談なんかするかーっ」

タツ「どうなんじゃいっ、結局、このコピーの内容は、事実なんか、事実でないんか!」

タカシ「じ、事実ともいえなくもなく、事実でないということであっていいのかどうか検討中ということで、どうぞよろしくお願いしたいと思っております」

ヨシ「あー? きこえんなーっ」

ヤス「トシオ呼んできて洗いざらい白状させてもええんやでー」

タカシ「こーやって真摯に反省しとるのに、くどいのぅ」

タツ「なんじゃとー、もういっぺんゆーてみい」

アキラ「おう、やるかーっ」

ヨシ「上等じゃ、こらー」

THK6「まてーい。まてまてまてーい」

六人組の派手な衣装の人たちがローラースケートで乱入。

ヤス「なんじゃ、おまえら。タカシの取り巻きかい」

THK6「ぼくたち、スーパーアイドルグループ、THK6ですーっ! ぼくらはタカシさんに恩があるんですー。タカシさんにどこまでもついていきますー」

タカシ「ノーコメントや」

アキラ「ワシは? ワシには恩はないんかいっ」

THK6「特にないですー」

ヤス「おまえら、恩も何も、お前らが食うや食わずで困っとったときは、わしらも後輩たちも総出で、仲良う汗かいて頑張ったのを、もう忘れたんかっ」

ヨシ「まだまだ、これからも一緒に頑張ろう言うてたのを、『サークルとしての支援はもう辞める』って総会(サークル会議)の決議もなく決めたのは、タカシやろっ」

タツ「そーじゃそーじゃ」

THK6「いいえっ。なにもかも、ひとえにタカシさんのおかげですっ。これからもついていきますっ。タカシさんが辞めるなら、ぼくたち、サークル活動、サボっちゃうかもっ☆」

タカシ「ノーコメントや。(いらんことすんなや)」

アキラ「ワシは? ワシは?」

THK6「だいたい、仮にやんちゃやってたとしても、反省文を書いてトシオさんが黙認したのなら、もうどうでもいい話じゃないですかーっ。退学になったわけでもないんですしー」

タツ「あほーっ! おまえらもタカシらも、どんだけ世の中甘く見てるんじゃーっ! ワシらのサークルの定款読んだことないんかーっ」

ヨシ「見てみい、『サークルの体面を汚したもんは、除名。ただしサークル会議で弁明可能』って書いてあるじゃろーっ! 体面汚すようなマネしたもんが、会長に反省文一枚出して済ますんやったら、こんな条文はいらんのじゃー。そのうえ、反省文まで出しておいて、そのまんま会長だの副会長だのの要職に就いてええんじゃったら、ワシらは、どんな真似しくさった外道でも除名できんっちゅー、腰ぬけ組織だと指さされるんじゃい!」

ヤス「先代の会長が個人的に許しても、サークルっちゅう組織の問題は、ワシらも含めたサークル会員全体の問題なんじゃ。うちうちで済ませたうえ、そのことをサークル役員会で一切報告せんで三人だけで揉み消したっちゅーのが事実なら、もう信頼できんわっ」

