ようこそー。

ここは、「10しす 薬剤師倫理規定擬人化プロジェクト(てんしす やくざいしりんりきていぎじんかぷろじぇくと)」のサイトです。

Tensis002_2

社会薬学の実践として、「薬の倫理の視覚化」「物語化」などで、研究したり遊んだりしています。

Tenh01

   ↑

平成24年10月の日薬学術大会あわせで、薬剤師倫理規定擬人化冊子(同人誌)をつくりました。(2012.5)

東京都薬剤師会北多摩支部にて通販してます。こちらを参照してください。(2012/10)

  ☆

カテゴリに「ノベル」とある記事は「薬剤師倫理規定擬人化キャラクターを用いた小説っぽいもの」で、「第●回」とタイトルに記載されている記事は「擬人化キャラクターの紹介と、派生するネタ」で、それ以外の記事は、議事録読破日記や学会発表告知などになっています。

かなり昔の記事には目次をつくりましたので、全体を把握したい方は、外枠にある「目次」という文字を押してくださいませ。

【創作用語解説】

「ぷろ☆すた」 プロフェッショナル・スタンダードの新しい略称。

「10しす」 てん りとる ふぁーましー すたーず の略称。

「受入力」 うけいれりょく。実務実習用語。

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 倫理・道徳へ
にほんブログ村

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

J-PALS:水曜夜に、どうでせう。

あけましておめデパス!(ぱくり)

放置しすぎて、もう春ですが、気にしないですよー。

『ちびまる向ちゃん』が完売というニュースに対して、倫理規定擬人化本は在庫ありですから、興味がある方は通販どーぞー。

放置のあいだブログを全く見ていなかったのですが、「24時間開局」とか「消費税」あたりの検索だと数年前の記事に到達してしまうので、ちょっと申し訳ない感じです。

今回はつれづれに。

   ☆

診療・調剤報酬etc改定については、もう終わったことなのでスルーしたい気持ちでいっぱいですが、

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000036577.pdf

のよーにパブコメ結果が出ています。薬剤師40人くらいが意見を出しているようです。

・・・が、中医協で三浦委員がとりあげて議論になったのかどうかは不明(おそらく議論になっていないと予想)。ジャイアンの「おれのものはおれのもの、おまえのものはおれのもの」理論に対抗するひみつ道具はなさそうですし。

精神科領域の意見がいろいろありますが、薬局の「24時間」関係については「大手じゃなきゃ無理」という意見がひとつあるだけのようで。

ひとつの薬局に保険薬剤師がどれくらいいれば24時間開局できるのか」という問題は、そのまま「ネット販売の24時間開局は、ひとつの薬局に薬剤師が何人いれば可能なのか」という問題の解答になってしまいますので、うかつに少ない人数で可能だとしてしまうと、ドツボにはまりそうです。世の中には、「2人いれば24時間365日できる」と言い切れる脳味噌を持った愉快な方がそれなりにいそうですので、くれぐれも、そういう方の妄想を基準にした解答にはしないことをお勧めします。

「ひとつの薬局に薬剤師が大勢いても維持できる」≒「お給金が極端に少ない」「処方箋枚数が4000枚(とか2500枚とか)を超える」「一日5件以上の在宅訪問あり」「労働基準法違反が常態」といった想像が浮かびますが、処方箋枚数と在宅訪問に関しては今回改定でキャップがかかりましたし、基本料や基準調剤のマイナスにもひっかかるわけで、ほかの業種(製造業とか施設運営とか)もやっていてスケールメリットでどうにかできてしまうのでもなければ、24時間には手を出さないのが賢い感じ。

テロリスト「こんなの労働基準法違反だ。大統領の恩赦をもってこい!」

ジャック・バウアー「死にたくなければ言うとおりにしろ!」

テロリスト「言うとおりにしたら社会的に死ぬだろーがーっ」

ジャック・バウアー「本当にすまないと思っている。だが、唯一の手ががりなんだ」

テロリスト「お前が言う『唯一』が正しかったためしがないし、どう見てもすまないと思っていないだろがー」

議事録まだかなー。

  ☆

あ、「薬剤師法施行規則の一部改正(案)に関するご意見の募集について」のようなパブコメ募集も3/14までやってます。

在宅訪問先で残薬を見つけたら、そのときの処方箋の内容からその場で疑義照会して(薬局に戻らなくても)減らせるよん、という改正です。以前、日薬の安部さんが審議会に資料を出していたような。

Facebookで「いいね」にぽちっとする感覚で、パブコメに意見を送ってみてはどーでしょうか。「件名:薬剤師法施行規則の一部改正(案)に関するご意見の募集について」「本文:いいね!」とかで構わないようですから。

  ☆

今回の本題。

日薬の生涯学習委員会の放送があるそうですよー。

http://www.nichiyaku.or.jp/yakuzaishi.php?global_menu=日本薬剤師会の取り組み&side_menu=JPALS

日薬HPから引用。

3月12日(水)20:00~21:30、下記URLにてLIVE配信します。
どなたでも、無料でご視聴いただけます。
番組では、JPALSの利用者が出演し、生涯学習の必要性やJPALSの目的、これまでの日本薬剤師会に寄せられた質問などから現状の問題点などを議論していきます。JPALSの利用者の方、今後利用を検討されている方、今年卒業の薬学生の方、是非ご覧ください。
日時 : 2014年3月12日(水) 20:00~21:30
URL : http://www.pharmastream.net/pslive.html
ログインパスワード : utv706028
番組名 : 「JPALSの実施と問題点」(提供:ファーマストリーム)

以上。

注:筆者はJ-PALSに1万円払って非会員登録して1本ちょいポートフォリオ登録して、あとはほったらかしです。ものすごく使いにくいので。もう、何が使いにくかったのか思い出せないくらいに。

番組を提供している「ファーマストリーム」のほうは、(企画担当の皆様の行動力的に)面白そう。

http://www.pharmastream.net/phs-wbt5/about/abou_commission.html

日薬運営のJ-PALS本体と、薬剤師研修センター運営のeラーニングとを分離するのは正しい選択。

薬剤師倫理規定を中心としたこのブログ的にも、ファーマストリームには倫理のプログラムがあるので、気になるところ。

講義名  薬剤師の倫理
講師 富田基郎先生
(社)日本薬剤師会常任理事
講義時間>45分
取得単位 >0.5単位

この0.5単位を受けるためだけに入会金込みで6000円を出すかどうか、悩みます。

6000円…プロレスのリングサイドチケットと同額…。

(※悩んだ結果、6000円は、プロレスのリングサイドチケットになりました)

これ、会員なら誰でもアップロードできる仕組みにしてもいいんじゃないかと思ったり。要審査で、審査に通ったら単位化。聴講回数などに応じて報酬が出る仕組みで。(どこかで聞いたようなビジネスモデル)

そういう仕組みなら、「頼まれたらどこにでも行って講演します」という方たちが、自由にアップロードしてくれるんじゃないかと思うんですよ。たぶん、きっと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

医薬品ネット販売:政治家さんの質問趣意書(話題になってないほう)

 参議院の質問趣意書は、なかなか楽しい質問にあふれています。

 質問をするとき、質問を読んだ相手に「ごめんなさい、あなたの論理判断力は、国政で職務遂行できる程度に大丈夫ですか…?」と心配させてしまっては、まずいですよね。

 クイズやなぞなぞ、言葉遊び、冗談なら、別にどーでもいいんですが。

店舗を拠点として薬剤師がインターネットや電話、メール等を利用して購入者との間で行うコミュニケーションでは副作用被害を防止できず、テレビ電話によって初めて副作用被害を防止できる一般用医薬品があれば、その医薬品名、その副作用の種類、発生の理由・程度・頻度を具体的に示されたい。また、そのように考える科学的根拠を示されたい。

 という質問は、

 まず『店舗を拠点として薬剤師がインターネットや電話、メール等を利用して購入者との間で行うコミュニケーション』という、薬剤師および購入者が不特定な状況を前提にして、そういった無数の状況下で『副作用被害を防止できず』という「すでになんらかの副作用が発生してしまった」状況を切り取っています。

 そんな「すでになんらかの副作用が発生してしまった」ことが証明された状態を前提として、この質問は、「テレビ電話によって初めて副作用被害が防止できる」状態を訊いています。

 あれ?

 「副作用が起こったことを確認したうえで、副作用が起こらないことを確認した事例はあるか」と訊いているのでしょうか。

 そんな、「試合開始から五分たっても相手を倒せなかったことが確認できた後で、地球を回転させて時間を五分戻し、五分たったことは忘れたふりをして、五分以内に相手を倒すという公約を守る技は存在するか」みたいな質問、ゆでたまご先生が「マグネットパワーです」と答えるくらいしか思いつきません。

 ケースによって薬剤師と購入者がバラバラですから、コミュニケーションの内容もバラバラでしょう。にもかかわらず、常に「副作用被害が防止できない状況」を前提にしろと言うのは、【薬剤師が「ここまでの話だと売るわけにはいかないな」と絶対に言わない(=専門家職務の放棄)】という前提でもない限りは、無理な相談。前提となっているのが、専門家判断を全否定する小売業者の思考っぽい。システムの中で人間が果たす役割を、質問者がどのようにとらえているのか、心配になります。

 いろいろなコミュニケーションがあって、いろいろな情報を集めた結果として「売らない」と判断するのも専門家のお仕事。

  ☆

 「対策ABCだけだと実際に事故が起こった」ことの事例はあげられそうです。でも、「事故が起こらなかった」のに、対策ABCDを同時運用した場合にABCが事故を防ぐのに全く役に立っていないと言い切れるものなんでしょうか。「どれが役に立ったかはわからないし、どれも役に立ったかもしれない」のなら、やれる範囲で全部やればいいのでは? 対策を運用する側の能力資質や事例判断の困難度など、ほかの要素も関係しそうですしね。

 「(ほかの要素はどうであれ)テレビ電話によって防止できた」なら、それも有用なツールのひとつだと考えればいいんですよね?

