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PS。老年薬学のススメ?

日薬誌1月号が届きました。

今回は、108ページ、「第42回日薬学術大会(滋賀)おもな講演、分科会要旨」の「分科会13『生涯学習の推進と充実』」を読みます。

この分科会、二日目の開催だったので、ポスター発表側にいると、行けないんですよね。

レポートそのものについて、先に文句をつけておきます。

・・・これ、会員向けに動画配信すれば、終わりじゃね

学会って、会員向けに開かれていてほしいのですけど。毎回、会場先着200名様限定のシークレットライブを行って、ライブ映像もDVD販売もなんにもなしで、おしまいっていうのは、どうかと思います。

「学会要旨」の冊子と日薬誌で、同じ分科会の「要旨」内容が異なるというだけでもおかしいのですけれどね。さすがは、「薬剤師倫理規定視覚化の試み」を査読で通した組織です。内容の当日変更くらいでは、動じません。

レポートによると、おもに【ぷろ☆すた】とクリニカルラダーについての話があったようですが、まずは社会薬学の探究者である福島教授の基調講演「大学と薬剤師会のコラボレーションによる生涯学習の実践 ~実習を活用した生涯研修の事例~」について。

【レポートから読み取れた「基調講演の内容」】

 生涯学習とは「生涯を通じて日々これを学ぶ」という意味。

 生涯学習の実行は、容易ではない。

 薬剤師免許を持つこと=自己研鑽の義務を負うこと。

 能力を保ち続ける意志が大切である。

 生涯学習には三つのカテゴリーがある。

  カテゴリーA.『自己研鑽』

   自己の知性・理解力を刺激し続ける働き。

   知識欲が源泉。

   好きな方向だけに向いてはいけない。

  カテゴリーB.『機能発揮』

   専門職としての機能を発揮する準備。

   問題が発生する前に準備する働き。

  カテゴリーC.『社会同期』

   社会的要求に対応する鋭敏な行動力。

   カテゴリーA.B.の学習効率を向上の働き。

 多くの薬剤師は、三つのカテゴリーを理解している。

 あとは「効率的でわかりやすく、具体的で実践的な教育・訓練を備え、他の薬剤師の工夫事例・情報ネットワークが共用できるプログラム」を構築することが重要。

 三つのカテゴリーの達成を目指して、東京都薬剤師会と協力して『老年薬学』講座を試行。

 この「老年薬学」プログラムのように、生涯学習支援プラットフォーム(基盤、くらいの意味かな?)構築は、薬剤師・薬剤師会・大学が三者一体で進めることが重要。

【以上】

この内容を、薬剤師倫理規定の各条文で考えてみると。

第四条をベースにして、

生涯学習の実行は容易ではないが最善を尽くすという意味で第五条

知識欲を源泉とし、準備をするので第六条

社会的欲求と率先する行動力から第七条、第八条

そのあたりの話をしているわけです。

「薬剤師であれば、薬剤師倫理規定を遵守している」という夢のような前提で考えれば、『多くの薬剤師が「三つのカテゴリー」を理解し実践している』という結論になります。

 薬剤師免許を持つこと=自己研鑽の義務を負うこと。

については、そんな「義務」は存在しませんから、薬剤師倫理規定第四条原理主義にならない程度でお願いしたいのですが、

 好きな方向だけに向いてはいけない。

と言われると、けっこうツライです。

筆者もツライですけれど、好きな方向を向いて専門を追及するのが仕事である大学教授が実践できるとはとても思えないので、要旨からは真意がわかりません。

 三つのカテゴリーの達成を目指して『老年薬学』講座を実践。

という発想の飛躍は、講演会場のコンベンションホール内にいた聴衆全員が全く疑問に思わなかったとしたら驚きですが、要旨ではさらっと流されています。

老年薬学講座を受講したら生涯学習三つのカテゴリーが達成できる?

なんか違うよーな。

てゆーか、この要旨、おかしいです。

「多くの薬剤師は三つのカテゴリーを理解している」という(ファンタジー風味の)前提のもとで意見を展開しているわけですから、既に理解している部分を達成するための講座は、多くの薬剤師にとっては必要ないものですよね。

老年薬学講座って、「効率的でわかりやすく、具体的で実践的な教育・訓練を備え、他の薬剤師の工夫事例・情報ネットワークが共用できるプログラム」のほうじゃ、ないのでしょうか。

実際に講演を聞いてきた真面目な方、どちらだったか覚えていたら、日薬誌に投稿よろしくおねがいします。「To Editer」という、間違いを指摘するだけなのに査読される面倒な論文投稿規定がありますので、そちらから。

注:筆者の日本語能力がダメ過ぎて、日薬誌に掲載されている要旨を的確に読めていない可能性もあります。まずは日薬誌1月号をご覧ください。

個人的には、「老年薬学」なんていう狭い項目は必要なくて、「年齢薬学」「人生薬学」「生涯薬学」くらいの視線で、小児から年配者までを対象にした総合学問でいいんじゃないの? と思います。年齢で区切ると後期高齢者医療制度みたいに、どこかからクレームがつくかも・・・なんてことは関係なく。「年齢・環境・遺伝子などによって個体差がある」ことへの対処方法って、老年じゃなくても大事だと思いますけど。

それにしても。

 この「老年薬学」プログラムのように、生涯学習支援プラットフォーム構築は、薬剤師・薬剤師会・大学が三者一体で進めることが重要。

と、「強調」されていたようなのですが・・・。

福島教授の老年薬学プログラムは、平成18年度文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラムに採択されたことで三年間研究したノウハウから生まれたプログラムのようですから、「行政」あるいは「補助金」も重要ですよ、という話がでていてもおかしくないのですけれど・・・

お金のことは、どこにいってもタブーなんですかね?

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