« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »

2010年1月

診療報酬。中医協委員の時給は12万円?

嘉山委員が加わってからの中医協は、貴乃花が理事になった場合の相撲協会並みの改革モードです。

一日の会合で、「私は2050円もらっている」という発言がでたそうです。

一回の会合は、最長で150分ほど。

最短では、9分以内。

時給換算すると、820円(150分)~13660円(10分)なのかなー、と思ったら。

厚労省「20200円(一回)の間違いです」

と、訂正が入ったようです。

十倍になりましたよ、奥さん。倍率ドン。さらに倍。

懐に入ってくるお金に興味はないとばかりに間違えた(のか、本当に2050円だけもらっているのかはわかりませんが)嘉山委員もスゴイのですが、

他の委員が、いくらもらっているのかと問われて「口をもごもご」させているのが、情けない限り。

・・・とか言っている間に、一月二十九日、参考資料が公表されました。

審議会等の委員手当額(いわゆる謝金)

 会長             29700円

 公益委員          27200円

 一号・二号側、専門委員 20200円

※審議会等とは、国家行政組織法第8条並びに内閣府設置法第37条及び第54条の審議会等をいい、中央社会保険医療協議会は、これに該当する。

※委員手当は、中医協開催の1日につき1回支払う

※委員手当は、国家公務員が公務として出席する場合は支給しない。また、委員手当の受取を辞退している委員がいる

※国家公務員等の旅費に関する法律に基づき、一部の委員に旅費、日当(雑費)、必要に応じて宿泊費を支給している

以上。

もともと決まっている額なのに、口をもごもごさせているとしたら、逆に恥ずかしいですね。

これ、会議に出た委員全員に、支払われているんですよね?

たとえば、「山形から通勤」の場合で、新幹線往復12000円ほど。「指定席が定番」だとしたら、往復で2万円超。中医協はこのところ二日に一回ペースですから、土日以外の開催中は宿泊費(都内。1万円程度?)も必要ですね。

「日当(雑費)」という項目がありますが、なんらかの説明があるのでしょうか

宿泊・交通費込みで考えると怖くなるので、会議費のみで計算します。

委員総数は、おおざっぱにいって20名。

つまり、一日の会議で、40万円ほどが支払われていることになります。

(事務方、つまり公務員の日当分なども含めると、もっとかかっていますが・・・)

中医協総会は、ここ三カ月で十六回ほど開催していますので、会議人件費だけで640万円以上かかっていることになります

中医協議事録で、事務方を除いた場合の「議論」における発言者を確認していくと、議論に参加している人と参加していない人とが、はっきりします。

会長と事務方以外、全く発言せずに終わる回も、かなりあるのですが。

そのときも、20200円?

10分間、人の話を聞いているだけで、20200円。感想もレポートも必要なし。夢のような、無駄な仕事です。

議員さんたちも似たような環境ですね。たったひとりが演説するのを、数百人が聞いているだけ。「内職」したり、寝たり、ツイッターで呟いてみたり、いろいろな過ごし方があるようですが、こちらは本当に長時間かかるので、何もしていないと辛いだろうなー、と想像できます。原稿を読めばわかる部分については資料で済ませて、空いた時間を有効活用するのも、ひとつの合理化。(出席するごとに歳費を出すのはやめてほしいと思いますが)

でも、さすがに、10分は・・・。

時給換算、12万1200円ですよ。

一日に三つの会議があって、そのすべてが10分だった、という日もあるわけで。

金額、多い・・・ですよねえ。日当にするのは、良くないんじゃないかと・・・。

きっちり議題を理解して、資料に目を通して、議論に参加している委員の方には、もっと払ってもいいと思いますが・・・。

議論に参加しないとか、

「異議なし」と言うためだけに存在するとか、

そういう委員は、せめて、「無発言・無理解の場合は、報酬大幅カット」に、しないと。

そのうえで、10分で終わる予定(式次第に、初めから終了時刻が書いてあります)の会議は、日当計算にいれないようにしないと。

「委員手当ての受け取りを辞退している委員」がいるようですが、「手当てを受け取っていないから、会議で発言しなくても良い」という理屈は通りません。(手当て辞退の委員のほうが、ちゃんと発言している場合が多い・・・のが、世の習いではありますが)

「会議」が、予算を食いつぶします。

無駄を省くのならば、会議経費を減らすのって、大事ですよね。

インターネットで中継すれば、『所属組織へ情報伝達するためだけに存在する』委員など、不要です

委員の数を減らして、浮いた予算で、中継と、音声ライブラリーの整備を行ってもらえたら、発言がない委員にも、もう少し緊張感がでると思うんですけれどね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

診療報酬。公聴会アンケート、キターッ!

厚労省・仕事が早い、カッコイイ男たちの成果が、やってきました。

第162回中央社会保険医療協議会総会(公聴会)の概要』です。

中医協総会に、資料として提出されました。

単なる公聴会の議事録・・・と、思ったら、大間違い。

なんと、『会場アンケート(140人分)』が、付録でついてきます。

「私、聞いてない!」的なものですよ。

公聴会傍聴の案内には、アンケートのことなんて、一切、書いてありませんでしたし。

公聴会関係のニュースでも、アンケートをとったなんて書いてなかったですよね、たぶん。

で。

発表者の意見は、「要旨」にしてしまってるんですが、

会場の傍聴者140名(傍聴者総数、200名。前回よりだいぶ少ないです)に聞いた意見は、「そのまま」掲載しているようなんですよ、これ。

それも、「どんな立場の人からの意見か」も、添えて。

これ(あくまでも、「アンケート」であって、正式な「パブコメ」ではない、手続きを踏んだかどうか不明な意見集)が、この形式で、「正式な資料」だということは、ですよ。

パブコメの意見だって、「そのまま」資料化してはじめて、「正式な資料」としての価値があると考えて、いいんじゃないですかね。

たとえば、

 ○(前略)ハイリスク薬加算を支持する。(日本薬剤師会)

といった形で、「書いたとおりの文面で、どんな立場で書いたのか明確な状態で、資料化される」のが、「正式な資料」ということで。(※日本薬剤師会がこんな意見を出したかどうかは知りません)

前回、前々回を踏まえれば、4000件以上の意見を、「そのまま」資料化するのですから、読み込んでくる側としては、誰かが「オラ、なんだかワクワクしてきたぞ」とか言い出しかねない過酷さだと思います。(でも、がんばれ。そして議論しろ。)

アンケート意見には、パブコメにはない項目があります。

それが、『9 公聴会に対するご意見』です。面白いので、全部引用します。

【中医協への意見の反映】
パブコメを含め、中医協に反映させてほしい。(男性・その他医療従事者)
    ※同趣旨の意見多数
○ 公聴会で出た意見をその後中医協としてどう検討してどう結論を得たのか、目に見える形で示していただきたいと思います。(男性・会社員(医療関係企業))
○ 意見について、中医協でしっかり議論していただきたい。特に歯科について議論が少ない。(男性・歯科医師)

【開催時期・開催場所・開催頻度等について】
○ 開催の都道府県を持ち回りにする等、偏りのないようにしてほしい。(男性・その他医療従事者)
○ もっと多くの一般者からの意見を聴集するべきである。年間を通して意見を聞く会があればよい。(男性・その他)
このように広いところで毎回やってほしい。(男性・その他医療従事者)
○ 行政刷新会議のようにインターネットで公開してはどうか。(同趣旨の意見が他に2件)場所が不便であり、多くの人が行きやすい場所にしてほしい。(東京・大阪・名古屋など)(男性・会社員(医療関連企業))
○ 中医協が映像等で公開していただけることを期待します。(定員オーバーで参加できないことが多々あるため、また、早朝に並ばなくてすむため)(男性・会社員(医療関係企業))
○ 都内からは遠すぎます。関西圏の方は来られないのではないでしょうか(男
性・会社員(医療関係企業))
公聴会開催地区の選定過程、選定理由が明示されていれば明示するべき
公聴会は、発表者と委員で議論があってもいいのでは。(男性・自営業)
○ 公聴会といえども、周囲を見渡すと関係者が多いように見える。厚労省をもっとこの公聴会の回数を増やして一般傍聴者に意見を問う機会をつくるべき。ただ単に場所を変えただけのガス抜き会合ではナンセンスである。(男性・会社員(医療関係企業))
○ もっと早い時期に開催しなくては意味がない。(男性・医師)
○ もっとディスカッションに時間があればよいと思います。(同趣旨の意見他1件)(男性・その他医療従事者)
○ 聞くだけではなく、委員としての意見もあってもよいのではないか。それにより、発表者、パブリックコメントの意見反映と協議会内容をより理解できると考えます。(男性・薬剤師)
○ 診療関係者6 人、支払い2 人、患者1人の意見でしたが、患者側の声をもっと聞きたかったです。(男性・会社員(医療関係企業))
意見を言われた方が、中医協委員の質問に答えきれていないようです。例えば、医師や保険者、医療従事者である程度傍聴席を分けて答えられる方が答えた方がいいのではないでしょうか。(男性・その他医療従事者)
○ この公聴会は改定年だけではなく、年2 回程度行うといいと思います。(男性・その他医療従事者)
○ 代表者の意見だけではなく、集まった意見(70数件)も紹介してほしい。(男性・その他医療従事者)
○ 世間では話題となっている診療報酬改定とあって、期待して会場入りしたが、公聴者が少なく、PR不足ではないかと感じた。もっと国民に広く参加できる工夫を。(男性・その他医療従事者)
○ 質問に対する答えや考えについても話してほしい。(男性・その他医療従事者)
○ ただの形式的なものでは。(すでに決定しているのに)(男性・その他医療従事者)
○ 医療の現場の生の声を聞くことができ、勉強になりました。割合は少ないのかもしれませんが、医療機器医薬品等のメーカーの意見も聞いてみたいと感じました。(男性・会社員(医療関係企業))
○ 医療業界関係者からの質問、意見を聞くのみでは意味がない。一般的に公聴会とは、医療側、支払い側、政府での質疑応答をイメージしていた。2時間では短いと思う。(男性・会社員(医療関係企業))
○ 各分野の開催が望ましいと思う。(男性・その他医療従事者)
○ 意見発表者の名簿を配付してほしい。(匿名なら匿名の配慮をしたうえで)(男性・会社員(医療関係企業以外))

