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ZOMBREX XC(1.5mg)という、新薬が(以下略)

馬鹿映画(褒め言葉)『屍病汚染 DEAD RISING』を借りて観たので、感想。

ついでに馬鹿ゲーム(褒め言葉)「デッドライジング2」の、薬剤師の話を。

  ☆

まずは、映画…というかwebムービーをつなぎあわせて「真のエンディング」を足したVシネ、『屍病汚染 DEAD RISING』の感想。

どんな映画なのかは「屍病汚染 感想」で検索。

アマゾンだと、こんな感じ。

【ストーリー】
全世界を恐怖に落とし込んだ、あの“ウィラメッテ事件”後、ゾンビ化=屍病汚染は世界各地へと飛び火した。
アウトブレイクが起こった地域に対し、各国政府は厳しい対応を実施。該当エリアの住民を隔離する策を取る。
閉じ込められた人々は、脱出を図ろうとする者、建物に閉じ籠もる者、いずれも自分の存在をかけて戦うことになる。
そう、ここ日本でも…
シンとジョージの兄弟は、不幸にも隔離された地域に取り残された住民であった。
物語は、二人がこの閉鎖されたエリアから脱出を試みるところから始まる。
限りなく不可能に近い脱出行。ゾンビがさまよう街から、二人が身を守る為に逃げ込んだのは、とある倉庫街だった…。


【実際に観てのストーリー】

 「ウィラメッテ事件?なにそれ?」な日本語の通じるどこかの町。車椅子乗りのジョージがゲーム【デッドライジング】で遊んでいると、兄のシンがやってきて叫ぶ。「隔離された! 安全な建物に逃げるぞ!」とハイテンションで強引な兄に連れ出され                                        たはいいけれど、あてがあったわけでもなく、「安全な建物」への入場を拒否されまくった挙句に、夜の倉庫に不法侵入。倉庫番の武装サイコたちをバットで恫喝。

 武装サイコたち(銃装備)と再戦。兄死亡。
 隠れる弟。でもついつい兄の死体を確認。武装サイコに囲まれる。
 突然倉庫に突っ込んでくる車。武装サイコ半減。残り二名。挙動不審な看護師登場。
 ゾンビ化抑制薬「ZOMBREX」がナースステーションに置いてある病院でゾンビに噛まれた看護師が、たったひとつのナースステーションをサイコな患者に占拠された程度で、なぜ院内の薬剤部倉庫に寄らずに車で病院を出たのかは謎。
 ジョージのいる倉庫に「ZOMBREXがあるはず」と言いだす看護師。車は事故でつっこんできたので、目的地は倉庫ではなかったはず。でも探す。病院でゾンビに噛まれて変になったのかも。原作ゲームではありえないところに落ちていたから、ある意味原作準拠。
 武装サイコのボスに捕まる看護師。ジョージは改造車椅子を自作して武装サイコに立ち向かう。足元の回転カッターは車椅子から降りないと作れないと思うけど。
 武装サイコのボスに大怪我を負わせ、車椅子でゾンビ軍団に特攻(戦闘シーンは省略)し、倉庫内を物色するジョージ(結局ゾンビに噛まれた)と看護師(三度噛まれた)。
 ZOMBREXの山(ぱっと見で二三年分。もっと少ないかも)発見。
 注射。でも看護師死亡。朝。ジョージはZOMBREXを持たずに倉庫を出る。
 武装サイコの生き残りの狙撃を受け、ジョージ死亡。おしまい。

  ☆

感想。

1.「主観視点映画は、酔うからやめてください」

全編主観ハリウッド怪獣映画のアレ(※クローバーフィールドのことらしい)のときに、映画館で気持ち悪さと戦っていた筆者。主観モノは、鬼門。

この映画においては「車椅子の位置からの主観」。チャレンジし過ぎです。すーっ、と動く主観って、気持ち悪さ倍増。飛んでいる状態での主観視点映像に近い気持ち悪さ。フライトシミュレーター系ゲームで主観視点にしたことが無いほどダメダメなので、恐怖とか笑いとか以前に気持ち悪い。もちろん、これが気持ちいいという方にとっては、最高の演出です。

