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新高齢者医療制度の試算の前提を読む遊び。

第11回高齢者医療制度改革会議資料

新聞では一面トップ扱いのところもあったようですが…。

「試算」するためには、必ず「前提」があるということを考えていくと、

その「前提」が必要なのかなー、とか、

別の「前提」が想定外なのは何故かなー、とか、

そんなことが、気になります。(学者さんにはあったりまえの話かと思いますが)

  ☆

医療費の将来見通しの前提及び方法について

1.1人当たり医療費の伸び率


○ 診療報酬改定、制度改正、高齢化の影響を除いた医療の高度化等による1人当たり医療費の伸び率(自然増)を年1.5%と仮定。

○ 診療報酬改定がない場合の医療費、医療給付費及びその財政負担を推計。診療報酬改定があった場合は、改定率の累計分の変動が生じる。

○ 参考試算として、診療報酬改定率を年1%とした場合(2年に1度の診療報酬改定で2%の引上げに相当)の試算結果を示す。
これは、「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)のマクロ経済目標である名目3%成長を前提とし、過去の成長率と診療報酬改定との相関関係を示す回帰式より算出した診療報酬改定率(年1%)を用いて計算したもの。
回帰式: y=0.3335x ( 相関係数0.875 、y:改定率(本体) 、x:5年前の成長率、切片=0 )

注1:自然増分は、平成17~21年度の実績に基づき設定。(→ 別表)
(平成18及び20年度の患者負担見直しについては、対象者が少なく医療費全体の伸び率への影響が小さいことから影響を除去していない。)

注2:平成18年改正時の試算で見込んだ、平均在院日数短縮及び生活習慣病対策による医療費適正化効果は織り込んでいない

  ☆

医療費の自然増分の伸び率が1.5%。これが、前提とする仮定です。

それで済むのかなぁ…。

参考試算は、管内閣の閣議決定が前提ということで、なかなか無理な数値が並んでいるよーな気がしなくもないのですが、意外と当たっていそうな…。

診療報酬改定率を年1%って、去年10000円だったら今年10100円で来年10201円?

日給の感覚で考えると、年間300日ずつ働くと仮定して、おととしは3000000円、去年3030000万円、今年3060300円、来年3090903円?

ん? でも改訂ごとに2%ってことは、おととし3000000円だったら去年は3060000円、今年3060000円、来年3121200円?(たぶん実際のおととしは2941177円)

診療改定ごとに2%の引き上げをやってくれるという夢のような話です。

まあ、仮定だから、これ全編、夢なんですけれど。

  ☆

2.医療保険加入者数の将来見通しの前提及び方法

○ 「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」における出生中位(死亡中位)推計を基に、年齢階級別、制度別加入者数の将来見通しを作成。

○ 年齢階級別に、人口に対する医療保険制度別の加入者数の割合が将来にわたり一定と仮定。ただし、被用者保険(国保組合を含む)の75歳以上の被扶養者(家族)については、被保険者本人に対する75歳以上被扶養者の割合が一定と仮定。

  ☆

んーと、前提の前提となっている「推計人口」が間違っていた場合は、困ったことになりそうですね。現在の少子化対策が効果を発揮して…という夢が推計人口に盛り込まれているのかどうか、とか。

それから、65歳以上の就業者人口の率が今より増えちゃうと、「人口に対する医療保険制度別の加入者数の割合が将来にわたり一定」という仮定は崩れちゃいますね。

  ☆

3.医療費、医療給付費の将来見通しの前提及び方法

○ 上記の「1人当たり医療費の伸び率」及び「年齢階級別、制度別加入者数の将来見通し」を用いて、年齢階級別、制度別に医療保険分の医療費を次式により算出。

n年後の医療費= ( 1人当たり医療費(平成22年度) × 1人当たり医療費の伸び率のn乗× n年後の加入者数)

※ 総医療費は括弧内を年齢階級別、制度別に計算し合計

○ 年齢階級別、制度別に、上記で算出した医療費に実効給付率(平成22年度)を乗じて医療保険分の医療給付費を算出。

○ 公費負担医療(生活保護等)の医療費及び医療給付費は、平成22年度のそれぞれの金額に医療保険分の医療費総額の伸び率を乗じて算出。
なお、地方単独事業による給付は医療給付に含めていない。