 なのに、なんで、テレビ電話(仮)だけを、「コミュニケーションツールから除外したい。義務化なんかとんでもない!」という論調で質問者が主張するのか、わかりません。

  ☆

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/183/meisai/m183105.htm

一 テレビ電話の義務付けについて

本年五月九日の日本経済新聞(第一面・第五面)の記事に関連して、質問をする。

1 厚生労働省は、ネット販売にテレビ電話を通じたやりとりを義務付ける方針とのことであるが、店舗を拠点として薬剤師がインターネットや電話、メール等を利用して購入者との間で行うコミュニケーションでは副作用被害を防止できず、テレビ電話によって初めて副作用被害を防止できる一般用医薬品があれば、その医薬品名、その副作用の種類、発生の理由・程度・頻度を具体的に示されたい。また、そのように考える科学的根拠を示されたい。
2 メールや電話では判断できず、テレビ電話では判断できる場合があるという前提に立つのであれば、それは実質的には薬剤師が医療行為を行うことを意味しないか。また、薬剤師は、テレビ電話によって患者の画像を確認したら、病状や治療方針あるいはその心理を判断できる専門家であるのか。それはどのような教育・試験によって獲得した能力であるのか。
3 テレビ電話とはどのような機能を満たすものを想定しているか。また、かかるテレビ電話はどの程度普及し、利用されているのか。テレビ電話を利用できない国民はネット販売という有用な手段の利用が認められないのか。ネットを利用して一般用医薬品を購入している需要者はこれにより適切に病気を治療する利益を受けているが、テレビ電話による副作用防止の利益はそれに勝るものか、政府の見解如何。実証的な根拠とともに示されたい。
4 テレビ電話を義務化するのであれば、義務化の必要性と合理性を支える立法事実が不可欠であり、テレビ電話によらなければ、事後の治療では回復が困難な副作用被害を有意的に防止することができないことを厚生労働省が証明しなければならないと考えるがいかがか。
5 本年一月十一日の最高裁判所判決によれば、現行薬事法は「文理上は郵便等販売の規制並びに店舗における販売、授与及び情報提供を対面で行うことを義務付けていないことはもとより、その必要性等について明示的に触れているわけでもなく、(中略)また、新薬事法の他の規定中にも、店舗販売業者による一般用医薬品の販売又は授与やその際の情報提供の方法を原則として店舗における対面によるものに限るべきであるとか、郵便等販売を規制すべきであるとの趣旨を明確に示すものは存在しない。」としており、省令によってテレビ電話を義務付けることは、現行薬事法の授権の範囲を超えた違法無効なものとなると考えるが、政府(内閣法制局)の見解如何。
6 現行薬事法は第三十六条の六第四項において、「第一項の規定は、医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合には、適用しない。」と定めており、これは現行薬事法が情報提供を受けるか否かを消費者の選択に委ねているものと考えるが、政府(内閣法制局)の見解如何。仮に何らかの明文にない要件を要求している趣旨と解釈する場合は、明確性の原則との関係でその根拠及び正当化される理由を明らかにされたい

  ☆

 これら以外にも楽しい質問が続きますので、興味のある方はリンク先、参議院のホームページを読んでみてください。(回答のほうは、面白い…というか、ユーモアが全くなくて怖いくらいです)

 他の方の質問内容も、いろいろ参考になります。(専門家を自称しているのに知らないのかな…的な質問もあったりして…)

 回答のほうは、基本的に「新ルール検討会においては」「指摘の「○○」についても検討が行われているところであるが、情報交換の手段を含め、一般用医薬品の購入者の利便性にも配慮しつつ、その安全な使用を確保するための方策について結論が得られていない現時点において、お尋ねについては、いずれもお答えすることは困難である」「なお、同省としては、新ルール検討会における検討の結果を踏まえて、できる限り早く適切に対応してまいりたい」というカタチになっています。

 これって、よーするに、質問者が質問したことによって、新ルール検討会において、指摘した点について、いずれは明確に結論を出さなければならなくなったということですかね。引用しなかった質問だと、代理購入禁止とか、常備目的の購入禁止とか、そういうあたりも。在宅医療の充実に伴って、そういう流れがありうるかどうかの検討もできる時代になっているのかも。新ルール検討会はどこまでやれることやら…。

 質問「5」は、薬剤師法第一条:薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする…の義務規定である「医薬品の供給」を適切に行うのに必要なツールのひとつであると専門家が考えるモノなら、薬剤師法の授権の範囲内の適法な処置になりそうですが。「個々の薬剤師が判断材料が足りないと考えた場合、売らない」ので、判断材料のひとつでしかないわけですが。

 ちなみに「6」の回答では、「医薬品の専門家」か「繰り返し同じ薬を使っている人」のみの話だと明確に定義されました。薬局開設者が、薬剤師と登録販売者に「その場合は説明をしなくてもいい(してもいい)」と言うだけのことです。購入者が「説明するな。いらない」と言ったからといって、それで絶対に説明しちゃいけないって話ではないんですよね。

 質問内容に「ネットを利用して一般用医薬品を購入している需要者はこれにより適切に病気を治療する利益を受けている」みたいな、「え、それ、どうしてわかるんだろう?」と驚く言いきりが目立ちますが、これ、質問者の方が、そう思う『科学的根拠』とかを提示しなくてもいいのかな~。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

一般用医薬品の安全性確保のための方策とその具体的な条件(案)

インターネット販売および店舗販売の双方に対して、資料が出ました。

一般用医薬品の安全性確保のための方策とその具体的な条件(案)

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000030s6y-att/2r98520000030s9y.pdf

なんとなく、斜め読み。

  ☆

まず

ア)薬局・薬店の許可を取得した、有形の店舗※が行うこと

となっているので、有形の店舗が備えていなければならない規制は全てあてはまるということですね。

エ)リスクが高い特定の品目については、使用者の状態等を専門家が確実に確認すること※(目視、接触等)
また、使用者の状態等が確認できない場合には、販売しないこと
※具体的な品目については要検討。
※対応できていない店舗もあるのではないか。

という形で、店舗販売のほうに「対応できていない店舗もあるのではないか」という注釈が山ほどあります。

これらは、「対応できないのなら、販売しない」わけですから、店舗が対応できていないこと自体は、問題にならないはずです。対応できなくたって、対応できない間は販売しなければ、安全性は確保できるのですから。「※インターネット販売では、この条件についてどのように対応するのか。」なんて書いてありますが、ネットでも同様になりますよね。必要要件として、ネットでは確認できないことがあれば、販売できないことになります。

注)販売サイト上では、基本的には専門家の顔が見えないため、顔写真を掲載することでその代わりとする。

顔写真掲載では、対応している相手がリアルタイムで存在している本人かどうかを確認できないのでは? 写真と中の人が違ってもばれない仕組みはまずいですよね。ある程度話が進行した時点で、販売側がリアルタイム動画対応に自ら切り替える仕組みが妥当だと思います。

ア)一般用医薬品の販売時間には、必要数の専門家を常駐すること(再掲)

インターネットの場合、「販売時間」の定義が必要だと思います。

イ)販売時間内の購入者側からの相談に対しては、直ぐに応答すること
ウ)注文のみを受け付けて販売しない時間がある場合には、販売時間とその時間とを明確に区別し、それぞれの時間帯を販売サイトに分かりやすく表示すること

「注文のみを受け付けて」という状況が不自然です。

他の項目を適用するなら、これは、「販売時に専門家とリアルタイムなやりとりを行う」ことが前提になりますが、それは可能なのでしょうか。

※以下の点については要検討。
・インターネット等による受診勧奨の効果をどのように考えるか。
・インターネット等で受診勧奨を行ったとしても、そのメールが読まれないことに対して、どのような対策が必要か。
・近隣の医療機関の紹介を具体的にどのように行うか。

受診推奨は「リアルタイムなやりとりの結果として」行うオプションでしょうから、メールでのやりとりを前提にする『対策』なんて必要ないのでは?

インターネット店舗に「近隣」を求めるのもどうかと…。

※過去の購入履歴等から関連商品を勧める広告等の取扱いをどのように考えるか。

実在店舗で禁止されていますから、禁止でしょうね。

ウ)許可証※を販売サイトに分かりやすく表示すること
※販売サイトが「正当」なものであることを示す仕組み(ロゴの表示等)については要検討。

「実在店舗がひとつあれば、同名のインターネット店舗もひとつ持てる」ということなんでしょうか。

許可証って一店舗にひとつでしょうから、同一の許可証によって複数の店舗をインターネット上に展開してはならないってことも明記したほうがよさそうです。

インターネット上では、1店舗=1サイトと考えますよね。

だとすると、自前のサイトを持っていればインターネットモールへの出店はできないし、インターネットモールに出店するなら自前のサイトは持てないということで、整合性がとれそうです。

なので、別の資料である

「一般用医薬品の適正なインターネット販売等の確保について」

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000030s6y-att/2r98520000030sa9.pdf

の内容にある以下の部分は、改めたほうがよさそうです。

② 販売サイトのURL等(当該店舗が独自に開設する販売サイトの他に、複数の販売サイトをまとめた、いわゆる「インターネットモール」上で「出店」する場合には、当該サイトのアドレスを含む※。)
③ 販売サイトへの表示が必要と考えられる基本的な情報(薬局・薬店の許可番号、薬局・薬店の管理者の氏名、販売等に従事する専門家の氏名・登録番号等、営業時間等)
④ 販売サイトの全体像を把握する観点から、販売サイトのイメージ等を印刷した資料
○ 上記以外に、どのような項目について届出を求めるべきか。
※ インターネット販売等の場合には、当該店舗自身が開設する販売サイトの他に、「インターネットモール」に「出店」する場合など、当該店舗の販売サイトが複数存在する状況が想定されるが、届出の在り方等については要検討。

販売サイトが複数存在することは『想定されない』としないと。

実店舗が、ひとつの許可証で、あちこちに店を展開していてもいいと厚労省が明言するのでしたら、別ですけれどね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂案の、直してほしいところ。

薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂作業。

議事録によると「休日返上」で頑張っているそうなので、頑張りついでに考えてほしいことを書いておきます。

  ☆

薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂案
(2013 年2 月7 日暫定版)

A 基本事項

A2 薬剤師に求められる倫理観

GIO 倫理的問題に配慮して主体的に行動するために、生命・医療に係る倫理について
学び、医療の担い手としての感性を養う。

(2) 医療倫理

2. 薬剤師が遵守すべき倫理規範(薬剤師綱領、薬剤師倫理規定等)について説明できる。

 ☆

これを、以下のように変えてほしいな~。

 ☆

薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂案
(2013 年2 月7 日暫定版)

A 基本事項

A2 薬剤師に求められる倫理観

GIO 倫理的問題に配慮して主体的に行動するために、生命・医療に係る倫理について
学び、医療の担い手としての感性を養う。

(2) 医療倫理

2. 薬剤師が遵守すべき倫理規範(薬剤師綱領、薬剤師倫理規定等)に基づいて行動できる。

  ☆

 要するに、「基本的資質」で抜けていることを、こちらで補完してもらいたいということです。

 『資質』は、説明できるだけじゃ駄目でしょ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パブコメ:「延長」するなら「前提」を守ろう♪

「薬事法施行規則の一部を改正する省令案について」のパブコメをやっているとアポネットさんで知りましたので、ちょっと見てみて…なんだかおかしいと思ったので、パブコメを送ってみました。「てにをは」が抜けているのは脱字ですが、もう4月16日に送っちゃったので、そのまんま載せます。

  ☆

〔意見]該当箇所:「概要」

意見内容

「新たなルールが策定されるまで」という改正理由との整合性をとるために、「現在郵便等販売を行う権利が確認された二社(ケンコーコム社等)について、新たなルールが策定されるまで、郵便等販売を控えることの確認すること」を、省令案改正の前提とすることを求めます。

