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ぷろ☆すた:ヒューマニズム力(笑)

「調剤と情報」1月号は、「○○力」特集。

いろいろな話が載っていて楽しそうだったので、とりあえず読んどこう♪、という軽いノリで、読んでみます。

(・・・・・・・・・読書中・・・・・・・・)

(・・・・・・・・読書終了・・・・・・)

ええと・・・

とりあえず、薬剤師研修センターのCMでしかない「自己把握力」とか、事例紹介の「育成力」とかは読まなくてもよさそうです。

「コミュニケーション力」では、「患者の患は、心に串が刺さっている様子」という表現から、「ああ、患って書いて『ハツ』と読ませたいのかぁ!」と変な納得をしつつ、「部位を示す他の漢字と串を組み合わせた字を作れば、ヤキトリ制覇も可能・・・?」と、カイジ並みの「気づき」をいただきました。

「クリニカルリサーチ発信力」は、薬剤師がエビデンスをつくって発信しろ、という素晴らしい主張に、その具体的な思考や手法がついていってないという、竜頭蛇尾で、映画の予告編的な印象。あれもこれも取り入れようとして失敗、しかも余白多数、という。読者おいてけぼりです。せめて「続きはwebで」と書いて欲しかった・・・

「教育力」では、「大事なことなので二回言った」というオチがないのに、全く同じ文章を二回読むという体験をしました。(「調剤と情報」編集部の「校正力」についても誰か語ってください)

『マゴノテの由来を知っているか!』という井上脚本のような展開を経て、『麻姑の名前を知り得ることはない! これが認識の進展阻害である!』と進むのですが、

「学習者に『わかったつもり』から脱出するきっかけを上手に与えられる能力が教育力である。その(教育力習得の)ための近道は、まず、(教育者)自らが『わかったつもり』から脱却し、物事への認識を深めていくことであろう」と、マトメちゃってるのが・・・

「それ、なんか、無理っぽくね?」と・・・。

教育者自身が『わかったつもり』から自力で脱却できるのなら、学習者だって同様に、『わかったつもり』から自力で脱却できるわけで・・・。

「学習者が簡単には自力脱却できない」という前提なのですから、「教育者自身も、簡単には自力脱却できない」という結論に向かうので・・・『全然、近道じゃない』。

麻姑掻痒とはいかないようで。

   ☆

助走はこれくらいにして、今回の本題。

近藤さん提唱の「ヒューマニズム力」です。

「ヒューマニズム力」という言語の使い手は、世の中広いのに近藤さんしかいません。近藤さんは、「ヒューマニズム力」の開祖ですね。

なので、冒頭にて、

「ヒューマニズム力と聞いて、プロフェッショナル・スタンダードが頭に浮かぶ人は、すばらしき自己学習推進者か、日本薬剤師会生涯学習委員、もしくは日薬役員ではなかろうか」

と、書いてあっても、返答のしようがないわけで。

近藤さんは日本薬剤師会生涯学習委員会の委員で、かつ、「ヒューマニズム力」の開祖ですから、日本薬剤師会生涯学習委員のみなさんや日薬役員は何度も「ヒューマニズム力」という新言語を開祖経由で耳にしているのかもしれませんが、「すばらしき自己学習推進者」って、どこの誰を指しているのか、さっぱりです。(近藤さんの勤め先のスタッフでしょうか?)

  ☆

近藤さんは、ヒューマニズムを、『大辞リン』からひっぱってきて、『人道主義、人間愛の立場から人々の福祉を図ろうとする思想態度』と定義していますが、

ネット上の大辞林によれば、

ヒューマニズム 【humanism】
 人間中心、人間尊重を基調とする思想態度。
 「人間」の捉え方により種々の形態がある。
[1] 古典的教養に人間像を求め、これを志向する思想・運動。
 (ア)「人文主義」に同じ。
 (イ)一八~一九世紀ドイツの、シュトゥルム-ウント-ドラングに始まる諸文化。人間の教養、調和的自己発展を説く。
[2]西欧近代の人間中心主義。
 (ア)一七~一八世紀英・仏の普遍的人間の理念に基づいて市民革命を理論づけた思想。
 (イ)資本主義の疎外からの人間解放を求めるマルクス主義的ヒューマニズム。
[3]「人道主義」に同じ。

という定義なので、なんだか前提となる定義が、ずれているとゆーか限定的とゆーか・・・。

そんな定義をもとにして、

「薬剤師のヒューマニズムとは、『薬剤師愛の立場から人々の福祉を図ろうとする思想態度』となり、薬剤師のヒューマニズム力とは、それを実現する力となる」

・・・って、言われても、ねえ。

どこからツッコんでいいのか・・・。

Q.『薬剤師愛』って何?

Q.『薬剤師愛の立場』って何?

おろおろするしかない状況下で、近藤さんから示される『薬剤師のヒューマニズム力を身につけるためのヒント』はというと、

『ぷろ☆すた における「ヒューマニズム(倫理)」』!

