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医道審議会。処分薬剤師の罪と罰。

医道審議会薬剤師分科会(2009年12月)の議事録が出ました。

倫理部会の報告が、ちょっとおもしろかったので、転載します。

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09/12/16 医道審議会薬剤師分科会議事録より(斜体部は筆者感想

 まず(1)薬剤師倫理部会です。これは薬剤師の行政処分に係る審議を行うために設置をされている部会です。薬剤師の行政処分につきましては、薬剤師法が改正されまして、平成20年度以降は、この医道審議会の倫理部会の審議を経て、厚生労働大臣が処分を行うというようになっております。
 資料番号がついておりませんが、12月11日付のプレス・リリース資料を、資料のいちばん下にお配りをしております。行政処分の内容について簡潔に説明申し上げます。倫理部会が12月11日に開催され、当日倫理部会からいただいた答申に基づいて、行政処分を行ったところです。
 2枚目をご覧ください。まず各事例についてご説明します。

 番号の1の処分理由としましては、麻薬及び向精神薬取締法違反ということで、薬局の開設者である薬剤師が、援助交際のために女子高生とホテルに行って、向精麻薬であるMDMAなどを自ら服用し、またその女子高生にも飲ませるために無償で譲渡した。この女子高生は意識朦朧となって、救急車で搬送される状態であった。このために、麻薬及び向精神薬法取締違反で、懲役1年、執行猶予4年の判決を言い渡され、刑が確定したところです。これによりまして、薬剤師法に基づく免許の取消処分を行ったところです

 事件の前提となる援助交際と処分との関係はあるのかというと・・・。

 2番目の事例です。これは薬事法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反の事例です。薬局開設者であるこの方は、医師からの処方せんを交付を受けた者以外の者に対し、営利目的で332回にわたって、正当な理由なく向精神薬を販売したというものです。
 このために、薬事法、麻向法違反で、懲役3年、執行猶予5年といった判決を言い渡され、刑が確定したものです。これにより、薬剤師の免許取消の行政処分を行ったところです。

 3番目の事例です。これにつきましては、大麻の種子をまいて、大麻を栽培したということで、大麻取締法違反で懲役2年、執行猶予3年の刑が確定したものです。これにより、薬剤師免許の取消との行政処分を行ったものです。

 4番目の事例です。これは薬事法、麻向法違反ということで、処方せんを交付を受けた者以外の者に対し、向精神薬の販売授与を行ったということで、懲役1年6カ月、執行猶予3年の刑が確定したものです。この方につきましては、1年間の業務停止処分としているところでございます。

 「意識朦朧となって病院へ運ばれたのかどうか」が処分の分かれ目なのでしょうか? それとも、援助交際目的なのが処分の分かれ目なのでしょうか? 1番目の例と比較すると、処分の違いの理由がわからないのですが・・・。

 次に5番目の事例です。毒物及び劇物取締法違反ということで、薬局開設者が、18歳未満の方に劇物を販売したということです。この方は、罰金50万の刑が略式命令ということで確定し、3カ月間の業務停止という処分をしています。

 6番目の事例です。勤務薬剤師の方ですが、薬局、医薬品販売業の店舗におきまして、医薬品の承認を受けていない清涼飲料水の広告に、医薬品的な効能効果を標ぼうしたということで、薬事法違反の罪に問われたものです。罰金30万円の略式命令で、刑が確定をしており、1カ月の業務停止処分としております。

 薬局で売ってる「くろず飴」を「体にいいです!」とか言いながら売ったら、処罰対象になりそうですね。筆者は正直に「ただ甘酢っぱいだけの飴です」と言ってますが。

 7番目の事例は、薬事法違反の事例です。動物用医薬品を販売をする際に、添付文書を付けずに販売をしたということで、薬事法違反で罰金20万の略式命令の刑が確定をしております。この方については戒告処分としております。
 その次の8番目の方についても、同様の罪名です。

 動物用医薬品って、落とし穴が多そう・・・。薬剤師会などは無関心な分野ですからね。

 9番目の事例ですが、道交法違反、業務上過失致死傷ということで、酒気帯び状態で自動車を運転し、他車両を巻き込み、事故を起こして、被害者女性死亡、男性2人に重傷を負わせたということで、道路交通法違反、業務上過失致死傷で懲役3年8カ月の判決を言い渡され、刑が確定したものです。これに基づきまして、3年間の業務停止という処分としております。

 えーと・・・これ、「自動車事故で死亡者がでていても、薬剤師免許は取り消されない」ということですよね。

 10番目の事例です。この方は、自宅において、16歳児童に現金を渡す約束をして、買春をしたということで、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反ということで、懲役1年、執行猶予3年の刑が確定をしています。この方につきましては、1年間の業務停止処分としています。

 1番目の処罰者が「女子高生」で、こっちは「16歳児童」。中学卒業後に働いている社会人はオトナというイメージでいましたが、16歳で学生じゃなかったら、18歳未満だから「児童」表記なのですね。あれ? 1番目の処罰者の「女子高生」は18歳未満じゃなかったってことですかね。で、これ、「児童買春でも、薬剤師免許は取り消されない」ということですよね。

