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2009年6月

ぜんぶんのおはなし。

「薬剤師倫理規定」には、

条文の十条以外に、

前文

があります。

『薬剤師は、国民の信託により、憲法及び法令に基づき、医療の担い手の一員として、

人権の中で最も基本的な生命・健康の保持増進に寄与する責務を担っている。

この責務の根底には生命への畏敬に発する倫理が存在するが、さらに、調剤をはじめ、

医薬品の創製から供給、適正な使用に至るまで、確固たる薬の倫理が求められる。

薬剤師が人々の信頼に応え、医療の向上及び公共の福祉の増進に貢献し、

薬剤師職能を全うするため、ここに薬剤師倫理規定を制定する。』

というのが「前文」です。

まず、日本において、薬剤師の身分は、

1.国民の信託

2.憲法と法令

があって、はじめて、保障されるんですよ、とはっきりさせました。

で、お仕事は

「生命・健康の保持増進に寄与する」

ことですよ、と、はっきりさせました。

そして、倫理。

「生命への畏敬の念に発する」倫理って、なにかというと。

シュバイツァー博士の、これです。

「倫理とは私が自分の生命に対する畏敬と同じ畏敬をすべての

生きようとする意志に向けようという切望を体験することに成立する」

(「文化と倫理」)

みごとに、パクり・・・もとい、インスパイア? リスペクト? まあ、そういうもの。

それだけでは足りないから、もう少し加えますね、というのが、「薬の倫理」のようです。

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第七回「犬猿の仲ほど、うまくいく?」

 良心自律の【ふたば】と、法令順守の【みつひ】は、基本的に、喧嘩してばかりです。

 頼まれると、オフレコな感覚でなんでもやってしまうのが、【ふたば】。
 郵便局員や駐在さんが、個人的な依頼で、勤務中にスーパーまで買い物に行くような、そういうことを、当たり前にこなします。

 ようするに、相手の満足重視。
 子供が泣いたら、おもちゃを買ってあげるタイプ。

 一方、法に触れることは絶対にしないし、法に触れることを依頼した相手に説教をするのが、【みつひ】。
 介護職が患者さんに頼まれて料理を作るのは勝手だけれど、勤務時間中に報酬をもらいながら作るのは禁止だ・・・など、相手に法律を破らせないよう、法律を正しく運用するように求めるわけです。

 教育・啓蒙重視、といえばいいのでしょうか。
 子供が泣いたら、恨みを買っても躾を完遂するタイプ。

 ふたりの喧嘩は、平行線です。

 【ふたば】は、「他人の優しさと許容は、他人に対する姿勢を本人が自覚するきっかけとなる」と考えます。今わがままな人も、まわりが優しければ、いずれは自分で気がついて、態度を改めるだろう、と。

 『みんなが優しければ、世界は優しくなれる』という感覚。そのために、自分が多少苦労するのは問題なし。

 【みつひ】は、「律儀に法を守っている人間を不正から守るためには、法を守らない者に厳しく当たるのは当然である」と考えます。

 だから、【ふたば】に対しては「お前の優しさとやらは、法を守らない人間を増長させるだけであり、お前が法を守らない人間になることでもある。善意で行うことであるならば、まずは法を変えろ」と警告します。

 【ふたば】は、「でも、困っている人は、『今』困っているのだから、法を変えていては間に合いません」と返します。

 【みつひ】は、現行法の中で対処できないかを、真剣に考えます。そして法律家にありがちな「違法性の阻却」などの、人をけむに巻く論理を持ち出して、なんとかその場を収めます。