【その他のご意見】
前半のナースの質問は、具体的でよかった。彼女の質問に行政や委員は真摯に答えてほしい。(男性・会社員(医療関係企業以外))
訪問看護の方が特によかった。(男性・会社員(医療関係企業))
○ 世間が新政権のもと、事業仕分けのような改革を行っているなかですので、透明化のある議論が行われるようよろしくお願いいたします。(男性・会社員(医療関係企業))
通常より委員が紳士的であった。(男性・会社員(医療関係企業))
○ 歯科についての意見を提出させていただきありがとうございました。(男性・歯科医師)
○ 嘉山委員の質問、お薬外来に対する回答がなかったことは残念。(他にもとばされた質問があった)(男性・会社員(医療関係企業))
○ 委員の方々の姿勢に感激いたしました。(男性・歯科医師)
○ 意見発表者の結果の報告があればと考えます。(男性・その他医療従事者)
○ 的を外しているかもしれませんが、本日の公聴会、医療従事の立場(A)、国の立場(B)からのものと見受けられました。Aの立場を満足させれば、結果国の支出が増え、いずれ我々国民の生活が苦しく、逆にBの立場を優先させ、現場に我慢を強いれば、結果国民にサービス低下として表れると抜本的な解決に至らないと考えた。AとBの他にC(一般市民)の3つの意見・思想の反映が必要ではないだろうか。常にすべてにおいて思うことだが、「市民の目」からの改正・改訂ではなく、施行されるものすべてがどこか絵空事に思えて実用性に欠けるものではないか。(男性・会社員(医療関連企業))
○ 現場の方の意見中心の会は机上ではない生の現況や苦しみや矛盾をあらわにされ、それが少しでも中医協の方々のなかで前向きに検討されることを願います。しかし、病院や診療所の報酬を上げることが経営者の利益になるのではく、患者様のためになるような費用配分を考えていただきたいと思います。(男性・会社員(医療関係企業))
中医協の運営費用を一度総会等で開示していただきたい。利益代表の意見を聞くのであれば、総会でのヒアリングで十分。(男性・医師)
○ 意見者と委員の議論がかみ合わない。(男性・その他)
○ 一般意見陳述の内容はすでに分かりきった事で、この時期にこのような意見を聞いているようではパフォーマンスとしか思えない。(男性・その他医療従事者)
○ 具体的な改定内容が提示されず、各診療側からの意見を聞くというパフォーマンス(意見を国は聞いてやった)であったと思います。残念な内容でした。まさしく公聴会でした。具体的な内容を聞きたくて期待して来た人はがっかりした内容でした。(男性・その他医療従事者)
○ 医療現場からの貴重な意見を聞くことができました。(男性・会社員(医療関係企業))
○ そもそも形式的すぎる。(男性・医師)
○ 初めて公聴させていただきましたが、一般市民にとっては医療関係者の意見交換会のように思えました。総理大臣も週末には全国に意見を聞く会を作っていくようですが、もう少し多くの国民が公聴できるようにして、意見をきいていただけるよう、もっと国民のためになる場(医療関係者だけでなく)としていただきたい。今回はこの公聴会は福島だけの開催なのでしょうか。たった9 人の意見を公聴するだけなのですか。(男性・その他医療従事者)
○ 具体的な現場の意見が生で聞けたのでよかった。支払い側、診療側ともに苦しい状況の中で無理矢理やりくりをしている状況がもどかしく感じた。(男性・その他医療従事者)
○ 体験・実感に基づく生の声は「利益の主張」には聞こえず、説得力があり、よかったと思います。(女性・会社(医療関係企業))
○ 現場の声がこれだけあがっているが、取り上げられるのはいつなのか。単なるパフォーマンスなのかとがっかりしました。(女性・その他医療従事者)

以上。

開催場所に関しては、中医協傍聴マニアさんたちでなければ出てこない意見があって面白いです。毎回1500人収容規模の会場でやってくれ、とか、いつもより委員が紳士的とか。

全体については、斜め読みした感じでは、ダメだししている人が優勢。手放しで好評という意見の人は、単なる不勉強か皮肉か優等生か、ちょっとわかりません。前回と較べたら、まあ、委員に感激してしまうのも分からなくはないのですけれども。

もし、このアンケートの意見を次回(二年後)に反映するのならば、議論しなければならないのは次のような点になります。

公聴会のインターネット公開

公聴会開催場所の選定理由等の透明化

中医協の経費の透明化

全意見の公表

具体性のない・不勉強な意見発表者の排除

えーと。発表者の選定にあたって、『意見の内容および発言者のバランス等を考慮して公益委員のほうで選ばせていただいた』と毎回言ってるくらいですから、具体的でない意見発表者を排除するくらい、できるでしょう。別に無理そうな項目はないですよね。カンタンカンタン♪

| | コメント (0) | トラックバック (0)

診療報酬。公聴会。会場ガラガラ。

1月22日。先日も触れた、中医協の公聴会が行われました。

議事録は、この文章を書いている時点(25日)ではまだ公表されていませんので、キャリアブレインさんのCBニュースから引用します。

【中医協】診療報酬改定に国民の声を、中医協が地方公聴会

 来年度の診療報酬改定に向けた審議に当たって国民の声を聞く機会として、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は1月22日、福島市の福島県文化センターで公聴会を開いた。一般公募約70人の中から公益委員が選んだ開業医、看護師、病院経営者など9人が、それぞれの立場から意見を発表した。中医協では今後、意見を取りまとめ、それを基に議論を行う

厚生労働省は来年度の診療報酬改定に向け、中医協での議論の方向と内容の概要をホームページで公表し、同日までパブリックコメントを募集している。公聴会はその一環として開かれた。

 まず、福島県医師会の理事を務める開業医の男性が登壇。現在の診療所の再診料(71点)は医師の技術料だけでなく、看護職員などの人件費や水道・光熱費なども含めての評価だと主張し、「71点では評価が低過ぎる」とした。
 また、急性期医療の後方支援を担っている有床診療所においては「入院医療の赤字分を外来診療でカバーしている現状も見られる」などと指摘。病院と診療所共に再診料を引き上げて統一すべきだと強調。さらに、「財源的に無理があるなら、今回一気に統一するのではなく、数次の診療報酬改定で段階的に病院の再診料を引き上げて統一すべき」と述べた。

 一方、福島県の公立病院院長の男性は、入院基本料の大幅アップや「医師事務作業補助体制加算」の要件緩和などを要望。また、病院が機能を最大限発揮できるようにするため、軽症患者が診療所を利用しやすいよう病院の再診料の方を高く設定し、「患者が診療所を選択するインセンティブを与えてはどうか」と提案した。

 歯科医の立場から福島県会津若松市の男性が、歯科医療の現状を吐露。「新しい技術の研さんや診療設備の更新が困難」として、適切な歯科医療提供のため、初診料・再診料の大幅な引き上げを強く要望した。
 薬剤師の立場からは宮城県の市立病院に勤務している男性が、「薬剤管理指導料のように、行為に対する評価では十分ではなく、薬剤師を病棟に配置していることを評価することが適切」との考えを示し、2012年度の改定では薬剤師を病棟に配置することへの評価を実現するよう求めた。
 会津若松市の病院の訪問看護ステーションに勤務する女性は、訪問看護に関する診療報酬算定の条件など、日ごろ感じている制度の矛盾点を指摘した。

 さらに、福島市にある銀行の健康保険組合の男性は、患者の医療に対する理解・関心を深めるためにも、明細書の無料交付を義務付けることなどを要望。
 連合福島の執行委員の男性は、医療へのアクセスが困難になっている地域の状況を説明し、医療機関の連携や訪問看護、夜間・休日に診療を行う医療機関などへの評価を求めた。

 このほか、公聴会への参加が3回目になるという千葉県の開業医団体の男性職員は、公聴会での意見が改定に反映されているかは「疑問」とし、委員らに対し「意見を聞いたという事実だけでなく、ぜひ真摯にご検討いただければ」と求めた

 最後に、人工透析を28年続けている福島県郡山市の男性が、患者自身が地域医療の崩壊を痛感していると指摘し、「地域医療を保障するという考え方を実現する制度をもう一度再構築して、それを診療報酬体系の中でしっかり担保してもらう必要がある」と強調した。

  更新:2010/01/22 22:36   キャリアブレイン

引用終わり。引用ってラクチンでいいですよね。

あとから議事録が出るとわかっていて、それでも福島県まで取材に行くなんて、偉いなぁ。

で、公聴会です。

発表希望者の人数は、前回の倍以上の約70人。文字数制限的にも「約」っていう文字が必要ない気がしますが、正確な数値はいずれ出るのでしょう。

前回が33名の中から10名発表したのに対して、今回は、約70名の中から9名が発表しました。比率的には、だいぶ変わりました。

意見発表希望者がはがきに記入する内容は、前回と同じでした。つまり、「職業・所属」によって、軽く差別することを、「選定」と呼ぶスタイルは、そのまま継続したのではないかと。

CBニュースの記事では

福島県。医師会の理事を務める開業医。男性

福島県。公立病院院長。男性

福島県会津若松市。歯科医。男性

宮城県。市立病院。薬剤師。男性

会津若松市。病院訪問看護ステーション勤務。女性

福島市。銀行の健康保険組合。男性

連合福島の執行委員。男性

千葉県。開業医団体職員。男性

福島県郡山市。患者。人工透析を28年。男性

以上、9名となっています。

前回の「選定」の結果は、

 群馬県前橋市の内科医さん。

 千葉県千葉市の歯科医さん。

 群馬県桐生市の薬剤師さん。

 東京都の労働組合役員さん。(元看護師)

 群馬県伊勢崎市の病院副院長さん。

 群馬県の自動車販売健康保険組合の方。

 日本がん患者協会の方。

 神奈川県の薬害肝炎東京訴訟の原告の方。

 前橋から車で一時間の市の病院事務員さん。

 神奈川県横浜市の保険医協会の方。

となっていましたから、

今回は、【患者団体枠】が一つ減ったということですね

地域的にみると、神奈川県からは誰も行けなくなって、代わりに宮城県からゲストが来た、というところでしょうか。ローカル色、強いです。

約70という多数の意見があったのなら、「発表」できなかった約60名の意見も、読んでみたいですよね。「なんでその意見が発表できないのか」も含めて、検討したくなります。

発表者の意見で目立つのは、「基本料金を値上げしろ」コール。

医師も、歯科医師も、薬剤師も、そう言っています。

診療報酬が「アップ」と聞いた瞬間に、自分の職域の基本料だけは死守しようという、主張合戦です。他に訊くことはないのでしょうか。

あ、説明し忘れていましたが、記事中の『評価』っていうのは、「よしよし、がんばってるね。褒めてつかわす」とか「まだまだ未熟じゃのう」とかいう評価を望んでいるのではなく、『金くれ』という意味です。その証拠に、本当に『評価』をする人たちがやってきたら、『評価してくれ』と言っていた人たちは、みんな、逃げ出します。

医療関係者が『評価』と言い始めたら、『金くれ』と翻訳しておいてくださいね。

金くれ金くれコールのあとは、「明細無料化」、「土日加算」。どちらも、すでに始まっていることです。

金くれコールでは、不思議な発言もあったようです。

「薬剤師の立場」を代表しているかのごとき病院勤務の薬剤師さんは『2012年改定時に、病棟配置加算をつけてくれ』という意見を発表したようですが、

今年、2010年改定ではなく、二年後、2012年改定の話を、2010年改定の方針に対する公聴会の場で意見発表するって、どういうことでしょうか?

