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第二回チーム医療推進WG資料:徳田委員カッコヨイ

会議は11月19日に終わってますが、資料が公表されましたので、とりいそぎ。

  ☆

チーム医療推進方策検討WG 提出資料
社会医療法人禎心会 理事長
全日本病院協会 病院のあり方委員会委員長
徳田禎久

チーム医療を推進するにあたって

Ⅰ. 全般的な事項

医師・看護師等の不足、過剰労働問題から、それぞれの肩代わりをさせるという趣旨のチーム医療の議論は不毛である(*1)。それぞれの職種が充足すれば不要ということになりかねない。

チーム医療推進の目的は、専門職種間の業務分担を見直し、あたかも辻褄を合わせるように数的に人員の充足を図るものではなく、職種間の有機的な連携を図ることにより医療の質的な改善を図るものである。それを妨げる要因、例えば職種別に行われ相互に整合が必ずしも取れていない教育プログラム、職種間の伝達システム、責任体制のあり方等については積極的に検討・改善が図られるべきものと考える。

「チーム医療」では、多様な医療スタッフが関与するものであるから、急性期から慢性期、在宅医療まで実例に基づいて現時点でのモデルケースを設定し、全国の医療機関において可能となる施策を国の主導のもとに考える一方で、当面各施設では利用可能な人的資源から、可能な取り組みを行うことが求められる。今後、国の施策として以下の取り組みが必須と考える。

1、モデルケースからチーム医療を担う各職種の必要数を二次医療圏別に算出し適正配備の方法を確立する。

2、一定の医療機関への各職種の充足がはかられるまでは、看護業務実態調査に示された医師が任されると判断して実態として看護師に指示していた行為に関して、それを禁止するような厳格な対応はしない。


現状での包括的指示内容の厳格化は、看護師の採用がままならない地方などでは医師の明らかな負担増をまねく可能性がある。
現状では、チーム医療の推進と言う大きなテーマを隠れ蓑に、特定看護師に関する議論のみが重点的に進んでいることを危惧する。

厚労省による看護業務実態調査は、目的が特定看護師(診療補助に含まれないものと理解されてきた一定の医行為を行う一日看協)という新しい職種の養成を意図したものであるが、大学病院等500床超大型病院を中心とした調査であり、かつ回収率16.9%にとどまっており回答内容の代表性が担保されておらず、看護範囲の拡大に関心のある医師・看護師に偏った回答の可能性も指摘されている。同様の調査が日医により行われているが200床未満約7割の回答では、結果は大きく異なっていた。
どちらがより広く医療現場の認識を正確に反映しているのかの判断は別として、チーム医療は、医師と看護師だけではなく、医療法(*2)でも明示されているように、薬剤師等の他の職種も含めて検討するべきものである
レベルの高い特定看護師の養成を行うことを否定しないが、特定看護師がいなければチーム医療は推進されないのか(*3)?
チーム医療の推進が看護師のみによって達成されることではないことは、前回のWGでの各職種を代表する方の発言でも明らかである。

特定看護師養成を進めるのなら、各職種の業務見直しも同時に行うために各職種のレベルアップの必要性も同時に検討するのが筋であり、そのための各種業務調査は不可欠である。特定看護師の業務とされる内容との対比で考えるなら、教育年限・専門性から考えて、薬剤師の薬剤選択・変更に関する業務拡大は最重要課題と考えるし、特別○○○という他の職種の創設も同時に検討すべきであろう

*1 「チーム医療推進のための看護業務検討WG」 提出資料より
大分県立看護科学大学看護学研究科
老年領域の特定看護師(仮称)養成
老年領域の特定看護師の到達目標
例)高血圧症、糖尿病、COPDなどの慢性疾患/発熱、咳、下痢などの症状を持つ
患者に対して、包括的健康アセスメント(初期診察や一般的な検査)医療的
処置マネジメント(医療処置、必要な場合には薬剤の選択、使用)

⇒プライマリケアを提供できる看護職

⇒医師の過剰労働の解消・労働環境の改善/看護師のキャリアアップ

*2 医療法第1条の2
第1条の2 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。

* 3 「チーム医療推進のための看護業務検討WG」提出資料より
特定看護師養成調査試行事業課程の説明の中で、日看協は、「チーム医療の推進に関する検討会報告書で提言された特定看護師という新たな枠組みは、チーム医療を促進し、必要な医療を、必要なタイミングで提供することが出来ると考える」としている。

現時点での特定看護師の養成には明確に反対する。 看護教育の見直しの中で全体の底上げを図り、現場の医師が多くの看護師に包括的指示を出せるようにすることこそ重要と考える。

⇔大学病院や都市部の大型病院ではトレーニングに出せるが、中小病院特に地方の施設では優秀な看護師を長期に出張させることは、物理的に無理である。

地方における看護師不足対策をしないまま進められる取り組みは、都市部と地方の格差を拡大するものであり、地方の医療崩壊を知らない、あるいは無視する職能団体、看護大学あるいは大学病院等のエゴといってもよい。(別紙1)

⇒チーム医療推進のためには、現在ほとんどの施設で行われているチーム医療における課題を取り上げ、看護師以外の職種に対するキャリアアップも図り、質の高いものとすることが重要と考える。
病態毎、病期毎に最適なチームの構成を考える必要があり、その場合、在宅医療などでチームの中心が医師でないことも想定される。