 結局、ふたりの喧嘩は、【ふたば】が全勝。

案外、いいコンビなのかもしれません。

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校門近くの、よくある風景

学園の校門。【ひとみ】が、猛ダッシュでやってきました。

ひとみ 「うわー、遅刻しちゃうよーっ! ぎりぎりセーフ!」

みつひ 「桃園。またお前か」

03mituhik 




ひとみ 「あー。風紀のヒト。おはようございまーす」

みつひ 「ああ、おはよう。ところで、すでに昼休みなのだが、何がセーフなのか」

ひとみ 「もちろん、皆勤賞でーす」

みつひ 「そうか、皆勤賞か」

ひとみ 「そうですっ。皆勤賞ですっ」

皆勤賞がセーフ。

なんの迷いもなく言われて、【みつひ】は思わず腕を組んで考えます。

みつひ 「皆勤賞の定義が、どうも違うように感じるが」

ひとみ 「毎日休まず学校にきたら、皆勤賞だよね?」

みつひ 「たとえば、夕方に来たとしてもか?」

ひとみ 「そうそう」

みつひ 「・・・なるほど。たしかに、校則に明記されている皆勤賞の定義が、不正確なようだ」

ひとみ 「不正確なの?」

みつひ 「さっそく校則を改正させる。桃園、良い意見を感謝する」

ひとみ 「なんだかわかんないけど、どういたしましてー」

ペコリと頭を下げると、【ひとみ】は手を振って去って行きました。

校門に残された【みつひ】は、悪魔も逃げ出すほどの冷たい目で空を眺めると、ぽつりとつぶやきました。

みつひ 「・・・もちろん、校則改正後に重役登校した場合は、皆勤などとは決して言わせないがな・・・」

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第六回「法律を知るということ」

 「薬剤師倫理規定」第三条は、法の遵守。

 法律を守る。大事なことです。

 「融通がきかない」と言われることが多い?薬剤師ですが。

 融通をきかせた結果、法律を破ったら、罰則があります。

 「融通がきかない」とお怒りの方、少しだけ、想像してください。

 融通をきかせると、「目の前の薬剤師が、犯罪者になる」こともあるのです。

 たとえば・・・

薬剤師法 第23条
 薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。
2 薬剤師は、処方せんに記載された医薬品につき、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない。

 という法律があります。

 処方箋発行者の同意がなければ、薬を増やしたり減らしたりはできません。

 「急いでるんだから、医師の確認なんかとらずに増やせばいいんだよ、医師とは友達だから、こっちから、あとで言っておくから!」と言われても、勝手に薬を増やすわけにはいきません。

 薬剤師法第23条違反による罰則は、

 1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金  となります。

 休日で医師との連絡がつかなかった場合などは、牢屋での一年間を想像して、ドキドキしっぱなしになりそうです。大きな不安を抱えた状態で仕事をつづけて、ひどいミスの原因になったら、目も当てられません。

 もちろん、薬剤師自身が、「その行為が違法である」と認識できなければ、話になりませんよね。

 薬剤師が「それをやっちゃうと、違法なんですよ」「これこれこういう条文があって・・・」と、言えてはじめて、「ああ、今の今まで自分がしていたことは、他人に対して「自分のために法律を破れ」と強要しているのと同じだったんだ。恥ずかしいなぁ。じゃあ、無理強いしちゃいけないよね」と、おたがいにケンカすることなく、納得できるんじゃないでしょうか。

 薬剤師倫理規定の「前文」には、薬剤師は「憲法と法令」のもとで動いてこそ薬剤師であるという宣言があるくらいです。

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第五回「風紀といえば竹刀」

「薬剤師倫理規定」擬人化。

今日は、第三条です。

居候先から、学園生活へと舞台が広がります。

第三条 法令等の遵守

  薬剤師は、薬剤師法、薬事法、医療法、
  健康保険法、その他関連法規に精通し、
  これら法令等を遵守する。

003mitsuhi

















「適法執行」青山 みつひ

   御薬学園高等部2年生。
   校門前を地獄に変える、鬼の風紀委員。
   学園長の遅刻を咎めて罰を与えたという伝説あり。
   メガネが白く曇るとき、黒い天使が舞い降りる。

第三条は、「法律を守れ!」です。

学園で法律といえば校則。

風紀委員さんの出番です。

法律を守るといえば、曹操さん(from三国志)。
「蒼天航路」を読んでいると、
【都の門を守れという命令を受けて、皇族であっても罰則を適用してむち打ち刑】
という、素敵なシーンがあります。

