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『薬剤師倫理規定の注釈』の考察。第六条。

『薬剤師倫理規定の注釈』を読んでいくカテゴリ。今回は第六条です。

第五条では、『患者の利益』が『QoL』に置き換えられるという展開でした。

第六条の注釈がまた、長いので打ち込みがメンドーなのですが、ちょっと頑張ってみます。

  ☆

第六条(の注釈)

昭和54年の薬事法改正によって、医薬品の有効性と安全性を確保することが薬剤師の最重要の業務となった。

現在の医薬品は、患者の疾病の治療効果が直接的で強力な効力を持つものが多くなってきた。そのために患者への適用は、効力の温和なかつての医薬品と比べると副作用などの安全性に注意を払うことが重要な課題となってきた。

患者のために、処方する医師と共同して医薬品の安全性を確保することは、医療の担い手として医薬品に関わる責任者である薬剤師には重大な職能義務である。

薬剤師の技能知識を活用して品質の確保に努めることは、医薬品の専門家、責任者として当然の義務である。良好な品質を持つ医薬品を患者のために効果的に適用するために、医薬品の用い方、管理保存などの適正使用が最重要の技能となった。

平成9年の薬剤師法の改正により、第25条の2として、患者への医薬品情報の提供が義務付けられた。患者の生活の質の向上のために、医薬品に関する情報を公開することが求められている。

しかし薬剤師の職能と技能を発揮して、医療行為が患者の利益になるように行う医薬品情報提供であるので、医療の担い手として医師との協力のもとに医薬品情報提供が行われなければならない。

  ☆

薬事法・薬剤師法改正をからめているのは、薬剤師倫理規定第三条・第四条的に、ヨイコトです。こういう部分がないと注釈として弱いですよね。

今回のキーワードを挙げていくと・・・

1.医薬品の有効性と安全性を確保することが薬剤師の最重要の業務

2.医薬品の用い方、管理保存などの適正使用が最重要の技能

3.医師との協力のもとに

といった三つがポイントのようです。

ついでに・・・、あいかわらず、「患者の生活の質の向上のために」という言葉がありますね。なにがなんでもファーマシューティカル・ケアにつなげたいようです。

では、条文を見てみましょう。

薬剤師倫理規定第六条

薬剤師は、常に医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に努める。また、医薬品が適正に使用されるよう、調剤及び医薬品の供給に当たり十分な説明を行う。

はい、薬剤師倫理規定第六条では、「最重要」なことは述べられていません。

第一条で規定された「任務」遂行において、「十分な説明」という情報管理行ってくださいね、と言っているだけです。ファーマシューティカル・ケア的には最重要な業務・技能も、他の哲学においては最低限の業務・技能でしかないこともあるのですが、「注釈」の中のヒトには、そんなことは関係ないようです。

「医師との協力」についても同様。そんなこと、第六条には書いてありません。

もちろん、薬剤師倫理規定第五条・第八条とのコンボで考えれば、医師との協力も関係してきますが、「注釈」ではそこに触れていません。そこに触れずに「医師が医師が」と言われても、ちんぷんかんぷん。

医薬品の情報提供なのですから、まずは薬剤師が情報をつくりだして、それをベースに他の医療職と協力する・・・という話なら、なんとなくわかるのですけれど、はじめから、医師との協力ありき!という書きかたですからね・・・。具体的にどのように「協力」すればいいのかを書いていないので、『医師との協力のもとに医薬品情報提供が行われなければならない。』と言われても、どうしたものやら。

薬の専門家なのだから、自分で情報を集め、つくり、まとめ、活用する・・・のが先で、初めから医師ありきというのは、おかしな話です。『はじめから親をあてにして夏休みの宿題をやりましょう』なんてことを言う先生はいないと思いますが、「注釈」の先生は、そういうことを言っても平気な先生のようですね。

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