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日経DI。三浦委員インタビュー。超絶言い訳がスゴイ

日経DI三月号。中医協の三浦委員がインタビューを受けています。

とりあえず、お手元の日経DIをご覧ください。

中医協での「前任」山本信夫副会長から「大変な時期だけどよろしく」と言われたという三浦委員。札幌との行き来ですから、時期&移動が、それはそれは大変だったと思います。(山本信夫副会長は東京の人です)

就任後まもなく、社会保障審議会による改定の基本方針がほぼ固まりましたし、中医協でも既に議論が進められていた状況の中での参加でしたので、今回については、「自分が何かを変える」ことは容易ではないと感じましたね

という感想を述べていますが・・・、「容易ではないと感じたけれど、がんばって、変えました」という話ならわかるのですが、「容易ではないと感じて、実際に何も変えられませんでした」という話だったら、みんな怒るんじゃないですかね。

※ここで、参考資料として、このブログで以前に書いた『中医協議事録でみる三浦委員の活躍度』シリーズを読んでみてください。

第四コーナーを回って最後の直線コースに入ったところ』から議論に参加して、議論レースを盛り上げた診療側新任委員が三人いた一方で、

第四コーナーを回って最後の直線コースに入ったところ』から議論に参加しているからという理由で、完走したことだけで満足している診療側新任委員が一人だけいたのだ

・・・ということが、よくわかります。

診療側の新任委員は、嘉山委員を筆頭に、突っ込んだ議論、前例主義の打破、議論済みとされる話の再検討、従来型の説明ばかりの議事の改革などを積極的にやっています。喧嘩腰の討論ばかりです。

新任であっても、問題意識・当事者意識がしっかりあるならば、議論には参加できるんです

三浦委員が他の診療側新任委員さんの意見に対して、「私もそう思います」「賛成です」のような意見を出していたかというと、そんなこと、全員に訊かれでもしない限り、していません。議論が熱くなると、賛成とも反対とも言わず、黙っているだけ。

「第四コーナーを回るところまで議論に参加していた人」のあとを継いだだけだから、何も変えられないんだと。前任者がおぜん立てしてくれなかったから、変えられなかったと。あるいは、前任者が引き継ぎをしてくれないから、議論に参加できなかったと。そういうことを、三浦委員は言っているようです。

これ、「第四コーナーを回るところまで議論に参加していた人」、つまり、山本信夫副会長がダメだったという話ですよね、ようするに

もし中医協の前任者のせいではなく、『社会保障審議会による改定の基本方針がほぼ固まった』ことを「変えられない」理由とするならば、社会保障審議会のせいにしたいということです。山本信夫副会長は、社会保障審議会医療部会の委員ですから・・・やっぱり、山本信夫副会長がダメだったという話になるのですけれど。

中医協でも、「根本的にここを見直すべきなのではないか」という意見を出しても、「そこはもう議論したところなので」とか、「かつて議論した結果こうなっている」と言われてしまうのです。そこに対して歯がゆい気持ちはありました。それは私だけではなく、今回、中医協の委員に新たに選ばれた皆さんがそう思ったのではないでしょうか

と、三浦委員は述べています。

この発言は、「根本的にここを見直すべきなのではないか」という意見を、三浦委員が何度か出しているということ前提ですよね。中医協の議事録はぽっかり抜けているところがありますから、そこでの発言なのでしょうか。現在公開されている議事録には、そういった意見を述べた形跡が・・・うーん・・・読みとれないです。「根本的な見直し」を迫るのであれば当然用意すべき「資料」を、三浦委員は、「医療経済実態調査に係る意見について」(診療側の全委員が提出している宿題)以外は提出していないですしね。

歯がゆく思っただけで、おしまい。そんな自分(三浦委員)と、歯がゆく思うくらいに議論の中心にいた他の新任委員とを同列に扱う、【それは私だけではなく、今回、中医協の委員に新たに選ばれた皆さんがそう思ったのではないでしょうか】という言葉には、違和感を感じました。

他の委員の方は「医師会代表」枠がなくなったため、ある意味新規&病院枠。三浦委員は、山本信夫委員から引き継いだ「薬剤師会枠」です。「もう議論した」り「かつて議論した」りという話の「議論に加わった人」には、薬剤師会枠で出席していた人が含まれます。最近で言えば、漆畑・山本ライン。同じ薬剤師会代表なのに・・・彼らの参加した「かつての議論」のせいで、三浦委員の考える「根本的に見直すべき問題」が残ったまま、議論をさせてもらえないのでしょうか。「大変な時期だけどよろしく」というエールをおくられた相手こそが、最大の敵だったという話に見えます。

インタビューは続きます。「キモ」となる発言は、以下の通り。

でも、そういう中で議論をして、切に感じたのは、常に患者さんの立場だったり、国民の目線で話をしないといけないということです。「薬剤師はこう思う」という声ばかり上げているようでは、相手に納得してもらえないのです

ということですけど。そんなことは、あたりまえです。「切に感じた」という表現は、「これまではたいして考えていなかったけれど」という前提をもった表現ですよね。今までそんな考えで日薬の理事をしていたのかと、とても驚きました。せめて「議論をしながら感じる」のではなく、「前任者からの引き継ぎ段階で覚悟」しておけば・・・とも、思いますけれど。

「薬剤師がこう思う」のは「患者さんに対する最善尽力義務を果たすために」という目的があります。薬剤師倫理規定第五条ですね。目的を見失った「声」をあげたって、無視されるのは当然です。

で、『患者さん目線』の例として、三浦委員は【口内崩壊錠から普通錠などへの剤形変更】をあげて、【薬剤師の声を受けて、裁量を広げてもらったものです】と話します。

患者さんのメリットを強調して、納得してもらいました・・・という話の主語は、「三浦委員が」です。で、「誰に」裁量を広げて「もらった」んですかね。どういう議論で?どんな過程で? そういう部分が、すごく不透明です。当初の剤形変更案では、外用の軟膏もクリームも変更可能で、そこまで変更可能なのに先発併売品の変更は不可能っていう案がでてましたけれど、これ、三浦委員が、そういう案にするよう、具体的に事務局へ頼んだとでもいうんですかね

剤形変更についての議論は・・・、「短冊」という変な専門用語で呼ばれているらしい「具体的な文章」をつくり、事務局が提示したのは二月三日分の資料。

二月三日に、議論をしたわけですが・・・現在公開されている議事録には、三浦委員が「口内崩壊錠から普通錠などへの剤形変更」について、メリットを主張した場面はありません。剤形変更案に関しては、外用剤の件など、他の委員から修正意見が出た程度。

三浦委員はインタビューに対して『こう説明することで、医師の方々にも納得していただくことができました』と言っていますが・・・それ、いつ、どこで話したのでしょうか? まるで、中医協の議論の中で医師を説得したかのような言い方ですけれど。

今後公表される部分の議事録に、その雄姿を探したいと思います。

  ☆

おまけ。

インタビュー後記にて、中医協と札幌薬剤師会の会合の両方に出ていて大変だった・・・的な話がでていますが、全国の薬剤師の代表なのですから、もっとブレーンと相談するなり資料を作成させるなり、議論にあたっての「武装」をかためるということは考えなかったのかな・・・

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