理由

平成25年1 月17日付事務連絡、厚生労働省医薬食品局総務課による「医薬品のインターネット販売訴訟(最高裁判決)を受けた対応について」において、問4の回答に『このため、郵便等販売については、新たなルールを作る必要があると考えており、制度を整備する上では、新たなルールが決まるまでの間は、現行の省令を何らかの形で改めることは難しく、そのままにしておかざるを得ないと考える。』とあり、省令が撤回されていない点が確認されました。また、問7の回答4に『しかしながら、厚生労働省としては、郵便等販売に関する新たなルールが決まるまでの間は、関係者には慎重な対応をお願いしている。具体的には、第1類・第2類医薬品については、新しい販売のルールが出来るまでの間、郵便等販売による販売を控えていただくようお願いするものである。』との具体例が示されています。「新しい販売のルールが出来るまでの間、郵便等販売による販売は控える」ことが守られていることを前提として、今回の解説の骨子である「ルールが策定されるまでの当面の処置としての期間の延長」がありうるのであって、「販売を控える」ことが守られなくても良い場合、期間延長の必要がありません(販売を控えなくてもいいのですから、すでに無効な項目とみなされます)。少なくとも、『郵便等販売の権利を確認された二社は、今回の処置を肯定するのならば販売を控える』べきで、その前提が確認できない状態で、現状の処置の延長を行うことは、妥当でないと考えます。

「自由に販売できるはずの薬を「特別な人・地域に販売できる」と定義するルールを定めるためには、「自由に販売できない薬である」という前提が必要なはずですが、それが確認されていないので、目に見える形で確認できるようにしてほしい」ということです。

  ☆

 電車の特定路線にローカルルールがあったとして。

 【全車両禁煙だけど、喫煙車両だけはOK】という特例ルールの期限を「平成25年五月まで」としていたのを、「車両内の新しい喫煙ルールについては、現在策定中につき、特例ルールを平成25年12月まで延長したいです。」と言えるのは、【全車両禁煙】という前提が変わっていない場合だけ。

 「平成25年1月に【全車両で喫煙する権利が、特定のふたりに認められた】」ことで、前提となっていた【全車両禁煙】というルールがなくなったとみなせます。

 前提となるルールが変わったのなら、【喫煙車両だけOK】というルールは『延長』する必要がありません。延長しなくても、全車両喫煙OKなんですから、喫煙車両も喫煙OKに決まっています。喫煙車両を決める必要がないのです。

 もし「延長する必要がある」のなら、前提となるルールが変わっていないのですから、【全車両禁煙】のルールは生きていることになります。従って、【権利を認められたふたりは、新ルールが決まるまで、今まで通り、喫煙車両以外では喫煙できない】ことが証明されなければなりません。

 「前提となるルールが変わったのかどうか」が、問題なんですね。

 前提が変わったのなら、延長の必要なし。

 前提が変わっていないのなら、延長しなければならない。

  ☆

 郵便等販売の件に関しては、

 いわゆる「原告側」は、すでに郵便等販売を再開していますから、前提が変わったという立場をとっているようです。

 厚労省は、省令を撤回していませんし、郵便等販売はルール策定まで控えるようにとの文書を出していますから、前提が変わっていないという立場のようです。

 今回の「省令改正案」は、厚労省の「前提は変わっていない」という立場から発想されていますから、「延長の必要がある」となるわけですね。

 「変わった」という立場の「原告側」は、この案に対して、「延長の必要はない」と言わなければ、自らのとっている行動(販売を控えろと厚労省に言われているのに販売を再開したこと)を説明できません。

 延長しないことになれば、「厚労省の主張する」ルール通りに省令を守る多くの薬局は、特例による郵便等販売を六月以降打ち切るしかありません。厚労省が考える適切な流通とは、そういうもののようなんですが、それって、「利便性」を徹底追及するはずの「原告側」のフライング行動によって、利便性を損なう人が多く出るということなのでは???

 これで利便性を損なうのは、これまで特例でもらっていた方たちですから、判決以降の新規顧客と違って、『その利便性がないと立ち行かない』方々です。

 「延長しない」ってことは、そういう方々から利便性を奪うことになります。

 「自分の顧客以外はどーでもいいや」という考え方なら、「原告側」は、【自らは販売を控えない。かつ、延長には反対する】という行動をとりそうです。

 そういった行動は、『適切な流通』を考えたことがあるなら、変な感じ。

 薬剤師法第一条:『薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする』を実践するなら、国民全体への医薬品供給を考える会合の席で、「うちの客以外はどーでもいいです」という意見が薬剤師の口からでるとは思えませんが…。

 オンラインドラックストア協会が自分で決めた「一般用医薬品のインターネット販売に関するガイドライン」 http://www.online-drug.jp/files/20130111final.pdf の「責務」には、「適切な流通」に関する文言がありませんし、「原告側」が、そういう考え方をしても、「原告側」が自分で決めたガイドライン上は、問題ありません。

第1条(責務)
1 薬局又は店舗は、薬剤師又は登録販売者による必要な情報提供及び販売を通して、購入者が主体となった病気の予防及び治療に寄与し、もって購入者の健康な生活の実現に努めることとします。
2 薬局又は店舗は、改正薬事法の趣旨(一般用医薬品の販売に関しリスクの程度に応じて薬剤師又は登録販売者が関与し適切な情報提供等がなされる実効性のある制度を国民にわかりやすく構築することを目的としたもの)を踏まえ、必要な責務を全うしていくこととします。

 で、今回のパブコメは、「お互い、それでいいんですか?」と、確認するための意見です。 

 「延長しない」場合

  延長前提は「現時点では省令は無効であり」「原告二社は郵便等販売を行う」。

  なので、「現在特例を受けている方々への、原告二社(および、勝手に追随しているタダ乗り企業さんたち)以外からの供給がストップされる」

  あるいは「全ての薬局・薬店は、省令が無効であることから、郵便等販売をルール無しで行っても良い」という新ルールが今すぐ確定される(←無理)。

 「延長する」場合

  延長前提は「現時点では省令は有効であり」「原告二社は郵便販売等を控える」。

  なので、「現在特例を受けている方々への、特例供給はストップされない」

 といったパターン。

 「省令が無効なのに延長する」のは、矛盾します。

 新ルール策定中なのに「ルール無用で販売していい」というルールは出せません。

 「新ルールができるまでは省令が有効なら、原告二社が郵便販売等を控えないのはおかしい」です。

 で、今回の「延長したいんだけれど、どうよ」という提案に対するパブコメは、

 『延長したいんだったら、前提条件を整えなさい』

 というものにしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

高齢者に対する適切な医療提供の指針。正式版も欠陥品。

日本老年医学会が「高齢者に対する適切な医療提供の指針」を発表しましたので、感想。

http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/proposal/pdf/geriatric_care_GL.pdf

パブコメの結果も踏まえたのだそうです。

ふーん。

  ☆

【意見】

「基本的な要件のみを示した」とありますが、基本的要件である『誰が』『どの行動を』『どんな責任範囲で』行うのかについては、指針に全く記載がありません。これは、重大な欠陥です。

 自明とは思いますが、「医療従事者」という表現は、行動指針の主語にはなり得ません。「教育従事者」「研究施設従事者」といった言葉と同じです。校長が行うべきことを、代用教員や理事、清掃業者が行ってもいいかのように錯覚できる文章など、意味がありませんし、後付けで「いや、それはやっちゃいけないのは当然だろう」などとルールが増える「指針」もありえません。

 なにがよくて何が悪いのか、それを誰が行うのか…といった基本的要件を最初にわかりやすく定義しておくのが「指針」です。

 「誰なのか明確でない誰かが、○○をすることは、(引用した文献の主張によると)重要である」という文章を並べても、何の指針にもなりません。

 『誰が』『どの行動を』『どんな責任範囲で』行うのか。それを明確にして、指針を全面的に書き直してください。

以上。

  ☆

てなパブコメを送りましたけど。

「(案)」のときと、ほぼおんなじものを、正式版として出してきました。

なので、感想を書こうにも、「(案)」の感想とおんなじです。以前の記事参照。

はいはい、三月までに出さないと研究費が出ないからですよね。

もう、正直、適切な高齢者医療なんて、どうでもいいんでしょ? 適切さより、目先のカネなんでしょ?

「現場で使いものにならない、誰が責任をとるのかわからないような欠陥ガイドラインを出してくるなよ」って話なんですが、そーゆー「使い物にならない」ガイドラインが最高なんだと、策定した方々は考えたんでしょう。

これで、しばらくの間、「高齢者は、適切な医療を受けられない」ことが確定しました。

あ、いえ、これが適切な医療だと定義されたので、「適切な医療と言う名前のトンデモ医療を行わないと、国から注意されちゃう」ことになりました、と言ったほうがいいのかも。

こうしたアホ答申にありがちな、「パブコメはとるけれど、パブコメを公開せず、パブコメを踏まえた議論の議事録も公開せず、てにをはだけ直してお茶を濁す」というパターンを、そのまんまやってます。不誠実ってやつですね。

不誠実に作成された欠陥指針を誠実に守れって言われちゃうわけですか。

困ったものです。

まあ、老年医学会など、この指針作成の協力団体に所属する方々は全員、この指針を守るんでしょう。指針を策定した方々は、もう、ガチガチに守るんでしょう。でも、迷惑だから、自分以外の人たちに、「守らんのはけしからん」とか、言わないでくださいね。

これ、順守率調査をやって、どの程度守っているのかを、覆面調査して、統計資料にしてもらいたいものです。ほら、老人医療ではチームミーティングに患者本人か家族を入れて行うって書いてありますから、入れてもらえなかったらダメだって分かりますよね。

私以外のパブコメがどんなものなのか、どの程度の数があったのか、とても興味があったのですが、それらも非公開。

残念です。

  ☆

【追記】

>「多剤併用(特に6剤以上)に伴って予期せぬ相互作用や薬物有害事象の危険性は高くなるため、可能な限り多剤併用は避ける。」

 前に読んだときにツッコミ忘れましたが、いまどきこんなおおざっぱな判断基準を書いて守らせようなんて、ちょっと驚き。「6剤」っていう数が問題なのではなく、それぞれの薬の構造・作用機序・代謝・吸収といったあたりの関係性から予測していく場合に【複雑に絡まってしまって予測不能。だから問題化する可能性が高い】かどうかを判断するのがイマドキの医療では? 数だけでいえば、OTCの感冒薬ひとつで6剤くらい入ってますしね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

薬剤師として求められる基本的な資質(案)は、薬剤師倫理規定の劣化版。

文部科学省が発表している「薬剤師として求められる基本的な資質(案)」をみてみましょう。

  ☆

豊かな人間性と医療人としての高い使命感を有し、生命の尊さを深く認識し、生涯にわたって薬の専門家としての責任を持ち、人の命と健康な生活を守ることを通して社会に貢献する。
6年卒業時に必要とされている資質は以下の通りである。

(薬剤師としての心構え)
薬の専門家として、豊かな人間性と生命の尊厳について深い認識をもち、薬剤師の義務及び法令を遵守するとともに、人の命と健康な生活を守る使命感、責任感及び倫理観を有する。