  ☆

今の医療費に対して、医療費伸び率と人口の将来見通しを掛け算。

ここだけシンプル。

掛け算なだけに、各数値の前提がちょっと崩れただけで、推定値が大幅に変わる、かも。

  ☆

4.財政負担の将来見通しの前提及び方法

○ 3.で算出した医療保険分の医療給付費を賄うために必要となる保険料(所要保険料)及び公費の負担額を算出。

○ 公費負担については、医療給付費の一定割合で負担される公費(定率公費)の他、保険料の軽減に充てられる公費や高額医療共同事業に充てられる公費など(その他公費)を含むものである。なお、市町村国保について、法定外で地方が負担している公費(法定外繰入)については含まれていない。

○ 保険料負担については、医療給付費から上記の公費負担を控除することにより算出。したがって、保険料軽減後の保険料負担となる。また、傷病手当金や出産育児一時金等の現金給付、事務費、累積赤字の解消等のために必要な保険料負担は含まれておらず、市町村国保については、公費に法定外繰入分が含まれてないことから、法定外繰入がない場合の保険料負担である。

財政調整や公費負担等の医療保険制度の
  前提は、次の①~⑥の前提
で計算。

 ① 現行制度

 ② 現行制度において、高齢者と現役世代の
   保険料の伸びをほぼ均衡するよう、
   高齢者保険料負担率を見直し

 ③ ②に加え、後期高齢者医療制度を廃止して、
   75歳以上の高齢者も若人と同じ制度に加入
   (75歳以上高齢者の医療給付の財政負担に
    ついては、現行制度と同様の方法)

 ④ ③に加え、被用者保険が負担する支援金の
   全額を総報酬割に変更

 ⑤ ④に加え、75歳以上現役並み所得を有する
   高齢者の給付費に5割の公費を投入

 ⑥ ⑤に加え、平成25年度以降70歳に到達する
   方について、70~74歳の患者負担を段階的に
   見直し

※ いずれのケースにおいても、均等割の9割軽減、8.5割軽減、所得割の5割軽減の見直し、適用関係の変更に伴う世帯合算(高額療養費、国保保険料の軽減)による影響についても織り込んでいない。また、協会けんぽの国庫負担割合は、平成22年改正法附則第2条の規定に基づき、平成24年度までの間に検討を行うこととされているが、この試算においては平成25年度(2013)以降も16.4%としている

※ 75歳以上の医療給付費の公費負担については、医療保険制度全体で国:都道府県:市町村の負担割合を4:1:1で維持。

1人当たり保険料は、保険料総額を加入者数で除して算出

  ☆

なかなかハードになってきました。

算数が苦手な筆者では、もうついていけない部分ですが、民主党は後期高齢者医療制度を廃止すると言っているので、制度前提は、「3」~「6」の前提のどれかにしますよ、ということでしょうか。

  ☆

5.保険料率の将来見通しの前提及び方法

○ 保険料率は、賃金上昇率と診療報酬改定率との差により将来の水準が決定されることから、賃金上昇率の前提として次の3ケースを計算。

ケースⅠ 賃金上昇率= 診療報酬改定率
ケースⅡ 賃金上昇率= 診療報酬改定率+ 1%
ケースⅢ 賃金上昇率= 診療報酬改定率+ 2.5% (参考試算の賃金上昇率に相当)

注:名目成長率(年3%)と労働力人口の減少(年▲0.5%程度)から単純に計算すると賃金上昇率(≒1人当たり成長率)は年3.5%に相当する。したがって、参考試算では、賃金上昇率は診療報酬改定率(1.0%)を2.5%程度上回ることとなる。

○ 将来の保険料率は、平成22年度の保険料率に、医療給付費を賄うために必要な保険料率の将来の変化を加えて算出。
(平成22年度の保険料率は協会けんぽ9.3%、健保組合7.6%(平成22年度予算早期集計の単純平均))

  ☆

はい、ここがキモ。

医療費の予測は、賃金上昇率の予測に連動しています。

賃金上昇率。よーするに、景気が良くなってみんなが懐あったかいと、「医療費にお金出してもOK☆」という気持ちになるということですね。「Fable3」でも、そんなこと言ってました。

賃金上昇率3.5%っていうと、

初年度の年俸300万円から、二年目に310万5000円にアップするくらい。

10年後で、年俸423万円。

20年後で、年俸596万円。

30年後で、年俸842万円。

35年後で、年俸1000万円。

そんなに上昇し続けますかね? 上昇するといいなぁ。

(※計算間違ってるかもしれないのは棚上げ)

うーん…なにか、おかしな気が…。

周囲のサラリーマンが、「額面上がっても社会保険料がガンガン上昇してるから手取りは減ってばかり」と嘆いているのは、こういう決め方が関係していたのですねー。(今更)

消費税が上がらなくても、こっち系は、粛々と上がるのでした。

Q:ホントニコレデ、イイノカナ?

A:「これで、いいのだ」

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