Ⅱ. 運用上の問題点

「包括的指示」に基づく医行為を、医師以外の医療職に許すことは、極めて慎重であるべきである。「包括的指示」といえども、限定的な内容と限定的な状況に限る必要がある。

⇔包括指示の結果は、指示した医師に責任があるからである。

―処方、処置などは、適切な診断とそれに基づいた治療方針によらなければならないが、疾患の経過は、個人個人異なり、また変化するため、患者の全身状態や症状の重篤度など総合判断のもとに行われているものである。
たとえば、看護師にある行為が指示されたとしても、これは看護師であれば一律に当該行為を行うことが可能であることを意味するものではない。
看護業務実態調査の中で、現状でも種々の医師の業務とされる行為が行われていたことが判明したが、それぞれの施設で担当の医師が指示した看護師の技量を判断して認めているはずである。
医師以外の医療職の業務は、今後も医師の指示あるいは監督のもとに、限定的とする必要がある。

「包括的指示」に関して確立された要件がないこと、「一定の医行為(*4)の範囲」についても示されていないことを問題視する意見があるが、医療の内容は時間と共に変わるので、医療とは何か、医行為とは何かを、具体的に明記することは適切ではない。むしろ現在、医療のみならず介護との連携の中で、チームとして何が行われているのかの検証と、より効果的効率的なチーム医療の推進には業務範囲をどう見直すべきかという議論こそが重要であろう。

* 4 医行為は「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼすおそれのある行為」とされる
「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日 厚労省医政局長通知)

患者を医療チームの一員と捉える議論があるが、患者は医療の対象であり業務を遂行するのは一義的には医療従事者であること、問題が生じた場合、患者の参加により責任の所在が不明確になる可能性があることなどから、患者の協力を求めることを否定はしないが、患者の協力を前提とすることは危惧する。
患者の協力が得られないことは、良質の医療提供を行うことができない理由にはならないからである。報告書の「・・・各々の専門性を前提に・・・」という文言との整合性も問われるであろう。

Ⅲ. 法律上の問題点(各職種の業務範囲等)

医師法、その他の、職能ごとの身分法を順守すべきである。
特定看護師の議論も、包括的指示の中で限定的にすれば、現法で可能である。
例)救命救急士 除細動の実施
看護師 静脈注射 薬剤の投与量の調節

⇔特別な免許を付与したときには、これまで医師が任せられると判断し看護師に指示していた行為が不可能となり、先にも述べたように、特定看護師のいない、あるいは養成が物理的に難しい中小病院や地方の施設では、かえって医師の業務負担が増えることが予測される。

どうしても権利を主張するのなら自ら責任をとる制度にすべきである

Ⅳ. 保険診療上の問題点(コストに見合わない等)

多職種、多部署で連携して実施している医療行為の原価の保証が必要である。

―栄養サポートチーム、呼吸サポートチーム、糖尿病チーム、創傷ケアチーム、化学療法チーム、緩和ケアチーム、連携パスチーム、在宅医療チーム等

  (中略)

Ⅵ. チーム医療推進方策検討WGの今後の進め方に関する提案

チーム医療の推進に関する検討会では、委員が限定されていたせいもあり看護師の業務拡大が主眼となっている。また、その後スタッフ間の連携・補完を一層進めるとして、看護師以外の職種に関する業務拡大の内容が医政局長通知(*5)として出されたが、前回の当WGでの各種職能団体を代表し医療現場で実践している方の要望内容とは合致しない部分もある

そこで、

1. 各職種にわたる業務実態調査が時間的に無理とすれば、各種職能団体、各学会等から各職種の業務実態報告を受ける

2. 急性期から亜急性期・回復期・慢性期および在宅医療における各種医療チームとその活動に関する情報を広く収集検討し、それらのモデルを示す

3. 各チームの業務フローを「見える化」して検討し、質の高い効果的効率的活動の指針を示す

* 5 「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進」(平成22年4月30日厚
労省医政局長通知)

・薬剤師:薬剤選択等に関する積極的な処方提案 薬物療法を受けている患者への薬学的管理の実施 薬物の血中濃度や副作用のモニタリングに基づく薬剤の変更提案
・リハビリテーション関係職種:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による喀痰等の吸引 作業療法士の業務範囲の明確化
・管理栄養士:医師の包括的な指導の下、一般職に内容・形態の決定等 特別治療食の内容・形態の提案 経腸栄養剤の種類の選択・変更の提案
・臨床工学士:喀痰等の吸引 動脈留置カテーテルからの採血
・診療放射線技師:画像診断における読影の補助 放射線検査等に関する説明・相談
・その他:その他の医療スタッフの積極的な活用 MSWや診療情報管理士等の積極的な活用 医療クラーク等の事務職員の積極的な活用

  ☆

「薬剤の投与量の調節」まで現行法でできたっけ?という疑問が浮かびはしますが、おおむね、正論…というか、明確な、ナースWGおよび本会批判。

薬剤師代表の委員は、これを支持したのかどうか。

まさかとは思いますが、ナースWGで戦っている薬剤師を、後ろから撃つようなまねは、してないでしょうね?

ポイントカードの話で忙しいですか?

こっちのほうが、その何万倍も大事なんですけれどねー。

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