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お茶の時間に、よくある風景。

神社の裏の大豪邸に招かれた、【ひとみ】と【ふたば】。

今日は、【ふたば】の友達の、【とうあ】さん主催で、お茶会が開催されるのです。

お茶会といっても、大豪邸の広い庭の片隅にある四畳半の茶室でのこと。

招かれた客人と、【とうあ】さんだけの、小さな会です。

とうあ 「みなさま、今日は日頃の疲れを癒していただければ幸いです」

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ふたば 「とうあさん、ごちそうになります」

ひとみ 「お茶菓子おいひーっ! もぐもぐ・・・」

ふたば 「ひとみ、上座の人が食べるまで、お茶菓子はお預けですよ」

ひとみ 「かみざ?」

みつひ 「私だ」

狭い室内なのに、仲良し従姉妹から距離を置いて、風紀委員が居心地悪そうに座っています。今日の客人は、三人だけのようです。

みつひ 「今日は、生徒会長の代理でやってきた。まさか遅刻の常習犯と自主ルール押し付け女が来るとは・・・そうと分かっていたら断ったのだが」

ふたば 「まあ。今からでも遅くはありませんよ」

みつひ 「正客がもてなしを受ける前に帰るわけにもいくまい。私は、満喫してから退席するぞ」

ふたば 「茶道のルールにもこだわるんですね」

みつひ 「ルールを守るのは人として当然だ」

さらりと言う【みつひ】の服の袖を、寄ってきた【ひとみ】が、ちょいちょいとひっぱります。(たぶん、正座が辛かったんだと思います)

ひとみ 「ねーねー、風紀のヒト、はやくお菓子食べてよー」

みつひ 「お菓子?」

ひとみ 「だって、かみざのひとがお菓子食べないと、お菓子食べちゃダメだって、ふたばおねえちゃんが言うんだもん」

みつひ 「まだ茶を点てはじめたばかりだ。そんなに早く食べるものではない」

ひとみ 「食べちゃったら、きっと、また新しいお茶菓子が出てくるよ! そしたら、いっぱいお茶菓子食べられるよー」

みつひ 「・・・」

【みつひ】の冷たい視線が走りますが、【ひとみ】は全く気付いていません。

ふたば 「ひとみ、あんまり人を困らせちゃだめですよ。私のお茶菓子を半分あげますから、もう少し我慢しなさい」

ひとみ 「うん。ぱくっ。でもぉ・・・。もっと食べたいー」

狭い茶室の中ですから、【ひとみ】の声は茶を点てている【とうあ】さんにも聞こえているはずですが。

【とうあ】さんは、いつもの微笑みで、ゆったりとお茶の支度をしつづけます。

【ひとみ】の視線は、周囲のお茶菓子をうろうろとさまよいます。

ふたば 「はあ・・・困りましたねぇ・・・」

と、【ひとみ】の目の前に、お茶菓子ののったお皿があらわれました。

みつひ 「・・・ほら、私の菓子をやるから、かわりに食べて、静かに正座していろ」

ひとみ 「風紀のヒト、大好きーっ。もぐもぐもぐー。おいしーっ」

さっさと平らげて、大満足の【ひとみ】。

ついでに、【ふたば】のお菓子の残りも食べてしまいました。

ふたば 「みつひさん、ルールはいいんですか?」

みつひ 「もてなす側ともてなされる側がお互いに気持よくあるというのが茶の作法だ。正客代理である私が正客が食べ始めるお茶菓子を代理人に食べさせるのだ。別に問題ない」

ひとみ 「もんだいないっ」

とうあ 「お待たせ致しました。お茶ができましたよ。今日は、略式ですから、あまり作法は気にせずに、楽しく歓談いたしましょう」

そう言って、【とうあ】さんは、箱から大量のお茶菓子を取り出しました。

甘党の生徒会長に合わせて、たくさん用意していたようです。

甘いものが苦手な【みつひ】は、手元に増えてしまったお茶菓子を【ひとみ】の口に放り込み続けたということです。

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