CBニュースが間違って記載したのでなければ(注:間違っていません)、こんな意見は、変でしょう。

「評価(報酬。お金)が十分でない」のなら、すぐにでもお金の手配をしないと、困るはず。なのに、「二年後までは待っていられる」と、先に言われてしまっては、「あ、じゃあ、そんなに困っていないんだね」と受け止められてオシマイですよ。

これ、いつもどおりのお役人倫理なら、引き継がないと思いますよー。

次回の改定の時、中医協が同じ委員で構成されているわけでもないのですからね。

今回の公聴会のポイントは、ここ。

このほか、公聴会への参加が3回目になるという千葉県の開業医団体の男性職員は、公聴会での意見が改定に反映されているかは「疑問」とし、委員らに対し「意見を聞いたという事実だけでなく、ぜひ真摯にご検討いただければ」と求めた】

という意見。

どうして「疑問」なのかについては、前にも述べました。

公聴会だけでなく、パブコメの意見も、改定に反映されていませんよね。

議論なんて、してないんだもん♪

反映されなくて、当然です。

発表者の方々が、実際はどんな言葉で意見を述べたのか。議事録が楽しみですね。

そういえば・・・

前回までの中医協、薬剤師代表委員は山本信夫委員でした。

今回は、三浦洋嗣委員です。

その違いが、どこまで出るのか。そこも、注目です。

ちなみに、最近の中医協は、結構活発な議論で賑わっています。

 安達秀樹・京都府医師会副会長

 嘉山孝正・山形大学医学部長

 鈴木邦彦・茨城県医師会理事

といった議論好きな面々と一緒に選出されたのが

 三浦洋嗣・日本薬剤師会理事

なのですが、今のところ、空気のような存在です。

なお、人事の際、日薬は山本委員の三期目を求めています。断られると、児玉会長が「遺憾である」とコメント。

山本信夫委員が「業界紙のインタビューや日薬代議員会では饒舌なくせに、中医協では静か。指名されたら話すけれど、主張が弱く、たまに業界内の了承をとれていない主張を展開。議論には参加しないし、会議中に何も発言しない回がよくあるので中医協的にはエキストラあるいはゲストキャラ的扱い。だが、日薬への報告は『言うべきことは言ってきました』と、なぜか威勢がいい」というキャラクターだったのに対して、三浦委員は、どんなキャラクターなのでしょうか。

とりあえず、中医協(総会)における三浦委員の活動は、以下の通り。

一回目 二時間二分。着任挨拶のみ

二回目 一時間二十九分。日薬見解報告のみ

三回目 一時間十五分。発言なし

四回目 9分で終了したため発言なし

五回目 10分で終了したため発言なし

六回目 イメンドカプセルのセットにツッコミ

七回目 二時間三十三分。発言なし

☆なお、おおまかな議事録はロハス・メディカルさんのサイトで読めます。CBニュースさんの記事と読みくらべると「あれ? CBニュースの内容って、なんか、違ってない? 発表者の人たち、すごくオモシロイコト言ってるじゃん」と、感じるかもしれません。また、会場の写真も掲載されていますが、本当にガラガラです。平日場末の映画館みたいです。おなじ公聴会を扱っているのですが、メディアの違いって、だいぶありますねー。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

診療報酬。パブコメ提出。

平成22年診療報酬改定に関するパブコメが締め切られました。

前回、前々回のパブコメ総数は約4000件ずつでしたが、今回はどうなるのでしょうか。

筆者も、2件、意見を出しておきました。

1.ハイリスク薬加算の廃止。

2.水剤容器代を調剤料へ加え、「容器代」徴収を禁止する。

の、2本立て。

どうせ、後発品関連については、みんな何か意見を言うでしょうから、無視。

調剤基本料の一本化なんていう話も、みんな何か意見を言うでしょうから、無視。

でも、ハイリスク薬加算については、みんなが「賛成」と言いそうなので、反対意見を述べておきました。(うわー、あまのじゃくさんですね。)

大反対です。こんなアホ加算。

薬剤師倫理規定第三条原理主義な「ルール絶対☆薬剤師アタマ」だと、『どんな算定要件になるのかが気がかりです』とか『どうやって算定要件をみたそうか、悩んでいます』といった、可も不可もないわりに金勘定がちらついて離れない感想ばかりが並びそうです。(←単なる予想)

毎回機械的に指定された『要件』をこなすタイプの指導加算っていうのは、お役人さんから、『あんたら薬剤師は、どーせ、この程度のことすら、ニンジンぶらさげてやらないとできないようなハナタレなんだよな』と、みなされている証拠ですよ。

薬剤師倫理規定第六条。

「患者等に十分な説明を行う」のは、基本。あたりまえ。

それがハイリスクだろうと麻薬だろうとビタミン剤だろうと、「十分に、説明する」のです。

そして、患者等に「十分に説明した」結果、患者等が「よくわかった」状態になり、「説明を要さない」ほどに、薬を適切に使用できるようになれば、それが到達点でしょう。

「よくわかった」と言っていて、実際「よくわかっている」相手に、毎回、「詳細に」説明しますか?

そんなことをするのは、人間じゃないでしょ。機械ですよ。いえ、機械だって、今時は、そんなルーチンワーク、行いませんよ。機械、アタマイイデスヨ。

ハイリスク加算の考え方は、これまでの加算でいえば「特別指導加算」の延長

「特別指導加算」をめぐる「算定要件」に対する「目の色変えた薬剤師の、ルナティック・ダンス」は、とても醜い、品位のかけらも感じられない、まさしく「お金に踊らされている」姿でした。

ハイリスク加算、みんな賛成ですか? なんで?

『ハイリスク薬に対する業務が評価されたから』?

だとしたら、その業務は普段からやっていることですし、基本となる、『服薬指導料の増額』という形で実現すればいいことですよね?

そういう意見を、だせば、いいんじゃないでしょうか。

次。

「容器代」については、何のことかわかる方は少数派かもしれません。

まず、「現行では、水剤容器は『貸与』である」ということを知っているかどうか。

なんにも考えずに「容器代」を請求している薬剤師も、いるかもしれません。

考えすぎて、困っている薬剤師も、いるかもしれません。

水剤容器がビンだったころならともかく、現在、水剤容器をリサイクルすることは、まず、ありません。

『貸与』という概念自体が、「引退」していなければならないのですが、いつまでも、居座っているのです。

ずーっと、居座っています。なぜなら、中医協で、議論されないから。

これまでの中医協委員が、「気付かなかった」ことになっていますから、じゃあ、パブコメで「気付いて」もらおうかなー、と。

公聴会&パブコメの歴史でも触れましたが、中医協は、「議論されなかった部分への意見」を出してほしい、そこが見たい、ということですので、試しに出してみたわけです。

今回のパブコメ議論の見どころは、ここ。

「検討状況について(骨子案)」に載っていない意見について、どのように議論するのか、です。

前回と同じように、ほとんど議論しないかもしれません。

それならそれで、「公聴会やパブコメの必要、ないんじゃない?」「てゆーか、中医協いらないよね」ということで。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東薬。学生課の華。

東薬の学内報。

東京薬科大学の「働き者」、学務部入試課の菊地さんが、三月で退職とのこと。

卒業生の何割かは、足を向けて寝られない方です。

東薬の歴史の三分の一は、菊地さんの歴史です。

おつかれさまでした。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

スポーツファーマシストの基礎知識。「目的」編

スポーツファーマシストの基本的な部分、特に認定関連については前に述べました。

今回は、

「で、スポーツファーマシストっていうけれど、これまで、薬剤師はドーピング問題についてどのくらい関与して、意見発表して、運動選手を守ってきたわけ?」

という、過去の実績部分について考えます。

実績があるからこそ、胸を張って「ドーピング問題のスペシャリストだもん☆」と言えるわけですよね。

そこで、クエスチェンタイム。

2007年、川崎フロンターレ、ドーピング裁定問題』ときいて、わかる方、いますか?

ヒント。「我那覇選手の例の件」。

わかりますよね? スポーツファーマシスト希望なら。

わからないという薬剤師は、スポーツファーマシストになんてならないほうがいいと断言します。しちゃいます。もっと言うと、この事件を知らずに、スポーツファーマシストの資格、とらないでほしいです。

この事件は、日本だけでなく、世界のドーピング問題史上、最大級の事件です。

ことの顛末はググればいいので、かなり省略して書いてみると、

0.事件の前年、横浜FCでの集団ニンニク注射事件があり、『健康なのに点滴することは、ドーピング』であると、Jリーグ内で決めた。同時に、『風邪や下痢などに対する点滴は認める』と確認した。

1.2007年事件当時、Jリーグは、JADA未加入。

2.Jリーグが、川崎フロンターレに所属していた我那覇選手に対するチームドクターの『風邪による発熱に対する緊急処置としての点滴(生理食塩水とビタミンB1のみ)』処置を、ドーピングであるとして、選手に出場停止処分、チームに罰金一千万円を科した。

3.WADA、JADAは「緊急時点滴はドーピングではない」と明言。

4.日本政府は、国際条約上、国内スポーツにおいてWADAの基準を守らせる義務があり、Jリーグ(と上部組織のJFL)に行政指導をしていた。

5.Jリーグの裁定を不服とした選手個人が、名誉回復のため国内裁定を仰ごうとしたら、『(裁定に大金が必要な)CASじゃなきゃダメ。それがルール』と、Jリーグが酷い難癖をつけた。

6.それでもCASに提訴した結果、Jリーグ側が全面敗訴した。

7.JFAは2009年1月にJADAに加盟した。

8.CAS裁定によりJリーグは裁判費用の一部を支払った。出場停止処分への補償、フロンターレの「罰金」一千万円の返還については、Jリーグは行っていない。

というもの。

ワールドカップに出場しようっていう国のプロ機構が、ふだんはWADA基準を無視して活動していたっていう、とても悪い例です。しかも、選手の健康を守るために「アンチ・ドーピング」を行っているのに、選手の健康を守った行為に対して「ドーピングだ」と認定し、CAS裁定が下ってもなお、潔白の相手から得た「罰金」を返さないという、そんな事件です。

最大の問題は『現場の医師が選手の健康を守るためにWADA基準で行った治療を、JADAに加盟していない競技団体が、「内部規定で」「当初の説明とは異なる基準で」ドーピングであると主張し、処分を行った』点です。

これが許されるのなら、誰も選手の健康を守れません。

適切に治療しても、あとづけのルールで恣意的に「ドーピングだ」といわれる可能性が強いのですから。

適切に治療しても、選手に精神的な苦痛を強いて、そのうえ、チームに「罰金」一千万ですから。

そして、身の潔白を証明しようとしたら、とんでもない金額が選手個人の負担となります。

CAS(Court of Arbitration for Sport)裁定にかかった費用は、ちんすこう募金のブルティーダ沖縄FCさんのサイトによると・・・

CAS費用 合計 34,412,268円
内訳:弁護士費用12,009,375円
    申立及び事務経費4,665,173円
    翻訳・通訳等費用17,737,720円

ということです。

三千五百万円。

これを個人負担させるっていう時点で、当時のJリーグのメチャクチャさ加減がわかりますよね?

我那覇選手がCAS裁定を行ったことで、アンチ・ドーピング活動の根幹を揺るがすような事態は、良い方向へと向かいました。深く感謝。

さて、この事件に対して、薬剤師会はなにかしたかというと

なんにもしていません。

目に見える範囲では、本当に、なんにもしていません。

ドーピングの大問題ですよね?

「ドーピングの問題から、選手を守る」なら、ここで動かないはずがありません。

スポーツファーマシスト以前から、薬剤師って、ドーピングに関わってきたのですから。

なんにもしない、何の発言もないって、どういうこと?

