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第10回高齢者医療制度改革会議議事録を「インシテミル」遊び

※今回のネタは、「インシテミル」原作オマージュです。実際の議事録とはだいぶ違いますので、あくまでもフィクションとしてお楽しみください。

  ☆

1回の参加で二万円以上。高額のバイト代につられて「社会実験」に参加する十数名。

暗鬼館(別名:中央合同庁舎5号館 厚生労働省内省議室)と呼ばれる閉鎖した場所に集まった男女。

仕事の内容は、24時間365日、国民に監視されながら7回以上の会議をするというもの

しかし、詳細は違った。

それは、「何も起きずに民主党政権が終了する」か、「完璧な高齢者医療制度を1つだけつくる」まで帰れない、という異常なものだったのだ!

【出演】

阿部委員、池上委員、岩見委員、岩村委員(座長)、
岡崎委員、小島委員、鎌田委員、小林委員、近藤委員、
齊藤委員、齊藤理事(見坊委員代理)、白川委員、
堂本委員、 樋口委員、藤原委員、三上委員、
愛知県健康福祉部医療制度改革監(神田委員代理)、
横尾委員

  ☆

DAY-10

○声(今回の社会実験、第二ステージの主催者)
「皆さん、こんにちは。このたび社会実験の主催者という話を聞きまして、私自身は果たして務まるかどうかと思いましたけれども、上の方からしっかりやってくれということでありましたので、私も皆さんに御協力をいただきながら進めてまいります。
 この間のおまとめでは、年齢的な区分はしなくて、国保か被用者保険に入れるような制度で、そして、財政的な運営も広域的な都道府県単位でやってもらうような仕組みでおまとめいただいたということの報告も受けております。
 私も1年間、副大臣として務めてまいりましたけれども、専ら労働あるいは児童福祉でやっておりましたので、こちらの方の問題などについては詳しいわけではございませんので、しっかり勉強もしながら皆さん方にいろいろと教えていただいて、しっかりやっていきたいと思っております(退場)」

○阿部委員
「主催者めっ! 逃げやがったか! ここから出られたら、ゼッタイ○○してやるっ! …まあいい。全年齢の都道府県単位化は期限を定めて移行すべきだ。この案は複雑でわかりにくい。第一段階は今の制度と変わらん。移行年度を二年後か四年後にしろ。賦課方式は三択とか四択だろ。保険料は応能負担で全世代同一にしろ。そういう要求で、いいなっ」

○横尾委員
「そうだよ、どこがかわるの? あとでちゃんと説明してよねっ! まさか・・・すべてシナリオどおり? そうなんでしょ!」

○森愛知県健康福祉部医療制度改革監(神田委員代理)
「おい…ニュースで、来年の通常国会に提案する法案、全年齢で都道府県単位化する時期を明示する方針って言ってたぜ。国保の議論してねーだろ。データもない。どういうことだよ。あと、当然、国保の保険料は引き上げるんだよな? なにかおかしくないか? 俺たち、一生ここを出られないんじゃないのかっ?」

○藤原委員
「あわてるな。こういうときは、まず運営責任者(リーダー)を決めろ。都道府県だろ?」

○岡崎委員
「いや、都道府県は財政責任だけだ。非常に中途半端でわかりにくい制度(ルール)なんだよ。長く続けない方がいい。多分2年では無理だが…。それから、基金での調整では先が見えてる。恐らく5年もたないぞ。限界だ」

○岩見委員
「…75歳…75…75! 75という数字がダメだ。最初からわかり切っているんだ! ひいいいっ!」

○小島委員
「あのさー、これ、現行制度とほとんど変わりないよ。200万人ぐらいは被用者保険に移るとしても、それ以外の1,200万人方は、基本的には今と変わらない。あとは70歳以上で切るか65歳以上で切るかで…」

○宮武委員
「現在の高齢者医療制度について、なぜこんな形の制度をつくったのかということを再考してみて。私、医療制度改革においては、白紙に絵をかくようなことはできないと思いますっ。東京駅を改造するときに、新幹線も在来線も全部とめてしまえば、それは理想の駅舎ができます。けれども、それができないから、運行も維持し、乗降客にも妨げにならないように部分的に改造・改修していくのが普通です。医療制度もまさにそう。いきなりすばらしい制度が出現するような幻想は、私は捨てた方がいいと思ってる。それから、高齢者医療制度は、75歳以上の方たちは、皆さん別扱いです。でも、安心した医療サービスを受けることができますよね。そう言えば、政治家も行政も説明がしやすかった。リスク構造調整に比べれば、非常にわかりやすく説明ができたの。なのに、裏目に出て、【別扱いは優遇】だとだれも思わずに、【冷遇された】と思った(ミスディレクションされた)わけです。そこで、この実験の主催者は、今回、もうやめますと、制度は廃止して年齢区分しない方式(ルール)をとりたいと。これは…私たちは、守るしかない。そういうゲームなんです、これは」

