薬局新聞。「児玉会長の反論に会員の多くが拍手」という嘘。
日薬会館建設は総額23億円以内
日本薬剤師会は5月26日に開いた臨時総会において、会館建設に必要な建設費を23億円以内とする案を議決した。会館土地取得費用および建設費が確定したことにより、建設用地取得に本格的に乗り出すことが可能となった。早ければ年内にも建設用地の確定と具体的な設計図案がまとめられる方向だ。
それでも会内には会館建設自体に対する慎重論も根強いうえ、さらに総会では医薬分業事業等積立資産の目的外使用に関しては、これまで資金が充てられていた事業が滞ることなどを心配する声が多数あげられた。
(薬局新聞より抜粋)
☆
ということで、薬局新聞第2922号によると、日薬の臨時総会はサクサク終わったようです。
「特別委員会という密室で新たな方向性が示されるという不透明さに会員の不満が噴出し、臨時総会を開催して会員の総意を諮るべき、と半ば執行部を押し切って今回の開催にこぎ着けたものだ」
と、薬局新聞が書いているのですが、
特別委員会が議事録を非公開にしている(そもそも議事録を作っているのかな?)のが問題なら、議事録を提出させればいいのにね。委員全員が建設にノリノリだったら、その委員会は、完全に間違った人選で作られていることがわかるのに。
「不透明」なのは、一般会員からみれば、臨時総会でも同じこと。議事録が出るまで何カ月かかっているかを考えたら、総会で決まったことが、その議論過程を会員が知る前に実行されてしまう場合があります。(個々の代議員がいかに会員向けに説明していないかという話)
それに、臨時総会に「会員の総意」なんて、ないんだってば。
そう思い込んでいるだけ。
薬剤師会の下部組織である「支部」とか「市薬」といった単位で、『薬剤師会館が必要かどうか』とか『借金を背負ってもいいかどうか』とか、議論したことなんてないでしょ?
薬局新聞の記者は、どこかで「総意を諮るべき」という話でも聞いたのですかね?
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記事によると、「特に強い反応」が示されたのは、『医薬分業事業等積立資産から10億円を会館建設に充てる』ことだったようです。
目的があって積み立てたお金の大半を、他に流用するということは、その目的の破棄に等しい・・・ということですよね。
「医薬分業」が目的といっても、実際には目的が不明瞭だから、(誰も見ていない)新聞意見広告に2憶7000万円も使って、おしまいのようですけれど。(そのお金で深夜枠の薬剤師アニメを9話分つくってください・・・。)
でも、前回の代議員会で、「足りなかったら取り崩す」って、明言していたところですからね。なにをいまさら。前回賛成した代議員は、まず己の行動を見直しては?
・・・で、「『一部の会員ら』が反応した」と薬局新聞が表現した、「一部の会員ら」の意見。
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「毎年それだけのお金が余るのなら、会費を安くするなどやり方があったはずだ。日薬の資産を取り崩すやり方ではなく、まずは募金を募って集まったお金で土地を探すなどの手法もある。これからの世代に負の遺産は残すべきではない」などと言及し、寄付を募ったうえでの会館建設を強調した。
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この記事書いた記者さん、明らかに執行部寄りですね。
※中立だと言いながら取材源のご機嫌だけは損ねないように配慮するのが、ジャーナリストを名乗るときの基本スキルだということは、みなさまご存じのとおり。
「一部の会員らが反応し、『●●●』などと言及し、●●●を強調した」という書きかたって、通常、意識的に相手を落とすときの言い回しです。
まあ、でも、この記者さんにも、「会費うんぬん」ではなく、「寄附を募ったうえでの会館建設」が強調されていることは、よくわかったということですよね?
ある程度の理解力があれば、「この質疑へ回答するには、寄附を募ることの是非を述べなければならない」ことは、わかるはず。
この意見に対して、
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これには児玉会長が反論し、「余っているなら会費を減らす、というのは考え方が違うのではないか。会館建設に関しては昨年八月に会員の総意として了承された案件だと認識している」と説明すると、会員の多くが拍手を送る一幕もあった。
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と、記事は書いています。
強調されたのは「寄付を募ってから会館を建設しろ」という主張なので、反論するなら、会費を減らすほうは関係ないですよね。
児玉会長は、本質的な部分には一切答えていないのですけれど、そこに、拍手。
しかも、「会員の多く」が。
嘘つけーっ。
臨時総会の会場にいたのは「日薬会員」ですが、そのなかのごく一部(1/600)である「代議員」と、執行部側の「役員」だけでしょ?
「会員の多く」が、拍手した?
どこが?
なにこのミスディレクション。意図的に、「日薬会員の多くは会長の言ってることに賛同して拍手した」とでも読ませたいんですかね?
「会員の多く」は、拍手していません。
『会場にいた、質疑の流れをわかっていないような代議員が、とにかく『建設賛成』の意思表示として、拍手した』
ということでしょ?
「会場にいた」会員の話であることを、わざと省略するのは、推理小説の手法です。新聞記事でこういうことをするのは、アンフェアです。
で、結局、くだらない拍手のおかげで、「寄附の是非」は、立ち消えた模様。
つまり、
拍手をした人たちは、結果的に、募金による建設という案を、完全に潰したわけですよ。
「埋蔵金」を使い切ったらどうなるのかとか、そういう話、実例が、いくらでもあるのに。
会費が10円でも上がろうとすれば「断固阻止」とか言い出すくせに、使うときはなんにも考えない。消費税が上がるかもしれない状況で、実習費用の消費税について何年も足踏みしている、保険では消費税分を回収できない薬品売買に関して、なんのアクションもおこさない(蛇足)。
執行部ラブ。児玉会長ラブ。
こういう、「坊つちゃん」的に言うと野だいこ系の代議員が大勢いると聞くと、
『太鼓持ち専門の代議員がいかに邪魔であるか』が、よくわかります。
日薬の代議員会(二月)でも話題になりました(けど、会長があっさり握りつぶしました)が、代議員の数を減らしたほうがいいですよ、ほんとに。
10万人の組織で、100人近くが代議員。一億人の組織だったら1万人ほどの代議員が要るっていう計算ですよ。以前は、ひとりしか代議員がいない県の代議員を議長に据えていたくらいですから、二県にひとりくらいの人数でも全く問題ないのでは? 拍手要員は参加しないでほしいですよ。
この件に関しては、拍手した方全員を、
「日薬会館建設原理主義者」と呼んでおきます。
反論にも答弁にもなっていないような会長の話に拍手を送るような代議員は、とても「地域会員の意見を代弁している」とは思えません。
「もう、いいから、キミタチが自腹だしなよ。2000万円くらいずつ」って感じ。(絶対出さないでしょうけど)
代議員ひとりにつき666人(児玉会長談)の代表なら、代議員一人ひとりが666人の会員から一人当たり3万円の寄付をもらってくれば、20億円ですからね。会長が「代議員ひとりあたり2000万円集めてこい」と言えばいいんですよ。(絶対言わないけど)
日薬ニュースでも、反対意見や慎重論については無視した記事になっていましたし、・・・日薬は、オール薬剤師とか言いながら、ぜーんぜん違うことやってますよね。
日薬雑誌に議事録が載るかどうか。楽しみです。
(注:薬局新聞の記事自体が間違っている可能性もありますので、議事録系のエントリと同様に、そのあたりを込みで、適当に読み流してください。)
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