※過去の日薬代議員会でも、全く話題になりませんでした

CAS裁定費用のうちいくらかを出してみたり・・・も、せず。

黙りこくったままで、事件が風化するのをじっと待っているという、ドーピングの専門家を養成しようという組織とは思えないへたれっぷりです。

この実績で、「ドーピングのスペシャリストだもん☆」とか言えるのは、恥知らずだけでしょう。

スポーツファーマシスト制度がウソ臭いと思うのは、この辺です。

「国体の実績」も大事です。ええ、とてもとても大事です。でもね、「現場で起きている事件に対して無視を決め込んだ実績」は、無視できません。「組織が個人をいじめたのをみても無視した」のですから。

では、「これまでは恥知らずだった。ごめんなさい。けれど、これからは違うよ!」という姿勢なのかというと、これも、どうも、違うようなんですよね。

スポーツファーマシストの「定義」を読むと、今後も「事件が起きても無視を決め込む」つもりだということがよくわかります。

【スポーツファーマシストの定義】

☆スポーツファーマシストの活動ドーピング防止活動に関する正確な情報・知識を持ち、競技者を含めた一般の人に対しドーピング防止に関する適切な情報を提供することを主な活動とする

・・・よーするに、「予防」のために「事前に」知識を伝達するのが活動であって、「ドーピング全般」の様々な事件・要請には、関与する予定がない、ということです。

『ちゃんと禁止項目については伝えたんだから、守れなかったら全部アンタの責任なんだからね!』とか言う学級委員長的な身分ですね。

情報提供と啓発だけをする存在です。「ダメ。ゼッタイ」と似ています。うっかり「やっちゃった」り「やったと決めつけられたり」した人間には、全く手を差し伸べないのですから

スポーツファーマシストの「目標及び方策」を読めば、勢力拡大以外のなにをやりたいのか、全く分からなくなります。

【スポーツファーマシストの目標及び方策】

薬剤師会とJADAとの協調により、現在の薬剤師会の活動の更なる充実。

薬剤師会とJADAとの協調により、学校薬剤師による認定資格取得を推進。

総合型地域スポーツクラブへの配置を働きかける。

フィットネスクラブ、スポーツジムへの配置を働きかける。

以上。・・・なんですか、この目標は。

『選手の健康を守ること』を目標に活動するんじゃないんですか?

こんな目標を掲げる「スポーツファーマシスト」で、いいんですかね?

みなさん、スポーツファーマシストに認定されたら、この目標に向かって突き進むんですか?

 ☆   ☆   ☆

追記。

サッカーと違って、国際大会であるWBCの優勝選手を抱えるNPB(日本プロ野球組織)は、まだJADA未加盟です。

こちらは逆に、「十数回も点滴しているが、セーフ」という、組織内判定をしています。

「スポーツファーマシスト」が、NPBに、なにか意見表明をするかどうか。四月以降が、楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

診療報酬。パブコメとか公聴会とかの歴史。

『平成20年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」に関するご意見の募集について』

という案内が出たのが、二年前の、平成二十年一月十八日。

平成二十年一月二十五日までに意見を送ること、となっています。

『募集について』本文では、こう言っています。

(前略)「現時点の骨子」を基に具体的な議論を行っていくこととしておりますが、医療の現場や患者等国民の皆様の御意見を踏まえながら、幅広く議論を進めるという観点から、今般、以下の要領により「平成20年度診療報酬に係る検討状況について(現時点の骨子)」に対する御意見を募集することといたしました。

いただいた御意見については、今後、中医協の場等で公表させていただく場合があります(個人が特定されるような情報は秘匿いたします。)。

また、御意見に個別に回答することは予定しておりませんので、その旨御了承下さい。

以上です。

実際に、どのように、「国民の皆様のご意見を踏まえながら」議論が行われたのかというと。

まず、一月二十五日に開催された、前橋市民文化会館小ホールでの「公聴会」で議論がありました。

『一月二十五日(必着)まで意見募集しているにも関わらず、一月二十五日の13:00~16:01に、公聴会を行った』ということは・・・。

電子メール提出が認められていますから、一月二十五日が終わるまでは、「(必着)」の範囲内。ということは、その時点で送られた意見は、「踏まえなかった」ということです。

ちなみに、その『公聴会』、一月十日付けで、案内が出ています。

『中央社会保険医療協議会では、平成20年度診療報酬改定に当たり、医療の現場や患者等国民の声を反映させるため、中央社会保険医療協議会委員が国民の皆様方の声を聴く機会を設定することを目的として、以下のとおり「公聴会」を開催することといたしましたのでお知らせいたします。

傍聴を希望される方は、郵送又は電子メールにより、1月17日(木)17時までに事務局へお申し込みください。(申込方法は「別紙」参照)

申込締切後、事務局より「入場整理券」を発送いたします。(申込者多数の場合には抽選とさせていただきます。)

なお、今回の「公聴会」につきましては、通常の中央社会保険医療協議会の傍聴とは異なり、当日「入場整理券」のない方は傍聴できません ので御注意ください。

また、当日の公聴会において意見発表をしていただく方を併せて募集いたします。 平成20年度診療報酬改定に関する御意見がある方は、傍聴申込の際に御意見の内容を簡潔に記載の上、事務局へお申し込みください。

意見発表をお願いする方につきましては、後日事務局より御連絡いたします。』

という案内です。

公聴会用の『意見』と、それ以外の『意見』。ふたつに、分けたということです。

公聴会用は、会場での発表を求められていますから、【わざわざ群馬県の前橋市まで出かけて行って(東京から一時間。往復4500円)】【平日の昼間に意見を述べられるような人】限定の『意見』です。

それ以外の意見のほうが、身体束縛がない分、自由で幅広い意見がでてくるのは、明らかですよね。

で、傍聴は、整理券必須。なお、前橋市民会館小ホールの収容人数は693人(傍聴者人数は300人)です。

意見発表希望者は、33名。

公聴会の議事録によると、

『その中から、意見の内容及び発言者のバランス等を考慮いたしまして、私ども公益委員のほうで選ばせていただきました10名の方に意見の発表をお願いしております』

ということです。『発言者のバランス』って、何でしょう。

傍聴・意見発表希望の応募はがきには、「氏名」「所属または職業」「住所」「電話番号」以外に、個人の『情報』はありませんから、『発言者のバランス』にあたるのは、この、どれかですよね。

名前や電話番号で「バランス」というほど突飛な思考ではないでしょう。意見発表をするためなら平日の群馬に行きますよと手を挙げた方たちですから、住所も「バランス」とは無関係。

残るは、「所属または職業」。どうも、軽い職業差別のようです。

この段階で、かなり、「仕込み」なイメージがしてきますけど、まあ、それはおいといて。

「バランスのとれた」発言者は、以下の通り。

 群馬県前橋市の内科医さん。

 千葉県千葉市の歯科医さん。

 群馬県桐生市の薬剤師さん。

 東京都の労働組合役員さん。(元看護師)

 群馬県伊勢崎市の病院副院長さん。

 群馬県の自動車販売健康保険組合の方。

 日本がん患者協会の方。

 神奈川県の薬害肝炎東京訴訟の原告の方。

 前橋から車で一時間の市の病院事務員さん。

 神奈川県横浜市の保険医協会の方。

以上、十名。関東圏在住者ばかり。会場、群馬だしね。

会場の雰囲気は、日本がん患者協会の方が語っています。

「今日、これまで会議を聴かせていただきまして、初めてのこういう場だったのですけれども、第一印象として、とても雰囲気が暗いなというのでびっくりました。もっとパワフルなものかなと思いました。なぜこんなに雰囲気が暗いのかなと思ったら、後ろ向きの努力というのですか、後ろを向きながら一生懸命何か努力しているような、何か未来に展望がないというか、明るさがないのです。」

この感想が気になったのか、時間が切迫しているのに「暗くやっているつもりはない」との軽い反論が土田会長から出ていますが、まあ、実際、暗く見えたのでしょう。600人収容のホールに傍聴者が300人ですから、まあまあ埋まっているんですけれどね。

公聴会議事録では、土田会長が、『意見は聞くだけです』という話をしています。

『なお、本日の公聴会は、御意見をお聴きするというのが最大の趣旨でございます。したがいまして、今日いただいた意見につきましては、後日取りまとめた上で、それをもとに御議論いただくという場を設定しておりますので、今日は委員の皆様方には、まことに恐縮ですが、いただいた意見に対する確認及び質問のみに限定していただきまして、その意見に対する反論であるとかあるいはそれに対する自分の意見の表明であるとか、その辺はちょっと御遠慮していただきたいというふうに存じます。』

意見を聞いて、意見の内容を確認するだけなら、公聴会って必要なのかなー・・・。

なんか、タウンミーティングを思い出しますね。

・・・さて。公聴会の次は、中医協(平成20年二月八日)での議論になります。

このとき、意見募集の結果をまとめた資料が提出されます。

その内容について、事務局が一通り(読めばわかるようなことを、たぶん、読んでこないダメな委員のために)話したあとからが、問題。以下、議事録から、そのまんま転載します。

○土田会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの報告につきまして御質問、御意見などございましたら、どうぞお願いします。

○大島専門委員
 極めて概括的な話でいいのですけれども、医療関係者と医療関係者以外との間の意見の相違というのは際立ったものがあるのか、ほとんど同じようなものなのかということについてお話しいただければと思います。

○事務局(八神保険医療企画調査室長)
 そういったきちんとした分析ができているわけではありませんが、先ほど例えばデジタル加算の話を申しましたけれども、医療関係者の方の意見が集中しているところと、医療関係者以外の方が集中しているところ、ちょっと分かれましたので、同じ質問について意見が分かれているかどうか、そういうところまでは数字から見てとるのはちょっと難しいかなという感じがしております。関心が少し違うのかなと受けとめております。

○対馬委員
 デジタル管理加算のところで、医療関係者以外の方が、デジタル加算の存続については賛成ということなのですが、それは一般の国民とか患者というか、ないしはこういった業者さんなのか、そのあたりはなかなか言いにくいところなのでしょうか。

○事務局(八神保険医療企画調査室長)
 属性で見ますと、先ほど医療関係者以外は1,874件と申しました。うち会社員と書いておられる方が1,658件でございました。患者というような属性の書き方がないものですから、患者さんという方はございませんが、分かる範囲で申しますと、そういうことになっております。

○土田会長
 ほかにございますか。よろしいですか。
 御質問がないようでしたら、本件についてはこのあたりにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

以上、おしまい。

「国民の皆様の御意見を踏まえながら、幅広く議論を進め」

た結果が、これです。四千の意見の出番は、これでオシマイ。

平成18年の第一回意見募集はどうだったかというと、

○禁煙指導の意見数が多いね。

○意見の数が多くても、それは考慮しない。

資料を日医総研で分析するのはやめろ

○個人情報があるから、委員であっても、原本は、見せない。(※お役人倫理)

という「議論」でした。

「全部読んでみる」「シンクタンクに分析させる」という松原委員の意見をぶったぎり、議論の発展を封じるお役人さんの図です。

平成18年の議論では、けっこういいこと言っている委員がいるのですが、それを封じようとする声の大きな人たちもいるわけです。

「いいこと」の例。

○石井委員 このまとめを見ますと、一応中医協の論点がそのまま出ているという感じなので、それはそれでいいのですけれども、パブリックコメントというのは、やはり中医協の議論では出されない角度からの論点というものがあれば、これは我々として特に聞かなければいけない。国民的なコメントが大体中医協で出てくる論点であるなら、中医協としては、お互い自信を持って国民を代表してここで議論しているのだということで大変結構なことだと思うのです。けれども、ここで論点が出ないような角度からの意見があったら、それはぜひ事務局の方も、そういった点を意識的に取り上げていただきたいと思います

「封じようとする」人の例。

○堀江室長 まさに今回やっていただいて、では、これで次回についてはというように話をそらすつもりもない前提で申し上げますと、中心的な論点以外のものにももう少しよく目を光らせるような編集方針でいくようにすべきだというところは十分承りまして、先にそらすつもりはございませんけれども、次回はそのように編集していきたいというふうにも考えております