その一般目標4つの達成が、「ヒューマニズム力を身につけるカギ」なのだそうで。

ヒントだったりカギだったり、まどろっこしい~。おつかい系RPGか~。

(「薬剤師のヒューマニズム力」を身につけたいなんて全く考えてない筆者である)

  ☆

書きうつすのがめんどうなのと無断転載するなとうるさいこと言われない範囲で読むために、「調剤と情報」の本文を読んでいること前提ですすめます。

一般目標その1、「生命の尊厳を認識するために、医療人としての倫理観と責任感を身につける」

について、近藤さんは「タマシイ取り込めやーっ」と叫びます。

そのための方法が、

「薬剤師法第一条はもとより、薬剤師倫理規定、薬剤師綱領が概説できること」

なのだそうです。ゼヒ ウチノ ドウジンシ ヲ ツカッテ クダサイ マセ

一般目標その2、「患者中心の医療を実現するために、チーム医療の一員としての基本的な知識・技能・態度を習得する」

について、近藤さんは「ゴルゴじゃねえ、イチロー(WBC以降)になれやーっ」と叫びます。

ゴルゴ13はスペシャリストだけれど、イチロー(WBC以降)はプロフェッショナルなんだそうで。

で、プロフェッショナルっていうのは、『自分のためでなく、誰かのため、誰かの期待に応えるための精神が必要』なんだそうで。

・・・って、あれ? ゴルゴは依頼人という誰かの期待に応えるための精神を持っているから、プロフェッショナルなんじゃないの? 自分のためにしては、拷問やら投獄やら、酷い目にあいすぎだし。

一般目標その3、「患者及び家族の心情を理解するために、薬剤師が担う行為の重要性を認識する」

について、近藤さんは「病気は特別じゃないんだぜ。自分や自分の家族が病気になってる状態が普通だと思えやーっ」と。

ううむー。これはなかなかヘビーですよ。

いや、まあ、想像力で補え的なことを言いたいのかなぁ…と、さくっと流せば済むかもしれませんが、ほら、実際に自分や自分の家族が病気になっている「ing」である薬剤師さん、けっこうな数いるわけで・・・。

現在進行形の心情を「それがヒューマニズム力(その3)なんですよ」とは・・・言えないです。過去形になって理解できる心情のことだったら、全然スタンダードではないので、「ぷろ☆すた」には入れないでほしいし…。もうすこし、『想像力』の話だと、明確にしてもらいたいところ。

一般目標その4、「患者が自分の疾患に正面から向き合い、治療に積極的に取り組めるようサポートするための知識・技能・態度を身につける」

について、近藤さんは「答は簡単。患者を愛せよ。患者家族を愛せよ。さすれば、愛され、信頼される薬剤師になるのだ!」と心を揺さぶってきます。

簡単じゃない~っ(泣)

人・を・愛・す・る・って、簡単じゃない~っ。

ドラマ並みの熱血教師でないと越えられないハードルを、簡単♪と言われちゃうと、「それ、日薬役員はみんな簡単にできていることなの?!」と質問したくなりますー。

  ☆

まとめると、『薬剤師倫理を魂として取り込み、プロフェッショナルとしてブレない信念を持ち、どんな患者の心情にも平常心で応じ、患者を愛する』薬剤師がヒューマニズム力のある薬剤師なんだそうです。

ううーん・・・

薬剤師倫理規定etcは改定すればすぐに変わるし、顧客志向をプロフェッショナルというのならブレない信念より少し柔軟な信念のほうがいいだろうし、理解できない思考心情の方とは平常心で応じるより他の担当と変わったほうがいいだろうし、合わない相手を好きになれという姿勢は自分を騙しているようで苦手だし・・・

すくなくとも筆者は、ヒューマニズム力ある薬剤師には、ならない方向で。「おばか力」あたりを磨いていくことにします。

  ☆

【おまけ】

読んでおいたほうがいい「○○力」としては・・・

厚労省の中井さんの「発信力」では、(前半はつまんないけど)中盤の中医協委員ぶったたき感が凄いです。

エビデンスのない者は、論戦に武器を持たずに挑むようなもの、という話。

このブログでも、「のび太さんにドラえもんがいない」と書いた記憶がありますが、厚労省のお役人さんも、同じことを思っていた模様。

審議会に出ている薬剤師って、だいたい同じ顔触れなので、それら数名の常連さん(日薬の役員)に対して「おまえら発信力がない」と言い切ったわけで。バックヤードで、いきなりイス攻撃を仕掛けた感じ?

この遺恨からのアングル(プロレス用語)がどう展開していくのか、プロレス好きとしては見逃せませんが、ヘタレな対戦相手だと気にも留めずに済ますので、プロモーターさん(「調剤と情報」の編集委員)の腕が問われるところです。

発信力だけでなく、「受信力」とセットで考えたら面白そうです。

「構想力」には、ドラッカーやカントの話をエッセンスにして、『未来創造』『スクラップ&ビルド』のヒントが書いてあります。ヒューマニズム力の「こうすればいい! だってマニュアルに書いてあるもん!」という言い切りに対して、「いろいろ考えようよ~」という姿勢。こっちのほうが断然好み。

「組織力」は、「アンチ日薬的、公益法人改革のすすめ」というタイトルで売りたいくらい、とても面白いのですが、これはダイジェスト版なので、ぜひ、完全版を、神奈川県薬にTELして入手してみてください☆ 都道府県薬の役員さんは、全員、完全版を読んだほうがいいですよー。

(なお、いつものことですが、おすすめ度合いは、思いっきり筆者の好みによります)

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コメント

もう読みました いいですね

投稿: カイジ同人誌 | 2011年1月20日 (木) 10:39

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