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日薬。実務実習。アンケート内容公表ですよ。

日薬が、実務実習第一期のアンケートをとるようです。

内容が公表されていたので、みてみました。

・・・想像していたよりも、さらに変な方向のアンケートをとるようです。(まあ、普通のアンケートってことです)

まずは、【このアンケートを「これから作ります」という時点(6月アタマ)において【下策】と言いきっちゃって少しドキドキだったエントリ】にて、筆者がどんなことを書いていたか、おおざっぱなポイント+α(補足)を確認してみます。

『こーゆーアンケートじゃなきゃ、ダメじゃね?』ということしか書いてませんけど…。

  ☆

A.
堂々と、記名方式で書いてもらうこと。

B.
実習生のデータ管理をしている実施主体と合同でやれば、聞き取り調査をしなくてもわかることがある(ので、そこを書かせるのは無駄)。

C.
「よりよくすること」が目的。

「よりよくするため」に大事なのは情報の共有
 『具体的に、どんな準備をして、いつ、何を、どう、教えたのか』
 『どんな反応が返ってきて、それにどう対応したのか』
 →『どう工夫したのか』

必要なのは『よい事例』『よい取り組み』『よい解決方法』などの蓄積。

「こう思っている人が何%いた」という「分析」は「よりよくする」ためには必要ない。

D.
アンケートの根幹は『指導薬剤師側の、実習日誌の提出』になる。

「実務実習を終了しての感想」を書かせるのは、無意味。

日薬が直接やりとりすれば、県薬に頼む必要がなくなる。
日誌を、テキストデータで毎日送信してもらえば
、テキスト打ち込みの作業もなくなる。→このアンケート専用の、SNS開設

E.
 Ⅱ期以降にアンケートをとるべき。
 Ⅰ期目の反省を活かした「よりよい」事例が増える。

(※「今以上悪くしないために」という目的で、Ⅰ期目に「失敗した事例」を集めることはありうるが、「よりよくする」という目的からは外れる。)

番外.
「日薬が主張する、一期一薬局二人までという人数の縛りは、どう考えても失策である」とか「どの薬局でも同じ質の実習が受けられるという児玉会長の主張は嘘っぱちでした」とかいう結論がでることを期待。

  ☆

今回は、「情報基盤開発」さんに頼んでいます。アンケート用紙は8枚、1000部として、40万円くらい。外部委託らしく、妙にマークシートっぽいです。

で、おそらくは日薬が考えたであろうアンケート内容はというと。

  ☆

【第一部】

a.一応、記名式(薬局名、記入者名、連絡電話番号、性別、年齢二桁め、実習受け入れ経験の有無)。

b.実習受け入れ人数と、3人以上受け入れた場合の理由。

c.大学の対応(事前説明会の有無、教員の訪問回数と時期、訪問が役立ったか役立たなかったか)。

d.実習日誌(負担かどうか。なんで負担か。紙に書いたか)

e.なにを意識して指導したのか

f.受け入れて良かった点、苦労した点を選択

g.トラブルの有無、その原因

h.薬局製剤実習用原料を郵送・宅配で譲受したかどうか。

i.実習費はいくらか。その消費税はいくらか。実習費は1日5000円で妥当か。

j.実習生を受け入れてよかったか

k.今後も受け入れたいか。受け入れたくないとしたら理由は何か。

l.感想や要望があれば自由記入。

【第二部】

到達目標。「スムーズに入れないか」「到達困難だったか」「十分に実施できなかったか」。その理由。(※すべてネガティブな選択肢。)

  ☆

※無関係っぽい「h.薬局製剤実習用原料を郵送・宅配で譲受したかどうか」という設問がありますが、これは日薬雑誌8月号30ページを読むと、なんとなく理解できるかも。アンケートをとる必要があるのかどうか疑問だし、この設問に対しては『うかつなことを書いたら指導がくる』と予想して、優等生的な答(ウソってこと)を書きませんかね、ダメなとこほど。

※実習日誌の内容については一切訊いていません。

※実習費がいくらなら妥当か、ということは訊いていません。

  ☆

えーと、ですねー。

全体的に、「よりよくする」という目標じゃなくて、

今の形を保ちつつ、できないところをできるようにする」ということが、目標になっているようです。

認定指導薬剤師と認定薬局っていうだけで、実習の質の担保になるって、日薬会長が言い続けてきたはずなのですが・・・。実は、担保になってなかったってことですかね~。

で、第二部では、『できない理由』を訊いて回っているのですが・・・

できなかった人間に『できない理由』を訊くだけでは、できるようにはならないですよ。

『できた人間』が、存在するなら、『できた理由』も訊かないとね。

『できない人』ができなかったという理由が、『できた人』にも存在していたのかどうか。

「実習時間が不足していたからできなかったんだ!」という意見が多かったなら、「実習時間が不足していたけれどできたよ」という意見を出した人たちが「どうやったのか」を積み重ねて、「よりよくしていく」というのが王道だと思うんですが。

そこで問題!

≪問題≫
8.4÷1.25=

はい、この割り算を解いてみてください。

そこ、電卓使わない。

30秒くらいの制限時間でお願いします。

は、6.8ですね。

めでたしめでたし。

・・・って、今、頷いた?

頷いた貴方は、『できない人』です。

できなかった理由は、なんでしょうか。

時間が足りなかったこと?

電卓を使えなかったこと?

心の準備ができていなかったこと?

割り算の練習問題がなかったこと?

計算しないで答を探したこと?

・・・で。

集計してみて、何かわかりますか?

「電卓がなかったのが問題なら、電卓を渡せばいい」とか「急に問題を出さずに、一週間前に予告しておけばいい」とか「練習問題を提示すればいい」とか、

そんなことをしても、『できない人』は、「よりよく」ならないですよ。

『できた人』は、『できない理由全てに該当しない人』ではありません。

『できない人の「できない理由」に当てはまろうが、そうでなかろうが、とにかく、できた人』です。

「電卓がなくてもできた理由」が、大事なのでは?

できた人たちの考えを集めて「集合知」にすることで、「よりよく」できるのでは?

アンケートをとるなら、そういう方向じゃないの?

・・・ということを、求めてきたわけですが・・・

集合知なんていう話とは無縁。

自由記入欄、ほとんどなし。

どんなスケジュールで何をおこなったのかなんて、どうでもいいようです。

「『到達目標』を教えることが『できない』理由を集める」ことが、主眼。

まあ、『到達目標』自体が間違っているからできないんだ!『到達目標』を変えようよ!、という結論にもっていくだけの気合いがあるのなら、なかなか面白い試みだとは思いますが、そーゆー話じゃ、なさそうですし。

もう送付後なので、日薬学術大会での中間発表までは一気に突き進んじゃうわけですが…シンポジウムでの口頭発表の演題が『第Ⅰ期の薬局実習受け入れから見えてきたこと』ですからねぇ…。

アンケートをとる「目的」を、完全に見失っているかんじ。

最後にもう一度、今回のアンケートの目的を引用します。

  ☆

『2 実務実習の受け入れに関する実態調査』

薬学教育において初めてとなる長期実務実習が現在実施されていますが、さまざまな問題が発生することが予想されます。実務実習は来年度以降も継続して行われることになりますので、これからの実務実習をよりよいものにしていくため、本会では実習生の受け入れ薬局を対象に、初年度Ⅰ期の実習生を受け入れた経験について、アンケート調査を実施することを計画しています。

  ☆

「よりよいものにしていくため」。

本当に、その目的に、あってますか?

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