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薬剤師認定制度認証機構:本当に公益なのかが試されてます。

薬剤師認定制度認証機構が、なにをさせたいのかよくわからない文書をあちこちに出していたようです。

   ☆

地域薬剤師会、病院薬剤師会が
生涯研修制度の自主的設定に
ご協力いただけませんか

     薬剤師認定制度認証機構
     内山 充

●わが薬剤師認定制度認証機構は薬剤師の生涯研修の信頼性を支えるために、かなりの障害を乗り越えて、生涯研修実施機関(プロバイダー)の育成と評価・認証に努めて来ました。そしてこの度、平成22年7月に、内閣府より、薬剤師生涯研修のための第三者評価認証制度として、事業の公益性、中立公正性が認められ、公益社団法人の認定を取得することが出来ました

●医師は、医師の臨床研修の場を提供している全国5000以上にも及ぶ大学及び一般病院が、今後すべて評価・認証を受けて質が対外的に保証されるようになり、医師は自由にそれらを選んで研修できる立場になることが予測されます。
看護師も、日本看護協会の全国各所の研修センター、及び全国の看護大学の大学院課程に設定されている研修コース(看護協会の認定)によって、卒後研修(法的に昨年、努力義務化されました)、及び認定看護師、専門看護師養成に対応しています。

これらに比べると、薬剤師は医師や看護師と異なり、実務範囲が全方位であり、また新薬の進歩が激しいので、一人前の実務家として活動するには、医師、看護師以上に生涯を通じての研修が必須と考えられているにもかかわらず、薬系大学とのつながりも十分とは言えず、卒後の生涯研修の場に恵まれていない、すなわち個人の努力と地域的の孤立状態に任されていると思います。

●このような現状のもと、わが国で全国の薬剤師に対して、優れたきめ細かい生涯学習の一層の普及と地域的拡充を図るには、薬剤師自身の手による生涯研修の場の構築を進めなければなりません。特に地域の職域団体の自主、自律的関与が期待されます。
既に各地の職域団体では、第三者評価(認証)は受けていないまでも、生涯研修はもとより、特定領域認定も、さらには専門薬剤師養成も試みられ、実績も積み重ねられつつあります。
そこで、地域の都道府県単位または支部、あるいはいくつかの地域が共同した形での職域団体が、自らの責任のもと自分たちの手で、それぞれの地域における薬剤師の生涯研修の核となる研修・認定制度を始めることをお考えくださいませんか。

●ただし現在の世の中では、第三者評価なしで認定等を行っても、いずれ自己満足の独り善がりとしか見なされない時が来る恐れがあります。そこで、既に石川県薬剤師会が、当機構の認証を受けて独自の研修・認定制度を実施しておられるように、それぞれの地域の職域団体が、独立した生涯研修実施機関として認証を受けることで、地域の薬剤師の便宜を図り目が届く形で、薬剤師の生涯にわたる継続研修を支えていただきたいのです。それこそが、地域薬剤師に待望されていることではないかと考えます。

●現在進行中の各県薬・県病薬、あるいはその支部等の研修実績を見れば、準備の整ったところから順次認証を取得して自立して生涯研修制度を実施することは、さほど困難ではないと思います。またそれらの制度が互いに横断的に連携を図ることで研修効果がさらに高まると思われます。
当機構は、内閣府公益認定等委員会からのお勧めもあり、公益社団法人の職務として、質の高い研修・認定制度の育成には協力を惜しまない方針をとることとしておりますので、ご協力の程をお願い申し上げます。
(2010.11.17)

  ☆

これだけを見れば、そんなに不思議なことは言ってないと読めるかもしれません。

これをスルーしてしまうと、職能団体の瓦解につながりかねないのですが・・・。

現在は、職能団体である「日本薬剤師会」による自主自律的関与によって、クリニカルラダーという職位条件格付け制度がすすめられている状況です。

にもかかわらず、日薬の動きとは関連させずに、「自主的自律的関与」によって、都道府県・支部・地域薬剤師会が研修認定を行う制度にしろ、そのために、認証機構に登録しろ、というのです。

明らかな、日薬による自主認定制度と、県薬との連携を妨害する行動です。

公益法人を目指す日薬の「公益事業」を妨害するのが「公益」なんですかね。

公益のために都道府県や地域と連携して生涯学習制度を行おうとしている日薬って、薬剤師認定制度認証機構の言う公益に反するんですか?