全編主観ではなく、中途半端に主観。半分以上、普通の視点。ジョージがいない場面も描写するし。映画的にはダメだと思うけれど筆者的には助かった気分になるという仕様。

2.「目的が定まらない活劇はストレス」

ゾンビが出た。周囲が隔離された。→ネット環境がある自宅にいればいいじゃん→完璧に安全な場所に行けば助けが来るのだと、兄に連れ出される→完璧に安全な場所に行っても入れない→でも家に帰ろうとしない→「翌朝まで安全を確保する」に目的変更→明らかに敵対的なサイコと遭遇し、戦闘。つまり倉庫は安全ではない→でも倉庫から去ろうとしない→「倉庫にいること」が目的化→兄の死→看護師に助けられて工具室に退避(安全。目的達成)→気になるから看護師の様子を見に行く(大幅な目的変更)→自分もゾンビに噛まれる→ZOMBREXを探す必要が出てくる→ZOMBREX発見(目的達成)→でもZOMBREXを持たずに倉庫を出ていく

…ジョージは何がしたいんでしょう…。

この映画の登場人物は、ゾンビが出てくる前から思考回路がずれた人ばかりなので、おそらく、そういう人たちが罵倒しあったりどつきあったりといった状況をポップコーン片手に大笑いしながら観る映画を目指しているのだとは思いますが、せめて主人公くらいは一貫性のある方向で成長していってほしかったりして。

ジョージが最初から『俺は自分を見て笑うやつは皆殺しにするんだ』的なスタンスだったら、「兄が下手に出て交渉→相手に笑われ、バット片手に交渉をぶちこわす」「唯一の味方の兄を殺した奴らは許せない→罠にはめてやる」「看護師も俺を笑ったので、許せない→武装車椅子で追跡して皆殺しだ」…と、バイオレンス担当としてデッドライジング的なボルテージが上がったのでは…

3.「時間軸を戻す演出が邪魔」

原作ゲームにある「サイコさんたちがサイコさんにならざるを得なかった悲しい理由」をサイコさん死亡確定シーンで演出するのならともかく…。「兄弟が倉庫でサイコさんから逃げているのはなんでかを、逃げるシーンの合間合間に説明する」とか「突然突っ込んできた車がなんでつっこんできたのかを、突っ込んできたあとから説明する」とか、「ジョージが看護師を助けに来たらしいシーンのあとで、ジョージが武装車椅子をつくるシーンを入れる」とか…ジョージカメラのせいで、いちいち長い長い種明かしが入る仕様。(種明かしがファイナル・ディスティネーションシリーズ並みの抱腹絶倒なネタばかりだったら面白くなったかも…。最序盤に兄が床に投げつけたボールからまわりまわって…武装サイコにとどめをさす鉄球になる、とか。風が吹けば桶屋が儲かる的に)

  ☆

武装車椅子くらいはじけていいのなら、最初から全部はじけた話だったら…と、残念な部分が多いので、カプコンさんは、ぜひ続編を。(監督はカプコンやめちゃいましたが)

で、そろそろ今回の本題に。

  ☆

新薬の登場です。

Keep living your life.Extended care.24Hours.

Know the signs,Trust your instincts.

Keep Zombification at bay,24 hours a day.

To find your nearest stockist call 1-800-ZOMBREX

「ZOMBLEX XC 1.5mg注」

Ambzole vaspilatin

ゾンブレックスXC!

30ccほどの注射液。いわゆるビタミン注射並みの量が一回量。

皮下注射or筋肉注射。(映画の描写では、かなり早い速度で腕に注射していました)

米国wikiによると、以下の通り。

  ☆

"The gift of life. Zombrex." —Zombrex's slogan

Zombrex

Ambuzol Vaspilatin or Zombrauctus Pendeo Autoinjectors, commercially marketed by Phenotrans as Zombrex, is a controversial over-the-counter drug that is used to treat pending zombification. It is administered in 1.5mg doses every 24 hours, and has proven to be effective in delaying zombification in human patients of all ages. It is incapable of preventing zombification in animals. It is a subject of great controversy, as it is seen by many to merely forestall the inevitable.

Isabela Keyes created the drug after escaping the mall in Willamette. Her friend, Frank West, was also infected, and he uses Zombrex while the two of them are researching ways to come up with a complete cure.

In Dead Rising 2: Case West, it's revealed that Isabela had managed to develop a cure. This was taken by Phenotrans and used by Marian Mallon, the director, along with her research notes.

The company has refused to allow Isabela make another cure for what she believes is humanity's karma, as well as for money. Instead, they forced her to try and develop a synthetic version to Zombrex.

Zombrex XC: Extended Care

In Dead Rising 2, There is a variation of Zombrex called "Zombrex XC: Extended Care", which lasts for 24 hours instead of 12.

