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高齢者医療制度改革会議。委員の議論をわかりやすくしてみる遊び。

今回は、『高齢者医療制度改革会議』の議論を通して、なにやってるのかを勉強してみます。

テキストは厚生労働省資料【各委員の主な意見の概要】です。

  ☆

三党連立政権合意及び民主党マニフェストを踏まえ、後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度の具体的なあり方について検討を行うため、厚生労働大臣の主宰により、関係団体の代表、高齢者の代表、学識経験者からなる「高齢者医療制度改革会議」を開催する。

「高齢者医療制度改革会議」参集者

 ・日本高齢・退職者団体連合 事務局長             阿部 保吉
 ・慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授      池上 直己
 ・政治評論家・毎日新聞客員編集委員             岩見 隆夫
 ・東京大学大学院法学政治学研究科教授            岩村 正彦(座長)△
 ・全国市長会 国民健康保険対策特別委員長 (高知市長) 岡崎 誠也
 ・日本労働組合総連合会 総合政策局長            小島 茂
 ・諏訪中央病院名誉院長                      鎌田 實
 ・全国知事会 社会文教常任委員会委員長(愛知県知事) 神田 真秋
 ・全国老人クラブ連合会 相談役・理事              見坊 和雄
 ・全国健康保険協会 理事長                    小林 剛
 ・日本福祉大学社会福祉学部教授                近藤 克則
 ・日本経済団体連合会 社会保障委員会医療改革部会長 齊藤 正憲
 ・健康保険組合連合会 専務理事                対馬 忠明
 ・前千葉県知事                            堂本 暁子
 ・高齢社会をよくする女性の会 理事長              樋口 恵子△
 ・日本医師会 常任理事                       三上 裕司
 ・目白大学大学院生涯福祉研究科教授              宮武 剛△
 ・全国町村会 会長(添田町長)                   山本 文男
 ・全国後期高齢者医療広域連合協議会 会長          横尾 俊彦
  (佐賀県後期高齢者医療広域連合長、多久市長)

 △:「高齢者医療に関する検討会」からの続投

 ☆

1 今後の議論の進め方について

・ 示されているスケジュールについては、中間とりまとめや法案提出までの期間が短いことを危惧しており、結論の時期を決めずに、十分議論を行う必要がある。(神田委員)
・ 現場の声についてアンケートを取るなど配慮すべき。(神田委員)
・ 前政権が講じた負担軽減措置は継続すべきだが、これらの激変緩和措置はあくまで経過措置であり不安定であることから、後期高齢者医療制度の廃止はできるだけ急ぐべき。(阿部委員)
・ 自治体が自主的に運営するのが、本来の「広域連合」という制度であるが、国の指示で作られた経緯があるものの、国の決めつけで一方的に地方に負担を求める制度にならないよう、都道府県・広域連合・市町村と協議や検討を十分に行うべき。(横尾委員)
・ システムのトラブルや制度的な混乱の問題もあったので、次の制度においては、システムの十分な検証と充実を図るとともに、スケジュール等を十分に検討すべき。(横尾委員)
・ 現行の制度の法律が平成18年6月に公布され、その後、整備政令・省令が公布されたが、システム改修が遅れた経緯がある。平成25年4月施行を目指すには、新たな制度の政令・省令を早めに出していただく必要がある。(岡﨑委員)
・ 制度の議論においては、財政調整、公費、保険料や自己負担の負担割合など、各論が対象となりやすいが、制度そのものが負担の公平を実現していくという根本的な考え方の議論が必要である。(堂本委員)
・ 後期高齢者医療制度は定着しつつあり、よりよい形に見直すのであれば、社会保障全体がどうあるべきか、費用負担はどうしていくかといった点について、骨太な議論が必要である。(神田委員)
・ 新たな制度を中長期的な観点から考える上で、高齢者の医療費の推移、保険区分ごとの医療費・公費負担・保険料・支援金等の将来推計を踏まえて、議論すべき。(神田委員)
・ 医療保険制度の抜本的な改革を行うのなら、医療費の将来推計をきちんと踏まえて議論すべき。(山本委員)
・ 地域や家族の問題を含めて、介護保険との連続性や継続性について議論すべき。(樋口委員)
・ 介護保険との連携も含めて、包括的な地域社会づくりの視点で検討すべき。(堂本委員)
・ 提供される医療の中身、提供体制、人材の育成など、どのような医療を提供するのかという問題について、診療報酬に限らず幅広に議論すべきであり、別の尐人数の議論の場が必要である。(近藤委員)
・ 新たな制度の検討を行う前提として、データに基づいた議論を行う必要がある。(岩村座長)
医療保険制度については、平成14年までの5年間、さらには10年くらい前から集中して議論が行われていると聞き及んでいる。厚労省で検討され、現制度をスタートされるに至った際のプラスの点、マイナスの点についての情報を共有すべき。(横尾委員)
・ だれがどこの保険に加入するかという検討に当たっては、高齢世代の医療費をだれが負担するのかという点と、どの保険者に加入した方が効率的な保険運営がなされるのかという点に分けて議論していく必要があるのではないか。(小林委員)

  ☆

まあ、こんな羅列がずーっと並んでいる「概要」です。

ここまでを整理すると、

「さっさと高齢者医療制度を廃止しようぜ」

「データを集めて将来推計ができてからが本番」

「締め切り決めずにダラダラやる」

「バカ言え。平成25年4月施行って決まってるだろ」

「あのー・・・。これまでどんな議論があったのか知らないんだけど」

ということのようです。

「有識者」って、いったい、なんですかね?

  ☆

2 後期高齢者医療制度等の問題点・利点について

・ 後期高齢者の中には、まだ働いて社会で活動している人もいるにもかかわらず、「高齢者の心身の特性」の名の下、すべての後期高齢者を一つにまとめてしまったことが最も大きな問題である。(見坊委員)
後期高齢者医療制度は、社会全体の差別解消・格差解消が国際的にも進んできている中で、それに反する制度である。(見坊委員)
75歳という年齢で区分する制度は、社会保険の理念や原理原則に反する。(宮武委員)
・ 国会での法案審議の段階から、連合は後期高齢者医療制度に反対であると主張してきたので、廃止を前提にした新たな姿の検討については賛成である。(小島委員)
・ 高齢者医療確保法の総則の第1条で医療費適正化について規定されているように、後期高齢者医療制度は、医療費抑制を目的としていることに大きな問題がある。(三上委員)
・ 現行制度は財政面と医療サービスの提供と2つの問題があった。財政面は凍結されているから問題になっていないだけであり、国の財政は悪化している。医療サービスについても、後期高齢者診療料が実際に僅かしか算定されていないことが示すように、実施されていないから沈静化しているだけと考える。(樋口委員)
・ 現行の医療制度は、後期高齢者医療制度、前期高齢者の財政調整、前期高齢者でも70歳以上と未満で窓口負担が異なること、退職者医療制度、若人の医療保険制度と複数の制度で成り立つ複雑なものであることに問題がある。特に、75歳で区切ることは理解できない。(対馬委員)
後期高齢者医療制度は、負担の仕組みが明確で分かりやすくなったという良い点がある。(岡﨑委員)
・ 後期高齢者医療制度の財政・運営責任の主体や負担のルールを明確にした点については、新制度でも取り入れるべき。(齊藤委員)
・ 後期高齢者医療制度については、現役世代と高齢者の負担を明確にしたことや、運営主体を定めて財政責任を明確にし、保険者機能を発揮しやすくしたという良い点もある。(小林委員)
・ 後期高齢者医療制度については、現役世代と高齢者の負担が明確になったことや運営主体が明確になったことは良い点であり、新たな制度においても、この点は維持すべき。(神田委員)

  ☆

「負担の仕組みが分かりやすくなっていいじゃん」

「働いて社会で活動している俺たちは高齢者に含めるな」

「75歳で区切るなんてありえない。どこで区切ればありえるのか。それは65歳だ!(注:「制度の基本的枠組み」対馬委員(健保連)の案参照)」

「仕組みがすげー複雑じゃん。わかんねー。全然わかんねー!」

「医療費抑制目的の制度改革なんてありえない」

「連合は廃止だといってるから、とにかく廃止」

というような話ですかね。

見坊・宮武・三上・対馬委員が、なにやらおかしなことを言っていますね。

対馬・宮武委員は「75歳以上」が、はるか以前から法律用語上「後期高齢者」だったというコトを知らないのでしょうか。年齢で区切らずに「高齢者医療制度」を考えるとしたら、「高齢者」の定義とは、いったいなんなのでしょうか。アラサーくらいで「中年」と呼ばれることもあるのにね。

また、見坊委員は75歳以上は「後期高齢者」であるという認識のもと、「働いているか働いていないか」という基準で区分しろと主張しているようです。この主張では、「様々な事情で働いていない」人たちは全員、区分されることになります。似たような主張で様々な区分理由が考えられますので、これは『保険制度をもっと複雑化しろ』という主張なのでしょうか。見坊委員は「働いている後期高齢者」にあたりますが、「働いていない後期高齢者」と自分とは違うんだ!同じにするな!という主張だったとしたら、がっかりです。

三上委員(日本医師会)が言う「医療費抑制を目的としているのが大きな問題」という話が正しいなら、今後医療費抑制を目的とした制度改革は一切できなくなります・・・から、ちょっと言い過ぎ。「医療費は増大させるべきだ」という意見でもないので、何を言いたいのかわかりません。

・・・ほんとに、有識者?

ついでに言うと・・・、見坊委員(全国老人クラブ連合会相談役)の主張する「国際的に、社会全体の差別解消・格差解消が進んでいる」という見解は・・・、「国際的に」ということですが・・・、世界のどのあたりを見て話しているのでしょうか。よくわからなかったです。

  ☆

3 新たな制度のあり方について

(1)総論
・ 高齢者医療制度に対する世間の反応は敏感である。新たな制度のあり方については、国民の意見をできるだけ反映させるべき。(岩見委員)
・ 民主党のマニフェストにおいて、「医療制度への信頼を高める」とあるが、信頼以前にわかりやすさが重要である。(岩見委員)
・ 保険料の軽減措置により高齢者の反応は落ち着いてきたが、75歳で区切ることや、「後期」という名称自体に対する国民の嫌悪感が強かった。持続可能で信頼ができる制度設計が大切であり、実際に医療を受けられる方の身になった検討をすべき。(横尾委員)
・ 高齢者医療制度は、高齢者のためだけではなく、次の世代のことも考えた制度とし、若人も含めて誰もが分かりやすく、公平な制度とすべき。また、高齢者の尊厳を守り、低所得者や障害者にとって温かみのある制度とすべき。(見坊委員)
・ 必要な医療が必要な人に必要なだけ与えられる社会となるよう、新たな制度を検討するにあたって、この社会をどういう社会にすべきなのかという理念を掲げるべき。(三上委員)
・ 20年後、30年後の超高齢社会を見据えて、若い人と高齢者が一緒になって、人それぞれの生き方を大切にした医療制度を考えていくという理想論的なビジョンが必要である。(樋口委員)
・ 高齢者の方々が、医療面でどのような場に置かれたら最も幸福感を持って生涯を終えることができるかという視点で考えるべき。(樋口委員)
・ 新たな制度における公平感の実現方法として年金制度のように、医療保険制度の加入歴に応じて按分された給付を受ける方法や、国保と被用者保険のあり方を議論することで実質的な公平を実現する方法が考えられるが、その上で、医療を受ける側の公平と、財源構成の公平の2つを担保する必要がある。(堂本委員)
・ そのためには、各論から入るのではなく、まず公平な負担制度を設計し、高齢者医療費の総額(グロス)を念頭に置いた上で、公費と保険財源の割合、一部負担額の設定を考えるべきであり、そうした段取りで議論した結果、総額が大き過ぎる状況であれば、診療報酬や医療費の適正化の手法を考えればよい。医療費の抑制という視点から議論を始めると、国民の納得が得られないばかりか、今まで以上に複雑で、わかりにくい制度になりかねない。政権交代を機会に、高齢社会の将来を見据えた抜本改革に取り組む姿勢が重要。(堂本委員)
・ 国民皆保険制度では、世代間の連帯が重要である。若い方の負担が高齢者より大きいかどうかを比較するのではなく、国民の一生涯を見据えた公平を考えていく必要がある。(堂本委員)
・ 国保と被用者保険の一元化については、所得捕捉が異なることなど、極めて問題がある。(対馬委員)
・ 今後の取りまとめに関してはヒアリング等の予定もあると思うが、厚生労働省として、関係者の意見も聴いていただいた上での十分な検証と準備について、配慮と対応をお願いしたい。(横尾委員)
・ 高齢者医療制度は支え手となる現役世代の医療保険あって成り立つものであり、新制度の検討にあたり、団塊世代が後期高齢者となる2025年時点までを見据え、現役世代の医療保険の持続可能性を検証することが必要。(齊藤委員)
・ 新たな制度の設計にあたっては、まず、「先はこうなる」という、ゴールのプリンシプルやビジョン、「同じ都道府県内で同じ所得なら、同じ負担で、同じ給付が受けられる」といった、分かりやすいシンプルなものをきちんと打ち立てる必要がある。しかし、いきなり実現できるものではないため、ゴールを示しつつ、「1段目、2段目でこう変わり、負担はこうなる」とつないでいくようなことも出していく必要がある。そうすれば、国民の皆さんも理解し、納得できるのではないか。(横尾委員)
・ 新たな制度には意図しない副作用が常にあるものであり、新制度の影響をモニタリングする仕組みを設け、予期せぬ弊害が発生したらそれを軌道修正できるようにすべき。(近藤委員)

  ☆

「みんなの意見をガンガンとりいれて人気取ろう」

「わかりやすさ優先で」 (今のでわかりやすくないの?)