なお、この薬剤師認定制度認証機構によって認証されている日本薬剤師研修センターは、Pharm.D認定のディプロマミルをやると発表

海外において「学位」であるものと同じ名称を名乗るのですから、日本薬剤師研修センターが認定できるはずがありません。

  ☆

Pharm.Dは、国際的に「学位」です。

ディプロマミルの指標の一部

・学生の出席要件が小さい
・学生の単位取得要件となる課業量が少ない
・学位取得までの期間が短すぎる
・経験や履歴書だけで学位が取れる
正統な教育を行うにしては経費が安い
・キャンパスがない。事務所がビルの一室だったりする
・教員の名前や肩書きが公表されていない

・・・はい、上記のような指標があるようですが、

日本薬剤師研修センターの偽Pharm.D認定とやらは、薬事日報によると、

『生涯研修を続ける薬剤師に対し、JPECとして「薬剤師の職能博士」(米国のPharm D.に相当する)を授与するもの』

なんだそうです。あのー、これ、「職能博士に相当しない」し、「外国でPharm.Dと名乗ったら詐欺」だと思いますけれど…。

んで、

『対象となるのは、[1]6年制薬学教育の正規課程を卒業した者またはそれと同等以上の知識、技能を有する者[2]薬剤師免許を持ち、薬剤師職能を全うできる薬剤師として、生涯研修(FIPの提唱するCPD)を実践している者――の2条件を満たすこととしている』

・・・という対象者の段階で、職能博士でもPharm.Dでもないじゃん・・・。

更に、

『具体的な取得条件としてこれまでに、[1]JPECが実施する「新カリキュラム対応研修成果判定Webテスト」に合格すること[2]病院実務および薬局実務の経験を有すること(JPECの実務研修事業またはこれと同等以上の研修事業により経験を補足された者を含む)[3]JPECの生涯研修の単位を年間5単位以上、4年以内に40単位以上を取得すること[4]3年ごとの更新――などを挙げている。』

このあたり、特に3,4なんか、明らかに検定利権組織の常套手段じゃないですか。

学位なのに、三年ごとの更新なんてありえますか?

海外のPharm.D取得者から見て、これって『自分と同じ学位の持ち主』として認められるものなんですか?

ちなみに、年間五単位以上っていうのは、年に五日間、一時間程度の講習を受講するってことです。ぶっちゃけ自宅で本を読んでもOKなので、年に五冊程度読破するととれる単位。年五冊って、正直、専門家の読書量じゃないと思いますし、5時間ぽけ~っと人の話を聞いていればいい単位なんて、価値ゼロといってもいいくらいです。(点数シールについての文句はこれまでも書きましたので割愛)

で、個々にバラバラの講習を受けるわけですから、「この講師の話を聞く必要がある」といったカリキュラム的なものはないわけです。つまり、教員の名前や肩書が公表されていない、と。

まあ、ディプロマミル指標で言うところの、

・学生の出席要件が小さい
・学生の単位取得要件となる課業量が少ない
・学位取得までの期間が短すぎる
・正統な教育を行うにしては経費が安い
・教員の名前や肩書きが公表されていない

の、5つにあてはまりますね、見事に。

そのうえ、次のはどこまでが薬事日報記者の勇み足なのかわかりませんが、

『今後、世に出る6年制薬剤師に関しては、4年制薬剤師対象の「Webテスト」免除、「病院・薬局実務の経験」を長期実務実習の履行に置き換えることなどが考えられるが、これらの点も含め、詳細な制度設計につき検討に着手する。』

という流れ。

日本薬剤師研修センターの儲けになること以外は免除(の可能性あり)、だって。

これも、

・経験や履歴書だけで学位が取れる

っていう指標にひっかかりますね。

実務実習という「経験」と、六年制卒業という「履歴書」だけで、学位とれちゃうことになりますし。

もちろん、薬剤師研修センターに「キャンパス」は存在しませんし、事務所はビルの一室といってもいいくらい。

はい、明らかな、ニセ学位。

ディプロマミルですね。

  ☆

ディプロマミルは、明らかに、公益ではありません。

明らかに公益ではないことを進めると公表した組織があるのですから、薬剤師認定制度認証機構は、自主自律的に、反公益活動組織に対して、認証の取り消しを行うべきではないのですか?

公益をめざす日薬の動きは妨害し、公益ではない薬剤師研修センターの動きは妨害しない・・・

これが、公益認定を受けたと小躍りしている認証機関のやることですか?

  ☆

【H23.1.15追記】

内山さんの真意
http://www.cpc-j.org/contents/c13/20110106.pdf

過去、いろいろあったけれど、今ようやく新しい芽を育てる環境になった!ということです。

何か(良い意味での)隠し玉がありそうですよ♪

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