と答えた次回の資料に追加されたのは「意見者の属性」と「緊急課題と位置付けた、中医協の議論に出ていた論点」のふたつ。中医協では論点にならなかった項目を「意識的に取り上げた」編集をおこなうはずでは? なんかずれてない? (堀江室長から八神室長にバトンタッチしている影響もあるかもしれませんが)

この堀江室長の発言なんて、ほんとに、読んでいて「ええーっ?!」です。お役人的には、「素晴らしい答弁だ!」ということになるのでしょうけれどね

注釈をつけると

○まさに今回やっていただいて(※と、相手を持ち上げておいて)、では、これで次回についてはというように話をそらすつもりもない前提で申し上げますと(※と、話をそらす)、中心的な論点以外のものにももう少し(※とくに基準は作らないので、発言者の心の中で気持ちだけ)よく目を光らせるような編集方針(※方針だから誰かがやるのであって、自分は無関係)でいくようにすべき(※すべきだと「言われた」だけで、自分がそうすべきだとは全く思っていませんが)だというところは十分承りまして(※話だけは聞いたことにして)、先にそらすつもりはございませんけれども(※大事なことなので二回言って印象付け)、次回はそのように編集していきたいというふうにも(※というふうにも。編集したくないなというふうにも。今晩のおかずは何かなというふうにも。)考えております(※が、二秒後には忘れます)

・・・くらいの、無責任発言です。

この発言に続くのが、この発言。

○土田会長 そういうことでよろしいですか。
             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長 どうもありがとうございました。それでは、次の議題に進ませていただきます。

・・・・・・・・・異議なし、って言った人、議場から出ていってほしいものです。

できる/できないを確約させて、言質をとるのが、こういうときの基本でしょうに。

まあ、それでも、平成18年には、新しく始めたことに対して、前向きに、なにかしようという熱があったわけですが。

第二回、平成20年。

意見を集めるだけ集めておいて、この程度の「議論(と呼んでいいのか疑問ですが・・・)」です。

で、過去の歴史を踏まえて、今年、平成22年の話になります。

今年は、パブリックコメントを始めてから、三回目になります。

『平成22年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」に関するご意見の募集について』本文では、こう言っています。

「現時点の骨子」を基に具体的な議論を行っていくこととしておりますが、医療の現場や患者等国民の皆様の御意見を踏まえながら、幅広く議論を進めるという観点から、今般、以下の要領により「平成22年度診療報酬に係る検討状況について(現時点の骨子)」に対する御意見を募集することといたしました。

いただいた御意見については、今後、中医協の場等で公表させていただく場合があります(個人が特定されるような情報は秘匿いたします。)。

また、御意見に個別に回答することは予定しておりませんので、その旨御了承下さい。

うわー。これまでと、全くおんなじ文章です。

不安です。とても不安です。

お役人さん側のスタンスは、全然変わっていないようです

中医協のメンバーがそれなりに違うので、今度こそは、まともに議論してくれるものと信じます。「市場実勢価格の調査方法公開要望」みたいなコメントを無視するような、形式だけのパブコメは、もういい加減卒業!ということで。

なお、今年の公聴会は一月二十二日。場所は福島県文化センター大ホールです。

前回の傍聴人数を踏まえて、今回は「当日傍聴可能!」ですし、収容人数も前回の倍以上の1500人ということです。会場がガラガラだと悲しいので、お近くの方は、気軽に行ってみてください☆

| | コメント (0) | トラックバック (0)

薬剤師議員さん。「逮捕を考える会」

『石川代議士の逮捕を考える会』だそうです。

いくらでも「考えて」ください~。

考えるだけなら、単なる勉強会ですから~。

でも、「石川君をどうやったら助けられるか検討したい」とか「釈放要求の発議も検討」とか、発表しちゃいましたから、「考える」だけの会ではない、ということになりました。

薬剤師、関係なさそうですが。

『石川代議士の逮捕を考える会』のメンバーの中に、『日本薬剤師会雑誌』の年頭あいさつで登場する方がいるものですから、さあ、大変。

誰って・・・

「当選確実なう。」で有名な、

元ニセコ町長の、薬剤師議員、逢坂誠二代議士です。

北海道薬科大卒で・・・、wikipediaによると称号「薬学士」になっていたので、あわてて厚生労働省の「薬剤師資格確認検索」をかけました。(ちゃんと名前が出てきたので一安心。)誰か「薬剤師」に修正しておいてくださいませ。

今の役職は、地方分権改革担当の首相補佐官。いわゆる偉い人。内閣の中枢ド真ん中で仕事をする当事者です。

それが、たった一度の勉強会で「不当逮捕だ」という結論を出してしまうような「考える会」に参加してしまうのは、「やっちゃった」感が強いんですよね。

勉強会の内容も、参考意見を述べる人が一人だけだったようですし。

薬剤師が、薬品メーカーのMRさん一人の言い分だけ聞いて「この薬はいい薬だ。他社の○○はヒドイ薬だ!」なんて、納得してしまうような展開。とりあえず、他社の意見も聞いてみればいいのに。

政府中枢の人間が、政府の機関の活動に「不当だ」と述べる「有志の会」に行って、全会一致の「不当逮捕」という結論に賛成してしまうという・・・「自らを、不当な活動をする人間であると述べる」ような、不思議な光景です。

生徒会役員が、生徒会機関(風紀委員会)の活動に「不当だ」と述べる「有志の会」に行って、全会一致の「不当」という結論に賛成してしまう・・・みたいな。普通、生徒会役員を辞めてから参加するか・・・、少なくとも「不当」という結論に対してすぐさま賛成しないですよね、こういうとき。

当選二回、北海道。

同期etcでも、ちょっと、立場的に、どうかなー。

参加経緯が不明なので、『ちょっと同期であつまろうぜと言われて行ってみたら、なんだか深刻な会合で、騙されたー☆』というケースも、ありえなくはないのですが。

せめて、もう少し、「考えて」ほしかったですね。

函館薬剤師会の新年会で挨拶した日の夜のtwitterでは、

石川代議士の件、今後、どのように捜査が進むのか見守るしかありません。最近は検察の動きが全て正義と報道されることに危惧を覚えています。過去、検察が全て正しかった訳ではありません。にも関らず、逮捕されると、即、犯罪者であるかのような印象を与える報道が多いことが心配です。

と、慎重な「見守る」姿勢を呟いていました。冷静な対応をする雰囲気だったのですが、そこから二日で、なにか心境の変化があったのでしょうか。ブログ等での「考える会」関係の話題は今のところないようですから、これから、いろいろ出てくるかもしれません。それこそ、ゆっくりと、「考える」資料を、動向を見守っている薬剤師にも提示してくれるのではないかと、期待しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スポーツファーマシストの基礎知識

スポーツファーマシスト」制度が始まります。

認定は、まだ先(早くても四月)ですが、すでに講習会が始まっていて、盛況とのこと。

学校薬剤師さんや、地元のスポーツクラブに顔を売りたい薬剤師さんや、スポーツ好きの薬剤師さんにとっては、なにかと重宝しそうな、「薬剤師の協力のもと」誕生した、JADA認定資格です。(もっとも、そのJADAのホームページのリンク先として「日本薬剤師会」などの薬剤師団体は入っていないようです。JADAホームページ内のスポーツファーマシストのページでは、日薬の児玉会長がインタビューに応じています)

今後誕生する=まだ誰もいないわけですが、事務所はあります。JADAのある国立スポーツ科学センター内。JADAの組織図上には書いてありませんので、「スポーツファーマシスト」をどこが統括するのかはわかりませんでした。薬剤師がJADAの理事会へ参加しているわけでもなさそうです。

認定事務は、(株)ニッポンインターナショナルエージェンシー(企画代理店さん)が「スポーツファーマシスト認定業務センター」という名前で行っているようです。外注外注☆

基礎講習会で7200円+実務講習会受講料(これは都道府県薬剤師会が経費負担する場合あり)+最終的に認定料20000円。

おおむね、30000円支払って、認定されます

その後、毎年「実務講習会」を受講し、3~4年目(認定期間は4年です)に再び「基礎講習会」を受講するので、そのたびに講習受講費がかかる予定です。

2010年度は2200人ほど増やすようですから、2009年度の500人とあわせて、2700人(のうち、試験合格率がどの程度かわかりませんが、おそらくは、その大半)が「スポーツファーマシスト」認定を受けそうです。

そんな認定において、基礎講習会は、どの程度美味しいかというと。

東京会場では、 (講習会受講料7200円×800人) - 国際会議場使用料等一日80万円 = 486万円 が、一日の売上。二日間開催で、972万円。

大阪会場では、 (講習会受講料7200円×300人) - 大ホール会場使用料等一日30万円 = 186万円 が、一日の売上。二日間開催で、372万円。

講習内容は同一だとすると、案外、認定する側は儲かりそうです。

認定料20000円なんて、毎年1000人を認定する(名簿に登録して、認定証を印刷する)だけで2000万円の売上です。2010年度は、その2.5倍くらい儲かります。

さらに、四年ごとに、基礎講習会受講料が入ります。ある意味、盤石。

JADAだけでなく、各都道府県薬剤師会主催の基礎講習会も行われているようです。100人程度の講習ですが、それでも(72万円-会場費)の売上。千葉県薬などは、お昼御飯を無料で提供しているくらいです

        ※

スポーツファーマシストの主な活動の場は、国体と、地域社会のようです。

国体は、審判謝礼が出ないくらいですから、スポーツファーマシストにも謝礼は出ないと考えてよさそうです。薬剤師会から補助金くらいは出るかもしれませんが、少なくとも「稼ぐ」つもりで資格をとるのは、やめておいたほうがよさそうです。

あれ? そういえば、これまでは、国体のドーピング関連は、どうしていたのでしょうか。

答:国体開催地の薬剤師が、ほぼボランティアで従事していた。

・・・「薬剤師」という国家資格だけでもできることに、ムリヤリ資格をつくってみたわけですね。

かといって、資格がなければ国体でドーピング関連に従事できないというわけでもなく。

つまり、「薬剤師」であれば、特別に認定を受けなくても、「スポーツファーマシスト」が行うような業務は可能なわけで・・・。

なんだか、夢と希望のある資格、というわけでもなさそうですが、実際に認定を受けた薬剤師の活躍によって、この認識が良い方向へと変わることを祈ります。(とか言いつつ、この項目、どっちかというと批判的な方向へと続きます。たぶん)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

日薬「おとうと」27万人動員計画

27万7000人。

日薬がホームページで公表している「おとうと」応援キャンペーンで、各都道府県薬剤師会に販売依頼する特別鑑賞券の枚数。それが27万7000枚。

完売すれば、観客動員数、27万7000人となります。

27万人といえば、「千と千尋の神隠し」の100分の1、コブクロの全国ツアーの100分の100の動員です。映画のキャンペーンでこれだけ動員できたなら、選挙でも当選確実かも。そういう意味では、日薬の現執行部の動員力が試される場であります。

特別鑑賞券は一枚900円。日薬は都道府県薬剤師会の手数料を入れて1000円での販売を指示していますが、指示書には同時に「会員還元のため、手数料を割り引いて販売していただいても結構です」と記されています。

まあ、こんなこと書かれたら、900円にしますよ、普通。財源がなくてもね。

選択肢があるようにみせかけた、半強制的な原価販売です。

この特別鑑賞券は買い取りではなく、売れた分だけ松竹に振り込むという仕組みになっています。原価900円で、たとえば東京なら3万枚完売したと仮定すると、2700万円の売上です。

ようするに、無料で働くチケット販売代理店(てゆーか、金券屋さん?)になりなさいと。

それが「応援する」ということなのだと。

ふむふむ。

現在、格安金券屋さんでの販売価格は一枚1000円+送料です。

送料も売上金の振込手数料も薬剤師会の支部が持つようにしか見えませんので、会員還元部分の実質は50円((郵送料80円+封筒代+α)÷(1~5)+振り込み代の割り勘等で、おおざっぱに、そのくらい)の持ち出し、つまり赤字になりますね。人件費を加えたら、もっと持ち出しです。手数料としての100円には、意義があります。

手数料を放棄することで、東京の場合で、300万円ほどの「還元」が必要です。

東京都薬剤師会は40以上の支部がありますので、1支部あたり7万円ほど。

手数料を100円とっていれば、送料その他の実費をある程度相殺できます。月会費が2000円程度の支部における7万円という金額は「70000÷2000=35」人分のひと月の負担です。一支部の構成人数は多くて200人ほどですから・・・基本的な月会費全額の17.5%を、「おとうと応援」に用いることになります。

これ、各支部の了承、とっているんですよねー?(疑問形)

あるいは、日薬からお金が出るのでしょうかねー?