 11番目の方は、18歳未満の女子であることを知りながら、淫らな性行為をしたということで、罰金40万円の略式命令の刑が確定しております。この方につきましては3カ月の業務停止命令という処分をしております。

 10番目の処罰者と何が違うのかわからないんですが。お金か愛かってことですかね? でも16歳から結婚できるし・・・。愛がないから申告されたのでしょうから・・・。これ、「強引に【自主規制】しても、薬剤師免許は取り消されない」ということですよね。

 12番目から14番目の事例は、いわゆる医療過誤、調剤過誤に関する事例です。

 12番目の事例は、処方せんに従って、リズミック錠を調剤するべきところを、誤まってグリミクロン錠を調剤したということで、患者がこれを服用し、低血糖性脳障害になったということです。このため、業務上過失傷害で、罰金50万円の略式命令の刑が確定しております。この方につきましては、6カ月間の業務停止処分としております。

 13番目の事例です。この方はジゴシン散の調剤を行う際に、1万倍散を調剤すべきところを、誤まって1,000倍散を調剤したということで、10倍高濃度のジゴシン散の投薬を受けた男児が、ジギタリス中毒から死亡するといったような事故が起こったものです。このため、業務上過失致死で、罰金50万円の略式命令で、刑が確定いたしました。この方につきましては、6カ月間の業務停止処分としております。
 14番目の方も、同様の事例です。

 これ、故意ではない事故、「医療過誤」において、「患者が死亡しても、薬剤師免許は取り消されない」ということですよね。

 15番目の事例ですが、所得税法違反、法人税法違反といった事例で、所得を申告せずに、所得税を免れたということです。このため、懲役1年2月、執行猶予4年の刑が確定したということで、3カ月間の業務停止処分とされています。

 「脱税しても、薬剤師免許は取り消されない」・・・って、どっかの総理大臣と同じ待遇ですね。

 16番目の事例ですが、消防法違反の事例です。この方は、医薬品販売業者の代表取締役ということで、業務全般を統括掌握していた方ですが、法定の除外事由がないのに、消防署による調査の立入を拒んだということで、消防法違反で罰金50万円の刑が確定したということです。この方につきましては、1カ月間の業務停止処分としております。

 17番から20番の事例につきましては、それぞれ診療報酬の不正請求の事例です。

 それぞれの不正請求額に応じ、17番の方につきましては4カ月の業務停止、18番の方については3カ月間の業務停止、19番の方については2カ月の業務停止、20番の方は1カ月の業務停止処分としたところです。
 21番の事例です。この方は不正請求を認識していたにもかかわらず見過ごしていたという事例でございまして、戒告処分としたところです。以上です。

 「不正請求をしても薬剤師免許は取り消されない」「不正請求を見逃しても薬剤師免許は取り消されない」ということのようです。

  ☆

こうしてみてくると・・・基本、麻薬&向精神薬関係に関わらなければ、免許取消にはならないようです。

倫理部会というより、「裁判所が下した結果を再確認し、その結果に応じた処罰を決める」だけの会合っていう感じですね。

  ☆

【ここから、おまけ】

同じ議事録の、別の個所。

12件のパブコメを、医道審議会薬剤師分科会が、どのように扱ったかというお話です。

パブコメ関連の後日談的にお読みください。

国家試験問題に関するパブコメ結果は厚生労働省ホームページにあります。また、このブログでもふたつくらいのエントリで扱っていますので、探すか目次をみてください。

  ☆

09/12/16 医道審議会薬剤師分科会議事録

 前回、「薬剤師国家試験について」の検討の状況をご報告した際にはパブリックコメントを実施していますというご報告をしたかと思います。パブリックコメントの実施の状況についても、ここで併せてご報告を申し上げます。参考資料3をお手元にご用意いただければと思います。薬剤師国家試験の科目の見直しに関し、省令改正案という形でパブリックコメントをしたところ、1頁に記載していますとおり、団体4件、個人8件、計12件の意見が寄せられています。
 そのうち、団体につきましては3件が薬科大学、あるいは薬学部、その他1件はNPO法人からの意見でした。個人の構成としては、ここに記載をしているとおりでございます。

筆者注:個人は、大学教員5名、学生1名、薬剤師1名、その他1名。薬剤師1名っていうのは筆者です

 寄せられた意見の概要とそれに対する考え方ということで、2頁目以降に記載していますのでかいつまんでご紹介申し上げます。まず必須問題、一般問題について住み分け、あるいは一区分にまとめるほうが合理的ではないかというご意見がありました。ただ、国家試験の実施に当たっての考え方としては、必須問題は薬剤師として特に必要不可欠な基本的なところを確認する、合格基準などもそれぞれ分けて設定をするといった原案の考え方から、ここについては原案どおりとしています。
 倫理に関する問題数が少ないといったことから、「法規・制度・倫理」の試験科目を「法規・制度」と「倫理」に分けてはどうかといったご意見が出されています(注:筆者の意見です。エントリ「厚生労働省:国家試験パブコメの結果」参照)。