Precautions to Zombrex

  • Zombrex should not be taken with alcohol. アルコールは不可。
  • Zombrex should not be taken within 24 hours of operating heavy machinery. 重機操作は不可。
  • Zombrex should not be taken by pregnant women.妊娠中は使用不可。(え?いや、それ、不可能でしょ)
  • Zombrex overdoses are lethal, and patients should never be administered more than the prescribed amount within a 24-hour period (12 hours in Case Zero). 過剰投与は死亡の可能性あり。
  • Zombrex is not a cure of zombification - it is a suppressor. 治療薬ではない。
  • Zombrex is contraindicated in patients who are hypersensitive to any components of this product. 過敏反応を起こす人には使用不可。(それ、わかった時点で遅いでしょ)
  • The recommended dose of Zombrex is 1.5mg once daily. Zombrex can be injected with or without food. 食事と関係なく投与可能。
  • Dose adjustment in patients with renal insufficiency is based on degree of renal function. 0.75 mg once daily should be applied for patients of <30mL/min Creatinine Clearance level. クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の患者には0.75mgで投与。
  • Zombrex is contraindicated for zombified subjects.

Since the first outbreak known to the public, the Willamette Incident, Zombrex is a recognized drug and is widely sold in many pharmacies, and it is extremely expensive at $300 a box. It is also administered by government health care institutes, and is carried by most ambulances. Dick Jones, a survivor in Still Creek, has some Zombrex in stock in his Pawn Shop.

In Dead Rising 2, Zombrex can be found in hidden places, awarded from survivors, defeating psychopaths or buying from Pawn Shops located in Fortune City, with the price rising in $25,000 increments with each purchase, starting at $25,000. It is important to note that, like weapons, you will lose your supply of Zombrex should you restart the game.

  ☆

 映画では医療用の要処方箋薬のような扱いでしたが、ゲームの設定ではOTC医薬品のようです。日本だったら第一類か第二類かで議論になりそう。ジョークアイテムとして闇鍋の中に混入されかねない薬です。

 全年齢で一回量は同じ分量(1.5mg)。乳児もOK? AUCとか動態とか関係なし?

 動物実験で「動物には効かない」と出た薬が「人間には効く」と治験?されたかと思うと、日本の厚生労働行政にとっては大きな転換点になったかもしれません。

 クレアチニンクリアランスの設定まであって、芸が細かい…。腎臓排泄?

 24時間ごとに投与しないと即発症で、最大1時間の投与ズレしか認めない。怖すぎる投与設計なのにOTC。

 一箱300ドル。一箱って一本だから・・・うわあ、一日3万円。年間1000万円近くかかりますよ。保険きくのかな。OTCだからムリか。ゲーム内では価格高騰により一本25000ドル(250万円)から。足元を見られるので、二本目は500万円、三本目が1000万円…。

 ゲーム(デッドライジング2)内での最初の一本は、タダで手に入ります。ええ、もちろん窃盗です。

 開始早々にゾンビ破壊競技で一万ドル稼いだ主人公のチャックが、娘のためのZOMBREXを買いにモール内の薬局へ向かうと…先客の強盗が三人。薬剤師のおねーさんが金を出せと脅されているところに遭遇したチャックさんは、強盗三人をボコボコにした挙句、薬局の従業員控室に侵入、置いてあったZOMBREX一本を勝手に着服します。 

 そんな十分にサイコなチャックさんに「ここは危険だ、安全な場所に連れて行ってやる」と言われて、すいすいついていくのが、強盗に襲われたばかりでテンパっている薬剤師の Denyce Callowayさん21歳。ほぼ最初の救出者ですから、ゲームプレイヤーの脳内には「薬剤師」という単語が焼きつきます。「A respected pharmacist with an addiction to nasal spray.」ではありますが、全世界で40万人くらいは、「ゲームに登場する薬剤師を挙げてください」と訊かれて、「DR2の最初の薬局の人」と言ってくれることでしょう。

決め台詞は"Those guys were stealing everything. Thanks for saving my life."

「あいつら全部盗もうとしてたのよ。あなた命の恩人ね♪」と読んでも、あれこれ北斗の拳レベルのエロ妄想込みで読んでもいいのですが、たった三人でドラッグストアの商品を「全部」盗もうとしていたサイコさんたちには脱帽ということで。

そうそう、Denyceさんの年齢は21歳。そして薬剤師。逆算すると、飛び級を使って14歳くらいで大学の六年制薬学部に入って最近仕事を始めたばかり…という天才特殊設定でもない限り、年齢は誤魔化しあり。わざとなのか、それとも制作者が気付かなかったのか。映画を観た感じでは、気付かなかったんだろうなぁ…と想像します。

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