アキラ「そんなんいうなら、サークル会議で議題にすればよかろうもん。なんでこんな往来のど真ん中で拡声器持って話しちょるんよ」

ヤス「ワシらはピエロじゃけん」

タツ「ピエロじゃけん」

ヨシ「じゃけん」

THK6「超ウケルー。ぱちぱちぱちぱちっ」

アキラ「まあ、リアルに笑われちょるよね」

タカシ「いくらでもピエロやっとったらええ。やればやるほど、事情を知らん連中が『内ゲバすんなや』ゆうて、ワシらに有利じゃ」

ヤス「内ゲバ? なに言っとるんじゃい。だいたい、今の、おまえらが運営するサークル会議で話しても、おまえら、まともにとりあわんじゃろーが!」

アキラ「心の底からまともに取り合う思いはありますよ」

タツ「おまえらの『思い』が実行に移されたことなんか、一度もないじゃろが」

アキラ「自分の弁明タイムだけは、十分すぎるくらいにとりますよ。OBさんたちに、話す機会は与えませんけどね。へっへっへっ」

ヨシ「もーええ。こいつら壊れとる。トシオ呼べば済む話じゃ。電話電話」

ただいまおかけになった電話番号は現在使われておりません。

ヨシ「トシオのやつ、逃げおった!」

タツ「トシオの居所は見当ついとる。あとでしばいちゃる」

ヤス「まあ、ええ。タカシ、ワシらは、事の詳細を、じっくりきかせてもらわんことには、引き下がれん。往来ではなんだし、文書で、二週間後までにもってこいや」

アキラ「タカシさん、ワシらも逃げましょう。どうせ、こんなマイナーサークルの話なんか、世間では噂にすらなりませんから。文書なんかで回答しないで、誤魔化しましょうよ」

タカシ「そーじゃのー。では、ほな、さいなら。来月のサークル会議で弁明しますわ。そこで会いましょー。ま、サークル会議の出席者は、ワシらが首根っこ押さえておきますけどねっ」

逃走するタカシとアキラ。

ヤス「なんじゃい、結局、回答拒否かいっ」

タツ「後輩たちに囲まれて、偉そうなこと言ってたくせに」

ヨシ「こいつらみたいな取り巻きをつくりたいだけじゃ」

ピエロの三人から、鋭い眼光で睨まれるTHK6。

THK6「ひっ、ひいいっ。た、タカシさーん、待ってくださーい」

タカシを追いかけるTHK6。

取り残されたピエロたちも、よろよろと舞台袖へ。

舞台に最初から置いてあった、大きなごみ箱が開く。

ゴミ箱から、トシオが顔を出す。

トシオ「あ、こんにちは、ぼく、トシオです。反省文を書かせたのは、ぼくなんですけれどね。まあ、それはそうと、四期目の選挙のとき、タカシが対立候補として立候補したんですよ。おくさん、どう思います? 普通、反省文まで書いたなら、粛々と辞めますよね? なのに、副会長やるわ、対抗馬になるわ。いや、まあ、一瞬だけ、後継者にしよっかなーって、魔がさしこともあるんですけど。対抗馬はないよね。とにかく、ぼく、落選です。そこから二期、タカシが会長やってますけれど、三期目をやる気満々。ぼくと並ぶ三期目ですよ。三期目。あ、ちょっと愚痴になっちゃいましたけど、きいてくれてありがとう。それにしても、反省文のコピーひとつで、こんなにもめるとはねー。反省文は、書いた人と、受け取った人しか、入手できないけど、いったい、どうやってコピーしたんでしょうねー。まあ、ぼくは、よくわからないけど、とりあえず、もう少し雲隠れしておきます。え? サークル会議への出席ですか? しませんよ。なんでぼくが会議に出なくちゃいけないんですか」

ゴミ箱の蓋が閉まる。

暗転。

舞台が、サークル会議の会場に。

議長「というわけで、本日の質問および議事は終了…」

タカシ「ちょっと待ったぁー!」

議長「なんですか、会長(うちあわせどおり、キター)。なにか発言ですか。今すぐ時間を作りますから、どうぞご発言くださいっ。さあ、みなさん静粛に。咳一つ、埃一つ許しません」

タカシ「弁明したいっ。例の件だが、あれは、反省文は、トシオさんに書けって言われて書いたんじゃ。ワシらは、連れションみたいに、一緒に辞表を提出しに行ったんじゃ。そしたら、トシオさんが、反省文でいいっていうから、従ったまでなんじゃ」