(患者・生活者本位の視点) 
患者の人権を尊重し、患者及びその家族の秘密を守り、常に患者・生活者の立場に立って、これらの人々の安全と利益を最優先する。

(コミュニケーション能力)
患者・生活者、他職種から情報を適切に収集し、これらの人々に有益な情報を提供するためのコミュニケーション能力を有する。

(チーム医療への参画)
医療機関や地域における医療チームに積極的に参画し、相互の尊重のもとに薬剤師に求められる行動を適切にとる。

(基礎的な科学力)
生体及び環境に対する医薬品・化学物質等の影響を理解するために必要な科学に関する基本的知識・技能・態度を有する。

(薬物療法における実践的能力) 
薬物療法を総合的に評価し、安全で有効な医薬品の使用を推進するために、医薬品を供給し、調剤、服薬指導、処方設計の提案等の薬学的管理を実践する能力を有する。

(地域の保健・医療における実践的能力)
地域の保健、医療、福祉、介護及び行政等に参画・連携して、地域における人々の健康増進、公衆衛生の向上に貢献する能力を有する。

(研究能力)
薬学・医療の進歩と改善に資するために、研究を遂行する意欲と問題発見・解決能力を有する。

(自己研鑽)
薬学・医療の進歩に対応するために、医療と医薬品を巡る社会的動向を把握し、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を有する。

(教育能力)
次世代を担う人材を育成する意欲と態度を有する

  ☆

 はい、薬剤師倫理規定のパクリなのに、第二条と第十条が抜けているぶん、専門家として決定的にダメな人材を作るための案になっています。

【大事な点】

 「良心と自律」が法の順守よりも前になければならない。自律のない専門職など不要。(←通達や算定要件など、法を基にしているとは思えないアホなものができるまえに、それおかしいでしょと言える資質のために)

 「品位と信用」がない人材など無用。約束を破る人ってことですよね。

 この案、少し読めば、薬剤師倫理規定の各条文をパクって切り貼りしていることがわかると思います。もし全く分からないのだとしたら、それは薬剤師倫理規定について知らないということで、つまりはJ-PALSでいうとレベル1相当の基本的知識すらない人ってことです。(断言)このブログを隅々まで読んで、お勉強してみてください。

 「基本的資質」なんだから、はじめから、『薬剤師倫理規定』をベースにすればいいのにね。

 薬剤師として求められる基本的な資質は、「薬剤師倫理規定に沿って活動する」ことで、いいじゃないですか。超シンプル。

 薬剤師倫理規定を制定した、日本薬剤師会が、胸を張って「うちの倫理規定でいきましょう」と主張しない不思議。

 「行動倫理を実践できる」ことほど、資質を明確に判定できることはないと思いますけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

抄録公開中

昨年の日薬学術大会の抄録集が、web検索で読めるようになりました。

日本薬剤師会のホームページから、検索コーナーに行ってみてください。

ためしに「倫理」と入れて検索すると、『てんしす!』のポスター発表もでてきます。

ポスター発表で配布した冊子は、まだ通販していますので、東京都薬剤師会北多摩支部にメールして購入してくださいませ~。薬剤師会単位での購入もどうぞ~。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エパデールOTC:議事録と反対理由の稚拙さとネット販売検討と。

日本医師会の鈴木さんが「十分な審議が行われていないうえに非公開だからダメだ」と難癖つけていた審議会の議事録がでました。

厚労省のいつもの癖で、あれこれ改竄されている可能性もありますが、政権が変わったことで、そのあたり、改善されているといいなぁと、期待しつつ、該当部分を読んでみましょう。

とりあえず、引用。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002xdr5.html

  ☆

それでは審議事項議題3「医薬品エパデールT、エパアルテの製造販売承認の可否について」の審議に入りますが、参考人の東京慈恵会医科大学附属柏病院総合診療部部長であり、日本動脈硬化学会の理事でもある多田先生にも加わっていただきたいと思います。
── 多田参考人入室 ──
○望月部会長 どうぞよろしくお願いいたします。まず、審査管理課から説明をお願いいたします。

○事務局 審査管理課より説明させていただきます。エパデールT、エパアルテについての説明をさせていただきます。本品目の概要として、有効成分がイコサペント酸エチル、効能・効果が、健康診断等で指摘された境界領域の中性脂肪異常値の改善であるスイッチOTCであり、服用対象者は健康診断等で中性脂肪値が境界領域の範囲150mg/dL以上、300mg/dL未満であることとされています。また本剤は海外での承認はありませんが、DHAとEPAを有効成分とした高トリグリセリド血症等を効能とした一般用医薬品が、イギリス、ドイツ、フランスで販売されております。承認条件としては、通常課せられる3年の安全性に関する製造販売後調査に加え、市販後の薬剤師の関わりが特に重要となるため、一定数の症例データが蓄積されるまでの間は使用実態に関する調査を実施して、的確な服用対象が選択されているか、適切な受診勧奨が行われているかなどを調査することとしております。本申請は、平成22年11月24日と、平成23年2月24日の2回、本部会で御審議いただいており、これまでの御指摘を踏まえた対応策を事務局において検討することとされておりました。本日は前回までの審議資料に加え、当日配付資料4とした事務局で取りまとめた、エパデールT、エパアルテの審議に係る一般用医薬品部会での御指摘と対応、新たに改訂した添付文書、セルフチェックシートを配付しております。
 エパデールT、エパアルテの審議に係る一般用医薬品部会での御指摘と対応を、御覧ください。本部会において、これまでの審議におきまして本資料の四角で囲まれている3点の御指摘をいただいております。それぞれにつきまして御指摘の内容と対応を説明させていただきます。
 1点目ですが、本剤の対象である中性脂肪が高値の患者は、糖尿病等の疾病が隠れている場合があり、医療機関を受診せず、本剤を服用することは早期発見を妨げる可能性があるのではないかとの御指摘です。これにつきましては、お手元の添付文書の裏側の効能欄を御覧ください。効能欄の四角囲みに、「狭心症、心筋梗塞、脳卒中と診断されたことがある人、高脂血症、糖尿病、高血圧症で治療中の人や医師の治療を勧められた人は、この薬を服用しないでください」を追加することによって、注意を促すことといたしました。
 添付文書の表側を御覧ください。従前より添付文書に記載しているものですが、「してはいけないこと」の欄の「1.次の人は服用しないでください」にある、「高脂血症、糖尿病又は高血圧症と診断され現在医師の治療を受けている人、あるいは健康診断等で医師の治療を勧められた人」、その下の「相談すること」の欄の、「1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください」とする項目にある、「(1)医師の治療を受けている人又は他の医薬品を服用している人」については、引き続き記載し注意喚起しております。
 また、お手元の「エパデールT購入時のセルフチェックシート」を御覧ください。このチェックシートは、本剤の購入時に薬剤師が服用の可否を購入者とともに確認するもので、初回の購入時のみならず、2回目以降についてもそのたびに確認をすることとしています。2.欄の6番目のチェックボックスに記載のとおり、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高血圧症についても具体的な検査値を示して該当するかどうかを確認し、異常値がある場合には医師の診断を勧めることとしています。このチェックシートの裏側は購入2回目以降のものですが、こちらの方も同様に記載して、異常値がある場合には医師の診断を勧めることとしております。
 2点目ですが、中性脂肪が高値の場合、まずは食事管理や運動を勧めることが重要であり、薬の服用を安易に勧めるのは不適切ではないかとの御指摘です。これにつきましては、これまでも販売店用及び購入者用の情報提供資料に、食事管理や運動の実施についても情報を掲載していましたが、セルフチェックシートでの確認時にも指導できるように、セルフチェックシートを改訂しています。再度、「エパデールT購入時のセルフチェックシート」を御覧ください。セルフチェックシートの見開きのページに、食事や運動などの生活習慣の改善の重要性やそのポイントを簡潔に示し、購入時ごとに生活習慣の改善の指導と改善の意志の確認を行うことといたしました。
 3点目ですが、採血の前に食事摂取などによって血中の中性脂肪値は変化することから、健康診断の検査結果で服薬を判断するべきではないのではないかとの御指摘です。これにつきましては「エパデールT購入時のセルフチェックシート」を御覧いただき、1.欄に中性脂肪が境界領域の範囲にあることに加え、新たに該当検査が、検査前の飲食と飲酒の制限を行った健康診断等の血液検査値であることを確認することといたしました。なお、これまで購入前の健康診断等の結果が、2回連続で境界領域となったものを対象としておりましたが、検査時の飲食と飲酒の制限を購入前に確認することにより、直近3か月以内の検査結果のみで確認することとしております。事務局からの説明は以上です。
 続きまして、本日、御欠席されている生出委員より、エパデールの審議について事前にコメントをいただいておりますので、読み上げさせていただきます。
 イコサペント酸エチルを一般用医薬品として承認する件についてです。イコサペント酸エチルを一般用医薬品として承認する件については、妥当と考えます。以前、イコサペント酸エチルのスイッチOTC化が審議されたときには、漫然使用や医師への受診歴なしでの使用が問題とされましたが、こうした不適切な使用は薬剤師が使用に際して患者からの聞き取りや確認、また使用中の相談応需等のモニタリングを行うことにより十分防げると考えます。現に第一類医薬品として販売されている腟カンジダ用薬などでも同様に、漫然使用や医師への受診歴なしでの使用への注意喚起がなされておりますが、薬剤師が販売することにより適切な使用がなされております。
 一方、今回のイコサペント酸エチルについては、薬剤師への研修実施が必須となるなど、これまでの第一類医薬品以上に十分な販売体制が構築されます。さらに承認条件ではPMSのほか、一定数の症例データが蓄積されるまでの間、適正使用調査を実施となっており、販売後の一定期間については販売店の限定、使用者の行動調査などの適正使用調査が付与されており、発売後の調査についても十分に担保がなされています。こういったイコサペント酸エチルのような生活習慣病に対する成分のスイッチOTC化は慎重な議論が必要となりますが、今後のセルフメディケーション推進等を考えると、本部会においても積極的に取り組む必要があると考えます。生出委員からのコメントは以上です。