今回、これまでの試験では、「薬理関係法規」「薬事関係制度」となっていた科目について、薬学教育のモデル・コアカリキュラムの中で言う「ヒューマニズム」、「薬学の歴史」などとともに、この「倫理」という言葉を加えて科目を設定し、さらにこれまでの出題が20題から30題に増えているということでございます。今後、国家試験の出題基準の検討も行っていくことになりますけれども、その中でこういった倫理についての問題数の確保という点も、これらの意見を参考にしながら検討していきたいと考えています。
 次の意見としては、試験科目に「薬害」という科目を加えるべきではないかといったご意見であります。科目の名称としては、包括的に「法規・制度・倫理」ということにしたいと思いますけれども、現在、薬学教育のモデル・コアカリキュラムの中では薬害に関連する事項なども含まれていますので、国家試験の出題基準の検討においては、より明示的に示すことも含めて検討していきたいというように考えています。
 また、薬学実践問題について「実務」との組み合わせ問題、複合問題の設定についてご意見が出されています。これは実は、パブリックコメントを実施した時点では、「実務」と組み合わせる問題に関し、「実務」と「薬理」とか「薬剤」とかを組み合わせる場合には「組み合わせ問題」という名前を称していたわけで、それ以外のものについては「複合問題」というような名前でパブリックコメントを実施した時点では行っていたわけです。このようなご指摘があり、名前が違うことによる混乱ということも若干考慮し、今回、先ほどご説明申し上げた案の中では実務と関連させた問題の名称は「複合問題」ということで統一をしています。この点、前回ご報告をした時点から変更になっている点です。
 その他のご意見として、4頁目にご意見を載せております。出題基準については、早く小項目の例示などを示してもらいたいといったことがございます。試験問題数については、「法規・制度・倫理」が30問に増えたということを評価しております。それからヒューマニズム、イントロダクション関連は多くても2、3題ぐらいではないかといったご意見があります。
 合格基準については全問題の配点、一般問題の配点、必須問題の配点ということで、それぞれ妥当であるというご意見もありますし、もう少し高くてもいいのではないかといったご意見などもあります。
 禁忌肢については、この「新薬剤師国家試験について」に記載されていないのは不備ではないかといったご意見がありました(注:筆者の意見です)。先ほど、資料2でご説明した中で、禁忌肢に関する記載の部分をご説明しましたけれども、パブリックコメント前の案ではそれに関する記載がありませんでしたので、それに対する記載を追加したとい
うことでございます。それから、禁忌肢の出題には反対といったご意見もありました。そのほか、不合格者に対して情報を開示していくべきであるとか正答率なども公表する必要があるのではないかといったご意見もありました。そのほか、5頁目にお示ししたような国家試験の実施に関して、あるいは問題の作成について、試験対策にならないような問題にしてほしいといったご意見も含めて意見が提出されているところでございます。
 以上、若干説明が長くなりましたが、資料2の「新薬剤師国家試験」についてご議論いただければ幸いでございます。

○井上分科会長 ありがとうございました。ただいま事務局から説明をしていただきました。ご質問等、あるいはご意見等をいただくことになりますが、まずは項目ごとに進めていきたいと思います。
 まずは、1.見直しに至る経緯、それから、2.見直しに当たっての基本的な考え方、この部分についてはいかがでしょうか。
 1.見直しに至る経緯、これは事実関係を述べているので、特段にはないかと思います。2.見直しに当たっての基本的な考え方、この部分に関してはいかがでしょうか。この部分に関して特にご意見がなければ、もう少し実際的な所に入りたいと思います。
 3.改善すべき事項、(1)「試験科目の見直し」、この部分についてはいかがでしょうか。説明されたように、必須問題と一般問題という区分にしたと。一般問題については、理論問題と薬学実践問題とに、さらに細かく分けていますね。それと、ここにありますように、科目を7つに分けたと。縦と横の関係で少し複雑になったのですが、こういうような試験科目にしたということで、これもいままでにずい分長い間議論してきました。パブリックコメント等でもそれなりのご指摘があったのですが、いま事務局からお答えがあったように、そういうことを勘案して、パブリックコメントのようなことも考慮しながら、こういう形で進めたいというお話だったと思いますが、いかがでしょうか。もし後から戻って来ることがありましたら、戻って来るとします。

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コメント

薬剤師自体がネット依存症およびマルチ商法関与、ネットワークビジネスについて関係機関に問い合わせ、抜き打ち調査を保健所が実施するという回答をもらったが変化なし。
納税もなし、薬も売らないと言ううまく逃げている薬剤師。自称 薬を占い師?
店名 薬の美採(くすりのみどり)
店主の名前も記載されています。
ネットで検索して確認してください。
まだいろいろありますが、書ききれません。
本来の薬剤師業務はほとんどしていません。
facebookやっていますよ。
どこから利益えているのだろう?

投稿: | 2014年1月21日 (火) 00:41

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