そのあたり、誰かツッコミいれてくれたのでしょうか。

それにしても・・・中途半端な応援です。

国と地方の関係でいえば、国の決めた政策に、地方自治体の出費を強制している図式そのまんまです。

支部の出費を増やすくらいなら、「応援」するっていう日薬が、ちゃんと会員の了承をとって、チケットを買いとればいいじゃん、27万7000枚。

会員鑑賞ツアーでも組んで、劇場の入り口でチケットを配布すれば、金券屋に持っていかれることもないでしょ。

もちろん、かかりますよ、お金。

二億五千万円くらいね。

でもさー、そのくらいやらなきゃ、組織が「応援する」ってことにはならないんじゃないかなー?

日薬の役員さんが試写会を見て「いい映画だ」「いい映画だ」っていうのですが

「薬剤師の職能を、具体的にどうアピールしているのか」といった感想はでてこないんですよね。

封切り前だから、具体的な例は出せないのでしょうか。

それとも、薬剤師職能を発揮する場面がないので、言えないのでしょうか。

全米が泣いたとか、主演俳優が素敵だとか、そういうのは、「薬剤師会が身銭を切って特定の映画を応援する理由」にはなりませんからね。

公開までもう少し。

みなさま、「薬剤師職能を発揮する場面」が存在するかどうかを観に行ってあげてくださいませ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日経DI。この例に、この注釈?

日経DIっていう薬剤師向けフリーペーパーが届くのですが、

今月の煽り文句は、

「北斗のことは、俺に聞け」

じゃなくて

「プロ野球選手が練習を怠らないように、薬剤師は勉強を続けるのが義務なんです」

というお言葉でした。

薬剤師は個人事業主だと思え、ということですから、

「プロ野球選手(個人事業主)が練習を怠らないように、薬剤師は勉強を続けないと解雇されます」

という意味だと思います。

勉強を続けるのは義務なのかというと・・・、「薬剤師倫理規定(第四条)」的にも、「薬担規則(第八条。保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師は、保険医等の交付した処方せんに基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない)」的にも、お金を含めた薬剤師の様々な「権利」を得るための「義務」ですよ、と、ゆるい縛りではありますが、半義務化されています。

アカデミックな勉強がキライな筆者にとってはキツイところです。

さて。ここからが本題。

今月のReportには、アメリカの薬局で行われているドラッグフリー万歳な薬ワゴンセールなどについていろいろと書いてあるのですが、薬物療法管理サービス(日本では当たり前)についての「報告書の一例」に注目。

・・・英語です。

メラニー・クラインさんという薬剤師さんが書いたという「MTMの報告書」の図が、モザイク入りで掲載されています。(プレミアムじゃない部分の2010年1月号35ページ参照)

英語なので、図の下に日本語で書いてある注釈を読みます。引用すると・・・

『ハドソン・ディスカウント・ドラッグ(ノースカロライナ州ハドソン市)のメラニー・クライン氏が書いたMTM報告書の一例。骨粗しょう症などがある患者の服用薬リストと薬物療法に関する問題の解決策を書いている』

という注釈です。

「へー、アメリカの薬剤師は、なんだかスゴイなー」

と、素直に納得してしまった人、危険です。

図をよく見てみると・・・。

上部には、服用薬リストと副作用チェック、応対のコメント欄。

下部には、問題と解決策。

という形で、その間の部分は「中略」といった状態で掲載されています。

掲載者の意図を、「上部が、服用薬リスト」「下部が、薬物療法に関する問題の解決策」であると、主張している図になっています。

どんな薬を使っているのか、気になりますよね。

書いてあることを、中学生レベルの拙い英語力でみていくと・・・(※カッコ内は、筆者補足)

【服用薬リスト】

 アクトネル(骨粗しょう症用)

 スピリーバ(吸入。気管支拡張)

 アドベア(吸入。アドエア。)

 プロエアー(吸入。気管支拡張。アルブテロール)

 シクロベンザプリン(筋弛緩剤)

 ベナゼプリル(ACE阻害剤。チバセンとか)

・・・と、なっています。

骨粗しょう症っていうか、COPDの患者さんですよね。これ。

んで、コメント欄には「Stop smoking」。

COPDだから、薬物療法以前に「タバコやめろ」って、医師の指示を受けてきていると思いますが、念を押したのでしょうか。

アクトネルのコメント欄には「Ca++ + V1 + D BID」という謎の文字列。

競りや入札とは関係なさそうですので、カルシウムとビタミンDでも摂ったら?的なことでも言ったのだと勝手に解釈してもいいのですが、わけわからないものは、わけわからないものとして扱います。

ベナゼプリルのコメント欄は記入なし。

唯一「副作用あり」にチェックがついているシクロベンザプリンのコメント欄には「眠気」の一言のみ。患者さんから「眠いんですよ」と言われて「眠いんですね」と答えたのでしょうか。

薬物療法の問題の例にするなら、まさしくここですから、下部の「問題と解決策」には、眠気に対する問題解決策が書いてあるのかと思いきや。

problem identified.
cost of actonel.

recommendation.
switch to fosamax 70 Q week

だって。

「アクトネル高いよ!」

「じゃあフォサマック70mgにしようぜ!」

という「問題と解決策」が、「薬物療法」の例として書いてあるわけです。眠気じゃなくて。

英語のわかる方や、この図で納得した方に質問。

この図、

『ハドソン・ディスカウント・ドラッグ(ノースカロライナ州ハドソン市)のメラニー・クライン氏が書いたMTM報告書の一例。骨粗しょう症などがある患者の服用薬リストと薬物療法に関する問題の解決策を書いている』

という注釈で、あっていますか?

続きを読む "日経DI。この例に、この注釈?"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

第三十六回「音楽から倫理規定条文を連想する」

ひととおり紹介が終わりましたので、

味付け程度に、擬人化キャラクターの趣味の話。

 たとえば、音楽。

 【ひとみ】はアイドル歌謡と流行りの歌。
       今をあらわす基本の音楽。

 【ふたば】はヒーリングミュージック、童謡。
       空間に癒しが流れるように。

 【みつひ】はジャズとクラシック。
       定番。アレンジで時代とともに変化する。

 【よつな】は演歌とヒーローソング。
       古いものの味も子供の好きなものも。

 【いつめ】はアニソンとロッキーのテーマ。
       今すぐ全力だせそうなノリで。

 【むつき】はテクノ。
       事前準備が大事なものを。

 【ななせ】は映画のサントラとフォークソング。
       雄大な夢と、四畳半の現実。

 【やつね】はハワイアンとサンバとコミックソング。
       陽気に気楽に、笑いで世界平和。

 【ここの】は探偵ドラマのテーマソング。
       年中無休で真実探究。

 【とうあ】は雅楽。
       孤高の調べで自分と向き合う。

 【つかさ】はメタル。
       すべてを破壊して創造する価値。

 【きみ】はオペラ。
       月影先生がみている! 心技体の結晶。

 【けい】は洋楽全般。(アンチ邦楽)
       ビルボードトップテンは見るけどオリコンは見ない派?

 これで、ふだん耳にする音楽から、倫理規定条文を思い出せるかもしれませんね。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

PS。イナズマ&バクハツ!

日薬誌1月号108ページを読んでいく企画の、後半です。

今回は、シンポジウムについて。(日薬誌を読んでいる前提で話を進めますので、いろいろ、割愛します)

四人の講演者のうち、ひとりめの講演者(北海道県薬)は、昨年の日薬学術大会の同分科会で行われた【ぷろ☆すた】とクリニカルラダーについての解説と一緒のようですからスルーします。あいかわらず、クリニカルラダーについて、『薬剤師のランク付けが目的ではない』と言い張っているのは、【認定薬剤師】という名前の「薬剤師のランク付け」をしている、薬剤師研修センター方面への配慮でしょうか。講演の最後を「薬剤師会が主体的に研修制度の構築と運営を行うことが重要である」と締めているのは、「もう薬剤師研修センターなんていらない!」宣言かと思って、ちょっと驚きました。

ふたりめの講演者(熊本県薬)は、『攻略』を主張したようです。

 1.ひとつひとつの項目を攻略するようなイメージで。

 2.難易度をポイントに換算しては、どうか。

ということです。

達成度チェックシステムをネット上に置いて、ゲーム感覚でやろうぜ、みたいな。

うーん。そんな遊びに、人から集めたお金を使って、どうするんでしょうね。

と、シンポジウムの前に思ったのか、日薬誌1月号97ページには、熊本県薬剤師会からのお年玉。達成度チェックシステム・個人ユース・エクセル版が紹介されています。

さっそくダウンロードしてみました。

マクロ無しの潔い仕様です。数字「1」を入れ、とりあえず、到達した項目数を難易度別に分けるだけです。まさか、このファイルの開発にお金がかかったとは思えませんので、懐に優しそうです。開発者さんありがとうございます。

誰かが、チェックボックスの設置方法を教えてあげると、よりよいものになりそうですね。

でも、これだけでは、ネットワーク化に対応していないので、日薬ホームページからID使ってログインして・・・みたいなシステムを組む必要がありそうです。

かっちりしたシステムを作るのは、日薬の仕事だと思います。でも、その前に、自分たちが提案したものを、提案だけしておしまいにせず、試作して公表する、という姿勢が、すばらしいと思います

もっとも、「ポイント」って、何に使うのか、エコポイント以上に、わかりませんが。

三人目の講演者は、愛知県薬剤師会。『社会的な実践を考慮した生涯学習システムの構築について』というガチガチのタイトルです。内容は・・・

 1.【ぷろ☆すた】で評価できない項目は『実践ポイント』として評価

 2.クリニカルラダーで最上階へ行くときには同僚からの推挙が必要

 3.学習システムへのインセンティブが必要

 4.標準的なレベルの明示が必要

といったもの。

愛知県薬剤師会のホームページを見ましたが、これらの提案を自分たちで試作したような資料は、みあたりませんでした。

熊本県薬は、学術大会での発表前に日薬誌へのニュース投稿を済ませています(=ホームページへ試作ファイルを掲載可能でした)。

愛知県薬は、学術大会から三カ月経過した今も、自分たちが提案したことの「試作」を提示できていません。

『標準的なレベルの提示』を、いつしてくれるのか、とても楽しみです。

『同僚がいない薬剤師』の推挙方法とかね。

講演タイトル通り、社会的な実践をしてもらいたいものですよね。

四番目の講演タイトルは『クリニカルラダーの全体像をイメージする』というもの。

まさにタイトル通り。

「イメージ」=「妄想的視覚化」を行っています。

趣旨としては、このブログでやっていることと同じです

 クリニカルラダーはハードルを越えることや、登山のイメージである!

