« 新生中医協。 | トップページ | 日薬代議員会議事録2011春02「倫理委員会」 »

日薬代議員会議事録2011春01「準備と民意」

日本薬剤師会第76回通常総会の議事録要旨が、日薬雑誌6月号に掲載されました。

議事録を読むのが趣味という、なんだか社会人として残念な人である筆者のことは棚上げして、いつもどおり、テキトーに読んでいきます。

  ☆

まず、

『日薬の代議員は、民意を表明するために、議事に入る前に準備(資料を基にした、会員との話し合いなど)が必要ではないのか?』

といった疑問。

日薬は、今回の総会において、[重要事項の経過報告]をするさいに、

『前回の通常総会(75回)における要望事項への対応状況については、本日配布資料をお読みいただきたい』

と述べたそうです。議事録にそう書いてあるので、述べたのでしょう。それから、それらの参考資料に基づき説明がありましたよ、と。

総会当日に、資料を渡して、説明。

各県からはるばるやってきた代議員さんたちは全員、その日一日ホテル周辺に缶詰で、翌日も朝から缶詰。

ひとりひとりの代議員さんが背中に背負った700人ほどの会員に「この資料と、事業の進行経緯について、みんなはどう思う?」とアナログ的に訊いている時間はありません。

まともな資料なら、資料を読みこむだけでも、一晩かかりそうです。質疑で訊くことは、事前に、所属するブロック内で準備調整しています。当日配布された資料に新しい項目が増えていても、すでに決まっている質問事項が先決。新規項目については、まともな質問・検討はできません。

日薬の役員の方々は、厚労省の審議会で、お役人さんたちに「早く資料を出せ」と言っている方々です。

当日もらった資料に「明細領収書の発行義務」が急に追加されていて、そのまま通しちゃった中医協総会の苦い経験を思えば、騙し討ち的に重要資料の当日配布を行うことは、彼らにとっては自分たちが酷い目に遭った『非常識』な行いであるはず。なのに、自分たちは、重要資料を当日配布する非常識な行為を行っても、平気な様子。

通常、こういったやり方に対しては、『ふむ。では、今回は説明だけ伺ったので、持ち帰って検討する。修正案等を提示しつつ議論して、決議は次回総会か臨時総会で行おう』といったオトナの対応があるわけですが、今回の執行部はゴリ押しに走りました。

児玉会長『今日ここで決めていただきたい』

・・・って、日薬の総会は、いつから「ぼったくりバー」や「悪徳芸能社」みたいなシステムを使う場所になったのでしょうか。

  ☆

『すみませーん、正社員の募集をみてきましたー』

「四人様、御来店ありがとうございます。まずはボックス席にお座りください」

『あの、正社員のー』

「ボックス席にお座りください」

『…はい』

 通路側に店のスタッフが座る。

「チラシをご覧になりましたか」

『あ、それです。接客業(チュウボウとホール)、月25万から、フリータイム制』

「お飲物の好みはありますか? オレンジジュースでよろしいですか」

『はい。ありがとうございます』

「細かい資料は読みますよね? ここに用意してあります」

『…150ページ以上ありますよ。どこを読めばいいんですか』

「説明は、説明係を呼びますから、この写真の中から一人、指名してください。マンツーマンがよろしければ、四人指名してくださっても結構です」

『じゃあ、このモヒカンの人で』

「はい堀江卍丸さん御指名入りました。ご説明お願いします」

 二時間経過。

「説明は、以上でございます」

『…と、トイレに行っていいですか』

「接客業では、長時間トイレに行けないことは、日常的な業務の一部とお考えください」

『あ…いえ、じゃあ、がまんします。で、今の説明では、この店の料金システムについて延々と語っていただいたんですが…』

「よく理解できましたか」

『いや、こんがらがって…』

「では最初からもう一度…」

『り、理解できました。こんがらがっていません。で、具体的な仕事は何を』

「サービス内容は、今は一部しか言えませんが、期待してください」

『いや、その一部すら、よくわからないし。チラシには「地球に優しいエコロジーフリーなラーメン屋です」って書いてあるのに、この店内、明らかにキャバクラだし。電飾バリバリだし』

「全体像は、細部が伴って見えてくるのです。これから細部を作り、最終のものは三年後に全部わかるわけであります」

『いや、細部って、キャバクラベースで細部をどんなにいじったって、地球に優しいラーメン屋にはならないですよっ。まあ、ラーメンを売るなら、ラーメン屋だっていえるかもしれませんし、目指しているのがキャバクラじゃないなら、ぼくらはそれでもいいですけれど』

「では、今、決めていただいていいですか」

『は? なにを決めるんですか? もう雇ってくれるんですか? 就労条件とか、話すことがいっぱいあるんじゃないですか?』

「そういった細部は、これから決めますから。今、契約をしたからといって、未来永劫これでいくのではないです。今日は、いわば骨格を示しているのであります。とにかく、今、契約してください」

『いえ、あの、ちょっと家族と相談してきますから、一度帰らせてくださいっ』

「内容については実際に専門家の方にもみていただいているところですので、承認していただきたい。今、ここで決めていただけないなら、どんどん先送りされてしまいます!」

『帰るっ。どいてくれーっ』

「お帰りになる場合は、さきほど御理解いただいた料金システムを適用しますので、ご了承ください。席料に、オレンジジュースと、キャスト指名、御利用時間二時間半で、200万円になります。お支払いは現金のみですが、当店スタッフは特別に分割払いも受け付けております。ええと、そちらの三名様は、いかがいたしますか。今、採決をとりますが」

