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薬剤師国家試験出題基準:その1「日薬パブコメの行方」

こっそり。

そう、こっそりと。

とてもひそやかに。

余程興味のある方以外は見ないでくださいという趣で。

10/5の朝に、「薬剤師国家試験出題基準」が、公表されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000tabj.html

日薬の会長&副会長が参加していた薬剤師国家試験出題基準改定部会の「検討しているときの議事録」や「ワーキンググループの作業報告」は、相変わらず公表されません。

そして、出題基準改定部会の委員である会長の名前で出された「日薬からのパブコメ」ですが。

「日本薬剤師会雑誌 10月号」16ページに「日薬、薬剤師国家試験出題基準案のパブコメに意見提出」という記事が出た直後、結果が出るという、面白い展開に。

パブコメの結果は・・・

・・・・

・・・・

・・・・

見事合格

じゃない、新規の項目として、

『一般用医薬品の役割と供給』という項目ができました。

はい、ここで、間違い探し。

日薬が主張した内容と、この結果とで、ちょっとばかり、違うところがあります。

それはどこでしょう?

答:日薬は『一般用医薬品の供給』といれてくれと頼んだ。

そう、「供給」だけです。

でも、でてきた項目は、「役割と供給」。

これってどういうこと?

なにか、おかしくないですか?

なんでこーなったかとゆーと、日本OTC医薬品協会という組織の意見もくっつけたからです。たぶん。

日本OTC医薬品協会の主張していた追加要望は、「一般用医薬品、その役割」という言葉でした。

  ☆

日本OTC医薬品協会

意見:
(該当個所)
 領域「法規・制度・倫理」大項目「薬学と社会」中項目「地域薬局」

(意見内容)
  小項目「セルフメディケーションとOTC 薬」を設け、以下の例示を示す。
或いは、既存の小項目「地域薬局・薬剤師」の例示に、以下を加える。

一般用医薬品(OTC 薬)、その役割、リスク区分」、「漢方薬、伝統薬」、「セルフメディケーションの理念と役割」

(理由)
  領域「実践」において、小項目の例示としてセルフメディケーション、一般用医薬品、漢方薬、等を掲げているが、これに対応した個所が、他の領域に見当たらない。短期間の実務実習においてセルフメディケーションの理念や、そこで中心的な役割を果たすことになるOTC 医薬品の理解を習得するのではなく、大学においてモノ(物)や理念としてのOTC 薬やセルフメディケーションについて学んだ上、実地の場で復習・確認をすることこそが必要である。
 とりわけ、医療保険制度のみに頼る事ではこれからの健康と福祉の確保が困難となる中で、生活者が主体となって健康の確保増進を図るセルフメディケーションの重要性は一層増すこととなる。また、その適正な推進に当って、薬剤師の果たすべき役割は極めて大きい。しっかりと、学び、生活者の支えとなっていただきたい。

  ☆

こういった主張だったわけです。

まあ、それはいいのですが、第四回薬剤師国家試験出題基準改定部会の資料(出題基準案段階)のときには、パブコメへの厚労省からの「考え方」として、こんなことが述べられていました。

  ☆

・小項目薬事法の例示に「店舗販売業」を加える。
小項目「地域薬局・薬剤師」の例示に「医薬品の分類、医療用医薬品、一般用医薬品(OTC医薬品)」を入れる。
・小項目の例示に「公正な治験の推進を確保するための制度を説明できる」および「治験業務に携わる各組織の役割と責任を概説できる」を含めるべき。
・小項目の例示に「SOL」や「医療用医薬品プロモーションコード」が入っていない。
・中項目「医薬品の開発」に小項目「特許」を含めるべき。

(ご意見に対する考え方)
原案のままといたしますが、内容としては出題され得ると考えます。

  ☆

厚労省が「考え方」を示す際には、似た意見は勝手に合体モードになっちゃうのですけれど、「小項目「地域薬局・薬剤師」の例示に「医薬品の分類、医療用医薬品、一般用医薬品(OTC医薬品)」を入れる。」というまとめは、「日薬の主張+日本OTC医薬品協会の主張」ですよね。

で、厚労省は、『原案のままといたします』と、明記しました。

ようするに、「新規項目はつくりません」という宣言です。

通常、これは、覆りません。

パブコメに意見を出した人たちにとっては、ここで「おしまい」です。復活折衝は存在しません。

でも、例外があります。

例外:改定部会の会議中に、委員から異議が出て、その異議が了承されたとき。

そろそろ、気付いた方も多いかと思いますが・・・

日薬会長&副会長は、改定部会の委員です。

ほーら、なにがあったのか、想像できましたか~?

『自分(委員)が代表である組織が出したパブコメが厚労省から否定されたら、自分(委員)が改定部会の席で復活折衝を試みる』

という・・・なんともいえない光景が浮かびます・・・。

それ・・・「案」ができる前にやっといてください・・・。

パブコメのあり方に、悪い実例を残してどーするんですか・・・。

いや・・・きっと・・・そういう事態はありえないから・・・議事録に、そんな光景はでてこないはず・・・でてこないことを祈る・・・祈っても無駄かもしれないけど・・・

パブコメって、「審議会の委員だけだと意見が偏る」という話があって、そのあたりを補完するための制度だと思うんですが、審議会の委員自身が提出したパブコメが厚労省に否定されてから、審議会で「否定された意見を通す」のって、他のパブコメ提出者に対して、ものすごく公平感を失わせる行為なんですよね。「俺様の意見だけ特別扱い」って、いわれてもねー。

まあ、自分が出した意見以外にも、いろいろな意見を取り上げて、「これもこれも、大事なのに、厚労省はなにを見てるんだい!」と演説していたというのなら、なかなかカッコイイ姿勢だと思いますが・・・、はてさて、議事録ではどうなっていますやら。

  ☆

おまけ。

【もし現実になったら嫌だなー、という妄想】
 「国家試験問題の出題基準のときに、新規項目を作ってやった貸しを、どう返してくれるのかね?」という、どーでもいい弱みを握られたつもりに本人たちがなってしまってたら、イヤだな~。

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