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日薬の『見解』と、落ち込む「薬剤師倫理規定」擬人化娘たち。

薬剤師倫理規定擬人化のブログなので、

 様々なところで、いろいろな人が書いている

 「埼玉県薬会長書類送検」について、

 薬剤師倫理規定擬人化的に扱います。

  ☆

【擬人化娘たちのトーク】

みつひ(第三条娘)「日本薬剤師会が、埼玉県薬会長の書類送検について『見解』を発表した。書類送検自体は、薬剤師倫理規定第三条、遵法を忘れた結果だ」

むつき(第六条娘)「今日は、事件そのものではなく、『見解』の内容について、考えてみましょう」

とうあ(第十条娘)「そのまえに、まずは静かに、ご冥福をお祈りいたしましょう」

日薬の『見解』はこちら。
http://www.nichiyaku.or.jp/press/wp-content/uploads/2011/08/pr_110822.pdf

むつき「…では続けます。『見解』の名義は日本薬剤師会。問合せ先の代表者名は七海副会長です」

みつひ「児玉会長ではないのか」

むつき「七海副会長は組織・会員委員会や、生涯学習委員会の担当副会長です。県薬という組織の会員が書類送検されていて、それを教訓として生涯学習的に会員への指導を強化するという結論の『見解』を出すのだとしたら、適任とみなされる可能性はあります」

とうあ「すみません、その、『見解』の内容そのものを、要約していただけませんか」

みつひ「そうだな。分解すると、A:警察が書類送検を発表した。B:新聞報道では、患者死亡日は四月七日。C:患者死亡直前に誤調剤を病院が把握し、事態が明らかになった。D:誤調剤の把握は、薬局では四月一日だったが放置した。E:書類送検された薬剤師は、埼玉県薬の【前】会長で、平成23年1月まで日薬の理事であった人物である。F:医薬分業の理念の根幹を揺るがす問題だ。G:これは会員への周知が十分でない証左だ。H:二度とこうした事態を惹起せぬよう、調剤過誤防止に向けた『会員への指導・周知を強化する』。以上」

とうあ「…ひとつ、謎があります」

むつき「なんですか。惹起は『じゃっき』と読みますが、そこではないようですので続けてください」

とうあ「日薬は、なぜ、【すでに誤調剤による死亡事故を起こしているとわかっている方を、一月以上後、平成二十二年五月二十六日の第74回総会において、追加選任にかけたのでしょうか】」

みつひ「?」

むつき「説明します。今回の『見解』において、日薬は【本年一月まで理事であった】と述べていますが、【いつから理事であったか】については述べていません。当該薬剤師が日薬の理事に【新任】で就任したのは、平成二十二年五月二十六日。事件発覚は、その前の平成二十二年四月七日以降。この間、およそ二か月。事件について、日薬が報告を受けていたのかどうか。少なくとも、埼玉県の保険医療部は知っていたはずですが、連絡はなかったのか…」

 ≪年表≫
 平成22年 3月25日 調剤
         4月1日 過誤発覚(薬局)、放置
         4月7日 過誤発覚(入院先)、患者死亡
        4月23日 埼玉県保険医療部長名で
               注意喚起通知(埼玉県薬会長あて)
        5月26日 日薬総会。理事就任。
 平成23年 1月    理事退任
        8月19日 書類送検。県薬会長辞任。

みつひ「つまり、日薬側が、【知らないで】この人事を行ったのなら、『会員管理能力がない』。【知っていて】この人事を行ったのなら、『会員管理能力がない上に、底抜けのバカ』だと?」

むつき「そこまでは言っていません。ただ、情報収集と安全管理、二つの面で、この人事には、薬剤師倫理規定第六条的に、納得がいきません。この人事に対して、本人が辞退を申し出ていないのが不思議です。あるいは、辞退を申し出ていたとしたら、それを日薬が受理しないのが不思議です」

とうあ「日薬の理事は、会長の選任だけでは理事になれません。代議員さんたちの信任投票を経て理事になります」

みつひ「信任、か。そこには、履歴書のような『賞罰』を含めた人物調書はあるのか」

むつき「賞罰については不明です。自らを律すると同時に、事故被害者の心証を考慮し、更には選任に関わる代議員さんたちに嘘をつかない姿勢があれば、書いたと思います」

とうあ「代議員さんたちの『信用』を裏切ることがわかっている状態で、『関東ブロック代表』という肩書きの職責を得た行為は、薬剤師倫理規定第十条を汚すものです」

みつひ「一ブロックを形成している東京を除く、関東の薬剤師の意見代表理事ということだからな。ただでさえ、埼玉県の代表でい続けて、一部地域での信用を低下させているというのに、関東の代表という形で、信用が低下する範囲を自ら広げるとは…」

むつき「日薬の『見解』には、まだ不可解な点があります。書類送検時も事件の起こった日も、当該薬剤師の肩書きは『埼玉県薬剤師会会長』なのですが、『見解』では【前会長】と書かれています」

みつひ「いつ辞任したんだ」

むつき「辞意を表明したのは十九日、実際に辞任したのも同じ日。そのことを業界紙が知ったのは二十二日とのことです」

とうあ「日薬の『見解』の日付もまた、二十二日。その日には、日薬は、『すでに辞任していることを知っていた』わけですね」

みつひ「つまり、辞表を受理した埼玉県薬と連絡が取れていたということか」

むつき「あるいは、業界紙からの連絡でしょうか。どちらにしても、この書き方は、フェアとは言えません。『今の会長ではないので、影響はありません』『事件当時も会長ではありませんでした』という錯覚をおこす表現です。正確さを考慮した情報とは言えません」