○望月部会長 ありがとうございます。次に多田先生から、申請品目のスイッチOTC化について御意見を伺います。

○多田参考人 慈恵医大の多田でございます。本日、お呼びいただきまして大変光栄に思っております。私の発言により、ここでいい形で物事が進んでいくことを願っています。私のスタンスですが、日本動脈硬化学会の医療・保険関連の担当理事でもありますし、また、こういったセルフメディケーションをどんどん進めていく立場にあります。御案内のように脂質代謝異常症というのはどうしても御自分の生活様式を変えていくということ、こういったものをしっかり進めていかないと根絶できないと思っていますし、そのための食事療法、運動療法といったものを基本として、その上に薬をオンしていくという立場で、これまで様々な方策を考えてきていました。
 本日、初めて部会資料を見させていただきましたが、ここに出ているそれぞれの審議、3つの項目に関して、非常に疑問に思っていることに関しては私も妥当だと思います。そういう中で、中性脂肪に対してどうやってアプローチしていくかということに関しては、ユーザーの意識向上というのが非常に大事になってくると思います。こういった過程を行うことによって、また患者さんの掘下げができて、本当に必要な患者さんが医療の中に入ってくる。受診勧奨も含めて広がりができるのではないかということも、一方では期待しているわけです。
 そういうことも含めてエパデールTですが、この薬を販売していくことに関して私はよろしいと思いますけれども、あくまでも基本として、薬効のチェックがしっかりされて有効性が担保されていることと、副作用のチェックをしっかりできるかどうか、この二つが必要です。そういうことで、今、お話いただいたような販売体制をしっかり構築していくための一つの試金石として、この薬そのものは最近JAMAにもメタアナリシスの結果が報告されましたけれども、使っている人と使っていない人で総死亡率は全く変わらないことが出ている一方、冠動脈疾患死に対する有効性は有意差をもってあるということで、こういった比較的副作用の少ない薬をうまく使いこなしていくという体制づくりが大切です。個人が使いこなしていければいいのですが、問題点を持っている患者さんの前面に立って薬剤師、栄養士といった職域がユーザーをサポートする体制作りも大切です。今回は薬で薬剤師が中心ですけれども、こういったところで患者さんの生活様式が変わっていき、またうまく薬を使って病態に陥らないように予防ができる。未病の段階で患者さんを対処できるシステムを、今回のように次々と構築していくことを前提として賛成です。
 ただ、その中でもう一つ強調させていただきたいのは、自分のデータを知る、どこでも分かるというシステム作りを推進していっていただきたいということです。例えば現在、糖尿病の患者さんのSMPG、Self Sugar Measurementのシステムがありますが、こういったものと同じように、比較的簡単なところで例えば中性脂肪などを測れるようなシステムです。こうした技術はドライケミなどを使い、Point of Care Testingということで一方では進んでいるわけですが、こういったものをより進めていくことを前提に、スイッチOTC化されるということに対して私は賛成です。

○望月部会長 ありがとうございました。続きまして循環器を専門とされております廣江委員から、御意見をいただけますでしょうか。

○廣江委員 多田先生、ありがとうございました。私、循環器の現場においてエパデールというのは重要な薬だと思っています。大体、最近は900mg、朝晩2回で1,800mgを投与することによって患者さんのQOL改善があがっています。そこで、これをOTC化するに当たって二つの点が大事だと思います。第1点は、使用する方の層別化、すなわちハイリスク群をいかにブロックするかということです。今、御説明がありました本日の参考資料4でクエスチョン例がかなり出ていて、初めての方のチェックポイントがありますね。もし使用する方がこれだけ理解なさって、これが全部ないとなればかなりの層別化、すなわち軽症であると判断すると、未病状態で、このエパデールを使える可能性があることが言えると思います。
 次に第2点、これが一番大事なのですが、今までは医師が全部患者さんに説明したのですが、今度は薬剤師の先生方が現場において、このエパデールというものの性格をよく知って、かつ生活習慣病、Cardiovascular Disease等々を理解していただき、院外薬局のレベルにおいて使用する方に、薬や病気について説明する義務が出ます。それがどのくらい可能か。その2点をクリアできれば、私はむしろ積極的に使っていただいて、できるだけ我々の外来に来なくていいような状態にしたいと思いますので、その2点をクリアできれば私は賛成です。以上です。

○望月部会長 ありがとうございます。ほかの委員の先生方、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 今のような御意見は、私は医療へのアクセスがよくないイギリスとか、あるいは医療費が高く、その意味でアクセスが非常に困難なアメリカのような国では、やむを得ずセルフメディケーションということで、医療費抑制のためもあって推奨されているわけですが、そもそもスイッチOTCの定義はあるのですか。どうですか。

○事務局 スイッチOTCについては、きちんとした定義というより、医療用で使われている医薬品を一般用医薬品として転用するというのが、一般的な考え方です。

○鈴木委員 スイッチOTC化の対象になるものの定義というのがあるのかと思ったのですが、特にないということですか。今すぐお答えにならなくてもいいのですが、ただ、今までの議論の中で先ほどのお話の中にも一部出てきましたけれども、スイッチOTC化の適用となる薬というのは、自覚症状があって、比較的短期間の服用でそれが改善することが分かって、自分で中止することを判断できるものに限定すべきだと思います。今までの議論もそういう議論で、長期の服用というのはあまり前提にした話ではなかったと思います。今回の生活習慣病薬は、自覚症状がないという特徴があります。自覚症状がないままに長期間にわたって服用を必要とする場合も多く、これはデータの管理が中性脂肪なら中性脂肪のみ、あるいは単に中性脂肪の数値を下げればいいということでなく、その背景にある全身管理が必要なものです。したがって、これは、かかりつけ医を中心とした医師の管理下で服用することが大前提であると思います。我が国の公的国民皆保険制度は、幸いにも気軽にプライマリ・ケアにアクセスできるという、国民にとって極めて優れた制度になっていますので、アクセスの悪い国のような形を取る必要はなく、生活習慣病薬をスイッチOTC化する必要、必然性はないと考えています。

○望月部会長 ありがとうございました。ほかの御意見はいかがでしょうか。多田先生、お願いします。

○多田参考人 OTC薬というものに関しては、2006年6月、改正薬事法の中で謳われていて、「一般の方が薬剤師から提供された適切な情報に基づいて、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品である。軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするもの」と、OTC化の薬を国としては定義しているようです。正しく生活習慣病に対して、医者がトータルに患者さんを診てチェックしていくことは非常に大事です。ただ、うまい具合に我が国の場合は特定健診という制度が進行しています。私どもがいる柏市で私もこれまで医師会理事として市行政、国保運営を手助けしようと特定健診指導分科会の一員として活動してきましたが、特定健診の受診率は39%ぐらいの受診率しかないです。しかし、トータルにみて皆が受診してくれると、原則的には毎年1回は値が出てきます。そして中性脂肪150mg/dL~300mg/dLの値の間にある人は受診勧奨せずに、「動機づけ支援」「積極的支援」といった様々な栄養指導や運動指導の中で、御自分で徴候を改善してくれということが制度としてありますから、こういう中に入ってくると、鈴木先生のおっしゃることは私も医師として分かるのですが、ある程度担保できるのではないかという気がしています。ただ、年に1回というのは私も不安なので、これを更にうまく御自分で測れるようなシステムで測定機会をたくさん作っていただきたいと思っています。以上です。

○望月部会長 ありがとうございます。藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 先ほど廣江先生が言われましたように、薬剤師が現場でこういう生活習慣病薬を使うということは、責任と義務が非常に高くなると思います。そういう意味で今までのスイッチOTC薬と違い、メーカーも含めてしっかり研修制度を作った上で、是非進めていっていただきたいと思っています。私どもは受診勧奨や特定検診や人間ドックといったものを指導していくという立場で、もし支援させていただければ責任を持ってやらせていただきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

○望月部会長 ありがとうございます。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 多田先生は動脈硬化学会の理事だそうですが、動脈硬化学会の2012年版のガイドラインがあります。これを拝見すると、「生活習慣の改善は動脈硬化性疾患予防の根幹であり、安易な薬物療法は厳に慎むべきである」と書いてあるのですが、これについて先生はどのように思われますか。

○多田参考人 おっしゃるとおりです。このエパデールだけでなく、ほかの脂質治療薬もこのOTC化の俎上に上がっているのですが、それに関してはさて置き、エパデールに関して、薬物は薬物ですけれども、多価不飽和脂肪酸ということで我々が日常生活で食している物質です。その生活習慣で奨める食物との間を埋めるような薬物ということも含めて、また安全性も比較的担保できるということで、先ほども申し上げたように一つの試金石として、先生も御心配されているような安全性確保の中で、このOTCシステムを今後うまく進めていけるよう体制構築するのに適切な薬の一つではないかと思っています。この薬に関しては、先生のおっしゃるとおりです。

○鈴木委員 要するにエパデールは効かないから、いいのではないかということでしょうか。

○多田参考人 現にこれは、御案内のようにTGの値を約14%前後下げている。ただ、総死亡率に対して有意な有効性は認められていません。しかし、総死亡率に対して有効性が認められていない薬はインシュリンもそうですし、御案内のとおり幾つかの降圧剤もそうです。ですからそれは意味がないというわけではないので、いずれの薬物も疾病に対してきちんと治療対応が可能な薬です。

○鈴木委員 そうすると具体的に、例えば150mg/dL以上の方が来られたら、先生が薬局におられたら当然薬を出すわけですね。エパデールを出せるわけですから。条件にセルフチェックシートなるものがあってですがね。

○多田参考人 まず運動療法と食事療法をやってからです

○鈴木委員 やってからですと言っても、薬局ではいきなり薬を出すわけですね。

○多田参考人 それは、してはいけないということが書かれているのではないですか。いきなり一類OTC薬の出ることのないシステム作りが大切です。

○鈴木委員 では最初の日は、食事療法と運動療法をしてくださいと言って帰すわけですか。

○岩月委員 薬局に御質問がありましたので、先ほどのゲンタシンの軟膏もそうだったのですが、役割が違うということと、もう一つは対象になる利用者が違うのです。ゲンタシンの例で言うと、私が先ほど学校の罹患証明と治癒証明の話のときに少し口を挟ませていただいたのは、親の気持として、とびひになったかもしれないと思ったら、とびひだということを医師に確認してもらう方にインセンティブが働くのです。しかも10割個人負担で薬局に出かけてわざわざお薬を買い、子どもがそうかもしれないと、3日も臨床判断を待っている親は多分いないはずです。
 今回のエパデールに関して言うと、今、多田先生から御案内があったように、どういう間口の人を切り取って、その方たちがこれで駄目だったら受診勧奨ですとか、あるいは運動することによって良くなればお薬を使わなくていいわけですから、正にセルフメディケーションのための窓口として、切り口が違うのだということだけ私は申し上げておきたいと思います。薬局の店頭に来たら売り付けるとか売るということでなく、まずこういった御相談にお見えになる方は、少しきつい言い方をすれば医師にかかれば3割負担で済むのです。それをわざわざモチベーションを持って薬局に行って相談し、こういったもので自分の健康管理をしようという方の意志は、私はむやみに潰すべきでないと思います。

○望月部会長 ありがとうございます。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 薬局としては、とにかくこれは数年越しの願望のようですから、こういうセルフチェックシートなるものを作ってこられたわけです。これはものすごく完璧のように見えますが、これだけのものを理解される方だったら、このチェックシートの説明を受ける間に医療機関を受診したほうが、むしろ手っ取り早いのではないでしょうか。我が国の医療制度は非常にアクセスがよく、世界に冠たる制度ですので、遠慮なくかかりつけの先生を受診していただいて御相談いただくのが、よろしいかと思います。
 それと、先ほど薬局の方々が、きちんと研修をしますとか、あるいは販売するお店を限定しますとか盛んにおっしゃっていますが、そもそも
平成22年度一般用医薬品販売制度定着状況調査というのがあって、その結果では、第一類医薬品の購入の際に適切な説明があった方は、わずか31.5%しかないのです。このような杜撰な現場でありながら、そういうことだけやりますといくらおっしゃっても、現場は実際にやっていないのです。そういう状況の中で、いくらシートが立派だからといって認めるわけにいかないと思います。