とか、言っていたようです。

なんで、素直に「梯子のイメージである」と言わないのか、不思議ですけれどね。後戻りという意味で下がることもある「上下の運動」が伴うからラダーなんでしょ? ハードルを越えてから「戻る」なんてことはないでしょうし、山を踏破したあとで「山に登る前」に戻ったりはしないでしょ。

そして、極めつけ。

生涯学習を行う人と行わない人とを区別したくて仕方がないということで

でてきた提案が、

『稲妻ポイント』

 (なんか頑張るともらえそう)

『爆発ポイント』

 (「年間取得PSの過少」「相応しくない人」が対象?)

という、ネーミングセンスが素敵な、謎のポイント。

どれだけポイント好きなんですか、みなさん。

もう、イメージできません。会場にいた方たちは、イメージできたのでしょうか。

自分で勉強するのに、「ポイント」とかいうインセンティブが必要って、どーゆーこと?

そして、「ポイント」によって、正規のシステムとは異なる評価の導入を画策する始末・・・。

目的から、完全に外れてない?

【ぷろ☆すた】やクリニカルラダーが、あくまでも到達度を自分で知り、最終的に国民の信頼を得るためのものだと、最初の講演者が、去年と同じことを言ったのですが・・・。

国民の信頼そっちのけ。

そのうえ、「ランク付けが目的じゃない」と繰り返し言っているのに、

「年間取得PS」って、なに?

毎年レギュレーションが変わる中行われるF1で、ドライバーズポイントを稼ぐようなもの?

「相応しくない人」って、なに?

基準を満たしているのに「相応しくない」って、どういうこと?

講演が後半に行くに従って、生涯学習システムについての理解が異なる人たちが発表していませんか?

この要旨、ホントに要旨になっているのでしょうか?

そして、シンポジウムで述べられていることと、基調講演で述べられていることとが、どうも乖離しているような気がするのは、筆者だけなのでしょうか。

基調講演で「すでに『自己研鑽』『機能発揮』『社会同期』は理解できている」としているのに、

シンポジウムで語られるのは、その否定。どんなシステムなら『自己研鑽』『機能発揮』『社会同期』を理解させることができるのか、といった話になっています。

基調講演より後退した議論をするシンポジウムって、ダメなんじゃないかと思いますが、どーなんですかね。他の分科会も、こんなものなんでしょうかね?(←まだ読んでないらしい)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

PS。老年薬学のススメ?

日薬誌1月号が届きました。

今回は、108ページ、「第42回日薬学術大会(滋賀)おもな講演、分科会要旨」の「分科会13『生涯学習の推進と充実』」を読みます。

この分科会、二日目の開催だったので、ポスター発表側にいると、行けないんですよね。

レポートそのものについて、先に文句をつけておきます。

・・・これ、会員向けに動画配信すれば、終わりじゃね

学会って、会員向けに開かれていてほしいのですけど。毎回、会場先着200名様限定のシークレットライブを行って、ライブ映像もDVD販売もなんにもなしで、おしまいっていうのは、どうかと思います。

「学会要旨」の冊子と日薬誌で、同じ分科会の「要旨」内容が異なるというだけでもおかしいのですけれどね。さすがは、「薬剤師倫理規定視覚化の試み」を査読で通した組織です。内容の当日変更くらいでは、動じません。

レポートによると、おもに【ぷろ☆すた】とクリニカルラダーについての話があったようですが、まずは社会薬学の探究者である福島教授の基調講演「大学と薬剤師会のコラボレーションによる生涯学習の実践 ~実習を活用した生涯研修の事例~」について。

【レポートから読み取れた「基調講演の内容」】

 生涯学習とは「生涯を通じて日々これを学ぶ」という意味。

 生涯学習の実行は、容易ではない。

 薬剤師免許を持つこと=自己研鑽の義務を負うこと。

 能力を保ち続ける意志が大切である。

 生涯学習には三つのカテゴリーがある。

  カテゴリーA.『自己研鑽』

   自己の知性・理解力を刺激し続ける働き。

   知識欲が源泉。

   好きな方向だけに向いてはいけない。

  カテゴリーB.『機能発揮』

   専門職としての機能を発揮する準備。

   問題が発生する前に準備する働き。

  カテゴリーC.『社会同期』

   社会的要求に対応する鋭敏な行動力。

   カテゴリーA.B.の学習効率を向上の働き。

 多くの薬剤師は、三つのカテゴリーを理解している。

 あとは「効率的でわかりやすく、具体的で実践的な教育・訓練を備え、他の薬剤師の工夫事例・情報ネットワークが共用できるプログラム」を構築することが重要。

 三つのカテゴリーの達成を目指して、東京都薬剤師会と協力して『老年薬学』講座を試行。

 この「老年薬学」プログラムのように、生涯学習支援プラットフォーム(基盤、くらいの意味かな?)構築は、薬剤師・薬剤師会・大学が三者一体で進めることが重要。

【以上】

この内容を、薬剤師倫理規定の各条文で考えてみると。

第四条をベースにして、

生涯学習の実行は容易ではないが最善を尽くすという意味で第五条

知識欲を源泉とし、準備をするので第六条

社会的欲求と率先する行動力から第七条、第八条

そのあたりの話をしているわけです。

「薬剤師であれば、薬剤師倫理規定を遵守している」という夢のような前提で考えれば、『多くの薬剤師が「三つのカテゴリー」を理解し実践している』という結論になります。

 薬剤師免許を持つこと=自己研鑽の義務を負うこと。

については、そんな「義務」は存在しませんから、薬剤師倫理規定第四条原理主義にならない程度でお願いしたいのですが、

 好きな方向だけに向いてはいけない。

と言われると、けっこうツライです。

筆者もツライですけれど、好きな方向を向いて専門を追及するのが仕事である大学教授が実践できるとはとても思えないので、要旨からは真意がわかりません。

 三つのカテゴリーの達成を目指して『老年薬学』講座を実践。

という発想の飛躍は、講演会場のコンベンションホール内にいた聴衆全員が全く疑問に思わなかったとしたら驚きですが、要旨ではさらっと流されています。

老年薬学講座を受講したら生涯学習三つのカテゴリーが達成できる?

なんか違うよーな。

てゆーか、この要旨、おかしいです。

「多くの薬剤師は三つのカテゴリーを理解している」という(ファンタジー風味の)前提のもとで意見を展開しているわけですから、既に理解している部分を達成するための講座は、多くの薬剤師にとっては必要ないものですよね。

老年薬学講座って、「効率的でわかりやすく、具体的で実践的な教育・訓練を備え、他の薬剤師の工夫事例・情報ネットワークが共用できるプログラム」のほうじゃ、ないのでしょうか。

実際に講演を聞いてきた真面目な方、どちらだったか覚えていたら、日薬誌に投稿よろしくおねがいします。「To Editer」という、間違いを指摘するだけなのに査読される面倒な論文投稿規定がありますので、そちらから。

注:筆者の日本語能力がダメ過ぎて、日薬誌に掲載されている要旨を的確に読めていない可能性もあります。まずは日薬誌1月号をご覧ください。

個人的には、「老年薬学」なんていう狭い項目は必要なくて、「年齢薬学」「人生薬学」「生涯薬学」くらいの視線で、小児から年配者までを対象にした総合学問でいいんじゃないの? と思います。年齢で区切ると後期高齢者医療制度みたいに、どこかからクレームがつくかも・・・なんてことは関係なく。「年齢・環境・遺伝子などによって個体差がある」ことへの対処方法って、老年じゃなくても大事だと思いますけど。

それにしても。

 この「老年薬学」プログラムのように、生涯学習支援プラットフォーム構築は、薬剤師・薬剤師会・大学が三者一体で進めることが重要。

と、「強調」されていたようなのですが・・・。

福島教授の老年薬学プログラムは、平成18年度文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラムに採択されたことで三年間研究したノウハウから生まれたプログラムのようですから、「行政」あるいは「補助金」も重要ですよ、という話がでていてもおかしくないのですけれど・・・

お金のことは、どこにいってもタブーなんですかね?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

国家試験。出題基準検討第一回資料。

薬剤師国家試験出題基準改定部会、第一回会合(平成21年12月17日)の資料が、厚生労働省のホームページに掲載されました。

第一回会合の会議時間は二時間

改定部会委員の名簿が添付されています。

総勢、56名

ひとり二分、なにか喋ったら、会議時間が終わってしまいます。

大枠を決める「薬剤師国家試験出題制度検討会」の委員総数が21名でしたから、その2.5倍もの人数が参加しています。

問題作成の委員なら、このくらいの数を揃える意味があると思いますけれど・・・、出題制度が決まっている国家試験の、出題基準を決めるだけのことで、ここまで人数が必要だというのですから、よほど分厚い基準でも決めるつもりなのでしょう・・・と、思い込みたいところですが、資料の『現行の薬剤師国家試験について』に含まれている平成十六年三月の厚労省通知『薬剤師国家試験出題基準について』のようなものを作成することを最終目標とするのであれば、この人数は多すぎです。

制度検討会から引き続き参加している委員が1名だけ、というのも、不安材料です。

この56名、これまでの議事録や資料に、どれだけ目を通してくるのでしょうか。

ここは「薬剤師倫理規定」を扱っているブログなので、平成十六年三月の『薬剤師国家試験出題基準について』から、倫理の部分を抜き出してみます。

基準は、「大項目・中項目・小項目・小項目の内容の例示」で、1セットです。

平成十六年度版では、

「1.法・倫理・責任 B.倫理 b.薬剤師の倫理 a.医療の担い手としての倫理」

以上です。これだけ。

・・・現在の国家試験に、一問しか出題されないのも頷けます。

ここに『薬剤師倫理規定』と一言書いてあるかどうかで、出題される問題が変わるのです。[基準]と言うくらいですから。書いていないことをわざわざ出題する人は少数派。

で、平成十六年版を踏まえて、今回の基準は、特に「倫理」を明記した以上、『薬剤師倫理規定』についても触れてほしいわけですが。

今回、平成二十二年版の「大項目・中項目」の厚労省提示案を見てみると。

「法・制度・倫理」の大項目として、

 C18 社会と薬学

 C17 医薬品の開発と生産

 ヒューマニズム

 イントロダクション

の四項目がたち、それぞれに中項目として

 C18 社会と薬学

  1.薬剤師を取り巻く法律と制度

  2.社会保障制度と薬剤経済

  3.コミュニティファーマシー

 C17 医薬品の開発と生産

  1.医薬品開発と生産の流れ

  4.治験

  5.パイオスタティスティクス

 ヒューマニズム

  1.生と死

  2.医療の担い手としての心構え

  3.信頼関係の確立を目指して

 イントロダクション

  1.薬学への招待

  2.早期体験実習

といった具合に分けられています。

いや、「制度検討」の結論通り、薬学教育のコアカリキュラムをコピー&ペーストしただけですけれどね。

大項目と中項目にバイオスタティスティクス(生物統計学でいいんじゃ?)なんていうワケワカラン言葉までそのまま入れたということは、小項目に入る言葉は、コアカリキュラムを読めば、予想がつきますよね・・・。