とうあ「あの…。もうひとつ、疑問があります」

みつひ「証左は『しょうさ』と読む。あ、そこではないのか。続けてくれ」

とうあ「『見解』には、【会員への指導並びに周知を一層強化する所存】とあります。なぜ、役員のひとりの問題が、いつのまにか、会員の問題にすり替わっているのでしょうか」

みつひ「む。役員も、会員のひとりには違いないが…。何か釈然としないな。会社の執行部役員のひとりに不祥事があった際に『社員への指導を徹底します』と言われている感覚だ」

とうあ「指導以前に、個々の薬局は、安全管理責任者さんを置いております。安全管理に関する講習を毎年受講する義務も課せられております。つまり、会員であってもなくても、薬局には安全管理責任者さんがいらっしゃって、自律的に安全管理を行うのです」

むつき「そして、全ての薬局は、安全管理マニュアル(手順書)を自ら作成し、備えています。安全管理マニュアルの細かい部分の内容は、薬局ごとに違います。その違いによって、環境が異なる個々の薬局において最も安全な状況をうみだそうとしています」

みつひ「法に基づくシステムは、個別に安全を追求する仕組みになっていて、薬局の自律的安全管理を保証しているわけだな。では、指導とは…。指導など、できるのか?」

むつき「わかりません。以前、日薬は、安全管理マニュアルの雛型を参考資料として作成し、配布しました。指導的な役割を果たしたとはいえます。あとは、個々の薬局の安全管理責任者さん次第で…」

ひとみ(第一条娘)「ねーねー、なんか難しいお話ー?(乱入)」

いつめ(第五条娘)「あー、やたら成績よさそうな連中が集まって、暗い顔して話しているから、気になっちゃってさー」

ひとみ「世界が終っちゃうようなことでもあったの?」

みつひ「法が否定された」

とうあ「品格と信頼が失われました」

むつき「安全管理と情報管理が大ピンチです」

ひとみ「うわー、あいでんてぃてぃ?の、そーしつだねっ」

いつめ「おっ、なんか難しいこと知ってるな」

ひとみふたばおねーちゃん(第二条娘)が、そう言ってたのー。なんかぶつぶつ呟きながら、暗い顔でひたすら青汁つくってたけど、大丈夫かなー」

むつき「良心を否定され、自律もできていない話ですから、無理もありませんね」

ひとみ「あとねー、ここのちゃん(第九条娘)が、河原で番長さん(第四条娘)に人生相談してたー」

みつひ「ああ、守秘義務の、最も悪い形の解釈が行われたうえ、後進の育成に努めるべき指導者が後進に悪影響を与え続けていたわけだからなぁ…」

とうあ「そういえば、ななせ会長(第七条娘)は、どちらに?」

いつめ「ちょっとヤバイくらいの規模で殴り込みの支度をしていたから、縛り上げて監禁中だぜ☆」

むつき「殴り込みですか…。そうですよね。この件は、地域医療をダメにする施策を率先して推進する話ですからね。事件だけでも大きなダメージなのに、『見解』で、追い打ちです…」

いつめ「ま、まあ、でも、ほら、全力でやった結果なら、今日がダメでも、明日があるさ!」

ひとみ「元気出そうよー」

とうあ「そうですわね。貴方たちは、そのままでいてくださいね」

いつめ「おうっ」

ひとみ「うんっ。じゃーねー♪(立ち去る)」

みつひ「…これは…とても言える空気ではないな…」

むつき「生命の尊重や、同僚との協力、職能の最善…全部、無視された結果ですからね…」

つかさ先生(倫理違反、のヒト)「(通りすがり)んー…。おまえら、暗いなー。もう、うじうじするなよー。ルールが守れないなら、義務も権利も捨て去って、さっさと自由を手に入れろ! たったそれだけのことだ!(そのまま去る)」

とうあ「相変わらず、刹那的な方ですね…」

みつひ「まったくだ。ん…いや、そんなことより、私はななせ会長を救出してくる。監禁とはただ事ではないぞ!」

むつき「こんなこともあろうかと、会長には発信機をつけてあります。このレーダーで…」

やつね(第八条娘)「(唐突に、乱入)ここで明るい演説をひとつ! 世の中、お互い倒れるまでの喧嘩はあかん。よわっとるモンを殴り過ぎるのもあかん。協調が大事。社会貢献が大事。よーするに、過去を教訓にして未来をよくするのが大事。現在進行形の社会貢献を忘れたらあかん。誰かがダメなら、うちらがフォローする。今日できることが明日できなくても、明日は誰かができるようになっとる。なんでもかんでも自分のとこでやろうっちゅー考えが、余裕をなくすんや。胸を張って、みんなで、地道に信頼を取り戻す。ウチらは何がしたいん? 初心はなんや? 答は、この胸の中にある! それが商い人で、専門家なモンの、矜持っちゅーやつと違いますか? 矜持を捨てたら、つかさ先生のようになりまっせーっ! って、誰も聞いてないんかいっ」

とうあ「ふふふ…。やつねさんは、たまに、まじめなことをおっしゃりますね」

やつね「け、気配消して、背後に立つなーっ! な、なんかしらんがめっちゃ恥ずかしいこと聴かれた気分や! ほ、ほな、さいならーっ(脱兎モード)」

(おしまい)

  ☆

【おまけ】他の番外編から見た「事件」。

キミ教頭(薬剤師綱領原理主義)
 「薬剤師綱領には、揺るぎがありません」

(多様化の否定)
 「外国の倫理規定を導入しなきゃダメだ」

(薬剤師倫理規定、前文娘)
 「確固たる薬の倫理は、どこだおー!」

※「薬剤師綱領」には、倫理や法の話は書いてありません。

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