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第四回「究極のおねえちゃん」

ふたりの関係とか。

【ひとみ】は、親戚である【ふたば】の家に居候しています。

基本的に、【ひとみ】は

  お風呂に入っているか、
  マンガを読んでいるか、
  テレビをみているか、
  お菓子を食べているか
  寝ているか

で、家の手伝いを一切しません。

【ひとみ】の世話と、家事全般は、【ふたば】の仕事です。

【ひとみ】の辞書には計画性という言葉はありません。

【ふたば】が、すべてを管理しています。

【ひとみ】のわがままを【ふたば】が矯正。

そういう関係です。

【ひとみ】は、今日が良ければそれでいいのですが、

【ふたば】は、先々のことを考えて、
できることは先延ばしせずにテキパキとこなします。

それなので

同じ「時間がある」という言葉でも

【ひとみ】の場合は

「大事なことが片付いていなくても、別に平気」ですし、

01hitomik

 








【ふたば】の場合は

「大事なことはすべて片付いているので、とりくめる」という意味になります。

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夕飯前の、よくある風景。

台所で編み物をしていた【ふたば】のところに、【ひとみ】が駆け込んできました。

ひとみ 「ねーねー、ふたばおねーちゃん、いちだいじだよー」

ふたば 「なんですか?」

ひとみ 「えっと。おなか減ったねー」

ふたば 「さっき食べたばかりですよ」

ひとみ 「おやつはベツバラなんだってばー」

ふたば 「もうすぐ夕ご飯ですよ」

ひとみ 「だっておなか減ったー」

ふたば 「もー、しょうがないですねー。じゃあ、食べないでとっておいたケーキを…」

冷蔵庫を開けて、【ふたば】はショートケーキを取り出します。

ひとみ 「うわー☆ さっき食べたケーキだぁーっ☆ いただきまぁーす」

ふたば 「はいはい。ゆっくり食べなさいね」

ひとみ 「もぐもぐ。ふたばおねーちゃんはケーキ嫌いなのー?」

ふたば 「大好きですよ。とっても」

ひとみ 「んじゃー、なんで食べないのー?」

ふたば 「なんででしょうねー」

ひとみ 「おいしいのになー」

ふたば 「そうですよねー」

ちょっとだけ考えて、【ひとみ】はケーキを一切れ、差し出しました。

ひとみ 「んじゃ、一口食べてもいいよー。あーん」

 ぱくり。

ふたば 「おいしいですねー。ひとみさんは優しいですねー」

ひとみ 「えへへー。ほめられちゃったー」

なんだかおかしな気がしますが、ふたりとも幸せなので、それでいいのかもしれません。

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第三回「その名はキカイダー」

 「薬剤師倫理規定」擬人化。

 今日は、第二条。いとこの優しいお姉さんです。

第二条 良心と自律
  薬剤師は、常に自らを律し、良心と
  愛情をもって職能の発揮に努める。

002futaba















「自律天使」緑ヶ丘 ふたば


   御薬学園高等部2年生。

   いつも忙しい、頼れる保健委員さん。
   基本ほんわかムード。ときおり説教モード。
   趣味は、ボランティアと青汁づくり。

 自律は自立とは違うもの。

 自律型といえば鉄腕アトムのような、操縦者がいなくても動くロボットのこと。

 自律型で良心回路といえば。

 そう、人造人間キカイダーですね。

 そこで、ロボットに擬人化・・・(あれ? なんか日本語が変ですよ)

 と、考えていましたが、

 人間でも、良心回路を取り付けられた人たちがいるではないですか。

 医療職とかに。

 そんなわけで、看護婦さんがわりの、保健委員さんです。

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第二回「任務は、アホの子におまかせ」

「薬剤師倫理規定」擬人化キャラクター紹介。 最初ですから、第一条。

 第一条 任務
  薬剤師は、個人の尊厳の保持と生命の尊重を旨とし、
  調剤をはじめ、医薬品の供給、その他薬事衛生を
  つかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に
  寄与し、もって人々の健康な生活の確保に努める。

