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『薬剤師倫理規定の注釈』の考察。前文編。

薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」には、1ページ目より前に、十ページほどの口絵ページがあります。

内容は、『薬剤師綱領』『薬剤師倫理規定』『薬剤師倫理規定の注釈』『はじめに』『目次』の、五つ。

いわゆる、学生さんがブログで「倫理規定なんてものを全部、正確に覚えさせられてさー、正直つらい」と嘆く部分ですが・・・。

大丈夫です。薬剤師倫理規定を暗誦できる薬剤師なんて、まず、いませんから

薬剤師倫理規定の擬人化キャラを書いている筆者なんか、条文自体はコピー&ペーストばかりで、ろくに覚えていません。いいかげんです。条文を覚えられないから擬人化キャラで覚えることにしたくらいですから。

で、そんな調子で、「ぼくのかんがえるやくざいしりんりきてい」ばかりやっているのはよくない、「他の方の考える薬剤師倫理規定」についても書いておかないといけないのかな~、と反省しまして、『薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き』における『薬剤師倫理規定の注釈(『薬局実務実習書』(平成13年・日本薬剤師会作成)より抜粋)』を読んでいくことにしました。

これで、「実務実習の倫理関係カリキュラム、どうやって教えようかなー」と悩んだら、このブログを最初から全部読ませるだけで解決しますね。しないかな。解決すると思うんですけれど。時間も潰れるし。どうでしょう。教えて偉い人。

 ☆

 『薬剤師倫理規定の注釈』

平成9年10月、日本薬剤師会は「薬剤師倫理規定」を改定しました。本規定は、前文と本文10条より構成されています。この薬剤師倫理規定は、社会の人々に対しての誓いの言葉として表現されていますので、唱読していただきたいと思います。

 ☆

という出だしから察するに、まず、基本的に、儀式的な誓いの言葉として、呪文やお経のように、『声に出して読みたい倫理規定』であるようです。呪文やお経も、この「声に出す」部分で挫折する人が多いので、勘弁してほしいのですけれど・・・。(※『ホイミ!』とか『エクスペクト・パトローナム』くらいでもギブアップなのに『天光満る処に我はあり、黄泉の門開く処に汝あり。運命の審判を告げる銅羅にも似て、衝撃を以って世界を揺るがす者。此方、天光満るところより、彼方、黄泉の門開く所へ、生じて滅ぼさん。来たれ!神の雷!インディグネイション!』くらいの長さを誇る薬剤師倫理規定の各条文を声に出すのは、素面ではできないですよ、たぶん)

で、今回は、『注釈』の「前文の注釈」について。

 ☆

前文(の注釈)

 この前文で、本倫理規定の根源は、日本国憲法に基づいていることを明らかにしている。すなわち、日本国憲法第13条に「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と個人の基本的人権と人間の尊厳とを明記し、その上で第25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と述べ、個人の尊重に立脚した生命健康権を保障している。

 薬剤師の職能は、日本国憲法の前文に述べられている国民の安全な生存権、全世界の人々が平和のうちに生存する権利があること、および基本的人権、個人の尊重、公共の福祉、国民の生存権などに基づくことを述べている。

 しかし薬剤師にとっての倫理はこれら法令以前のもので、何事にも優先するものである。ここで言う薬剤師の倫理は、存在することだけでは倫理とは言えず、実践することによってはじめて倫理となるものである。この前文には薬剤師法に定められている薬剤師の任務としての調剤をはじめ、医薬品の創製から供給、適正な使用に至るまで、確固たる薬の倫理が求められていると明記している。

 ☆

注釈は手打ちで引用したのですが・・・。けっこう、長かったです。長い文に関しては人のことは言えませんので、もごもごもご・・・。

薬剤師倫理規定「前文」

 薬剤師は、国民の信託により、日本国憲法および法令に基づき、医療の担い手の一員として、人権の中でもっとも基本的な個人の生命・健康の保持促進に寄与する責務を担っている。
 この責務の根底には生命への畏敬に発する倫理が存在するが、さらに、調剤をはじめ、医薬品の創製から供給、適正な使用に至るまで、確固たる薬(やく)の倫理が求められる。
 薬剤師が人々の信頼に応え、医療の向上及び公共の福祉の増進に貢献し、薬剤師職能を全うするために、ここに薬剤師倫理規定を制定する。

・・・というのが、注釈で言う「この前文」ですから、

もうすこし軽く書けば、注釈の内容は、

1.薬剤師倫理規定の「根源」は、日本国憲法(第13条、第25条)に基づく。

2.薬剤師の「職能」は、日本国憲法(前文)に基づく。

3.「法令よりも優先して【実践】する薬の倫理(=薬剤師倫理規定?)が存在する」

という三点だということでしょうか。

薬剤師倫理規定第三条が「法令遵守」なので、3番目の理論は最初から挫折。

「法令よりも優先すべき」である「実践しなければ意味がない誓い」に「法令を守る」という誓いが書いてあるのですから・・・いきなり矛盾するわけです。困りました。

「倫理より法令を優先しなければ第三条は実践できない。法令よりも倫理を優先しなければ意味がない」?

・・・変なの。

あれかな、ロボット三原則のように、「1,2に反しない限りにおいて」3が成立するのかもしれません。

あるいは、日本国憲法が、トンデモな方向に変わるようなことがあれば、3が生きてくる、とか?

で、3に該当する「薬(ヤク)の倫理」ですが。

存在する、というだけで、それって何なのかという大事な部分が抜けているんですよね。本文も、注釈も。注釈なんだから、書いておいてくれればいいのに。

「法令よりも優先して【実践】する薬の倫理」は、「薬剤師倫理規定」で表現されているはずですから、どのあたりの条文がそれに該当するのかなー・・・と探すことになりそうです。

しばし、座禅を組んで考えます。

ポク、ポク、ポク、ポク、ポク、ポク、ポク

だめだぁ・・・。

閃かなかったので、再度、注釈を見直します。

「確固たる薬の倫理が求められていると明記している。」

・・・むむ。

ここだけ読めば、「求められている」と「明記されている」だけで、「確固たる薬の倫理が明記されている」わけではないようです。

でも、【この前文には薬剤師法に定められている薬剤師の任務としての調剤をはじめ、医薬品の創製から供給、適正な使用に至るまで、確固たる薬の倫理が求められていると明記している。】という流れだと、「薬剤師法第一条≒薬剤師倫理規定第一条」が「確固たる薬の倫理」として「求められている」ことになりませんかね・・・。

第1条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

創製とか適正な使用とか、ひっくるめて、「その他薬事衛生」ですからね。

うーん・・・この注釈では、「薬(やく)の倫理」って、薬剤師法第一条ですよと言いたいのでしょうかねー。で、それは、法律より優先される、と。「根源」「職能」の基であるという法律・・・日本国憲法より、薬剤師法の第一条である「薬剤師倫理規定の第一条」が大事、と・・・そういうことなのでしょうか。

・・・この「注釈」、これまでに数万人の薬剤師が読んでいるはずですけれど・・・。

誰も、おかしいと思わなかったんですかね・・・。

(注釈の解説を試みようとして、注釈があまりにもアレなため、初回から挫折しております。)

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