じみんとう。薬剤師必見のマニフェスト原案。
野党なのをいいことに、自民党が、できもしない選挙公約(マニフェスト)案を出してきました。
六月中旬に正式なものを出すと言ってますので、その前に、ちょっと書いておきます。
自民党と言えば藤井基之、ユッキーですよ。
ユッキーは、この原案について、どう考え、どう説明するのでしょうか。
☆
【自民党マニフェスト原案】(一部)要約
「基礎年金国庫負担と、年金、医療、介護、少子化などの社会保障に消費税の全額をあてるつもりで税制抜本改革を行う」
「診療報酬の大幅引き上げ」
「高齢者医療制度は65歳以上に」
「高額医療費限度額引き下げ」
「施設・病院の整備」
「県境なき医師団を1000名で結成」
「薬剤師・看護師等医療関連職種の積極的活用によるチーム医療推進」
「看護職のさらなる能力向上の支援・活用」
「全労働者への歯科検診の実施」
「大学の九月入学化」
「6/3/3/4制の廃止」
☆
とりあえず医療薬学関係だけ抜粋しました。
他の部分、かなりひどいですけど、見なかったことにします。
「基礎年金国庫負担と、年金、医療、介護、少子化などの社会保障に消費税の全額をあてるつもりで税制抜本改革を行う」なんていってますが、いますぐ「全額をあてる」わけでもなんでもなく、具体的な税制改革案も存在しませんから、やる気がないのははっきりしています。あくまでも、「つもり」です。単に、増税の予告をしているだけです。
「診療報酬の大幅引き上げ」は、民主党でもできるのですから、誰でもできることなんでしょう。
「高齢者医療制度は65歳以上に」という議論は、現在行われている「高齢者医療制度改革会議」において、健保連の対馬委員が主張していることですから、ある意味既定路線で、ほっといても実現します。
「高額医療費限度額引き下げ」ということは、診療報酬への公費の投入増加ですが、これもあちこちの会議で言われていることですね。
「施設・病院の整備」といいつつ、結局は「箱もの」の公共事業です。古いものをメンテするという方向ではなく、とにかく箱を増やそうという考え方。がんセンター改革のような内部の制度改革をする気はなく、土建に向かうのが、古い自民党的。
「県境なき医師団を1000名で結成」なんていう妄想は、医師会と相談してから語ってほしいものです。
「薬剤師・看護師等医療関連職種の積極的活用によるチーム医療推進」は、現在「チーム医療推進会議」で議論中ですが、「看護職のさらなる能力向上の支援・活用」という流れも、現状のままいったら、自民党が政権与党じゃなくても、そうなるんじゃないですかね。
「全労働者への歯科検診の実施」なんてのを見て歯科医師会が支持してくれるとはとても思えませんが・・・。
「大学の九月入学化」って、浪人生のこと考えてるんですかね。少なくとも、薬学生の卒業最小年齢が25歳くらいになるわけで・・・、生涯賃金で考えちゃうと、六年制大学ってめちゃくちゃ不利になるんですが・・・。
「6/3/3/4制の廃止」なんてことも言ってますが・・・具体的なものが全く出てこないのに廃止前提っていうのが、もう、なんにも考えていない気が。「6/3/3制の廃止」ではなく「6/3/3/4制の廃止」ですから、大学の年数が4年ではなくなること前提ですよね。たとえば6年に延びたとすると、6年制に移行して5年目の薬学部の立場って・・・。(なんか、この辺の流れ、文部科学省所管の会議で議論されてそうですが、今、調べる気力がないです)
うううううーん。
なんか、薬剤師は、このマニフェストでいいんですかね。
「薬剤師・看護師等医療関連職種の積極的活用によるチーム医療推進」というところに、ちょこっとでてきますけれど。現政権でもおんなじことをやってる最中ですよねー。
自民党といえば、ユッキー(ふじいもとゆき)ですよ。(二度目)
ユッキーの公約をみてみましょう。
☆
1.国民皆保険、国民皆年金を揺るぎない制度に
2.医療の質の向上と薬害の根絶
3.日本発の優れた新薬を世界の人々に
4.バリアフリーの推進で誰もがハツラツ
5.セルフメディケーションで健康長寿社会づくり
6.食の安全確保
7.薬物乱用の撲滅
8.地球環境保護対策は日本から
☆
自民党マニフェストの抜粋部分は、上記の1,2,3,4,5に関連します。
国民皆保険については高齢者医療制度改革の会議がムチャクチャな学級会と化しているわけですが、ユッキーから国民皆保険のよりよい制度についての具体的提言があったかというと、全然そんなことはなく。年金についても同様。
最終的には、大半のことは、現在議論している人たちの出す「結論」に沿って、進みそうです。
前にも書きましたが、ユッキーは『公約実現のための具体案を出さない』『自分で法案をつくれない』政治家なので、
「ユッキーが当選しなくても公約部分は実現する」
という結論になりそうなんですよね。それが良い方向であれ、悪い方向であれ。
そう、「悪い方向」であっても、ユッキー自身が「どうあれば良くて、どうあれば悪いのか」ということを考えていないので、『公約通り』になるんですよ。
『どんな手段で』という部分が、抜けているんですよね。
で、たまに「バリアフリーの推進で」とか「セルフメディケーションで」とか、手段っぽいことが書いてあるのですが、そういう部分は、結論につながらないという。いくらバリアフリーでもみんながハツラツになるわけないですし、セルフメディケーションで長寿になるというのもどんな理屈なんだか。「セルフメディケーションをやらなかったからお迎えがくる」なんて、どれだけ非科学的なキャッチコピーかと。
選挙が近いのですが、あいかわらず、薬剤師連盟は「貴重な」選挙用はがきを配布するくらいで、『候補者の政策を開示して、支持を集めよう』とは思っていないようです。
児玉会長が講演して「ふだん間近で見れない会長の姿を見られて、参加者は親近感を抱いたようです」といった感想を会報に書いている時点で、危機感ゼロ。親近感があっても実行力が伴わないリーダーじゃダメって話、よく聞くんですけれどねー。
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