○望月部会長 廣江委員、どうぞ。

○廣江委員 もう少しポジティブに考えてほしいと思います。今、薬学も6年制になりました。病院での実習も盛んになっています。多分先生がおっしゃったところだと思いますが、今まで欠除していた部分も2年の実習が増えて来年から卒業生が出ますので、更に薬剤師さんと先生方の力が強くなる。両方があって初めて医療というのは成り立つわけですから、医師ばかりが偉そうな感じでいるのでなく両方が協力する。さらにもう一つ、日本人は自己責任をとらない民族です。患者さん自身が病気になる前に、自分のことをきちんと考えていく。そういうことをもっと声を大きくして教えるためにも、こういうシステムをまず試金石として導入していく。そういう意味で私は優れた第一歩だと思っています。以上です。

○望月部会長 ありがとうございます。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 医師が偉いと言っているのではなくて、私は業務上の役割分担だと思います。6年制になったので病棟配置も中央社会保険医療協議会で決まり、是非、御活躍いただきたいと思いますが、それは少し先の話だろうと思います。まず現場の足元の改善から始めていただいて、それからこういったものを検討していくことが必要ではないでしょうか。
 我が国の医療制度は、外国の制度について何回も訪問調査した上で言っているのですが、非常に優れたものであると私は思っています。私たちの生命にかかわる病気に発展しかねない生活習慣病の治療というのは、私はその平等性を担保するためにも、非営利を原則とする医療の管理下に置くべきだと考えています。営利企業の方は売りたくてしようがないのでしょうけれども、そこはきちんと役割分担して、スイッチOTC化というのは最初に申し上げたように、自覚症状により比較的短期間の服用で改善して、中止を判断できるものに限定すべきだと思います。そういう議論で今までは議論してきたのだと思います。私もむやみやたらに反対しているわけではありませんが、ここはきちんと一線を画する必要があるところだと思っています。

○望月部会長 廣江委員が御指摘くださいましたが、薬剤師の能力というのが非常に大きくここに関わってきていると思います。6年制の薬剤師はこの4月に第1期生が出ています。そういう人が活躍すると、6年制薬剤師だけでなく周りにいる従来の薬剤師の能力もすごい勢いで能力アップしてくると思います。生活習慣病にも薬剤師が関わるのだ、薬局全体で関わるのだという意識だけでも、今、非常に強く出ています。それに沿って薬剤師の研修努力というのは素晴らしいものがあると、私自身は思っていますので、鈴木委員に申し上げたいのは、是非、薬剤師を信頼していただきたい。ただ営利企業だけでなく、患者さんを見つめる医療チームの一員として見ていただきたいと私は思います。

○鈴木委員 それはおっしゃるとおりだと思いますので、是非、まず第一線の現場の説明をきちんとしていただく。覆面調査での結果が出るような状況にしていただきたい。優秀な薬剤師が、早くそういった現場に出ていただいて底上げを是非図っていただきたい。今日の話はそれからだと思います。

○望月部会長 西澤委員、お願いします。

○西澤委員 私、実際に糖尿病診療をやっている立場から言わせていただきたいと思います。この未病に対する対応というのは非常に大事ですし、セルフメディケーションも、これからの方向性ということで非常に大切な方向性だろうと思います。エパデールに関しても、これは効かない薬ということは決してなく、かなり強力な薬剤と私自身は思っています。実際に出血の作用というのはかなりあるわけなので、薬理作用は十分あるのではないかと思っています。
 実は糖尿病に関しても、日本では約半数の患者さんが診療機関にかかっていないのです。それが一つです。もう一つは、実際に診療していても食事療法、運動療法を厳守できる方々のパーセントは非常に低い。これは医療機関の努力にもよるのですが、かなりそういった面が現実に存在しているということを踏まえ、先ほど対象が全く違うというお話がありましたが、その辺りとの整合性というか、本当に治療が必要な人たちがマスクされないようなシステムを明確にしていただきたいと思います。これはもちろんチェックシートで、自己責任ということになってしまうのでしょうけれども、単にそういったものだけで本当に層別できるのか疑問に感じます。

○望月部会長 ありがとうございます。これに関して事務局から何か御意見はございますか。よろしいですか。

○審査管理課長 折角このチェックシートというものがありますし、これまでスイッチOTC化について、こういった詳細なチェックシートまで作ったことはありません。多分第一類の医薬品にした場合にも、一通りの説明のようなものは作っているのですが、それを単に現場で渡すかどうか、そして二度目に来た方には、前に御説明しましたねということで説明を省略するといった意味で、恐らく実際に覆面のアンケート調査をすると、あまり高くない数字になっているのだと思います。今回はこういった明確なチェックシートがありますので、そういったチェックシートも活用し、さらに流通する側からチェックシートの活用状況について、製造販売業者からも初期の段階で調べることができないかどうか、申請者の方にそういったところも指導させていただきたいと思います。

○西澤委員 もちろん、この未病に関してやることに私は全然抵抗は感じていないのですが、先ほど言いましたように糖尿病患者の半分がまだ受診していなくて、それがマスクされることを恐れているのです

○望月部会長 望月委員、どうぞ。

○望月(眞)委員 先ほどから試金石という言葉が何回か出ましたが、薬剤師の人たちが、こうした生活習慣病の未病の段階の薬物治療に本当に貢献できるかどうか、という意味での試金石なのだろうと私も感じます。一番御懸念があるのが、きちんと薬剤師が使っていくべきなのかどうかというところの判断、それから生活指導の食事や運動のところの確認等がきちんとできるのかというところが、一番の御懸念かと思います。先ほど藤原委員からもありましたが、日本薬学会が幾つかのスイッチOTC化の成分の提案を出されたときに、薬剤師に研修が必要だという提案があったものが、既にOTC薬として承認されたものの中にもあると思いますけれども、本当に研修をされたのかどうか私は確認できておらず、今回の場合は、きちんと研修を受けたことを確認する手続を取っていただくことが必要だと私は思います。医師の方の御指導も仰ぎながら、きちんとした研修プログラムを組み立て、どのようにしていくのが消費者の方にとって一番いい形なのか、組み立てていただけたらと思います。それを条件に承認していくことが必要かと思います。

○望月部会長 ありがとうございます。ただ今のような研修プログラムを作った上で研修したことを確認し、それでこのチェックシートを使うことについて、事務局の方として御意見はいかがですか。

○事務局 研修につきましては市販後、会社が研修を実施することになっていますし、承認条件として安全性に関する3年間の市販後調査のほかに、先ほどのチェックをきちんとしているか、適切に振分けをしているかといったことについて、使用実態調査も、PMS3年間の安全性調査のほかにやることになっていますので、そこについては市販後調査でも確認できる体制になっています。

○鈴木委員 もう何かやるような前提で話が進んでいますが、そうでなくて、日本の医療制度の良い点を是非、私は活かしていただきたいと思います。そういう意味では薬局の方の仕組みが非常に遅れているのです。ですから今後、6年制の薬剤師が現場に出て来て、きちんとそういうことに取り組む、あるいは実績が出てくればまた話は違うかもしれませんが、現状は、そういうことがすぐにできるとはとても思えませんので、アンケート調査をやりますからというのは条件にならないと私は思います。それと、覆面調査が現場の実態を物語っていると思います。まずここを改善していただくことが大前提だと思います。それがない限り、いくら立派なことをおっしゃっても、いくら立派にチェックシートをお作りになっても、意味がないと思います。もっと現場の底上げをしてから、そういう話をしていただきたいと思います。

○望月部会長 福島委員、どうぞ。

○福島委員 鈴木先生のおっしゃることもよく分かりますし、日本の医療制度というのは素晴らしいと思っています。ただ、今の財政やいろいろなことを考えると、これはある程度変わっていくのだろうと予想ができるわけです。やはり教育体制を変えていかないといけないし、一般の国民に対する消費者教育というところも、小さいころからやっていかなければいけないとも思います。これから変わっていく中で、今は絶対できないということではなく、一つずつ広げていかないと急にできるものではありません。先ほど望月先生が言われたように研修制度をきちんとやることを含めて、第一歩を踏み出していくということも大事ではないか思います。今、それこそ3か月分とか何十日分など、長い投与期間の処方せんが出たときに、医療機関には行かないで継続してそのままお薬を飲み続けていることも心配な部分があり、薬局などで確認している所もあります。これは医師と協働しながら進めていかなければできないことだと思います。みんながその方向に向かって動き出さないと、他の国に誇れる医療制度も潰れてしまうのではないかという気がしてなりません。ここは話を進めて、みんなで頑張るしかないと思います。

○望月部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。岩月委員、お願いします。

○岩月委員 今、薬局がだらしないと御指摘をいただいて、私も薬局の一員でありますので、そのことについては深く反省する部分もあると思っています。ただ、31.5%の数字について、これは現場の感覚ですのでそのようにお聞きいただきたいのですが、例えば私の知り合いの薬局は第一類医薬品を販売していないので、覆面でお見えになった方に説明の仕様がないのです。そしたら説明がなかったという報告があって、後日、県の薬務課から指導が入り、置いてないことが分かったという例があったのです。すべてがそうだとは申し上げませんが、第1回目の調査でそういう齟齬もいろいろあったのだろうと思います。数字自体がインチキだとか怪しいと申し上げるつもりはありませんけれども、現実にはそういったことも起きています。私は今、日本薬剤師会の役員でも何でもないので、本来は藤原先生がお答えになることだと思いますが、仮に80%だとしても努力していく話だと思いますし、我々は勉強していかなければいけないと思っています。その上で、一つ付け加えさせていただきたいのは、医薬分業が始まって処方せん調剤を始めてからかなり時間が経っています。その間、我々も添付文書を読むだけでなく、相互作用や疾病との関係ということは、口幅ったい言い方で大変失礼かもしれませんが、勉強させていただいていると思っています。実際に相互作用を見つけたり、処方元の医師にそういった連絡を取ることも徐々に増えてきていますので、そういったことも含めて、駄目だということでなく、今、福島先生もおっしゃいましたけれども、第一歩だというところは是非お認めをいただきたいと感じています。

