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ほのぼの。大正時代の婦人薬剤師職業案内。

国会図書館のホームページ上にある「電子図書館」には、いろいろなお宝が眠っています。

明治・大正期の書籍などは、読んでいて、ほのぼのするものや、未来予言?というものも、ありまして。

薬剤師関連で、ひとつ紹介します。

  ☆

『現代婦人職業案内』 
  大正十五年三月刊行。主婦の友社 より。

婦人薬剤師

婦人薬剤師は全国にわずか百余名に過ぎませぬが、親切、丁寧、緻密を要する薬剤師は、よく婦人の特性にかなっているものですから、婦人薬剤師の需要はますます多くなる傾向であり、将来婦人職業として有望な一つであります。また化粧品店や、薬品店を開いて薬局を持つことも有望です。

【収入】

病院や製薬会社、衛生試験場に勤務して初任給50円内外、住み込み30円くらい。また開業して薬局を持ち、売薬、化粧品等を置くようになれば、場所によって収入は一定しませんが、純益月百五十円くらいはとれます。

【資格】

薬剤師試験に合格した者。この薬剤師試験は年二回くらい行われ、修業四年以上の高女卒業者、またはこれと同等以上の学力があり、修業年限三年以上の薬学校を卒業した者を、受験資格者としてあります。受験資格を得べき主なる学校は、左の諸校であります。

 私立 東京女子薬学校(東京)

 私立 帝国女子薬学専門学校(大阪)

 私立 静岡女子薬学校(静岡

  ☆

という、職業紹介がありました。

当時は、薬剤師試験の受験資格が、今とはだいぶ違ったようです。

しかも、全国に百余名。

現在、平成の世で、10万人以上は婦人薬剤師がおりますれば、百年たたずに1000倍以上になるという、まさしく「将来婦人職業として有望なひとつ」でございます。ある意味、予知が当たったということで。

受験資格を得ることができる主な学校として挙げられているのは、三つ。そのうち、静岡女子薬学校といえば、今の静岡県立大学薬学部ですね。当時は私立。岩崎照吉さんが設立したとのこと。四年以上の高女卒(高等女学校の修業年限は、何回か変わってます。このころは五年かな?)なら薬学校を出なくても受験資格があったようです。

この本、職業案内ということで、【収入】へのこだわりがあるようです。

婦人薬剤師の収入は、当時、50円くらい。

この本の巻末にある「職業婦人の収入と生計」にある東京市社会局の調査(n=882)によれば、職業婦人には月収30円以下の層が多く、月収40円以下だと他の収入がないと暮して行けず、独立して生計を立てるためには最低でも70円の収入が必要だという…どこかで聞いたような話が書いてありました。

とはいえ、教師(60円)、タイピスト(45円)、看護婦(40円)は、自活できますよー、という話も。当時は外務省とか銀行とか、タイピストさんのニーズがとても高かったようです。

婦人には極めて相応しい職業です」と紹介されているのは、歯科医師さん。現在、極めて相応しいはずなのに、あまり見かけませんが…。

なお、求人者が多いけれど求職者が少ないのは女中さん(15円)とのこと。メイドさん需要がものすごく高いのに、みんななりたがらない…今でいえば、介護職求人がものすごくあるのに、みんななりたがらない、ということですね。百年経とうが、人間はあまり変わらない、…のかと思ったら、

「職業婦人の覚悟」という項目には、

腰掛け的に、お小遣い取り主義にといった生ぬるい考えを持ってやったら失敗に終わる
とか
その職業と苦しみを共にするだけの覚悟がなければなりません
とか
青年や妻子持ちからの誘惑に負けてはならない
といった項目が続き、

最終的に「婦人の天職は良き妻」という、この本の趣旨的にいいのかなぁという結論が下されています。

まあ、わざわざ書いてあるっていうことは、当時も、カタイ考えで働いていた職業婦人が少数派だったことを物語っていそうですが。

  ☆

この本、至れり尽くせりと言うか、就職面談必勝法もついています。

その中の、採用者側の希望しない人材ポイントは、これ。

1.職業に十分の理解なきこと

2.字の下手なこと

3.少なく働いて多くを得ようとすること

4.後始末をよくすることが少ないこと

5.白粉をたくさんつけたがること

…って、今でも通用しますね、たぶん。

インターネット環境を持っているシューカツさんは、下手に就職必勝ガイドを買うより、この90年くらい前の本を読んだほうが、ためになるかもしれませんよー。

※10/28 なんかいろいろうっかりしていた部分を直しました。

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