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日薬。がっちりキンダガーデン

なんか、『情報拒否したら90円安いぜ!』という嘘ネタについては日薬が(珍しく)TBSに抗議するなど、一部で盛り上がっているのに、

『薬局変えたら50円安いぜ!』という、『萌え経済学』の森永さんネタは、日薬がスルーして盛り上がっていないよーなので、いちおうネタにしておきます。(なんだかんだいって中野ブロードウェイで一回何万円も使うおたくの節約術ですから、本人は実践してなさそう・・・)

  ☆

全国に五万以上ある薬局のうち、病院の前の大きいところ、つまり、約600(約1.2%)の薬局は、処方せん受付枚数月に4000枚以上、集中率70%以上の薬局は、50円安いのでしょうか。

試算してみます。

大きいとこは、薬剤師の絶対数が多いので、24時間電話対応なんてものをやってます。

んで、ここ二年で、大きいところの後発品の品ぞろえはそれなりに高まっています。自社ブランドなどもあるようですし。

また、大きな病院の前なのでハイリスクと言われる薬を扱うことが多いです。

・・・と、仮定します。

小さいとこは、薬剤師の人数が絶対的に足りないので、24時間対応は不可。

おおむね処方せん通りにするため、近隣の医師の考え方次第で、後発品比率はバラバラ。特に整形外科・眼科・皮膚科系がメインの薬局は両極端。

ハイリスク薬は意外と少なめ。

・・・と、仮定します。

24時間対応 → 基準調剤1か2

後発品数量 → 後発品調剤体制加算1か2か3

ハイリスク → 薬剤管理指導料に+

・・・です。

「処方せん受付枚数月に4000枚以上、集中率70%以上」のA薬局(病院前の競合店がない大きいとこ)が「基準調剤2(24時間対応など)」と「後発品使用数量30%以上」と「ハイリスク薬」とをクリアしている場合、

「処方せん受付枚数月に4000枚以下か、集中率70%未満」のB薬局(診療所前などの小さいとこ)が「基準調剤なし」で「後発品使用数量20%未満」だった場合と比較すると、

基本料の最大差は

A薬局 24+17+30 = 71点、710円

B薬局 40点、400円

ですから、その差は310円。三割負担で、100円。病院の前の大きいところであるA薬局のほうが、100円高いです。

・・・・・・あれ?

「病院前の大きいところのほうが、高い」って、テレビで言ってた(らしい。観てないからなんて言ったか知らないので。番組ホームページを参照しました)ことと、逆になっちゃいますよ。

あらら。

50円トクするつもりで行ったら、100円損しちゃうこともあるんですね。

いろんなパターンがあるので、処方せん内容が同一でも、いろんな金額になります。

『50円安くなる』という言い切りは間違いで、『50円以上安くなることもあれば、100円以上高くなることもある』というグレーな表現が、まあ、なんとかなるラインかと。

「同じお酒を飲むのに、店によって値段が違う」のは、別に問題視されないですよね。

席料が他より1000円安い店に行くかどうかは個人の趣味。

ただ、日本では、保険医療機関の値段は「国の決めた基準」に従って、「基準以上の仕事を行ったならば、決められた報酬を算定しなければならない」という前提で決まります。いわゆる「値引き」は不正というわけですね。

損得勘定だけだと、まあ、そういうことになります。

大きいところだと、「24時間対応」「後発品数量多い」「ハイリスク扱い多い」という加算コンボは普通にみられますから、約600のいわゆる「病院前の大きい薬局」のうち、かなりのところが、「別に驚くほどは安くない」んじゃないかなー、と想像しますが、いわゆる大きいところに勤めている方たちからの意見・反論がまだ見当たらないので、「よくわかんない」という結論でお茶を濁そうかと思います。

600くらいの数なら、いっそ、対象となる全部の薬局に、基本料の額を提示してもらえばいいんじゃないですかね? ハッキリしますよ。

  ☆

上記の仮定は、最大幅を意識したウソ臭い仮定だったわけですが、

薬剤師会が『番組で実際に使われた情報』を公開してくれたので、そちらを見てみます。

  ☆

処方モデル:PL、ダーゼン、トランサミン、イソジンガーグル。

 風邪などでの4日分処方のようです。

A薬局 調剤基本料50点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点

 合計179点 3割負担で 540円

B薬局 調剤基本料34点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点 

 合計163点 3割負担で 490円

  ☆

なんか、こんなモデルだったそーです。

A薬局もB薬局も、後発品数量ベースで20%未満で、「基準調剤加算1(10点)」を届け出ていて、「薬手帳(15点)」を提供しているという薬局のようです。

これって、A薬局で「希望者以外には薬手帳を発行していません」という話なら、最初から「管理料30点」ですよね。新規だったら、他の服用薬などについて訊いて「薬歴」に書くのですから、他に慢性疾患がなければ手帳記載は必要ではないという判断もアリでしょうし。