○望月部会長 藤原委員、お願いします。

○藤原委員 今は日本薬剤師会の一員の代表ということで、日本薬剤師会役員の立場で発言はしなかったのですが、実際に数字を追うと、実態調査というのは本当にいい加減で、例えば高知県ではたった3軒しか行っていないのです。非常に古い薬局に3軒行って、そのうち1軒しかできなかったということです。これは改正薬事法をまだ十分理解していなかった部分もあったので、それを指導した中で、実際に高知県では第三者機関として新聞社がもう1回実施しています。それは去年の6月、7月に第一類を販売している全薬局を対象にやりました。もちろん知らせずにやったわけですが、そこでは9割ができていたという結果も出ました。ですから数字を追ってどうこう言われるのは、甚だ私も寂しい思いがします。いずれにせよ私たちの使命は、販売、販売と言いますけど、現実の販売額というのは生活できるような販売額ではないのです。そこは全く考えていなくて、医療連携というか、医療提供施設として少しでも医師との連携が取れて、より良い国民の健康づくりができればいいという気持で、社会的な使命で行っているということは、是非、理解していただきたいと思います。もし販売だけを追うのであれば、多分医薬品以外のものにして販売体系もスーパーのような形にしていけばいいと思っていますが、そうではないものを薬剤師の使命と考えていますので、その辺は御理解いただきたいと思っています。

○鈴木委員 薬剤師の方を中心に、美しいお話をたくさん聞かせていただいて非常に私も期待したいと思いますので、是非、そういう覆面調査にも耐えられるような実績をまず上げていただきたいと思います。これまで私が何度も述べさせていただいたような状況について、外国は参考になりません。外国はアクセスの悪い国、医療費の高い国等いろいろあります。ただ、我が国では世界一高齢化が進んでいるにも拘わらず、これだけ低い医療費で済んでいるわけで、この仕組みを私は大事にしたいと思います。薬剤師の皆さんにも是非頑張っていただきたいと思いますが、生活習慣病というのは全身管理ですので、これは医師にしかできない。医師を中心としてやるべきものだろうと思いますので、私はエパデールのスイッチOTC化には明確に反対させていただきます。

○望月部会長 村島委員、どうぞ。

○村島委員 私も内科医の立場で、鈴木先生のおっしゃることはすごくよく分かって、以前、そのような発言もさせていただいたのですが、これはとにかく適用を冷静に見た場合に、150mg/dL~300mg/dLは保険適用にない範囲だということで、このOTC化をきっかけに薬剤師ないし製薬会社のプロモーションによって、国民に生活習慣病に関する関心とか、あと300mg/dL以上になったら受診して、きちんと医師にかかりましょうというような動きになれば、両者にとって一番いいことだという感想を述べさせていただきます。

○望月部会長 ありがとうございます。小澤委員は何か御意見はございますか。特にないですか。いろいろな御意見が出まして、鈴木委員は御反対というのは分かりました。これまで3度審議して先生方の意見もいただいたのですが、一応、部会としての総意というのを示すことが必要で、それを示す段階だと私は考えます。鈴木委員がおっしゃるように、確かにこれから薬剤師がよりよく育つべきであり、今はまだかもしれないということはあります。しかしながら、これからよりよく育つ途中で、こういうチェックシートを使って自分たちで育つ体制を作り、業者もそれを助けるような情報提供資料を更に詳しくすることを考えていただくことを前提に、この段階で結論を出したいと考えますが、いかがでしょうか。

○鈴木委員 私は時期尚早だと思いますので、本日結論を出すべきではないと思います。もう少し議論をした上ですべきだと思います。

○望月部会長 ほかの先生方は特にございませんか。一応、全会一致ということで今まできましたけれども、ある程度結論というか、部会としての総意を出さざるを得ないと私は考えます。ここで鈴木委員は御反対ということを理解した上で、この部会としては条件付きでこれを承認したいと考えますが、ほかの委員の先生方、よろしいでしょうか。
 
それでは本部会として、議題3の医薬品エパデールT、エパアルテについて、条件付きで承認して差し支えない。ただし本部会の議論を必ずお伝え願って、必要な措置を全部取っていただくということが前提です。ありがとうございました。
 それでは、これらにつきましては、薬事分科会にその旨を報告させていただきます。ありがとうございました。また多田先生におかれましては、お忙しいところを御出席いただき誠にありがとうございました。

  ☆

 長いですねー。

 まず、お医者さんの意見を見てみましょう。

 多田参考人は、賛成の前提に

 「薬剤師、栄養士といった職域がユーザーをサポートする体制作り」

 「未病の段階で患者さんを対処できるシステムを、今回のように次々と構築していくこと」

 「自分のデータを知る、どこでも分かるというシステム作りを推進」

 という指摘をしましたが、それはこの会議の段階で提案されている内容で担保できる(あとは、実際にやってみて、どうか)という論旨のようです。

 従って、反対する理由はなく、当然、賛成。

 廣江委員は、賛成の前提に

 「ハイリスク群のブロック」

 「院外薬局のレベルにおいて使用する方に、薬や病気について説明する義務」

 の二点を挙げました。

 エパデールに関して、薬剤師は、「診断」しません。医師の専権ですから。「未病」の群に対して用いるのですから、「病気(狭義の、病名がつく疾患という意味)」について説明する義務はありません。医師が今までやっていたことを全部やる、というのは、「未病の段階で医師の診察を受けた方たち」に対してやっていたことを全部やる、という主張だと考えればよさそうです。

それを踏まえて、広義の「病気」については説明する仕組みが、この会議に提案されている内容で担保できる、という考え方のようです。

 多田参考人と廣江委員が賛成。

 残るは、鈴木委員。

 その反対理由(?)として挙げたのは、

1.スイッチOTCの定義が分からない

2.全身管理が必要な薬は、かかりつけ医を中心とした医師の管理下で服用することが大前提

3.「安易な薬物療法は慎むべき」の原則に反する

4.完璧のように見えるチェックシートを理解される方は、このチェックシートの説明を受ける間に医療機関を受診したほうが、むしろ手っ取り早い。

5.生活習慣病の治療は、その平等性を担保するために、非営利を原則とする医療の管理下に置くべき

6.薬局の仕組みが遅れている

7.「文書で説明」の覆面調査に耐えられない薬剤師なんか信用できない

 といったところですよね。

 で、それらに対して「現状こうですよ。問題ないですよ」という説明が、他の委員からされていますから、本来なら「反対する理由はなくなって」いるはずです。

1には、多田参考人が改正薬事法の中で謳われていて、「一般の方が薬剤師から提供された適切な情報に基づいて、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品である。軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするもの」と、OTC化の薬を国としては定義しているようです」と返答しています。定義がないのだと勝手に思い込んで議論を進めようとしたのは、鈴木委員のほうです。

3には、指名された多田参考人が「まず運動療法と食事療法をやってからです」と即答しています。鈴木委員が「やってからですと言っても、薬局ではいきなり薬を出すわけですね」なんていう質問をしても、多田参考人は「それは、してはいけないということが書かれているのではないですかと即答。書いてあることを、読んでないようなんですよ、鈴木委員は。

 まともな議論になるわけがありません。

 鈴木委員はさらに、「最初の日は、食事療法と運動療法をしてくださいと言って帰すわけですか」と訊いてますが、「ええ、そのとおりです」としか言いようがありません。むしろ、運動療法と食事療法を「やった」という証明を誰が出すのかを考えてもらいたいものです。これは2への返答にもなっていて、鈴木委員の言ってることは「運動療法・食事療法も含めての」全身管理のようですから、医師(あるいは医師の管理下にある専門家)が証明書を書くのが筋です。証明書を出すと、御自分で提案してもらいたいです。「全身管理をする医師が運動療法も食事療法もやってみたけれどダメで、でも通院させるほどではない」という方のための薬なんですから。

 従って、4のような意見はナンセンスで、「まず受診して、運動療法と食事療法をやったけれどダメだった。でも通院させるほどではない」という判断を医師がした、さらにチェックシートを書かなければ買えない薬だということを、鈴木委員は完全に忘れているようです。順番が逆なんですよ。先に薬屋に行ってエパデールをくれと言っても、買えないんです。専門家は、売らないんです。

 これは根本的な専門家関与の話で、鈴木委員が繰り返す「文書で説明」なんていう低いレベルの話ではありません。「売れないものは売らない」という姿勢は、薬屋の商道徳の大原則で、薬剤師法第一条の「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする」に合致します。国民の健康を確保できないような医薬品の供給は、やってはならないのです

 また、「平等性の担保」という視点で考えても、「一度医師の診察を受けて、【あなたは運動療法と食事療法でいいと思ったけどダメだった。でも通院の必要はない」という診察を受けていることが前提なのですから、「平等性」は十分すぎるほど担保されています

 どうも鈴木委員は、「薬局に行けば、すぐに買える薬」だと、大きく大きく勘違いしているようです。議論の大前提も知らず、資料も読まず、勘違いを指摘されても理解できない…という姿。

 6で薬局の仕組みが遅れていると主張されているのですが、これだけ細かい規制のかかった商品の販売は、薬局としても、はじめてやることです。はじめてやること「そのもの」ができるかどうかなんて話をされてもね。世の中の「はじめて」は、失敗しても問題なさそうなあたりからはじめていくものです。だから、エパデール。健康被害を最小限に抑え、被害が出る前に医師に受診させるシステムも含めて数値も決めて、前回エパデールがOTC薬化の俎上にのぼった際の問題点も解決して、「じゃ、やろっか」と言う段階になっているのを、まだ「仕組みが遅れている」と言えるなんて。驚きです。

 前回の議論を踏まえて、きちんと改善策を出して、今回の議論があります。

 問題点を解決する議論は、終わっているんですよね。

 日本医師会は、声明でなんて言ってたか、思いだしてみましょう。

4.一般用医薬品部会は、委員15 名のうち薬系委員が10 名を占め偏りがある上、非公開である。10 月17 日の一般用医薬品部会では、OTC 薬化に慎重な委員の意見に十分な説明もないまま、採決に至っており、遺憾である。国民の健康と命に係わる医薬品行政の審議においては、十分に議論を尽くしたうえで納得のいく結論を出すべきである。

 ・・・おいおい。

 十分に説明してあげているじゃないですか。少なくとも、議事録上は。(議事録は今回公開されましたし、委員の偏りについて他の委員会・審議会を是正していないことに医師会が文句を言ったりもしていませんよね? 「この審議会、医師が7割もいるぞ! こんなの偏りだ!」と、医師会は言いましたか? 声明の反対理由は全部潰されましたよ)

 議事録が公開されてみると、日本医師会にとっては、とんだ恥さらしですね。

 鈴木委員が持ち帰った報告を鵜呑みにして、声明まで出して、議事録がでてみれば、結局、「説明されているのに理解できない鈴木委員」がそこにいたわけですから。

 「国民の健康と命」を大事にしているのかと思ったら、そうじゃないんですね。

 日本医師会は、「国民の健康と命」を旗印にして、鈴木委員の「反対する理由がなくなっても反対」という姿勢を支持しちゃったわけですよ。

 うーん。

 ここは素直に、「ごめんなさい、説明をきちんと受けていたのに、私が理解できなかったので、団体にまで迷惑をかけました」と、声明における言い過ぎについては謝っておいて、そのうえで、この審議会の中でみなさんが一致しているように、「協力して」いけたらいいんじゃないですかね。

  ☆

 おっと、忘れていました。

 反対理由の「7」、議論中に鈴木委員が反論することがなくなってしまって三度も繰り返していた、平成22年度の「覆面調査」の件。

 議論中でも岩月委員や藤原委員が語っています。

 これは、覆面調査自体の信頼性が揺らいだと考えるべきでしょう。

 結果は、こちらに公開。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000205gu.html

 藤原委員曰く、「高知県では三軒しか行っていない」のに、資料の「回収結果」は23件になっています。日薬の調査がザルなのか、それとも驚きの「20件水増し」ですか???