○樋口委員
「医療費がたくさんかさむ高齢者と若い人とを一緒にしてはおけないだろう。…だが! 年齢区分をしない国保なり医療保険なりというものが絶対にできないという理由を、私の周辺にいる75歳以上の普通のおばさん、おじさんにわかる説明をしてくれっ。47都道府県に医療保険の単位が編成し直されるという方向は、大山鳴動してネズミ一匹であろうと、大ネズミなんだよっ。それと、後期高齢者医療制度の保険料減免の特例措置! 少しオーバーに言えば、後期高齢者医療制度が一つも実施されていないからおさまっているんだ! 私のように後期高齢者医療制度廃止を訴えた1人はね、【あなた方が「廃止」などと言うものだから、廃止されたら我々の保険料負担が増えたではないか】と言われるんだよっ」

○齊藤全国老人クラブ連合会理事(見坊委員代理)
「…第一段階及び第二段階の二度にわたる上下動が2年なのか4年なのか8年なのか、これによって上下動に対する印象が変わってくる。時期の問題が明示されない中で、この部分だけがひとり歩きすると理解不能。軽減特例が、前の政権で過ぎた部分も…。そう、やりすぎたんだ…。既に恒久措置になっていると理解しているんだよ…高齢者は!」

○齊藤委員
「とにかくっ! 現役世代の保険制度と財政面できちんと区分してくれよっ。財政調整で現役世代の負担が大きくなるんだぜっ! 被用者保険の持続可能性や、なにより…若者の夢・希望が潰えるって、なんでわかんないんだよっ! 今回の提案を今すぐ容認することはできないっ! できるわけがないっ! なあ、そうだろっ?」

○三上委員
「いいかげん、財源構成「5対5」を変えない前提で話をするのがバカだって、皆さんの意見でよくわかっただろう。頭を冷やせ。「5対5」を「6対4」とか「7対3」とか、徐々に変えるんだ」

○白川委員
「結局…75歳以上だけを都道府県単位化するということの意味合いが、多分よく理解されないだろう。形も変わらない、負担構造も変わらない。何が改革か。消費税も含めた、税制改革も含めた安定財源を、民主党・政府が早く議論してはじめて、ここの議論はこの先に進む。そうでなければ…一歩も進められない」

○岩村座長
「あ、あのですね、少なくとも後期高齢者の制度はなくした上で、75歳以上の方の加入は国保と被用者保険に分けるけれども、ただ、ただですよ、財政面は、財政面だけは、75歳という区分は維持しますよ、ということについては、この会議の、そう、この会議の、中間とりまとめで、みなさんに、まとめていただいておりますのですよ。みなさんがお決めになったのですから、それを前提にして御議論いただきたいと存じます。あっ、いや、別に白川委員の先ほどのご発言に対してではなく、結構、皆様から、そういうお声が上がりましたので」

○白川委員
「ふん…。俺は、もともと、65歳以上を高齢者ということで財政は分けるべきだという主張だ。今回は75歳ということで切られている。おまえさんたちの言語で言うところの『いかがなものか』という意見を言ったんだよ」

○岩村座長
「いえ、そこはわかっております。わかっておりますけれども、一応、中間とりまとめが今回の第2ラウンドの出発点にはなりますので、その点は御理解を頂戴したいと…」

○小林委員
「この案…現役世代と高齢者の負担関係の明確化という観点からは、いい方法ですね。できるだけ導入したいものです。財政調整の具体的な方法は、財政試算の結果を見て、また意見を申し上げたいと思います」

○小島委員
「あの…先ほど岩村座長が、中間まとめのところでは、第一段階、財政運営については75歳以上でまとまった…ということを言った…けれども、正確には…、中間報告は75歳以上で確認されたということにはなっていない…」