まあ、A薬局がそんな感じで、B薬局が「経営者の方針で、患者さんに手帳を勧めまくる」薬局だったとしたら、

A薬局 調剤基本料50点、調剤料30点、管理料30点、薬剤料54点

 合計164点 3割負担で 490円

B薬局 調剤基本料34点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点 

 合計163点 3割負担で 490円

・・・てな感じで、金額変わらないです。

更に、A薬局が「うち24時間対応なんかできないし。マジで。深夜とか電話されても起きれないし、ボーッとしてるアタマで仕事するの怖いから、基準調剤加算なんて届け出しないよ。みんなよくできるよな。寝ぼけないで対応できるなんて、特殊な鍛え方でもしてるのかな。それともずっと起きているのかな。起きてても、お酒飲んだら対応できないし、旅行も無理だろうし、講習会や映画館にいたら対応できないし・・・ああ、やっぱり無理だ」というスタンスだったら、

A薬局 調剤基本料40点、調剤料30点、管理料30点、薬剤料54点

 合計154点 3割負担で 460円

B薬局 調剤基本料34点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点 

 合計163点 3割負担で 490円

・・・となるわけですね。

その逆に、

A薬局 調剤基本料50点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点

 合計179点 3割負担で 540円

B薬局 調剤基本料24点、調剤料30点、管理料30点、薬剤料54点 

 合計138点 3割負担で 410円

という開きかたもあります。

ここで

A薬局が後発品提供にそれなりに力をいれていたら、

A薬局 調剤基本料67点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点

 合計196点 3割負担で 590円

B薬局 調剤基本料24点、調剤料30点、管理料30点、薬剤料54点 

 合計138点 3割負担で 410円

くらいまでは、開きます。

調剤基本料の部分だけで、45点。三割負担で140円くらい違います。

さらに、さらに。

A薬局が、「うちは品ぞろえもいいから700品目以上在庫があるので、当然、基準調剤加算は【2】(30点)だよ」と考えたなら、

A薬局 調剤基本料87点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点

 合計216点 3割負担で 650円

B薬局 調剤基本料24点、調剤料30点、管理料30点、薬剤料54点 

 合計138点 3割負担で 410円

ということになります。

・・・いやー、お会計が1.5倍までいくと、ある意味「高級薬局」に通っている気がしてきますね。

いっそ、B薬局が「いや、うち、特に薬のチェックとかしてないし、薬歴もつくってないし、なにか訊かれても絶対に答えないし」というくらいに開き直ったところだったら、

A薬局 調剤基本料87点、調剤料30点、管理料45点、薬剤料54点

 合計216点 3割負担で 650円

B薬局 調剤基本料24点、調剤料30点、管理料0点、薬剤料54点 

 合計108点 3割負担で 320円

という、驚異の価格差が実現しますね。

未来の薬局は、こんな風に、二極化していくんでしょうか。

皆保険なのに、手厚い仕事をしてもらえるのは、裕福層だけ、みたいな。

・・・欧米か。

テレビでは勉強できないいくつかのパターンを追加してみましたが、「50円」と言い切るのは、やっぱり、よくないようです。

どっちにしても、この例で出てきたふたつの薬局は「基準調剤1」の算定薬局ですから、24時間365日対応。薬局に常駐しているとは限りませんが、少なくとも電話対応くらいは「クリアなアタマで」してくれるんじゃないでしょうか。

50円未満で、「薬局に24時間いつでも電話できる権利」を買ったと考えれば、ものすごく、安いんじゃないでしょうか。

では最後に、日薬の対応。

  ☆

2010.4.23

 4月16日放映のTBS番組「がっちりアカデミー」について

  標記番組において「お薬手帳」や患者負担金に関して誤った内容もしくは誤解を招く表現等がありましたことから、本会では、4月21日の午後、担当役員がTBSを訪問し、本会会員からの抗議が多数あることを踏まえ、今後、このような事が起こらぬよう、申し入れを行いました。

 これに対してTBS側より、「次回4月23日の同シリーズ番組において、誤った内容を放送した事について説明を行う予定である。ぜひ協力いただきたい」旨要請がありました。

 以上の経緯のもと、同日夕刻、TBS担当者が来会し、TBS側から番組中に誤りがあったことについて謝罪の上、4月23日放送予定の同番組における対応について意見交換が行われ、説明追加の対策が同番組中で行われることになりました。

 なお、そのことにつきまして下記の通知のとおり、都道府県薬剤師会にご連絡いたしております。

  ☆

2.訂正内容
<VTRナレーション>
先週放送しました「薬の説明書を毎回もらっていたら90円のソン」の中で「薬の説明書」と「お薬手帳」を取り違えてご紹介していました。
薬局でお断りできるのは「お薬手帳」で
また金額も90円ではなく、およそ20円から50円です。
なお、「お薬手帳」については、安全なお薬の服用のため担当の薬剤師さんとよくご相談して下さい。
ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
<テロップ>
注意テロップとして、ナレーションの「およそ20円から50円です。」の部分で、下記を表記します。
“金額はおよそ20円~50円(年齢や負担率によって金額は異なります)”

  ☆

ということです。

『50円安くなる』のほうには、訂正は入らないようです。

日薬の土屋副会長の勤務先(の病院の本体)、東京医科歯科大の川渕教授の発言(「薬の種類を多く備蓄しているから値段が高い」、という医療経済学教授という権威による嘘)については、完全にスルー。

どんな交渉をしてきたのか知りませんが、日薬、やっぱり、抜けてます。

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