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「健康優良」桃園 ひとみ


   御薬学園中等部1年生。

   皆勤賞を目指す、元気印のおばか娘。
   両親が仕事の都合で外国へ行ったため、
   親戚の緑ヶ丘家に居候中。

 第一条、言いたいことを一言でまとめると、
「めざせ、健康体!」です。

 

「わんぱくでもいい、たくましく育ってくれれば」

 とか

 「少しくらいおばかさんでも、明るく生きてくれれば」

 ということなのだと理解して、

元気いっぱいだけどアホの子

 という擬人化になりました。


 お約束通り、必要以上に太いアホ毛も標準装備です。

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第一回「御薬学園の冒険!」

 人が登場するので、まずは、舞台を整えましょう。

 舞台となるのは、小中高一貫の学校、『御薬学園』です。「おくすりがくえん」と読みます。

 ここでは、文武両道・学園自治を理想とする学園長のもと、数千人の学生が活動しています。一学年500人から700人くらいでしょうか。教員の数も、それにあわせて多いので、全貌を把握している人はごくわずかです。

 私立のマンモス校らしく、寮完備で、学園内には専用の無料バス路線もあります。立地は少し山奥なので、昔は非常に不便でしたが、最近、学園内流通が劇的に改善されたため、ほとんどの物資は学園内で入手可能です。学園内だけで通用する仮想通貨「リスク」が設定されており、現金を持ち歩く必要がありません。

 全ての蔵書を読破するのに千年かかるといわれる『千年図書館』や、山の内部をまるごと使った巨大体育館などの施設が、他では見られないものでしょう。

 現在の生徒会の方針で、普通の学校に比べて生徒会主催のイベントが多いのも、特色のひとつです。このイベントの効果もあって、上級生と下級生の交流が盛んです。

 また、授業の一環として地域社会への貢献活動も活発で、商店街ボランティアや祭りのスタッフ、帳簿書類の作成まで行っており、一般社会における評価は高いようです。

 授業は「質疑応答」のみです。

 教科書の内容は予習により消化するのが基本で、期末試験以外の試験結果は「どこがわからないのか」を教師が確認し、補習授業で修正するために用いられます。

 教科ごとに授業時間がまとめられ、一つの科目は週に一度しか行われません。一日に国語四時間、化学三時間といったスケジュールになります。教師の教室移動が少なく、余剰時間があれば前倒しで次の授業が始まるため、放課後が比較的長めになります。教科書内容が身についている学生は、その時間を利用してさらに高度な研究を行ったり、部活動に励んだりしています。教科書内容が身についていない学生には、定期的に補習授業が行われます。

 部活動も盛んで、国内だけでなく、海外のトップをライバル視した練習を行っているのが特徴です。

 運動強化学生制度により、素質のある学生が数多く集まっていますが、『甲子園に行くより六大学やメジャーリーグ球団との練習試合に勝つことのほうが大事』『どうせやるならプロ並みをめざせ』という方針なので、学生同士の勝敗を決めるインターハイなどには参加しません。

 ・・・と、いろいろありがちな設定をしてみましたが、学園のことはおいといて、次回からは、擬人化キャラクターの紹介を行います。

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「萌える薬剤師倫理規定」


 このブログでは、

「薬剤師倫理規定」を擬人化して、

  だらだらと紹介します。



 薬剤師倫理規定ってなんぞや?


 という方は、


「薬剤師の校則みたいなもの」とイメージしていただければ。



 薬剤師倫理規定は10条ありますので、10人分擬人化する予定です。




 擬人化ってなんぞや? という方は、ええと・・・


びんちょうタン


  とか


アンパンマン


  とか


れきそタン


  とかを、画像検索してみてください。



 国語的には、


「そのミカンは、喜びの歌を歌っている」

 といった表現のことですが、その擬人化とは違います。


一応、「社会薬学」という分野における「研究発表」なのですが、
気軽な「薬剤師エンタメ」としてお楽しみください

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