○岩村座長
「いえいえっ、私が申し上げたのは、75歳というところでの財政区分ということ自体は、一応中間とりまとめでは確認されていますというお話であります。おっしゃるとおり、65歳からということで財政区分を切るかどうかということ自体は、中間とりまとめのところではこれから検討する、つまり第2ラウンドで検討しますと」

○岡崎委員
「1つ…気になっている部分があります。現在、市町村の過不足があっても、それは最終的に市町村が補てんせず、都道府県1本の広域連合の中で収支を合わせるという責任になっています。今回の案は、標準もしくは基準保険料を設定して、今、都道府県ごとにきちっと行っているものを、各市町村にもう一回おろして、それで市町村が集められなければ基金から借り入れをしてでも納めるということで、今の制度よりかなり後退している。各市町村で一般会計から繰入をしておったり、保険料を一般会計の税負担で下げておったり、いろいろなことがある。なにかひっかかるんだ。考え方を整理してくれ」

○横尾委員
「計算となると…電算処理、いわゆる「ICT」を使った処理が当然必要になります。それも、最後は結局国民がお金を払うことになります。この実験のようにね」

○近藤委員
「そこなんです。本日の論点から少し外れた視点ですので、ちょっと遠慮していました。私、資料を書くために勉強し直して、改めて驚いたのですけれども、医療保険制度はとても巨大で、今、国が税収で集めている額と同じぐらいの額が動いている規模。お金が集まれば、高齢者、後期高齢者がどんどん増えていくという日本社会の問題がすべて解決するわけではないですよね。私、数年後にまた大変な騒ぎになるだろうということが予見できるんです。今のままですと永遠に専門医は必要数に達しないということも」

○岩村座長
「はあ…。私個人としては、75歳以上でまず第一段階を考えるのが素晴らしいアイデアで、非常に現実的でございましょうかと。都道府県単位化移行も、期間を定めて一律にというのが合理的で…。いつからということについては、もう少し詰めた議論が必要なのでございますが…」

○岡本政務官
「話はきかせてもらいました。では、【解決】を行います
 まず、『政務三役のうちだれかが出席するべきではないか』という御指摘はごもっとも。『可能であれば大臣が』という御要望はごもっとも。今日は私が出席させていただいたことで御容赦いただきたい。Q.E.D。
 今回の社会実験では、皆様の高い見識や取組みから議論を重ねていただきました。民主党としてマニフェストに掲げている課題を一つひとつ、皆様方のお知恵をお借りしながら実現していくというのは、国民の皆様との約束であり、当然のことだと私自身も思っておりますけれども、その中でも、今回の後期高齢者医療制度を含む国保全般、また被用者保険も含めてでありますけれども、どのようにしていくかということは大きな課題になってこようかと思っています。
 国保を都道府県単位にする…厚生労働省においても長年の課題であったと承知していますけれども、聞いておりますと多くの議論があるなということを改めて感じた次第でありますし、今後とも市町村、また都道府県、それぞれ知事会等がありまして、そういったところの御議論も受けながら、この議論を集約していきたいと思っております。
 スケジュールが最初に決まっていて、本当に申しわけないところではありますけれども、年末のとりまとめに向けて、何とかそこで最終とりまとめができますように、私どもも事務方ともども鋭意努力をしていきたいと思いますけれども、今日御出席の委員の皆様方のなお一層の高い見識、またお知恵をお貸しいただけますように重ねてお願い申し上げるとともに、遅い時間にまで皆様方に御出席いただきましたこと、感謝申し上げまして最後の御挨拶といたしたいと思います。
 どうも本日はありがとうございました」

○三上委員
「ちょっと、それ【解決】してないしっ! 岩村座長、この会議、9月は1回だけですね。最初の議論の進め方に書いてある、今日のこの資料については、今、座長がまとめた振りをした、いわゆる事務局が用意された案のまま、解決したという形なのでしょうか。私たちは解放されるんでしょうか?」

○岩村座長
「いえ、そういうことではございません。ただ、最後に私自身、皆様のお考えを聞きながら、私はこう思いますということを申し上げた次第であります。先ほど事務局の方からも説明がありましたように、12月以降、最終的なとりまとめの議論をさせていただくことになります。まだまだ、社会実験は続きますとも。ふふふふふふふふふ…」

  ☆

社会実験は続く。彼らが解放されるのは、いつの日だろうか。

なお・・・

気付いただろうか。

会議に参加していない者の存在に。

【死体】は、【犯人】は、【探偵】は…、その中にいるかもしれない…。

あなたも、淫してみる?

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