「温かみがある制度で」 (結局金じゃなくて?)

「一生涯を見据えた公平で」 (それどんな神視点?)

「理想的な、【最期は幸せ】ビジョンで」

「社会をどうするかまで踏み込んだ、そういう制度にする!」

「・・・って、結局どうしたいんだよ。それって、どういう制度なんだよ! 総論とはいえワケワカンネーヨ! ゴールと中間目標くらい示せよ」

「夢を追ってるうちに、現役世代の医療保険が崩壊すんじゃね?」

というよーな展開ですかね。

この項目に意見している方たち、ドリーマーが多いですね。

  ☆

(2)制度の基本的枠組み

ア 池上委員の案について
<池上委員(慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授)のご意見>
新たな制度は、国民を現役世代と高齢者世代で二分しないこととし、かつ、全年齢で性、所得に着目したリスク・負担構造調整を行った上で、保険者に保険者機能を発揮させるためにも、都道府県単位で統合すべき。これにより、最終的には、同じ都道府県に住む方は、同じ所得なら同じ保険料を支払うこととなるが、調整の過程において、負担が急激に増加する保険者については、激変緩和措置として公費を投入すべき。
・ 市町村国保を都道府県単位に統合する際には、保険料の算定方式が異なる点を解消する必要がある。統合に向けた動きとして、既に保険財政安定化共同事業などの再保険事業があり、この事業の効果を検証すべき。ただし、国保の都道府県単位化には時間がかかるため、まずは協会けんぽと後期高齢者医療制度を統合させるべき。
・ 保険者の統合については、段階的に行い、国民の反応や現場の状況を見ながら軌道修正していく必要がある。また、国保と被用者保険の統合については、所得捕捉の問題や社会保障番号に関する議論が不可欠である。

<各委員のご意見>
・ 都道府県単位で年齢・所得調整を行うことは、加入者間の負担の公平性を追求する点では理解できる。(小林委員)
・ 都道府県単位で事業所を分割すると、事業主が健康保険の担い手であるという位置づけが薄まり、職場が連帯の基盤であり、事業主が費用負担するという被用者保険制度が成り立たなくなるのではないか。(小林委員)
・ 財政調整の強化により、財政力格差是正のための公費の役割縮小の可能性があると思うが、国民皆保険を守るためには引き続き必要との観点から検討すべき。(小林委員)
若年者の制度体系については、職域の被用者保険と地域保険の市町村国保による多元的な制度体系が最善である。(対馬委員)
・ リスク構造調整を進めると一元化される。保険者の自主性が保てないこと、事業主の協力を得られないこと、保険者機能を発揮しにくいこと等から極めて困難である。(対馬委員)
・ 後期高齢者医療制度の廃止後に高齢者・退職者はどこの保険に加入するのか。また、高齢者と若人の保険料算定はどうなるのかが明らかでない。(小島委員)
・ 国保と協会けんぽの統合については、所得捕捉の問題もさることながら、現在、事業所を通じて行っている保険料徴収等の事務を、事業所を通さずに行うこととなるが、協会けんぽには地域保険の事務処理に関するノウハウの蓄積がないことから、現時点では極めて困難である。(小林委員)
全年齢リスク構造調整は理論的には正しいと思うが、所得捕捉や賦課方式の違いといった問題があり、国保の都道府県単位化よりも実現が困難である。(宮武委員)

  ☆

「都道府県で統合じゃあ! 現役と高齢者は分けない!」

「なんじゃとー! それじゃあ高齢者はどの保険に入るんじゃあ」

「協会けんぽだ!」

「あほかーっ! 中小企業に押し付けてどーすんじゃい」

「協会けんぽは地域保険のことなんか知らんだろっ」

「じゃあ国保にするのかよ」

「賛成ーっ」

「反対反対!」

「じゃあ社保にするのかよ」

「賛成ーっ」

「事業主の理解が得られないから反対!」

「引き受け手がいないじゃん」

「市町村が国保やるのも反対ーっ!」

「それは都道府県に押し付けようぜ!」

「それだそれ! そうしようぜ!」

という、小学校の学級会レベルの、押し付け合い議論のようです。

  ☆

イ 対馬委員(健保連)の案について

<対馬委員のご意見>
・ 高齢者の生活実態、年金制度や介護保険制度との整合性から、国民の理解の得られやすい65歳以上の高齢者を対象とした制度とすべき。ただし、年齢で区分しないとする6原則を踏まえ、65歳以上でも働き続ける高齢者とその家族については被用者保険への継続加入を検討すべき。
・ 費用負担や運営責任を明確化するために、「別建て」の制度とした上で、高齢者の医療費を若年者が支える仕組みとする。
・ 運営主体については、都道府県単位の公法人等とし、保険者機能を発揮できる仕組みとすべき。

<各委員のご意見>
後期高齢者は国保に戻すべき。65歳以上の独立型には反対である。(阿部委員)

  ☆

えーと・・・対馬委員は、後期高齢者医療制度の問題点・利点の議論で・・・

『現行の医療制度は、後期高齢者医療制度、前期高齢者の財政調整、前期高齢者でも70歳以上と未満で窓口負担が異なること、退職者医療制度、若人の医療保険制度と複数の制度で成り立つ複雑なものであることに問題がある。特に、75歳で区切ることは理解できない。(対馬委員)』

と、いう意見を言っていたはずなんですが・・・。

75歳は反対だけれど65歳は反対じゃないっていうのは、どういう話なんでしょうね

この意見に対して、後期高齢者である委員が意見を言ってないようなのですが、そこも、よくわかりません。

別建て制度なのに、他の制度からお金を引っ張ってくるという案なのも、「複雑なものであることに問題がある」と言っていた人の案とは思えないほど複雑怪奇。

都道府県単位の「公法人」って、なんか、天下りな予感?

