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夏の日薬代議員会議事録その1「薬剤師の仕事量」

日薬雑誌で一番面白いコーナーの季節がやってきました。

日薬代議員会(総会)議事録。

今回は、平成22年8月分です。

議論中心は「公益法人改革」なんですが、

それはそのうち読むとして、

まずは肩慣らしに、

【薬剤師の仕事量と配置基準】という項目を見てみましょう。

いつもどおり、長い質問&回答は、超意訳。

  ☆

加地代議員の質問。

『現実に、一人の薬剤師が一日40枚の調剤をできると考えるかを伺う』

とのこと。

小田常務理事は「できるんじゃね?」と回答。

加地代議員が「私はできないと思う」と即答。

その理由として、

一枚の処方せんに対して、調剤5分・服薬指導5~10分・薬歴書き5~10分だから、一枚(ひとりの患者さん)あたり15~25分かかり、8時間労働だと32枚の処方せんしか受け付けられない(32枚×25分/枚=800分=最大15時間?)からだ

といった話に加えて、

「発注業務などを行えば、一日20枚の受付が限界

とまで述べています。

じゃあ、20枚受付で済むように、薬剤師の人数を倍程度に増やせばいいんじゃないの?と現状追認するか、なんとか法律を変えて人数を一人20枚でOKな方向にするとか、考えるところですが…

加地代議員は、何が言いたいのかというと、

「20枚だと経営難になるので、なんとかしろ」

ということらしいです。(そこかい)

  ☆

・・・・・・えーと・・・・・・・・・

これ、「ブロック質問」なんですよ・・・

ようするに、四国ブロックの代表として、四国の薬剤師さんたちが希求していることをまとめて、執行部に議論を挑むという、そういう、地域代表の質問なんですよ。

そこで、こういう意見? 質問?

加地代議員は、四国の薬剤師さんって、みんな、こうだって言いたいの?(ふつーに長時間労働している方etcもいるので、さすがにそれはないと思いますが…)

平均受け付け枚数なんだから、40枚×365=14600枚までは、一年間で受け付けてもいいってことで、薬局自体は365日営業としても、個々の薬剤師はガッチリ休みをとって年240日働いた場合で、一日60枚ペース。その業務量に対していかに効率化するかを常に考えて考えて、省略できるところやメリハリをつけられるところを工夫して、頑張っている人たちがいる一方で、「一日40枚は無理だと思う」と、言い切るだけでなく「経営難を何とかしろ」ですか。

できないのに無理してやったら、クオリティが下がって、みんなに迷惑がかかりますし、本人の健康も害します。「自分には無理だから、人を雇う」とか、「自分には無理だけど、人を雇いたい。でも地方には雇える薬剤師がいない。だから、営業時間を短縮する」とか、そういうローカルな工夫をすれば、いいと思うんですけれどね。何故、全国区で対策を取れという話になるのやら。(地方に人材を充実させようとか、そういう話でもないですよね、これ。)

ちなみに、加地代議員本人が言うとおりなら、

「処方せん1枚につき、『調剤5分』」ですから、

5(分/枚)×40枚=200分。

3時間20分あれば、40枚の『調剤(by加地代議員)』は可能です。

加地代議員の『調剤』の定義って、なに?

  ☆

んで、ノブさん(副会長)が、

「対人業務等が増えた薬剤師の仕事量を考えれば、計算のベースを変えなくてはならないことはよく理解できる」と、何故か理解を示したうえで、

「しかし、御指摘の問題については、薬剤師の配置基準を変えるのではなく、中医協において調剤報酬の点数を増やす方向で議論を行うようにしたい」

と、中医協委員ではないのに明言しました

  ☆

この発言から数カ月。12月時点までで、三浦委員(ノブさんの発言からすると、ノブさんの代わりに、代理として議論する役割の人)が調剤報酬点数を増加させるための発言を中医協総会でしたことは一度もありませんが…。

ノブさん的に、おそらくは、百年後くらいに、議論を行うようにしたいんでしょう。

思うだけなら、自由ですから。

「調剤報酬点数の増額」であって、「員数配置基準の見直し」はしないと明言していることから…「計算のベースを変えなくてはならないことはよく理解できる」という言葉が、すごく浮いています。

いつものノブさん話法。

「Yes,そのとおり、貴方の言う通り。しかし、貴方の言う通りにはしない。これから何か考えるかもしれない。私以外の誰かが。証明終了」

という、あれです。

  ☆

その後、

加地代議員は、

1.「員数制限が議論のベースにあるなら変えてね」

2.「調剤報酬の財源を新たに考えてね」

という二点を要望し、

ノブさんが、

1.「『一人薬剤師の薬局』の問題があるのを忘れるな」

2.「薬剤師の仕事に理解が得られるような仕組みを作って技術料等の議論を行いたい」

と回答。

  ☆

「一人薬剤師の薬局の問題」が何かという共通理解があるのか、ギモン。

議事録担当の方は「唐突に出てきた用語には注釈を入れる」ことを徹底してもらえると、読みやすいんですが…あ、でも、そもそも読んでいる人間の数がとてつもなく少ない気がしなくもなく…いえ、それでも、いれてくださいーっ。

【一人の薬剤師しかいない薬局では、薬局をあけている限り、処方せん応需義務により、一日何枚の処方せんがきても、正当な理由がない限り、全部受け付けなければなりません。従って、加地代議員の質問は、そのまま答えるなら「できるできないではなく、何枚であろうと、受け付けたならば、調剤しなければならない」となる】といった具合(この解釈であっているのかは不明)に、注釈をプリーズ。

ノブさんの回答によれば、「薬剤師の仕事に理解が得られるような仕組み」を創るまでは、技術料等の議論はしなくてもいい、という怖い展開も考えられそうなんですが、仕組みづくり、してるんでしょうか?

質疑全体をシンプルにすると、

「楽してカネ稼げるようにしろ」

「遠い未来に議論してやるよ」

ということなのかな…?

  ☆

以上、かみ合わない質疑の例でした。

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