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図書館で迷った時の、よくある風景

放課後。

珍しく、学園内の『千年図書館』で、探し物をしている【ひとみ】です。

ひとみ 「えーと、えーと・・・」

むつき 「なにか・・・探してますか?」

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ひとみ 「あっ、図書館のヒト?」

むつき 「図書館の人ではありませんが、図書館には、よくいますよ」

差し出された名刺には、『御薬学園副会長 水野睦月』と書いてあります。

よくわかりませんが、副会長さんなら、なんだか偉そうだから、いろいろ知っているかもしれません。

ひとみ 「ふたばおねーちゃんに頼まれて、本を探しているの」

むつき 「題名か作者か内容の一部を教えてもらえれば、探しますよ」

小脇に抱えていたノートパソコンを起動しながら、【むつき】は手近の机に腰掛けます。

ひとみ 「えっとねー、『薬局管理学』っていう本」

むつき 「ここから10キロ先の、著者名「かみむら」のコーナーの後半ですね」

ひとみ 「10キロ? ここの図書館、広すぎだよ~」

むつき 「仕方がありません。学園の図書館に、ない本はありませんから」

確かに、世界中から変な本を買ってきて、所蔵しているようですが。

ひとみ 「あとねー、『新人薬剤師えい子とまなぶ 薬局実務入門』っていう本も」

むつき 「地下200メートルの、「稀少本」コーナーのどこかにあります。おそらく、見つけるのに三か月はかかりますね」

ひとみ 「ええーっ? そんな生活、カニ光線だよー」

むつき 「井伏鱒二ですか」

ひとみ 「いぶせますじ?」

むつき 「『蟹工船』『黒い雨』『山椒魚』『駅前旅館』『本日休診』。あと、ガンダムのファン」

ひとみ 「ガンダム、知ってるよー。100万ダムパワーの白いのが、ツノを2個はめて、いつもの2倍赤くして、3倍速くなる人が乗ると、2×2×3=12倍で、1200万ダムパワーでしょ。いっちゃんが言ってたよ」

【ひとみ】の先輩でマンガ大好きな【いつめ】は、『キン肉マン』も大好きです。

むつき 「キャスバル専用ガンダムにはウォーズマン理論が適用されるのですか。それより、マンガが読みたいなら、隣の建物の三階から二十五階までにありますよ」

ひとみ 「マンガ読めるの? んじゃ、そっち行くー」

むつき 「そうそう、こんなこともあろうかと、お訊ねの本はマンガ棟の受付に置いておきましたから、借りていってくださいね」

どれだけ未来予知ができるのかとツッコミをいれたくなりますが、こうして【ひとみ】は、無事におつかいを終えることができました。

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