  ☆

ウ 小島委員(連合)の案について

<小島委員のご意見>
・ 医療保険の運営は、加入者の雇用・所得形態の同一性が重要であり、被用者健保と国保の二本立てを基本とすべき。このため、サラリーマンOBは退職後も引き続き被用者保険が支えるという「突き抜け方式」(退職者健康保険制度)とし、生涯を通じた予防・保健事業など保険者機能を強化する
退職者健康保険制度の運営主体は、協会けんぽが担うこととし、被用者OBの資格、住所等の管理については、日本年金機構からの情報提供、被用者OB本人からの申請等、さらに議論が必要である。また、新制度発足から、新たな対象者を順次、加入していくことも検討すべき。
・ 25年以上被用者保険に加入していた方を対象とするが、女性の進出など現在の雇用状況等を勘案して、被用者であった期間を短縮したり、非正規雇用者・失業者を被用者保険の加入対象とすることを検討すべき。国保に加入している被用者世帯を被用者保険に原則加入させることも、併せて進めるべき
・ 市町村国保については、都道府県単位に広域化し、国保連合会や後期高齢者医療広域連合を活用した組織「公法人」で運営を行うべき。
・ 70歳以上の医療給付費への公費は5割とし、国保と退職者健康保険制度の高齢者比率に応じて按分すべき。
・ 突き抜け型について、サラリーマンがサラリーマンOBのみを支えるだけで良いのかという指摘については、突き抜け型の財政試算で国保の財政がどうなるかを踏まえて、さらに検討すべき。
・ 「社会連帯」は、保険料だけでなく、公費(税)を含めた広い視点から考えるべき。

<各委員のご意見>
・ 協会けんぽが業務委託を受けるという点については、1,100万人規模の個人を事業所という基盤もない中で把握していくことは、協会けんぽには地域保険の事務処理に関する体制やノウハウの蓄積等が全くないことから事実上困難である。(小林委員)
・ 非正規労働者等の受け皿でもある国民健康保険を再建し、皆保険制度を維持できる体制を検討する必要がある中で、連合が主張する「突き抜け方式」は、それらの方を見捨てることにならないか、という疑問がある。また、突き抜け方式にする場合、地域保険に加入している退職者を呼び戻すとすれば、いかに過去の職歴を検証するのか、極めて難しい作業になる。(宮武委員)
・ 就業構造や雇用環境が変化し、高齢化が進展する中で、突き抜け型は現実的ではない。(対馬委員)
国民年金受給者が国保に残る一方で、突き抜け方式では健保に厚生年金受給者が加入することとなる。このため、それぞれの制度間の所得格差が大きくなり、低所得者層が多い国保の財政が成り立たないのではないか。(岡崎委員)
・ 被用者保険内で助け合うことにより、若年被用者の納得は得られやすいことがメリットとあるが、社会連帯という観点から、被用者保険内だけでの助け合いでよいのか。(三上委員)
・ 25年という要件を満たすサラリーマン退職者は男性が極めて多い。男性だけの圧倒的に多い医療保険というのはいかがなものか。(樋口委員)
・ 雇用の状況が変化しており、若人の就労形態も変わっている中、一定の職場を中心に考える案というのは疑問である。(見坊委員)
・ 最近、若年労働の問題が課題となり、その形態はパートタイムであったりするため、25年に該当しなくなる。広く国民を救える制度にすべきと思う。政権に近い連合として、新進気鋭の案を期待したい。(横尾委員)

  ☆

「サラリーマンの味方の連合は、サラリーマンがよければいいんじゃ! サラリーマンの保険は、所属していた企業の社員で支えるんじゃ!」

「とかいいつつ、協会けんぽに丸投げってなんじゃい!」

「大企業の組合の負担にしないで中小企業にツケるってのはズルくね?」

「おま、それ、最悪の非正規潰しじゃんかよ

「コンクリからヒトへってのに、逆流してるじゃん」

・・・という応酬かと。

連合案、ダメぽ。

  ☆

エ 宮武委員(目白大学大学院生涯福祉研究科教授)の案について

<宮武委員のご意見>
・ 国民健康保険は国民皆保険の基盤であり、高齢化が進み定年退職者等が多く加入しても持続可能な制度にする必要がある。人口が少ない市町村において、保険によってリスク分散を行うのは困難であり、ドイツの疾病金庫やデンマークの自治体の例を見ても、保険者を集約せざるを得ない。そのために、都道府県単位の国保とし、後期高齢者医療制度とドッキングさせるべき
年齢区分を廃止するとなれば、後期高齢者は市町村国保に戻るほかないが、その際は、市町村国保は都道府県単位とし、都道府県が直接運営するのか、都道府県単位の広域連合が運営するのかの選択となる。
・ 一定年齢以上の方々の医療費について財政調整を行うとすれば、介護保険制度のように、同じ制度の中で、第1号被保険者(現役世代)、第2号被保険者(高齢者)というような区別が必要である。
・ 働いている高齢者については、①すべて都道府県単位の国保に加入していただくこととするのか、②本人のみ被用者保険に残るのか、③本人とその被扶養者も被用者保険に残るのかの3つのパターンがあり、さらに議論する必要がある。
・ 国保を都道府県単位化することは難しいことではあるが、危機感をもってやらなければならない。高齢者医療制度の課題は、高齢者の大半が加入する国保の課題であり、国保を持続可能な形に集約していくことが時代の要請である。
・ 国保の都道府県単位化に時間がかかるようであれば、例えば、まずは75歳以上の高齢者を市町村国保に移行させ、2階建ての財政調整を行い、若人については、一定の期間の中で、都道府県単位に移行していくという段階的な対応を考えるべき。
知事会は国保の都道府県単位化に反対していたが、現在、埼玉県、岐阜県、京都府、奈良県、高知県においては、国保の都道府県単位化又は都道府県直営といった構想を出している。意欲がある都道府県が先行して都道府県単位化を進めることを認めてもよいのではないか。

<各委員のご意見>
高齢者医療の対象者は何歳以上とするのか。また、高齢者と若人の保険料負担の仕組みについて検討する必要がある。(小島委員)
・ 国保を都道府県単位化するのは非常に時間がかかる課題であり、5年以内の実現は難しいのではないか。(池上委員)
年齢により財政運営の仕組みを分けているが、年齢で区切らないということが出発点ではないか。(池上委員)

  ☆

「国保を都道府県でみるなら、直接運営か広域連合運営だ。「公法人」等とか言ってる連中とは違うよ」

「なんじゃとー! 都道府県単位化を五年以内なんてできるか!」

「って、それ、おまえが『都道府県に統一』って最初に言ってたじゃん」

「うるさい! 国保に戻すな! 協会けんぽにくっつけろ!」

「なんだよそれ! 年齢で区切らないなら、高齢者医療制度は、国保に戻すのが当たり前だろ!」

「年齢で区切ったらダメだろう!」

「だったら国保に戻すのを認めろよ! どっちなんだよ! 年齢で区切らないなら国保に戻す、区切るなら戻さない。どっちかしかないって言ってるだろ!」

「あのー・・・何歳以上が高齢者医療なのかわからんのですが・・・」

「働いてるのが現役世代で、働いていないのが高齢者って定義しただろ」

「70歳以上の医療給付費への公費は5割とするって案を出したおまえさんにとっては70歳以上なんだろうけれど、対馬委員に反対意見を述べなかったってことは、65歳って認めたってことにもなるよな。おまえさん、ほんとは何歳以上が高齢者だと思ってるんだよ! わからんとか言ってんじゃねーよ!」

・・・という、「高齢者は何歳からか」「年齢で区切らないならどの保険が引き受けるか」という基本事項が、第五回目の会合に至るまで決まっていないというありさま。

「高齢者医療に関する検討会」も含めて、二年十回以上の会議をしているのですけれどね。

  ☆

オ その他の御意見

・ 年齢で区分するあり方を見直し、公的年金の受給者を被保険者として制度設計すべき。(齊藤委員)
・ 負担ルールを明確化するために、現役世代の医療保険制度と高齢者の医療保険制度は、何らかの形で別建ての制度にすることが必要。(齊藤委員)
・ 保険者について、市町村別では財政運営上、小さな村では、危険が高すぎるとすれば、都道府県単位が良い。(鎌田委員)
協会けんぽは都道府県単位の保険料率を導入し、都道府県の支部ごとに労使の代表と有識者からなる評議会を設置して幅広い議論を行うなど、地域の実情を踏まえた保険運営を行っている。また、医療提供の体制は都道府県単位で整備されており、医療サービスも一定程度市町村単位を超えた広域で行われている実態があるので、新しい高齢者医療については都道府県単位とすることを基本として考えていくことが重要。(小林委員)
国保は国で一本化するのが一番いいが、それまでの過程として都道府県単位で一本化することが望ましい。(山本委員)
企業に勤務しながら市町村国保に加入している被保険者については、制度本来の職域保険に戻すべきであり、職域保険と地域保険の将来的な統合は否定しないが、当面は分立とすべき。(阿部委員)
現役として働く高齢者については、若年者の制度への継続加入を検討すべき。(齊藤委員)
・ 今後は、雇用されて働く高齢者はじめ多様な働く高齢者が増えていくことを踏まえた医療保険制度のあり方を考えるべき。(樋口委員)
・ 国民皆保険を維持するためには、公費の増加が不可欠だが、消費税の議論は先送りにされている。国であっても地方自治体であっても公費負担を増やしていかなければ何ともならない事態となってくると考えるが、国民皆保険を維持していくための国の覚悟が問われている。(神田委員)
・ 公平な制度の実施のためには、誰が費用を負担するのかを明確にし、保険料と財源調整による負担について公平性を感じることのできる仕組みとする必要があるが、その緩衝材となるのが公費である。(堂本委員)
高齢者や退職者の多い国保を被用者保険が支援することにより、公費の伸びを抑えるため、前期の財政調整や後期高齢者医療制度が作られたと認識している。今後、公費負担の在り方、国保、被用者保険を含めた医療保険制度全体の在り方の検討が重要である。また、被用者保険の一部である退職者医療制度をどう扱うかも含めて議論すべき。(小島委員)
・ 医療費通知、明細書の義務化、ジェネリックの使用促進など健保組合は保険者機能を発揮してきた。被用者保険だからこそ、被用者・事業主・労働組合のバックアップを得て、新たな取り組みができる。地域保険だけに視点を当てるのは適当でない。(対馬委員)
長野県のように健康づくりに取り組んで医療費水準が低い例もあり、地域保険が適切な保険者となれないという考え方は違う。(鎌田委員)
・ 当初、老人医療が議論された際の目標は無料化であった。現在は状況が変わっているが、やはり、75歳で線を引くというのであれば、最終的には無料化するといった理想を掲げるべき。(岩見委員)
・ 保険料負担の公平性にも、いくつかの視点があるが、社会保険においては裕福な方からは多くの保険料を納めていただくというようなリスク調整の機能は強めるべき。(近藤委員)
公平性の視点には保険料だけではなく、健康状態の公平という視点もある。今の日本には、低所得者の死亡率が高所得者の2~3倍という健康格差がある。基本的人権が守られていない現実を直視して、その是正につながる制度にすべきである。(近藤委員)

  ☆

「年金受給者かどうかで分けようぜ」

「無年金の問題スルーかよ」

「75歳以上は無料化すればいいのだ! わかりやすいだろ!」

「こいつの言うことはスルーの方向で」

「公平性の公費は緩衝材なのです」

「それやりすぎて、財政が悪化したんだろ! じゃあ増税するのかい、元知事さんよー」

「保険は国で一本化だろ。都道府県はその過程に過ぎないってばよ」

「現状、全部、都道府県でやってるのにか!」

「広域っていうけどさ、地域の取り組みで改善できた例があるんだから、おまえらの取り組み不足ってことじゃねーの?」

「うるせー黙ってろ。頑張るな!」

「はい、すみません。都道府県単位でいいです」

「金持ちから搾取しろ! それが公平だ!」

「じゃあ福祉大学教授の金持ちからどれだけ搾取すれば公平ですかね」

「健康状態の公平も大事だ! 日本の低所得者の死亡率は高所得者の2~3倍だ!」

「それ、生物の多様性の否定ですか? 海外と比較しても健康格差って言えますか?」

・・・ごちゃごちゃしてきました。

「公平」という言葉が空回り。

もはや、どうしたいのか、全然わかりませんが、とりあえず、都道府県に丸投げしたいということだけはわかりました。

森田健作は、どう思うんでしょうか。

  ☆

(3)運営主体のあり方

ア 都道府県が担うべきとするご意見
・ 保険者は都道府県単位とすべきであり、市町村では無理。その上で、都道府県か、全市町村が加入する広域連合かとなるが、保険者は都道府県が担うべきである。都道府県が経験や実績がないという指摘については、都道府県と市町村との間で人事交流・出向をすればよい。(阿部委員)
・ 現在、47の都道府県後期高齢者医療広域連合が保険者となっているが、これを約1800の市町村に振り分けることは困難であり、新しい制度の運営主体は都道府県が担うべき。(岡﨑委員)
・ 広域連合は、市町村からの派遣職員で運営しており、人事異動は2年単位であることから、スキルの積み上げが困難。また、都道府県には国保を指導する部署があり、保険者の業務内容について熟知しているため、医療保険に係る事務の実績がないとの指摘は当たらない。(岡崎委員)
・ 運営主体は都道府県にすべきであり、人口が尐ない市町村では保険が成り立たない。ただし、保険料の徴収は市町村が行うべき。また、一般の方からすると、県庁は敷居が高いイメージが強いので窓口は市町村が行うべき。保険者として都道府県が保険主体としての運営を担い、市町村は個別の対応と役割を担う形がよい。(岡崎委員)
介護福祉は市町村のような小さな団体がむしろいい。医療はそうはいかない、医療は高度医療や3次救急のことを考えると都道府県単位の方が医療計画も立てやすい。都道府県が保険者になるのが理にかなっている。都道府県が運営主体になるとすると、保険料の収納率をどう上げるかが課題。都道府県が市町村に協力を求められるよう、国が支援する必要がある。広域連合では難しい。運営主体は都道府県を軸に、池上委員案と宮武委員案を合わせて、最終的に宮武委員の案を詰めていくのがよいのではないかと言うのが私の意見。(鎌田委員)
・ 広域連合は組織として広く利用者に認知されておらず、新たな制度の運営主体は都道府県とすべき。その際、市町村の責任も明確にすべき。(樋口委員)
・ 運営主体を仮に都道府県にした場合のメリットとして、都道府県が現在実施している健康増進事業や医療費の適正化について、医療サービスの提供等の施策と有機的に連携させながら実施できる。広域連合では十分に連携が図りがたい点が問題である。(横尾委員)
・ 仮に財政的に国が支援するとなれば、都道府県でも引き受けることができるか。市町村は良い協力・連携体制をとりながら実務をやる。財政は国がサポートする。そしてより効率的なマネージメントを一緒に作っていくという形であれば、知事会としても了解が得やすいのではないか。(横尾委員)
広域連合の財源は市町村ごとの議決を経て支出しているものであり、一概に安定化とは言えないのではないか。また、広域連合自体にも議会等が設置されており、その運営にも事務負担等が発生している。さらに、市町村から派遣される職員は数年で入れ替わるため、必ずしも事務に精通した職員が対応しているとは限らない。(横尾委員)
・ 「広域連合又は都道府県が運営主体となる場合には、窓口業務等は市町村が行う」との記載があるが、県民税等の徴収については、市町村に業務委託をしている例もあり、すべて市町村というわけではなく、広域化・一元化の1つのメニューとして、事務のあり方は今後検討する必要がある。(横尾委員)

  ☆

都道府県派閥

 横尾、樋口、鎌田、阿部、岡崎

  ☆

イ 広域連合等が担うべきとするご意見
・ 現在の後期高齢者医療広域連合をベースに、運営主体を検討すべき。(齊藤委員)
・ どのような見直しが行われるにしても、市町村国保が重要な役割を担うことになる。市町村国保においては、保険料が賄えきれずに、一般会計からの繰り入れが行われている。県の役割というものは十分認識しているが、都道府県単位としても市町村国保と同様の問題が発生することから、国が十分に支援しないと、受け皿となり得ない。(神田委員)
・ 運営主体の問題は都道府県と市町村が対立する問題ではない。まず、国がどう関わり、どのような財政の仕組みでやるのかを示してもらいたい。(神田委員)
・ 福祉分野では市町村が重要な役割を担っている。市町村が行う健康相談や健康診査は医療保険とも関係の深いものであるし、保健センター等も整備されている。都道府県の役割はそれをフォローしていくことではないか。(神田委員)
・ 資料に掲げられているメリット・デメリットが形式的ではないか。デメリットにも改善可能なものと重大なものがある。(神田委員)

  ☆

広域連合派閥

 齊藤、神田。

  ☆

ウ 検討の視点に関するご意見
・ 運営主体については、制度論ではなく利用者の視点から検討すべき。都道府県が役割を担うことも考えられるが、どこが一番サービスを提供するのに適しているのかという視点から考えるべき。(堂本委員)
・ 運営主体については、いくつかの視点から見た考え方がある。財政面からの視点では、大きな単位ということがある。住民の健康状態の確保からの視点では、基礎自治体のきめ細かなサービスがある一方で、都道府県の広域的な健康増進の取組がある。被保険者の利便性、窓口の利用、保険料の収納などについて、都道府県と市町村がいかに協力して高齢者医療制度を支えていくのかという考え方が必要である。(岩村座長)
・ 保険者の統一化という点では、京都府での新しい試みなどがあり、その状況など最新の情報も共有すべき。(横尾委員)

  ☆

「みんな協力するのが大事だろ」

「主体者を決める話で主体をうやむやにしようとするなよ」

「どこが一番のサービスなのかで決めましょう」

「おまえはそれがどこなのかわかるっていうのかよ」

・・・どんな視点で考えるのかも、あやふや。

  ☆

(4)費用負担のあり方

ア 公費について
・ 国保と後期高齢者医療制度の統合を考えた場合、国保が有力な基盤となるが、約7割の国保が単年度赤字であり、約3,800億円を一般財源から繰り入れている現状がある。このため、現行の国保も含め財政制度自体を分かりやすくし、一定の公費を入れ、国保の財政基盤を強化すべき。(岡﨑委員)
・ 新たな制度においては、現役世代の負担が加重にならないよう理解と納得の得られる費用負担が必要であり、一定の所得がある高齢者には応分の負担を求めるとともに、公費負担の拡大も含めた財源のあり方を検討すべき。(小林委員)
・ 今の費用負担の方法では現役世代の保険料が過剰なものとなっている。今後の新しい制度の財源負担を考える場合には、公費を増やしていくという方向がないと、現役世代の負担がますます過重になっていくと考えている。この点は、制度を議論する大前提として強調しておきたい。(小林委員)
・ 社会全体で支える公費の割合と現役世代を中心とする保険料部分の負担割合についても、固定化せずに高齢化の進展に応じて公費を増やすような調整の仕組みの導入を検討すべき。(小林委員)
・ 高齢者医療の保険給付財源については、現役世代の保険料に依存するには限界があることから、高齢者医療制度への公費投入割合を高めることが不可欠。そのためにも、税制改革の議論がセットで行われることが期待される。(齊藤委員)
・ 新たな制度においては、介護保険と同様、5割の公費を投入すべきである。公費以外の部分は、高齢者と若年者の人数比で按分し、それぞれが保険料を負担する。(対馬委員)
・ 健保組合等の支援金・納付金の負担は、保険料収入の45.2%と過重であるので、前期高齢者の層にも5割を目途とする公費投入を目指すべきである。また、財政事情の厳しい健保組合への財政支援の継続、強化が不可欠である。(対馬委員)
・ 65歳から74歳までの前期財政調整の仕組みを75歳以上に拡大し、75歳以上の方の医療費の5割に公費を投入すべき。(阿部委員)
・ 今後の高齢者医療費の見通しを踏まえると、その財源について深刻な事態が生じることが考えられるため、将来の恒久的な財源の確保が重要であり、国における財政負担を明確に示すべき。(知事会(西川代理))
・ 今後の尐子高齢化の進展を考えると、公費の拡大をお願いせざるを得ない。(樋口委員)
公費投入の額を増やさなければ、財政調整を行ったとしても、全ての保険者が納得することは難しい。(三上委員)
・ 公費の投入については、所得捕捉することや、消費税を議論しなければ前に進まないのではないか。(横尾委員)
・ これからの社会保障制度を支える財源のあり方については、公費においてもできるだけ特定の世代に偏らない負担ということが重要である。社会保険料と同様の現役世代の賃金に着目した税と、各世代において幅広く負担する税を併せて考えていくことが今後の社会保障の安定的な運営には大事である。(小林委員)