 三名、契約書にサイン。

『え? ええーっ? みんな、なんでサインする?!』

「では、契約書を回収いたします。さっそく今から働いていただきますので、三名様は、別室にご案内します。今後は、『らー・MEN(指名制の接客肉体労働者)』として、お客様に公益的に奉仕してください。うちは、エコロジーフリーなラーメン屋ですから、新鮮で美味しいラーメンを提供するのが仕事です」

『みんなー、いくなーっ』

「当店では、隠語を多用します。資料の144ページに書いてありますが、チュウボウとは房中の業界読み、ホールとはいろいろな穴を使った仕事のことです」

『それが…月25万の…仕事…』

「ええ、25万ペリカを基準にしております。帝愛グループの地下仕事の三倍もの破格の月給です。しかも専用ベッドつき。ASOHIスーパードライにホカホカ焼き鳥のセットが20回も注文できます。なんと素晴らしい待遇でしょうか」

『フリータイム制…』

「フリータイム。いいところに気が付きました。ええ、運営側が、仕事をする時間を自由に決めさせていただきます。あなたのような賢い方には、細則で優遇しますよ。私も鬼ではないのです。そうですね、月190万ペリカ、一日外出券三枚つき、一回最大7時間労働、待遇は幹部候補生ということで、いかがですか。われわれのお仲間ということで」

『……』

 四名様、契約完了。

  ☆

…ネタはともかくとして。

日薬の役員の方々は、「審議会で、報告書を、後から大幅に修正することは、ない」と身にしみて理解しているはずの方々です。

今決議してもあとから修正するから決議に賛成してよと、「いずれ退陣するから今は不信任案に賛成しないでおくれ」の管内閣のよーなことを言ってますが、これ、彼らにとっては『非常識』ではないのでしょうか。

大幅な修正なんてありえない。

「てにをは」を越えた修正は「大幅な修正」。審議会は、そんなルール。

定款の改正に関して、

「あとで修正するから、今日決めてくれ」と言って平気な執行部と

その言葉を聞いて「今日決めよう」と思える代議員さんたちと

そんな顛末を知らされないままにいる会員と。

いいのかなー。

定款って、組織の基本でしょ?

ツッコミが入りまくる定款に従って活動する組織ねえ…

というわけで、今回は、「民意を反映するためには、準備が必要なのに、準備の時間を与えないのって、【策士】だねぇ」というお話でした。

総会と書いて「ぼったくりバー」と読む癖がつきそうです。

  ☆

続いては、

『重要議案を決議する際に、「賛成○人、反対○人で、可決した」と議事録に書かず、「挙手多数」で済ませたり、異議なし」と叫んだ代議員の名前が公表されなかったりすると、代議員の行動が曖昧となる。
 これでは、彼らが「支持者から全て一任された」と勝手に解釈し、無責任な投票行動を行う可能性が飛躍的に高まるのではないか?』

という疑問。

毎度毎度、決議の部分に置いて、議事録要旨には、

【挙手多数】

【異議なし、との声あり】

という文字が並びます。

これを、改善しないのかな、と。

「代議員の誰が、どの案件に賛成したのか」

「代議員の誰が、【異議なし】と言ったのか」

この二点は、重要です。

議長が「よろしいか」と訊いて、大勢いる代議員からの返答がないのならば、議長ははっきりさせるために、「よろしくないという者は挙手してくれ」と言えばいいのです。誰かが「異議なし」と口に出しても、それ以外の多くの人の考えなどわかりません。単に「決定に参加しなかった」というポジションが欲しいだけかもしれません。議会において、意見表明をしないということは、「賛成」ではありません。「棄権」です。

代議員の決議は、「賛同者の数」が一定数あることを求めていますから、「賛同するのかどうかわからない人が多かった」ことを「賛同しなかった」と読みかえてしまうよりは、「賛同しなかった人の数」が一定数あることを挙手させて確認したほうが説得力を持ちます。棄権・賛成・反対は、きっちり区別。会議の基本です。

「執行部の案を無難に通すこと」を使命と考えるのが、議長というものなのでしょうか。議長の役割は、「議論を整理」し、「解釈の齟齬をなくし」、「齟齬をなくしても反対意見が多ければ執行部に案件を差し戻すことも厭わず」…といったあたりかと思っていましたが。

議長は、まともに質問に答えようとしないふざけた答弁者に注意を促し、場合によっては退場させる権利くらいは持っているものとして、毅然と職務を遂行するものです。

『会長は、根拠なく「出来る気がする」と言わないように』『執行部役員は、「今、委員会で詰めているところだ」と答弁する場合、現在までに詰めた内容をあらかじめ資料として代議員に提示すること』のような「一言」くらい、何度言ってもいいと思いますが、日薬代議員会(総会)では、そういう話はでません。議長さんは気にならないのでしょうか。

『執行部と代議員との意見がかみ合わないので一時休憩する』(日薬雑誌六月号49ページ)という発言が吉田副議長からありましたが、そんなかみ合わない話を整理して、双方の意見の前提の違いや結論の違いなどをまとめるのも議長のお仕事♪ です。

腕前一つで、みんなが嬉しい議論を作れる仕事、「議長さん」。

次回の総会では、どんなレフェリングを見せてくれるのでしょうか。

|

« 新生中医協。 | トップページ | 日薬代議員会議事録2011春02「倫理委員会」 »

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/539089/51850843

この記事へのトラックバック一覧です: 日薬代議員会議事録2011春01「準備と民意」:

« 新生中医協。 | トップページ | 日薬代議員会議事録2011春02「倫理委員会」 »