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個人輸入×擬人化倫理

『海外の子会社で、個人輸入を用いた一般薬のネット販売』。

倫理ネタ、きました。

まずは、偏った予備知識。

1.薬事法の改正で、第一種、第二種の一般薬については、郵送販売が禁止されました。

2.個人輸入で入手した未承認薬を使うしかない、という方がいます。

3.個人輸入で「国内未承認薬」や「第一種、第二種の一般薬」を入手することについては、厚生労働省は「法律違反ではない」「罰則はない」という見解を示しますが、「それが合法である」という「お墨付き」は与えません。

4.個人輸入を用いた薬のネット販売を行う業者さんは、「厚生労働省に確認したら問題視されなかった」ことを、「お墨付きを得た」と勘違いしている模様。

さて。

個人輸入による未承認薬入手という選択は、良心的な「グレーゾーン」によって成り立っています。

「ないと困る」うえに「国内のどこにも売っていない」薬ですから、良心的なグレーゾーンがないと、外国で暮らすしかなくなるわけですね。そのへん配慮して、役所は、見て見ぬふりをしてくれているわけです。そのかわり、きちんと書類を提出してね、と。

そう。

きちんと、書類を、提出してね☆ と。

【一般の個人が医薬品の輸入が可能となっているのは、外国で受けた薬物治療を継続する必要がある場合や、海外からの旅行者が常備薬として携行する場合などへの配慮によるものです。
 個人輸入には、原則として、地方厚生局(厚生労働省の地方支分部局)で必要書類を提出し、薬事法に違反する輸入でないことの証明を受ける必要がありますが、一定の範囲内であれば、特例的に「税関限りの確認」で通関することができます。
 なお、自己判断で使用すると重大な健康被害を生じるおそれがある医薬品は、数量にかかわらず、医師による処方が確認できない限り、一般の個人による輸入は認められません。】(厚生労働省ホームページより抜粋)

「原則」は、書類提出をして、証明をうけることです。

「一定の範囲内であれば」「特例的に」通関できる、ということです。

しかし、そこにつけこんで、「個人輸入ならば、外国の未承認薬や国内の要処方箋薬を海外経由で手に入れられますよ」という誘いで、ダイエット目的のエフェドリンや、必要ない方へのED薬などの「個人輸入代行」をする店ができました。

これらは、いわゆる、「非良心的」グレーゾーンを追及する企業ですね。未承認薬の広告などの薬事法違反で行政指導されることが多いようです。

薬事法違反ではない形、かつ、個人輸入代行業以外で「個人輸入」させる手として、「海外の法人をつくって、日本語の通販サイトから、『外国の企業(子会社)と、個人』との間だけでやりとり」する、通常の「個人輸入」の形式をとることで、業者側の責任を回避する方向に向かっています。個人輸入だから返品なし、自己責任使用。

これを、「特例的」と主張しているわけですね。

でも、「原則」は、書類提出です。

また、海外企業から購入者個人へ直接届くのではなく、途中で国内の集配担当施設などを経由した場合は、その集配担当施設が輸入したことになりますから、そこからの配布は国内法上の販売となり、国内法で通販できない品物を通販したなら違法です。

で。

「個人輸入」を、第一種・第二種一般薬で行う・・・というネット販売業者さんが現れました。

しかも

「日本から海外に輸出した品を個人輸入するぶんにはOKでしょ?」

という、OTCロンダリング的な話です。

日本に置いとくとネット販売できない不良在庫だけれど、海外にいったん出してしまえば海外の薬と同じ扱い。海外に出して、キレイにして、売ろう。・・・みたいなことを、思っているのかどうかは知りませんが。

薬販売が二極化した結果として、「非良心的グレーゾーン」に足を踏み入れた企業が出てきたわけです。

「薬剤師倫理規定」的には、第2条、第10条を全く守らない、ということです。

行政が、未承認薬入手のための「個人輸入」を見て見ぬふりで済ませたことが、「個人輸入代行業」によるダイエット製品などの流入を裏で許してきたわけですが、これが「一般企業」による大規模なネット販売となると、なんとなーく、次の流れがみえてきますよね。

だって、もう、「特例的」とか言ってられないくらいに、大々的に、「原則」を踏みにじっているのですからね。

掲げた原則が「少数派」になってしまうほどに「特例(と、やっている本人たちが勝手に思い込んでいること)」が幅をきかせているとなれば。

まずは、「原則」の徹底・強化が「法的に」進められそうな予感・・・。

でも、国内で売っている一般薬を購入するために、役所に行って書類をもらえるかっていうと、普通、「申請理由に問題がある」わけですから、証明書はもらえませんよね。しかも、面倒だし。(そう、本当に困っていて深刻な人は、面倒なことであっても、真面目に証明を受けているんですよね)

法的に「原則」を強化しても、それが無視され続けるとなれば・・・。

最悪のケースは、法律による、「個人輸入全面禁止」という方向?

行政が「法律上の問題はない」という回答をよせるときは、「今は問題ないけれど、関連する条項がないだけだから、いずれ法改正して、規制する」と言っているようなものです。

未承認薬入手のみ例外、となるかも、わかりません。輸入品のなかみを全部点検するわけではありませんから、税関では、区別のつけようもないでしょうし。

書類を提出して証明をうけた人の分だけ通過させる、というシステムができないかぎり、未承認薬の入手が困難になっていくだけのような・・・。

まあ、そこまではいかないにしても。

今回のOTCの「個人輸入」が問題視されないとなれば、同じ手法で要処方箋薬の個人輸入をしても問題視されないかもしれないわけで・・・。

はてさて。どうなりますやら・・・。

いつものことですが、薬剤師会が静かなのが、気になります。

そういえば、この流れ。要処方箋薬の制度ができたときと、ちょっと似ていませんか?

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