  ☆

「公費五割!」

「公費!」

「公費!」

「公費!」

「公費! 公費! 公費! 公費!」

「おまえら、公費って言えば勝手に出てくると勘違いしてるだろ。公費を上げろと言う以上は、増税か、他の事業の縮小ってことになるけど、それでいいんだな?」

「・・・・・・・・」

「ちゃんと所得捕捉するのか? できるのか? 今公費って騒いでた連中、なんとか言ってみろよ」

「・・・・・・・・」

という、アタマの悪い話になっているようです。

  ☆

イ 若人の保険料について
・ 高齢者医療を支える各制度間での負担のあり方については、各制度の負担能力を反映し、現役世代の納得が得られる制度となることが重要である。(小林委員)
・ 新たな制度においては、現行の後期高齢者医療制度の医療給付費に対する財政調整の仕組みを残すか、新たに全年齢に係る公費や支援金等による仕組みを設けるか検討すべき。(宮武委員)
・ 被用者保険は国保に比べて、一般的に若人が多く、所得水準が高く、さらに一人当たり医療費が安いなど、相対的に恵まれた保険運営環境にある。したがって、国民皆保険の基盤となっている国保に高齢者が加入するのであれば、被用者保険からの財政調整による支援が不可欠であり、現在の加入者数に応じた調整ではなく、所得を考慮した負担能力に見合った財政調整を行うべき。(知事会(西川代理))
・ 支援金のあり方については、高齢者の医療費を社会全体で支えるという観点から、各医療保険制度間で公平に負担することとなるよう、被用者保険者間は総報酬按分とすべき。(小林委員)
・ 老人保健制度や後期高齢者医療制度が創設された経過を見ても、突き詰めれば高齢者と無職の方が多い国保の財政問題であり、被用者保険はそれを支援してきた。国民健康保険と被用者保険のあり方をもう一度考えるべき。(小島委員)
・ 若人の保険料については、65歳以上に5割の公費投入を前提として、被用者保険者内は、保険者の負担能力に応じた負担とすべきであるが、総報酬割については、予算や公費の節減の観点ではなく、制度論としての公平性・納得感・整合性・経緯という観点から、本当に総報酬割がいいのかどうかを議論すべき。その際は、原則、65歳以上が給付対象で、(保険料について)総報酬割をしていない介護保険制度との関係も考慮すべき。(対馬委員)
・ 総報酬割を導入すると、現在の前期高齢者の財政調整制度における医療費適正化に対する保険者のインセンティブを働かせる仕組みがなくなってしまうという問題もある。さらに、総報酬割を導入する場合には、従来以上に所得の把握を厳格に行う仕組みが必要である。(対馬委員)
・ 経済が活性化して保険料収入が増加するといった良い循環を作るためにも、現役世代のやる気と活力が重要である。若人において高齢者医療制度への拠出感が過大なものとなり、活力をそぐような事態とならないような仕組みとすべき。(齊藤委員)
・ 保険者や団体を代表する方が、それぞれの立場で発言しているが、医療保険制度の議論においては社会連帯の理念が重要であり、それぞれの保険者が集めた保険料は、国民全体のものであるという考え方の下に議論を行う必要がある。(三上委員)
・ 新たな制度においては、事業主の負担が現状を下回らない制度とすべき。(阿部委員)
企業においても、法人税や社会保険料により社会保障制度を支えている。これら企業の負担についての国際比較等も踏まえて議論すべき。(知事会(西川代理))

  ☆

「若者からあまりとっちゃったら可哀想だよ」

「じゃあ企業の負担を今より増やそうぜ」

「企業は高すぎる税金を払ってるだろ! 何考えてるんだよ!」

「やっぱ、現役世代の納得が大事だよ」

「財政上まともなプランだったら納得するわけないじゃん」

という、保身的なドリーマーを現実的理論派がたしなめるような展開ですかね。

  ☆

ウ 高齢者の保険料について
・ 国民皆保険を守る観点から、高齢者にもその負担能力に応じた適切な負担を求めるべき。(齊藤委員)
・ 高齢者の保険料については、若人と高齢者の負担の透明性が確保された仕組みとすべき。(対馬委員)
・ 保険料及び保険者間の財政調整の検討にあたっては、その高齢者がこれまでの人生において、どの保険者に属していたのかを可能な限り反映できる制度にすべき。(堂本委員)
・ 高齢者だけが利益を得るのではなく、たとえ低所得であっても高齢者も国民の一人として尐額の保険料を負担するなど、全ての高齢者が一定の負担をすべき。(樋口委員)

  ☆

堂本委員(前千葉県知事)の意見が・・・なんか・・・ひどい・・・。

あからさまな職業差別ってやつ?

たとえば、元知事とかだと、どう反映されるんでしょうか?