 これ、詳細な結果を見ずに、「厚労省の調査で○○だったんだから、おまえらダメだ」とは、いえないことが、よくわかる話ですよね。

 鈴木委員は、「厚労省という権力に、間違いは絶対にない」みたいなことを言っているだけです。同じ医療職の仲間である薬剤師のことは全然信用できなくても、お役人さんだと、そんなに信用できるんですか? 

 三度も繰り返しましたけれど、結局、この調査以外、薬剤師の信用を疑う資料は一つも出てきていません。

 これしか、ツッコミどころがないんですよ。

 信用性の薄い調査しか材料がないのに、よくまあ、それを基にして「お前ら信用できん」と言えたものです。

 この審議会の中でも、厚労省の担当者自身が、厚労省の調査結果の「微妙さ」を発言しているじゃないですか。藤原委員や岩月委員が嘘を言っているのなら、そういうリアクションにはならないはずなんです。

 件の「覆面調査」を、「実在店舗の薬局と薬剤師がダメな証拠」であるかのように思いこんでいる方々が、多すぎます。

 あの調査、上から目線で非難する根拠になるほどの価値はないんですよ。むしろ、その調査だけを御旗にして文句を言っている方々って、情報リテラシーが弱い方とか、変な組織洗脳を受けている方とか、統計情報を適切に扱わないことを得意とする方とか、そういう【人種】ってことになりそうです。そういう人種が考える「適切」って、怖くないですか?

 なんか面白そうなので、この際、厚労省には、覆面調査の【本当の】結果も検証して、公開してくださることを期待します。まあ、二年以上前のことですし、自分が仕事をしていなかったことを自分から白状する覆面検査員がいるとは思えませんけれどね。自分から覆面をとっちゃう二代目タイガーマスクみたいなことにはならないでしょうし。

 御旗を出されると口ごもっちゃう方々も、データを実際に見てみたら、反論できるようになるかもしれません。

【調査時に第1類医薬品を販売していた店舗のうち、調査員が第1類医薬品について相談を行った際に「適切な説明があった」のは、75.2%であった。】という結果を考えれば、四軒に三軒は適切ってことです。この結果に、さらに研修を受けることがつけ加わるのですから、鈴木委員が何を心配しているのか全くわかりませんよね。

 少なくとも、審議会の議論においては、情報は力、無知は罪、そして「議論を理解しないコドモ」は不要です。

  ☆

 そういえば、この図式、ネット販売の検討会も同様な感じ(っていうか、もっと酷い)です。

 ネット販売のほうでは、エパデールの話における鈴木委員のような「覆面調査結果原理主義者(覆面調査結果以外の根拠で実店舗を批判できず、実店舗と同様の規制を【実店舗を持っているはずの】ネット販売に対してかけることに反対するような不思議な人たち)」が推進派に多いようですが、それって、「実在店舗」の批判をしているようでいて、実際は「薬剤師」を批判しているわけですから、ネット販売に関わる薬剤師も信用ならんという議論にもなっているんですよね。

 「薬剤師」の信用性については実店舗に勤務していようがネット販売の実店舗に勤務していようが変わりませんから、それって、ブーメランになってしまいます。

 「じゃあ結局薬剤師は信用ならんのだから、国民の安全のためにも、ネット販売は無理ですね。専門家である薬剤師にすら無理なら、登録販売者や素人は絶対無理。はい、ネット販売は、日本においては不可能」って結論に持って行きたいのでもない限り、ネット販売推進側が「覆面調査」の結果をもとにして実店舗批判をするのって、すごくアホらしいことなんです。

 みなさん(推進派も反対派も)、もう少しアタマ冷やしたらいいと思いますよ。(一緒に自腹でディズニーランドにでも行って、荒んだ心をリフレッシュしてみては?)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ネット販売のシンプルなルールを提案する遊び。

ネット販売について。

ルールを提案したいと思います。

過去記事のパブコメ関連なども参照してくださいませ。

  ☆

『過去記事の引用』

筆者は「今は、不便な部分をひとつひとつ改善することを考えようよー。あわてても、ろくなことないよー」という『今は、反対』の立場です。ここ、『今は』が大事ですからね。一方で、経過措置延長については、さっさと「延長する」って決めればいいのにな~、と思っています。(※延長されました)

「今解禁したら、条件を整えないんだろうなー(性悪説)」

  ☆

ある日、ちびっこと母親が、食事のことで言い争いました。

子「高級レストランでフカヒレのすてーきが食べたいー」

母「あんたにははやいからダメ」

子「国民の権利として、食事をする権利があるはずだ」

母「なに言ってんの。あんたどうせマナー違反するでしょ」

祖父「食事する権利はあるぞ。ただし、ちゃんとマナーを守ること」

子「はいはい、マナーを守りますー」

母「仕方ないわねー。じゃあ、ちゃんとマナーが守れるところをみせてくれたら、食べさせてあげる。相談しましょう」

子「ん? もぐもぐ(もう食べている)。マナー? なんのこと? ぼくがどんな食べ方しようが、それはぼくが食事を食べる権利のうちなんだから、関係ないよ。ぼくのマナーはぼくが決めるんだ」

母「マナー守るって約束は?」

子「知ったことか。ばーかばーか」

母「おじいちゃん、あんなことやってますよ」

祖父「ううむ…ワシ、なにも言えん」

  ☆

 案の定、厚労省が「適正な販売方法について決めるまでは売るな」と文書化したのに、「省令なんか守らないもん」と、無視を決め込んで、判決が出た瞬間に売り始めて、株価高騰。

 「売る権利を認めた」けれど、「省令の効力は撤回しない」という判決なんだから、粛々とルールを作った後に、ルールに沿って売り始めるのが商道徳ってものです。

 真っ先に、ルール無用で薬の販売を(厚労省の制止にもかかわらず)解禁しておきながら、ルール作りの場にでてきて「ぼくら悪いこと何にもしてないもん」と言えちゃう。和平会議の席を設けようと言われてOKしたら、和平会議までの数日の間に、都市を占領しまくっちゃうレベルの「信頼感」。

 ルールづくりねぇ。

 どうせ、守らないんでしょ?(と、思われても仕方のないことをしていますよね)

 自分たちは、どんなルールがつくられようが守る気ゼロでも、相手には、既存のルールを守れと言い放つ。で、既存のルールのおかしさを認められない人たちは、追い込まれる一方。

 既存のルール、たとえば「100%、文書で説明」なんて、おかしいルールです。添付文書、入っていますしね。文書を用いた説明がなければ理解できないのは、お役人さんだけでしょうから、「相手の職業をきいて、お役人さんだったら、文書を用いて説明すること」とでもルールを変更すればいいのに。(←これはこれでおかしなルールですけど)

 既存のルールで「最もおかしいこと」を、適正化すれば、最小の労力で、ネット販売の道が拓けます。しかも、ルールを守らない業者も、駆逐できます。

 「対面販売」なんか、テーマにしてちゃ、ダメです。

 大事なのは、「実存店舗と同じ規制をかけ、それを守らせる」ことです。

 実存店舗では、「薬剤師が実店舗に不在の時間帯、薬局は、閉局しなければならない」となっています。

 要は、ある店舗における医薬品の安全管理者が不在ならば、その店舗は営業できないという決まりです。

 これを、徹底しましょう。

1.薬剤師が必要な第一類を販売するネット販売業者においては、まず実店舗が必要で、薬剤師が実店舗に不在の場合は、営業できない。ネット販売業者は、薬剤師が実店舗に営業時間内常に存在していることを証明する。

2.登録販売者が必要な第二類を販売し、第一類を取り扱わないネット販売業者においては、まず実店舗が必要で、登録販売者が実店舗に不在の場合は、営業できない。ネット販売業者は、登録販売者が実店舗に営業時間内常に存在していることを証明する。

3.ネット販売業は、24時間体制であることを前提とする。薬剤師・登録販売者は、労働基準法に基づいた、適切な24時間体制を組まなければならない。

4.実店舗は、複数の名称・看板をもっていてはならない。従って、複数の販売サイトをひとつの実店舗で管理することは、許されない。

 んーと、この四つ。

 実店舗と同じ条件にするだけですから、ルールづくりは簡単です。

 「必ず専門家が介在する」のが、キモです。これは、薬事法の趣旨にも合致します。

 ひとりが週に40時間勤務として、24時間体制なら168時間をカバーしなければなりません。第一類を扱うなら、薬剤師が少なくとも5人必要です。もちろん、これは「存在している」という事項を満たすためだけの話ですから、多くの注文に対応するためには、相応の人員配置が必要でしょう。

 最大手と言ってもいいケンコーコムさんの薬剤師は、日経DIのインタビューによると、7人なのだそうです。

 7人いれば、シフトを組んで、24時間常駐体制にすることで営業するのも、できそうですよね。時間帯あたりの勤務薬剤師数は1~2人です。仮に第一類の注文が殺到しても、順番に対応するのだとは思います。ここをルール無用で「専門家が介在しない」状況にさせないことが大事。

 悪質な業者は、薬剤師5人以上の確保という段階で躓きますから、ルールを守る業者が残ります。ルールを守り、専門家が介在するのですから、ニセ薬の心配も、ほとんどありません。

 実店舗と同じルールを適用するのですから、実店舗でも、ルールを守れば、ネット販売が可能です。電話やメールのやりとりが心配なら、実費をかけて、現地まで行く薬局があってもいいはずです。

 「専門家が介在する」ということは、薬を「売らない」という結末もあるということです

 その結末が担保されていないのなら、ダメ。

 至ってシンプル。

 それなのに、「対面」「対面」だの「医療は営利じゃない」だの、議論にもならないことしか言わないヒトたちばかり。

 日本の成長戦略の目玉だと言うのですから、日本は「世界一安全な売り方を担保しているネット販売のシステム」を目指せばいい。それは「現時点で実店舗に行っている規制をそのまま適用すれば可能」なのです。

 実店舗に厳しいのに、ネットだと甘いなんてこと、誰も望んでいないのでしょう?

 ネット販売業者さんからは「公平」を求められているのですから、本当に公平にすればいいのです。それで文句を言ってくるようなネット販売業者さんは、公平という言葉の定義が狂っている方たちですから、信用に値しない、安全性を見いだせないと、切り捨てれば良いかと。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

«第四十六回『教祖様は、カリスマギタリスト』