【小項目を予想する。】

 C18 社会と薬学

  1.薬剤師を取り巻く法律と制度

    【医療の担い手としての使命】 

    【法律と制度】

    【管理薬】

    【放射性医薬品】

  2.社会保障制度と薬剤経済

    【社会保障制度】

    【医療保険】

    【薬剤経済】

  3.コミュニティファーマシー

    【地域薬局の役割】

    【医薬分業】

    【薬局の業務運営】

    【OTC薬・セルフメディケーション】

 C17 医薬品の開発と生産(略)

 ヒューマニズム

  1.生と死

    【生命の尊厳】

    【医療の目的】

    【先進医療と生命倫理】

  2.医療の担い手としての心構え

    【社会の期待】

    【医療行為に関わるこころ構え】

    【研究活動に求められるこころ構え】

    【医薬品の創製と供給に関わるこころ構え】

    【自己学習・生涯学習】

  3.信頼関係の確立を目指して

    【コミュニケーション】

    【相手の気持ちに配慮する】

    【患者の気持ちに配慮する】

    【チームワーク】

    【地域社会の人々との信頼関係】

 イントロダクション

  1.薬学への招待

    【薬学の歴史】

    【薬剤師の活動分野】

    【薬について】

    【現代社会と薬学との接点】

    【日本薬局方】

    【総合演習】

といったところですかねー。

で、小項目の補足に、それぞれの到達目標から、試験用にキーワードを抜き出して、終了。頭使うところがないです。

元ネタがあって、方針も決まっていて、作業の大半はお役人さんがやってくれるのですから、5人くらいでできる仕事じゃないですかね、これ。

これを「科目(領域)毎の大項目及び中項目の整理については、別紙の案でいかがか」なんていう『論点』として提出されて、56名は、なにか議論できたのでしょうか。

なお、小項目(コアカリ)には、『薬剤師倫理規定』についての項目はありません。

どうなるんでしょうね、薬剤師倫理規定・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

実習。ハラスメント【対応】マニュアルだってさ。

実務実習にむけて、日薬が面白いマニュアルを提示してきました。

一応、倫理っぽいので、遊んでみます。

タイトルは、

『実務実習におけるハラスメントへの対応』

なのだそうです。(日薬ホームページからダウンロードできます)

ハラスメント対応もマニュアルなしではできないと。

コーチングスキルを一切教えずに、ハラスメントを先に考えるっていうあたりが、教育者としてなってないとゆーか、学園ドラマでは定番の、保身のために担任教師を責めてノイローゼにさせるタイプの偉い人たちの発想、という気がしますが。

日薬の誰が作ったマニュアルなのかは、書いてないのでわかりません。責任者の名前がない時点で、なんか、責任逃れのために作っただけという印象の、弱腰なマニュアルです。(注:日薬代議員会議事録によると、作ったのは「受け入れ体制整備委員会」です)

目次を見ると、

 1.はじめに 2.ハラスメントとは 3.ハラスメントの種類

 4.実習でのハラスメント事例 5.ハラスメントへの対応策

 6.おわりに

の六項目。プラス、アンケート結果で、16ページほどの冊子です。

・・・アンケート結果部分が全体の半分を占めますので、実質、6ページ。

「挨拶」は「マニュアル作ったから責任は指導者が負ってください」という話を、1ページまるまる使って、遠まわしに繰り返し書いているだけです。

「ハラスメントについて」はwikipediaにいろいろ書かれているので、そっちを読んだほうがいいです。

てゆーか、ハラスメントなんて言い方ですが、よーするに、「いじめ」でしょ?

『実務実習におけるいじめへの対応』

っていうタイトルじゃ、何か問題あるんですかね。

今回は、4「事例」と5「対応策」の2項目をみていきます。

4.事例 ~ホントにあった怖い話? の抜粋~

 (1)性的いじめ

  食事に誘われて、ホニャララ。

  メルアド訊かれた。

  人がいるところで「さん」付け、いないところで「ちゃん」付けで呼ばれた。

 (2)指導のふりして、いじめ

  他の学生と較べられた

  「やる気がないのであれば明日から来なくてよい」と言われた。

  挨拶しても無視され、質問にもまじめに答えてもらえなかった。

  一日中アルバイト店員のように扱われ指導もなかった。

 (3)権限をたてにして、いじめ

  (事例なし)

 (4)その他の、いじめ

  (事例なし)

・・・以上が、事例です。

学生側の訴えのようですけど・・・、

これ、大学生のセリフですかねー・・・。

やる気がないのであれば明日から来なくてよい』なんて、ものすごく温情のある言い方ですけどね。『やる気があれば、明日も来てよい』という意味も含みますから。

『もう来るな。今すぐ帰れ』ぐらいで、普通です。

こういう言葉は、学生側に非がある時にしか出てきません。

学生に非がないケースでは、

一日中アルバイト店員のように扱われ」ているのは、「指導薬剤師には、誰も、指導方法を教えていない」ことに由来します。ガッコのセンセイと同じ。

指導方法を教わっていないので、各指導薬剤師が「独自の」指導方法で指導します。

「独自の」といっても、今の指導薬剤師のアタマの中には、『病院実習で、調剤助手のアルバイトのように扱われ』た経験が残っています。その経験からすると、無料アルバイトのように扱うことは、「単位が取れること」=「実習として成り立っている」ことですよね。まあ、そっちの、先例がある方向に、みんな流れているのでしょう。楽だし。

指導方法を教えないうえ、面接もなく、指導者を認定だけするシステムで運営しようっていうのですから、勇気があるというより無謀。

これら「事例」に対する「対応」として挙げられたのが、こちら。

5.対応 ~こうして解決すればいいんじゃね? という妄想~

 (1)予防法

  日頃から互いに尊敬し信頼を築け。

  嫌がられたと気づいたらすぐ止めて、繰り返さない。

  我慢するのは当たり前だという考え方は通用しません。

  管理薬剤師に相談しろ。

  相談しやすい環境づくりをしろ。

 (2)「学生から」いじめられたら

  勇気を出して、「不快だ」と言え。

  魔太郎みたいに『うらみノート』をつけて記録しておけ。

  我慢せずに、管理薬剤師や同僚に相談しろ。

  自分を責めるな。

 (3)いじめを目撃したら

  他人事だと放置するな。エスカレートするぜ。

  いつかギャフンと言わせてやるリストをつけて記録しておけ。

  管理薬剤師などにすぐ連絡しろ。

 (4)いじめ対応窓口

  窓口は、まだ、ない。検討中。

以上。

一体、どこが対応策なのか、教えてください。

書いてあることって、最終的には、

『管理薬剤師に連絡しろ』で、おしまいですよね。

で、管理薬剤師は、どーすればいいんですかね?

存在しない窓口にでも駆け込めばいいんですかね?

指導薬剤師認定要件には経験年数ってものが設定されていますから、最年少でも、卒後3~4年、26歳くらいですよね、指導薬剤師。

実際は、それよりは、上の年齢で。要するに、「指導薬剤師=管理薬剤師」っていうところ、とても多いと思うのですけれど。その中には、「指導薬剤師=管理薬剤師=経営者」という人も、結構な数、いるわけで。

そういう層に対する回答に、全くなっていない「マニュアル」ですよ、これ。

いじめっこ本人(予備軍含む)に

「いじめるな。いじめるときは自分に連絡」

「いじめられたら自分に連絡」

「いじめをみたら自分に連絡」

「いじめ窓口は、ない」

と書かれた「マニュアル」を渡すのですから

渡されたいじめっこは、

『ばっかじゃねーの?』と、

マニュアルを作った責任者&組織をナメてかかりますとも。

責任者は、「なんか代議員会で日薬がトラブルに関するルールを発信しろと言われたので、とりあえずコピペでつくれそうなハラスメントの部分だけやっつけで作っておけば実績になっていいんじゃね?」的な安易な行動をしているとナメてかかられ、組織は、「この出来で理事会承認して、上梓してしまった組織」としてナメてかかられ。

対人関係の問題は、「合わない人が同じ場所で強制的に向き合わされる」から生まれるって考えれば、現在の「受け入れ薬局に、見ず知らずの学生を割り振る」方式では、トラブルが起こって当然。

事前に「あうあわない」のテストでもやらなければ、無理でしょ。

就職活動と同じやり方で、「実習内定」を学生自身がとってくる方式(当然、「実習浪人」が大量に生まれますが、大学入試と同じ程度にフェアでしょう)にでも変えない限り、「対応」しつづけるしかないのでしょうけれど。

責任転嫁するだけのマニュアルなんて、現場的には迷惑だと思いますけどねー。

続きを読む "実習。ハラスメント【対応】マニュアルだってさ。"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

番外編「薬剤師倫理規定で新撰組」

今回は、
「薬剤師倫理規定を新撰組で擬人化してみよう」という無謀な試みです。

 ここまでの記事で「薬剤師倫理規定」本文は掲載済みなので、象徴できそうな人物をあてはめていくだけですが。

では、はじめましょう。

1.任務       沖田総司

 まずは自分の健康を心配しないとね
 一番隊隊長、沖田は、京都の人々の健康な生活を守るための剣となりました。

2.良心と自律    井上源三郎

 自分よりも人の世話? 縁の下の力持ち的な、自律している実力者。
 六番隊隊長、井上の剣術は天然理心流免許。隠れた実力者です。

3.法令等の遵守    土方歳三

 鉄の規律。法をつくった男。
 鬼の副長、土方が隊士に求めたのが局中法度。
 土方家は「石田散薬」で有名です。

4.生涯研鑽    山南敬助

 出稽古の教え上手。
 総長、山南はよく書を読み、北辰一刀流免許の技術も兼ね備えていました。
 西本願寺屯所移転に反対するなど、古い権威も大事にしていますね。

5.最善尽力義務    原田左之助

 全力豪快、いい男。
 十番隊隊長、原田は、ふんどしひとつで闊歩する美男子でした。

6.医薬品の安全性等の確保    永倉新八

 貴重な資料を遺してくれました。
 二番隊隊長、永倉の遺したデータは新撰組研究の一級資料です。
 また、永倉は要所要所で新鮮な情報や様々な警鐘を組織にもたらしています。

7.地域医療への貢献    近藤勇

 唯一のリーダー
 局長、近藤の「地域」的な(松平容保や故郷の人々に対しての)貢献は際立っています。

8.職能間の協調    伊東甲子太郎

 全方向外交もできる雄弁家
 参謀、伊東は、薩摩も長州も幕府も関係なく交流を深めようとしました。

9.秘密の保持    山崎烝

 秘密の真実を見つけ出す監察役
 監察、山崎は、秘密の中枢にいました。
 秘密を明かすことなく、鳥羽伏見の戦いの負傷で死亡。
 山崎の取り調べ日記が見つかり、解読中。

10.品位・信用等の維持    藤堂平助

 大名家の血筋を噂される一番槍。
 八番隊隊長、藤堂は、貴族の誉である一番槍の男でした。
 死地へ真っ先に向かう先駆けと、当初の新撰組方針(一応、尊王攘夷)を貫いた点は、信義の士にふさわしそうです。

大人気の斎藤一が入っていませんね。

まあ、そこは気にしない方向で。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »