日経DI。この例に、この注釈?
日経DIっていう薬剤師向けフリーペーパーが届くのですが、
今月の煽り文句は、
「北斗のことは、俺に聞け」
じゃなくて
「プロ野球選手が練習を怠らないように、薬剤師は勉強を続けるのが義務なんです」
というお言葉でした。
薬剤師は個人事業主だと思え、ということですから、
「プロ野球選手(個人事業主)が練習を怠らないように、薬剤師は勉強を続けないと解雇されます」
という意味だと思います。
勉強を続けるのは義務なのかというと・・・、「薬剤師倫理規定(第四条)」的にも、「薬担規則(第八条。保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師は、保険医等の交付した処方せんに基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない)」的にも、お金を含めた薬剤師の様々な「権利」を得るための「義務」ですよ、と、ゆるい縛りではありますが、半義務化されています。
アカデミックな勉強がキライな筆者にとってはキツイところです。
さて。ここからが本題。
今月のReportには、アメリカの薬局で行われているドラッグフリー万歳な薬ワゴンセールなどについていろいろと書いてあるのですが、薬物療法管理サービス(日本では当たり前)についての「報告書の一例」に注目。
・・・英語です。
メラニー・クラインさんという薬剤師さんが書いたという「MTMの報告書」の図が、モザイク入りで掲載されています。(プレミアムじゃない部分の2010年1月号35ページ参照)
英語なので、図の下に日本語で書いてある注釈を読みます。引用すると・・・
『ハドソン・ディスカウント・ドラッグ(ノースカロライナ州ハドソン市)のメラニー・クライン氏が書いたMTM報告書の一例。骨粗しょう症などがある患者の服用薬リストと薬物療法に関する問題の解決策を書いている』
という注釈です。
「へー、アメリカの薬剤師は、なんだかスゴイなー」
と、素直に納得してしまった人、危険です。
図をよく見てみると・・・。
上部には、服用薬リストと副作用チェック、応対のコメント欄。
下部には、問題と解決策。
という形で、その間の部分は「中略」といった状態で掲載されています。
掲載者の意図を、「上部が、服用薬リスト」「下部が、薬物療法に関する問題の解決策」であると、主張している図になっています。
どんな薬を使っているのか、気になりますよね。
書いてあることを、中学生レベルの拙い英語力でみていくと・・・(※カッコ内は、筆者補足)
【服用薬リスト】
アクトネル(骨粗しょう症用)
スピリーバ(吸入。気管支拡張)
アドベア(吸入。アドエア。)
プロエアー(吸入。気管支拡張。アルブテロール)
シクロベンザプリン(筋弛緩剤)
ベナゼプリル(ACE阻害剤。チバセンとか)
・・・と、なっています。
骨粗しょう症っていうか、COPDの患者さんですよね。これ。
んで、コメント欄には「Stop smoking」。
COPDだから、薬物療法以前に「タバコやめろ」って、医師の指示を受けてきていると思いますが、念を押したのでしょうか。
アクトネルのコメント欄には「Ca++ + V1 + D BID」という謎の文字列。
競りや入札とは関係なさそうですので、カルシウムとビタミンDでも摂ったら?的なことでも言ったのだと勝手に解釈してもいいのですが、わけわからないものは、わけわからないものとして扱います。
ベナゼプリルのコメント欄は記入なし。
唯一「副作用あり」にチェックがついているシクロベンザプリンのコメント欄には「眠気」の一言のみ。患者さんから「眠いんですよ」と言われて「眠いんですね」と答えたのでしょうか。
薬物療法の問題の例にするなら、まさしくここですから、下部の「問題と解決策」には、眠気に対する問題解決策が書いてあるのかと思いきや。
problem identified.
cost of actonel.
recommendation.
switch to fosamax 70 Q week
だって。
「アクトネル高いよ!」
「じゃあフォサマック70mgにしようぜ!」
という「問題と解決策」が、「薬物療法」の例として書いてあるわけです。眠気じゃなくて。
英語のわかる方や、この図で納得した方に質問。
この図、
『ハドソン・ディスカウント・ドラッグ(ノースカロライナ州ハドソン市)のメラニー・クライン氏が書いたMTM報告書の一例。骨粗しょう症などがある患者の服用薬リストと薬物療法に関する問題の解決策を書いている』
という注釈で、あっていますか?
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