  ☆

エ 患者負担について
・ 新たな制度においては、必要な医療を保障し、65歳以上の方は原則として9割給付とすべき。(阿部委員)
・ これまで自己負担分を増やして給付を抑制することで医療費を抑えてきたので、新たな制度については、高齢者の自己負担が増えないような制度を検討すべき。(三上委員)
・ 患者負担については、負担の公平性の観点から3割が限界である。現行の高齢者の負担割合は、原則として、70~74歳は2割、75歳以上は1割であるが、どの程度の患者負担が世代間の公平の観点から適当であるかという議論をすべき。(知事会(西川代理))
・ 自己負担については、無駄な受診を減らし、効率化を図ることを目的に徐々に引き上げられてきた。しかし、調べてみると低所得者ほど窓口負担が大きいことを理由に受診を控えているという実態があり、必要な医療が抑制されていると考えられる。また、病院で治療費を支払わない方が増加しており、公立病院では自治体の税金を投入して支えている実態もある。自己負担が大きいことも治療費未払いの原因の一つになっている。したがって、新たな制度においては、自己負担を今よりも引き下げる方向で考えるべき。(近藤委員)

  ☆

「病院で治療費を払わない方が増加しており」っていう問題は、「肩代わり引き受け・督促機関」があれば一応解決しますけどね。保険者が未払い負担分を医療機関に支払って、後日、保険料に上乗せして本人から徴収とか。様々な事情を汲める身近なところ・・・、大家さんとか隣組とかがとりあえず問題を引き取る・・・というのが、長屋のルール。なんてね。

未払い問題が自己負担引き下げで解決するとしたら、自己負担0割(無料)にしたときだけでしょぅね。

  ☆

※ 財源構成の試算について
・ 国保が負担増となり、財政がもたない。国保の財政基盤をしっかりと確立させる方向で整理すべき。(岡崎委員)
・ 基本的な考え方の6原則にあるように、国保の負担増に配慮するという観点から、一定の工夫が必要である。そうでなければ、都道府県が運営主体となることも困難ではないか。(横尾委員)
・ 75歳以上の高齢者の医療給付費に約5割の公費を投入する場合には、国保は負担が増加するが、ほぼ同額が負担減となる公費を充てることとすれば、それほどひどい負担増にはならない。しかしながら、今後の急速な尐子高齢化の中にあっては、公費を段階的に投入し、被用者保険を中心として保険料の負担増を抑えていくという仕組みを導入しなければ、被用者保険側は納得しないのではないか。(宮武委員)
・ 65歳以上の高齢者の医療給付費に約5割の公費を投入する場合には、国保及び公費の負担が大幅に増加するが、その財源を確保するには消費税率を1%増加させる必要があり、短期間での実現は極めて難しいのではないか。(宮武委員)

  ☆

「消費税1%増加だ。それでもいいよな?」

「・・・・・・・・・・・」

また沈黙。

  ☆

(5)保険料、給付等のあり方
・ 新たな制度の保険料は「応能負担」を原則とし、格差のない料率を設定すべき。(阿部委員)
・ 高齢者の医療保険は保障の理念が重要であり、保険料の上限の見直しや保険料率の一本化なども検討すべき。(三上委員)
・ 所得のある方の保険料の上限について議論すべき。50万円より高い上限を段階的に設定してもよいのではないか。(樋口委員)
・ 若年の国保の保険料についても、都道府県単位でできるだけ統一すべき。(宮武委員)
・ 国保の保険料の上限は職域保険と同額まで引き上げるべきではないか。(樋口委員)

  ☆

「保険料あ・げ・ろ! あ・げ・ろ!」

「金持ちからとれとれとれとれとれ」

という話だけ。

まず「大学教員と公務員、独立行政法人、公益法人」に関して、テストとして、保険料上限撤廃をしてみたらいいんじゃないですかね。

  ☆

4 高齢者のための医療サービス等について
・ 本会議においては、各論的な議論はできないが、高齢者に関わりの深い医療サービスの基本的な考え方については議論すべき。(近藤委員)
・ 新たな制度の枠組みについては、6つの原則に則って議論することになる。医療サービス全般については、別途議論する必要があるが、高齢者にふさわしい医療の考え方については、この会議で打ち出すべきである。(宮武委員)
・ イギリスでは、医療崩壊と言われる状況から立ち直る際に、NSFと呼ばれる疾患領域ごとの10カ年の長期計画を策定しており、この中に高齢者医療版というものもある。日本版NSFにより、10年後の目標設定を行い、それを実現する手立てを考えてモニタリングするような考え方を行うべき。(近藤委員)
日本の医療費をOECD平均並みに上げつつ、それ以上に上がらないシステムについて検討していく必要がある。そのために、かかりつけ医制度や終末期相談支援料が、どのような役割を担えるのか考えていく必要がある。(鎌田委員)
・ 高齢者は慢性的な疾患を抱えやすく、かかりつけ医制度については、他の先進諸国と同様、必要である。(宮武委員)
・ 後期高齢者終末期相談支援料については、導入の仕方に問題があったが、自分がどのように最期を迎えるかについて、看護師や医者と相談していくといった制度は必要である。(宮武委員)
・ 病院に頼りすぎていた日本の医療を、自宅や自宅に近い環境で最期まで暮らし、看取ることができるような体制に変えていくべき。(宮武委員)
・ 終末期医療制度は、せっかく国民的合意ができつつある段階で、打ち出し方が悪く、議論が後退してしまった。新たに国民・高齢者が論議できるようにするべき。(樋口委員)
・ 新たな制度の医療サービスについては、高齢者の健康維持・諸機能維持に必要なリハビリについても検討すべき。(樋口委員)
・ 新たな制度のあり方の前提として、救急医療、周産期や小児科医療などをはじめとする医療崩壊を防止するために医療費総額を拡大し、診療報酬をさらに引き上げるべき。(阿部委員)
高齢者が医療を過剰に受けているようにも思えるので、医療を受ける高齢者のあり方についても考える必要がある。(岩見委員)
・ 高齢者医療確保法に規定されている特定健診や特定保健指導は非常に斬新な考え方である。20年度は混乱もあったが、健保組合としても、保険者機能を発揮しながら積極的に取り組んでいる。(対馬委員)
・ 特定健診及び特定保健指導は、保険者機能の強化のために効果的な取組みとなっており、更に進めていく必要があるが、健診等の実施率による支援金の加算・減算の仕組みは、廃止を含めて見直すべき。(小林委員)
・ 医療費の増大が見込まれる中で、健全な方法により医療費の伸びを抑制していくことは重要である。新たな制度においても、健康づくり事業などの受益と負担を連動させる仕組みを導入すべき。(知事会(西川代理))

  ☆

「あれもこれもやろうぜ!」

「いいねえ、あれもこれもそれもやろう」

「じゃあそっちとこっちもやろう」

「で、財源どーするんだよ。いくらでやるんだよ」

「・・・・・・・・・・・」

という話。

今のところ、この会議って、「みんなで妄想を言いあったあとで、現実を指摘されて、また次回話し合いましょうと言って解散する」ことを基本とする会合のようです。

とりまとめるお役人さん、大変でしょうねぇ・・・。

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