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第七回「犬猿の仲ほど、うまくいく?」

 良心自律の【ふたば】と、法令順守の【みつひ】は、基本的に、喧嘩してばかりです。

 頼まれると、オフレコな感覚でなんでもやってしまうのが、【ふたば】。
 郵便局員や駐在さんが、個人的な依頼で、勤務中にスーパーまで買い物に行くような、そういうことを、当たり前にこなします。

 ようするに、相手の満足重視。
 子供が泣いたら、おもちゃを買ってあげるタイプ。

 一方、法に触れることは絶対にしないし、法に触れることを依頼した相手に説教をするのが、【みつひ】。
 介護職が患者さんに頼まれて料理を作るのは勝手だけれど、勤務時間中に報酬をもらいながら作るのは禁止だ・・・など、相手に法律を破らせないよう、法律を正しく運用するように求めるわけです。

 教育・啓蒙重視、といえばいいのでしょうか。
 子供が泣いたら、恨みを買っても躾を完遂するタイプ。

 ふたりの喧嘩は、平行線です。

 【ふたば】は、「他人の優しさと許容は、他人に対する姿勢を本人が自覚するきっかけとなる」と考えます。今わがままな人も、まわりが優しければ、いずれは自分で気がついて、態度を改めるだろう、と。

 『みんなが優しければ、世界は優しくなれる』という感覚。そのために、自分が多少苦労するのは問題なし。

 【みつひ】は、「律儀に法を守っている人間を不正から守るためには、法を守らない者に厳しく当たるのは当然である」と考えます。

 だから、【ふたば】に対しては「お前の優しさとやらは、法を守らない人間を増長させるだけであり、お前が法を守らない人間になることでもある。善意で行うことであるならば、まずは法を変えろ」と警告します。

 【ふたば】は、「でも、困っている人は、『今』困っているのだから、法を変えていては間に合いません」と返します。

 【みつひ】は、現行法の中で対処できないかを、真剣に考えます。そして法律家にありがちな「違法性の阻却」などの、人をけむに巻く論理を持ち出して、なんとかその場を収めます。

 結局、ふたりの喧嘩は、【ふたば】が全勝。

案外、いいコンビなのかもしれません。

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