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2011年6月

日薬代議員会議事録2011春01「準備と民意」

日本薬剤師会第76回通常総会の議事録要旨が、日薬雑誌6月号に掲載されました。

議事録を読むのが趣味という、なんだか社会人として残念な人である筆者のことは棚上げして、いつもどおり、テキトーに読んでいきます。

  ☆

まず、

『日薬の代議員は、民意を表明するために、議事に入る前に準備(資料を基にした、会員との話し合いなど)が必要ではないのか?』

といった疑問。

日薬は、今回の総会において、[重要事項の経過報告]をするさいに、

『前回の通常総会(75回)における要望事項への対応状況については、本日配布資料をお読みいただきたい』

と述べたそうです。議事録にそう書いてあるので、述べたのでしょう。それから、それらの参考資料に基づき説明がありましたよ、と。

総会当日に、資料を渡して、説明。

各県からはるばるやってきた代議員さんたちは全員、その日一日ホテル周辺に缶詰で、翌日も朝から缶詰。

ひとりひとりの代議員さんが背中に背負った700人ほどの会員に「この資料と、事業の進行経緯について、みんなはどう思う?」とアナログ的に訊いている時間はありません。

まともな資料なら、資料を読みこむだけでも、一晩かかりそうです。質疑で訊くことは、事前に、所属するブロック内で準備調整しています。当日配布された資料に新しい項目が増えていても、すでに決まっている質問事項が先決。新規項目については、まともな質問・検討はできません。

日薬の役員の方々は、厚労省の審議会で、お役人さんたちに「早く資料を出せ」と言っている方々です。

当日もらった資料に「明細領収書の発行義務」が急に追加されていて、そのまま通しちゃった中医協総会の苦い経験を思えば、騙し討ち的に重要資料の当日配布を行うことは、彼らにとっては自分たちが酷い目に遭った『非常識』な行いであるはず。なのに、自分たちは、重要資料を当日配布する非常識な行為を行っても、平気な様子。

通常、こういったやり方に対しては、『ふむ。では、今回は説明だけ伺ったので、持ち帰って検討する。修正案等を提示しつつ議論して、決議は次回総会か臨時総会で行おう』といったオトナの対応があるわけですが、今回の執行部はゴリ押しに走りました。

児玉会長『今日ここで決めていただきたい』

・・・って、日薬の総会は、いつから「ぼったくりバー」や「悪徳芸能社」みたいなシステムを使う場所になったのでしょうか。

  ☆

『すみませーん、正社員の募集をみてきましたー』

「四人様、御来店ありがとうございます。まずはボックス席にお座りください」

『あの、正社員のー』

「ボックス席にお座りください」

『…はい』

 通路側に店のスタッフが座る。

「チラシをご覧になりましたか」

『あ、それです。接客業(チュウボウとホール)、月25万から、フリータイム制』

「お飲物の好みはありますか? オレンジジュースでよろしいですか」

『はい。ありがとうございます』

「細かい資料は読みますよね? ここに用意してあります」

『…150ページ以上ありますよ。どこを読めばいいんですか』

「説明は、説明係を呼びますから、この写真の中から一人、指名してください。マンツーマンがよろしければ、四人指名してくださっても結構です」

『じゃあ、このモヒカンの人で』

「はい堀江卍丸さん御指名入りました。ご説明お願いします」

 二時間経過。

「説明は、以上でございます」

『…と、トイレに行っていいですか』

「接客業では、長時間トイレに行けないことは、日常的な業務の一部とお考えください」

『あ…いえ、じゃあ、がまんします。で、今の説明では、この店の料金システムについて延々と語っていただいたんですが…』

「よく理解できましたか」

『いや、こんがらがって…』

「では最初からもう一度…」

『り、理解できました。こんがらがっていません。で、具体的な仕事は何を』

「サービス内容は、今は一部しか言えませんが、期待してください」

『いや、その一部すら、よくわからないし。チラシには「地球に優しいエコロジーフリーなラーメン屋です」って書いてあるのに、この店内、明らかにキャバクラだし。電飾バリバリだし』

「全体像は、細部が伴って見えてくるのです。これから細部を作り、最終のものは三年後に全部わかるわけであります」

『いや、細部って、キャバクラベースで細部をどんなにいじったって、地球に優しいラーメン屋にはならないですよっ。まあ、ラーメンを売るなら、ラーメン屋だっていえるかもしれませんし、目指しているのがキャバクラじゃないなら、ぼくらはそれでもいいですけれど』

「では、今、決めていただいていいですか」

『は? なにを決めるんですか? もう雇ってくれるんですか? 就労条件とか、話すことがいっぱいあるんじゃないですか?』

「そういった細部は、これから決めますから。今、契約をしたからといって、未来永劫これでいくのではないです。今日は、いわば骨格を示しているのであります。とにかく、今、契約してください」

『いえ、あの、ちょっと家族と相談してきますから、一度帰らせてくださいっ』

「内容については実際に専門家の方にもみていただいているところですので、承認していただきたい。今、ここで決めていただけないなら、どんどん先送りされてしまいます!」

『帰るっ。どいてくれーっ』

「お帰りになる場合は、さきほど御理解いただいた料金システムを適用しますので、ご了承ください。席料に、オレンジジュースと、キャスト指名、御利用時間二時間半で、200万円になります。お支払いは現金のみですが、当店スタッフは特別に分割払いも受け付けております。ええと、そちらの三名様は、いかがいたしますか。今、採決をとりますが」

 三名、契約書にサイン。

『え? ええーっ? みんな、なんでサインする?!』

「では、契約書を回収いたします。さっそく今から働いていただきますので、三名様は、別室にご案内します。今後は、『らー・MEN(指名制の接客肉体労働者)』として、お客様に公益的に奉仕してください。うちは、エコロジーフリーなラーメン屋ですから、新鮮で美味しいラーメンを提供するのが仕事です」

『みんなー、いくなーっ』

「当店では、隠語を多用します。資料の144ページに書いてありますが、チュウボウとは房中の業界読み、ホールとはいろいろな穴を使った仕事のことです」

『それが…月25万の…仕事…』

「ええ、25万ペリカを基準にしております。帝愛グループの地下仕事の三倍もの破格の月給です。しかも専用ベッドつき。ASOHIスーパードライにホカホカ焼き鳥のセットが20回も注文できます。なんと素晴らしい待遇でしょうか」

『フリータイム制…』

「フリータイム。いいところに気が付きました。ええ、運営側が、仕事をする時間を自由に決めさせていただきます。あなたのような賢い方には、細則で優遇しますよ。私も鬼ではないのです。そうですね、月190万ペリカ、一日外出券三枚つき、一回最大7時間労働、待遇は幹部候補生ということで、いかがですか。われわれのお仲間ということで」

『……』

 四名様、契約完了。

  ☆

…ネタはともかくとして。

日薬の役員の方々は、「審議会で、報告書を、後から大幅に修正することは、ない」と身にしみて理解しているはずの方々です。

今決議してもあとから修正するから決議に賛成してよと、「いずれ退陣するから今は不信任案に賛成しないでおくれ」の管内閣のよーなことを言ってますが、これ、彼らにとっては『非常識』ではないのでしょうか。

大幅な修正なんてありえない。

「てにをは」を越えた修正は「大幅な修正」。審議会は、そんなルール。

定款の改正に関して、

「あとで修正するから、今日決めてくれ」と言って平気な執行部と

その言葉を聞いて「今日決めよう」と思える代議員さんたちと

そんな顛末を知らされないままにいる会員と。

いいのかなー。

定款って、組織の基本でしょ?

ツッコミが入りまくる定款に従って活動する組織ねえ…

というわけで、今回は、「民意を反映するためには、準備が必要なのに、準備の時間を与えないのって、【策士】だねぇ」というお話でした。

総会と書いて「ぼったくりバー」と読む癖がつきそうです。

  ☆

続いては、

『重要議案を決議する際に、「賛成○人、反対○人で、可決した」と議事録に書かず、「挙手多数」で済ませたり、異議なし」と叫んだ代議員の名前が公表されなかったりすると、代議員の行動が曖昧となる。
 これでは、彼らが「支持者から全て一任された」と勝手に解釈し、無責任な投票行動を行う可能性が飛躍的に高まるのではないか?』

という疑問。

毎度毎度、決議の部分に置いて、議事録要旨には、

【挙手多数】

【異議なし、との声あり】

という文字が並びます。

これを、改善しないのかな、と。

「代議員の誰が、どの案件に賛成したのか」

「代議員の誰が、【異議なし】と言ったのか」

この二点は、重要です。

議長が「よろしいか」と訊いて、大勢いる代議員からの返答がないのならば、議長ははっきりさせるために、「よろしくないという者は挙手してくれ」と言えばいいのです。誰かが「異議なし」と口に出しても、それ以外の多くの人の考えなどわかりません。単に「決定に参加しなかった」というポジションが欲しいだけかもしれません。議会において、意見表明をしないということは、「賛成」ではありません。「棄権」です。

代議員の決議は、「賛同者の数」が一定数あることを求めていますから、「賛同するのかどうかわからない人が多かった」ことを「賛同しなかった」と読みかえてしまうよりは、「賛同しなかった人の数」が一定数あることを挙手させて確認したほうが説得力を持ちます。棄権・賛成・反対は、きっちり区別。会議の基本です。

「執行部の案を無難に通すこと」を使命と考えるのが、議長というものなのでしょうか。議長の役割は、「議論を整理」し、「解釈の齟齬をなくし」、「齟齬をなくしても反対意見が多ければ執行部に案件を差し戻すことも厭わず」…といったあたりかと思っていましたが。

議長は、まともに質問に答えようとしないふざけた答弁者に注意を促し、場合によっては退場させる権利くらいは持っているものとして、毅然と職務を遂行するものです。

『会長は、根拠なく「出来る気がする」と言わないように』『執行部役員は、「今、委員会で詰めているところだ」と答弁する場合、現在までに詰めた内容をあらかじめ資料として代議員に提示すること』のような「一言」くらい、何度言ってもいいと思いますが、日薬代議員会(総会)では、そういう話はでません。議長さんは気にならないのでしょうか。

『執行部と代議員との意見がかみ合わないので一時休憩する』(日薬雑誌六月号49ページ)という発言が吉田副議長からありましたが、そんなかみ合わない話を整理して、双方の意見の前提の違いや結論の違いなどをまとめるのも議長のお仕事♪ です。

腕前一つで、みんなが嬉しい議論を作れる仕事、「議長さん」。

次回の総会では、どんなレフェリングを見せてくれるのでしょうか。

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新生中医協。

第191回。森田会長体制での中医協。

議事、すっきり。

意見を十分に出してもらったら、

「こういうことですよね」と全体を取りまとめて、

異議が無いか確認のうえ、採決。

シンプルな進行。

あの嘉山委員が、出席していたはずなのに、一言も発言なし。

これは、すごいことです。

(のび太さんも発言はありませんでしたが、これはいつものことです)

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「チーム医療」審議会議事録から特定の発言者を抜いてみる遊び

※今回は、一見まじめな話のようにはじまりますが、いつも通り、「まじめにふまじめ」です。

  ☆

地震を契機に、「チーム医療」というものについての共通理解が、かなり深まったのではないかと思います。

被災地における各医療専門職によるチーム医療は、それぞれの職種が専門性を発揮することの重要性を浮き彫りにしたはずです。お互いに、「いると助かる(感謝☆)」と感じたのではないでしょうか

「審議会」であれこれ言われなくても、現場でチーム医療を実感した専門家たちによって、日々、行われている「チーム医療」。

『チームリーダー(医師)を中心とした専門家チーム』があって、『チーム同士が連携する』仕組み。実にシンプルです。

これだけシンプルなことですが、審議会にかかると、一気に複雑化。

『このくらいは、専門家なんだから、みんなやっていいよ』という超安全ラインを決めて欲しいというのが現場の望みなのに、

「専門家に、階級を作ろうぜ!」

「【上級専門家】は、こんなギリギリのところもできることにしようぜ!」

「ってゆーか、事実上なんでもできることにしちゃわね?」

「欧米と同じだって言いはって、制度化しようぜ」

「いえーい。法律変えちゃおうーっ!」

…と、どんどん一部の方たちが暴走。世間的には「一部の方」たちなのに、審議会内では多数派なので、暴走は止まりませんでした。

そこに、地震。

地震を経験した後の、審議会は、どう変わったのでしょうか。

毎度のことですが、議事録が長いので、テキトーに編集します。厚労省編集版の議事録は、厚労省ホームページでご覧ください。

編集ついでに、

今回は、看護WS議事録については、説明全般と、有賀座長の発言を全部削ってみます

推進会議議事録については、説明全般と、永井座長、有賀委員の発言を全部削ってみます

・・・ちょっと、実験です。

資料説明と座長さんたちの発言がなくても、会議の内容は把握できるのでしょうか?

  ☆

チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第12回議事録

○日時 平成23年4月13日(水)10:00~12:00

○議事

○星委員 
 こんなことをしている場合ではないのではないかと思う気持ちもある一方、大変大切だなと思います。いっぱい言いたいことがありますし、いっぱい聴きたいことがあるのですが、僕はこれを見て、今日すごくがっかりしたのは、いない人からいじめようと思うのですけれども、資料5の23ページ、これは「医療安全管理規程(例)」と書いてあって、「この規程は、(病院名)」と、これは、多分、国立病院機構が配ったものそのものだと思うのですね。わからないけれども。北海道のがんセンターが出してきた資料がこれだとすれば、お粗末極まりないというか、一体これは安全管理を何だと思っているんだと、私はまずそこを指摘したいですね。いない人からいじめます。順番にいじめたいと思いますけれども。

○星委員 
 これは、つけ焼き刃的な感じが私はもう否めません。正直申し上げて、あせっているのだなというか、何でこんなにあせってやらなければいけないのかと思います。震災で1カ月止まったということもあるのでしょうけれども、申請書を一生懸命書いたのだと思いますが、どういうつもりなのかよくわかりませんが、例えば安全管理委員会で評価をすると言っていますが、安全管理委員会の規程は、ここに来て見直しされていないのですね。つまり、この安全管理委員会でやりますと言っているのに規程の見直しがないということは、一体そこで何をしようとしているのか私にはわからないのですね
 ですから、そもそも何であせる必要があるのかという話もそうですけれども、今回お出しいただいた申請書なり申請の枠組みなりが、実際は違うのだと反論されるかもしれませんが、申請書類を見る限り、準備不足で、本当にこんな状況で始めていいのかなというのは、私は正直そう思っています。
 細かい点を言えばいろいろ切りがないのですけれども、この4つの申請書を見せていただいて、非常に不安を感じるところです。個別に言えばいろいろなことがあります。例えば、この佐伯先生のところですか、佐伯病院ですか、自主施設が2つあって、その責任者が同じ方なのですね。今日おいでになられていますけれども。指導医も、多分ダブって同じ人だと思うんです。それで、施設は違うと。これは一体どういうことなのかな。別な申請で上がってきているのですから、本来独立しているべきだし。反論は後でお伺いしますけれども、私は、試行事業だからこそ、丁寧に、かつ後で評価可能な形で実施してもらわないと困ると思うんですね。
 もっと言うと、レポートをどう出させて、どう評価するかということについての評価、つまり試行事業ですから、皆さんの得意なところの評価というものがすっぽり抜けていて、何をもって評価するのかよくわからない。そういうことが決まっているのか、決まっていないのかさえわからない。評価については聞かれていないから申請書には書いていないということかもしれませんけれども、私は、今回の試行事業というのが、現場で、単純に医者の代わりをする人で、便利な人で、教育をよく受けた人が来て、その人にお願いしたということではいけないのだろうと思うんですね。当然のことながら、この人たちに教育をしたことが、実際の現場でどう役立ち、あるいはどういうことが不足していて、どういうことができて、どういうことができないのか、あるいは、先ほどコミュニケーションの話がありましたが、現場で働くほかの看護スタッフとの位置関係や人間関係その他において大きな問題がないのか、そして勿論、安全面でどうなのかということが、私は非常に大事だと思います。
 安全管理規程はどうでもいいんです。どうでもいいというのは、もっと言うと、安全管理規程に基づいて、どれだけの安全報告あるいは事故報告その他の報告が上がってきていて、それをどんな形で活用し、分析しているのかということにこそ興味があるんですね。安全管理をやっている人は、みんなそう思っていると思います。規程があるから、これを出すことになっていますからということで、出てこないことは、みんな経験しているはずです。ですから、それぞれの施設がどれだけの報告書を得て、どれだけの評価をして、どういうフィードバックをかけているかということこそ見せていただきたいのに、今回の発表の中には全くなくて、こんな規程でやっています。それも、規程もつくりつけみたいな規程が出てきて、こんな状況で本当に始めていいのか。就職しているのですから看護師さんとして働いていただくのは結構かもしれませんが、この養成課程の事業として認めるのは早いのではないかなというのが、今ここで私がそういうふうに言ってしまうのは問題かもしれませんが、全体を見て得た印象は、正直申し上げてそういうところです。

○星委員 
 要求されていないので出していないということだけなのかもしれません。ただ、私が危惧しているのは、欠席裁判みたいですけれども、先ほどの北海道が出してきた規程を見ると、単に国から出されたものを、ただ印刷して出してきたとしか見えない。そうすると、そこから推察すると、実はそういう安全管理については十分でないのではないかと私は推測をする。これは憶測ではなくて、推測をします。したがって、それを否定するだけの実態というか、それがわかるような説明をしていただかないと、ここでにわかに、安全対策に問題がないので、この認定特定看護師(仮称)試行事業として、この人たちを認めてよいのかということをここで決めるという、この間からそういう話ですから、そういうことになったときには、それはちょっと、ここでにわかにはだめだなというのが私の印象なので、ですから、ぎっちり説明をしていただいて、納得がいくところまで来れば、私はそれを別に否定する気はありません。

○星委員 
 少なくとも、私たちが目指そうとしている特定看護師というものが、本当に必要な、世の中のためになるのだとすればという前提で議論をする場合に、私は、むしろ拙速によって本来なら進める到達点まで行けない可能性があるとすれば、それはむしろマイナスだろうと思うんですね。
 ですから今回、「いいじゃないか、やってみようじゃないか」と言って、でも、やってみたら「こんな準備が不足してだめじゃないか」でだめになってしまうよりは、きちんとした準備をして、そしてその評価の話や何かをきちんとした上で、うちの医療圏における特徴がどうだというのではなくて、全国区なので、全国の看護師さんたちの働きようとしてどうなのかという話に持っていかない限り、私は、制度としては成り立たないのだろうと思うんですね。
 ですから、先生の熱意や地域で頑張られていることを否定しているわけではなくて、あるいはこれから目指そうとしていることを否定しているわけでもなくて、むしろ医療を、協調してチーム医療でやっていこうということを考えるのであれば、そういう準備をきちんとするべきだというのが私の趣旨です。

神野委員 
 先ほど大谷局長は、医政局は震災のことばかりやっていましたとおっしゃる割には、この知らない間に試行事業の準備を着々と看護課はやっていましたよねというのは正直な感想です。この震災対策で、この議論は一回止めるべきだったのではないかと思います。むしろ議論をやらないまま進められたことに対しては、いささかいかがなものかと思います。
 それから、いろいろなことがあるのですけれども、特に小寺先生からお話のあったことに2つコメントがあります。1つは、本当はここで示された業務は、特定看護師(仮称)ではなくて、一般の看護師さんの業務を広げる議論でできないものかということです。私は、前からここでも話しているように、一般の看護師さんの業務をもう少し拡大するような方向性というものがあってもいいのかなと思います。
 それから、もう一点ですけれども、特に、私のところも能登半島で医療をやっておりますので、過疎地でございます。よくお気持ちはわかるし、いろいろな業務を医師以外のチーム医療としてやっていただきたいという気持ちはよくわかります。
 この中で、特に先ほどおっしゃった離島あるいは僻地といったようなところでの役割ということになってくると、問題は、権限と責任の問題になってくる。今、医師の包括的指示のもとで特定医行為を行うというのがここの非常に大きな大前提なのですけれども、特に、感染症とか救急に関しては、施設内ですので、医師の包括的指示というのは何となくわかるわけですが、外来診療や離島、僻地等での診療、そういうところで医師の包括的指示って一体何ぞやといったものの議論をきちんともう一回しないといけないと思います。何でもござれという、何をやってもいいよという包括的指示なのか、それとも、インフルエンザの場合はこれで、風邪をひいたらこれで、捻挫だったらこれでという包括的指示を全部出すのかという、包括的指示が何ぞやということがないと、この議論は進まないのかなという気がいたします。
 さらに、先ほど小寺先生がおっしゃった開業をしてもよろしい、処方を出してよろしいなどといった看護業務を増やすということの中身は、特定看護師(仮称)ではなくて、NPそのものではないですか。ナースプラクショナーですよ。権限と責任がある新しい職種であるNPを、どうもこの大分の大学と佐伯中央病院さんは、目指していらっしゃるのではないかと思いました。
 質問ですけれども、先ほど申しましたように、包括的指示のあり方というのは、小寺先生のところ、あるいは鮎川先生のところは、具体的にどういう包括的指示を出そうと思っていらっしゃるのかということをちょっとお聴きしたいなと思います。

英委員 
 僻地において、仮称ですけれども、この特定看護師がどういう業務を今後担っていって、そして僻地医療を支えていくのかというのは、私にとっても非常に関心のあるところでございます。
 ただ、神野委員がおっしゃるように、では、それは看護師によって、業務を拡大することによってできるのではないかという議論も当然のことながらあるので、その資料の中でも、先ほど甲斐参考人がおっしゃっていただいた資料の一番最後の課題と要望のところで、離島や無医地区、あるいは特別養護老人ホーム、これも医師が常駐していないというようなところで、特定看護師が実際にその業務を行うことができるかどうか、また、できるとしたらどういう条件整備がと、これは、まさにこのワーキンググループが今後議論しなければいけないことなのではないかと思って伺った次第です。つまり、現場において最初の1年目というのは、医師の指導のもとで、また一緒に動いていかなければいけない、それが当然だと思うのですけれども、では、2年目、3年目、だんだんその業務を担っていったときに、果たして、なかなか医師がいないような地域において業務を行っていって、そのときに、どのような医師の包括的な指示がなされたのか、また、それが適切だったのか。それからまた、そのときに患者さん、本当に受けた人たちがそれを喜んだかとか。多分、本当だったらお医者さんにしてほしかったんだというような意見もあったのかもしれないし、そういうところもきちんと出していただきながら、ここで議論していくべきなのかなと思っています。
 そんな理解でよろしいのでしょうか。ちょっと質問とかそういうのではなくて、このワーキンググループのあり方としてそういうものなのかなと。神野委員がおっしゃっていたのも、実に包括的な指示というのは非常に難しいのではないかというのは、まさに私もそういうふうに痛感するところでございます。

○竹股委員 
 およそ医療にかかわっている者からすると、特定看護師のみならずとも、一般の看護職であっても、程度の差こそあれ、侵襲性のある、いわゆる危ないことをせざるを得ないことが、初期の段階であるわけですね。ですから、組織としての安全性というのは、ベーシックには特定看護師とかということに特化しなくても、そこでどのように担保するのかということは当たり前のようにあるわけです。だけれども今回は特にということで、こういう形でかなり慎重に出されたなという印象を受けています。
 それで、これについては、安全管理対策がともかくあって、そして、何かあればこういう対応をしますよということであるわけですから、そこはそれでよろしいのかな思いました。
 ただ、もう一つは、今回のこの特定看護師に関して、侵襲性の特に高い医療行為であるがゆえに、もっと厳しくやっていくべきだということで話し合っていると私は理解しているのですけれども、皆様方の発表を聞いて思ったのは、先生方の話とちょっと通ずるのですが、包括指示というのは、確かにこの中でも余りきちんと話し合いをしてはいないのです。ですから、それぞれの解釈があるとは思いますが、私の理解は、今お話が出ましたように、基本的に、そこのその施設なり、あるいはその特定看護師を指導する指導医が認めたプロトコールがまずきちんとあって、これもかなりきちんとそろっているなと思いましたが、それがあって、そのプロトコールに基づいてやるのだということが保障されているということであればいいのかなと思いました。
 ただ、一番気になったのは、プログラムのところです。確かにまだ十分なプログラム立てではないなという印象を受けました。つまり、1年間の間に計画されていることがざっくりし過ぎていて、先ほどの評価ではございませんけれども、やはり特に技術評価などは、これで本当に手を離していいのか、それともずっとべた付きなのか、その辺のところが評価として見える化していませんので、その辺をもうちょっときちんと計画立てていくということがあれば、大筋のところでは、私はやっていけるイメージが持てました

真田委員 
 私は、星先生の御意見とは異なりまして、よく資料は整えられていると思います。というのは、私は先回欠席していてわからないのですけれども、先回、この募集要項が出て、それをゴーすることのサインを出して、そして今回この申請書が出ているわけで、その募集要項に沿ってすべての資料は整えられていると私は思います。
 先生方がおっしゃっている評価の項目に関しては、今回その評価を何にするかということに関しての討論は、先生方の皆さんから、達成状況を評価するということまで含められていますけれども、事業の目的自体が、この募集要項を見ていただけますか。○の2つ目ですけれども、結局、当該看護師の活用状況や業務の実施状況を検討する資料を収集するものであって、これを達成できたという評価を求めるというところまでには、今回の事業が行っていないのではないかと、私は、求められていないのではないかということが一つここからうかがえると。でも、先生方は達成状況を求めている
 もう一つは、星先生がおっしゃった中に安全対策のことをおっしゃいました。やはりこの事業をするときに一番大事なことは実施状況であり、その実施状況に対して評価項目は安全対策になっているなと、この資料から読んでいます。ただし、安全対策に関しての病院の体制の資料を出しなさいというのが厚生労働省の一つの要件であったのに対して、もう一つどうしても出さなければいけなかったのが、この要件の3ページ目に(4)実施基準がありますね。その2つ目に、安全管理に係る組織に関して、緊急時の対応に対する手順、患者、その家族に対する説明・相談プロトコール、3つ目に業務・行為におけるプロトコールを定めるということに関して、これをしっかりすることで安全対策をこの事業において担保するということを記述してあるのだと思います。ですから、それに関しての内容も出ていらっしゃって、ただ、その内容に関して、評価可能なのかということに関しては、今、私は言及いたしません。
 資料はきちんと出ている、それと、実施状況を見るものであると。その資料にするものであるという事業であるならば、満たしているのではないかと私は考えて、星先生のお話に関しては、私とは意見を異にするということを申し上げました。

○真田委員 
 ただ、もう一つ付け加えていいですか。先生方がおっしゃっている患者さんのQOLの向上とか、医師の仕事に専念できるようになったかとか、待ち時間が短くなったかというのは、私は次の年の評価に入ってくるのではないか。というのは、プロトコールを見ると、1年間で1人で実施できるまでのプログラムを組んだのであって、そこで患者さんに対してQOLが上がったかという評価は尚早ではないかとは今、聴いておりました。

○前原委員 
 特定看護師、それからNP、その前の認定看護師、それから専門看護師がありますが、その中で、やはりニーズとしては、プライマリーとか糖尿病の外来とか、それから、英先生の地域在宅医療、それから救急ですか、そのことに関しても順当に出てきているのだろうと思います。
 そして、この特定看護師の業務試行事業ということで出てきた中で、医療安全、安全ということばかりやって、それは非常に大事だと、それは星先生がおっしゃるとおりなのですが、僕が三十何年前に初めて医学部を卒業して外科医になって、そのときは、上司の先生に金魚のふんみたいについて行ってトレーニングをし、勉強した者の模様というのがここには書かれているのだと思うのですね。
 この特定看護師さんになるに当たっても、先ほどお話がありましたように、今やっているという、やらされているかもしれないが、やっていることを承認(コンファーム)するためにも、きちんとした安全を担保して、この業務試行事業というものがやられるべきだということに関しては、そうだと思います。ところが、僕たちのオン・ザ・ジョブ・トレーニングですけれども、それがかなりのポイントを占めてくるのだろうと思います。
 そして、最後に質問ですけれども、欠席裁判と言って申し訳ないですが、星先生がおっしゃったように、北海道がんセンターの話ですが、ニーズとしては、確かに感染管理というのはあるのだろうと思いますけれども、この中の、では看護協会がやられたこの認定看護師さんとどこが違うのかと。そして今、それをどこの大学でやられているのか。では、どうして北海道のがんセンターでやるのか。そして、これはくしくも座長がおっしゃいましたけれども、インフェクシャス・コントロール・チームの中でやるからいいのですよねといった場合には、この特定看護師というものはどういう位置づけになるのか。ただ、看護業務が拡大した、そこを認めてくるのかということで、僕の質問としては、北海道がんセンターのところの感染コントロールの、どういう活躍をして、どういう意義を求めて看護協会としてはやっているのかということを聴きたいと思います。

○井上委員 
 多分、今日のワーキングでいろいろ申請内容を見て、それを推進会議に上げて、これでスタートしていいのかどうかというところを今、話し合っていると思うんですが、ちょっと別の角度での提案なんです。確かに震災等がありましたが、出てきたところが1大学1課程で、2施設ですけれども実質は1医療法人だと。この養成試行事業には16大学32課程、それからBは3課程でしたか。3課程のうち、今日は2課程出てきているのですが、要するにA課程の、要するにCNS課程の修了生は、この業務試行事業には現実的に乗れない状況があるのですね。それは、CNS専門看護師の認定試験が今年の暮れにあるためで、こちら(業務試行事業)に重点的に力を注げないという事情があるのですね。
 ただ、やはり看護師の役割拡大ということを、一部の人だけが乗れる制度ではなくて、看護全体の役割拡大とするなら、やはり幅広いデータが必要だし、乗れない方が悪いというのではなくて、先ほど目的にも情報収集というものがありまして、私は2月の段階にでも、これは専門看護師の修了生は乗れない、だから、A'でもBでもいいから、よく座長がおっしゃられる鶏か卵かのところで、立派な鶏がいるのだから、その人たちのデータも取ってほしいと申し上げたのですが、見事に無視されました。
 確かに養成課程を経ていないというのはありますけれども、そんな厳密なことを言っていたらデータなんて集まらないと思います。養成試行事業に応募しているのは16大学32課程ですが、今現在、CNSはちまたに650人いますし、養成課程は100を超えております。そういうところの乗れないデータは出てこない方が悪いで無視してこのまま進めていいのかというのを私はとても危惧しているのですが、この業務試行事業調査のゴーサインとともに、もう少しデータを広く集める方法を考えていただきたい。この後、続々出てくるのならいいですが、そのあたりも少し考えていただきたいと思います。

○星委員 
 すみません、この後、私は震災対応で福島県医師会に戻らなければいけないので、防災服を着てやりますけれども、その前に、今日ここで私が評価し切れない、評価というは、つまりゴーサインを出していいかどうかというのは評価し切れないというのが私の印象だと最初に申し上げて、やはり議論した上で、真田先生はそうではないとおっしゃいましたが、私は、もう少しきちんとした形で、追加の資料も得た上で議論すべきだと思っています。
 非常に印象的だったのが、須藤参考人が、私たちが30年これをやっていました、若かりしころという話と、小野参考人が、地域での求めがあれば、それに応じて、またその中身も考えていかなければいけないという、これもある種の、この2つの過程といいますか、2つの違いを如実に表しているものなのだろうなと感じます。というのは、鮎川先生のところでやられようとしている、あるいは多分北海道もそうだと思いますけれども、現に認定なり何なりという形でスタッフとしてかなりのことをやっていらっしゃるところ、そこが、いわゆる看護師の業務拡大というような意味合いで目指しているもので、比較的理解可能なんですね。
 大分の方は、先ほどの先生の熱意はちょっと置いておきますと、地域に求めがあれば医者みたいなものをやるのだというふうにしか残念ながら私には聞こえなくて、むしろそうではなくて、その地域に足りない医療資源を看護師さんたちがどういうふうにするのかということの整理をした上でないと、ここはちょっと怖いなというのが正直なところです。
 特に、簡単に言うと、多分北海道と鮎川先生のところは、看護師さんのスタッフとしての仕事の拡大、したがって、看護業務の拡大として比較的理解可能な範囲。しかし、小野さんのところでやろうとしているのは、まさにNPづくりでありまして、全くそれとは異なるのですね。そこを同じ特定看護師(仮称)というふうにずっとここまでも言い続けてきているし、今、包括的な指示の話が出たときも、同じところで立ち止まるわけです。一体何ですかと言ったときに立ち止まる理由は、やはりどっちかというとPAに相当する人たちというか、スタッフとしてやっている看護師職の人たちの業務拡大という一連のものと、NPというものをベースにしているお医者さんの代わりをする人をつくろうというものの混在が、ここに来ても、やはりここでみんなが、何かどうも違和感があるなというのは、多分そこなんだろうと思うんですよね。
 ですから、それをどっちがよくて、どっちがだめだというのではなくて、やはりきちんと議論をして、では、NPを目指しているこの過程においては、では、どこまでが、どういうことで包括的な指示に基づく特定看護師という、今、少なくともみんながもやもやっとしながらも持っているものの中に封じ込められるのか、あるいは封じ込めずに、やはり逸脱するのか、その辺の議論を経ないと、やっていいですよというのはなかなか厳しいだろうなと私は思っています。
 時間なので、私は失礼するので、あとはお願いいたします。

小松委員 
 今日の論議は、この業務試行事業の業務範囲ということで、看護師の業務を拡大していくという部分では、多分ハードな部分がかなり資料として出てきていて、安全を行為として行っていくということがそろえられたのだろうと思います。評価のことも出ていたし、星先生がおっしゃっていたように、かなりプライマリーにケアをしていくというナースの本来的な看護業務とは何かというソフトの部分は、やはり論議をするべきだし、須藤さんとか中田さんがおっしゃったように、特定の医行為をすることというのは、看護師は全体を見るとか、チーム医療をきちんと連携していく力がなければできないとか、生活指導を行うことが看護師ができる中でそういう行為を取り込んでいくと非常にいいのではないかというような意見があったのですね。
 その辺の能力的な部分というのが、多分一つの評価のポイントとして、この業務の調査で、情報収集なのですけれども、それも是非取っていっていただくことが必要なのではないかと。ハードな部分の医行為の安全という部分と、本来的な特定看護師の働き、鶏はどういう姿なのかというところは、限定した領域では非常に見やすいのですよ。感染のところは、例えば、おっしゃったように、感染症の診療プロセスの中に医行為を取り込んで、より安全性をケアの中で担保していくという方向性がすごく見えるのですが、やはり大分の方の部分というのは、では一体何なのかというところは、少し広がっていてわかりにくいところがあるし、そこは地域にすごく大事な部分なので、そこはやりつつ、肝になるもの、医行為の安全性と、もう一つ、看護として役割拡大して、どういう鶏なのかという、その両方をやはり車の両輪としていければいいかなと思います。

竹股委員 
 理論武装というか、先ほど来医師の代わりにやる仕事というような言葉がずっと出るのですね。わかるのですけれども、ただ、私、あるいは看護職としての気持ちは、医師の代わりにやるというような方向ではなくて、あくまでもここのそもそも論で、このワーキンググループの前のチーム医療の推進会議から2年にわたって現在に至るまでやっているのですが、医療の総体をどのように両者が担うのかというところから入っていると私は思っているのです。ですから、たまたまという言い方は語弊がありますけれども、医師が担っていたこと、医師がここまでやるのかというぐらい担っていたことを、ほかの医療の従事者たちがどのようにできるのか、それから、看護もそうですね、看護が担っていたことを、そのほかの医療従事者がどのように担えるのか。つまり、医療の総体を、ガラガラポンではないですが、どういう人たちがどのような学びなり資格なりを持たせてやるのかという、ある意味、もっと医師の代わりに何をやるのだということではない、もうちょっとレベルの違う話の中で検討したいと私は思って今までここに座っているのですね。理論武装ではないのですけれども、そういう意見です。

○前原委員 
 皆さんももう何度も話していることですが、医療を看護師さんと医師と、それからほかの方々とどうやっていくか。竹股委員がおっしゃるとおりで、医師の代わりに看護師に何ができるのか、そのことを議論しているのではなくて、今の日本の医療がどういう状況なのかというこの、医療崩壊という言葉が使われていますが、これだけ忙しい、各いろいろな分野がありますが、その中で、ただ看護師さんの業務拡大だけで、医政局長がいらっしゃらないけれども、医政局長の通達だけで今までやってきたわけですが、その看護業務のただ拡大だけでやっていたのでは、この医療の今の忙しさなり、これから高齢化、いろいろなことに対しては太刀打ちができないということで特定看護師というのが出てきたのですよ。ですから、これはここにも書いてありますとおり、「本事業は、新たな枠組みの構築に向けて」ということですよ。ですから、看護業務の拡大だけでできるのであれば、僕は、そのことに関してこういうワーキングをする必要はないと思います。
 ただ、座長がおっしゃっているように、どんどん飛んで行って、NP、PAになってしまうのではないかという危惧があるかもしれないけれども、それがいいことであれば、皆さんの御論議の中で、いいことであれば、それはそこまで行けばいいのだろうと思うのですね。それは、何もかも質のいい医療を国民に提供するためには、もう何かアクション起こさなければいけない時期だということです。ただ、看護師の業務拡大だけではだめだと僕は思っています。

秋山委員 
 業務範囲のところで包括指示の中身の記載があって、私としては、特定看護師のさまざまな教育課程のところでは、すごくたくさんの項目を演習なりしてくださっているけれども、勤めるところのそれぞれの施設に合わせて、この業務範囲に結構特徴が出てきていますし、私が関心があったのは、老健施設では、かなり地域とかぶるところがありまして、終末期患者の死亡確認等に関しても、ここだけですが、もう入れてくださっているのですね。こういうことは、医師の代わりというよりも、やはり患者さんや家族の立場に立って、それは早くして、安寧な状態にしてあげたいというところで、24時間以内に医師が診断しなくても、確認が取れればケアに入れるというのは、地域の中では実際に本当にあることですし、そういうことがこれからの超高齢化社会の老健とか特養とか地域とか、そういうところでは本当に求められる内容だと、私はこの1項目だけ見て思いましたし、そういう意味で、一つ前へ進んでいっていただければなと、私としては、感触としては思いました。

  ☆

おお! 有賀委員が話さないと、委員全体の意見がわかりやすい!

てゆーか、いつもとまったくおんなじパターンです。

でも、回を重ねるに従って、それぞれの委員の「やりたいこと」が固まって、じわじわと、悪い意味でのムラ社会的な会議の完成が近付いているようです。

星委員にいっぱい喋らせて、失言を待って、言質をとって、お役人さんが書類化する。んでもって、お役人さんがもっていきたい方向へ誘導するために、書類上で『委員の意見に反論する』。「ここがクリアされないと賛成できない」と言わせたらこっちのもの。今後クリアします、はじまったらクリアしますと書類にちょこっと書くだけで、「反対しない」に軌道修正させる。書類内容をトータルで読めば「委員を黙らせるために書いたけれど実際には履行されない部分」がでてくることでしょう。

委員の立ち位置が完全に定まっているため、意見は平行線どころか「役所側の決めたゴールにたどり着くまでは何千回でも拷問のように委員会を開催するからヨロシク」という、人的資源をものすごく無駄遣いした状況になっています。震災なんて関係なく資料をつくる「厚労省側」の人たち(委員含む)が圧倒的に有利。役所の決めたゴールを否定する資料を役所がつくるはずもなく、役所の決めたゴール以外にたどり着くためには、審議会の委員が自前の資料を大金はたいて用意した上で、他の委員を転向させなきゃならないわけですが、普通にやってちゃ無理な話。巨人ファンしかいない居酒屋で、阪神の応援をしてもらうためには、どれだけ苦労しそうなのかを想像してください。

この図式は、

「村のみんなが仲良くなる場所が欲しいよね」という目的が、「とにかくハコモノの建設をするんじゃい!」「補助金をもらうんじゃい!」「うちの近所につくるんじゃい!」「いやいやうちの近所につくるんじゃい!」「中に高級レストランをつくるんじゃい!」「喫茶店もゲームコーナーもカラオケもボーリングも映画館もいれるんじゃい!」と前のめりになって、当初の目的を忘れるというか殴り合いの喧嘩をはじめて、仲良くなるどころかものすごく険悪になって、「いまある公民館を増築するくらいでいいんじゃないの?」「すでに仲良くなるための場所は喫茶店とか定食屋とかカラオケボックスとか、いろいろあるんだから、そっちに集まればいいじゃん」といった建設反対派を、「公民館の隣に建設して、公民館とつなげる通路をつくるから、公民館の大増築と実質一緒だから」「今ある専門店とは何らかの連携をする方向で別途検討しますから」「大人数が一度に集まれることが大事なんですから」といった言葉で黙らせ、それでもだめなら建設推進派の村長と村議会が中心になって村八分にしていく

という、いや~な物語展開の、中ほどまで進んでいる気がします。重症です。

正常化しないかなぁ・・・(注:しませんでした。その後の二回で悪化しました)

  ☆

前回欠席の真田委員は、「評価なしの事業なのに、みなさんは評価を求める。おかしい」といったことを言うのですが、「みなさん(このWGの委員)が評価を求めているのに、評価なしの事業で進んでいることのほうがおかしい」という思考にはならないようです。

最後のほうでは、竹股・前原コンビが、『我々は、看護師の業務拡大の話をしているのではない。医師の代わりに看護師に何かさせる話もしてない。もっと大きなことを議論しているのだ!』的なことを言い出します。

嘘っぽいなー。

NP狙いなんだから、「医師の代わりに看護師が何をするか」と「一部の看護師だけ、大きく業務拡大(処方権と調剤権の侵害)する」話。

「我々は、(宇宙平和推進くらいの)もっと大きな話をしているんだ!」と言いながら、学校の屋上に落書きする権利を主張されている気分。

「みなさんの」議論の中で「いいこと」であれば、「このWGで」、特定看護師をNPと同義にしちゃってもいいよね? と、前原委員は述べているわけですが…。そーゆーことまでやっていいって、本会(推進会議)から言われてましたっけ? 前回の推進会議では、WGが本会無視で先走っていることに対して、不快感~な展開だったはずなんですが。

※今回の議論は、「試行事業」の申請に手を挙げたところが少なくて、しかも「どうも、NPの養成と勘違いしているらしい」ことから、「主旨が違うんだからそのまま申請受理なんかできるか!」と星委員が反対し、他の委員が「でも書式は満たしているんだから別にいいじゃん」と賛成傾向。この審議会の委員の方々は、試行事業なのに、趣旨を理解していない相手に教育を任せて平気だというのですから、理解不能。「エマ」並みのガチガチの本格メイドさんを養成してね、という主旨を理解していない「学校」に入学させたら、ケチャップでオムライスにハートマークを描く能力が著しく高いアキバのメイド喫茶のメイドさんが養成されちゃうわけですが、それでもいい、むしろそれも萌える、というノリで突き進んじゃっていいものなのかなぁ…。

続きまして、「本会」の様子です。

  ☆

第6回チーム医療推進会議 議事録

○日時 平成23年4月18日(月)16:00~18:00

○議事

太田委員
 私は、在宅療養支援診療所という立場でこの会議に参加させていただいております。質問は老人保健施設に関わることです。ここの構成員の方々に具体的に老人保健施設で何をやっているかイメージすることが難しいのではないかと思いまして、私が質問させていただきます。
 老人保健施設というのは、介護保険施設で、基本的には入所者全員が要介護認定を受けています。その対象となる疾患の大部分は認知症、脳血管障害だと思います。もちろん運動域の疾患もありますが、運動域の疾患単独では重介護と認定されることがないので、必ず何らかの合併症を持っていることが多いわけです。そういった方が100名いる所で教育をするわけですが、内容を見ますと、糖尿病のスキンケアの問題と看取りが、提出された書面には書かれています。実際にこの100名の方々の中に糖尿病の方がどのぐらいいらっしゃるのかをお聞きしたいと思います。
 いわゆるインテンシブケアの場面ではなく、ロングタームケアと言われている領域ですから、生活支援医療が中心になります。生活支援の医療というのは、医療が介入した妥当性の尺度がQOLを高めたかどうかということになって、標準的医療が必ずしも必要な人たちだけではないのです。仮に骨折したとしても、本来は手術すべきですが、保存的に診ましょうという判断が必要な人たちです。したがって、最終的には看取りという場面にも遭遇するわけですが、看取りの、具体的には死亡診断までしてしまうのかどうかということです
 3点目にちょっと気になったところは、薬剤師や放射線技師、歯科医師とはどのような係わりが老健の中であるのかということです。もちろんPT、OT、STは勤務することになっていますが、その他の職種、管理栄養士がいる場合は多いと思いますが、その人たちとの連携、特に薬に関しての連携は包括的な中で運営されていますので、難しいかなという気がしました。質問はその3点です。
 ただ、私はこれを聞くことが老健で手を挙げたことに関してはあっぱれだと思って、むしろ後押ししたいという立場です。ですから、老健のアイデンティティを確立する意味でも、老健で特定看護師の教育ができることは、非常に素晴らしいことだと思っており、ネガティブな立場での質問ではありません。ですから、100名の中の基礎疾患と看取りにどう係わるのかということ、薬剤師・放射線技師・歯科医師との連携をどう扱っていくのかという3点をお答えください。

○太田委員
 実際に老健施設には医師が常駐していますので、24時間見ていないということはないです。夜間に亡くなったときに死後の処置を開始できるかできないかというのが、非常に大きいのです。死亡診断書は翌日、医師が発行してもいいですし、患者を診断しないで死亡診断書を記載することも可能ですが、医師が死亡確認をするまで、死後の処置をしないまま待っているということが一般にあるわけです。そうなりますと、亡くなったということをナースが判断して、そのまま死後の処置に移行できるという意味合いかと思って、私はお聞きしたわけです。

○太田委員
 道義的な問題として、主治医が判断しないまま死後の処置に進むことに対して、ご家族がどういった気持を持たれるかという問題は残っていると思います。現行の法律の中で、すでに行えることではないかと思っています。

○藤川委員
 まず確認いたします。資料2と資料3を同じグループにされていますが、佐伯中央病院の医師数14名(非常勤含む)の常勤の数と、鶴見の太陽の医師数4名のうちの常勤の数です。今回の事業に係わる担当医を見ますと、同じメンバーが含まれているようです。年齢、診療科、専門医を見ますと、1名だけ23年臨床経験の内科医は違うようですが、こうなった場合に、医師は同じ時間帯にどちらかにしかいられないわけですよね。本事業に携わる医師はお互い4、5名と書いてありますが、実際にその時間帯には片方にしかいられないわけですよね。たぶんメインは急性期の病院だろうと思います。こちらのほうが当然忙しいですから。本事業に本来、常勤として携われるのは1名ではないかという気がします。老健自体が大体1名だと思いますので、こういう表現はいかがなものでしょうか。常勤4名で見ているようで、安全性があるように認められますので、こういう表現はしないほうがいいかなという感じがいたします。
 先ほどの飯塚病院は、私も筑豊労災病院におりましたからよく知っています。非常に忙しかった。ただ問題は、夜間の救急などは非常に多いですよね。100名とか200名とか言われていました。特に私が知っているころは小児科です。最近、特に小児科には女性医師が多いのですが、小児科の急患がたくさん来たときに非常に大変だと。女性医師が患者を診ても急変する場合がありますので、家族からのクレームが非常に多いですし、それを忙しいということで、果たして特定看護師が医師の不足分、最上のトリアージやプライマリーのところを代われるかというと、私は荷が重いのではないかと思います。医師の代わりをするほどトリアージナースができるのか。
 本当にリスキーな所ではない所ですね。例えば最初のキョウシャを取るとか、そういう段階は全然問題はないと思います。しかし今回の特定看護師というのはそういう所だけではなくて、非常にリスキーな所までチェックするのです。先ほど有賀先生が言われたように、A・B・Cランクがあると、Aという非常にリスキーな所まで行こうとしていますので、我々日本医師会としては反対しています。我々は、Aのようなリスキーなものは、あくまでも医師がすべきだと。Bのいわゆる安全はどうかなという所は、今回の実施事項でチェックする。安全性は高められているけれども、まだやったりやらなかったり医療機関が迷っているようなCの所は早速、特定看護師に限らず看護師に業務を拡大して、医師の最初のトリアージの部分の負担を取ってやる。それで十分できるのではないかと。
 我々日本医師会が言っていることは、看護師の全体的なレベルアップによって医療安全を高めると同時に、医師の負担を軽減することです。一部の看護師にしても、結果的にその看護師がいない場合はできませんから、同じ5年、7年の経験を持つ看護師であれば、すべて標準的な看護レベルを上げてやっていくほうが、最終的にどういったナースをへき地医療に送っても、救急医療の現場や災害医療に送ってもできるのではないでしょうか。そういう全体的なレベルアップをしたいというのが、我々日本医師会の希望です。

○藤川委員
 大学院を卒業して特定看護師の業務で来た学生より、現実に優れている看護師が全国の現場にはいるのです。救命センターなどは特にそうです。有賀先生の所など、いっぱいいらっしゃると思います。そういう救命救急や手術場での専門の看護師というのは、私も数多く知っています。後から出てきた人たちを特定看護師ということで位置づけても、現場ではその肩書きよりも実力はこんなに違うわけです。実際にできる人はいっぱいいます。
 大事なのは、いま現実にできる人たちをどうきちんとするかです。たくさんいらっしゃる。その人たちを早くそれなりの業務ができるようにしてやるほうが先です。「特定看護師を1人つくって、ディーラーで前に進めてその後から来るぞ」などと言っても、早い話、医療の現場からすれば日が暮れます。ですから、いい意味で絶対にここは大丈夫だよという線を早く引いてくれというのが、たぶん能力のある看護師たち、現場で一緒にやっている、あるいは先生たちのような救命の場でやっているドクター、勤務医の声ではないかと私は認識しています。

○中山委員
 今回の試行業務事業を実施する人たちは、看護部に属しているという形になりますね。先ほどの指導医との関係ですがは、普通の看護業務も行う中でこれまでグレーゾーンと言われたり、もう少し踏み込んだ医行為をしたりするときに指導医が来て実施するのですか。それともずっと1日中、指導医と一緒に動いているのですか。その業務の在り方が見えなかったのです。飯塚病院の場合も佐伯中央病院の場合も、看護師は特定の医行為だけをするのか、普通の業務をする中での特定医行為の範囲なのか、その辺を教えていただければと思います。

○中山委員
 勤務するときはほとんど指導医と一緒に、ずっと1日中動くというイメージでよろしいのですね。

山本(信)委員
 お話を伺っていますと、各施設の方々は、薬剤師と連携をするというお話で、大変ありがたくお話を伺いました。その上で、例えば大分の小寺先生のご報告に関してですが、既存の施設で安全管理の委員会ができていて、試行事業でも同じものが移行しているという状態だと思うのです。先ほども甲斐先生から、薬剤師も含めて連携していますというお話でしたが、少なくともこの資料を見る限り、医薬品に関する部分が試行事業の中に相当含まれているのですが、にもかかわらず、既存の安全管理委員会には薬剤師がさんかしていながら、新たな試行事業に際してはに薬剤師がいないというのは、どういうように理解したらいいのか理解に苦しむというのが1点です。
 もう1点は、試行事業に関わる教育側のほうにお伺いしたいのですが、参考資料2-1でも3-1でもいいですが、提供されている大学病院の試行プログラム、例えば佐伯中央病院の例でいえば、たしか向精神薬の薬剤の選択という項目があると思います。にもかかわらず教育のほうは、演習の中で抗不安薬だけの演習で済ませて、実地のほうで向精神薬に対しても対応されている。精神科領域の薬については、医師もそうですが薬剤師もかなり神経質に使っているはずです。抗不安薬だけの演習で、実地のほうで向精神薬にまで幅を広げるというのは、薬剤師としては理解できません。抗精神薬に限りませんが、それほど簡単な薬なのかなという感じがするのが2点目です。(注:たとえるなら、「ヤドクガエルを扱った経験があればフグやヒョウモンダコも扱っていいよと許可するのはどうよ」? でも、このツッコミは、ポイントがずれていると思います。「じゃあ、本番では、教育演習段階で全部やります」と返されちゃいますよ
 これらはとてもささいなことなのですが、少なくとも連携をしていただけるという意味では、実際に連携があるのだろうとは思うのです。鮎川先生がお話になった中でも、最後のほうに薬剤師と連携するということが書いてありますが、具体的にどのような形で連携するのかというのが全く見えてきません。さすがに手術室や救急の現場などで薬剤師が活躍する場があるかというと、なかなか難しいのかもしれませんが、表現としてそうした記載があるという点で少し気になります。
 前回の看護ワーキンググループの中で、川上純一委員も指摘されていると思いますが、「医師の包括的な指示の範囲」という表現の中で、一体どういう状況で、どのような医行為ができるのかを、もう少し明確にしないと、つまり先ほど医事課長もおっしゃいましたし、座長の永井先生もおっしゃっているように、結果としてそれができるかどうか、どこまで可能かという評価をしなくてはなりません。にもかかわらず提示されているプロトコールを拝見しても、どういうシチュエーションで、どのような行為をするかというのが明確に見えてこない中で試行事業を進めていかれるというのは、薬剤師としてもいささか不安がよぎります。
 特に薬の場合で言えば、「包括的指示の範囲」という所で全部くるまれています。この会議の場でも、包括的指示の範囲というのは調剤された薬剤だという了解は得られていますがどう考えても、例えばTDMを何かしようとか、薬を選択する際に薬剤師とどういう連携を取ってなされるのかが良く見えてきません。かなりハイリスクな薬を使う中で、こうした業務を行うことで治療全体に、一体どういうように影響するのかという配慮や検討なしに一気に進んでしまうことについては、薬剤師としては極めて不安を感じます。もう少し明確にプロトコールなり、どのような対処なのかということをお示しいただいたほうが安全ではないか。そうでないと、折角いいシステムをつくろうとしても、おそらく処方権なり調剤権という議論がまた出てきてしまいます。
 試行事業というのはもう決まったことですから、それを否定するわけではありません。ただ具体的に試行事業をなさることについて、より明確な指標がない状態はいささか気になります。よく有賀先生が、「心配するのはみんな分かっているから」とおっしゃいます。それは私も理解いたしますが、少なくとも試行事業として評価するからには、評価軸というものをもう少し明確にしないと、評価に耐えられないのではないか。それは太田先生がおっしゃった、薬の部分がないのではないかというのと全く同じ議論です。是非その辺りをお示しいただきたいのです

○山本(信)委員
 糖尿病という範囲であれば、むしろ糖尿病だけで特定可能な範囲がどこというように決められるのが至当だと思うのです。にもかかわらず、プライマリケアがうまくできないかもしれないという中で、臨時投薬とはいえ、申請書に示された可なり広範囲な薬の選択を判断するということまで載せられてしまいますと、一体誰が判断するのかという話になります。
 その一方で、たぶんお言葉のちょっとした間違いだと思いますが、処方するのは医師であって看護師ではありません。その指示に従って薬剤師が調剤をするというのは、薬剤師としていささか納得できかねます。もし看護師の処方に従ってというのであれば、冒頭に記載されたあるいはこの場での共通認識である、すでに調剤された医薬品でない医薬品を私ども薬剤師がが扱う形になりますそういった意味から、看護ワーキングンの際にこの項目についてはまさに時期尚早というように、川上純一委員からから指摘ががあったと認識しています。その辺りはいかがでしょうか。

○山本(信)委員
 わかりました。飯塚病院の場合はきちんと薬剤師が医療安全委員会に参加しているので、別に問題はないのです。ただ佐伯中央病院の場合では、少なくとも医療安全の委員会に既存のものと試行事業に対応するものと、その構成メンバーに差がありましたのでご質問したのです。飯塚病院に対するものではないので、その点は誤解なきようにお願いします。

○山本(信)委員
 確かに有賀先生のおっしゃるとおりだと思います。少なくともこの募集要項の良し悪しではなく、具体的に試行して医行為をどう整理していくかという観点からすれば、この試行が悪いとか、看護師の業務の範囲を拡大するのがいけないという意味ではないのです。これをもし進めるとするならば、この会議の当初の目的であった、医師、看護師、薬剤師といった専門職がお互いに補完し合いながら仕事をするという観点からすると、やはり明確にしておいたほうがいいのではないか。それは今後の議論として、野放図に拡大するのは好ましくないと思っておりますので、先生のおっしゃることはよくわかります。募集要項の問題も去ることながら、やはりもう少し明確に見えるようにしていただきたいと思います。

○半田委員
 小寺先生の所は正規の特定看護師として雇用されているのですよね。

○半田委員
 飯塚病院はよその人だから、非常勤雇用だとおっしゃいましたよね。これでは評価がものすごく大きく違うと思うのです。今後の特定看護師をどう雇用するかは、もうお仲間として抱えたというのと、飯塚病院はよその人だからというところからスタートしているわけです。これを評価するとしたら、その人の雇用状況によっては大きな違いが出てきそうな気がします。このことはやはり整理をしておかないと。これで本当の評価ができるのか、どうなのだろうという疑問を持ったのです。もう1回確認しますが、正規の職員として看護師として雇用されているのですね。

○半田委員
 飯塚病院は非常勤雇用ということですね。ここはやはり整理しないと、評価に大きな影響が出るような気がします。

○堺委員
 皆さん評価が重要だと言いながら、例えば初期臨床研修制度でも、正式な第三者評価は全くなされない。ですから今おっしゃったような院内の評価というのは、あまり意味がないと思います。これだけ議論が出ているので、この際、当初はなかったのかもしれませんが、第三者評価をどこかでやるというのをしっかり明示していただいて、それに向けた方策を考えていただければ、非常にありがたいと思います。

○藤本委員
 私は社会保障会議の医療部会にも所属しており、特定機能病院の承認に関しては必ず現場に参ります。医療安全の在り方などについては、その場でいろいろな医療スタッフをつかまえて、「ここの医療安全の責任者のお名前を知っていますか」とやるわけです。すると実際に知らなかったりする。そうすると書面では整っているけれども、現場にいって、初めてわかることがあるのです。先ほどの機能のお話がまさにそれです。ですから書面だけでスルーすることがどうなのかという疑問を持っております。今こうして要項に則った申請書が出される中で、これだけでは分からないものというのがいろいろ出てきています。実際の業務に当たられる看護師の人数というのが、数字として見当たらないのです。1名ずつ看護師のことを書くという所を見ると、ここでは1名だなということは分かるのですが、この事業に当たるの看護師が何名なのかかという記載が、一覧表の中で見当たりませんでした。

○藤本委員
 今後のために、書類の中にそういう欄があったほうがいいということです。そうすると研修する事業に当たられる看護師に対して、指導するスタッフが足りているか足りていないかという話も見えてくると思います。その2点を私は感じました。

○太田委員
 折角、老人保健施設が特定看護師の教育の場になるわけですから、是非とも慢性期から終末期のケアの在り方を学ぶ場にしていただきたいと思います。例えば医師が連れて歩いて、もう終末期だと判断した患者に、熱が出たからといって検査をして、その結果を見て薬を出して、場合によっては点滴をするという、いわゆるキュアの場面で行われる医療をそのまま老健でやるのはもったいないわけです。もう終末期ということになれば、何も積極的な医療介入のないまま、ナチュラルデストを支えるというのも1つの在り方です。そういったところにこそナースの力が出せると思うのです。
 インテンシブケアの場面で、医師がナースを連れて歩くというのも大事なことですが、むしろ老健であればナースが医師を連れて歩いて、これは深い治療をしないほうがいいよとか、このケースに内視鏡はよくないというアドバイスもできるような、イーブンな関係で学んでもらうことも、老健では非常に重要だと私は思います。先ほどの説明を聞いていますと、病院の医療をそのまま老健に持ち込んでいるような印象を受けたので、是非とも発想を変えて、医師とナースが一緒に学び合うということが、老健では大事だと私は思います。

○太田委員
 ホスピス関係のダイイングペーシェントに関しては、バリアティブケアを適用させることに対する合意はあります。ただし、高齢者におけるエンドオブライフケアの客観的指標というのは、医学的整理がないですよね。何をもって老衰と診断するのか。ですからこれからの課題で、それもやはり在宅医療のような所が頑張らないと、そういった物差しは出てこないだろうと思っています。

○坂本委員
 先ほどの丁寧に話をよく聞いてくれたということからすると、ドクターとずっと一緒に回っているというのではなくて、全体的に見ているのだろうと思うのです。そうすると、おそらく1人ではいろいろなことができないわけですから、他の医療チームや介護の方たちや薬剤師と、どのように協働しているかということも、指導の中にも教育の中にも入れていただきたいと思います。これから少ない人数で担っていくときに、ケアを中心にしながらキュアもできるように取り入れながらやっていくという所に、特定看護師(仮称)が入ったとしても、1人だけでは成り立たない。その方がキーパーソンかどうかはわかりませんが、全体で見ていくような仕組みを、いろいろな所でやれるような状況をつくっていくべきだと思います。

○藤川委員
 まず終末期医療の問題については、有賀先生の所でも我々日本医師会でもガイドラインを出しています。ですから終末期ということに関しては、別に特定看護師の問題で考えずとも、現実に現場で終末期の同意書を取っています。医療機関であれ、特養であれ、老健であれ、在宅であれ、それはきちんと取るように、日本医師会としても各都道府県医師会にガイドラインを出していますからいいのです。
 問題は、老健の特定看護師と救命センターの特定看護師とでは、もともと違うのです。ですから特定看護師というファジーな表現は駄目ですということを、我々日本医師会は以前から言っています。やはり救命センターの専門看護師とか、老健専用の看護師などがあると思うのです。その場その場で違うわけですから。ファジーな特定看護師という表現を早くなくして、そこの現場現場に合った専門的な看護師というものをきちんと養成していくことのほうが、本当は現実的ではないかと思っております。

○中山委員
 今回、このような中で試みてくださる施設に対しては、敬意を表しなければいけないのですが、残念ながら数が少ない。これをいろいろ広げていかなければいけないという問題があります。これはワーキンググループでも出ています。
 それと、1つだけ危惧することは、特に大分県立看護科学大学では特定看護師の養成を前面に出し、その人たちの能力がどういう能力かということも規定し、それを佐伯中央病院が受けて、特定看護師として雇用するというシステムをつくるという形で進んでいます。これが特定看護師のイメージとして一人歩きすることを懸念しております。今日も傍聴席に、これだけたくさんの方がいらしています。これが形になれば、こういう形のものが特定看護師の案なのかということで、一人歩きされることが多少懸念されるのです。

○永井座長
 しかし、そこはどうなのでしょう。これで終わりならそうかもしれませんが、今後いろいろなプログラムが出てくるということではないでしょうか。事務局、そこはどうですか。

北村委員
 昨年度に教育を受けた人数がどのぐらいかというのが、たぶん出ていると思うのです。そして今年も2年目が予定されていると。その中でかなりのデータを取らなくてはならないということで、今後、予想としてはどのぐらい申請されるかというのも、かなり重要なファクターかと思いますが、いかがでしょうか。

○北村委員
 そういう意味でも実施予定の業務、医行為をどこまで実習の中でやらせるかというのが、かなり重要なものになってくると思うのです。それで、かなりいろいろな意味での医行為が載せられている。その医行為の範囲をどういう形で進めていくか。先ほどもあったとおりガイドラインとか、それらをしっかりした形で一つひとつつくっていかなければならないだろうと思います。それと老健施設や地域医療の問題など、やはりやり方が違うと思うのです。ですから、それも場面場面によって一つひとつつくっていかなくてはならないと思っているのですが、いかがでしょうか。

○北村委員
 この試行事業を行う上で、責任というものがかなりあると思うのです。やり方を全部その施設に任せるのか、ある程度この会議としての方向性というか、枠組みをはめるかどうかですね。そこら辺の問題はどうなのでしょうか。

○半田委員
 今日の会議の3つの施設の研修は、試行事業としていいのかということが求められているとするならば、太田委員から大歓迎だというご発言があったのですが、老健が試行事業として成り立っているのかというところについては、私はもっと厳選しないとと思います。今回の第1回目で、どこかを注意するで終わったのでは、今後の認定作業が非常に甘いものになってしまうのではないでしょうか。先ほど藤川委員が医師の数のことをおっしゃいましたが、安全管理体制に3人の名前がある中で、1人の方がグループホーム管理者となっているわけです。このグループホームの管理者というのは、老健のスタッフですか。

○半田委員
 事業主体は別でしょ。

○半田委員
 これは事業体として受ける事業ではないのですか。チームという言い方がどうかはわかりませんが、例えば老健施設でやるとするならば、通所とかいろいろな機能がありますよね。グループホームを併設しているというのは、あまり例がないような気がするのです。そうでもないですか。老健だけではなくて、グループホームまで一緒の形でいいのですか

○堺委員
 トータルで見ているのが普通です。問題は、いろいろな施設が個別にあるものが、なかなか難しいのです。医療提供の連携の中でやっているという理解だと思うのです。ですから、あまり不自然ではないような気がしています。

○半田委員
 そうすると、老健施設だけではないということですね

○半田委員
 先ほど藤川委員がおっしゃった、ドクターはどういう状況かということについても、この時間はどなたがいるといった安全管理体制について、やはりはっきりしたことが要るのではないでしょうか。質問に対してのお答えがそういうお答えだったものですから、どういう体制が敷かれているのか、医師がゼロになることがあり得るのかないのか

○半田委員
 第三者評価がしっかりできるのであれば、そこでカバーできると思います。その話を具体化していただければと思います。

○山本(信)委員
 飯塚病院の場合は鮎川先生のお手元に薬があるという状況の下でで判断していますが、佐伯中央病院の場合は書類上は、いわゆる以下の業務を行いますと言って、慢性疾患の中に病名を挙げておられて、具体的な選択の部分については、その範囲を超えてかなり幅広に取られているように思います。薬剤師は医薬品にしかこだわり様がないものですから医薬品にこだわります。例えば高脂血症もそうですし、利尿剤もそうです。対象とする薬剤の幅が広がっていくものを、糖尿病の続発症として捉えるかどうかという点がクリアでない。しかも臨時投薬の中に、抗不安薬から向精神薬まで入っていると、冒頭に掲げている医師の包括的指示の範囲の中で取り扱う慢性疾患と、具体的な医薬品の選択の対象というのは、随分と違ってくるのではないかという気がします。
 そうであれば、なぜ実施機関に薬剤師が関わっていないのかという点について、いささか不思議に思います。そういった意味で安全管理をどうなさるのかということは、やはりもう少し明確にしていただかないと、薬で事故が起きたときに誰が責任を取るのか。調剤した者なのか、それを使った者なのか、選んだ者なのかということも含めて言えば、間違いなく疑義が生じます。施行すること自体に反対はしませんが、調剤された薬剤という前提の中で、もう少し対象とする薬剤の幅を制限したり、をの選択の範囲を狭めたりしていかないと、際限なく広がってしまいます。
 例えば、老健や在宅では試行事業に近いことがきっと起きるだろうと思います。しかし、そこには在宅に関わる医療職種間でそれなりの一定のプロトコールがあるわけです。本日の資料に挙げられた、選択の範囲の違いについては、薬剤師としてはいささか理解に苦しみます。

○坂本委員
 これは想像ですが、いまは詳しく説明されなかったけれども、こういう症状のときにはこの薬、この範囲内でというように、みんな決まっているわけですよね。それをちゃんと説明してあげてはどうでしょうか。それは薬剤師も入って決めているわけですよね。そこを明らかにされれば、心配されないのではないかと思います。

○藤川委員
 老健の問題が出ました。特養などもそうです。その前は必ず医療機関にいて、医療機関から老健に行ったり特養に行ったりするわけです。いま現場で非常に問題になっているのは、かかりつけ医に長年診てもらっていたのに、老健に行って切られた、特養に行って切られた、診てもらいたいと言うけれども、なかなか診てもらえないということです。例えば、往診したりその患者が行ったり、みだりに診療を外にするとアウトだというのが、通知で来ていますよね。いま現場で大混乱しているのです。
 国民の気持としては、かかりつけ医に最期まで診てもらいたいという希望も実際にあるのです。地元の近所の診療所で診てもらっていた先生に、最期まで循環器を診てもらいたい、40年診てもらったのだから、終末期も診てもらいたいという人がいます。少なくとも死を見てくれなくても、処方の薬は可能な限りその先生の指示に従ってもらいたいという患者たちが、老健や特養に入所するわけです。それを看護師が代わりをするということはあり得ないことです。老健であれ特養であれ、そこに嘱託医や常勤の先生がいらっしゃったら、その先生がきちんと処方して、それを薬剤師が処方するという標準的なものは押さえておいて、臨時で微調整をするという表現にしておかないと、大本からメスを入れて処方権ということになると、医師の処方権と薬剤師の調剤権などにぶつかってきます。その辺はやはり注意した表現にしておいたほうがいいかと思います。

  ☆

…とまあ、本会はこんな感じ。すっきりします。

太田委員は、老健や特養にいる「看護師」さんが「死亡時の処置」もやれたら便利♪という視点で、「特定看護師(仮称)は、大歓迎☆」と言い続けているわけです。それが、大きな混乱の元。

老健で便利、救急で便利、入院・夜間も便利、在宅も便利。

そんな理屈で、『特定看護師(仮称)』という名称はひとつしかないのに、いくつもの役割をくっつけようと、委員みんなが、必死になっているわけですよ。

藤川委員の「救急も老健も同じ特定看護師(仮称)だというようなファジーな表現はやめてしまえ!」という考え方は、とてもシンプルでわかりやすいんですが、誰も賛成しないんですよね…。

いつものことですけれど。

  ☆

【おまけ】

こんな本会の様子を、WGに持ち帰った有賀座長がWG委員にどう説明したのか(第13回議事録より)

「私たちのこの会には親会がありますね。先だって、永井先生の会がありましたね。あそこでは、とりあえず参考資料5にありますこれらの施設が特定看護師(仮称)という人をそれぞれ雇って、仕事を始めるということについての議論をしたわけです。そういう意味では、一定の水準で物事が少し進んでいることは進んでいるんですが、その議論の中で、いわゆる特定看護師さんの仕事ぶりの評価、またはその特定看護師さんをめぐる仕事場での、例えば医療安全にしても、その他の職種、つまり包括的に指示を与えるドクターからの評価だけではなくて、先ほどの絵でいうと、薬剤師さんだとか、その他の職種の方たちが一緒に働いて、特定看護師さんとともに仕事をしているという話になるので、そういう意味での評価ということも加えていくということも、少し議論されたのですね。
ですから、今、御説明をいただいたことプラスαで、少し周辺に広がるような議論があってもいいのではないかなと思うので、その辺は事務局の方から、場合によっては少し追加していただくことがあるかもしれない。あのときどんなことを言っていましたかみたいな話で聞くかもしれませんのでね。そういうことでよろしいですね。
 親会では、先だって今、お話しの参考資料5にありますそれぞれの施設からの方に来ていただいて、特定看護師さんの仕事がちょっとずつ始まるよということについて議論しました。その中で今、お話ししたように、出発のときの書類そのものは、厚生労働省からそろえろと言われたものを忠実にそろえていたわけですけれども、本当に仕事ぶりをするという上では、周辺からのさまざまな意味での評価が必要だという議論があって、私が今、発言したような付録が付いた次第であります。
 ちなみに、この前の会のときには、たしか4つあって、北海道からの施設もあったんですね。皆さん覚えておられると思います。星先生が、書類の中身が雑だと言って、お叱りをいただいたあれです。該当の施設の事情によって、当面撤収されておりますので、今のところ参考資料5のようになっているということであります。」

 ・・・なんだか、印象が、合致しません。

 今回の「実験」とは逆に、ほぼ、(事務局と座長と有賀委員の発言以外は)無視された報告のようです。話を聞いてきたはずの人間がどのように報告するかで、議論内容は簡単に変わります。親会に参加しているWG委員および事務局職員は、この報告でOKなんでしょうかね…。

 

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もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら18

「もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

第十八話:アポ子は業界のゆらぎについて考えた

 事務所の床に体育座りしながら考え事をするのにも飽きたので、アポ子は帰宅することにした。

 広場では、大道芸のお兄さんが、玉乗りバランス芸を披露している。

 いまいち盛り上がっていない。拍手もまばら。

 そこに、アクシデント。

 急に、ゆらゆらと揺れる玉。

 落ちそうになると、うまく回転。バランスを取り戻す。

 ヒヤヒヤのあとの展開に、観客は拍手喝采。お兄さんは、丁寧にお辞儀。

「これだーっ!」

 アポ子は、何か閃いたらしい。

「足元が揺らいだときは、むしろ、喝采のチャンス!!!」

 ピーターいわく、『産業界が揺らぐときは、むしろチャンス』。

 変化が業界に隙間を生む。

 生まれた隙間に隙間産業ができる。

 隙間産業を「他の業界」に奪われる前に、自ら隙間を埋めていく。

 職能拡大とは、自分で隙間を作って自分で埋める作業だ。

 しかし、自分で隙間を作らなかったのに「社会の変化で」隙間ができてしまうことがある。

 そのときにどう対応するのか。アポ子なら、目の前に隙間ができたら、三途の川の外道衆が出てくる前に、侍戦隊を呼びそうだ。

 「職能組織」である日本(ひのもと)薬剤師会は、どう対応するのか。

 喝采を浴びるか、あるいはブーイングの嵐に沈むか。

 分岐点である「ゆらぎ」を発見するセンサーが動いたとき、この「ゆらぎ」をチャンスだとみなせていたのだろうか。

【ピーターのいう、三つのチャンス】

1.産業の成長がおこり、二倍の規模になったらチャンス
2.複数の技術が合体したときがチャンス
3.働き方が大きく変化したときがチャンス

 今も、ゆらぎだらけ、チャンスだらけだ。

 産業の成長。

 第二類・第一類の一般用医薬品の産業規模は毎年増えている。登録販売者さんの人数も毎年倍々ゲーム。都道府県行政は、自らが登録販売者の認定をしていることもあってか、OTC販売から薬剤師を遠ざける「おまえら調剤だけやってろ」的な通知を連発している。産業の成長は、分業の細分化、誰もが「お前だけにできることをみつけろ」と強要される世界への切符。天元突破のドリル、14歳の逃げちゃだめだ、神にも悪魔にもなれるバイク乗りなど、自分にしかできないこと自体が過労死への入り口になっている場合もありそう。どこまでを受け入れるのか。

 複数の技術の合体。

 合剤製剤の進出。企業合併で技術が合体しまくっている。技術そっちのけで販売網の合体って感じの買収もやたらとある。販売技術の合体と言えなくもない。テレビと電話が合体してテレビ電話、インターネットと通販が合体してインターネット通販、手術と通信とロボットが合体して遠距離診断&手術。遠距離対面販売だって往診移動対面販売だって、なにかとなにかを合体したらできるかもしれない。ニンテンドー3DSとiPad2とドラえもんの合体とかで。ドラえもんの調達が困難だが。

 働き方が大きく変化。

 24時間働くのは病院の夜勤だけじゃなくなった。個人商店からチェーン店を経て卸問屋の子会社になった。そのうち卸問屋は大規模ななんとか商事にTOBされそうだ。職場単位では、職能の独立よりも企業の理念が優先されるだろう。ある日突然、企業理念に『なによりも○○のために』『すべては○○のために』なんていう曖昧なことが書いてあっても平気な企業に買収されることだってありそうだ。昨日までの倫理的な敵と「今日から同じグループだから」と組まされたとしても、忍耐、我慢、すべては生活のために。なによりも給料のために。昨日までレーサーだったのに謎の組織にスカウトされて巨大ロボットのパイロットやらサイボーグやらになっちゃうくらい働き方が変わることだってある。

 チャンス、チャンス、チャンス。

 ときめきに愛をこめろ。時に流されて逆境になったとしても。

 「逆境」と書いたときも、それを「チャンス」と読むのだ。

 「逆境無頼カイジ」と書いて「チャンス☆ブライガー☆カイジ」と読むのだ。

 脅威だと感じたら負けだ。胸囲も姜維も関係ない。

 尻尾を立てろ。アンテナを高くして隙間を埋めろ。いつしか隙間が拡大して、本体になりかわるときだってあるのだ。細胞の隙間を新素材で埋めていったら、いつかは新素材だけでできた生物になっているかもしれない。それは元の生物と同じ名前で呼べるものなのだろうか。プリンが大好きなマッドサイエンティストはなんて言ってたっけ。

 いろいろ考えながら、てくてく歩いていると、景色が変化していく。

 変化。

 「社会の変化」について、ピーターは、市場の外部で起こる変化として、三つ挙げている。

1.『人口構造の変化』
2.『物事に対する社会の認識の変化』
3.『新しい知識の出現』

 ピーターは問いかける。

 問1 人口構造の変化:「地域・国内・世界人口の、一番多い年齢層はどこか」

 問2 物事に対する社会の認識の変化:「ただの水にお金を払わせるにはどうしたらいいか」

 問3 新しい知識の出現:「数年後に実用化されて出てくる知識・技術を見極めるにはどうすればいいのか」

 …と。

 ついでに、あてにならない「素晴らしいアイデア」への投資はやめておけ、とも言っている。あれか。「俺は本気出してないだけだから。でっかい夢があるんだから」と真顔で語る男に貢いじゃダメだっていう話か。でっかい夢があるというだけでは全然素晴らしいアイデアだとは思えないので、それとは違うよーな気もする。夢を吸いだしたら地球が出てくる人を除いては。

 各問を、さわり程度、考えてみる。

 答1
 日本の場合、高齢者社会っていうくらいで、若者は少ないのだろう。ということは、薬関係での若者向けの若者市場=美容で、その上の中年市場がアンチエイジングで、その上の高齢者市場が薬。ドラッカーが愛読書だ!と公言するリーダーに率いられている大企業は、『次の狙い目は、高齢者市場だ!』なんてことを言いながら、異業種の隙間にどんどん入り込んでくるだろう。っていうか、もうきてる。「最初に手をつけたところの独占」になる有料老人ホームへの薬供給市場は、超戦国時代だ。

 答2
 ただの水にお金を支払わせるためには、特定の水でなければ安全ではないという意識を植え付けるために、毎日毎日、世の中は危険にあふれているというサインを送り、お金を払ってただの水を飲むことがオシャレで賢くて美容にもよくて子供にも安全である行為だと、誰かに言わせればいい。危機感を募らせることが、消費の第一歩。そのうえで、「うちの製品は他とは違うよ」と、検証のしようがない点を主軸として広報する。マイナスイオンパワーとか天然水とか。小規模業者が言うと「あやしい」と言われるが、大企業が言うと何故だか「へー、すごいですねえ」と言われる。

 答3
 知識技術が実用化されるかどうかは、ぽややーんと見ているだけでは、見極められないと考えたほうがいい。「自分もかかわって実用化する」つもりになって考える。問題点がどんどんでてくる。何か新しい技術で解決できそうかを考える。想像力と知識のコラボレーション。でも最後はカネカネカネで買収によって一気に実用化されたものを手に入れるのが大企業というもの。

 以上。

 ピーターの想定する「三つのといかけ」は、真面目にパズルを解くことを前提に提唱されている。

 しかし、現実は、「真面目にパズルを解く時間がもったいないから、考える前にページをめくって正答を読む」とか「過去問の類似問題の答をまる写しする」といった小悪党から、「パズルの正答にたどりついた人間に大金を払って答えを教えてもらう」とか「謎のパワーでパズル自体を世の中から消す」といった大悪党まで、ルール無用の悪党だらけ。匿名のキザ兄ちゃんたちは、ランドセルを贈るついでに、正義のパンチをぶちかましといてほしい。

 薬剤師会には信用が求められるので、パズルを解くなら真面目にやるしかない。そして、アポ子が考える程度の『素晴らしいアイデア』なんか、採用してはならない。

「…てことは、やっぱり、あれこれ企画を考えても、大半は…」

 そう、没になるはずだ。それは承知の介。歯止めがきくというのは、良識のある有能な人が、組織内にそれなりにいる証拠だと考えよう。なんでも反対するくせに、ピーターの言う「素晴らしいアイデア」の採用に疑問を抱かず賛成する役員が多い組織には、乾杯でお別れだ。

 とはいえ。うっかり「素晴らしいアイデア」を採用してしまっても、うまくイノベーションにつなげていける組織なら、問題なし。優秀な官僚組織の基本は、これだ。

 問題なのは、『素晴らしいアイデアは絶対採用しない。だが、正直にパズルを解くのは嫌だ』という、自分からは絶対に動かない空気。

 そんな空気が蔓延しているかぎり、市場の外からの力で変化が起こっても、対応するイノベーションはおこらない。

 夢中になってパズルを解く空気って、どうやって作ったものか。やっぱり、マイナスイオン発生器や天然水や、1/fゆらぎ空間がお茶の間に出てくる空気清浄機が必要なのかな。

 そんなことを考えながら歩いているうちに、隣の駅についた。何かか地球に起こる時、胸のバッジが輝くように。ピエロの足元が揺らいだとき、一駅分歩いたことで、電車賃が浮いた。イッツ・ア・ピーンチか~ら~の~、チャーンス。

 アポ子の心の中は、自分自身への喝采で埋め尽くされた。

 おめでとう。おめでとう。おめでとう。おめでとう。おめでとう。めでたいな。おめでとさん。くえっ。おめでとう。おめでとう。おめでとう。おめでとう。おめでとう。

 ありがとう。

  ☆

 …つづくのかな(打ち切りっぽい終わり方だし)

  ☆

今回の言葉
『あの…。【ゆらぎ】って、そういう意味じゃないから。人を襲ったりしないから』

 どういう意味なのかは各自調べること。では解散。(ヒント:魔法少女)

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日薬の「BUNSAKU」を使ってみました。

日本薬剤師会と県薬のDI担当さんとの血と汗と涙の結晶。

それが、

『BUNSAKU』!

漢字にすると、「文索」?

文献書誌情報検索システムの略。

文献管理情報分担入力システム、BUNBUNの後継機とのこと。

PC-6001の後継がWindows3.1になるような、劇的な進化です。

日薬会員向けに、ついに公開されました。

今回は、BUNSAKUをいじってみます。

  ☆

BUNSAKUは、検索システムです。

キーワードで、検索してみましょう。

まずは、このブログではおなじみのノブさんから。

「山本信夫」。

ブンサク!

Records 1 to 1 of 1 

…三十七万件の文献のうち、キーワードに合致するのは1件のみ。

あちこちでインタビューをうけまくっている日薬副会長でも、文献では、なかなかキーワード化されないようです。

では、ここ四年間では敵なしといえるこの方なら、どうでしょうか。

「児玉孝」。

日本薬剤師会の会長さんです。

年頭のあいさつで、どの雑誌にも出てくるはず。

数百ヒットもありうるかも。

ブンサク!

Records 1 to 11 of 11 

…あれ?

11件ですか。

入力の仕方がおかしいのかもしれません。

「児玉 孝」でブンサク!

Records 1 to 11 of 11 

変わりません。

では、役職名をつけましょう。

きっと、フルネームよりも、役職名付きのほうが、多いでしょう。

「児玉会長」で、ブンサク!

Records 1 to 0 of 0 

…ゼロ? ひとつもなし?

じゃあ、前の日薬会長さんはどうでしょうか。

「中西敏夫」でブンサク!

  Records 1 to 4 of 4

その前は?

「佐谷圭一」

  Records 1 to 0 of 0 

うーん。さすがはDI用のデータベースだけあって、人の名前は弱いようです

著者名から文献をひっぱりたいときには、困るんじゃないかなー…と心配になったので、他の名前を試してみます。

ブンサク!

Records 1 to 100 of 101 

100件もヒットする名前がありました。よかったよかった。

ちなみに、入力したのは「澤田康文」。

関連して「CYP」でブンサクすると、

Records 1 to 100 of 1336 

というヒット数。

「禁煙」と入れたら、

Records 1 to 100 of 1318 

「TDM」と入れたら、

Records 1 to 100 of 1889 

「1」と入れたら、

Records 1 to 100 of 18250 

「の」と入れたら、

Records 1 to 100 of 30677 

どんどん増えてきました。もはや単語ではありませんが。

「薬」と入れたら、

  Records 1 to 100 of 88791 

このくらいヒット数があると、だいぶ動作が重たいかんじに…。

「あ」と入れたら、

Records 1 to 100 of 95391

「い」と入れたら、

Records 1 to 100 of 118754 

えーと…。

最もヒット数の多い単語を探す遊びのためにサーバーに負担をかけるのは、よくないことなので、そろそろやめておきます。

注:○キーワード選択時の基準
Bunsaku内のキーワードの選択等は、入力する個々の情報センターに任されています。
各情報センターは、Bunsakuを利用する人の視点に立ち、「この記事は、こんな時に必要とするだろうな。すると、そのような時には多分こんな言葉で探すだろうな?」ということを念頭に置き、入力しています。

  ☆

この検索システムは、担当の方が「DI向きだ!」と思わない限り、記事が登録されない仕様なので、エンタメ系の記事はヒットしません

「石田散薬」と入れてもヒットしません。

「征露丸」と入れてもヒットしません。

ちなみに、「薬剤師倫理規定」と入れたら、

  Records 1 to 29 of 29 

でした。軽い軽い♪

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ZOMBREX XC(1.5mg)という、新薬が(以下略)

馬鹿映画(褒め言葉)『屍病汚染 DEAD RISING』を借りて観たので、感想。

ついでに馬鹿ゲーム(褒め言葉)「デッドライジング2」の、薬剤師の話を。

  ☆

まずは、映画…というかwebムービーをつなぎあわせて「真のエンディング」を足したVシネ、『屍病汚染 DEAD RISING』の感想。

どんな映画なのかは「屍病汚染 感想」で検索。

アマゾンだと、こんな感じ。

【ストーリー】
全世界を恐怖に落とし込んだ、あの“ウィラメッテ事件”後、ゾンビ化=屍病汚染は世界各地へと飛び火した。
アウトブレイクが起こった地域に対し、各国政府は厳しい対応を実施。該当エリアの住民を隔離する策を取る。
閉じ込められた人々は、脱出を図ろうとする者、建物に閉じ籠もる者、いずれも自分の存在をかけて戦うことになる。
そう、ここ日本でも…
シンとジョージの兄弟は、不幸にも隔離された地域に取り残された住民であった。
物語は、二人がこの閉鎖されたエリアから脱出を試みるところから始まる。
限りなく不可能に近い脱出行。ゾンビがさまよう街から、二人が身を守る為に逃げ込んだのは、とある倉庫街だった…。


【実際に観てのストーリー】

 「ウィラメッテ事件?なにそれ?」な日本語の通じるどこかの町。車椅子乗りのジョージがゲーム【デッドライジング】で遊んでいると、兄のシンがやってきて叫ぶ。「隔離された! 安全な建物に逃げるぞ!」とハイテンションで強引な兄に連れ出され                                        たはいいけれど、あてがあったわけでもなく、「安全な建物」への入場を拒否されまくった挙句に、夜の倉庫に不法侵入。倉庫番の武装サイコたちをバットで恫喝。

 武装サイコたち(銃装備)と再戦。兄死亡。
 隠れる弟。でもついつい兄の死体を確認。武装サイコに囲まれる。
 突然倉庫に突っ込んでくる車。武装サイコ半減。残り二名。挙動不審な看護師登場。
 ゾンビ化抑制薬「ZOMBREX」がナースステーションに置いてある病院でゾンビに噛まれた看護師が、たったひとつのナースステーションをサイコな患者に占拠された程度で、なぜ院内の薬剤部倉庫に寄らずに車で病院を出たのかは謎。
 ジョージのいる倉庫に「ZOMBREXがあるはず」と言いだす看護師。車は事故でつっこんできたので、目的地は倉庫ではなかったはず。でも探す。病院でゾンビに噛まれて変になったのかも。原作ゲームではありえないところに落ちていたから、ある意味原作準拠。
 武装サイコのボスに捕まる看護師。ジョージは改造車椅子を自作して武装サイコに立ち向かう。足元の回転カッターは車椅子から降りないと作れないと思うけど。
 武装サイコのボスに大怪我を負わせ、車椅子でゾンビ軍団に特攻(戦闘シーンは省略)し、倉庫内を物色するジョージ(結局ゾンビに噛まれた)と看護師(三度噛まれた)。
 ZOMBREXの山(ぱっと見で二三年分。もっと少ないかも)発見。
 注射。でも看護師死亡。朝。ジョージはZOMBREXを持たずに倉庫を出る。
 武装サイコの生き残りの狙撃を受け、ジョージ死亡。おしまい。

  ☆

感想。

1.「主観視点映画は、酔うからやめてください」

全編主観ハリウッド怪獣映画のアレ(※クローバーフィールドのことらしい)のときに、映画館で気持ち悪さと戦っていた筆者。主観モノは、鬼門。

この映画においては「車椅子の位置からの主観」。チャレンジし過ぎです。すーっ、と動く主観って、気持ち悪さ倍増。飛んでいる状態での主観視点映像に近い気持ち悪さ。フライトシミュレーター系ゲームで主観視点にしたことが無いほどダメダメなので、恐怖とか笑いとか以前に気持ち悪い。もちろん、これが気持ちいいという方にとっては、最高の演出です。

全編主観ではなく、中途半端に主観。半分以上、普通の視点。ジョージがいない場面も描写するし。映画的にはダメだと思うけれど筆者的には助かった気分になるという仕様。

2.「目的が定まらない活劇はストレス」

ゾンビが出た。周囲が隔離された。→ネット環境がある自宅にいればいいじゃん→完璧に安全な場所に行けば助けが来るのだと、兄に連れ出される→完璧に安全な場所に行っても入れない→でも家に帰ろうとしない→「翌朝まで安全を確保する」に目的変更→明らかに敵対的なサイコと遭遇し、戦闘。つまり倉庫は安全ではない→でも倉庫から去ろうとしない→「倉庫にいること」が目的化→兄の死→看護師に助けられて工具室に退避(安全。目的達成)→気になるから看護師の様子を見に行く(大幅な目的変更)→自分もゾンビに噛まれる→ZOMBREXを探す必要が出てくる→ZOMBREX発見(目的達成)→でもZOMBREXを持たずに倉庫を出ていく

…ジョージは何がしたいんでしょう…。

この映画の登場人物は、ゾンビが出てくる前から思考回路がずれた人ばかりなので、おそらく、そういう人たちが罵倒しあったりどつきあったりといった状況をポップコーン片手に大笑いしながら観る映画を目指しているのだとは思いますが、せめて主人公くらいは一貫性のある方向で成長していってほしかったりして。

ジョージが最初から『俺は自分を見て笑うやつは皆殺しにするんだ』的なスタンスだったら、「兄が下手に出て交渉→相手に笑われ、バット片手に交渉をぶちこわす」「唯一の味方の兄を殺した奴らは許せない→罠にはめてやる」「看護師も俺を笑ったので、許せない→武装車椅子で追跡して皆殺しだ」…と、バイオレンス担当としてデッドライジング的なボルテージが上がったのでは…

3.「時間軸を戻す演出が邪魔」

原作ゲームにある「サイコさんたちがサイコさんにならざるを得なかった悲しい理由」をサイコさん死亡確定シーンで演出するのならともかく…。「兄弟が倉庫でサイコさんから逃げているのはなんでかを、逃げるシーンの合間合間に説明する」とか「突然突っ込んできた車がなんでつっこんできたのかを、突っ込んできたあとから説明する」とか、「ジョージが看護師を助けに来たらしいシーンのあとで、ジョージが武装車椅子をつくるシーンを入れる」とか…ジョージカメラのせいで、いちいち長い長い種明かしが入る仕様。(種明かしがファイナル・ディスティネーションシリーズ並みの抱腹絶倒なネタばかりだったら面白くなったかも…。最序盤に兄が床に投げつけたボールからまわりまわって…武装サイコにとどめをさす鉄球になる、とか。風が吹けば桶屋が儲かる的に)

  ☆

武装車椅子くらいはじけていいのなら、最初から全部はじけた話だったら…と、残念な部分が多いので、カプコンさんは、ぜひ続編を。(監督はカプコンやめちゃいましたが)

で、そろそろ今回の本題に。

  ☆

新薬の登場です。

Keep living your life.Extended care.24Hours.

Know the signs,Trust your instincts.

Keep Zombification at bay,24 hours a day.

To find your nearest stockist call 1-800-ZOMBREX

「ZOMBLEX XC 1.5mg注」

Ambzole vaspilatin

ゾンブレックスXC!

30ccほどの注射液。いわゆるビタミン注射並みの量が一回量。

皮下注射or筋肉注射。(映画の描写では、かなり早い速度で腕に注射していました)

米国wikiによると、以下の通り。

  ☆

"The gift of life. Zombrex." —Zombrex's slogan

Zombrex

Ambuzol Vaspilatin or Zombrauctus Pendeo Autoinjectors, commercially marketed by Phenotrans as Zombrex, is a controversial over-the-counter drug that is used to treat pending zombification. It is administered in 1.5mg doses every 24 hours, and has proven to be effective in delaying zombification in human patients of all ages. It is incapable of preventing zombification in animals. It is a subject of great controversy, as it is seen by many to merely forestall the inevitable.

Isabela Keyes created the drug after escaping the mall in Willamette. Her friend, Frank West, was also infected, and he uses Zombrex while the two of them are researching ways to come up with a complete cure.

In Dead Rising 2: Case West, it's revealed that Isabela had managed to develop a cure. This was taken by Phenotrans and used by Marian Mallon, the director, along with her research notes.

The company has refused to allow Isabela make another cure for what she believes is humanity's karma, as well as for money. Instead, they forced her to try and develop a synthetic version to Zombrex.

Zombrex XC: Extended Care

In Dead Rising 2, There is a variation of Zombrex called "Zombrex XC: Extended Care", which lasts for 24 hours instead of 12.

Precautions to Zombrex

  • Zombrex should not be taken with alcohol. アルコールは不可。
  • Zombrex should not be taken within 24 hours of operating heavy machinery. 重機操作は不可。
  • Zombrex should not be taken by pregnant women.妊娠中は使用不可。(え?いや、それ、不可能でしょ)
  • Zombrex overdoses are lethal, and patients should never be administered more than the prescribed amount within a 24-hour period (12 hours in Case Zero). 過剰投与は死亡の可能性あり。
  • Zombrex is not a cure of zombification - it is a suppressor. 治療薬ではない。
  • Zombrex is contraindicated in patients who are hypersensitive to any components of this product. 過敏反応を起こす人には使用不可。(それ、わかった時点で遅いでしょ)
  • The recommended dose of Zombrex is 1.5mg once daily. Zombrex can be injected with or without food. 食事と関係なく投与可能。
  • Dose adjustment in patients with renal insufficiency is based on degree of renal function. 0.75 mg once daily should be applied for patients of <30mL/min Creatinine Clearance level. クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の患者には0.75mgで投与。
  • Zombrex is contraindicated for zombified subjects.