サークル会員A「(なんで従うんじゃ、ぼけーっ)」←無音

サークル会員B「(トシオはなんでおらんのじゃーっ)」←無音

タカシ「とにかく、全てはトシオさんの意向に沿っただけなんじゃ。もう細かいことはええやろ。書けゆーから書きました。それだけじゃ。ワシ、なんも悪くないじゃろ」

アキラ「ワシもなー」

サークル会員「ぽかーん」←無音

サークル会員「ぽかーん」←無音

サークル会員「ぽかーん」←無音

議長「なにか質問ありますかー。ありませんねー。どーしましたー? 質問する気力もないですかー?」

THK6「質問なんて、恐れ多くて、できませーん♪ タカシさん、ついていきますよーっ。ひゅーひゅー♪」

サークル会員「ぽかーん(これ以上喋らせて議事録に残ったら…)」←無音

サークル会員「ぽかーん(うちの地区リーダーが執行部にいるし…)」←無音

サークル会員「ぽかーん(今、THK6を敵に回すと、面倒だし…)」←無音

議長「では、本日のサークル会議は、ここまでー。さっさとおうちに、かえりなさいっ」

解散していく会員たち。

アキラ「質問、ありませんでしたねーっ♪」

タカシ「これで、幕引きじゃろ」

アキラ「約束通り、サークル会議で弁明した、と」

タカシ「禊は済んだ!!! ワシら、清廉潔白じゃなー」

アキラ「まったくですよ、うへへへへへ。次の選挙も安泰でげすな」

有頂天のふたりの背後から…。

ヤス「…おまえら、ワシら舐めとんのか?」

タツ「世間様舐めとんのか?」

ヨシ「ピエロ舐めとんのか? そんなもんが弁明になるか、あほー」

タカシ「あほちゃいまんねん、ぱーでんねん♪」

アキラ「よっ、タカシさん、ギャグさえてますねっ。サイコー!」

隅っこに置かれていた大きなゴミ箱が、そそくさと退場。

ナレーション「銀河の歴史が、また一ページ。」

(閉幕)

   ☆

以下、薬剤師倫理規定擬人化娘たちの会話。

黄土やつね(第八条娘)「…ってな舞台劇の脚本を書いてみた! どや?」

白峰とうあ(第十条娘)「品格のある方が一切描かれない、無粋なお話ですね。誰ひとりとして、自らの責任を果たさない姿には、嫌悪感を感じますわ」

青山みつひ(第三条娘)「全員を新聞部の部室に呼び出して、言い分を文書化して並べ、論理研究会や心理学研究会などに分析させて…」

やつね「あ、これ、別に推理小説と違うし…」

みつひ「ん、そうなのか。では、率直に言おう。つまらん」

やつね「あ…あうう…豪速球すぎてガラスのハートがピンチやぁ…」

とうあ「そんなに悲観しなくても、平凡で素晴らしい出来ですよ。主人公が誰なのか全くわかりませんでしたので、なんの共感も覚えずに済みました。登場人物のみなさんが問題視していることの重要性はわかりませんが、『不快な人物ほど支持を得る組織』というものが存在する世界で、そんな組織が10年以上、不快な人物のもとで運営されている姿を描いた、幻想小説なのですね。でも、これでは、設定がわかりにくいので、夏目漱石先生の『坊ちゃん』という古典をお読みになられてはいかがでしょうか」

やつね「平凡っちゅー時点で、もうあかん…」

みつひ「定款の部分は、気になるな。サークル会議で弁明することの前提は、『サークルの体面を汚した』という事実だろう。体面を汚していないと思っているのなら、自ら弁明する必要はない。まずは、先に「体面を汚した」と主張するものが、その事実を証明すべきだ。また、サークル会議自体が『現会長はサークルの体面を汚している』と訴えていないのに、会長が勝手に弁明を始めているが、それを議長が咎めないのは何故だ。サークル会議の運営上、仮に議長がこれを『弁明の権利を行使している』ととらえたのなら、弁明終了後に即刻決議をとり、除名するかどうかを明確にすればいい。だが、何の決議もとらず、ただ弁明だけさせるとは、一体どういうことだ?」

やつね「あー…そんな細かいとこは、なんも考えてなかったんで…」

とうあ「青山さん、これはきっと、論理軸が狂った世界で生きる人々を描いた、高度な演出なのですわ」

みつひ「こいつ(やつね)に、そんな頭があるわけがないだろう。没だ没」

やつね「み…見せる相手、間違うた…」

 (おしまい)

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