Since the first outbreak known to the public, the Willamette Incident, Zombrex is a recognized drug and is widely sold in many pharmacies, and it is extremely expensive at $300 a box. It is also administered by government health care institutes, and is carried by most ambulances. Dick Jones, a survivor in Still Creek, has some Zombrex in stock in his Pawn Shop.

In Dead Rising 2, Zombrex can be found in hidden places, awarded from survivors, defeating psychopaths or buying from Pawn Shops located in Fortune City, with the price rising in $25,000 increments with each purchase, starting at $25,000. It is important to note that, like weapons, you will lose your supply of Zombrex should you restart the game.

  ☆

 映画では医療用の要処方箋薬のような扱いでしたが、ゲームの設定ではOTC医薬品のようです。日本だったら第一類か第二類かで議論になりそう。ジョークアイテムとして闇鍋の中に混入されかねない薬です。

 全年齢で一回量は同じ分量(1.5mg)。乳児もOK? AUCとか動態とか関係なし?

 動物実験で「動物には効かない」と出た薬が「人間には効く」と治験?されたかと思うと、日本の厚生労働行政にとっては大きな転換点になったかもしれません。

 クレアチニンクリアランスの設定まであって、芸が細かい…。腎臓排泄?

 24時間ごとに投与しないと即発症で、最大1時間の投与ズレしか認めない。怖すぎる投与設計なのにOTC。

 一箱300ドル。一箱って一本だから・・・うわあ、一日3万円。年間1000万円近くかかりますよ。保険きくのかな。OTCだからムリか。ゲーム内では価格高騰により一本25000ドル(250万円)から。足元を見られるので、二本目は500万円、三本目が1000万円…。

 ゲーム(デッドライジング2)内での最初の一本は、タダで手に入ります。ええ、もちろん窃盗です。

 開始早々にゾンビ破壊競技で一万ドル稼いだ主人公のチャックが、娘のためのZOMBREXを買いにモール内の薬局へ向かうと…先客の強盗が三人。薬剤師のおねーさんが金を出せと脅されているところに遭遇したチャックさんは、強盗三人をボコボコにした挙句、薬局の従業員控室に侵入、置いてあったZOMBREX一本を勝手に着服します。 

 そんな十分にサイコなチャックさんに「ここは危険だ、安全な場所に連れて行ってやる」と言われて、すいすいついていくのが、強盗に襲われたばかりでテンパっている薬剤師の Denyce Callowayさん21歳。ほぼ最初の救出者ですから、ゲームプレイヤーの脳内には「薬剤師」という単語が焼きつきます。「A respected pharmacist with an addiction to nasal spray.」ではありますが、全世界で40万人くらいは、「ゲームに登場する薬剤師を挙げてください」と訊かれて、「DR2の最初の薬局の人」と言ってくれることでしょう。

決め台詞は"Those guys were stealing everything. Thanks for saving my life."

「あいつら全部盗もうとしてたのよ。あなた命の恩人ね♪」と読んでも、あれこれ北斗の拳レベルのエロ妄想込みで読んでもいいのですが、たった三人でドラッグストアの商品を「全部」盗もうとしていたサイコさんたちには脱帽ということで。

そうそう、Denyceさんの年齢は21歳。そして薬剤師。逆算すると、飛び級を使って14歳くらいで大学の六年制薬学部に入って最近仕事を始めたばかり…という天才特殊設定でもない限り、年齢は誤魔化しあり。わざとなのか、それとも制作者が気付かなかったのか。映画を観た感じでは、気付かなかったんだろうなぁ…と想像します。

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もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら17

「もし日本薬剤師会の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

第十七話:アポ子は労働力のニーズも満たすことにした

 おなか減った。

「誰か、ごはんを作って、もってきてくれないかなぁ…」

 呟いてみたが、周囲には誰もいない。

 ごはんを食べるためには、お米と水と炊飯器と電気と…。

 お米作りだって、きれいな水作りだって、炊飯器の製造流通だって、発電だって、人手が必要だ。ゴロゴロしていれば部屋まで食事が運ばれてくるような超ひきこもり環境にいたとしても、そこには多くの人手があり、食べ終わった後の食器の片付けから下水の処理etc、とにかく誰かの手が必要なのだ。

 ごはんがないなら、肉をお食べ。

 肉が無いなら、パンをお食べ。

 パンが無ければブリオッシュをお食べ。

 どこへ転んでも、何を食べるにしても、人手がかかる。

 とにかく、おなかいっぱいを目指すなら、人手が必要なのだ。人手。労働力。

 自力で大麦パンを作ったロビンソンクルーソーは、ひとり労働力。ものすごく大変な日々を送ったはずだ。

 ガリバーを動かした小人の国の労働力は、奈良と鎌倉の大仏を交換するくらいのものだったかもしれない。

 シンデレラのお姉さんたちや、マッチ売りの少女のお父さんは、彼らの大事な労働力を失った後、果たしてどうなったのか。

 労働力なしでは生きられない。労働力を粗末に扱ってはいけない。

 労働者ばんざい。

 そんなわけで。

 「知識」と「プロセス」のニーズを満たしたら、次は「労働力」のニーズを満たそう。

「労働者あっての企業! 団体! チーム! そう、隊士あっての隊長と副長! たった今、開眼しましたっ!」

 すべての思考が新撰組(主に乙女ゲー)につながっている帝夏アポ子(ていか あぽこ)としては、『無名隊士たちは眼中になかった日々』を反省するところである。羅刹隊の隊士ってイケメンいないし攻略できないし、どーでもいいと思っていた。攻略中のイチャイチャイベントの間も隊士が真面目に市中見回りをしてくれているからこそ、隊長のイチャイチャイベントが成立するのだ。

 日々の仕事を支えるのは、労働者。イベントを支えるのも、労働者。

 もういちど言おう。労働者ばんざい。

 隊長の存在は、隊士という労働力なしでは語れない。

 実働部隊は、部隊長だけではダメなのだ。

 そして、実働部隊は、戦闘部隊だけでもダメなのだ。

 諜報部隊がなければ、新撰組はグダグダだ。勘定方と会計方が金勘定しなければ、今日のごはんにもありつけない。そして松本良順先生がいなかったらブタ肉にありつけない。

「新撰組の隊士は、もち豚のレモン汁つき塩コショウたっぷり鉄板焼き肉とかで、白いご飯をガツガツと食べてたのかなぁ…」

 幕末の食糧事情としては、なんだか豪華な気がする。新撰組にシェフがいたという話はきかないけれど、マイリトルシェフ的には芹沢鴨と藤堂平助に任せたい。ピースメーカー鐡的には沖田総司の飼っていた豚のサイゾーを食材にして。そういえば会計方は死体処理も仕事にしていたし、豚の解体処理を担当していたかもしれない。

 おなかが減ると、思考が空回り。さっきから、労働力ばんざい、としか言ってない。

 平時にも必要な労働力は、緊急時にも必要だ。

 緊急時。そう、池田屋事件における労働力の圧倒的な少なさとか。隊士の半分が出動不能だったとか。どういうことだい山南さん。

 新撰組の場合は、組織の役員にあたる隊長たちが、まとまって突っ込んでいくことになった。

 しかし、日薬(ひのやく)の場合は、タマ子会長が突っ込んだら、危険極まりない。

 たとえばタマ子会長とナナミ(アポ子の幼馴染)がセットでどこかに視察に行ったとする。

 役員ふたりだけでできることといえば、偉い人同士の連絡網作りがメインの「現地視察」くらい。文書を取り交わして愛想良くする仕事は、代表者の真骨頂。タマ子会長は、思考の九割が今日の御飯。飲み食い大好き、宴会大好き、有名人大好き、名刺交換大好き。宴会部長を通り越して、宴会会長の降臨だ。前世は大石内蔵助か近藤勇だと思いたい。

 では、報告は、誰がするのか。タマ子会長は記者会見大好きなので報告する気まんまんだが、以前誰かが自由にやらせてみたら報告になってなかったらしく、今では誰もやらせようとしない。広報担当のナナミはタマ子会長に指示されない限り、絶対やらない。タマ子会長に指示を受けて報告するとしても、現場からの実況報告はやらない。日薬(ひのやく)の本部事務所に戻ってシャワーを浴びてからだ。

 スピードが要求される場面では、移動の車中でも視察の様子をまとめて、動画や写真入りで全国配信する補佐役の人材や、偉い人同士が会談している時間に別行動で調査取材をするチームや、バックアップ対応をするチームが、ほしいところ。

 役員が「行政や組織との協力体制構築」を急いで(前もってやっておいたはずでは?というツッコミを受けて)いる間にも、「会員への情報提供」を続けることで、自らの組織にできることの輪郭をはっきりさせていく。

 「視察の裏部隊」、別働隊。タレントとテレビカメラはセットでなんぼ。

 情報部隊。間諜。忍者。新撰組でいえば監察。『取材班』というニーズ。

 取材。「知識のニーズ」でも考えた、『自分で研究していない人間が、1.5次情報を得るための手段。2次情報の素』だ。

 東に医学会があれば現地に飛び、会員に役立ちそうな発表を発見し、発表者と交渉し、会員のために役立てる。西に面白い活動をしている人がいれば現地に飛び、一週間の密着取材を試みる。

 いたってシンプル。会員からの情報をキャッチして会員に流すシステムが大事。薬剤師の情報ネットワークプールを構築・整理していく過程で、取材すべきものは見えてくる。

 そこに「取材にいける人間(労働力)」さえ用意してあれば、あとは簡単だ。ピーター・パーカーやクラーク・ケントみたいに自作自演乙なカメラマンや取材記者も出てきそうだが、面白ければいい、面白い作品は載る、というジャンプ編集部的なノリで済まそう。

 取材したら、次は情報を分析することが大事だ。分析だって、労働力の出番。

 多くの「活動報告」を報告のまま寝かせず、その内容を分析して、次の一手を考えることが、指揮担当に求められるお仕事。ところが指揮担当ってエライ人だから自力で分析する時間なんて全くないわけで、ここは、外部入力で分析結果をエライ人の脳みそに直結してあげないと…。

 てなわけで。

 膨大な各種モニターデータを共有する仕組み。知識のニーズ。=頭。

 それらを活用する仕組み。プロセスのニーズ。=腕。

 実際に「動いて」分析をする人材。労働力のニーズ。=足。

 頭、腕、足。ロボットでいえばヘッダー・トラングー・レッガー。

 三つの力がひとつになって、ガッシンガッシン。UFO戦士ダイアポロン(歌:子門真人)。じゃない、「チックンタックン(作:石森章太郎)」でもない、「シンクタンク」だ。

 シンクタンク。それは魔法の言葉。

 シンクタンクという言葉を出した瞬間に、「そんな金のかかるもん、うちは無理!」と拒絶反応を示すエライ人が多い。

 お金はかかる。でも、役員が関与しない『分析戦略担当課』を、各部署の人間を毎日一時間だけ借りて創設するかどうかっていうレベルの「内部シンクタンクごっこ」すら拒絶してきた過去は、ホントは金の問題じゃないことの裏返し。(最近、すこしマシになったらしい)

 試しに、フルボランティアで全国の人材を集めてみようか。体は動かなくても頭脳や人脈で職能に貢献したい、お金はいらない、名誉は欲しい(ここ大事)、という情熱にあふれた御仁は、きっといっぱいいる。知恵袋の役割なら、わざわざ東京の一等地に集まって昼から会議をすることを求められずに済むので、地方在住でも安心。

 そうやって集まった有志のシンクタンクにはお金がかからないが、おそらく100%、お金がかからなくても、無視する方向にいくだろう。エライ人の拒絶反応は、なかなか手ごわい。

 まあ、仮に、拒絶反応をどーにかこーにか排除したとして。

 出した知恵をどう活用するのかは、役員の仕事。

 どれだけ斬新で高性能かつメンテナンスが簡単で壊れにくい武器を素早く渡せるかを追求するのがシンクタンクで、その武器をタイミング良く効果的に使うために頑張るのが組織のエライ人。この話二回目かな。徒手空拳で戦いたいという北斗神拳ですらやらないような戦いを求めるエライ人って、よくわからない。あれか、みんな全裸神拳(裸神活殺拳)の使い手なのか? 服を脱ぐと300kgくらいの重りが音をたてるのか?

 『そんな装備で大丈夫か?』と訊いたら、間違いなく『大丈夫だ、問題ない』と返してくれそうなエライ人たち。

 やはり、武器は、持たせないと心配だ。それも、一番いい装備を頼む。

「取材班とシンクタンクというふたつの労働力を抜きにして、デコレーション(注:イノベーションのことらしい)は、道半ば!」

 実際には、労働力にはお金がかかる。ボランティアは望めない。対価は何かと問われれば、「支払いの先送り」で騙されてくれるような層ではないし、もう、「ささやかな名誉」くらいで許してほしい。

 いまどきの労働力は、営業力を駆使して、かわいいぬいぐるみが『今すぐなんでも願いを叶えてあげる』くらい言わないと魔女と戦ってくれないようだけれど。

 プリキュアさんたちくらいの安請け合いで使命を果たしてくれる労働力、求む。

  ☆

つづく

  ☆

今回の言葉『プリキュアに同じ技は二度と効かない。これはもはや常識よ』

 伝説の戦士プリキュアになった瞬間にキュアマリンさんが言い放った一言。伝説は大事。多くの伝説がある組織・職能。その一員となることは、憧れ。伝説が、「私も、そんな伝説をつくってみたい」という目標になる。医師伝説、自衛隊伝説、漁師伝説、饅頭屋伝説、カードバトラー伝説…。伝説がイメージを生み、常識となる。へたれエピソードばかりを生み出すと、へたれ伝説になるので注意。

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